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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) G01R
管理番号 1078057
判定請求番号 判定2003-60016  
総通号数 43 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 1992-06-19 
種別 判定 
判定請求日 2003-01-31 
確定日 2003-05-19 
事件の表示 上記請求人による特許第2866186号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面及び判定請求書に示す「光リモートアンテナ」は、特許第2866186号発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第1 請求の趣旨
請求人は、イ号図面(甲第1号証。別紙参照。)及び判定請求書に示される「光リモートアンテナ」(以下「イ号物件」という。)は特許第2866186号(以下「本件特許」という。)の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)の技術的範囲に属する、との判定を求めている。
なお、請求人は、今後実施許諾にあたり想定されるイ号物件が本件特許の技術範囲に属することを確認して円滑なライセンス交渉を進めるために判定を求めたものであって、イ号物件は仮想の物件であるとして、被請求人となるべき者を表示していない。

第2 本件発明
1 本件発明の構成
本件発明の構成は、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものであり、分説のために符号「A」ないし「F」及び「C1」ないし「C4」を付して記載すると次のとおりである。
「【請求項1】
A 光透過方向に直線偏光されたコヒーレントな測定光が入射される偏光ビームスプリッタと、
B 前記偏光ビームスプリッタを通過した測定光が光伝達手段を介して入射され、
C この入射測定光の強度を電磁界強度に応じて変調し、再度前記光伝達手段に向け出力するセンサ手段と、
D 前記偏光ビームスプリッタと光伝達手段との間に設けられ、通過する測定光の偏波面を通過方向に対し所定角度回転させる偏波面回転手段と、
E 前記偏光ビームスプリッターにより反射される前記センサ手段からの測定光の強度に基づき、電磁界測定場内における電磁界強度を演算する電磁界強度演算手段と、
を含み、
前記センサ手段は、
C1 一端を測定光入射部とし他端を測定光反射部とする導波路を有し、
C2 前記導波路の一部に測定光を変調する光強度変調部が形成された導波路型の光集積回路と、
C3 前記電磁界測定場における電磁界の強度に応じた電圧を出力するアンテナ部と、
C4 前記アンテナ部から出力される電圧を前記光強度変調部位置の導波路に集中して印加する複数の光強度変調部電極と、
を含むことを特徴とする
F 電磁界強度測定装置。」
2 本件発明の技術分野、目的及び効果
本件明細書には、図面とともに、「[産業上の利用分野]本発明は電磁界強度測定装置、特に光学的に電磁界の強さを測定する電磁界強度測定装置の改良に関する。」(3頁11行ないし14行)、「[従来の技術]周知のように、電磁波は、各種の分野において幅広く用いられており、・・・ますますその重要性を増している。・・・したがって、これらの技術の向上のためには、使用する電磁界の様子を正確に把握することが必要とされる。」(3頁15行ないし4頁5行)、「EMIと略称される電磁波障害対策は極めて重要な課題となっている。従って、このようなEMI対策を行う上でも、電磁界の様子を正確に把握することが必要となる。」(4頁12行ないし15行)、「環境問題の面からも、電磁界強度を正確に把握することの必要性が高まっている。」(5頁5行ないし7行)、「このような電磁界強度測定装置の一つとして、何らかのプローブアンテナをセンサーとして電磁界中に設置し、・・・金属導体のケーブルを介して、被測定電界の外部に設置された検出回路まで伝送するものが知られていた。しかし、このように金属ケーブルを使用すると、・・・・被測定電磁界そのものも乱され、正確な測定を行うことができないという問題があった。」(5頁10行ないし20行)、「本発明は、このような従来の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、小型で、高感度でかつ安定した特性を有するセンサ手段を備えた電磁界強度測定装置を提供することにある。」(13頁12行ないし15行)、「本発明によれば、・・・センサ手段を従来装置に比べ大幅に小型化し、・・・狭い場所での高感度の電磁界強度の計測を行うことが可能となる。さらに、・・・長期間にわたり安定した測定が可能となる。すなわち、・・・本発明では、・・・長期間にわたり安定した高精度な測定を行う電磁界強度測定装置を安価に製作できることになる。」(20頁13行ないし21頁11行)との記載がされている。

第3 イ号物件
1 イ号図面及び判定請求書に記載のイ号物件の説明によれば、イ号物件は、次のとおりの事項を有するものである。
(1)a 直線偏光された測定光が入射される偏光プリズム10
(2)b 前記偏光プリズム10を通過した測定光が光ファイバ21を介して入射される。
b’ 前記偏光プリズム10を反射した測定光が光ファイバ22を介して入射される。
(3)c この入射測定光の強度を電磁界強度に応じて変調し、再度前記光ファイバ21に向け出力する第1のセンサヘッド30
c’ この入射測定光の強度を電磁界強度に応じて変調し、再度前記光ファイバ22に向け出力する第2のセンサヘッド40
(4)d 前記偏光プリズム10と光ファイバ21、22との間に設けられ、通過する測定光の偏波面を通過方向に対し所定角度回転させるファラデー回転子50及び1/2波長板60
(5)e 前記偏光プリズム10により反射される前記第1のセンサヘッド30からの測定光と、前記偏光プリズム10を通過した前記第2のセンサヘッド40から測定光を合成して強度を検出する光検出器400
(6)c1 前記第1のセンサヘッド30及び第2のセンサヘッド40は、一端を測定光入射部とし他端を測定光反射部(ミラー)31とする光導波路34を有する。
(7)c2 前記光導波路34の一部に測定光を変調する光強度変調部32が形成された導波路型の光集積回路
(8)c3 前記電磁界測定場における電磁界の強度に応じた電圧を出力するアンテナ500
(9)c4 前記アンテナ500から出力される電圧を前記光強度変調部位置の光導波路34に集中して印加する複数の光強度変調部電極32
(10)f 上記aないしe、c1ないしc4を含む光リモートアンテナ
2 説明
(1)aの説明
イ号物件の送信部は、LD励起YAGレーザである直線偏光光源100を有しており、シングルモード光ファイバ200を介して受信センサ部300内の偏光プリズム10へ向けて出射されている。ここで、シングルモード光ファイバ200を用いているため偏波面は変動している。偏光プリズム10には、直線偏光光源100からの測定光が入射される。
(2)b、b’の説明
偏光プリズム10は、測定光をP波とS波に分離し、P波を通過させ、S波を反射させる。
通過したP波の測定光は1/2波長板60とファラデー回転子50及び光ファイバ21を介して、第1のセンサヘッド30へ出力される。
一方、反射されたS波の測定光も同様に1/2波長板60とファラデー回転子50及び光ファイバ22を介して、第2のセンサヘッド40へ出力される。
(3)c、c’の説明
第1のセンサヘッド30及び第2のセンサヘッド40は入射された測定光の強度を電磁界強度に応じて変調し、再度光ファイバ21、22へ出力する。
(4)dの説明
偏光プリズム10と光ファイバ21との間、偏光プリズム10と光ファイバ22との間にはファラデー回転子50及び1/2波長板60が設けられている。ファラデー回転子50は、測定光の偏波面を45゜回転させる。1/2波長板60は、測定光の偏波面を90゜回転させる。したがって、測定光が偏光プリズム10から光ファイバ21、22へ向かう場合、測定光の偏波面は135゜回転する。また、測定光が光ファイバ21、22から偏光プリズム10へ向かう場合も同様に、測定光の偏波面は135゜回転する。
(5)eの説明
偏光プリズム10は第1のセンサヘッド30から送られてきた測定光、また第2のセンサヘッド40から送られてきた測定光を、光検出器400へ送信する。光検出器400には第1のセンサヘッド30からの測定光と第2のセンサヘッド40からの測定光が偏光プリズム10において合成されて入力される。光検出器400はフォトダイオードとアンプから構成され、測定光を受け取り、電気信号へ変換、増幅して、イ号物件を構成しない放送機へ出力する。
(6)c1の説明
第1のセンサヘッド30及び第2のセンサヘッド40は一端に光ファイバ21、22が接続されており、他端にはミラー31を有している。
(7)c2の説明
第1のセンサヘッド30及び第2のセンサヘッド40は、ニオブ酸リチウム基板33上に光ファイバと接続する光導波路34、該光導波路34上にアンテナ500と接続する電極32、光導波路34の光を反射して再び光導波路へ戻すミラー31で構成される光集積回路を有している。
(8)c3の説明
第1のセンサヘッド30及び第2のセンサヘッド40は、電磁界強度に応じた電圧を出力するアンテナ500を有している。アンテナ500は、八木アンテナであり、UHF帯域の信号を受信することができる。アンテナ500は同軸ケーブルによって、光導波路34上で電極32と接続し、給電している。
(9)c4の説明
第1のセンサヘッド及び第2のセンサヘッドは、アンテナ500から出力される電圧を光導波路34に印加する電極を有している。
(10)fの説明
イ号物件は光リモートアンテナであり、電磁界測定場の電磁界の強度に応じた電気信号を出力するものである。イ号物件を構成しない放送機は、中継装置として作用し、光リモートアンテナから受け取った信号をさらに増幅処理をして電波として放出する。

第4 請求人の主張
1 本件特許の偏光ビームスプリッタは、直線偏光光源からのコヒーレントな測定光を入射し、所定方向に直線偏光化された測定光のみを通過させ、それ以外の方向に偏光化された光の通過を阻止し、所定方向へ反射するように形成されていることが記載されている(本件特許掲載公報6頁右欄23行ないし26行)。光源としては、例えばHeNeレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ等、任意のものを使用可能であることが記載されている(同4頁左欄36行ないし38行)。光源と偏光ビームスプリッタとの間は光ファイバで接続されるが、例えばマルチモードファイバ(MMF)、シングルモードファイバ(SMF)、偏波面保存ファイバ(PMF)等の各種ファイバが使用可能であることも記載されている(同4頁左欄43行ないし46行)。
一方、イ号物件は光源100をLD励起YAGレーザとしている。また、光源100と偏光プリズム10との間をシングルモード光ファイバ200で接続している。また、偏光プリズム10は、所定方向へ偏光された光を第1のセンサヘッド30へ向けて通過させている。イ号物件の光源100、シングルモード光ファイバ200、偏光プリズム10が本件特許の構成要件Aに相当することは明らかである。
2 本件特許の光伝達手段は、例えば光ファイバである(本件特許掲載公報6頁右欄46行ないし49行)ことが記載されていることから、イ号物件の光ファイバ21が本件特許の光伝達手段(構成要件B)に相当することは明らかである。
3 本件特許のセンサ手段は、測定光反射部と、光強度変調部とを有する光集積回路部を有するが、光強度変調部の変調方式として、分岐干渉計型、方向性結合器型、交差型等の種々の形式のものを任意に用いることが記載されている(本件特許掲載公報4頁左欄49行ないし右欄2行)。また、光集積回路を構成する材料としては、LiNbO3、TiTaO3などを使用可能であることが記載されている(同4頁右欄3行ないし5行)。また、アンテナ部として、必要に応じて各種形態のものを使用可能であるが、例えば高周波電磁界検出用には微小ダイポールアンテナなどを用いればよく、また低周波電磁界検出用には適切な大きさの、単なる金属板を用いても良いと、各種アンテナが使用可能であることが記載されている(同4頁右欄7行ないし11行)。イ号物件の第1のセンサヘッド30が本件特許のセンサ手段(構成要件C)に相当することは明らかである。
4 本件特許の偏波面回転手段は、通過する光波の偏波面を所定角度回転させるファラデー素子等を用いて形成することができる旨記載されており(本件特許掲載公報4頁左欄40行ないし42行)、イ号物件のファラデー回転子50及び1/2波長板60が本件特許の偏波面回転手段(構成要件D)に相当することは明らかである。
5 本件特許では偏光ビームスプリッタから反射されるセンサ手段からの測定光の強度に基づいて、電磁界測定場内における電磁界強度を演算する電磁界強度演算手段(構成要件E)を有するのに対し、イ号物件は偏光ビームスプリッタから反射される第1のセンサヘッドからの測定光の強度を検出し、電気信号に変換するフォトダイオードとアンプから構成される光検出器である点で一見相違する。
6 本件特許は光学的に電磁界の強さを測定する電磁界強度測定装置(構成要件F)であるのに対して、イ号物件は光学的に電磁界の強さを検出し、電気信号に変換する光リモートアンテナである点で一見相違する。
7 まず、本件発明の構成要件E、Fに係る上記相違点が本件発明の技術的範囲に属することを説明する。
イ号物件において、光検出器はフォトダイオードとアンプから構成されており、測定光を電気信号に変換して出力するものである。このフォトダイオードとアンプからの出力は、電磁界強度を表現しているものであり、フォトダイオードとアンプから構成されるイ号物件の光検出器は電磁界強度を演算するとみなすことが出来る。したがって、イ号物件の光検出器は、本件特許発明の構成要件Eと一致する。
また、イ号物件は光リモートアンテナであるが、アンテナは「電磁波エネルギーを受け取り、また受けた電磁波エネルギーを電力に変換するもの」である。このアンテナの機能は電磁界強度を測定することで成り立つものであり、イ号物件は本件発明の電磁界強度測定装置と一致する。
8 上記相違点を認めたとしても、上記相違点に係る部分は均等物であり、ひいては電磁界強度測定装置として均等である。
(1)相違点が本件発明の本質的部分でないこと
本件発明は、光ファイバを折り曲げることなく、センサ手段を片持ち構造とし、偏光ビームスプリッタ、偏波面回転手段、光伝達手段と組み合わせることで、小型化し、高感度、高精度の電磁界強度の測定を行うことを特徴とするものであり、測定した電磁界強度の演算手段に特徴があるものではない。
(2)本件発明の目的を達することができ、同一の作用効果を奏すること
本件発明の目的は、小型で高感度でかつ安定した特性を有するセンサ手段を備えた電磁界強度測定装置を提供することにあり、イ号物件も同様の効果が得られることは明らかである。
(3)イ号物件の製造時に、上記相違点の部分を置換することを当業者が容易に想到できること
イ号物件は、本件特許における電界強度の演算を積極的に行っていないが、演算部分のみを取り外して、光検出器に置換することは当業者が容易に想到できる範囲である。
(4)イ号物件が本件発明の出願時における公知技術と同一のもの又は当業者が公知技術から出願時に容易に推考できたものではないこと
本件発明の審査時の拒絶理由通知において引用された刊行物(甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証及び甲第6号証)、また特許異議申立ての取消理由通知において引用された刊行物(甲第3号証、甲第7号証及び甲第8号証)にはイ号物件と同一の記載は見当たらない。また、上記刊行物以外に更にイ号物件に類似する先行技術文献は存在しない。
したがって、イ号物件は本件発明の出願時における公知技術と同一のもの又は当業者が公知技術から出願時に容易に推考できたものではない。
(5)対象製品等が本件発明の出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情がないこと
本件発明の手続中の書類(拒絶理由通知に対する意見書(甲第9号証及び甲第10号証)並びに取消理由通知に対する特許異議意見書(甲第11号証))を見ても特段イ号物件を排除する記載は見当たらない。

第5 当審の判断
1 対比について
請求人は、イ号物件の光検出器、光リモートアンテナがそれぞれ本件発明の電磁界強度演算手段、電磁界強度測定装置と一見相違すると認めているものの、イ号物件の光検出器は本件発明の電磁界強度演算手段と一致し、イ号物件の光リモートアンテナは本件発明の電磁界強度測定装置と一致すると主張しているので、これについて検討する。
(1)イ号物件の光検出器と本件発明の電磁界強度演算手段について
イ号物件の光検出器400は、フォトダイオードとアンプから構成され、測定光を受け取り、電気信号へ変換、増幅して、イ号物件を構成しない放送機へ出力するものである。
これに対し、本件発明の電磁界強度演算手段は「測定光の強度に基づき、電磁界測定場内における電磁界強度を演算する」ものである。
イ号物件の光検出器400のフォトダイオードは電気信号への変換を行い、アンプは単に増幅を行うものであり、これらが「測定光の強度に基づき、電磁界測定場内における電磁界強度を演算」しているということはできない。フォトダイオードとアンプからの出力が電磁界強度を表現するものであるとしても、このことはフォトダイオードとアンプから構成される光検出器が電磁界強度の演算を行っていることを意味しない。
そうすると、イ号物件の光検出器400が本件発明の「測定光の強度に基づき、電磁界測定場内における電磁界強度を演算する電磁界強度演算手段」と一致するということはできず、イ号物件の光検出器400は本件発明の構成要件Eを充足しない。
(2)イ号物件の光リモートアンテナと本件発明の電磁界強度測定装置について
本件発明の電磁界強度測定装置は、電磁界強度を測定するものである。
これに対し、イ号物件の光リモートアンテナは、電磁界に置かれるとしても、電磁界の強度に応じた電気信号を出力し、中継、増幅を行うためのものであり、単なるアンテナであって、光の強度に基づき電磁界測定場内における電磁界強度を演算する電磁界強度演算手段も有していないのであり、電磁界強度を測定するものではない。
そうすると、イ号物件の光リモートアンテナが本件発明の「電磁界強度測定装置」と一致するということはできず、イ号物件の光リモートアンテナは本件発明の構成要件Fを充足しない。
2 均等について
本件明細書によれば、上記のように、請求項1には「前記偏光ビームスプリッターにより反射される前記センサ手段からの測定光の強度に基づき、電磁界測定場内における電磁界強度を演算する電磁界強度演算手段と、を含み」、「電磁界強度測定装置」と記載され、発明の詳細な説明には、産業上の利用分野に関して「本発明は電磁界強度測定装置、特に・・・電磁界強度測定装置の改良に関する。」、従来の技術に関して「電磁界の様子を正確に把握することが必要」、「電磁界強度を正確に把握することの必要性が高まっている。」、「金属ケーブルを使用すると、・・・・被測定電磁界そのものも乱され、正確な測定を行うことができないという問題があった。」、発明の目的に関して「小型で、高感度でかつ安定した特性を有するセンサ手段を備えた電磁界強度測定装置を提供することにある。」、発明の効果に関して「本発明によれば、・・・狭い場所での高感度の電磁界強度の計測を行うことが可能となる。さらに、・・・長期間にわたり安定した測定が可能となる。すなわち、・・・本発明では、・・・長期間にわたり安定した高精度な測定を行う電磁界強度測定装置を安価に製作できることになる。」との記載がされている。
これによれば、本件明細書においては一貫して電磁界強度測定装置について記載されているのであり、本件発明は、電磁界強度演算手段を有する電磁界強度測定装置であって、電磁界強度測定装置の改良に関するものであり、電磁界を正確に把握すること、正確な測定を行うことを前提としている。その目的、効果は高感度の電磁界強度の計測、長期間にわたり安定した測定、高精度な測定であり、本件発明においては「電磁界強度演算手段」を含む「電磁界強度測定装置」であることは本質的部分であるというべきである。
これに対して、イ号物件は、前示のように、本件発明の構成要件E(「電磁界強度演算手段」)及び構成要件F(「電磁界強度測定装置」)を充足しないものである。
そうすると、イ号物件は本件発明の本質的部分において本件発明と異なるのであるから、他の均等の要件について検討するまでもなく、イ号物件が本件特許請求の範囲に記載された構成と均等なものであるということはできない。

第6 むすび
以上のとおりであるから、イ号物件が本件発明の技術的範囲に属するということはできない。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2003-05-07 
出願番号 特願平2-299414
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (G01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小川 浩史武田 悟  
特許庁審判長 瀧 廣往
特許庁審判官 江藤 保子
村山 隆
登録日 1998-12-18 
登録番号 特許第2866186号(P2866186)
発明の名称 電磁界強度測定装置  
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