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| 審決分類 |
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 G03G 審判 全部申し立て 2項進歩性 G03G 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 G03G |
|---|---|
| 管理番号 | 1076266 |
| 異議申立番号 | 異議2000-73809 |
| 総通号数 | 42 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 特許決定公報 |
| 発行日 | 1992-11-24 |
| 種別 | 異議の決定 |
| 異議申立日 | 2000-10-10 |
| 確定日 | 2002-12-26 |
| 異議申立件数 | 1 |
| 訂正明細書 | 有 |
| 事件の表示 | 特許第3030912号「現像装置」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
| 結論 | 訂正を認める。 特許第3030912号の請求項1、2に係る特許を取り消す。 |
| 理由 |
1. 手続きの経緯 1.1. 概略 特許第3030912号(以下、本件特許と言う。)の請求項1および2に係る発明は、平成3年5月14日に特許出願され、平成10年5月27日付けおよび平成11年8月11日付け手続補正書により補正された後、平成12年1月4日に特許査定され、平成12年2月10日にその特許権が登録された。その後、平成12年4月10日に特許公報が発行され、特許異議申立期間内である平成12年10月10日に、特許異議申立人キャノン株式会社から特許異議の申し立てがされ、平成12年11月29日付けで請求項1および2に係る特許について取消理由が通知され、その指定期間内である平成13年2月13日に訂正請求書および意見書が提出されたものである。 1.2. 取消理由通知の概要 (取消理由1) 本件特許に係る特許出願(以下、本件特許出願と言う。)について、平成10年5月27日付け手続補正書によってされた補正は、明細書の要旨を変更するものである。したがって、本件特許出願は、旧特許法第40条の規定により、当該手続補正書を提出したとき、すなわち平成10年5月27日にしたものと見なす。 そうすると、本件特許の請求項1および2に係る発明は、本件特許出願の前に国内で頒布された刊行物であって、特許異議申立人が提出した 刊行物1:特開平4-336564号公報(本件特許出願の公開公報) に記載された発明であるから、本件特許の請求項1および2に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当する。したがって、本件特許の請求項1および2に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当する。 (取消理由2) 本件特許出願の明細書は、記載が不明瞭であり、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易にその実施をすることができる程度に発明の構成が記載されていない。また、特許請求の範囲には、発明の構成に欠くことができない事項が記載されていない。したがって、本件出願は、旧特許法第36条第4項および第5項に規定する要件を満たしていない。 (取消理由3) 本件特許の請求項1および2に係る発明は、本件特許出願の前に国内で頒布された 刊行物2:特開平2-221968号公報 に記載された発明であるから、本件特許の請求項1および2に係る発明は、特許法第29条第1項第3号に該当する。したがって、本件特許の請求項1および2に係る特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものであり、同法第113条第2号に該当する。 2. 要旨変更の存否についての判断 本件特許については、上述のとおり、平成10年5月27日付け手続補正書によってされた補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許出願の出願日が繰り下がるとする取消理由が通知されている。一方、本件特許の訂正を認めるか否かおよび本件特許を取り消すか否かを判断する際に適用すべき特許法の条文は、出願日によって異なる。そこで、本件特許出願の出願日を確定するために、明細書の要旨が変更されたか否かを最初に判断する。 2.1. 願書に最初に添付された明細書の記載事項 本件特許出願の願書に最初に添付された明細書(以下、当初明細書と言う。)には、以下の事項が記載されている。なお、当初明細書の特許請求の範囲の請求項1に係る発明を、以下、当初発明と言う。 (当初発明) 【請求項1】 少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な現像ローラーで現像剤を搬送し、前記現像ローラーを潜像担持体に前記現像剤を介して接触させつつ、前記潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置において、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、前記弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、前記弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを当接させる線荷重をp(kg/mm)として、前記シャフトの半径r(mm)が次式を満たすことを特徴とする現像装置。 【数1】 ![]() 【0008】 【作用】 本発明の上記の構成によれば、現像ローラーと潜像担持体の圧接部において、長手方向の端部と中央部の間に生じる当接圧力の差を僅少に保ち、濃度ムラの少ない現像装置を提供することができる。以下にその詳細を述べる。 【0009】 断面が円形のシャフトを付勢し現像ローラーを潜像担持体に圧接する場合、現像ローラーのシャフトの最大撓みw1は当分布荷重をうける両端支持はりの問題として公知の式を適用することができ、シャフトの縦弾性係数Esとしてシャフトに用いられる材料の一般的であるステンレス鋼の値2.1×104を用いると次式になる。但し、現像ローラーは弾性部材の端部近傍で支えると仮定する。 【0010】 【数3】 ![]() 【0011】 一方、弾性を有する現像ローラーの荷重に対する変位がほぼ線形に変化する領域では、現像ローラーの変位w2に、公知の弾性ローラーを平板に圧接した場合の荷重変位のモデルが適用できる。 【0012】 【数4】 ![]() 【0013】 であると簡略化して、現像ローラーの変位w2は次式で表される。 【0014】 【数5】 ![]() 【0015】 本出願人は、w1とw2が、 【0016】 【数6】 w1<2×w2 なる関係にあるとき、現像ローラーと潜像担持体の長手方向における当接圧力の差が僅少に保たれ、良好な圧接状態が保たれることを見いだした。圧接現像においては、当接圧力によって現像特性が大きく左右されるため、現像領域において均一な当接圧力を維持することで均一な現像特性を実現し、濃度ムラの無い良好な現像を可能にすることが必要であり、本発明の上記の構成によってそれが可能になる。 【0021】 (実施例1) 次に、図1に示した画像形成装置において、形状等を変えた複数の現像ローラーを用いて行った画像形成の結果について説明する。本実施例に用いた現像ローラーの特性を表1に示す。但し本実施例において、現像ローラーの弾性部材の長さLは230(mm)であり、現像ローラーを潜像担持体に押圧する荷重は0.2(kg)、1(kg)、2(kg)と変化させた。 【0023】 表1に示した現像ローラーで記録紙に形成した黒ベタ画像を、以下のように評価した。図4は本発明の実施例における画像濃度評価位置を示す図である。図4に示した濃度評価位置41において画像の光学濃度をマイクロデンシトメーターにより測定し同一記録紙における最高濃度と最低濃度の差を濃度差とした。同1条件において記録紙10枚の濃度差を評価しその平均が0.1以下のものを良好な画像とした。図5は本発明の実施例における濃度ムラ評価を示す図である。横軸は数3によって計算した値w1であり、縦軸は数5によって計算した値w2である。濃度差が0.1以下で良好な黒ベタ画像が得られた点を◆でしるし、濃度差が0.1より大きい点を◇でしるしている。w1、w2がともに大きな値となる領域では、スティックスリップによる濃度ムラが主であり、w2が小さい値となる領域では当接圧力の差による濃度ムラが主であった。良好領域と不良領域の境は略 【0024】 【数7】 ![]() 【0025】 となっており、濃度ムラを低減するにはw2を大きく、w1を小さくする方法をとれば良いことになる。 【0026】 (実施例2) 実施例1と同様に、図1に示した画像形成装置において、形状等を変えた複数の現像ローラーを用いて画像形成を行った。本実施例の実施例1との違いは現像ローラーの弾性部材の長さLを280(mm)としたことであり、したがって画像の横幅が長くなっている。他の現像ローラーの特性は表1と同様であり、現像ローラーを潜像担持体に押圧する荷重も実施例1と同様に0.2(kg)、1(kg)、2(kg)と変化させた。評価も実施例1と同様に行い図6を得た。図6は本発明の他の実施例における濃度ムラ評価を示す図である。やはり良好領域と不良領域の境は略w2/w1=2であった。 【0027】 以上の実施例1および実施例2の結果に基づき、数7からシャフトの半径rについての条件を求め、数1を得た。即ち、数1を満たすシャフトを用いた現像ローラーであれば、濃度ムラが僅少な良好な画像を形成することが可能となる。 2.2. 補正後の明細書の記載事項 平成10年5月27日付け手続補正書によって補正された明細書(以下、補正明細書という。)には、以下の事項が記載されている。なお、補正明細書の特許請求の範囲の請求項1および2に係る発明を、以下、補正発明1および2と言う。 (補正発明1) 【請求項1】 シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し、該現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、 前記シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、該弾性部材の(kg/mm)長手方向の長さをL(mm)、該弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)を、 【数1】 ![]() となしたことを特徴とする現像装置 (補正発明2) 【請求項2】 前記シャフトをステンレス鋼により形成したときの半径を 【数2】 ![]() となしたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、潜像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像する現像装置に関し、より詳しくは、弾性変形可能な材料により形成した現像ローラを現像担持体に当接させて現像する形式の現像装置に関する。 【0006】 【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し、この現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、…(以下略) 【0010】 これに対して現像装置7は、静電潜像を顕像化する磁性の現像剤8を搬送し現像するもので、この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円上に配設し、磁界発生層12の外周に漏洩した磁束により現像剤8を現像ローラー9上に直接保持し、さらに、これを非磁性または磁性の金属や樹脂で構成された薄板バネ状の弾性ブレード13で適量に規制した上、現像ローラー9を回転させてこの薄層形成した現像剤8を搬送するようにしたもので、磁界発生層12を磁化反転ピッチが100(μm)以下になるように水平方向に磁化することにより、磁界発生層12上には現像剤8による微小な現像剤のチェインを形成して薄層で安定な現像剤層を得る。 【0012】 また、図2は本発明のが適用される他の現像ローラを示したものであって、この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層12及び電極層24をそれぞれ同心円上に配設したもので、電極層24の外周に保持した現像剤8を金属や樹脂で構成される薄板バネ状の弾性ブレード26により適量に規制して、薄層化した現像剤8を搬送するようにしたものである。 【0013】 ところで、断面が円形のシャフト10を押圧して現像ローラー9を潜像担持体1に圧接すると、現像ローラ9には撓みが生じる。 このシャフト10の最大撓みw1は、等分布荷重をうける両端支持はりの問題として公知の式を適用することができ、シャフト10の縦弾性係数をEs(kg/mm2)、長手方向の長さをL(mm)、現像ローラー9を潜像担持体1に当接させる線荷重をp(kg/mm)、シャフトの半径r(mm)としたとき、シャフト10の撓みw1は、式 【0014】 【数4】 ![]() として表される。 【0015】 また一方、弾性を有する現像ローラー9の荷重に対する変位がほぼ線形に変化する領域では、現像ローラー9の変位w2に、公知の弾性ローラーを平板に圧接した場合の荷重変位のモデルが適用でき、かつ 【0016】 【数5】 ![]() と簡略化することができるので、現像ローラ9の変位w2は、式 【0017】 【数6】 ![]() として表される。 【0018】 そして、シャフト10の最大撓みw1と現像ローラ9の変位w2との間には、式 【数7】 w1<2×w2 ……(3) なる関係にあるとき、現像ローラ9と潜像担持体1の長手方向における当接圧の差が僅少になって良好な圧接状態が保たれることが後述するように明らかとなり、この状態でのシャフト10の半径rは、上記(3)式に(1)、(2)式を代入して得られる 【0019】 【数8】 ![]() 【0020】 式(4)より 【数9】 ![]() 【0021】 となることが明らかで、また、このシャフト10に縦弾性係数Esが2.1×104のステンレス鋼を用いると、…(以下略) 【0036】 【発明の効果】 以上述べたように本発明によれば、現像ローラを構成する弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、その長手方向の長さをL(mm)、半径をR(mm)、シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、現像ローラーを潜像担持体に当接させる線荷重をp(kg/mm)としたときのシャフトの半径r(mm)を 2.3. 対比 補正発明1の「該弾性部材の(kg/mm)長手方向の長さをL(mm)」という記載は、意味が不明である。しかし、補正明細書、特にその発明の詳細な説明の段落【0036】に「現像ローラを構成する弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、その長手方向の長さをL(mm)」と記載されていることを参酌すると、これは、「該弾性部材の長手方向の長さをL(mm)」と記載すべきところに、誤って「(kg/mm)」という語句が挿入されたものと認められる。そして、このことは、その後提出された平成11年8月11日付け手続補正書によって、この語句が削除されたこととも符合する。したがって、以下では、補正発明1の「(kg/mm)」は誤記であって、この語句は記載されていないものと解釈する。 さて、当初明細書の記載と補正明細書の記載と比較すると、表現の差異は別にして、「弾性変形可能な現像ローラーの表面に現像剤を担持させ、前記現像ローラーを潜像担持体に接触させながら、前記現像ローラーに担持された前記現像剤により、前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置」が共通して記載されている。 そして、補正明細書の記載は、当初明細書の記載を以下の2点で補正したものと認められる。 (補正事項1) 当初発明では、弾性変形可能な現像ローラーが「少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な現像ローラー」であるのを、補正発明1では、「シャフトの外周に固定され、弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラー」にした点。 (補正事項2) 当初発明においては、シャフトの半径rが満たすべき条件が、弾性部材の縦弾性係数Ef、前記弾性部材の長手方向の長さL、前記弾性部材の半径Rおよび現像ローラーを当接させる線荷重pを含む不等式 ![]() (以下、当初の不等式と言う。)によって規定されているのを、補正発明1においては、さらにシャフトの縦弾性係数Esを含む不等式 ![]() (以下、補正後の不等式と言う。)によって規定するようにした点。 2.4. 補正事項の検討 2.4.1. 補正事項1について 当初発明の弾性変形可能な現像ローラーは、明らかに、シャフトと、その外周に形成された弾性部材とから形成される全体のことを意味している。一方、補正発明1の弾性変形可能な現像ローラーは、シャフトの外周に固定され、弾性部材よりなっていると記載されているから、当該現像ローラーは、当該シャフトとは別個の部材として構成されていると解釈される。 ここで、補正明細書を参照すると、その発明の詳細な説明の段落【0006】に、補正発明1の文言に対応する形で「シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し」と記載されているのは別にして、段落【0010】には、「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円上に配設し…たもので」と記載されている。同じく段落【0012】には、「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層12及び電極層24をそれぞれ同心円上に配設したもので」と記載されている。また、段落【0001】には、「弾性変形可能な材料により形成した現像ローラ」と記載され、段落【0036】には、「現像ローラを構成する弾性部材」と記載されている。そして、弾性変形可能な現像ローラーの具体的構成に関する記載は、明細書の他の部分には見当たらない。 そうすると、補正明細書の特許請求の範囲の記載によれば、補正発明1の弾性変形可能な現像ローラーは、シャフトとは別個の部材として構成されていると解釈されるものの、その発明の詳細な説明の記載を参酌すると、補正発明1の弾性変形可能な現像ローラーが実際に意味するものは、シャフトと、このシャフトの外周に形成された弾性部材とから構成される全体のことであると解釈せざるを得ない。そして、この構成は、当初発明の弾性変形可能な現像ローラーの構成と同じである。 したがって、補正事項1は本質的な差異をもたらすものではなく、この点で明細書の要旨が変更されたと言うことはできない。 2.4.2. 補正事項2について 当初の不等式 ![]() は、当初明細書に記載された 「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいとき、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」 という技術的事項(以下、当初の技術的事項と言う。)を数式で表したものである。一方、補正後の不等式 ![]() は、補正明細書に記載された 「シャフトの縦弾性係数Esの値によらず、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」 という技術的事項(以下、補正後の技術的事項と言う。)を数式で表したものである。そして、補正後の技術的事項は、当初の技術的事項の範囲内にない。したがって、当初の不等式を補正後の不等式に変更することをその内容とする補正事項2は、明細書の要旨を変更するものである。 以下、その理由を説明する。 2.4.2.1. 当初の技術的事項について 当初明細書には、その発明の詳細な説明の段落【0015】から段落【0016】にかけて、「本出願人は、w1とw2が、w1<2×w2なる関係にあるとき、現像ローラーと潜像担持体の長手方向における当接圧力の差が僅少に保たれ、良好な圧接状態が保たれることを見いだした。」と記載されている。このことから、当初発明において、シャフトの半径rが満たすべき条件を規定する不等式(当初の不等式) ![]() は、一方で、等分布荷重を受ける両端支持はりの問題として公知の式から計算して求めた現像ローラーのシャフトの最大撓みをw1とし、他方で、弾性ローラーを平板に圧接した場合の荷重変位に関する公知のモデルを適用し、そのモデルに従った計算から求められる現像ローラーの変位をw2としたとき、このw1およびw2が、 w1/w2<2 という関係式を満たせば、現像ローラーと潜像担持体の長手方向における当接圧力の差が僅少に保たれ、良好な圧接状態が保たれるという事実を実験によって見いだし、上記関係式を変形して、シャフトの半径rに関する項のみを左辺に残すことによって得られたものであると認められる。 ところで、当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0023】には、「横軸は数3によって計算した値w1であり、縦軸は数5によって計算した値w2である。」と記載されている。また、段落【0009】には、「シャフトの縦弾性係数Esとしてシャフトに用いられる材料の一般的であるステンレス鋼の値2.1×104を用いると次式になる。」と記載され、これに対応して、段落【0010】の【数3】 ![]() の右辺分母には、ステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104が明記されている。したがって、上記事実を見いだした実験は、ステンレス鋼でできたシャフトを用いて行われたことが明らかである。したがって、シャフトの最大撓みw1を計算する際には、シャフトの縦弾性係数Esとして、ステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104が用いられている。そして、ステンレス鋼以外の材料でできたシャフトを用いた実験結果は、当初明細書に記載されていない。 すなわち、「w1およびw2が、w1/w2<2という関係式を満たせば、現像ローラーと潜像担持体の長手方向における当接圧力の差が僅少に保たれ、良好な圧接状態が保たれる」という事実が実験によって見いだされたとは言っても、この事実が、シャフトの縦弾性係数Esのあらゆる値について裏付けられたというわけではない。当初明細書の記載からは、むしろ、シャフトの材料としてステンレス鋼を用いたとき、言い換えれば、シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいときにのみ、実験による裏付けがあると言うべきである。 以上のことをまとめると、当初明細書には、 「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいとき、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」 という技術的事項(当初の技術的事項)が、それを裏付ける実験結果とともに記載されていると認められる。そして、当初の不等式は、当初の技術的事項を数式として表現したものである。 ところで、この当初の技術的事項は、当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0015】から段落【0016】にかけて、「本出願人は、…なる関係にあるとき、…良好な圧接状態が保たれることを見いだした。」と記載されていることから分かるように、実験によって初めて発見され、裏付けられたものであって、理論的に導き出されたものでない。換言すれば、当初の技術的事項が事実かどうかは、実験によって検証されない限り明らかではない。 そして、当初の技術的事項がこのようなものである以上、当初の技術的事項が事実であることが実験で検証されたとしても、その事実を一般化し、拡張することができる範囲には、自ずから限界がある。常識的に考えれば、特定の条件下である実験結果が得られたとしても、その特定の条件とは大きく異なる条件下では、得られる実験結果も全く異なると予想される。したがって、当初の技術的事項が事実であるという検証結果から、当業者に自明な事項は、常識的に考えて、「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に近いとき、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という程度にすぎない。 仮に、一般化をさらに進めて、シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104とは異なる場合を考えたとすると、この場合は、当初の技術的事項が事実であることを検証する実験が前提としている「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいとき」という条件が、満たされない場合を考えていることになる。実験が行われた条件とは異なるそのような条件の下では、当初の技術的事項の「関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という部分は、もはや実験によって裏付けられていると言うことができない。 そのような場合に、当初明細書に記載された実験結果に基づいて言えることは、せいぜい「w1/w2で表される量が、圧接状態の良・不良に関係すると予想される」という程度にすぎない。この予想が正しいかどうか、また、予想が正しいとして、さらにw1/w2と特定の値との大小関係が直ちに圧接状態の良・不良を表すかどうかは、改めて実験してみなければ分からない。そして、実験によって、w1/w2と特定の値との大小関係が良・不良を表すことが検証されたとしても、その特定の値が2であるかどうかは、その実験結果から初めて明らかになる事実であって、実験することなしに、この特定の値が2であると言うことはできない。 2.4.2.2. 補正後の技術的事項について 一方、補正明細書、特にその発明の詳細な説明の段落【0014】には、シャフトの最大撓みw1を表す一般式【数4】 ![]() が記載されている。ただし、左右両辺を結ぶ不等号(>)は、等号(=)の誤記と認める。また、段落【0018】には、「シャフト10の最大撓みw1と現像ローラ9の変位w2との間には、式w1<2×w2…なる関係にあるとき、…良好な圧接状態が保たれることが後述するように明らかとなり」と記載されている。これらのことから、補正発明1において、シャフトの半径rが満たすべき条件を規定する不等式(補正後の不等式) ![]() は、現像ローラーのシャフトの最大撓みw1と現像ローラーの変位w2とが、 w1/w2<2 という関係式を満たす場合に、現像ローラーと潜像担持体の長手方向における当接圧力の差が僅少に保たれ、良好な圧接状態が保たれるということが、シャフトの縦弾性係数Esの値によらず成り立つことを前提とし、上記関係式を変形して、シャフトの半径rに関する項のみを左辺に残すことによって得られたものであると認められる。 すなわち、補正後の不等式は、 「シャフトの縦弾性係数Esの値によらず、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」 という技術的事項(補正後の技術的事項)を、数式として表現したものである。 当初の技術的事項が、「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいとき」という条件の下で「関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」ということをその内容とするのに対し、補正後の技術的事項は、「シャフトの縦弾性係数Esがいかなる値であっても、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」ということをその内容としている。 しかし、「2.4.2.1.当初の技術的事項について」で述べたように、当初の技術的事項から当業者に自明な事項は、「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に近いとき、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という程度にすぎない。さらに一般化を進めたとしても、せいぜい「w1/w2で表される量が、圧接状態の良・不良に関係すると予想される」という程度である。したがって、「シャフトの縦弾性係数Esがいかなる値であっても、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」ということをその内容とする補正後の技術的事項が、当初の技術的事項の範囲内にあると認めることはできない。 したがって、当初の技術的事項を補正後の技術的事項に変更する補正は、明細書の要旨を変更するものである。そして、当初の不等式および補正後の不等式は、それぞれ当初の技術的事項および補正後の技術的事項を数式として表現したものであるから、当初の不等式を補正後の不等式に変更することを内容とする補正事項2も、やはり明細書の要旨を変更するものである。 2.4.2.3. 特許権者の主張について 特許権者は、意見書の第2ページ第20行から第3ページ第6行までにおいて、「濃度ムラの主因をなすシャフトのたわみが本件明細書に式で現されているように、シャフトのたわみが連続したものである以上、一般的な素材の例をもって全体の傾向を説明することは、機械的もしくは電気的な技術に関する多くの明細書に見られる事柄であって、他の材料についての検証がなされていないということを根拠とした判断は、成分等の若干の違いによって物性を全く異にする材料分野の明細書と同一視したものであって、通常の審査基準に照らしてみてもきわめて異常な判断と言わざるを得ません。」と主張している。 特許権者が主張するとおり、一般的な素材の例をもって全体の傾向を説明することは、多くの技術分野で認められている。しかし、補正事項2は、一般的な素材の例をもってした説明を全体の傾向として一般化するものではなく、シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいという条件の下で得られた事実の正しさを、この条件を満たさない場合にまで拡張するものである。既に述べたとおり、特定の条件下で得られた実験結果は、ある一定の範囲を越えて一般化できないのであって、これが可能であるとする特許権者の主張は、採用することができない。 特許権者はまた、意見書の第3ページ第7行から第12行までにおいて、「出願当初明細書の請求項1に記載された「ステンレス鋼の縦弾性係数をもとにしたシャフトの半径についての式」を「各種シャフト材に共通する半径についての式」に変更する補正は、好ましい1つの実施例の記載をもとに、その実施例を含むより上位の概念まで拡張することが機械的、電気的な技術分野の明細書においては広く認められているところであり、」と主張している。 好ましい実施例の記載をもとに、その実施例を含むより上位の概念まで拡張することが認められていることは、特許権者が主張するとおりである。しかし、上述のとおり、補正事項2は、シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいという条件の下で得られた事実の正しさを、この条件を満たさない場合にまで拡張するものであって、実施例をその上位の概念に拡張するものではない。したがって、特許権者の上記主張は、当を失している。 さらに特許権者は、意見書の第3ページ第15行から第19行までにおいて、「さらに「2.1×104」としていた縦断性係数を一般的な縦断性係数を表す「Es」に書き換えても、この間に何ら新規な技術的思想を附加したものではなく、かつ、この一般式についても平成10年5月27日付けの意見書で述べたように、単なる演算によって導き出される程度の事柄であります。」と主張している。 当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0009】には、「断面が円形のシャフトを付勢し現像ローラーを潜像担持体に圧接する場合、現像ローラーのシャフトの最大撓みw1は当分布荷重をうける両端支持はりの問題として公知の式を適用することができ」および「シャフトの縦弾性係数Esとしてシャフトに用いられる材料の一般的であるステンレス鋼の値2.1×104を用いると」という記載があり、また、当初明細書の発明の詳細な説明の段落【0010】に記載された【数3】 ![]() の右辺分母に、明らかにステンレス鋼の縦弾性係数と認められる数値2.1×104が明記されているから、この数値2.1×104をEsに置き換えれば、シャフトの最大撓みw1を表す一般式 w1=0.0166×p×L4/(Es×r4) が得られることは、直ちに理解できる。したがって、2.1×104という具体的な数値を、一般的な縦弾性係数Esに置き換えること自体は、明細書の要旨を変更するものではない。 しかし、補正事項2は、2.1×104という具体的な数値を、一般的な縦弾性係数Esに置き換えることをその内容としているわけではない。既に述べたように、補正事項2は、「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しいとき、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という当初の技術的事項を、「シャフトの縦弾性係数Esの値によらず、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という補正後の技術的事項に補正するものであって、ここには、「シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104と異なっていても、関係式w1/w2<2が成立すれば、良好な圧接状態が保たれる」という新規な技術的事項が付加されている。したがって、何ら新規な技術的思想を付加したものではないとする特許権者の主張は、採用することができない。 2.5. むすび 以上のとおりであるから、平成10年5月27日付け手続補正書によってされた補正は、本件特許出願の明細書の要旨を変更するものであって、その後提出された平成11年8月11日付け手続補正書および平成13年2月13日付け訂正請求書の内容を参酌しても、この要旨変更は解消されない。したがって、本件特許は、特許をすべき旨の査定の謄本の送達前にした補正が、願書に添付した明細書の要旨を変更するものと認められる特許出願に対してされたものである。 よって、本件特許出願は、特許法等の一部を改正する法律(平成5年法律第26号)附則第2条第2項の規定により、なお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第40条の規定により、当該手続補正書を提出したとき、すなわち平成10年5月27日にしたものと見なす。 3. 訂正の適否についての判断 3.1. 訂正の内容 平成13年2月13日付けで提出された訂正請求書は、本件特許明細書を、当該訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものである。そして、当該訂正請求書の請求の要旨によると、以下の訂正事項を含んでいる。 (訂正事項1) 特許請求の範囲の請求項1に 「シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し、該現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、 前記シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、該弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、該弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)を、 【数1】 ![]() となしたことを特徴とする現像装置」 とあるのを 「シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、 前記シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、該弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、該弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)を、 【数1】 ![]() となしたことを特徴とする現像装置」 に訂正する。 (訂正事項2) 発明の詳細な説明の段落【0006】に 「すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し、この現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において」 とあるのを 「すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において」 に訂正する。 (訂正事項3) 発明の詳細な説明の段落【0010】に 「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円上に配設し」 とあるのを 「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円状に配設し」 に訂正する。 (訂正事項4) 発明の詳細な説明の段落【0012】に 「導電性の弾性層12及び電極層24をそれぞれ同心円上に配設したもので、電極層24の外周に」 とあるのを 「導電性の弾性層11及び電極層12をそれぞれ同心円状に配設したもので、電極層12の外周に」 に訂正する。 3.2. 訂正の目的の適否、新規事項の有無および特許請求の範囲の拡張または変更の存否 3.2.1. 訂正事項1について この訂正は、請求項1の「シャフトの外周に弾性部材よりなる弾性変形可能な現像ローラーを固定し、該現像ローラーを」という記載を、「シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを」に訂正することにより、請求項1に係る発明における弾性変形可能な現像ローラーが、シャフトと、そのシャフトの外周に同心円状に設けられた弾性層とから構成されていることを明確にし、請求項1に係る発明における現像ローラーを、そのような特定の構成を有する現像ローラーに限定しようとするものである。 本件特許明細書を参照すると、その発明の詳細な説明の段落【0010】には、「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円上に配設し…たもので」と記載され、同じく段落【0012】には、「この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層12及び電極層24をそれぞれ同心円上に配設したもので」と記載されている。したがって、弾性変形可能な現像ローラーを上記のような特定の構成とする点は、本件特許明細書に明記されている。 また、本件特許出願の願書に最初に添付された明細書を参照すると、その発明の詳細な説明の段落【0019】には、「現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11及び磁界発生層12をそれぞれ同心円上に配設したもので」と記載され、同じく段落【0020】には、「現像ローラー21は、シャフト22の外周に導電性の弾性層23及び電極層24をそれぞれ同心円上に配設したもので」と記載されている。したがって、上記の点は、本件特許出願の願書に最初に添付された明細書にも明記されている。 そして、この訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 3.2.2. 訂正事項2について この訂正は、本件特許明細書の発明の詳細な説明の記載のうち、特許請求の範囲の請求項1が上記訂正事項1のとおりに訂正されることによって不明瞭となる部分を、本件特許明細書および本件特許出願の願書に添付された明細書に記載された事項の範囲内で、訂正後の請求項1の記載と一致させ、明瞭にしようとするものである。 そして、この訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 3.2.3. 訂正事項3および4について この訂正は、本件特許明細書の発明の詳細な説明のうち、誤って記載された「同心円上に」という語句を、本来記載されるべきであった「同心円状に」に訂正するとともに、「弾性層12」および「電極層24」という記載を、図面の記載に合わせてそれぞれ「弾性層11」および「電極層12」に訂正するものである。 そして、この訂正は、誤記の訂正を目的としたものであって、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内においてされており、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 3.3. むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項および同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 4. 特許異議申立てについての判断 4.1. 訂正後の本件発明 上述のとおり訂正が認められるから、本件特許の訂正後の請求項1および2に係る発明(以下、本件発明1および2と言う。)は、訂正明細書および図面の記載から見て、その請求項1および2に記載された次のとおりのものであると認める。 (本件発明1) 【請求項1】 シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、 前記シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、該弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、該弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)を、 【数1】 ![]() となしたことを特徴とする現像装置 (本件発明2) 【請求項2】 前記シャフトをステンレス鋼により形成したときの半径を 【数2】 ![]() となしたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。 4.2. 特許法第29条違反について 4.2.1. 刊行物1に記載された事項 刊行物1には、上記「2.1.願書に最初に添付された明細書の記載事項」で指摘した事項が、図面とともに記載されている。それらを総合すると、刊行物1には、 (ア) 少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な現像ローラーで現像剤を搬送し、前記現像ローラーを潜像担持体に前記現像剤を介して接触させつつ、前記潜像担持体上の静電潜像を現像する現像装置において、 (イ) 前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、前記弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、前記弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを当接させる線荷重をp(kg/mm)として、前記シャフトの半径r(mm)が式 ![]() を満たすことを特徴とする現像装置 が記載されていると認められる。 4.2.2. 本件発明1についての対比・判断 4.2.2.1. 対比 本件発明1と刊行物1に記載された発明とを比較すると、以下のとおりである。 (ア) 刊行物1に記載された発明の「シャフト」、「弾性変形可能な現像ローラー」、「現像剤」、「潜像担持体」、「潜像担持体上の静電潜像」および「現像装置」が、それぞれ、本件発明1の「シャフト」、「弾性変形可能な現像ローラー」、「現像剤」、「潜像担持体」、「潜像担持体上に形成された静電潜像」および「現像装置」に相当することは、明らかである。そして、刊行物1に記載された発明において、「少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成」することは、本件発明1において、「シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設」することに相当する。また、刊行物1に記載された発明において、「現像ローラーを潜像担持体に前記現像剤を介して接触させつつ、前記潜像担持体上の静電潜像を現像」することは、本件発明1において、「現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像」することに相当する。 (イ) 刊行物1に記載された発明の「弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)」、「弾性部材の長手方向の長さL(mm)」、「弾性部材の半径R(mm)」、「現像ローラーを当接させる線荷重p(kg/mm)」および「シャフトの半径r(mm)」が、それぞれ、本件発明1の「弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)」、「弾性部材の長手方向の長さL(mm)」、「弾性部材の半径R(mm)」、「現像ローラーを潜像担持体に圧接させる線荷重p(kg/mm)」および「シャフトの半径r(mm)」に相当することは、明らかである。そして、刊行物1に記載された発明と本件発明1は、シャフトの半径が満たすべき条件を、これらのパラメータを含む数式で規定した点で共通している。 以上をまとめると、本件発明1と刊行物1に記載された発明は、 「シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、前記シャフトの半径r(mm)を、前記弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)、該弾性部材の長手方向の長さL(mm)、該弾性部材の半径R(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重p(kg/mm)を含む数式で規定したことを特徴とする現像装置」 である点で一致し、次の点で相違している。 (相違点) 刊行物1に記載された発明では、シャフトの半径rを規定する式が ![]() であるのに対し、本件発明1においては、さらにシャフトの縦弾性係数Es(kg/mm2)を含む ![]() である点。 4.2.2.2. 相違点の検討・判断 訂正明細書の発明の詳細な説明の段落【0021】には、「このシャフト10に縦弾性係数Esが2.1×104のステンレス鋼を用いると」と記載されている。したがって、本件発明1は、シャフトの縦弾性係数Esがステンレス鋼の縦弾性係数2.1×104に等しい場合を含んでいることは、明らかである。そこで、本件発明1のシャフトの半径rを規定する式 ![]() において、Es=2.1×104と置いてみると、刊行物1に記載された発明のシャフトの半径rを規定する式 ![]() が得られる。 すなわち、本件発明1のシャフトの半径rを規定する式は、刊行物1に記載された発明のシャフトの半径rを規定する式を包含しており、その点で両者は一致する。したがって、上記相違点は、実質的な差異ではない。 以上のとおりであるから、本件発明1は、刊行物1に記載された発明である。 4.2.3. 本件発明2についての対比・判断 シャフトをステンレス鋼で形成することは、刊行物1に記載されている。そして、その際にシャフトの半径rを規定する式も、刊行物1に記載されている。そうすると、本件発明2と刊行物1に記載された発明とを比較しても、単なる表現の差異以上の相違を認めることができない。 したがって、本件発明2は、刊行物1に記載された発明である。 4.3. むすび 以上のとおりであるから、本件発明1および2は、特許法第29条第1項第3号に該当し、本件発明1および2についての特許は、同法第29条第1項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件発明1および2についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
| 発明の名称 |
(54)【発明の名称】 現像装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により前記潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、 前記シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、該弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、該弾性部材の半径をR(mm)、前記現像ローラーを前記潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)を、 【数1】 ![]() となしたことを特徴とする現像装置 【請求項2】 前記シャフトをステンレス鋼により形成したときの半径を 【数2】 ![]() となしたことを特徴とする請求項1記載の現像装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、潜像担持体上に形成した静電潜像を現像剤で現像する現像装置に関し、より詳しくは、弾性変形可能な材料により形成した現像ローラを現像担持体に当接させて現像する形式の現像装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の電子写真プロセスによる画像形成方法に使用する現像装置には、例えば米国特許第4121931号に開示されているように、非磁性円筒状のスリーブの内部に磁石ローラーを具備する現像ローラーを用い、1成分磁性トナーによる磁気ブラシをスリーブと潜像担持体の隙間に搬送して現像を行う1成分磁気ブラシ現像法や、米国特許第4564285号に開示されているように、弾性体上にフローティング電極を設けた現像ローラーを潜像担持体に圧接しながら現像し、ライン画像とソリッド画像の画質を向上させたいわゆるFEED現像法や、特願平2-58321に開示されているように、弾性体上に微小の着磁ピッチに着磁した磁性層を有する現像ローラーを用いて、潜像担持体に圧接現像する現像法が提案されている。 【0003】 しかしながら、現像ローラーを潜像担持体に圧接して現像する場合、現像ローラーの接触面積および当接圧力は現像特性に多大な影響を与え、当接圧力が高い部分では接触面積を稼ぐことはできるが地カブリが生じるという問題を生じ、また、当接圧力が低い部分では現像効率が低下して画像濃度が低下するという問題が発生する。 【0004】 したがって、潜像担持体上で均一な現像特性を得るには、現像ローラーを長手方向にわったって均一に圧接させなければならず、特に、低硬度の弾性部材を用いた現像ローラーを用いて潜像担持体に速度比を持たせて回転させたような場合には、長手方向の当接圧が一定でないとねじれが生じ、このねじれとその回復が繰り返されると、いわゆるスティックスリップによってトナーの搬送にムラができて、画像に縞状の濃度ムラを生じさせてしまうといった問題が発生する。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 本発明はこのような問題を鑑みてなされたもので、圧接現像という手段を用いる現像装置における、現像ローラーと潜像担持体の圧接状態をより好適に保つことを目的とするものであり、特に、現像ローラーの長手方向の端部と中央部の間に生じる当接圧力の差を僅少に保ち、潜像担持体の端部と中央部の濃度差を低減し、さらに、現像ローラーのねじれに起因する濃度ムラの少ない現像装置を提供することを目的とするものである。 【0006】 【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明はかかる課題を達成するために、シャフトの外周に少なくとも弾性部材よりなる弾性層を同心円状に配設した弾性変形可能な現像ローラーを潜像担持体に接触させながらその表面に担持した現像剤により潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像装置において、シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、弾性部材の半径をR(mm)、現像ローラーを潜像担持体に圧接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、シャフトの半径r(mm)を、 【数3】 ![]() とするようにしたものである。 【0007】 【作用】 本発明はこのように構成したことにより、現像ローラーと潜像担持体の圧接部における長手方向の端部と中央部との間に生じる当接圧力の差を僅少に保って、濃度ムラの少ない現像装置を得るようにすることにある。 【0008】 【実施例】 そこで、以下に本発明の実施例について説明する。 図1は本発明の一実施例を示したものである。 【0009】 図において符号1で示した潜像担持体は、導電性の支持部2の上に有機または無機の光導電性を有する感光層3を塗布したもので、感光層3をコロナ帯電器や帯電ローラー等の帯電器4を用いて帯電した後に、レーザーやLED等の光源5からの光を結像光学系6を通して感光層3に照射し、電位コントラストを得て静電潜像を形成する。 【0010】 これに対して現像装置7は、静電潜像を顕像化する磁性の現像剤8を搬送し現像するもので、この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11と磁界発生層12とをそれぞれ同心円状に配設し、磁界発生層12の外周に漏洩した磁束により現像剤8を現像ローラー9上に直接保持し、さらに、これを非磁性または磁性の金属や樹脂で構成された薄板バネ状の弾性ブレード13で適量に規制した上、現像ローラー9を回転させてこの薄層形成した現像剤8を搬送するようにしたもので、磁界発生層12を磁化反転ピッチが100(μm)以下になるように水平方向に磁化することにより、磁界発生層12上には現像剤8による微小な現像剤のチェインを形成して薄層で安定な現像剤層を得る。 【0011】 このようにして現像剤8が、潜像担持体1と現像ローラー9が圧接されている現像領域まで搬送されると、潜像担持体1の電位コントラスト及び現像バイアス印加手段14により形成される現像電界には、それに応じて帯電した現像剤8が潜像担持体1に付着して静電潜像が顕像化され、さらに、コロナ転写器や転写ローラー等の転写器15を用いて記録紙16上に現像剤による像を転写し、熱や圧力を用いて現像剤8を記録紙に定着し、所望の画像を記録紙上に得るものである。 【0012】 また、図2は本発明のが適用される他の現像ローラを示したものであって、この現像ローラー9は、シャフト10の外周に導電性の弾性層11及び電極層12をそれぞれ同心円状に配設したもので、電極層12の外周に保持した現像剤8を金属や樹脂で構成される薄板バネ状の弾性ブレード26により適量に規制して、薄層化した現像剤8を搬送するようにしたものである。 【0013】 ところで、断面が円形のシャフト10を押圧して現像ローラー9を潜像担持体1に圧接すると、現像ローラ9には撓みが生じる。 このシャフト10の最大撓みw1は、等分布荷重をうける両端支持はりの問題として公知の式を適用することができ、シャフト10の縦弾性係数をEs(kg/mm2)、長手方向の長さをL(mm)、現像ローラー9を潜像担持体1に当接させる線荷重をp(kg/mm)、シャフトの半径r(mm)としたとき、シャフト10の撓みw1は、式 【0014】 【数4】 ![]() として表される。 【0015】 また一方、弾性を有する現像ローラー9の荷重に対する変位がほぼ線形に変化する領域では、現像ローラー9の変位w2に、公知の弾性ローラーを平板に圧接した場合の荷重変位のモデルの式、例えば、岩波書店より1964年11月30日に発行された岩波全書のうち曽田範宗著「軸受」の第111、112頁に掲載された表3.2の中の、円筒と平面のころがり接触面での変位δを求める計算式が適用でき、かつ 【0016】 【数5】 ![]() と簡略化することができるので、現像ローラ9の変位w2は、上記した計算式をもとに、 【0017】 【数6】 ![]() として表される。 【0018】 そして、シャフト10の最大撓みw1と現像ローラ9の変位w2との間には、式 【数7】 w1<2×w2 …… ▲3▼ なる関係にあるとき、現像ローラ9と潜像担持体1の長手方向における当接圧の差が僅少になって良好な圧接状態が保たれることが後述するように明らかとなり、この状態でのシャフト10の半径rは、上記▲3▼式に▲1▼、▲2▼式を代入して得られる 【0019】 【数8】 ![]() 【0020】 式▲4▼より 【数9】 ![]() 【0021】 となることが明らかで、また、このシャフト10に縦弾性係数Esが2.1×104のステンレス鋼を用いると、シャフト10の半径rを 【0022】 【数10】 ![]() にすればよいことになる。 【0023】 そして、圧接現像においては、当接圧力によって現像特性が大きく左右されるため、現像領域において均一な当接圧力を維持することで均一な現像特性を実現し、濃度ムラの無い良好な現像を可能にすることが必要であり、これは上記した条件によって可能になる。 【0024】 なお、弾性部材の縦弾性係数は多層構造の場合にも適用できるようにするため、より実際の使用状況に近い形の評価により値を決めた。 【0025】 図3は上記した弾性部材の縦弾性係数を測定する装置について示した図で、(a)は正面からの図、(b)は側面からの図である。ステージ31を水平に固定し、その上に設置した現像ローラー9がストッパー33によって横に転がらないようにし、また、現像ローラー9のシャフト10には分銅35を掛けて、その荷重に対する現像ローラー9の最上端位置を測定することにより荷重の変位を測定する。現像ローラー9の最上端位置は、レーザー変位計36で基準位置プレート37からの距離として測定し、現像ローラー9の縦弾性係数は図3による荷重変位の測定と式▲2▼から決定した。 【0026】 (実施例1) 上記した画像形成装置において、現像ローラー9の弾性層11の長さLを230(mm)にした上、現像ローラー9を潜像担持体1に押圧する荷重を0.2(kg)、1(kg)、2(kg)と変化させて、黒ベタ画像を形成する実験を行った。 【0027】 図4は、この実験における画像濃度評価位置を示したもので、この濃度評価位置41において画像の光学濃度をマイクロデンシトメーターにより測定し同一記録紙における最高濃度と最低濃度の差を濃度差とし、同一条件で記録紙10枚の濃度差を評価し、その平均が0.1以下のものを良好な画像とした。 【0028】 図5はこの実施例における濃度ムラ評価を示した図で、横軸を▲1▼式によって計算したシャフトの最大撓み値w1、縦軸を▲2▼式によって計算した現像ローラの変位値w2として、濃度差が0.1以下で良好な黒ベタ画像が得られた点を◆、濃度差が0.1より大きい点を◇でしるした。 【0029】 この実験結果から、w1、w2がともに大きな値となる領域ではスティックスリップによる濃度ムラが主であり、w2が小さい値となる領域では当接圧力の差による濃度ムラが主であった。 【0030】 良好領域と不良領域の境は、略 【0031】 【数11】 ![]() となって、濃度ムラを低減するにはw2を大きく、w1を小さくする方法をとれば良いことが明らかとなった。 【0032】 (実施例2) この本実施例は、弾性部材の長さLを280(mm)として画像の横幅を大きくし、他の現像ローラー9の特性や潜像担持体1への押圧荷重は、実施例1と同様に、0.2(kg)、1(kg)、2(kg)とした。そして、この評価結果を実施例1と同様に図6に示したところ、良好領域と不良領域の境は、略 w2/w1=2 であった。 【0033】 以上の各実施例1、2の結果に基づいて、▲3▼式からシャフトの半径rについての条件を求めたところ、下記の数1を得た。すなわち、この数1を満たすシャフト10を用いた現像ローラー9であれば、濃度ムラが僅少な良好な画像を形成できることが可能になる。 【0034】 【表1】 ![]() 【0035】 ところで、以上は磁性の現像剤を用いる現像装置の実施例について述べたものであるが、本発明は非磁性現像剤を用いる現像装置においても適用可能であり、また、本発明の現像装置は、広く複写機、プリンタ、ファクシミリ、ディスプレー等にも応用することが可能である。 【0036】 【発明の効果】 以上述べたように本発明によれば、現像ローラを構成する弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、その長手方向の長さをL(mm)、半径をR(mm)、シャフトの縦弾性係数をEs(kg/mm2)、現像ローラーを潜像担持体に当接させる線荷重をp(kg/mm)としたときのシャフトの半径r(mm)を 【0037】 【数12】 ![]() とすることにより、現像ローラを潜像担持体に対し軸方向に均一に圧接させて濃度ムラのない均一な画像の形成を可能にすることができ、また、フォーム状の低硬度の現像ローラを用いた場合でもそのスティックスリップを防いで、濃度ムラのない現像装置とすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明が適用される一現像装置についての構成図である。 【図2】 本発明が適用される他の現像装置についての構成図である。 【図3】 弾性部材の縦弾性係数を測定する装置の一例を示した図である。 【図4】 本発明の実施例1における画像濃度評価位置を示した図である。 【図5】 本発明の実施例1における濃度ムラ評価を示した図である。 【図6】 本発明の他の実施例における濃度ムラ評価を示した図でる。 【符号の説明】 7 現像装置 8 現像剤 9 現像ローラー 10 シャフト 11 弾性層 12 磁界発生層 24 電極層 |
| 訂正の要旨 |
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。 |
| 異議決定日 | 2001-05-16 |
| 出願番号 | 特願平3-109116 |
| 審決分類 |
P
1
651・
534-
ZA
(G03G)
P 1 651・ 113- ZA (G03G) P 1 651・ 121- ZA (G03G) |
| 最終処分 | 取消 |
| 前審関与審査官 | 瀧本 十良三 |
| 特許庁審判長 |
石川 昇治 |
| 特許庁審判官 |
水垣 親房 小林 紀史 |
| 登録日 | 2000-02-10 |
| 登録番号 | 特許第3030912号(P3030912) |
| 権利者 | セイコーエプソン株式会社 |
| 発明の名称 | 現像装置 |
| 代理人 | 木村 勝彦 |
| 代理人 | 木村 勝彦 |
| 代理人 | 倉橋 暎 |
| 代理人 | 西川 慶治 |
| 代理人 | 西川 慶治 |