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審決分類 審判 全部無効 発明同一 訂正を認める。無効としない E03B
審判 全部無効 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 訂正を認める。無効としない E03B
審判 全部無効 特36 条4項詳細な説明の記載不備 訂正を認める。無効としない E03B
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない E03B
管理番号 1090649
審判番号 無効2002-35325  
総通号数 51 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1988-11-07 
種別 無効の審決 
審判請求日 2002-08-02 
確定日 2003-10-31 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第1739598号発明「雨水等の貯留浸透施設」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第1739598号は,昭和62年4月23日に出願され,平成4年5月7日に出願公告(特公平4-26648号)され,平成5年2月26日に設定登録され,平成14年8月2日に積水化学工業株式会社より無効審判の請求(本件審判の請求)があり,平成14年11月11日付けで被請求人より答弁書とともに訂正請求書が提出され,平成15年1月8日付で請求人より審判弁駁書が提出された。
その後,平成15年2月7日付けで無効理由が通知され,これに対して,平成15年4月14日付けで被請求人より意見書とともに訂正請求書が提出され(平成14年11月11日付けの訂正請求書は取下げられた。),平成15年6月13日付けで請求人より審判弁駁書(第2回)が提出された。

第2 請求人の主張の概要
1.請求人は,審判請求書において,無効理由として次のように主張する。
(1)無効理由1:本件発明は,その出願前日本国内において頒布された甲第4号証ないし甲第7号証に記載された発明並びに甲第8,9号証及び甲第11号証ないし18号証に示される周知の技術から当業者が容易に発明できたものであり特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり,本件特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

(2)無効理由2:本件発明は,本件出願前の出願であって,本件出願後に公開された甲第10号証の出願公開公報の願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された発明と同一であって,その発明者又は出願人と本件特許の発明者又は出願人とは同一でないから,特許法第29条の2の規定により特許を受けることができないものであり,本件特許は特許法第123条第1項第2号の規定により,無効とすべきである。

(3)無効理由3:本件特許の明細書の記載及び図面は,本件発明についての開示が不十分かつ不明りょうであり,当業者が容易に実施できる程度に記載されておらず,また,本件発明の必須の構成要件が欠落して記載されているから,昭和60年改正特許法第36条第3項及び同条第4号に規定する要件を満たしていない特許出願であり,本件特許は特許法第123条第1項第4項の規定により,無効とすべきである。

2.請求人は,平成15年4月14日付けで提出された訂正請求書に基づく訂正発明について平成15年6月13日付弁駁書(第2回)において,概略,次の様に主張し,証拠として甲第19,20号証及び参考資料1,2を提出した。
(1)本件訂正請求は,本件発明の設定登録時の明細書及び図面に記載されていない「周面板に孔が無く天井や底面にのみ孔のある容器状部材」をも含むことになり,形式的には特許請求の範囲の減縮であっても,実質上特許請求の範囲を変更するものであるから,特許法第134条第5項で準用する特許法第126条第2項の規定に適合しない。

(2)本件訂正請求された明細書及び図面の記載は,本件発明の必須の構成要件が欠落しており,また,限定した構成にともなう特有の作用効果が記載されていないことから不備であり,特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を満たしておらず,また,訂正しようとする特許請求の範囲第1項の発明,第5項の発明は依然として進歩性を欠いており,特許法第29条第2項に違背することから,本訂正は不適法な訂正であり,訂正後の発明は,その特許出願の際独立して特許を受けることができないもの(いわゆる独立特許要件違反)であるので,特許法第134条第5項で準用する特許法第126条第3項に違反する。

(3)本件訂正請求により,特許請求の範囲の構成要件項が一つから二つに増加したことは,技術的事項の拡張あるいは変更であって,特許法第134条第2項ただし書きの要件を満たさない。

(証拠方法)
甲第1号証:特許第1739598号登録原簿
甲第2号証:特公平04-26648号公報(本件特許公報)
甲第3号証:東京地方裁判所.平成14年(ョ)第22013号仮処分請求事件.債務者準備書面(4)
甲第4号証:特開昭54-15331号公報
甲第5号証の1,同2:実願昭48-74429号(実開昭50-22506号公報)のマイクロフィルム
甲第6号証:特開昭60-144470号公報
甲第7号証:「第21回下水道研究発表会講演集昭和59年度」459ない
し461頁,社団法人日本下水道協会昭和59年4月1日発行
甲第8号証:意匠登録第617340号公報
甲第9号証:特公昭47-29673号公報
甲第10号証:特願昭60-248730号(特開昭62-111031号公報)
甲第11号証:意匠登録第292649号公報
甲第12号証:意匠登録第410537号公報
甲第13号証:意匠登録第685432号公報
甲第14号証:意匠登録第654109号の類似10の公報
甲第15号証:意匠登録第593995号公報
甲第16号証:意匠登録第508768号公報
甲第17号証:意匠登録第246464号公報
甲第18号証:意匠登録第472268号公報
甲第19号証:特開昭55-26840号公報
甲第20号昭の1:東京高裁平成9年(行ケ)第46号,平成10年7月21日言渡判決抜粋(判例特許・実用新案法:新日本法規出版)
甲第20号昭の2:東京高裁平成9年(行ケ)第46号,平成10年7月21日言渡の判決文
参考資料1:審判便覧54-05
参考資料2:旧審査便覧33.08A

第3 被請求人の主張の概要
被請求人は,平成15年4月14日付で訂正請求書とともに提出した意見書において,訂正後の発明は,甲第7号証及び周知技術から容易に発明できたものではないと主張する(なお,被請求人は,平成14年11月11日付けで提出した答弁書においては,同日付けで訂正請求された訂正後の発明について無効理由がない旨主張していたが,この訂正請求は取下げられた。)。

第4 訂正事項及びその適否について
1. 訂正請求書の訂正事項
請求人は,平成15年4月14日付で提出した訂正請求書により明細書を次のように訂正する。
(a)特許請求の範囲第1項「地面を掘下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配設して充填し,最上部には,被覆手段を施したことを特徴とする雨水等の貯留浸透施設」を,特許請求の範囲の減縮を目的として,
「地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグ
ランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,容器状部材を下向きにして,下方とな
る容器状部材を格子の交点相当位置に連設配置して縦横に並べ,前記下方と
なる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部
材の中心に位置させ,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接
続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下
に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。」と訂正する。
(b)特許請求の範囲第2項における「多数の孔を有する」を,特許請求の範囲の減縮を目的として,「格子状,網状又は多孔状の」と訂正する。
(c)特許請求の範囲第3項を,特許請求の範囲の減縮を目的として,削除する。
(d)特許請求の範囲第4項を,特許請求の範囲の滅縮を目的として,第3項に繰り上げ,「第3項記載の」とあるを「第1項記載の」と訂正する。
(e)特許請求の範囲第5項を,特許請求の範囲の減縮を目的として,第4項に繰り上げる。
(f)特許請求の範囲第6項に「上記容器状部材の上下の配設を,相互に底部は底部と対尾させ,開口部は開口部と対面させつつ行なったことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の雨水等の貯留浸透施設。」とあるを,第2発明とし,第5項において,「5.地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて.運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,縦横に配列した容器状部材を上下方向
に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。」と訂正する。
(g)明細書第4頁第5〜10行目(特公平4-26648号公報第2頁第3欄第7〜12行目)において「本発明の構成の要旨とするところは,地面を掘下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配設して充填し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設である。」を,特許請求の範囲と発明の詳細な説明との整合をとることを目的として,「第1の発明の構成の要旨とするところは,
地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグ
ランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,容器状部材を下向きにして,下方とな
る容器状部材を格子の交点相当位置に連設配置して縦横に並べ,前記下方と
なる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部
材の中心に位置させ,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接
続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下
に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設である。
第2の発明の構成の要旨とするところは,
地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグ
ランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,縦横に配列した容器状部材を上下方向
に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設である。」と訂正する。
(h)明細書第5頁第4行(特公平4-26648号公報第2頁第3欄第26行)における「テーパ状に構成するのが望ましい。」を,特許請求の範囲と発明の詳細な説明の記載との整合性を取ることを目的として,「テーパ状に構成されているので,」と訂正する。

2. 訂正の適否について
(1)訂正事項(a)ないし(f)は特許請求の範囲の減縮を目的とし,同(g)ないし(h)は発明の詳細な説明を特許請求の範囲と整合させるための訂正であって,明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり,いずれも願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内であり新規事項の追加に該当せず,また,実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものでもない。

(2)したがって,平成15年4月14日付けでした訂正請求は,平成6年改正前の特許法第134条第2項ただし書き,及び同条第5項の規定により準用する同法第126条第2項に規定する要件を充足するので,適法なものと認められる。

(3)訂正の適否に関する請求人の主張について
請求人は,平成15年6月13日付けで提出した審判弁駁書(第2回)により,訂正の適否について次の様に主張するが,それぞれの主張に対する判断は,以下の通り。
(ア)請求人は,訂正しようとする特許請求の範囲第1項および第5項の記載には,「周側板及び底部」の限定がなく,単に『上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し』とだけ記載されていることから,本件訂正請求は,本件発明の設定登録時の明細書及び図面に記載されていない「周面板に孔が無く天井や底面にのみ孔のある容器状部材」をも含むことになり,形式的には特許請求の範囲の減縮であっても,実質上特許請求の範囲を変更するものであるから,特許法第134条第5項で準用する特許法第126条第3項の規定に適合しない旨主張する。
しかしながら,本件発明の設定登録時の記載として,容器状部材の「周側板及び底部」に「多数の孔」を設けた点は,本件発明の一実施例を示したものに過ぎない。そして,容器状部材に多数の孔を設けることは,容器状部材の構成の減縮にあたり,また,本件発明の容器状部材により雨水を貯留しようとする本件発明の目的を逸脱するものでもない。そこで,本訂正事項は,実質上特許請求の範囲を変更するものとはいえない。

(イ)請求人は,本件特許は昭和62年の出願であり,旧特許法64条の補正の法律効果が適用され,出願公告決定後に適法になされた補正は取下げても(取下げとみなされても)法律効果は変わらないと解されるから,本件訂正請求のように,一度適法に減縮した特許請求の範囲を,その後の補正により拡大することは,特許法第126条第1項(特許法134条第2項)に違反し許されない旨主張する
しかしながら,訂正請求の対象は,特許法第134条第2項に規定されているように「願書に添付した明細書又は図面」であり,しかも本訂正請求の前に平成14年11月11日付けで請求された訂正は本訂正請求と同時に取り下げられているから,本訂正請求の対象は,本件特許権の設定登録時のものとなる。
なお,請求人の主張する「直前明細書」を補正の対象とする運用は,特許権の設定登録前になされた公告後の補正の適否について適用されるものであり,これを本訂正請求のような特許権の設定登録後になされた訂正の請求の審理に適用することはできない。

(ウ)請求人は,本件訂正請求された明細書の記載は不備であり,また,訂正請求された発明は進歩性を欠くために,不適法な訂正であり,訂正後の発明は,その特許出願の際独立して特許を受けることができなもの(いわゆる独立特許要件違反)であるから,特許法第134条第5項で準用する特許法第126条第3項に違反し許されない旨主張する。
しかしながら,平成15年2月7日付け無効理由通知においても指摘したように,本件無効審判は平成12年1月1日以降に請求されており,審判請求がなされた発明に対して特許請求の範囲の減縮を目的とした訂正については,独立特許要件違反を判断しないことになっている。

(エ)請求人は,本件訂正請求により,特許請求の範囲の必須構成要件項が一つから二つに増加したことは,技術的事項の拡張あるいは変更であって,特許法第134条第2項でいう訂正にあたらない旨主張する。
しかしながら,訂正後の特許請求の範囲第1項は,訂正前の特許請求の範囲第1項の記載を減縮したものであり,また,訂正後の特許請求の範囲第5項に係る発明は,特許請求の範囲第1項を減縮した結果,第1項の発明の実施態様に相当しなくなった旧第6項を別発明とするとともに,更に限定を加えたものであって,特許請求の範囲第1項の発明に含まれていた事項を特許請求の範囲第1項の訂正によって新たに発明として顕在化したと考えることができることから,特許請求の範囲の拡張あるいは変更にはあたらないといえる。
なお,請求人は,「多項制に関する運用基準(庁議決定)」(審判便覧54-05,6〜7頁)を引用しているが,この運用基準は,必須要件項に従属する二以上の実施態様項が並列的な関係にある場合において,無効原因を有する必須要件項を訂正審判において削除する場合には,これら実施態様項を独立形式に訂正することにより二以上の必須要件に整理することを許容するものであって,このケースに該当しないことのみをもって,技術的事項の拡張あるいは変更があったとすることはできない。

第5 無効理由についての検討
1. 本件特許発明の認定
本件特許にかかる発明は上記のように訂正が適法なものと認められるので,その特許請求の範囲に係る発明は次の通りである。
(1)請求項1記載の発明(以下,本件発明1という。)
地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部から
グランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填
し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,容器状部材を下向きにして,下方とな
る容器状部材を格子の交点相当位置に連設配置して縦横に並べ,前記下方と
なる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部
材の中心に位置させ,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接
続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下
に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。

(2)請求項5記載の発明(以下,本件発明2という。)
地面を掘り下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部から
グランドライン付近まで,複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填
し,最上部には,被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって,
上記容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材
の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の
上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており,
上記容器状部材の充填に際しては,縦横に配列した容器状部材を上下方向
に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。

2.無効理由3及び弁駁書(第2回)における記載不備の主張について
(1)請求人は,本件発明の特許請求の範囲における容器状部材は,単に多数の孔が有ることだけではなく「多数の孔を有する周側板及び底部を有」することが必須構成であると解されるが,特許請求の範囲の記載はこの必須構成要件が欠落しており不明りょうである旨主張する。
しかしながら,容器状部材に多数の孔があれば,この孔から容器状部材に雨水が流入し,容器状部材により雨水を貯留するという初期の目的を達成することができるため,多数の孔を周側板及び底部に設けることまでが必須の構成要件であるとはいえない。

(2)請求人は,「下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ」る構成,及び,「各容器状部材に形成した上下方向の接続手段」の構成は,容器状部材の形状を特定しなければ充填する構成を特定したことにならず,不明りょうな記載である旨主張する。
しかしながら,「下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ」る構成,及び,「各容器状部材に形成した上下方向の接続手段」の構成については,容器状部材の形状を具体的に特定しなくてもその構成は何ら不明りょうではないから,請求人の主張は採用できない。

(3)請求人は,本件訂正請求により,特許請求の範囲の第1項及び第5項は,それぞれ容器状部材の充填の構成を限定したが,この限定した構成にともなう特有の作用効果が明細書の発明の詳細な説明中には記載されておらず,本件発明を正確に理解することができず不明りょうである旨主張する。
しかしながら,明細書には,本件発明の作用効果として,充填時には「タンク部内の空間率は非常に高い。しかして容量の確保が容易であり,充分多量の雨水等を貯留することができる。」(特公平4-26648号公報第3頁5欄32行ないし34行)ことが記載されており,限定した構成によってもこの効果は生じることから,限定した構成に伴う特有の作用効果が記載されていないとして,本件明細書の記載が不明りょうであるとはいえない。

3.無効理由1及び弁駁書(第2回)訂正請求における進歩性欠如の主張について
(1) 引用例記載事項の認定
請求人が提出し,本件特許の出願前に日本国内において頒布したと認められる次の刊行物には以下の記載が認められる。
(ア)甲第4号証(特開昭54-15331号公報)
特許請求の範囲には「底壁と周壁と頂部層とによって限定される空間内に所定の空間率を有する部材が充填され,比較的大きい流量の流入路と比較的小さい流量の排出路とが設けられ,これによって所定量の水が少なくとも一時的に前記空間内に貯留可能となされていることを特徴とする貯水池。」と記載され,所定の空間率を有する部材として砂利が例示され,周壁や底壁は,「貯留された水がある程度周囲の地層に浸透することを許すものであってもよい」(2頁10行ないし11行)と記載されている。

(イ)甲第5号証の1,同2(実願昭48―74429号(実開昭50-22506号公報)のマイクロフィルム)
実用新案登録請求の範囲には「軟質性の袋状物の中に中空で且外部との連通孔を有したブロック体を挿入してなる地下タンク。」と記載され,第1図,第2図には,連通孔を有する立方体形状のブロック体が地下タンク部内に積み重ねられている状態が図示され,ブロック体として「このブロック体4の形状は穴面体に限定されるものではなく球状その他の形状のものでも構わない。」(明細書2頁1行ないし3行)と記載されている。

(ウ)甲第6号証(特開昭60-144470号公報)
発明の詳細な説明には,「貯溜槽は鉄鋼製カプセルとテントシートよりなり,カプセルは例えば10m3を一単位とした正直方体の形状とし,外面に接する面のみ鉄板を貼りつけたものである。」(第1頁左欄第21ないし23行),「現場でボルトによりカプセルに組立て,更に集合組立を行なう。」(同26,27行),「第2図はカプセルの構造の大略を示す。アングル材で立方体の稜5を構成し,角部には補強材6があって相互組立用のボルト穴7が用意してある」(第1頁左欄第33行ないし右欄第2行),「第4図にはカプセルをいくつか組合せた例を示す。〜4-cは12個結合の120m3容量の例である。」(同右欄第4ないし6行)と記載されていることから,甲第6号証には,「アングル材で構成した立方体と鉄板をボルトによりカプセルに組立て,さらにこれを複数個結合して組立てた地下貯溜槽」が記載されているものと認められる。

(エ)甲第7号証(「第21回下水道研究発表会講演集昭和59年度」45
9ないし461頁,社団法人日本下水道協会昭和59年4月1日発行)
459頁の「2.洪水抑制の雨水貯留及び浸透システム」の項に,雨水の地下浸透が重要な手法であること(459頁11ないし12行)が記載され,「(3)雨水の地下貯留」の項の特に,460頁の図-3とその説明には,雨水の再利用システムについて記載されており,地中に設けた穴内に止水膜を設け,その内部に複数のビール瓶のカートンケースを左右上下に積み重ねた雨水の地下貯留システムが記載されており,このシステムに雨水や浄化施設を経由した建築物雑排水を導入し,システムのビール瓶のカートンケースの上には砂利が被せられ,砂利の左右方向の矢印は,止水膜の上部から周りの地盤に雨水が浸透することを示唆している。
以上の記載において,ビール瓶のカートンケースは,ビール瓶を複数本(多くの場合20本)収納して運搬または貯蔵のために用いられるケースを意味することは当事者にとって明らかであり,当該カートンケースは,略直方体形状をしており,上面は開口し,側面にも孔が設けられており,底面には複数の孔が設けられ,内部にビールを収納するために空間が設けられていたものであることが,甲第7号証が発行された昭和59年4月時点において,周知の事項であった。
そして,460頁の図-3において,該カートンケースは,ビールが収納される空間部の存在により,それがタンク部内に配設された場合には,タンク部の内部の空間率を高めるようになることは当然であるから,甲第7号証には次の発明が記載されているということができる。
「地面を掘下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数のビール瓶のカートンケースを横方向かつ上下方向に配設して充填し,最上部には,被覆手段を施したことを特徴とする雨水等の貯留施設であって,
上記カートンケースが,上面を開口し,且つ多数の孔を有しており,略直方体形状に形成され,上記カートンケースの充填に際しては,タンク部の内部の空間率を高めるように横方向かつ上下方向に配設する雨水等の貯留施設。」(以下,上記記載の発明を「甲第7号証発明」という。)

(オ)甲第8号証(意匠登録第617340号公報)
2頁3段目「積み重ねた状態を示す参考図」の記載から,運搬用容器である直方体状の容器の周面をテーパ状にして積み重ねることが記載されていると認められる。

(カ)甲第9号証(特公昭47-29673号公報)
Fig5並びに5頁6〜12行及び7頁12〜13行の記載から,コンテナである円筒状容器の周面をテーパ状にして積み重ねるようにすることが記載されていると認められる。

(キ)甲第11号証ないし甲第17号証
穴あき容器状部材であって,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に積み重ねることができるようになっている容器状部材が記載されていると認められる。

(キ)甲第18号証(意匠登録第472268号公報)
波形に形成された屋根用下地板材が記載されている。

(ク)甲第19号証(特開昭55-26840号公報)
明細書及び図面の記載から,植物栽培土壌用灌漑槽内に,通孔を設けた波形スレートを複数枚,交互に波形面が交差するように積層して載置することが記載されていると認められる。

(2) 対比及び判断
本件発明1について
(ア)対比
本件発明1と甲第7号証発明とを比較すると,甲第7号証発明のビール瓶のカートンケースは,上面が開口され多数の孔を有する形態であることは周知の事項であって,容器状部材ということができるから,両者は,次の点で一致し,少なくとも次の点が相違するものと認められる。
<一致点>
「地面を掘下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数の容器状部材を横かつ上下に配設して充填し,最上部には,被覆手段を施したことを特徴とする雨水等の貯留施設であって,
容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,
上記容器状部材の充填に際しては,タンク部の内部の空間率を高めるように横方向かつ上下方向に配設することを特徴とする雨水等の貯留施設。」
<相違点>
本件発明1では,容器状部材の充填に際しては,「容器状部材を下向きにして,下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ,各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ね」るのに対して,甲第7号証のビール瓶のカートンケースではそのような構成となっていない点,

(イ)判断
前記相違点について検討する。
周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されている容器状部材をタンク内に空間率を高めるように充填するに当たっては,相互に重ね合わないように積み重ねる必要があり,そのためには色々の積み重ね方が考えられ,容器状部材を上向きまたは下向きに積み重ねること,または,交互に上向き,下向きに積み重ねること,容器状部材を下向きにして格子状に並べ,その格子状の交点相当位置に別の容器状部材を下向きに配置して4個の下方の容器状部材の中心に配置して積み重ねること等が考えられるが,「上面を開口し,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成された容器状部材を下向きにして,下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ」て積み重ねることと併せて,容器状部材を「各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ね」る点は,請求人が提示した何れの証拠にも記載されていない。
しかも,本件発明1は,かかる構成をとることにより,上面を開口し,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成された容器状部材についても,これらを下向きにして,下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させて積み重ねたとしても,容器状部材の「上下方向の接続を確実にする」ことができ(特公平4-26648号公報第2頁4欄3行ないし4行),雨水等の貯留浸透施設を「容易に,かつ安価に・・・十分な強度を有する」ものとして造成することができる(同公報第4頁8欄10行ないし13行)という特有の効果を奏するものである。

(ウ)請求人は平成15年6月13日付けの審判弁駁書(第2回)において,「訂正請求での「接続手段」とは容器を固定するためのものと解釈されるが,積層した容器が崩れないようにするためには接続手段を用いることことも当たり前のことであって,甲第6号証でも保水部材であるカプセルを現場で接続手段としてボルトにより組み立てているのであって,この点(容器状部材を各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねる点)の限定も設計事項である」旨主張している。
しかしながら,甲第6号証記載のカプセルは,鉄骨製カプセルの組立てに当ってボルトを用いているのであって容器の接続をしているのではないことから,上記相違点を設計事項とすることはできない。

(エ)したがって,本件発明1は,請求人提出の証拠から当業者が容易に発明できたものとすることはできない。

本件発明2について
(ア) 対比
本件発明2と甲第7号証発明とを比較すると,本件発明1について検討したように,両者は,次の点で一致し,次の点で相違するものと認められる。
<一致点>
「地面を掘下げてタンク部を構成し,上記タンク部内に,その底部からグランドライン付近まで,複数の容器状部材を横かつ上下に配設して充填し,最上部には,被覆手段を施したことを特徴とする雨水等の貯留施設であって,
容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,
上記容器状部材の充填に際しては,タンク部の内部の空間率を高めるように横方向かつ上下方向に配設することを特徴とする雨水等の貯留施設。」
<相違点>
本件発明2では,容器状部材の充填に際しては,「縦横に配列した容器状部材を上下方向に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ね」るのに対して,甲第7号証発明のビール瓶のカートンケースではそのような構成となっていない点。

(イ) 判断
本件発明1の判断において示したように,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されている容器状部材をタンク内に空間率を高めるように充填するに当たっては,相互に重ね合わないように積み重ねる必要があり,そのためには色々の積み重ね方が考えられるが,「上面を開口し,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成された容器状部材を縦横に配列し,容器状部材を上下方向に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて積み重ね」ることと併せて,容器状部材を「各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続」する点は,請求人が提示した何れの証拠にも記載されていない。
しかも,本件発明2は,かかる構成をとることにより,上面を開口し,周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成された容器状部材についても,これらを縦横に配列し,上下方向に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて積み重ねたとしても,本件発明1の(イ)判断において示したと同様に,容器状部材の「上下方向の接続を確実にする」ことができ(特公平4-26648号公報第2頁4欄3行ないし4行),雨水等の貯留浸透施設を「容易に,かつ安価に・・・十分な強度を有する」ものとして造成することができる(同公報第4頁8欄10行ないし13行)という特有の効果を奏するものである。

そして,請求人の平成15年6月13日付けの審判弁駁書(第2回)における甲第6号証に基づく主張についての判断は,本件発明1について示したとおりである。

(ウ)したがって,本件発明2は,請求人提出の証拠から当業者が容易に発明できたものでるとはいえない。

4.無効理由2について
(1)先願明細書記載事項の認定
請求人が提出した本願出願前に出願された特願昭60-248730号の願書に添付さえた明細書及び図面を示す甲第10号証(特開昭62-111031号公報)には,請求人が主張するように,第1頁右欄7行〜2頁左欄4行及び第1図の記載から
「地面を摺り鉢状に掘下げて水容器を構成し,上記タンク部内に複数の鋳鉄管7を左右かつ上下に敷き並べて充填し,最上部には埋め戻し表面を転圧した掘削土を施した雨水等の貯留浸透施設であって,鋳鉄管7の両端は金網を被せ,鋳鉄管7の周囲は砕石で充填して,表面の被覆手段として掘削土を用い,上下に敷き詰められた鋳鉄管7は互いに接触した雨水等の貯留浸透施設」が記載されているものと認められる(以下,この発明を甲第10号証発明という。)。

(2) 対比及び判断
本件発明1について
本件発明1と甲第10号証発明とを比較すると,甲第10号証発明は,本件発明1の構成要件である「容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっている」点,及び,容器状部材の充填に際しては,「容器状部材を下向きにして,下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連接配置して縦横に並べ,前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ,各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ね」る点を備えていない。
そして,これらの構成が甲第10号証の記載から自明な事項であるとすることもできないことから,本件発明1と甲第10号証発明とは同一とすることはできない。

本件発明2について
本件発明2と甲第10号証発明とを比較すると,甲第10号証発明は,本件発明2の構成要件である「容器状部材が,上面を開口し,且つ多数の孔を有し,上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて,運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっている」点,及び,容器状部材の充填に際しては,「縦横に配列した容器状部材を上下方向に交互に上向き,下向きにして,上下の容器状部材の開口部相互を対面させ,底部相互を対尾させて,前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ね」る点を備えていない。
そして,これらの構成が甲第10号証の記載から自明な事項であるとすることもできないことから,本件発明2と甲第10号証発明とは同一とすることはできない。

第6 結論
以上のとおりであることから,無効審判請求の理由及び証拠によっては,本件発明1及び2の特許を無効にすることはできない。
また,審判に関する費用については,特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により,請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
雨水等の貯留浸透施設
(57)【特許請求の範囲】
1.地面を掘り下げてタンク部を構成し、上記タンク部内に、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し、最上部には、被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって、
上記容器状部材が、上面を開口し、且つ多数の孔を有し、上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて、運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており、
上記容器状部材の充填に際しては、容器状部材を下向きにして、下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連設配置して縦横に並べ、前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ、前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。
2.上記容器状部材を、格子状、網状又は多孔状の底部及び周側板で構成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の雨水等の貯留浸透施設。
3.上記容器状部材の周囲に砂利を充填したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の雨水等の貯留浸透施設。
4.上記被覆手段として、砂利層を構成したことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の雨水等の貯留浸透施設。
5.地面を掘り下げてタンク部を構成し、上記タンク部内に、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し、最上部には、被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって、
上記容器状部材が、上面を開口し、且つ多数の孔を有し、上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて、運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており、
上記容器状部材の充填に際しては、縦横に配列した容器状部材を上下方向に交互に上向き、下向きにして、上下の容器状部材の開口部相互を対面させ、底部相互を対尾させて、前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設。
【発明の詳細な説明】
[産業上の利用分野]
本発明は、住宅地その他に於いて必要とされる雨水等の自然水の貯留浸透施設に関するものである。
[従来の技術]
従来大きな住宅団地等では、土地に余裕がある場合には、住宅の間に適当な間隔で調整池を造成している。
これは、一定の広い領域について地面を1m程度掘下げ、その掘下げ部分の縁に健溝を構成し、この側溝に周囲の住宅地等からの排水溝を接続し、集中豪雨等にみまわれた場合等の余分な雨水等をこれに流れ込ませ、住宅や工場その他の建造物等の周囲に上記雨水等が滞留するのを防止するものである。
上記調整池内の側溝は、更に河川等に接続させてあり、その流出口を適宜開閉し、時間差をもたせて、雨水等の自然水を河川等に排水するようにし、河川の増水時を避けた排水をさせるようにしたものである。
このような調整池は、特に豪雨等がなければ運動場等として使用されるようになっている。
他の例としては、地面を深く掘下げ、その周囲及び底部にコンクリートを打設して貯留槽を造成し、この貯留槽の上部開口にコンクリート柱等で支持する蓋を被覆したものがある。
この場合も、上記の例と同様に、周囲の住宅地等で生じた雨水を排水溝を通じてこの中に流入させるようにし、一定時間の貯留の後、河川等に順次放水する如くなっている。集中豪雨等による河川の増水時を避けて放水する趣旨である。
[発明が解決しようとする問題点]
前者の例は、土地に余裕のある地域では可能であるが、地価の高い地域では、殆ど不可能である。
後者の例は、全体がコンクリート作りであって費用が嵩む難点がある。
[問題点を解決するための手段]
第1の発明の構成の要旨とするところは、
地面を掘り下げてタンク部を構成し、上記タンク部内に、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し、最上部には、被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって、
上記容器状部材が、上面を開口し、且つ多数の孔を有し、上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて、運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており、
上記容器状部材の充填に際しては、容器状部材を下向きにして、下方となる容器状部材を格子の交点相当位置に連設配置して縦横に並べ、前記下方となる容器状部材の上に乗せる上方となる容器状部材を四個の下方の容器状部材の中心に位置させ、前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設である。
第2の発明の構成の要旨とするところは、
地面を掘り下げてタンク部を構成し、上記タンク部内に、その底部からグランドライン付近まで、複数の容器状部材を縦横かつ上下に配置して充填し、最上部には、被覆手段を施した雨水等の貯留浸透施設であって、
上記容器状部材が、上面を開口し、且つ多数の孔を有し、上記容器状部材の周側板が底部に向かって縮小するテーパ状に構成されて、運搬時に多数の上記容器状部材を重ね合わせることができるようになっており、
上記容器状部材の充填に際しては、縦横に配列した容器状部材を上下方向に交互に上向き、下向きにして、上下の容器状部材の開口部相互を対面させ、底部相互を対尾させて、前記各容器状部材に形成した上下方向の接続手段で接続して積み重ねて前記タンク部の内部の空間率を高めるように縦横かつ上下に配設してなることを特徴とする雨水等の貯留浸透施設である。
上記タンク部は、基本的には、単純に地面を掘下げて造成したものである。側面には特別にコンクリートを打設するようなことはしないので、適当な傾斜をつけるのが好ましい。
上記タンク部の寸法、形状はその地域での雨氷の最大貯留容量を考慮して決定する。
また上記容器状部材は、その形状寸法を種々に構成することができる。
たとえば、一面を開口した立方体状、直方体状又は有底の円筒状等に形成することができる。その周側板及び底板には、多数の孔をあけるか、又はそれら自体を網状乃至は格子状に形成するのが良い。周側板は底部に向かって底部側が小さくなるようにテーパ状に構成されているので、運搬時に多数の容器状部材を重ね合わせることができるようにする趣旨である。
タンク部内に於ける容器状部材の縦横及び上下の配設方式としては種々の態様があり得る。これは容器状部材をどのように構成するかでも異なる。また容器状部材相互を接続する接続手段も同様に容器状部材の構成いかんにより種々の構成が可能である。
たとえば、容器状部材を、略立方体状で周側板が底部に向かって徐々に小さくなるテーパ状に構成したものである場合には、
▲1▼ 多数の容器状部材を縦横に配列する。配列された各容器状部材には、上下方向には、その開口部相互又は底部相互で接続しつつ積重ねる。
たとえば、最下部の容器状部材を上向きに配置した場合には、その上方の容器状部材は下方のそれと対面するように下向きに配置する。更にその上の容器状部材は下方のそれと対尾するように、上向きに配置する。
上記容器状部材には、少なくとも上下方向の接続手段は構成しておき、これにより上下方向の接続を確実にするのが良い。
上記接続手段は、上記容器状部材に於いては、周側板の上縁と下縁とにそれぞれ鍔を突設し、対面する周側板の上下の鍔には複数の結合孔をあけ、他の対面する周側板の上下の鍔には対応する結合突起を形成する。こうして上記のように、対尾又は対面する際に、上記結合孔に上記結合突起を挿入して結合させる。
なお容器状部材を、上記のように構成した場合には、また別な上下方向の配置が採用可能である。
▲2▼ たとえば、容器状部材を下向にして、相互に適当な間隔を置きつつ、格子の交点相当位置に配置し、その上に下向にして上の容器状部材を配置する。即ち、四個の下向きの容器状部材の底部の角部に一個の容器状部材の上縁の四隅が各々載るように配置する訳である。
接続手段も、たとえば、容器状部材の底部及び周側板の上縁に、それぞれ側方に向けた鍔部を突設し、底部の鍔部には、その四隅部に各々結合孔を穿設し、周側部上縁の鍔部には、同様に四隅部に対応する結合突起を突設形成する。また容器状部材を有底円筒状で底部に向かい小径となるテーパ状に構成した場合には、上記▲2▼と同様に積重ねることが可能である。
▲3▼ 即ち、これらの容器状部材を格子の交点相当位置に下向きに連設配置し、これらの上に、また容器状部材を下向きに配置する。上に乗せる容器状部材は、四個の下方の容器状部材の中心に位置させ、その周側板の上縁の周囲を乗せるようにする。
上記接続手段としては、たとえば、容器状部材の底部及び周側板の上縁には鍔部を構成し、上記底部の鍔部には、四カ所に90度の角度間隔で結合孔を穿設し、一方上縁の鍔部には、四カ所に同様に90度の角度間隔で結合突起を突設しておくものとする。
上記▲1▼▲2▼▲3▼の容器状部材は、いずれにしても、周側板及び底部を格子状、網状又は多孔状に構成することは前記した通りである。また連設配置の方式は上記に限定されるものではないし、接続手段も上記に限定されないことは言うまでもない。
更に材質については、プラスチック材その他を適当に選択することができる。
また上記のように、連設配置する際に、タンク部の底部には砂利を敷くのが都合が良い。更に必要に応じて、上下方向への配設途中でも、容器状部材の周囲の空間部に砂利を充填することも差支えない。
また前記被覆手段は、砂利を敷き、その上に土壌を投入して構成する等、自由な構成を採用することができる。容器状部材を充填したタンク部の領域を被覆できれば良い。被覆手段として土壌を投入した場合には、芝生等を植生し、樹木を植えることもできる。
このタンク部内には、住宅周辺等の雨水等の排水を集める側溝の排水口等を接続する。またこのタンク部には、上記側溝の排水口より若干低い位置に河川等に接続する流出口を設け、オーバーフローを流出させる。
[作用]
本発明は、以上のように構成したので、安価に効率の良い雨水等の貯留浸透施設を構成することができたものである。
まずこの貯留浸透施設は次のように作用する。
これを住宅地や工場等の周辺に設置した場合、雨水等は側溝その他の排水溝を通じてタンク部に流入する。タンク部には、容器状部材が縦横及び上下にグランドライン付近まで配設充填されているので、雨水等は緩やかな流れになってタンク部内に流下する。また上記容器状部材は、上部は開口、かつ周側板及び底板には多数の孔が穿設してあるので、タンク部内の空間率は非常に高い。しかして容量の確保が容易であり、充分多量の雨水等を貯留することができる。またタンク部の周囲及び底部は、コンクリート等で固めていないので、雨水等は時間の経過にともない徐々に地下に浸透する。
しかして、たとえば集中豪雨等があった場合には、雨水等は側溝等を通じてタンク部内に流入し、雨水等は一時的にはタンク部内に滞留保管され、道路や宅地周辺等の被害を未然に防止し、若干長期的には、それらの雨水は地中に浸透し、自然のサイクルに従った作用を行なうものである。しかもこのように雨水は地中に浸透して行くので、オーバーフローが生じにくく、流出口からの流出が少ない。
しかもこの雨水等の貯留浸透施設の構造は、タンク部と、これに充填した容器状部材と、その最上部を被覆した被覆手段とで構成したものであるから安価に造成できるものでもある。しかも内部に容器状部材が充填されているので、充分な強度を有する。
[実施例]
以下図面に基づいて本発明の一実施例を説明する。
まず第1図〜第4図に基づいて第一の実施例を説明する。
第1図に示したように、地面1を掘下げてタンク部2を構成する。タンク部2の形状は平面四辺形を基本として造成し、側壁部2aは緩やかな傾斜面とする。このタンク部2の底部2b及び側壁部2aには、コンクリート等は打設しない。
このタンク部2の底部2bには、砂利を敷き詰め、砂利層3を構成し、その砂利層3上に箱形部材4,4…を連設配置する。
ところで上記箱形部材4,4…は、特に第2図及び第3図に示したように、有底の箱状部材であって、底部に向かって僅かに縮少するテーパ状に構成する。また上記箱形部材4,4…側板及び底板には多数の孔5,5…を穿設する。これらの孔5,5…は通常の寸法の砂利が通過し得ない程度の寸法とする。
また上記箱形部材4,4…の側板の上縁及び下縁には、それぞれ鍔6を横方向に向けて突出させる。上下の鍔6,6には、各対面する側板から突出する部分には、それぞれ結合孔7,7を、対面する他の側板より突出する部分には上記結合孔7,7に対応する結合突起8,8をそれぞれ構成する。
しかして上記箱形部材4,4…はタンク部2内に次のように設置する。
前記のように、タンク部2の底部2b上に砂利層3を構成し、第1図に示したように、この砂利層3上に、まず、箱形部材4,4…をその底部を下にして隣接する相互が上部の鍔6,6の端部で接触する程度に近づけて連設配置する。最下部の箱型部材4,4…の配置は、概略的には、第4図に示すように、縦横に連設するものである。
上記のように砂利層3上に配置した各箱形部材4,4…上に、第1図及び第3図に示したように、相互に開口部を対向させて他の箱形部材4,4…を一対一の関係で載置し、上下方の箱形部材4,4の鍔6,6に穿設した結合孔7,7…には相互に対面する上下方の箱形部材4,4の鍔6,6の結合突起8,8…を挿入結合させる。
こうして二段に箱形部材4,4…を積重ね結合した後は、更に上方の各箱形部材4,4…の底部上に、他の箱形部材4,4…を、相互に一対一の関係で載置し、相互の底部周囲に構成した鍔6,6の結合突起8,8…と結合孔7,7…とを挿入結合させる。
以下順次地面の高さより若干下方に位置するまで、第1図に示したように、同様の積重ね方で箱形部材4の開口部と開口部を接続させ、または底部と底部とを接続させつつ積重ねる。
なおこの場合、必要に応じて、隣接する箱形部材4,4間に砂利を装入する。
最上部の箱形部材4,4…上には、砂利を敷設し、その上に土壌を投入して被覆層9を造成する。
また上記タンク部2には、側壁部2aに住宅地等から通じる側溝10を接続し、これより若干低い位置に河川に接続する流出口11を接続する。
この実施例では、以上のように構成したので、簡易に安価でありながら、次のように充分に雨水等の貯留浸透作用を果すものである。
上記施設を、住宅地や工場等の周辺に設置した場合、雨水は、側溝10その他の排水溝施設に流れ込み、これを通じてこの施設のタンク部2に流れ込むことになる。タンク部2には箱形部材4,4…が積重ねられつつ充填されているので、その緩衝作用により、雨水は緩やかな流れになってタンク部2内に流下する。また上記タンク部2に充填されている箱形部材4,4…は、上部は開口しており、側板及び底板には多数の孔5,5…が穿設してあるので、雨水等は自由に移動できる。またタンク部2の内部の空間率は非常に高い。しかして充分多量の雨水を貯留することができる。更にタンク部2の周囲及び底部は、コンクリート等により囲まれていないので、雨水等は時間の経過にともなって徐々に地中に浸透する。
しかしてもし集中豪雨等があった場合にも、それらの雨水は、側溝10等を通じてタンク部2内に流入し、一時的には雨水等をこのタンク部2内に滞留保管させて道路や宅地周辺等の被害を未然に防止し、若干長期的には、それらの雨水を地中に浸透させるという、自然のサイクルに従った作用を行なうものである。
しかもこの構造は、地面1を掘下げたタンク部2に、箱形部材4,4…を、前記のように、積重ねて充填し、砂利や土壌からなる被覆層9で被覆したものであるから、容易に、かつ安価に造成できるものでもある。しかも内部に箱形部材4,4…が充填されているので、充分な強度を有するものでもある。
更に先に述べたように、雨水等は、タンク部2の周囲及び底部を通じて、地中に浸透して行くという好ましい現象により、通常の排水設備とは異なりオーバーフローが生じにくく、流出口11からの雨水の流出も少ない。
次に第5図〜第7図に基づいて第二の実施例を簡単に説明する。
この実施例は、概ね前記第一の実施例と同様であり、異なる部分は、箱形部材の構成及びその設置配列のみである。従ってこの部分に限定して説明する。
この箱形部材14は、第5図に示したように、箱状部材を基本として構成したものである。側板部の上縁及び下縁から鍔16,16を横方向に突設し、上方の鍔16には、それぞれその四隅部に各一対の結合突起18,18を突設し、下方の鍔16には、それぞれの四隅部に一対の結合孔17,17を穿設する。また側板部及び底部には多数の孔15,15…を穿設する。
しかして箱形部材14,14…は、その開口部を下にして、まずタンク部の底部に、第6図に示したように、相互の側部間に若干の隙間をあけて縦横に連設配置する。それらの箱形部材14,14…上に、第7図に示したように、他の箱形部材14,14…を、同様に下向きにし、その鍔16の四隅部が、それぞれ下方の四個の箱形部材14,14…の底部の隅部上に載置されるように配置し、各隅部の結合突起18,18…を各隅部の結合孔17,17に挿入結合するものである。
以上の積重ね結合を繰返して第一の実施例と同様にタンク部内に箱形部材14,14…を充填する。
最上部に被覆する砂利及び土壌からなる被覆層も第一の実施例と同様である。
かくして第一の実施倒と同様に使用し、同様の効果を得ることができる。
次に第8図及び第9図に基づいて第三の実施例を簡単に説明する。
この実施例は、第一及び第二の実施例とタンク部の構成は同様であり、異なるのは、箱形部材に代えて有底の筒形部材24を採用した点のみである。
この筒形部材24は、特に第8図に示したように、底部を有し、周側部が底部に向かい小径となるテーパ状に構成したものである。上記筒形部材24の底部及び周囲板の上縁には鍔26を構成し、上記底部の鍔26には、90度の角度間隔で四カ所に結合孔27,27…を穿設し、一方上縁の鍔26には、同様に90度の角度間隔で四カ所に結合突起28,28…を突設しておく。また周側部及び底部には多数の孔25,25…を穿設する。
しかしてこれらの筒形部材24,24…を、第9図に示したように、縦横に格子の交点相当位置に下向きに連設配置し、これらの筒形部材24,24…上に、また筒形部材24,24…を下向きに配置する。上方に載置する筒形部材24,24…は、四個の下方の筒形部材24,24…の中心に位置させ、その周側板の上縁の鍔26の各一対の結合突起28,28を、各々四個の下方の筒形部材24,24…の底部の鍔26,26…の各対応する結合孔27,27に挿入結合するものである。
上記を順次地面の高さより若干下まで繰返してタンク部内に筒形部材を積重ねつつ充填する。
最上部に被覆する砂利及び土壌からなる被覆層は第一及び第二の実施例と同様である。
かくして第一、第二の実施例と同様に使用し、同様の効果を得ることができる。
[発明の効果]
本発明によれば、施工の容易な簡易な構成で、一時的には、充分に雨水等の自然水を貯留し、かつ若干長期的には、雨水等を地下に浸透させることができる。河川等への雨水の放流に時間差を生じさせるばかりでなく、これを減少させ、またはなくすこともできる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示したものである。
第1図〜第4図は第一の実施例を示したもので、第1図はその概略断面説明図、第2図は箱形部材の概略斜視図、第3図は箱形部材を積重ねた状態の正面概略説明図、第4図はタンク部の底部に箱形部材を配置した状態の平面説明図である。
第5図〜第7図は第二の実施例を示したもので、第5図はその箱形部材の概略正面図、第6図は箱形部材の積重ね方を示した平面説明図、第7図は箱形部材の積重ね状態を示した正面説明図である。
第8図及び第9図は第三の実施例を示したもので、第8図はその筒形部材の概略正面図、第9図は筒形部材の積重ね方を示した平面説明図である。
1……地面、2……タンク部、2a……側壁部、2b……底部、3……砂利層、4,14……箱形部材、5,15,25……孔、6,16,26……鍔、7,17,27……結合孔、8,18,28……結合突起、9……被覆層、10……側溝、11……流出口、24……筒形部材。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2003-08-25 
結審通知日 2003-08-28 
審決日 2003-09-19 
出願番号 特願昭62-101097
審決分類 P 1 112・ 161- YA (E03B)
P 1 112・ 121- YA (E03B)
P 1 112・ 531- YA (E03B)
P 1 112・ 532- YA (E03B)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 田中 弘満
特許庁審判官 山口 由木
杉浦 淳
登録日 1993-02-26 
登録番号 特許第1739598号(P1739598)
発明の名称 雨水等の貯留浸透施設  
代理人 増田 英男  
代理人 西 良久  
代理人 増田 英男  
代理人 西 良久  
代理人 小原 英一  

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