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審決分類 審判 一部申し立て 特174条1項  G06K
審判 一部申し立て 2項進歩性  G06K
管理番号 1089856
異議申立番号 異議2003-71399  
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-10-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-05-26 
確定日 2003-12-17 
異議申立件数
事件の表示 特許第3350541号「光学的情報読取装置」の請求項1ないし11に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第3350541号の請求項1ないし11に係る特許を維持する。 
理由 (本件発明)
本件特許第3350541号の請求項1乃至11に係るそれぞれの発明(平成11年4月19日に出願した特願平11-111080号の一部を平成14年2月27日に新たな特許出願とした出願、平成14年9月13日設定登録)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 読取対象にレーザ光を走査し照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部で照射したレーザ光の読取対象からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の信号を処理し前記読取対象を解読するアナログ信号処理部とデジタル信号処理部とを、前記レーザ光照射部からの照射光ならびに読取対象からの反射光を透過する光透過窓を有する筐体内に収納してなる光学的情報読取装置において、前記筐体内に固定される挿脱自在な枠体と、前記アナログ信号処理部を構成する基板と、前記レーザ光照射部を構成する基板と、前記デジタル信号処理部を構成する基板とを有し、前記アナログ信号処理部を構成する基板と前記レーザ光照射部を構成する基板と前記デジタル信号処理部を構成する基板とを装着部品と干渉しない接近した隙間を隔ててそれぞれの基板面を対向させて順次配置し、前記順次配置した前記アナログ信号処理部を構成する基板上に前記受光部を配置して前記枠体内に収納し、前記各部を収納した前記枠体を前記筐体内に収納してなることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項2】 読取対象にレーザ光を走査し照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部で照射したレーザ光の読取対象からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の信号を処理し前記読取対象を解読するアナログ信号処理部とデジタル信号処理部とを、前記レーザ光照射部からの照射光ならびに読取対象からの反射光を透過する光透過窓を有する筐体内に収納してなる光学的情報読取装置において、前記筐体は略直方体状をなし、その筐体内に固定される挿脱自在な枠体と、前記アナログ信号処理部を構成する基板と、前記レーザ光照射部を構成する基板と、前記デジタル信号処理部を構成する基板とを有し、前記アナログ信号処理部を構成する基板と前記レーザ光照射部を構成する基板と前記デジタル信号処理部を構成する基板とを装着部品と干渉しない接近した隙間を隔ててそれぞれの基板面を対向させて順次配置し、前記順次配置した前記アナログ信号処理部を構成する基板上に前記受光部を配置して前記枠体内に収納し、前記各部を収納した前記枠体を前記略直方体状の筐体内に収納してなることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項3】 読取対象にレーザ光を走査し照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部で照射したレーザ光の読取対象からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の信号を処理し前記読取対象を解読するアナログ信号処理部とデジタル信号処理部とを、前記レーザ光照射部からの照射光ならびに読取対象からの反射光を透過する光透過窓を有する筐体内に収納してなる光学的情報読取装置において、前記筐体は略直方体状をなし、その筐体内に固定される挿脱自在な枠体と、前記受光部の信号を2値化するアナログ信号処理部を構成する基板と、前記レーザ光照射部を構成する基板と、前記アナログ信号処理部からの2値化信号を入力し、読取対象を解読する前記デジタル信号処理部を構成する基板とを有し、前記アナログ信号処理部を構成する基板と前記レーザ光照射部を構成する基板と前記デジタル信号処理部を構成する基板とを装着部品と干渉しない接近した隙間を隔ててそれぞれの基板面を対向させ、前記前記アナログ信号処理部を構成する基板を前記略直方体状の筐体の底面側に位置するようにして順次配置し、前記順次配置した前記アナログ信号処理部を構成する基板上に前記受光部を配置して前記枠体内に収納し、前記各部を収納した前記枠体を前記略直方体状の筐体内に収納してなることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項4】 レーザ光照射部が、レーザ光を発光するレーザダイオードとレンズとスリットからなるレーザ光形成モジュール、モータ駆動回路、モータ駆動回路の駆動により回転するモータ、モータの回転により回転し、前記レーザ光形成モジュールから出射されたレーザ光を走査するポリゴンミラーならびにモータの回転位置に同期した同期信号を出力する同期信号出力部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の光学的情報読取装置。
【請求項5】 読取対象にレーザ光を走査し照射するレーザ光照射部と、前記レーザ光照射部で照射したレーザ光の読取対象からの反射光を受光する受光部と、前記受光部の信号を処理し前記読取対象を解読するアナログ信号処理部とデジタル信号処理部とを、前記レーザ光照射部からの照射光ならびに読取対象からの反射光を透過する光透過窓を有する筐体内に収納してなる光学的情報読取装置において、前記筐体は略直方体状をなし、その筐体内に固定される挿脱自在な枠体と、前記アナログ信号処理部を構成する基板と、レーザ光を発光するレーザダイオードとレンズとスリットからなるレーザ光形成モジュール、モータ駆動回路、モータ駆動回路の駆動により回転するモータ、モータの回転により回転し、前記レーザ光形成モジュールから出射されたレーザ光を走査するポリゴンミラーならびにモータの回転位置に同期した同期信号を出力する同期信号出力部を有する前記レーザ光照射部を構成する基板と、前記デジタル信号処理部を構成する基板とを有し、前記アナログ信号処理部を構成する基板と前記レーザ光照射部を構成する基板と前記デジタル信号処理部を構成する基板とを装着部品と干渉しない接近した隙間を隔ててそれぞれの基板面を対向させて順次配置し、前記順次配置した前記アナログ信号処理部を構成する基板上に前記受光部を配置して前記枠体内に収納し、前記各部を収納した前記枠体を前記略直方体状の筐体内に収納してなることを特徴とする光学的情報読取装置。
【請求項6】 筐体が、底面が開口している上部筐体と、底面を構成する下部筐体とからなることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
【請求項7】 前記アナログ信号処理用回路基板に形成されるアナログ信号処理部が、前記受光部の信号を適正値に増幅する前置増幅回路ならびに可変利得増幅回路と、前記増幅された適正値を2値化する2値化回路から構成されてなる、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
【請求項8】 レーザ光形成モジュールが、レーザ光形成モジュールホルダーに固定され、レーザ光形成モジュールホルダーがレーザ光照射部を構成する基板に固定されてなる請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
【請求項9】 レーザ光照射部が、レーザ光を発光するレーザダイオードとレンズとスリットからなるレーザ光形成モジュールと、前記モジュールから出射されたレーザ光を筐体の窓を介して読取対象に走査するポリゴンミラーとを備え、前記モジュールと前記ポリゴンミラーが、前記デジタル信号処理部を構成する基板に面する側に配置されてなる、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
【請求項10】 筐体内に設けられた信号処理部にケーブルが接続され、前記ケーブルに固定されたブッシュが前記筐体の側面に形成された開口部に固定されてなる、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の光学的情報読取装置。
【請求項11】 枠体が、前記枠体内に設けられるレーザ光照射部と受光部ならびに前記筐体に設けられた光透過窓に対応した位置と、前記筐体側面の前記ブッシュ固定用開口部に対応した位置に開口を有してなる、請求項10に記載の光学的情報読取装置。」
(特許異議の申立ての理由の概要)
特許異議申立人株式会社オプトエレクトロニクスは、本件の各請求項に係る発明の特許は、特許法第113条第5号に該当し(理由A)、また、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたもの(理由B)であるから、取り消されるべきである旨主張している。
(対比・判断)
上記理由A,Bについてそれぞれ検討する。
理由Aについて
平成14年8月1日の手続補正により、「レーザ光照射部を構成する基板」なる構成要件が請求項1,2,3,5,8に追加されているところ、異議申立人は、「レーザ光照射部を構成する基板」なる構成要件は願書に添付した明細書または図面に記載されていない旨主張している。
しかるに、明細書、図面の記載をみれば、「モータ基板」が「レーザ光照射部を構成する基板」であることは、明白である。
したがって、平成14年8月1日の手続補正が特許法第113条第5号に該当するとの主張には理由がない。
理由Bについて
特許異議申立人は、証拠として、甲第1号証(特開平8-212279号公報)、甲第2号証(特開平7-134747号公報)、甲第3号証(特開平11-53875号公報)、甲第4号証(特開平9-305995号公報)、甲第5号証(特開2000-285475号公報)、甲第6号証(特開平9-114963号公報)、甲第7号証(特開平9-293112号公報)を提出し、請求項1乃至11に係る各発明は、上記証拠に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである旨主張している(なお、甲第5号証は公知文献ではない。)。
しかるに、上記甲号証には、請求項1乃至11に係る各発明における、アナログ信号処理部を構成する基板、レーザ光照射部を構成する基板、デジタル信号処理部を構成する基板の配置及び受光部の配置に関する構成が記載されておらず、また、各甲号証を組み合わせても請求項1乃至11に係る各発明の基板配置および受光部の配置について導き出すことはできない。
したがって、本件請求項1乃至11に係る各発明は、甲第1乃至7記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。
(むすび)
したがって、特許異議申立ての理由及び証拠によって、本件請求項1乃至11に係る各発明の特許を取り消すことはできない。

また、他に本件請求項1乃至11に係る各発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
 
異議決定日 2003-11-27 
出願番号 特願2002-52164(P2002-52164)
審決分類 P 1 652・ 121- Y (G06K)
P 1 652・ 55- Y (G06K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 梅沢 俊  
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 吉見 信明
橋本 正弘
登録日 2002-09-13 
登録番号 特許第3350541号(P3350541)
権利者 株式会社キーエンス
発明の名称 光学的情報読取装置  
代理人 葛西 四郎  
代理人 川崎 勝弘  

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