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審決分類 審判 全部無効 利害関係、当事者適格、請求の利益 審決却下 E02D
管理番号 1071211
審判番号 無効2001-35435  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-04-19 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-10-04 
確定日 2003-01-06 
事件の表示 上記当事者間の特許第2743232号発明「地盤改善方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求を却下する。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1.本件発明
本件特許第2743232号発明は、平成4年8月18日に出願され、平成10年2月6日にその特許の設定登録がなされたものである。

第2.本件審判請求について
(2-1)請求人蓮沼英彦は、本件審判請求書において、請求の趣旨を「特許第2743232号の請求項1ないし4に係る発明についての特許を無効とする。」とし、証拠方法として、下記甲第1号証ないし甲第3号証を提出し、本件特許の請求項1ないし4に係る発明は、特許法第29条第1項又は第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、本件特許は、無効とすべきであるというものである。

甲第1号証(甲第1号証訳文):グラウティング イン ジエオテクニカル エンジニアリング. 1982年2月10〜12日 ルイジアナ州 ニューオリンズ モンテレオネホテルにて ウオレイス ヘイワード ベーカ一編集。 ニューヨーク州 ニューヨーク 東47 ストリート 345 アメリカ 土木学会発行 694頁〜707頁。
甲第2号証:「注入・圧送・吹付工法詳述」(樋口芳郎編1983年6月2日技法堂出版株式会社発行)225頁。
甲第3号証:「最新コンクリート材料・工法ハンドブック」(昭和61年2月10日第2刷株式会社建設産業調査会発行)231頁、236頁、1031〜1032頁。

(2-2)被請求人は、平成13年12月28日付け答弁書において、答弁の趣旨を「本件無効審判を却下するとの決定を求める。」とし、請求人の適格性を争う旨(答弁書2頁5ないし27行)答弁するとともに訂正請求(その後取り下げ)をしている。

(2-3)上記答弁書副本を請求人に送付したところ、請求人は、平成14年3月11日付け弁駁書において、請求人の適格性について、『平成13年12月28日付の答弁書によれば被請求人は「(1)手続上の違反」として本請求人が利害関係を立証していないと主張している。しかしながら、かかる主張は現時許法に何ら規定のない主張であり、特許庁審判部がそのような特許法に規定がないことを電話で回答するわけがない。このような特許法とは無関係な主張に対して弁駁の必要は認められない。』(弁駁書4頁2〜6行)と主張している。

(2-4)そこで、当審は、本案の審理に先立ち、被請求人が答弁書で主張する請求人適格について、請求人に釈明を求めるため、期間を指定して回答書を提出するよう平成14年4月19日付けで請求人に対して以下のような審尋書を送達した。
『 この審判事件について、下記の点に対する回答書の正本1通及びその副本3通を、この審尋の発送の日から60日以内に提出して下さい。

本件無効審判請求事件について、以下の事項における事実関係が明瞭でないから、この点について釈明し、必要であれば疎明のための資料などとともに、弁駁書(回答書)を提出して下さい。
「被請求人(特許権者)が、請求人の当事者適格について争っている(先に送付した答弁書、参照)ので、この適格性を明らかにすること。」
この点が明らかとならない場合には、本件無効審判の請求は却下されることとなります。(注1)
なお、請求人の適格性を明らかにするためには、例えば以下の点を参考にして下さい。
1.利害関係
特許(登録)の無効の審判の請求人については、当該特許権などの存否によって、その権利に対する法律的地位に直接の影響を受けるか、又は受ける可能性のある者は、その権利について利害関係を有する。
2.利害関係の性質
利害関係人の観念は、審判事件との関係(対被請求人及び請求の対象物との関係)について個々具体的に判断されるべきものであって、当事者能力のように個々の事件と離れて抽象一般的に判断されるものではない。
3.利害関係がある場合
利害関係人と特許権についての具体例は、次のとおりである。
(1) 当該特許発明を実施しているか、又は実施しているおそれのある者。
a 専用実施権者。(注2)
b 登録された通常実施権を有する者。(注3)
c 先使用による通常実施権を有する者。
d 当該特許発明と同一であるおそれがある発明を実施している者。
(2) 当該特許発明を利用する特許発明に係る特許権者、又はその特許権の専用実施権者若しくは通常実施権者。
(3) 当該特許権と抵触する意匠権を有する者、又はその意匠権の専用実施権者若しくは通常実施権者。
(4) 当該特許権について訴訟関係にある者。
(5) 当該特許発明を実施していないが、実施の設備を有する者。
(6) 当該特許発明の実施の準備をしている者。
a 必要な機械や材料を購入し、又は契約をしている者。
b 工場の建設や設計に着手している者。
(7) 業務の性質上当該特許発明を実施する可能性を有する者。
a 当該特許発明と同種の物を製造する者
注1:東高判昭44(行ケ)81号(昭45.2.25)
注2:東高判昭53(行ケ)188号、(昭54.11.21)
注3:東高判昭59(行ケ)7号、(昭60.7.30)』
(2-5)これに対し、請求人からは何らの応答及び回答書の提出はないものである。

第3 当審の判断
本件無効審判の請求について、被請求人が請求人適格を争うものであることは上記したとおりである。
そして、無効審判請求事件においては、請求人において本件特許との利害関係を有することが求められるところ、本件無効審判に係る特許について請求人が利害関係を有するものであるのか否か、本件審判請求書をみても明らかではない。
そこで、これを明りょうとするために、当審は請求人に対して前記したとおりの審尋を行ったところ、請求人からは何らの応答もなされなかったものである。また、その余の手続などからも、請求人が本件特許について利害関係を有するものということができない。
したがって、請求人の適格性を争う被請求人の主張は理由があるものと認められる。
なお、本件無効に係わる請求理由については、本案審理を要しないものである。

第4 まとめ
以上のとおりであるから、本件審判の請求は、不適法なものとして却下すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-07-31 
結審通知日 2002-08-05 
審決日 2002-08-20 
出願番号 特願平4-240108
審決分類 P 1 112・ 02- X (E02D)
最終処分 審決却下  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 山口 由木
中田 誠
登録日 1998-02-06 
登録番号 特許第2743232号(P2743232)
発明の名称 地盤改善方法  
代理人 瀬川 幹夫  
代理人 富田 幸春  
代理人 富田 幸春  
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