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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B41J |
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管理番号 | 1095884 |
審判番号 | 不服2002-11176 |
総通号数 | 54 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-03-03 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-06-20 |
確定日 | 2004-04-27 |
事件の表示 | 平成 8年特許願第222010号「プリンタ装置」拒絶査定に対する審判事件[平成10年 3月 3日出願公開、特開平10- 58762]について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯・補正発明の認定 本願は、平成8年8月23日の出願であって、平成14年5月9日付けで拒絶の査定がされたため、これを不服として同年6月20日付けで本件審判請求及び明細書についての手続補正(特許法17条の2第1項3号の規定に基づく手続補正であり、以下「本件補正」という。)がされたものである。 第2 補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 平成14年6月20日付けの手続補正を却下する。 [理由] 1.本件補正の目的 本件補正前後の【請求項1】の記載を比較すると、「印刷不可の印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段」を「印刷不可の印刷機構を切り離して予め設定された他の印刷機構で印刷を続行させる手段」と限定することを1つの補正事項としており、これは特許法17条の2第4項2号に規定する「特許請求の範囲の減縮」を目的とするものである。 そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものかどうか検討する。以下では、「発明を特定するための事項」という意味で「構成」という用語を用いることがある。 2.補正発明の認定 補正発明は、平成14年6月20日付けで補正された明細書の記載からみて、その特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。 「印刷データを複数の色に展開して印刷するプリンタ装置において、 印刷データを複数の色に展開してビットマップメモリに格納する手段と、 ビットマップメモリに展開されたそれぞれの色の印刷を行うそれぞれの印刷機構と、 上記特定の色を印刷する印刷機構の印刷不可を検出した時に当該印刷不可の印刷機構を切り離して予め設定された他の印刷機構で印刷を続行させる手段と を備えたことを特徴とするプリンタ装置。」 3.引用刊行物の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された特開平8-118675号公報(以下「引用例」という。)には、以下のア〜キの記載が図示とともにある。 ア.「記録装置を制御する情報処理装置であって、前記記録装置のインクカートリッジの残量を示す残量情報を取得する取得手段と、前記残量情報の取得に応じて、前記インクカートリッジ内のインク色とは異なる他の代替色の指定或は前記情報処理装置での処理続行をユーザーに選択させるためのメッセージを表示手段に表示する表示制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。」(【請求項42】) イ.「インク色のインクカートリッジの残量を示す残量情報を記録装置から取得」(段落【0008】) ウ.「図1において101は画像を記録するプリンタ装置、110は記録画像データ(記録情報)の生成、および利用者の指示を受け付けるホストコンピュータであり、これらは双方向の通信が可能なインターフェースで接続されている。」(段落【0028】) エ.「本実施例のインクジェット記録装置はカラー記録可能なプリンタ装置であり、印字ヘッド104はブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色の印字ヘッドをキャリッジに搭載している。・・・記録装置がビットマップ展開機能(記録情報生成処理)を有する場合」(段落【0029】) オ.「図18のステータスウインドウ画面はインクカートリッジのインクが残りわずかであり画像によっては途中で印字できなくなる可能性があるメッセージ文および対応するインク色の表示と、実行ボタンおよび代替色使用選択ボタン、中止ボタンからなる。各ボタンはホストコンピュータのマウスやキーボード等の入力手段により選択機能実行される。」(段落【0081】) カ.「図18のウインドウのメッセージに従って、代替色ボタンを押すと、図8のステップS808でインクカートリッジは交換せず、ステップS809で代替色使用と判断し、図9のステップS901へ進み、メッセージ5が表示される。メッセージ5は図20に示すようなウインドウ画面で表示される。図20のウインドウ画面ではシアン、マゼンタ、イエローおよび、前記3色混合によるグレーの4色の代替色選択ボタンと実行、中止ボタンおよび指示メッセージが表示される。」(段落【0083】) キ.「図20のウインドウ画面で代替色を選択して実行ボタンを押すと、図9のステップS902で代替色指定がなされ、図9のステップS903へ進む。ステップS903で代替色のインクカートリッジ有無、インク無し、インク残量の各フラグを検知する。代替色のフラグがすべて0すなわち代替色で用いているインク色が印字可能状態である場合には、ステップS907で画像データ(記録情報)処理を代替色処理に切り替えステップS906で記録情報生成処理を再開し、図8のステップS802へ進む。」(段落【0086】) 4.引用例記載の発明の認定 引用例記載の「プリンタ装置」(記載ウ、エ)と「記録装置」(記載ア,イ,ウ,エ)、及び「情報処理装置」(記載ア)と「ホストコンピュータ」(記載ウ,オ)はそれぞれ同義である。 引用例の記載イによれば、記録装置(プリンタ装置)が、インクカートリッジの残量を検出する手段を有し、検出された残量が情報処理装置(ホストコンピュータ)に送信されるものである。そして、この「残量」が個々のインク毎に検出・送信されることはいうまでもない。 引用例の記載エにおいて「記録装置がビットマップ展開機能(記録情報生成処理)を有する場合」、「ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色」の各色毎に「ビットマップ展開」されること、及び展開された各ビットマップを格納するメモリ(ビットマップメモリ)が「プリンタ装置」に備わっていること、並びにビットマップ展開されるデータは「ホストコンピュータ」から送信される印字データであることは自明である。 同じく記載エの「ブラック、シアン、マゼンタ、イエローの4色の印字ヘッド」が、ビットマップメモリに展開されたそれぞれの色の印刷を行うことも自明である。 そうすると、引用例記載の「プリンタ装置」と「ホストコンピュータ」を併せた装置は、次のようなものである。 「プリンタ装置とこれを制御するホストコンピュータからなる装置であって、 前記プリンタ装置と前記ホストコンピュータは双方向の通信が可能なインターフェースで接続されており、 前記プリンタ装置は、印刷データを複数の色に展開してビットマップメモリに格納する手段及び前記複数の色の印字ヘッドを備えることにより、前記印刷データを前記複数の色に展開して印刷するものであり、 さらに、前記プリンタ装置は各色のインク残量を検出する手段を有し、検出した残量は前記ホストコンピュータに送信されるものであり、 前記ホストコンピュータはインク残量がわずかであり途中で印字できなくなる可能性がある場合、その旨のメッセージ文及び対応するインク色の表示、並びに代替色使用選択ボタン等を表示し、前記代替色使用選択ボタンが選択実行された場合には、代替色選択ボタンを表示し、選択された代替色に従った代替色処理に切り替えるように制御する表示制御手段を有する 装置。」(以下「引用例発明」という。) 5.補正発明と引用例発明との一致点及び相違点の認定 引用例発明の「複数の色の印字ヘッド」は補正発明の「それぞれの色の印刷を行うそれぞれの印刷機構」に相当する。 引用例発明の「途中で印字できなくなる可能性がある場合」とは、印刷不可である確率が100%ではないけれども印刷不可となる可能性がある場合であり、補正発明の「印刷不可を検出した時」とは、印刷不可の可能性が100%の場合である。したがって、引用例発明の「途中で印字できなくなる可能性がある場合」と補正発明の「印刷不可を検出した時」とは、印刷不可の可能性がある点で一致し、その確率が100%であるかないかの点で相違する。 引用例発明の「選択された代替色に従った代替色処理」において使用される印字ヘッドは、印刷不可の可能性がある印字ヘッドとは別の印字ヘッドであり、印刷不可の可能性がある印字ヘッドは印刷に使用されない。そのことは「印刷機構を切り離して」と表現できるものである。また、補正発明の「他の印刷機構で印刷を続行させる手段」とは、印刷不可の印刷機構がある場合に、強制的に他の印刷機構を用いて印刷を続行するものと解されるところ、引用例発明が印刷者の意思を無視してまで他の印刷機構を用いて印刷を続行するものでないことは明らかである。したがって、引用例発明の「表示制御手段」と補正発明の「特定の色を印刷する印刷機構の印刷不可を検出した時に当該印刷不可の印刷機構を切り離して予め設定された他の印刷機構で印刷を続行させる手段」とは、印刷不可の確率、他の印刷機構が予め設定されているかどうか、及び他の印刷機構での印刷続行が強制的であるかどうかの点を除いて一致する。 したがって、補正発明と引用例発明とは、 「印刷データを複数の色に展開して印刷する装置において、 印刷データを複数の色に展開してビットマップメモリに格納する手段と、 ビットマップメモリに展開されたそれぞれの色の印刷を行うそれぞれの印刷機構と、 上記特定の色を印刷する印刷機構が印刷不可の可能性があることを検出した時に当該印刷不可の可能性がある印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させることができる手段と を備えたことを特徴とする装置。」である点で一致し、以下の各点で相違する。 〈相違点1〉印刷不可の可能性について、補正発明では確率100%であるのに対し、引用例発明では確率100%でない点。 〈相違点2〉「他の印刷機構で印刷を続行させることができる手段」につき、補正発明は強制的に印刷を続行させる手段であるのに対し、引用例発明は印刷者が他の印刷機構での印刷を選択した時のみ他の印刷機構で印刷を続行させる手段である点。 〈相違点3〉「他の印刷機構」が補正発明では「予め設定され」ているのに対し、引用例発明では予め設定されていない点。 〈相違点4〉補正発明の「装置」は「プリンタ装置」単体であり、「特定の色を印刷する印刷機構が印刷不可の可能性があることを検出した時に当該印刷不可の可能性がある印刷機構を切り離してた他の印刷機構で印刷を続行させる手段」が当然「プリンタ装置」の構成であるのに対し、引用例発明の「装置」は「プリンタ装置」と「ホストコンピュータ」を併せた装置であり、「特定の色を印刷する印刷機構が印刷不可の可能性があることを検出した時に当該印刷不可の可能性がある印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段」は、そのうちの「プリンタ装置」ではなく「ホストコンピュータ」の構成である点。 6.相違点についての判断及び補正発明の独立特許要件の判断 (1)相違点1及び相違点2について 印刷不可の可能性がある場合に他の印刷機構で印刷を続行すれば、印刷者が予定したものとは異なった印刷状態になる点で不利な面がある反面、消耗品(引用例発明ではインク)補給等をすることなく印刷を実行できる点で有利な面があることは明らかである。 相違点1,2に係る補正発明と引用例発明の構成を比較すれば、上記不利な面が少ない点では引用例発明が優っており、上記有利な面が多い点では補正発明が優っている。 このように、有利な面と不利な面が混在し、不利な面を抑制しつつ有利な面を強調することが不可能な場合、不利な面が存在することを我慢して有利な面を強調するか、それとも有利な面が少なくなることを我慢して不利な面の抑制に努めるかは設計事項というべきである。 すなわち、引用例発明ではある印字ヘッド(印刷機構)が確率100%で印刷不可の場合には、他の印字ヘッド(印刷機構)での印刷を続行しないけれども、印刷状態を我慢すれば印刷できないわけではないのだから、有利な点を強調すべく、他の印字ヘッド(印刷機構)での印刷を、ある印字ヘッド(印刷機構)が確率100%で印刷不可の場合まで拡張して、相違点1に係る補正発明の構成をなすことは設計事項である。 また、印刷者が他の印刷機構での印刷を選択するかどうかの意思確認を行うことなく、他の印刷機構で印刷することは可能であるから、相違点2に係る補正発明の構成をなすことも設計事項である。 (2)相違点3について ある色での印刷が不可であるとき、代わりに印字する色を予め設定しておくことは周知である(例えば、特開平8-192541号公報(ブラックの色材がない時、シアン・マゼンタ及びイエローの3色材で代替する旨予め設定している)、特開平7-46417号公報(黒インクがない時YMCインクで代替する旨、及びYMCインクのうち1色でもない時YMCインクすべてを不使用とし黒インクで代替する旨予め設定している)、又は特開昭63-109060号公報(予め色変換テーブルを作成しておき、同テーブルに従って代替色を決定している)参照。)。 引用例発明においても、代替色を予め設定しておくことことにより、代替印刷(他の印刷機構での印刷)を行う上で格別支障が生じると理解すべき理由はないから、上記周知技術を採用して相違点3に係る補正発明の構成をなすことに困難性があるということはできない。 (3)相違点4について 引用例発明は、相違点2及び相違点3に係る引用例発明の構成を備えるもの、すなわち、他の印刷機構での印刷を選択するかどうかの印刷者の意思確認及び代替色の選択を行った後、他の印刷機構で印刷を続行させるものである。このように、印刷者の意思確認及び代替色の選択をする場合には、選択肢を表示(「代替色使用選択ボタン」及び「中止ボタン」等の表示、並びに「代替色選択ボタン」等の表示)し、印刷者の操作(意思確認等)を待つ関係上、表示部や操作部を配さなければならない。ところで、本願出願当時、プリンタ装置は引用例発明のようにホストコンピュータと接続して使用されることが通常であり、ホストコンピュータは意思確認に必要な表示部や操作部を本来的に有するものであると同時に、印刷者はホストコンピュータ画面を見ることは多いがプリンタ装置画面を見ることは少ないから、意思確認及び代替色の選択はプリンタ装置ではなくホストコンピュータで行うことが合理的である。したがって、相違点2及び相違点3に係る引用例発明の構成を残したまま相違点4に係る補正発明の構成をなすことは、不可能とまではいえないにせよ、極めて不自然であり合理性に欠けるというべきであろう。 しかし、相違点2及び相違点3に係る補正発明の構成を採用した場合には状況は一変する。なぜなら、引用例発明の「メッセージ文及び対応するインク色の表示、並びに代替色使用選択ボタン等を表示」及び「代替色選択ボタンを表示」は印刷者の意思確認及び代替色の選択を行う関係上必要となるだけであって、意思確認及び代替色の選択を行わない場合には不要となり、当然表示部や操作部を配する必要もなくなるからである。その場合には、「表示制御手段」のうち「表示手段」は必要でなくなるし、「制御手段」は「プリンタ装置」に配することも「ホストコンピュータ」に配することも可能である。そのことは、印刷に必要な機能であるビットマップ展開機能について、同機能をホストコンピュータにもたせてもプリンタ装置にもたせてもよい(引用例の記載ウ及び記載エ参照。引用例発明はプリンタ装置にもたせたものとして認定した。)ことからも窺える。そればかりか、インク残量の検出はプリンタ装置にて行われることを考慮すると、「制御手段」を「ホストコンピュータ」に配した場合には、プリンタ装置からインク残量をホストコンピュータに送信し、ホストコンピュータにてインク残量が不足するかどうかを判断し、不足する場合に代替印刷指令をホストコンピュータからプリンタ装置に送信しなければならないことになる。これに反して、「制御手段」を「プリンタ装置」に配した場合には、プリンタ装置とホストコンピュータとの2度にわたる通信が不要となるから、そのように配する方が有利かつ自然であることは当業者が容易に理解するものといえる。 すなわち、「特定の色を印刷する印刷機構が印刷不可の可能性があることを検出した時に当該印刷不可の可能性がある印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段」を「プリンタ装置」の構成とすることは当業者にとって想到容易である。 そして、相違点4のうち、補正発明の「装置」が「プリンタ装置」単体であるのに対して、引用例発明の「装置」は「プリンタ装置」と「ホストコンピュータ」を併せた装置であることは、「特定の色を印刷する印刷機構が印刷不可の可能性があることを検出した時に当該印刷不可の可能性がある印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段」が「プリンタ装置」と「ホストコンピュータ」のいずれの構成であるかによって付加的に生じた相違点にすぎないから、相違点4に係る補正発明の構成をなすことも、当業者にとって想到容易である。 (4)補正発明の独立特許要件の判断 相違点1〜相違点4に係る補正発明の構成をなすことは、設計事項であるか当業者にとって想到容易であり、これら構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。 したがって、補正発明は引用例発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。 [補正の却下の決定のむすび] 補正発明が、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は平成15年改正前特許法17条の2第5項で準用する同法126条4項の規定に違反している。 よって、平成15年改正前特許法159条で読み替えて準用する同法53条1項の規定により、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本件審判請求についての当審の判断 1.本願発明の認定 平成14年6月20日付けの手続補正が却下されたから、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、願書に最初に添付した明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。 「印刷データを複数の色に展開して印刷するプリンタ装置において、 印刷データを複数の色に展開してビットマップメモリに格納する手段と、 ビットマップメモリに展開されたそれぞれの色の印刷を行うそれぞれの印刷機構と、 上記特定の色を印刷する印刷機構の印刷不可を検出した時に当該印刷不可の印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段と を備えたことを特徴とするプリンタ装置。」 2.本願発明の進歩性の判断 本願発明の「印刷機構の印刷不可を検出した時に当該印刷不可の印刷機構を切り離して他の印刷機構で印刷を続行させる手段」を「印刷機構の印刷不可を検出した時に当該印刷不可の印刷機構を切り離して予め設定された他の印刷機構で印刷を続行させる手段」と限定(「他の印刷機構」が「予め設定された」との限定)した補正発明が、引用例発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたことは、「第2[理由]」で述べたとおりである。そうであれば、補正発明に対し上記限定を有さない本願発明も、引用例発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明できたことは明らかであるから、本願発明は特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。 第4 むすび 本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2004-02-16 |
結審通知日 | 2004-02-24 |
審決日 | 2004-03-08 |
出願番号 | 特願平8-222010 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B41J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 湯本 照基、上田 正樹 |
特許庁審判長 |
小沢 和英 |
特許庁審判官 |
津田 俊明 清水 康司 |
発明の名称 | プリンタ装置 |
代理人 | 岡田 守弘 |