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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正しない E02B
審判 訂正 5項独立特許用件 訂正しない E02B
管理番号 1098858
審判番号 訂正2003-39109  
総通号数 56 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1997-04-22 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2003-05-23 
確定日 2004-06-14 
事件の表示 特許第2840061号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本件は、特許第2840061号(出願遡及日:平成5年9月17日、設定登録日:平成10年10月16日。)に関する訂正審判事件であって、平成15年5月23日付で請求人が行なった訂正請求に対して、平成15年6月25日付で訂正拒絶理由が通知され、その通知に対して平成15年8月29日付で意見書が提出された。

【2】訂正の適否
(1)訂正事項
請求人が求める訂正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的として、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1を、次のとおりに訂正することを含むものである。
「河川護岸を造成するための生態系保護用自然石金網であって、
吸い出し防止用シートの上面に重合した金網又はメッシュ上に複数の自然石を、該各自然石が互いに離間した状態で敷き並べて、該自然石相互の間に水棲生物・植物生育用の自然空間を形成するとともに、同各自然石の下部に接着材を層着し、同接着材を介して前記自然石と金網又はメッシュと吸い出し防止用シートを一体成形してなり、
前記自然石と前記金網又はメッシュと前記吸い出し防止用シートとの一体成形は、前記接着材が、該各自然石の下部から該金網又はメッシュの網目を通して該吸い出し防止用シートに浸出して、該金網又はメッシュの網目区画線材を左右側方、上方及び下方において包み込むことにより行われている、
ことを特徴とする生態系保護用自然石金網。」(以下、「訂正発明」という。)

(2)訂正拒絶理由の概要
上記訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認められるが、訂正発明は、刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定によりその特許出願の際独立して特許を受けることができないものであり、当該訂正は、平成6年法改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない、というものである。

(3)刊行物記載の発明
本件特許の出願遡及日前に頒布された、実公昭51-9135号公報(以下、「刊行物」という。)には、次の(A)〜(M)の記載がある。(なお現在通常、小文字で表記される文字については、小文字に置き換えた。)
(A)「本考案は地表の侵食を防止又は制御、特に水流による海岸の堤防、河川及び排水路等の床、斜面又は堤防等の侵食を防止し或いは鉄道、道路、造成地等における法面を保護する覆工マット材に関するものである。」(2欄5〜9行)
(B)「従来種々の機械的……方法により地表の侵食を防止する試みが多数行なわれている。これらの……方法の中には……剛性又は可撓性コンクリート擁壁を使用すること、捨石を使用すること、荒石を使用すること等がある。」(2欄10〜19行)
(C)「これらの方法の何れも満足なものではない。……。荒目麻布等の代りにナイロンシートを使用した場合も同様に下側に水が流れるが水流がさほどでもない場合には捨石を載せることだけでも相当な効果が得られる。然しこの場合にもナイロンシートの下側に水が相当流れることは避けられず、またナイロンシートが石の鋭い端部に耐え得るだけの強度を持たず裂け易い。
普通粒度別に分けたフィルタ構造の割栗石および荒石は簡単に何処でも入手できない欠点があり固定し難く、維持費が高く、必ずしも地表を保護するものではない。」(2欄20〜35行)
(D)「本考案は液体透過性で土壌粒子を通さない程度のメッシュをもち地表表面形状に一致するような可撓性支持シートと、上下方向に少なくとも一つの貫通孔をもつた多数のブロックとを具備し、前記支持シート上に前記ブロックを互に近接して略々衝合するよう隣り合せてシートの少なくとも2辺の縁沿い部分に若干の余白を残して並列配置し、之等のブロックの各々を前記支持シートに接着剤により固定し、之により液体が前記支持シート及びブロックを通って通過できるようにし、前記支持シートはその両端又は片端を把持して吊下したとき支持するブロックの重量により破断されない程度の十分な強度を有し、各ブロックはその側面部の何れの部分に於ても隣接するブロックの如何なる部分とも掛合せず各ブロックが支持シートのわん曲によって隣接するブロックに対し相対的に多少変位し得るように構成した地表侵食防止用覆工マット材を提供しようとするものである。」(4欄4〜21行)
(E)「第1図および第2図に示す本考案の1実施例においては、10は支持シートを示し、この例では網を示す。この支持シート10上に隣り合って略々衝合せ配置に多数のブロックBを重ねる」(4欄25〜28行)
(F)「各覆工マット材の各ブロックは接着剤でその支持シートに固定する。第3図は接着剤による固定方法の例を示す。ブロックBの底面と支持シート10間に介挿した接着剤33によりブロックBを支持シート10に固定する。接着剤33は第3図に示す如く離間位置に、または図示しないが各ブロックBの底部に一面に介挿する。」(6欄1〜7行)
(G)「これまで支持シート10を網として記してきたが、支持シートは……液体透過性の任意の他のシートの如き任意所要の物質で製造できる。例えば、支持シートは金属スクリーン、金属網、膨張金属網目、プラスチックスの網又はスクリーン、或いは天然繊維又は合成繊維から織成し又は網状としたシート又は任意の同様種類のシートから製造できる。シートは液体透過性である限り、織成せずに単にフェルト化した繊維のシートでも良い。ナイロン……等の合成繊維のネット又はスクリーンは強度、取扱容易性および耐劣化性のため特に望ましい物質である。
支持シートはブロックを支持するだけでなく、フィルタとしての機能をも兼ね備えるものである例えば第1〜3図に示す例において、支持シート10の水透過性網目は液体の通過を許すが土壌粒子の通過を殆んど防止する寸法とすることができ本考案でフィルタ又はフィルタシートと称するは液体を通すが土壌粒子を殆んど通さない部材を意味する。従って支持シート10が、かかるシートをフィルタシートとして構成する網目を有する場合、地表から覆工マット材を通って上方に流れる水は土壌粒子を同伴しない。明らかにこのことは覆工マット材下方の地域に下側流水の原因である土壌欠如が生じないように防止する。」(7欄8〜34行)
(H)「ブロックは例えば型枠成形した又は流し込み成形したコンクリート、煉瓦の如き任意所要の物質から製造でき……堤防、水路および運河の擁壁および流れの床の如く表面水が激しい運動をする所では、ブロックを例えばコンクリートの如き高密度物質で製造し、覆工マット材の流れの運動に対抗して保持するようなブロック重量とすることが好ましい。」(7欄42行〜8欄11行)
(I)「既に説明した如くブロックの周縁部は、ブロックが互に近接して略々衝合してもなお隣接ブロック間に縦方向溝孔が設けられ、ブロックのマットを通し液体を通過するようになっている。
縦方向溝孔の大きさと数は覆工マット材が処理すべき水の容量に応じ決定すべきこと勿論でありまた多くの場所では中央貫通孔12を設けることは絶対必要であるが、その他の側面溝孔14、隅角溝孔16をブロック体の周縁部に設けることは必ずしも必要でない。」(10欄24〜33行)
(J)「これまでの実施例では支持シートを一枚のシートとして示した。しかし支持シートは多数のシートを用いることができ、第7図に示すように2枚のシート44および46を重ね合わせてもよく……。シート44および46の何れか一方……の網目は……フィルターシートとして働くような寸法とすることができる。……。これらのシートの任意の一者……の強度をブロックを機械的に支持するのに十分なものとすれば足り、同時にその何れかのシートの網目をフィルタシートとして作用するに十分な程小さくすればよい。」(11欄27〜42行)
(K)「第7図および第8図に示す構造の優れた一利点は、フィルタシートが例えばフェルトの如く比較的弱い場合にはブロックと強いシートとの間に配置し得る点である。」(11欄43行〜12欄2行)
(L)「本考案マット材によれば、所要に応じ植物を繁茂させて環境緑化に役立たせることができる」(14欄38〜40行)
(M)「液体透過性で土壌粒子を通さない程度のメッシュを持ち地表表面形状に一致するような可撓性支持シートと、上下方向に少なくとも一つの貫通孔をもった多数のブロックとを具備し、前記支持シート上に前記ブロックを互に近接して略々衝合するよう隣り合せてシートの少なくとも2辺の縁沿い部分に若干の余白を残して並列配置し、之等のブロックの各各を前記シートに接着剤により固定し、之により液体が前記シート及びブロックを通って通過できるようにし、前記支持シートはその両端又は片端を把持して吊下したとき支持するブロックの重量により破断されない程度の十分な強度を有し、各ブロックはその側面部の何れの部分に於ても隣接するブロックの如何なる部分とも掛合せず、各ブロックが支持シートのわん曲によって隣接したブロックに対し相対的に多少変位し得るように構成した地表侵食防止用覆工マット材。」(14欄42行〜16欄5行)
そして、上記(L)、及び第2図等の記載から、ブロック周縁部の溝孔26,28により形成される貫通孔や、各ブロックの貫通孔12とにより、海水・河川水等がシート及びブロックを通って通過可能であり、植物を繁茂可能にしていることが当業者に明らかな事項であるから、刊行物には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「水流による河川等の床や斜面の侵食を防止するために、その表面に設置して保護する覆工マット材であって、
中央部及び隣接縁部に貫通孔12,26,28を有する、コンクリート等を予め成形して成るブロックBと、
両端又は片端を把持して吊下したとき支持するブロックBの重量により破断されない程度の十分な強度を有する金属の網44と、
液体透過性で土壌粒子を通さない程度のメッシュを持ち地表表面形状に一致するような可撓性支持シート46とを、
上側から、ブロックB,金属の網44,可撓性支持シート46の順で、接着剤により一体化してなり、
この一体化は、接着剤が、ブロックBの下部から金属の網44の網目を通して可撓性支持シート46に浸出して行なわれている、
植物繁茂による環境緑化が可能な、地表侵食防止用覆工マット材。」

(4)訂正発明と引用発明との対比及び判断
訂正発明と引用発明とを対比すると、引用発明の「液体透過性で土壌粒子を通さない程度のメッシュを持つ可撓性支持シート46」、「吊下したとき支持するブロックの重量により破断されない程度の十分な強度を有する金属の網44」、「接着剤」、「接着剤により一体化」、及び「植物繁茂による環境緑化が可能な、地表侵食防止用覆工マット材」は、訂正発明の「吸い出し防止用シート」、「金網」、「接着材」、「接着材を介して一体成形」、及び「生態系保護用金網」にそれぞれ相当する。そして、引用発明の「ブロック」も訂正発明の「自然石」も共に、表面の侵食を防止するための「塊状表面部材」といえるから、両者は、
「河川護岸を造成するための生態系保護用金網であって、
吸い出し防止用シートの上面に重合した金網上に複数の塊状表面部材を敷き並べるとともに、同各塊状表面部材の下部に接着材を層着し、同接着材を介して、前記各塊状表面部材と金網と吸い出し防止用シートを一体成形してなり、
前記塊状表面部材と、前記金網と、前記吸い出し防止用シートと、の一体成形は、前記接着材が、該各塊状表面部材の下部から該金網の網目を通して該吸い出し防止用シートに浸出して行われている、塊状表面部材を具備した生態系保護用金網。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

相違点1:「接着材」が、訂正発明では金網の網目区画線材を左右側方、上方及び下方において包み込んでいるのに対し、引用発明では金網との関係が明確に記載されていない点
相違点2:「塊状表面部材」が、訂正発明では、互いに離間した状態で敷き並べた自然石であり、相互の間に水棲生物・植物生育用の自然空間を形成するものであるのに対し、引用発明では、互いに接した状態で敷き並べた、コンクリート等を予め成形して成るブロックであり、その中央部及び隣接縁部に設けた貫通孔により水棲生物・植物生育用の自然空間を形成するものである点

上記各相違点について検討する。

<相違点1について>
引用発明には、接着材と金網との関係が明確に記載されていないが、ブロック(訂正発明の「自然石」に対応する。以下、同様。)と可撓性支持シート(「吸い出し防止用シート」)とを、金網を介在させながら接着材で一体化するものである以上、該金網が接着材中に埋設される、すなわち、接着材が、金網の網目区画線材の左右側方、上方及び下方を包み込むものであることは、当然の事項にすぎず、相違点1として摘記した事項は、実質的な相違点ではない。

<相違点2について>
河川等の水中において、その河床や堤防等の表面侵食を防止するために塊状表面部材として自然石を敷き並べることは、古来から広く一般に行なわれてきた周知技術にすぎず、該周知技術においては、自然石間に空間が存在しその空間から植物が生育し水棲生物が棲息していることも広く一般に知られていることにすぎず、また、特開平4-166507号公報、特開平3-194011号公報、特開平3-144009号公報等にも、河床や護岸の侵食を防止する部材の一部に自然石を用いることが記載されており、相違点2として摘記した訂正発明の構成を当業者が採用する点には何らの困難性も認められず、奏する効果も予期し得る程度のものであって、格別のものではない。

したがって、訂正発明は、刊行物記載の発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、その特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(5)請求人の主張に対して
(5-1)「2.本件特許発明」の項の主張(意見書7頁10行〜)
(5-1-1)「(3)掛け止め(係合)作用について」(同9頁下から2行〜11頁13行)
請求人は「本件特許発明は、自然石の重量、接着材による接着に加えて、それらとは全く異質の手段として、掛け止め(係合)作用を、自然石と金網又はメッシュと吸い出し防止用シートとの強固な一体化に利用している。」(同10頁5〜8行)と主張する。
しかし、「自然石の重量、接着材による接着」以外の「全く異質の手段として」の「掛け止め作用」を利用することについては、本件特許明細書には何ら記載されておらず、意味不明である。訂正発明において、「自然石と金網又はメッシュと吸い出し防止用シートとの強固な一体化」は、「自然石の重量、接着材による接着」、特に「接着材による接着」による一体化以外の手段を示唆する記載は、本件特許明細書及び本件変更出願当初の明細書を含め一切なく、請求人の主張は、明細書の記載に何ら基づかない主張である。
また、請求人は、「本件特許発明は、吸い出し防止用シートを一種の強化繊維プラスチックに変化させ、その強化繊維プラスチックを掛け止め作用に利用している。」(同10頁17〜19行)と主張する。
しかし、「掛け止め作用」については、前記同様、明細書に何ら記載されていない意味不明の作用である。また、「吸い出し防止用シートを一種の強化繊維プラスチックに変化」させることについても、何ら記載はない上、「吸い出し防止用シート」及び「接着材」の材質は訂正発明において何ら限定されていないから、訂正発明に何ら基づかない主張である。

(5-2)「3.訂正拒絶理由の認定・判断について」の項の主張(同12頁11行〜)
(5-2-1)「(1)本件特許発明と引用発明との一致点の誤認」(同13頁3行〜23頁9行)
請求人は、「1)刊行物に係る「地表侵食防止用覆工マット材」は、生態系を保護するものではない。」(同13頁4〜5行)と主張する。
しかし、【2】(3)(L)に摘記したとおり、該刊行物に係るマット材が生態系を保護するものを含むことは明確に記載されている上、刊行物の他の部分の記載をみても「生態系を保護するものではない」と解すべき合理的事情は全く見当たらない。
また、請求人は「2)刊行物に係る「地表侵食防止用覆工マット材」は、上側から「各塊状表面部材(ブロックB)-金網又はメッシュ-吸い出し防止用シート」の順に配置されていない。」(同15頁17〜19行)と主張する。
しかし、【2】(3)で認定したとおり、上記の順に配置したものを含むことは明らかである。確かに、刊行物には【2】(3)(K)に摘記したように、上側から「ブロック-弱いシート(吸い出し防止用シート)-強いシート(金網)」の順に配置したものが一実施例として記載されているが、「そのように配置しなければならないことを示していると解すべき」(同16頁19〜20行)事情は、【2】(3)(J)に摘記した記載からみても、何ら存在しない。
さらに、請求人は、「3)刊行物に係る「地表侵食防止用覆工マット材」は、「各塊状表面部材を接着するために用いる接着剤を利用して、各塊状表面部材、金網又はメッシュ、及び吸い出し防止用シートの三者を一体化」していない。」(同20頁16〜18行)と主張する。
しかし、該刊行物には、【2】(3)(F)(J)に摘記したように、ブロック(塊状表面部材)と支持シート(金網又はメッシュ、及び吸い出し防止用シート)とを接着剤で固定すること、支持シートは2枚のシートを重ね合わせてもよく、何れか一方の網目はフィルターシートとして働くような寸法とすることができ、任意の一者の強度をブロックを機械的に支持するのに十分なものとすれば足りること、が記載されている以上、上層のブロックと下層のフィルターシートとして機能するシート(吸い出し防止用シート)との間に、ブロックを機械的に支持するのに十分な強度の中間層シート(金網又はメッシュ)と接着剤とを介在させたものにおいて、その接着剤は、中間層シート(金網又はメッシュ)の網目を通り、下層のシートの小さな網目に浸出して、3者を一体化させることが、当業者に明らかである。

(5-2-2)「(2)相違点1が「実質的な相違点ではない」とした判断の誤り」(同23頁10行〜38頁8行)
請求人は、相違点1の判断の誤りを主張する。
しかし、前記の通り、刊行物記載のものが、接着剤は、中間層シート(金網又はメッシュ)の網目を通り、下層のシートの小さな網目に浸出して、3者を一体化させることが当業者に明らかなものである以上、その接着剤が、中間層シート(金網又はメッシュ)の網目の左右側方、上方及び下方において包み込むことも、当業者に明らかである。
なお、「掛け止め」に関する請求人の主張(同25頁10行〜27頁1行)は、(5-1-1)で述べたとおり、特許明細書や本件変更出願当初の明細書の記載に何ら基づかない主張である。

(5-3)「5.本件特許発明関連品「ストーンネット」の商業的成功」の項の主張(意見書38頁14行〜39頁16行)
請求人は、上記項で、本件特許発明関連品「ストーンネット」が商業的成功を収めたことが本件特許発明の優秀性を実証するものである旨主張する。
しかし、上記「本件特許発明関連品「ストーンネット」」と本件特許発明(訂正発明)との関係、すなわち、両者の構成の同一性等に関して一切不明である以上、訂正発明の進歩性について検討する際に何ら参酌し得ない主張である。

上記のとおり、請求人の主張には、いずれも理由がない。

(6)むすび
以上のとおり、当該訂正は、平成6年法改正前の特許法第126条第3項の規定に適合しないので、当該訂正は認められない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2003-09-09 
結審通知日 2003-09-12 
審決日 2003-09-25 
出願番号 特願平8-194511
審決分類 P 1 41・ 575- Z (E02B)
P 1 41・ 121- Z (E02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小野 忠悦  
特許庁審判長 山田 忠夫
特許庁審判官 山口 由木
新井夕起子
登録日 1998-10-16 
登録番号 特許第2840061号(P2840061)
発明の名称 生態系保護用自然石金網  
代理人 佐野 邦廣  
代理人 村田 実  

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