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審決分類 審判 判定 判示事項別分類コード:なし 属する(申立て不成立) E03F
管理番号 1101291
判定請求番号 判定2004-60038  
総通号数 57 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2000-03-28 
種別 判定 
判定請求日 2004-04-28 
確定日 2004-08-03 
事件の表示 上記当事者間の特許第3459574号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面に示す物件は、特許第3459574号の請求項1に係る発明の技術的範囲に属する。  
理由 【1】請求の趣旨
本件判定請求の趣旨は、イ号図面に示す物件(以下、「イ号物件」という。)は、特許第3459574号の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。

【2】本件発明
本件発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものと認められ、これを分説すると以下のとおりである。
「(A)対向する2枚の側壁(2,2)と、その底辺相互を一体に連結する底壁(3)と、側壁(2)の上辺部内側に蓋掛かりとなる段面(9)とを備えた、コンクリート製U字溝ブロックにおいて、
(B)側壁(2,2)の上辺から下辺に至る外表面(7)が凹凸のない一面の垂直平面に形成され、
(C)蓋掛かりとなる段面(9)が内側に向かって下方に傾斜する中凸状円筒面ないし浅い角度の稜線を備えた中凸V形断面に形成され、
(D)この段面(9)の下方の側壁の内面には、当該段面と直角ないしこれより大きい角度で交叉する下広がりの流路拡開斜面(13)が形成されており、
(E)下面両側辺を上記段面の傾斜角度と略同一角度の傾斜平面とした蓋板が段面(9)上で下方に滑って鉛直軸まわりに回動することにより当該段面と蓋板との間の形状誤差を吸収することを特徴とする、U字溝ブロック。」
(以下、(A)〜(E)を、「本件発明の構成要件(A)」〜「本件発明の構成要件(E)」という。)

【3】イ号物件
請求人はイ号物件について、請求書3頁25〜32行において、次のとおり説明している。
「イ号物件の説明
本件特許と比較がしやすいようにあえて同じ表現を使って説明する。
a)壁外表面が凹凸のない1面の垂直平面である。
b)蓋掛かりとなる段面は水平な蓋受け部がありその内側端部が円筒形状である。
c)段面(9)の下方の側壁の内面には、当該段面と直角ないしこれより大きい角度で交叉する下広がりの流路拡開斜面(13)が形成されている。
d)円筒面の傾斜角度が特定できないが、その円筒面と傾斜した蓋版の裏面が接触する。」

上記a)〜d)、及びイ号図面を参考にすると、イ号物件は、本件発明の構成要件のように分説すると、次のとおり特定される。
「(a)対向する2枚の側壁と、その底辺相互を一体に連結する底壁と、側壁の上辺部内側に蓋掛かりとなる段面(9)とを備えた、コンクリート製U字溝ブロックにおいて、
(b)側壁の上辺から下辺に至る外表面が凹凸のない一面の垂直平面に形成され、
(c)蓋掛かりとなる段面(9)は、内側下方に向かって彎曲する円筒面として形成され、
(d)この段面(9)の下方の側壁の内面には、当該段面と直角ないしこれより大きい角度で交叉する下広がりの流路拡開斜面(13)が形成されており、
(e)下面両側辺に内面下方に傾斜する傾斜平面部を有する蓋板を設置した場合、その傾斜平面部が、内側に向かって下方に傾斜する中凸状円筒面である段面(9)に接するようにされた、U字溝ブロック。」
(以下、(a)〜(e)を、「イ号物件の構成(a)」〜「イ号物件の構成(e)」という。)

【4】対比・判断
(1)イ号物件の構成(a)(b)(d)と、本件発明の構成要件(A)(B)(D)
イ号物件の構成(a)(b)(d)が、本件発明の構成要件(A)(B)(D)を充足するのは、明らかである。

(2)イ号物件の構成(c)と、本件発明の構成要件(C)
イ号物件の構成(c)の「内側下方に向かって彎曲する円筒面」で構成される「蓋掛かりとなる段面」は、本件発明の構成要件(C)の「内側に向かって下方に傾斜する中凸状円筒面」からなる「蓋掛かりとなる段面」に相当するから、イ号物件の構成(c)は、本件発明の構成要件(C)を充足する。

(3)イ号物件の構成(e)と、本件発明の構成要件(E)
本件発明は「U字溝ブロック」自体の発明であるから、本件発明の構成要件(E)は、特定の形状の「蓋板」、すなわち「下面両側辺を上記段面の傾斜角度と略同一角度の傾斜平面とした蓋板」を設置した場合の機能について説明したものと解するのが相当である。そして、イ号物件において、その段面に、当該段面の傾斜角度と略同一の傾斜平面としした「蓋板」を設置した場合には、本件発明同様、「蓋板」が「段面上で下方に滑って鉛直軸まわりに回動することにより当該段面と蓋板との間の形状誤差を吸収する」ことになることは当業者に明らかな事項であるから、イ号物件の構成(e)は、本件発明の構成要件(E)を充足する。

(4)まとめ
したがって、イ号物件は、本件発明の全構成要件(A)〜(E)を充足するものである。

【5】むすび
以上のとおりであるから、イ号図面に示す「イ号物件」は、本件特許の請求項1に係る発明の技術的範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2004-07-22 
出願番号 特願平10-261712
審決分類 P 1 2・ - YB (E03F)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 山 田 忠 夫
特許庁審判官 伊 波 猛
田 中 弘 満
登録日 2003-08-08 
登録番号 特許第3459574号(P3459574)
発明の名称 U字溝ブロック及びその成形用型枠  
代理人 西 孝雄  
代理人 西 孝雄  
代理人 西 孝雄  

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