• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) E04C
管理番号 1085946
審判番号 不服2001-18474  
総通号数 48 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-02-08 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-10-15 
確定日 2003-10-27 
事件の表示 平成11年特許願第203231号「鉄筋同志の交叉部結束用具」拒絶査定に対する審判事件[平成12年 2月 8日出願公開、特開2000- 38806]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・請求項1に係る発明
本願は、平成10年3月13日に出願された意願平10-7079号を、平成11年7年16日に出願変更した特願平11-203231号に係るものであって、その後の請求人の補正の経緯は以下のとおりである。
平成13年5月22日 全文補正明細書、図1ないし図7を変更、図8及び図9を追加。
平成15年5月9日 「特許請求の範囲」及び「発明の詳細な説明」の変更。
平成15年7月22日 「特許請求の範囲」、「発明の詳細な説明」及び「発明の詳細な説明」の変更、図3ないし図9を変更、図10ないし図13を追加。

2.当審の拒絶理由
一方、当審において、平成15年5月26日付けで通知した拒絶の理由の概要は、次のとおりである。
「以下の事項は、願書に最初に添付した明細書又は図面には記載されていない。
(1)「・・・第1捲き掛けフック(11)として、その横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)とほぼ対応する大きさのアーチ型に屈曲させ、」(【請求項1】の4ないし6行、【0014】、【0030】)。
(2)「・・・第2捲き掛けフック(13)を、やはり横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)とほぼ対応する大きさのアーチ型として、」(【請求項1】の11ないし20行、【0017】、【0032】)。
(3)「その境界部(16)と上記第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)を、横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)よりも長く確保する」(【請求項1】の19ないし20行、【0024】、【0034】)。
(4)「・・・第1捲き掛けバー(12)から第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点までの間隔距離(D1)が、縦筋(Y)と横筋(X)との重なり代(W)とほぼ対応する長さに寸法化されている」(【0019】、【0024】)。
(5)「・・・その境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)は同じく第1捲き掛けバー(12)と第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点との上記間隔距離(D1)よりも、当然乍ら長い寸法として確保された結果となっている。」(【0022】)。
(6)補正された【図7】のD2。

なお、出願当初の【図4】及び【図5】は、本願発明の交差部結束用具を縦横鉄筋(Y)(X)に装着した状態のものであって、(装着前の)交差部結束用具の製品形状が記載されているとは認められない(刊行物2(実願昭46-114079号(実開昭48-69511号)のマイクロフィルムの第1図に同じ))。」

3.当審の判断
本願に係る明細書及び図面は、上記2.の平成15年5月26日付けで通知した拒絶の理由が通知された後、さらに、請求人は、15年7月22日付けで手続補正書を提出しているが、依然として、上記摘記した補正事項(1)ないし(6)を含むものであるので、さらに検討する。
(上記補正事項(1)及び(2)について)
上記補正事項(1)は「第1捲き掛けフック(11)として、その横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)とほぼ対応する大きさのアーチ型に屈曲させ」るものであり、上記補正事項(2)は「第2捲き掛けフック(13)を、横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)とほぼ対応する大きさのアーチ型と」するものである。
しかし、願書に最初に添付した明細書(以下、「当初明細書」という。)には、「【0013】・・・(11)は・・・第1捲き掛けフックであって、その横筋(X)の円弧外周面にフィットし得る側面視のアーチ型に屈曲されており・・・」及び「0016】・・・(13)は・・・第2捲き掛けフックであり、これは上記第1捲き掛けフック(11)とほぼ対応する側面視のアーチ型をなし、横筋(X)へやはり正面から掛止される。」との記載は認められるものの、上記補正事項(1)及び(2)の記載は無い。また、願書に最初に添付した図面(以下、「当初図面」という。)、特に、【図5】を参照しても上記補正事項(1)及び(2)の構成は認められない。
したがって、上記補正事項(1)及び(2)は、当初明細書又は当初図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(上記補正事項(3)及び(6)について)
上記補正事項(3)及び(6)は、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)を、横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)よりも長く確保する」というものである。
しかし、当初明細書には、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)」及び「横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)」との記載及び「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)を、横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)よりも長く確保する」との記載は全く無く、当初図面、特に、【図5】及び【図4】を参照しても、「D2」及び「W」の記載は無い。当然のことながら、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)を、横筋(X)と縦筋(Y)との重なり代(W)よりも長く確保する」ことも当初明細書及び当初図面には記載されていない。
したがって、上記補正事項(3)及び(6)は、当初明細書又は当初図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(上記補正事項(4)について)
上記補正事項(4)は、「第1捲き掛けバー(12)から第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点までの間隔距離(D1)が、縦筋(Y)と横筋(X)との重なり代(W)とほぼ対応する長さに寸法化されている」というものである。
しかし、当初明細書には、「第1捲き掛けバー(12)から第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点までの間隔距離(D1)」及び「縦筋(Y)と横筋(X)との重なり代(W)」との記載は全く無く、当初図面、特に、【図5】及び【図4】を参照しても、「D1」及び「W」の記載は無い。そして、該図面において、「D1」及び「W」を実測してみても、「D1」>「W」であって、両者がほぼ対応する長さとはいえない。当然のことながら、「第1捲き掛けバー(12)から第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点までの間隔距離(D1)が、縦筋(Y)と横筋(X)との重なり代(W)とほぼ対応する長さに寸法化されている」ことも当初明細書及び当初図面には記載されていない。
したがって、上記補正事項(4)は、当初明細書又は当初図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。
(上記補正事項(5)について)
上記補正事項(5)は、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)は、第1捲き掛けバー(12)と第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点との上記間隔距離(D1)よりも、長い寸法として確保された」というものである。
しかし、当初明細書には、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)」及び「第1捲き掛けバー(12)と第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点との上記間隔距離(D1)」との記載は全く無く、当初図面、特に、【図5】及び【図4】を参照しても、「D2」及び「D1」の記載は無い。当然のことながら、「境界部(16)と第1捲き掛けバー(12)との間隔距離(D2)は、第1捲き掛けバー(12)と第1、2捲き掛けフック(11)(13)の頂点との上記間隔距離(D1)よりも、長い寸法として確保された」とも当初明細書及び当初図面には記載されていない。
したがって、上記補正事項(5)は、当初明細書又は当初図面に記載した事項の範囲内においてしたものではない。

なお、当初図面の【図5】は、交差部結束用具を縦横鉄筋(Y)(X)に装着した状態のものであって、(装着前の)交差部結束用具の製品形状が記載されているとは認められないし、当初明細書の結束作業過程の説明を検討しても、上記「W」、「D1」及び「D2」の関係は記載されていない。
また、請求人は、「つまり、茲に手続補正書による図3ないし6の追加提出は、本願発明の出願当初図面として既に提出している図1と図2の記載から、当業者が直接的且つ一義的に導き出せる技術的事項(本願発明の製品形状)の補充であると言え、許されるものと考えます。」(平成15年7月22日付け意見書3頁6ないし8行)と主張するが、当初図面の【図1】(正面図)及び【図2】(斜視図)のみから、15年7月22日付け手続補正書の図面、特に【図5】(右側面図)及び【図6】(左側面図)が記載されているとはいえない。
さらに、請求人は、「そして、茲に追加提出する本願発明の図3ないし図6は、その明細書の「図面の簡単な説明」に記載しましたように、図1の平面図、底面図、右側面図並びに左側面図として、何れも意匠法施行規則(各方向からの寸法を一致させる作図方式)に従い同じ製品現物を撮影した原意匠登録出願の図面代用写真に基き、やはり忠実に複写・作図しましたので、その本願発明に係る交叉部結束用具の製品形状を示したものにほかなりません。」(同意見書3頁1ないし5行参照)及び「・・・上記1.(1)〜(6)の技術的事項は、原意匠登録出願当初の参考図(II)〜(IX)や本願発明の出願当初図面(図3〜図7)に記載されており、上記日付の手続補正によってその本願発明と縦横鉄筋(Y)(X)との図解された相関々係状態が形式的には勿論、実質的にも変更されたわけではありません。」(平成15年7月22日付け意見書3頁26ないし33行参照)と主張する。しかしながら、本願補正が許容されるのは、あくまで、本願の願書に最初に添附された明細書又は図面に記載した事項の範囲内であって、本願の原出願である意匠出願(意願平10-7079号)に記載されて事項を、本願の補正において、新たに、追加すること(特に、15年7月22日付け手続補正書の【図5】及び【図6】の追加)は許されない。したがって、請求人の主張は、理由がない。

4.むすび
したがって、本願の手続補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-08-08 
結審通知日 2003-08-19 
審決日 2003-09-01 
出願番号 特願平11-203231
審決分類 P 1 8・ 561- WZ (E04C)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 前田 建男鉄 豊郎  
特許庁審判長 木原 裕
特許庁審判官 山田 忠夫
鈴木 憲子
発明の名称 鉄筋同志の交叉部結束用具  
代理人 山下 賢二  
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ