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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
判定200060165 審決 特許
判定200260108 審決 特許
判定200560030 審決 特許
判定200160010 審決 特許
判定200360077 審決 特許

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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て成立) E01C
管理番号 1079801
判定請求番号 判定2002-60110  
総通号数 44 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 1994-05-10 
種別 判定 
判定請求日 2002-12-19 
確定日 2003-06-03 
事件の表示 上記当事者間の特許第2622921号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号物件説明書に示す「舗装材」は、特許第2622921号の請求項2に係る発明の技術的範囲に属しない。 
理由 第一 請求の趣旨
本件判定請求人である廃ガラスリサイクル事業協同組合は、判定請求書のイ号物件説明書に示す「舗装材」(以下「イ号物件」という)が、特許第2622921号の請求項2に係る発明の技術的範囲に属しないとの判定を求めるものである。

第二 本件特許発明
本件特許第2622921号の請求項2に係る発明(以下、「本件特許発明」という。)は、平成10年7月2日付けで訂正された特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項2に記載されたとおりのものであり、これを構成要件に分説すると次のとおりである。
【請求項2】
A:粒度が2〜10mmの骨材となる砂利と粒度が2〜10mmに粉砕された色ガラス及び砂とを含む舗装材の全体が、
B:エポキシ系樹脂で接着されて成り、
C:重量比内訳が前記色ガラス20〜70%、
D:前記エポキシ系樹脂6〜12%となること
E:を特徴とする舗装材。

第三 イ号物件
請求人が提出した判定請求書中の「イ号物件説明書」によれば、イ号物件は、「舗装材であって、骨材として白石10%と粉砕された色ガラス90%とを含み、この骨材に対して、6〜8%の耐候透水性繊維化樹脂を混練して、前記骨材が同樹脂により接着されている。前記耐候透水性繊維化樹脂は、登録実用新案第3069507号公報に記載のもので、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した非芳香族系の脂環族グリシジルエーテルと変性脂環式ポリアミンと繊維径100ミクロン以下、繊維長lmm以下のセラミックウール,ガラスウール又は金属,炭素あるいは高分子材料の繊維とを混練してなる。」ものである。
イ号物件の、「白石」と「色ガラス」と「耐候透水性繊維化樹脂」との配合割合を計算すると、「白石9.26〜9.43%(10/108〜10/106)」、「色ガラス83.3〜84.9%(90/108〜90/106)」、「耐候透水性繊維化樹脂5.66〜7.40%(6/106〜8/108)」となる(なお、判定請求書の「イ号発明の説明」における重量割合には誤記があると認められるので正しい数値で認定した)。
また、イ号物件における「白石」は「砂利」の一種であり、「耐候透水性繊維化樹脂」は、脂環族グリシジルエーテルを含むものであってエポキシ系耐候透水性繊維化樹脂といえるから、イ号物件は、次のとおり特定される。
【イ号物件】
a:砂利と、粉砕された色ガラスとを含む舗装材の全体が、
b:エポキシ系耐候透水性繊維化樹脂で接着されて成り、
c:重量比内訳が前記破砕された色ガラス83.3〜84.9%、
d:前記エポキシ系耐候透水性繊維化樹脂5.66〜7.40%となる
e:舗装材。

第四 当事者の主張
1.請求人の主張
請求人は、判定請求書3頁18〜4頁8行において、イ号物件の構成cの色ガラスの重量比は、本件特許発明の構成要件Cの色ガラスの重量比と異なり、イ号物件の構成b、dの「エポキシ系耐候透水性繊維化樹脂」は、本件特許発明の構成要件B、Dの「エポキシ系樹脂」とはその意味が異なるものであるから、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属しない旨主張している。
また、請求人は、判定弁駁書において、本件特許発明とイ号物件との相違点である「重量比内訳が色ガラス20〜70%、砂利18〜74%で工ポキシ系樹脂で接着された」という構成は、特許明細書及び審査における意見書を参酌すると、本件特許発明の本質的部分であり、上記部分をイ号物件におけるものと置き換えた場合、特許発明の目的を達成することができず、かつ作用効果が相違するものとなり、このような置き換えは当業者にとってイ号物件の製造時に容発明の出願時における公知技術と同一又はその出願時に当業者がこれから容易に推考できたものということもできないから、イ号物件は本件特許発明と均等でもない旨、主張している。

2.被請求人の主張
被請求人は、判定答弁書において、イ号物件の構成b、dの「エポキシ系耐候透水性繊維化樹脂」は、エポキシ樹脂に微小繊維を付加したものにすぎないから、本件特許発明の構成要件B、Dの「エポキシ系樹脂」に他ならない旨主張している。
また、イ号物件の構成cについては、本件特許発明の構成要件Cと相違することを認めた上で、イ号物件における、色ガラスの重量比は本件特許発明と均等の範囲であるから、イ号物件は実質的に本件特許発明の技術的範囲に属する旨主張し、均等である理由として概略次のように主張している。
(1)本件特許発明の本質的部分は、「粒度が2〜10mmの骨材となる砂利と粒度が2〜10mmに粉砕された色ガラス及び砂とを含む舗装材」にあり、色ガラスの配合割合の上限の変更は本件特許発明の非本質的部分の変更であり、
(2)色ガラスの配合割合の上限を70%を83%に置き換えても、発明の目的を達成することができ、同一の作用効果を奏するものであって、
(3)そのように置き換えることが、当業者であれば対象製品等の製造等の時点において容易に想到することができたものである。
(4)イ号物件は本件特許発明の出願時における公知技術と同一又は当業者が当該出願時に容易に推考できた自由技術ではなく、
(5)イ号物件の上記置き換えは、意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情(意識的除外)もない。

第五 対比・判断
1.本件特許発明は、色ガラスを重量比20〜70%含む(構成要件C)のに対し、イ号物件は、色ガラスの重量比が83.3〜84.9%と相違しており、この点について、双方に争いはない。
したがって、イ号物件は、少なくとも本件特許発明の構成要件Cを充足していないので、本件特許発明の技術的範囲に属するとすることはできない。

2.均等の判断
最高裁平成6年(オ)第1083号判決(平成10年2月24日判決言渡、民集52巻1号113頁)は、特許発明の特許請求の範囲に記載された構成中に、相手方が製造等をする製品又は用いる方法(以下「対象製品等」という)と異なる部分が存在する場合であっても、以下の対象製品等は、特許請求の範囲に記載された製品等と均等なものとして、特許発明の技術的範囲に属するものと解するのが相当であるとしている。
積極的要件
(1)相違部分が、特許発明の本質的な部分でない。
(2)相違部分を対象製品等の対応部分と置き換えても、特許発明の目的を達することでき、同一の作用効果を奏する。
(3)対象製品等の製造時に、異なる部分を置換することを、当業者が容易に想到できる。
消極的要件
(4)対象製品等が、出願時における公知技術と同一又は当業者が容易に推考することができたものではない。
(5)対象製品等が特許発明の出願手続において、特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たる等の特段の事情がない。

そこで、イ号物件が、前記要件を満たすか否かについて検討する。
本件特許明細書(甲第1号証)には、色ガラスの重量比に関して以下の記載がある。
「色ガラスは完成後の舗装材に対し重量比内訳が20〜70%となる分量で、骨材となる砂利と混合して使用することが好ましい。その理由は、ガラスは一般に耐衝撃性が弱く強度的に問題となるが、上記重量比の範囲で砂利と混合したものであれば、強度の強い砂利との組み合せで十分な強度をもった舗装面を形成できるからである。」(段落【0009】)。
さらに、被請求人は、本件特許に係る出願の審査の過程において、平成7年1月18日付け意見書(甲第5号証)を提出し、その中で色ガラスの重量比について、「色ガラスは重量比20〜70%で砂利と混合して使用されることで、一般に耐衝撃性に弱いガラスの強度を砂利で補うという構成を採っています。」と述べている。
そうすると、本件特許発明は、色ガラスの舗装材に対する重量比を20〜70%として、強度の強い砂利と組み合せ、耐衝撃性に弱いガラスの強度を砂利で補うという構成を採用することにより、特許明細書記載の上記作用効果を達成するものと認められるから、色ガラスを重量比20〜70%とすることは、本件特許発明の本質的部分といわざるを得ない。
そうすると、イ号物件は、均等の判断にあたって上記要件(1)を満たしていないから、他の要件について検討するまでもなく、均等なものとして本件特許発明の技術的範囲に属するということはできない。

第六 むすび
以上のとおり、イ号物件は、本件特許の請求項2に係る発明の技術的範囲に属しない。
 
別掲 イ号物件説明書

イ号物件は、舗装材であって、骨材として白石10%と粉砕された色ガラス90%とを含み、この骨材に対して、6〜8%の耐候透水性繊維化樹脂を混練して、前記骨材が同樹脂により接着されている。
前記耐候透水性繊維化樹脂は、登録実用新案第3069507号公報に記載のもので、還元反応により芳香族ベンゼン環を置換した非芳香族系の脂環族グリシジルエーテルと変性脂環式ポリアミンと繊維径100ミクロン以下、繊維長lmm以下のセラミックウール,ガラスウール又は金属,炭素あるいは高分子材料の繊維とを混練してなる。
 
判定日 2003-05-22 
出願番号 特願平4-278353
審決分類 P 1 2・ 1- ZA (E01C)
最終処分 成立  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 山口 由木
鈴木 憲子
登録日 1997-04-11 
登録番号 特許第2622921号(P2622921)
発明の名称 舗装方法及び舗装材  
代理人 手島 直彦  
代理人 杉山 秀雄  
代理人 菅原 正倫  
代理人 魚住 高博  
代理人 湯田 浩一  
代理人 竹本 松司  
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