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審決分類 審判 判定 利害関係、当事者適格、請求の利益 判定却下 E01C
管理番号 1091581
判定請求番号 判定2003-60058  
総通号数 51 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2000-01-11 
種別 判定 
判定請求日 2003-07-29 
確定日 2004-01-27 
事件の表示 上記当事者間の特許第3193346号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 本件判定の請求を却下する。 
理由 第1 請求の趣旨
判定請求人は、判定請求書に添付したイ号図面ならびにその説明書に示す「立体交差道路」(環状七号線の大和陸橋(杉並区高円寺北2丁目地内から中野区野方1丁目地内に至る)部分の立体交差道路)(以下、「イ号物件」という。)は、特許第3193346号の請求項3に記載された発明の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。(なお、請求人は、請求項1、2、4〜7に記載された発明については、その属否を言及していない。)

第2 請求人の主張
請求人は、イ号物件と、特許第3193346号の請求項3に記載された発明との間に、実質上何らの差異も認められず、作用効果にも格別に相違することがなく、完全に同一の範疇に入るものであるから、イ号物件は、特許第3193346号の請求項3に記載された発明の技術的範囲に属すると主張している。

第3 被請求人の主張
被請求人は、平成15年9月26日付け答弁書において、「大和陸橋は、主要地方道環状第七号線(環七通り)と主要地方道飯田橋石神井新座線(早稲田通り)との交差部において1964年(昭和39年)3月に完成した陸橋であり、現在に至るまで、橋梁構造の大規模な改修を行っていない。また、本特許案件出願日(平成10年6月24日」)時点において、既に現在の形態で一般の利用に供されているものであるため、特許第3193346号発明の技術的範囲に属するかの判定対象とはならない。」と主張し、本件特許発明出願時において大和陸橋が既に現存していた証拠として橋梁台帳等の資料を、交差点形状に関する資料として大和陸橋交差点平面図及び現場の写真を、乙第1号証として添付している。

第4 当審の審理の経緯
当審は両当事者に対して、特にUターン路がいつ(本件特許案件出願日(平成10年6月24日)を指標)から現在の形態となったかを証明する証拠等を要請する、平成15年10月24日付け審尋書を送付した。
これに対して、被請求人は、平成15年12月11日付け回答書として、「一般橋梁別定期点検表」(大和陸橋、点検期間:自9年11月17日、至10年2月13日、点検請負業者:(株)協和コンサルタンツ)、同写真台帳(写真番号70〜75,88〜93)を提出した。
一方、請求人は、平成15年12月26日付け回答書において、答弁書に対する反論として、大和陸橋を含む環状七号線は昭和39年頃に竣工されたことは、請求人始め、大勢の関係者が充分に承知しているところであるが、乙第1号証の資料では、本件特許出願前に同一の構造のものが施工されたという立証の証拠とはならない。また、乙第1号証の写真は、日付が2003年9月5日であって、現在使用中の状態を示したもので、本件特許出願前に施工使用したという証拠にはならない。大規模な改修工事を実施していない現状であるならば、たぶん、Uターン路の施工のような小規模な施工は、近年実施されたものと判断される。等と主張しているが、大和陸橋交差点のUターン路が本件特許出願前に現在使用中の状態で施工使用されていなかったという証拠は提出されていない。

第5 当審の判断
被請求人の提出した、乙第1号証及び平成15年12月11日付け回答書で提出した証拠(当審において、原本の確認をした)によれば、イ号物件は、本件特許出願前に、Uターン路も含め現在と同一の構造で施工使用されていることが明らかである。
そうすると、仮に、請求人の主張するように、イ号物件が、特許第3193346号の請求項3に記載された発明の技術的範囲に属するとしても、イ号物件には、特許法第69条第2項第2号の規定により本件特許権の効力が及ばないから、本件は、判定の利益がない。
したがって、本件判定の請求は、特許法第71条3項で読み替えて準用する同法第135条でいう不適法な審判の請求に該当する。

第6 むすび
以上のとおりであるから、本件判定の請求は、特許法第71条3項で読み替えて準用する同法第135条の規定により、却下する。
 
判定日 2004-01-15 
出願番号 特願平10-177739
審決分類 P 1 2・ 02- X (E01C)
最終処分 審決却下  
特許庁審判長 鈴木 憲子
特許庁審判官 山田 忠夫
長島 和子
登録日 2001-05-25 
登録番号 特許第3193346号(P3193346)
発明の名称 立体交差道路及び立体交差道路網  
代理人 仙田 実  

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