• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 発明同一 無効とする。(申立て全部成立) C09D
管理番号 1089521
審判番号 無効2000-35108  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-02-06 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-02-25 
確定日 2004-01-22 
事件の表示 上記当事者間の特許第2942631号発明「銅ピリチオン含有非ゲル化ペイント」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2942631号の請求項1ないし10に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 I 手続の経緯・本件発明
本件特許第2942631号発明は、平成5年8月18日(優先権主張1992年9月1日、米国)を国際出願日とする出願であり、平成11年6月18日にその特許の設定登録がなされたものであって、本件請求項1ないし10に係る発明(以下「本件発明1ないし10」という。)は、特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】向上した殺生物効力および耐ゲル化性を特徴とするペイントまたはペイント基材組成物において、ペイントまたはペイント基材が、酸化第一銅および銅ピリチオンまたはピリチオンジスルフィド、またはその組合わせから本質的になる殺生物剤を含有し、銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドは、ペイントまたはペイント基材の全重量に基づき、1%から6%の量で存在し、酸化第一銅は20%から70%の量で存在する上記ペイントまたはペイント基材組成物。
【請求項2】銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドは、ペイントまたはペイント基材の全重量に基づき、1%から5.01%の量で存在する、請求項1記載のペイントまたはペイント基材組成物。
【請求項3】ペイントはビニル、アルキド、エポキシ、アクリル、ポリウレタンおよびポリエステル樹脂、およびその組合わせからなる群から選ばれる樹脂を更に含む、請求項1または2記載のペイントまたはペイント基材組成物。
【請求項4】ペイントは、天然および合成粘土ならびに天然および合成重合体膨潤剤からなる群から選ばれる膨潤剤を更に含有する、請求項1または2記載のペイントまたはペイント基材組成物。
【請求項5】膨潤剤はカオリン、モンモリロン石(ベントナイト)、粘土雲母(白雲母)、および緑泥石(ヘクトナイト)、およびその組合せからなる群から選ばれる、請求項4記載のペイントまたはペイント基材組成物。
【請求項6】銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドおよび酸化第一銅を含有するゲル化抑制ペイントまたはペイント基材組成物を提供する方法において、ペイントまたはペイント基材に前記銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドを添加し、また酸化第一銅を添加し、向上した殺生物効力および耐ゲル化性を特徴とするペイントまたはペイント基材組成物を得ることを特徴とし、前記銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドは、ペイントまたはペイント基材の全重量に基づき、1%から6%の量で存在し、前記酸化第一銅は20%から70%の量で存在する上記方法。
【請求項7】銅ピリチオンおよび/またはピリチオンジスルフィドは、ペイントまたはペイント基材の全重量に基づき、1%から5.01%の量で存在する、請求項6記載の方法。
【請求項8】組成物は、ビニル、アルキド、エポキシ、アクリル、ポリウレタンおよびポリエステル樹脂、およびその組合わせからなる群から選ばれる樹脂を更に含有する、請求項6記載の方法。
【請求項9】組成物は、天然および合成の粘土ならびに天然および合成の重合体膨潤剤からなる群から選ばれる膨潤剤を更に含有する、請求項6記載の方法。
【請求項10】膨潤剤はカオリン、モンモリロン石(ベントナイト)、粘土雲母(白雲母)、および緑泥石(ヘクトナイト)、およびその組合せからなる群から選ばれる、請求項9記載の方法。」
II 請求人の主張
請求人は、本件発明は、甲第1号証に記載された発明であり(無効理由1)、甲第1、7及び8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり(無効理由2)、あるいは甲第2号証に記載された発明と同一であり(無効理由3)、特許法第29条第1項第3号、第2項又は第29条の2の規定により特許を受けることができないものであるから、本件発明に係る特許は、同法第123条第1項第1号(平成5年法律第26号による改正前のもの)に該当し、無効とされるべきである旨主張し(平成12年2月25日付け審判請求書、平成12年12月18日付け弁駁書、平成13年2月9日付け口頭審理陳述要領書、平成13年2月23日午後2時特許庁審判廷において公開して行われた第1回口頭審理における調書、平成13年2月28日付け上申書、平成13年3月19日付け上申書)、以下の証拠方法を提出している。
(証拠方法)
甲第1号証:特開昭53-27630号公報
甲第2号証: 特願平4-206020号の願書に最初に添付した明細書
(特開平6-25560号、特許第2696188号公報)
甲第3号証:特許第2696188号に対する日本ペイント株式会社の
平成10年6月26日付け特許異議申立書
甲第4号証:特願平6-507224号に対する平成10年6月19日付け 拒絶理由通知書
甲第5号証:特願平6-507224号に対する拒絶理由通知についての
平成11年1月14日付け意見書
甲第6号証:特表平8-501121号公報
甲第7号証:米国特許第5,057,153号明細書(1991年10月15日)
甲第8号証:米国特許第5,098,473号明細書(1992年3月24日)
甲第9号証:平成10年異議第73229号(特許第2696188号)における 平成12年6月27日付け取消理由通知書
甲第10号証:吉富ファインケミカル株式会社高橋正宣外2名が作成した
平成12年9月15日付け実験成績書
III 被請求人の主張
被請求人は、本件発明は銅ピリチオン(又はピリチオンジスルフィド)と酸化第一銅を特定量で併用することにより予期せぬ効果を奏するものであるところ、本件発明は、甲第1号証に記載された発明であるとはいえない、また、甲第1、7及び8号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない、さらに、甲第2号証に記載された発明と同一であるとはいえないから、請求人の主張はいずれも当を得たものではない旨主張し(平成12年10月10付け答弁書、平成13年2月23日付け第2答弁書、平成13年2月23日付け口頭審理陳述要領書、平成13年2月23日午後2時特許庁審判廷において公開して行われた第1回口頭審理における調書、平成13年3月8日付け上申書)、以下の証拠方法を提出している。
(証拠方法)
乙第1号証:特開2000-72989号公報
乙第2号証:クレイグ・ウオルドロンが作成した2001年2月28日付け 実験成績証明書
乙第4号証:ANALYTICAL CHEMISTRY,VOL36,NO.13,DECEMBER 1964
p.2485-2487
乙第5号証:Chinese Chemical Letters,Vol.1,No.2,1990 p.117-118
乙第6号証:クレイグ・ウオルドロンが作成した2001年2月28日付け 実験成績証明書
なお、乙第3号証及び乙第7号証ついては、被請求人は原文等の提出を行わなかったので、書証の成立性は認められない。
IV 先願明細書に記載された事項
本件発明の出願日前の出願であって、その出願後に出願公開された甲第2号証に係る特願平4-206020号の願書に最初に添付した明細書(以下「先願明細書」という。特開平6-25560号公報参照。)には、以下の事項が記載されている。
ア 「【請求項1】重金属化合物と化1
【化1】

(式中、nは1又は2である。)で表される2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩とを併用することを特徴とする防汚塗料組成物。
【請求項2】重金属化合物が亜酸化銅である、請求項1記載の防汚塗料組成物。」(特許請求の範囲)
イ 「本発明は、・・・水中構造物に塗装し、種々の水棲生物が付着生育することを防止するために用いられる、防汚塗料組成物に関する。」(2頁1欄16〜19行)
ウ 「亜酸化銅に代表される銅化合物は、その防汚効果が古くから知られており、しかも安全性も高い。・・・しかし、亜酸化銅はヒビミドロやアオノリに対する効果が弱いので、単独ですべての水棲生物を防除することができず、他の防汚成分と併用しなければ十分な防汚効果が得られなかった。」(2頁1欄43行〜2欄1行)
エ 「代表的な2-ピリジンチオール-1-オキシドの金属塩である亜鉛塩と亜酸化銅とを併用した場合、経時的に増粘しゲル化するという欠点を有することがわかった。」(2頁2欄15〜18行)
オ 「2-ピリジンチオール-1-オキシドの金属塩のうち銅塩のみが、他の金属塩とは異なり、亜酸化銅等の重金属化合物と併用した場合にもゲル化せず、長期保存安定性に優れた防汚塗料組成物が得られることを見出し」(2頁2欄33〜37行)
カ 「不溶性樹脂マトリックス成分は、塗料成分として一般的に用いられるもので良く、例えば、アルキッド樹脂、・・・塩化ビニルや酢酸ビニル等ビニル化合物の共重合体、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂等が挙げられる。」(3頁3欄19行〜4欄2行)
キ 「本発明の防汚塗料組成物は、亜酸化銅等の重金属化合物と2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩とを防汚成分として含み、防汚性能に優れている上に、低毒性で人体に対して安全で、しかもゲル化せず、長期保存安定性に優れている。」(3頁4欄8〜12行)
ク 2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩と亜酸化銅を防汚成分とする防汚塗料の耐ゲル化効果について具体的に示されている。(実施例1〜3参照。)
V 対比・判断
(無効理由3)
1 本件発明1について
本件発明1と先願明細書記載の発明を対比すると、先願明細書記載の「亜酸化銅」、「2-ピリジンチオール-1-オキシドの銅塩」は、それぞれ本件発明1の「酸化第一銅」、「銅ピリチオン」に相当し、また、先願明細書には「本発明の防汚塗料組成物は、・・・防汚性能に優れている上に、低毒性で人体に対して安全で、しかもゲル化せず、長期保存安定性に優れている。」(上記キ参照)と記載され、この記載によれば、先願明細書記載の防汚塗料は殺生物性及び耐ゲル化性を有していることは明らかであるから、両者は「向上した殺生物効力および耐ゲル化性を特徴とするペイントまたはペイント基材組成物において、ペイントまたはペイント基材が、酸化第一銅および銅ピリチオンから本質的になる殺生物剤を含有する上記ペイントまたはペイント基材組成物。」である点で一致し、本件発明1が酸化第一銅及び銅ピリチオンの含有量を特定の範囲に限定しているのに対し、先願明細書記載の発明はこれらの点について特に明記されていない点で一応相違している。
そこで、上記相違点について検討する。
先願明細書には、上記したように、銅ピリチオンと酸化第一銅等の重金属化合物を併用したことを特徴とするペイントに係る発明が記載されていること、また、銅ピリチオンの使用量は具体的に5.0重量%(実施例1)、10.0重量%(実施例2、3)であり、酸化第一銅の使用量は具体的に10.0重量%(実施例1)、20重量%(実施例2)、25重量%(実施例3)であること、さらに、銅ピリチオンと酸化第一銅との配合比を特定範囲内に限定するような記載は特に窺えないことを考慮すると、先願明細書には、銅ピリチオンと酸化第一銅との配合比が特定範囲に限定されることなく、それぞれ独立に銅ピリチオンを5.0重量%、酸化第一銅を20重量%、25重量%使用することが開示されているといえる。
ところで、本件発明1は上記のように数値の限定を伴う発明であるところ、その数値限定に格別の技術的意義が認められる場合、すなわち、数値限定に臨界的意義が存することにより当該発明が先行発明に比して格別の優れた作用効果を奏するものであるときは、その発明は先行発明に対して新規性を有するというべきである。
これを本件についてみると、本件明細書(特許第2942631号公報参照。)には「本発明は、一般的にはペイントおよびペイント基材に関し、・・・銅ピリチオンおよびピリチオンジスルフィド(「ピリチオンジスィド」は誤記。以下同様。)+酸化第一銅殺生物剤がペイント中に分散した安定な非ゲル化分散系を提供する方法に関する。」(2頁3欄26〜29行)、「亜鉛ピリチオンと酸化第一銅との組合せは・・・優れた防汚剤となることが知られており、・・・しかし、・・・典型的な市販されている品質の亜鉛ピリチオンと酸化第一銅との組合せとして配合したとき、・・・受け容れることができない程の濃厚化またはゲル化することが現在分かってきた。」(2頁3欄30〜40行)、「本発明はこの問題に対して一つの解決法を提供するものである。・・・貯蔵中ゲル化に対し安定なペイントの製造において、殺生物剤として銅ピリチオンまたはピリチオンジスルフィド+酸化第一銅の組合せを使用することは、本発明者等の知る限りこれまで公知になっていない。」(2頁4欄5〜11行)、「銅ピリチオン、またはピリチオンジスルフィド、またはその組合せは、ペイントまたはペイント基材の全重量に基づき、約1%〜6%、好ましくは約1〜5.01%の量で存在し、また酸化第一銅は約20%から約70%の量で存在するのがよい。」(2頁4欄23〜26行)と記載され、具体的に、銅ピリチオン又はピリチオンジスルフィドを5.01重量%使用した場合が示されている(例1、2参照。)。
また、特願平6-507224号における平成11年1月14日付け意見書に添付された実験成績証明書には、銅ピリチオンと酸化第一銅を有効成分とするペイント基材において、銅ピリチオンを2〜5重量%使用してそのフジツボ等の殺生物効力が評価されている。
以上の事実によれば、本件発明1は、殺生物効力及び耐ゲル化性を有するペイント又はペイント基材組成物を提供することを技術的課題とし、その課題解決のために、銅ピリチオンン又はピリチオンジスルフィドと酸化第一銅を特定の範囲量で併用するものであるが、本件発明1における上記数値限定の臨界的意義については何らの記載も示唆も存しないことが認められる。
そうすると、先願明細書には、銅ピリチオンと酸化第一銅を有効成分とする殺生物効力及び耐ゲル化性を有する塗料組成物が記載されていること、また、具体的に、銅ピリチオンを5.0重量%、酸化第一銅を20重量%、25重量%使用した例が示されていること、さらに、本件発明1の上記数値限定に臨界的意義が認められないことに照らせば、先願明細書には本件発明1の技術的課題及びその課題解決のための具体的内容である構成から窺える技術的思想が開示されていると解するのが相当である。
したがって、本件発明1と先願明細書に記載された発明は同一であるといえる。
2 本件発明2ないし10について
本件発明2ないし5は、本件発明1を更に技術的に限定したものであり、また、本件発明6は、本件発明1の「ペイントまたはペイント基材組成物」の製造方法に係る発明であり、そして、本件発明7ないし10は、本件発明6を更に技術的に限定したものである。
本件発明2は、上記と同様な理由により、また、本件発明3ないし4は、先願明細書の記載(上記カ、実施例1ないし4参照)により、先願明細書に記載された発明と同一である。
さらに、本件発明5は、膨潤剤として、カオリン、モンモリロン石(ベントナイト)、粘土雲母(白雲母)、および緑泥石(ヘクトナイト)、およびその組合せからなる群から選ばれるものを含有するペイントまたはペイント基材組成物に係るものである。
ところで、特許法第29条の2に規定する同一性の判断は、本件発明の構成が先願明細書に具体的に記載されていないときは、両者は同一とすることができないが、先願明細書に具体的に記載されていない構成であっても、先願発明の出願当時の技術水準に照らし、当業者であれば、先願明細書がその構成を当然備えていると理解するものと認められるときは、両者は同一と判断できるというべきである。
そうすると、先願発明の出願当時、本件発明5の上記膨潤剤は、周知の事項(例えば、米国特許第5,057,153号明細書(甲第7号証)、米国特許第5,098,473号明細書(甲第8号証)を参照。)といえるから、本件発明5は先願明細書に記載された発明と同一である。
また、本件発明6に係る製造方法は、先願明細書に記載されており、本件発明7ないし10は、上記と同様な理由により、本件発明6ないし10は、先願明細書に記載された発明と同一である。
被請求人は、上記したように銅ピリチオンと酸化第一銅の配合量を特定範囲内に限定したのは、特願平4-206020号(特開平6-25560号公報(甲第2号証の対応公開公報))との関係で、特に請求項2において銅ピリチオンと酸化第一銅の配合量に重複が存在していることに鑑み、その重複部分をいわゆる「除くクレーム」の手法で排除した旨主張している(平成12年10月10日付け答弁書11頁末行〜13頁26行等参照。)。
しかし、先願明細書(特願平4-206020号)の請求項2は、先願発明の出願後である、平成7年10月27日付け手続補正書によって補正されたものであるから、特許法第29条の2に規定する「願書に最初に添付した明細書」に記載されていたものとはいえないから、被請求人の主張は採用できない。
また、乙第1ないし2、4ないし6号証を検討しても、上記判断が左右されるものではない。
VI むすび
以上のとおり、本件発明1ないし10は、先願明細書に記載された発明と同一であると認められ、しかも、本件各発明の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、この出願の時において、その出願人が上記他の出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件発明1ないし10に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件発明1ないし10に係る特許は、その余の無効理由を検討するまでもなく、同法第123条第1項第1号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-04-04 
結審通知日 2001-04-17 
審決日 2001-05-08 
出願番号 特願平6-507224
審決分類 P 1 112・ 161- Z (C09D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中田 とし子藤原 浩子  
特許庁審判長 花田 吉秋
特許庁審判官 佐藤 修
山田 泰之
登録日 1999-06-18 
登録番号 特許第2942631号(P2942631)
発明の名称 銅ピリチオン含有非ゲル化ペイント  
代理人 長沼 暉夫  
代理人 高宮城 勝  
代理人 浅村 皓  
代理人 浅村 肇  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ