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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01R
管理番号 1102794
異議申立番号 異議2003-71499  
総通号数 58 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-09-17 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-06-05 
確定日 2004-07-07 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3373148号「コネクタ」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3373148号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.訂正の適否
1-1 訂正の内容
ア.訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1における「絶縁体(71,72)にて分離絶縁固定され」を「上部インサート(71)及び下部インサート(72)から構成される絶縁体にて互いに分離絶縁固定され」と、「壁面(76)は、絶縁体(72)にアース端子(b)の長手方向に突出形成され」を「壁面(76)は、アース端子(b)の長手方向における前記下部インサート(72)の両端に突出形成されるとともに、当該壁面(76)に対応した凹部が上部インサート(71)に形成され」と、それぞれ訂正する。
イ.訂正事項b
明細書の段落【0013】中の「絶縁体にて分離絶縁固定され」を「上部インサート及び下部インサートから構成される絶縁体にて分離絶縁固定され」と、「壁面は、絶縁体にアース端子の長手方向に突出形成され」を「壁面は、アース端子の長手方向における前記下部インサートの両端に突出形成されるとともに、当該壁面に対応した凹部が上部インサートに形成され」と、それぞれ訂正する。

1-2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、絶縁体を構成する部材の形状・構造を、願書に添付された明細書の段落【0037】の記載に基いて特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
また、上記訂正事項bは、上記訂正事項aとの整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とした明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当しない。
そして、上記いずれの訂正事項も、商用周波耐電圧特性を向上させることができるコネクタの提供という課題に変更を及ぼすものでもないから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。

1-3 むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する同法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

2.異議申立てについての判断
2-1 本件発明
上記のとおり、訂正は認められるから、本件特許の発明は、訂正された特許明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものである。
「開閉器(12)と、それとは別の場所に設けられた制御装置(14)とは制御線(40〜46)を介して接続され、当該開閉器(12)と制御装置(14)との間に設けられ、前記開閉器(12)とは制御線(47,48)及びリード線(63,64)を介して接続され、前記制御装置(14)とはリード線(55〜62)を介して接続される複数の端子(a〜j)を備え、地絡特性試験時には試験用プラグコネクタが接続される特性チェック用のコネクタ(51)において、
前記複数の端子(a〜j)は上部インサート(71)及び下部インサート(72)から構成される絶縁体にて互いに分離絶縁固定され、複数の端子(a〜j)にはアース端子(b)を含み、少なくともアース端子(b)の周囲には商用周波耐電圧値向上手段(76)を設けると共に、アース端子(b)にはリード線(56)を接続し、同リード線(56)は開閉器(12)のケース(12A)に接続され、さらに、前記複数の端子(a〜j)のうち一対の電源端子(i,j)は、前記制御装置(14)に設けた端子(A〜M)のうち制御電源が接続された電源用端子(E,F)とそれぞれリード線(61,62)によって接続され、前記商用周波耐電圧値向上手段(76)としての壁面(76)は、アース端子(b)の長手方向における前記下部インサート(72)の両端に突出形成されるとともに、当該壁面(76)に対応した凹部が上部インサート(71)に形成され、アース端子(b)とアース端子以外の端子(a,c〜j)との間の絶縁距離を延長する絶縁距離延長構造であることを特徴とするコネクタ。」
(以下、本件発明という。)

2-2 各甲号証に記載された発明
ア.甲第1号証(特開平8-111146号公報)には、第2頁第2欄第29〜30行、第3頁第3欄第29〜31行、第3頁第3欄第45〜47行、第3頁第3欄第50行〜第4欄第5行、第7頁第11欄第25〜27行、の各記載事項及び第1図に示された内容を総合すると、次の発明(以下、「甲第1号証発明」という。)が記載されているといえる。
「開閉器3と、それとは別の場所に設けられた地絡継電器5(SOG制御装置)とは制御線6A〜6Gを介して接続され、当該開閉器3と地絡継電器5(SOG制御装置)との間に設けられ、前記開閉器3とは制御線6A,6Cを介して接続され、前記地絡継電器5(SOG制御装置)とはリード線28a〜28f,30a,30bを介して接続される複数の端子a〜jを備え、地絡特性試験時には試験用プラグコネクタが接続される特性チェック用の接続コネクタ27及び電源用雌型コネクタ29において、前記複数の端子a〜jのうち一対の電源端子i,jは、前記地絡継電器5(SOG制御装置)に設けた端子A1〜G1,P1,P2,W1,W2のうち制御電源が接続された電源用端子P1,P2とそれぞれリード線30a,30bによって接続されるコネクタ。」
イ.甲第2号証(第一電子工業株式会社のカタログ「丸型多極コネクタ」、1990年7月、第10頁)には、複数のコンタクト端子が絶縁性の高い樹脂製インサートに組み込まれ、インサートの各コンタクト端子間には、コンタクト間の沿面距離を大きくして耐電圧性能を向上させるため、バリア凸起部を形成する構成が記載されている。
ウ.甲第3号証(日本航空電子工業株式会社のカタログ「JL04Vシリーズ」、1997年1月、第2及び3頁)には、複数の端子が絶縁体に分離絶縁固定され、複数の端子にはアース端子を含み、少なくともアース端子の周囲には、絶縁体にアース端子の長手方向に突出形成され、アース端子とアース端子以外の端子との間の絶縁距離を延長する絶縁距離延長構造が記載されている。
エ.甲第4号証(特開昭52-112745号公報)には、同一コネクタ内に電源用端子を有する構成が記載されている。
オ.甲第5号証(日本航空電子工業株式会社のカタログ「クラスMS-E/R CONNECTORS」、1980年4月、第3及び4頁)には、ピンインサートのコンタクトの周りを凸面構造にすることが記載されている。
カ.甲第6号証(特開平8-138798号公報)には、雄コネクタ側のリブと雌コネクタ側の当接面間により、クランク形状に屈曲されて絶縁距離を長く確保する構成が記載されている。
キ.第7号証(特開平10-41150号公報)には、端子の長手方向に突出形成された絶縁体の凹凸部により各端子間の絶縁距離を延ばす構成が記載されている。

2-3 対比・判断
ア.一致点・相違点の認定
本件発明と甲第1号証発明とを対比すると、両者は「開閉器と、それとは別の場所に設けられた制御装置とは制御線を介して接続され、当該開閉器と制御装置との間に設けられ、前記開閉器とは制御線を介して接続され、前記制御装置とはリード線を介して接続される複数の端子を備え、地絡特性試験時には試験用プラグコネクタが接続される特性チェック用のコネクタにおいて、前記複数の端子のうち一対の電源端子は、前記制御装置に設けた端子のうち制御電源が接続された電源用端子とそれぞれリード線によって接続されるコネクタ」において一致するが、先ず次の点で相違する。
相違点:
甲第1号証発明は、本件発明の「上部インサート及び下部インサートから構成される絶縁体」であって、「商用周波耐電圧値向上手段としての壁面は、アース端子の長手方向における前記下部インサートの両端に突出形成されるとともに、当該壁面に対応した凹部が上部インサートに形成され」た構成を有しない点。

イ.相違点の判断
相違点について検討するに、甲第2号証ないし甲第7号証のいずれにも、絶縁体が「上部インサート及び下部インサートから構成される」点、及び、商用周波耐電圧値向上手段としての壁面が「下部インサートの両端に突出形成されるとともに、当該壁面に対応した凹部が上部インサートに形成され」た構成については記載もしくは開示されておらず、かかる構成は上記各甲号証の記載から自明の事項でもない。
そして、本件発明は、上記相違点に係る構成により、明細書に記載の効果を奏するものと認められる。
したがって、本件発明と甲第1号証発明との他の相違点についての検討、判断を示すまでもなく、本件発明は、前記の各甲号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

2-4 結論
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
コネクタ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 開閉器(12)と、それとは別の場所に設けられた制御装置(14)とは制御線(40〜46)を介して接続され、当該開閉器(12)と制御装置(14)との間に設けられ、前記開閉器(12)とは制御線(47,48)及びリード線(63,64)を介して接続され、前記制御装置(14)とはリード線(55〜62)を介して接続される複数の端子(a〜j)を備え、地絡特性試験時には試験用プラグコネクタが接続される特性チェック用のコネクタ(51)において、
前記複数の端子(a〜j)は上部インサート(71)及び下部インサート(72)から構成される絶縁体にて互いに分離絶縁固定され、複数の端子(a〜j)にはアース端子(b)を含み、少なくともアース端子(b)の周囲には商用周波耐電圧値向上手段(76)を設けると共に、アース端子(b)にはリード線(56)を接続し、同リード線(56)は開閉器(12)のケース(12A)に接続され、さらに、前記複数の端子(a〜j)のうち一対の電源端子(i,j)は、前記制御装置(14)に設けた端子(A〜M)のうち制御電源が接続された電源用端子(E,F)とそれぞれリード線(61,62)によって接続され、前記商用周波耐電圧値向上手段(76)としての壁面(76)は、アース端子(b)の長手方向における前記下部インサート(72)の両端に突出形成されるとともに、当該壁面(76)に対応した凹部が上部インサート(71)に形成され、アース端子(b)とアース端子以外の端子(a,c〜j)との間の絶縁距離を延長する絶縁距離延長構造であることを特徴とするコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、開閉器本体制御部の一部として使用されるコネクタの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、開閉器には配電線路に地絡事故が発生した場合、配電線上に設けられた零相変流器(ZCT)を介して零相電流を検出する地絡継電器が接続されている。前記地絡継電器は地絡検出信号に基づいて開閉器内部に設けられているトリップコイルを動作させ、開閉器を自動開放して地絡事故区間を健全線路から速やかに切り離す。前記継電器は月次点検及び年次点検として別途用意した地絡特性試験器を用い、地絡事故時において開閉器を所定時間内に開放できるかどうか等の特性試験が義務づけられている。前記地絡特性試験は、地絡特性試験器の試験用プラグコネクタを開閉器本体の制御部の一部として使用し、開閉器と地絡継電器との間に接続されている地絡特性チェック用のコネクタ(以下、「GRチェックコネクタ」という。)に接続して行われる。
【0003】
前記GRチェックコネクタには複数の雌型コンタクトピンが配設されており、常状態(非地絡特性試験時)においては、前記雌型コンタクトピンに対応した複数の雄型コンタクトピンを備えたプラグコネクタが接続される。そして、地絡特性試験時には前記プラグコネクタがGRチェックコネクタから外され、同GRチェックコネクタには試験用プラグコネクタが接続される。
【0004】
前記GRチェックコネクタ及びプラグコネクタにはそれぞれ金属製の内部フード及び樹脂製の外部フードが設けられている。そして、前記GRチェックコネクタとプラグコネクタとは、GRチェックコネクタにプラグコネクタを挿入し、プラグコネクタ外周に設けられている金属製の接続ナットをGRチェックコネクタ外周に形成されている雌ネジ部に螺合することによって接続固定される。前記GRチェックコネクタに配設されている雌型コンタクトピンの基端部にはリード線が圧着や半田付け等によって接続されており、GRチェックコネクタの口出部からコネクタ外部に引き出され、制御装置内部の端子台や開閉器に接続される。
【0005】
前記GRチェックコネクタに配設されている雌型コンタクトピン間の商用周波耐電圧値は1000V,1分間の性能を有している。また、開閉器本体の制御部商用周波耐電圧値は2000V,1分間の性能を有している。GRチェックコネクタは開閉器本体の制御部の一部として使用されるため、同GRチェックコネクタの電圧印加箇所においては開閉器本体の制御部の商用周波耐電圧値と同等の特性を必要とする。即ち、GRチェックコネクタの商用周波耐電圧値を向上させる必要がある。そして、前記GRチェックコネクタの商用周波耐電圧値向上対策として、商用周波耐電圧値の向上を必要とする特定のコンタクトピンと他のコンタクトピンとの間隔を大きくしたり、商用周波耐電圧値の高い別のコネクタを使用したりしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述のように、前記従来の商用周波耐電圧値向上対策はGRチェックコネクタに配設されているコンタクトピンの相互間隔を変更したり、別のコネクタを使用したりするものであった。即ち、従来より市場に流通しているGRチェックコネクタとはコンタクトピンナンバー及びコンタクトピンの配置が異なっているGRチェックコネクタを使用することとなる。このため、前記商用周波耐電圧値向上対策を施したGRチェックコネクタと、従来より使用されている試験用コネクタとの間の互換性が無くなってしまうという問題があった。
【0007】
また、前記GRチェックコネクタに防水機能を付加する場合には、コンタクトピン部及びリード線挿入部に気密構造を設ける必要がある。このため、同レベルの商用周波耐電圧値を有する一般コネクタに比べると外径が大きくなり、コスト的にも割高になるという問題があった。
【0008】
さらに、前記GRチェックコネクタは制御装置内の僅かなスペースに収納される。前記制御装置内には端子台が備えられており、同端子台は電源部、動作出力部等が露出した状態で取り付けられている。このため、GRチェックコネクタ及びプラグコネクタの金属製の内部フード又はプラグコネクタの金属製の接続ナットと制御装置内の端子台との接触による短絡故障が導かれる可能性があった。
【0009】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その第一の目的は、商用周波耐電圧特性を向上させることができるコネクタを提供することにある。
【0010】
第二の目的は、コンタクトピンの位置を変更することなく、従来より市場に流通している試験用コネクタとの互換性を保ちながら、商用周波耐電圧値を向上させることができるコネクタを提供することにある。
【0011】削除
【0012】削除
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、開閉器と、それとは別の場所に設けられた制御装置とは制御線を介して接続され、当該開閉器と制御装置との間に設けられ、前記開閉器とは制御線及びリード線を介して接続され、前記制御装置とはリード線を介して接続される複数の端子を備え、地絡特性試験時には試験用プラグコネクタが接続される特性チェック用のコネクタにおいて、前記複数の端子は上部インサート及び下部インサートから構成される絶縁体にて分離絶縁固定され、複数の端子にはアース端子を含み、少なくともアース端子の周囲には商用周波耐電圧値向上手段を設けると共に、アース端子には前記リード線を接続し、同リード線は開閉器のケースに接続され、さらに、前記複数の端子のうち一対の電源端子は、前記制御装置に設けた端子のうち制御電源が接続された電源用端子とそれぞれリード線によって接続され、前記商用周波耐電圧値向上手段としての壁面は、アース端子の長手方向における前記下部インサートの両端に突出形成されるとともに、当該壁面に対応した凹部が上部インサートに形成され、アース端子とアース端子以外の端子との間の絶縁距離を延長する絶縁距離延長構造であることをその要旨とする。
【0014】削除
【0015】削除
【0016】削除
【0017】削除
【0018】
【発明の実施の形態】
(第一実施形態)
以下、本発明を開閉器の地絡継電器に具体化した一実施形態を図1〜図9に従って説明する。
【0019】
図9に示すように、電柱10の上部には腕金11が設けられており、同腕金11には開閉器12が固定されている。前記電柱10の下部には収容ケース13が設けられており、同収容ケース13内には開閉器12の制御装置としての地絡継電器14が収容固定されている。前記地絡継電器14は制御線15を介して開閉器12に接続されており、地絡特性試験時において、前記地絡継電器14には地絡特性試験器16が接続ケーブル17を介して接続されるようになっている。
【0020】
図8に示すように、前記開閉器12は方向性過電流ロック形高圧気中開閉器であり、同開閉器12内のU相、V相及びW相からなる各相の配電線18には外部操作ハンドル(図示略)によって開閉動作される開閉部19が設けられている。尚、図8において、前記配電線18は左側が電源側、右側が負荷側に接続されている。
前記開閉部19には同開閉部19を自動でトリップ動作させるためのトリップコイル20がマイクロスイッチ21の一端を介して接続されている。前記トリップ動作とは、地絡事故が発生した場合、配電線18に流れる地絡電流を検出し、整定値以上であれば自動的に開閉部19を瞬時に離間(開放)させる動作のことである。
【0021】
前記配電線18に整定値以上の地絡電流が流れた場合、トリップコイル20が励磁され、開閉器12は自動的に開放するようになっている。また、配電線18に地絡と過電流との併合事故が発生した場合には、過電流事故を優先させて地絡トリップ回路を開路し、変電所の遮断器(図示略)が動作して、配電線18が無充電の状態に移行した後開放するようになっている。
【0022】
前記マイクロスイッチ21の他端は過電流リレー(OCR)22に接続されており、同過電流リレー22は一対のトリップリレー23,24から構成されている。前記一方のトリップリレー23の共通端子23Cと他方のトリップリレー24の常閉接点24Aとは接続されており、負荷側のU相又はW相にロック電流値以上の過電流が発生した場合には、トリップリレー23,24のアクチュエータ23D,24Dは常開接点23B,24Bに接続するように切り替わる。前記マイクロスイッチ21のアクチュエータ21Aは開閉部19の開閉動作に連動して開閉するようになっている。
【0023】
前記配電線18上の電源側には、U相、V相及びW相の零相電流を検出するための零相変流器(ZCT)25が設けられており、同零相変流器25の鉄心(図示略)の周囲には地絡継電器14の動作が正常かどうかを確認する地絡特性試験時おいて地絡試験電流を流すための試験線26が巻回されている。また、前記配電線18上の開閉部19と過電流リレー22との間には、負荷側の地絡故障と電源側の地絡故障との選択保護を行うための零相電圧検出用コンデンサ(ZPD)27が設けられている。
【0024】
一方、前記地絡継電器14には端子台28が備えられており、同端子台28には端子A〜Mが設けられている。前記端子E,Fは電源用端子であり、同端子E,Fには制御電源(AC100V)Pが接続されている。前記端子Eは電源側、端子Fは接地側となっている。また、端子Lと端子Mとの間には、地絡継電器14が零相変流器25の地絡事故の検出に伴いトリップコイル20にトリップ信号を出力してトリップ動作を行ったとき、同トリップ動作に追従してON動作するa接点29が接続されている。
【0025】
そして、前記零相変流器25の一端は制御線40を介して端子Aに接続されており、他端は制御線41を介して端子Bに接続されている。前記零相電圧検出用コンデンサ27の一端は制御線42を介して端子Cに接続され、他端は制御線43を介して端子Dに接続されている。前記トリップリレー23,24の常開接点23B,24Bは制御線44を介して端子Hに接続されている。前記試験線26の一端は制御線45を介して端子Jに接続されており、他端は制御線46を介して端子Kに接続されている。
【0026】
また、地絡特性試験時において、地絡特性試験器の試験用プラグコネクタ(図示略)が接続される地絡特性チェック用のコネクタ(以下、「GRチェックコネクタ」という。)51には雌型端子(雌型のコンタクトピン)a〜jが設けられている。配電線路の地絡事故を監視する常状態(非地絡特性試験時)において、前記GRチェックコネクタ51に接続される常用プラグコネクタ52には雌型端子a〜jにそれぞれ対応して接続されるプラグ端子(雄型のコンタクトピン)k〜tが設けられている。
【0027】
前記雌型端子aと端子D、雌型端子cと端子J,雌型端子dと端子K、雌型端子gと端子G、雌型端子hと端子I、雌型端子iと端子E及び雌型端子jと端子Fとはそれぞれリード線55,57〜62によって互いに接続されている。雌型端子bにはリード線56が接続されており、同リード線56が開閉器12のケースに接続されることによって雌型端子bは第一種接地がなされている。雌型端子e,fにはリード線63,64の一端が接続されている。
【0028】
また、前記トリップコイル20には制御線47が接続されており、同制御線47はスリーブ65によって前記リード線63に連結接続されている。即ち、前記トリップコイル20は制御線47及びリード線63を介して雌型端子eに接続されている。前記トリップリレー24の共通端子24Cには制御線48が接続されており、同制御線48はスリーブ66によって前記リード線64に連結接続されている。即ち、前記共通端子24cは制御線48及びリード線64を介して雌型端子fに接続されている。
【0029】
地絡特性試験時には前記常用プラグコネクタ52がGRチェックコネクタ51より外され、GRチェックコネクタ51には地絡特性試験器の試験用プラグコネクタ(図示略)が接続される。そして、前記地絡試験器によって発生する地絡試験電流は、リード線57を介して端子Jに流れ、端子Jから制御線45を介して零相変流器25に出力される。すると、前記零相変流器25の試験線26を流れて通過した試験電流は端子Kに入力され、その後、リード線58、雌型端子d及び試験用プラグコネクタを介して地絡特性試験器に出力される。
【0030】
次に、GRチェックコネクタ51の構造について詳しく説明する。
図1に示すように、前記GRチェックコネクタ51は、電気的接続をする通電部としての複数の雌型端子a〜j、前記各雌型端子a〜jを分離絶縁固定する絶縁体としての上部インサート71及び下部インサート72、前記各インサート71,72を保持、保護する樹脂製の内部フード73及び樹脂製の外部フード74、前記各インサート71,72を内部フード73内に保持固定する固定リング75、前記各雌型端子a〜j(図1中では一部図示略)に接続されるリード線55〜64(図1中では一部図示略)から構成されている。
【0031】
前記各インサート71,72には雌型端子a〜jの数に対応した挿通孔71A,72Aがそれぞれ形成されており、同挿通孔71Aの先端部には挿通孔71Aよりも径を小さくすることによって当接面71Bが形成されている。また、前記上部インサート71にはフランジ71Cが形成されており、下部インサート72にはフランジ72Cが形成されている。
【0032】
前記内部フード73の先端外周には雌ネジ73A、基端外周にはフランジ73Bが形成されており、同内部フード73の内周には円環状の係止部73Cが形成されている。また、前記GRチェックコネクタ51には外部からの荷重が加わることが少ないため、それほど強度が要求されず、コネクタ同士の接続部分となる内部フード73を樹脂製の内部フード73とすることができる。
【0033】
前記外部フード74は軸線方向に沿う面において、二分割可能となっており、それぞれの内周上端には内部フード73のフランジ73Bの形状に対応した円環状の溝74Aが形成され、同外部フード74の外周左右上端には貫通孔74Bが形成されている。また、前記外部フード74の基端には、リード線55〜64を外部に引き出すための口出部Kが形成されている。
【0034】
前記GRチェックコネクタ51は、始めにリード線55〜64に雌型端子a〜jをそれぞれ半田付けによって接続する。そして、上部インサート71のフランジ71Cと下部インサート72のフランジ72Cとを互いに背中合わせにする。そして、専用の工具を使って雌型端子a〜jの先端が上部インサート71の当接面71Bに当接する位置まで各インサート71,72に下部インサート72側から圧入する。即ち、前記雌型端子a〜j、リード線55〜64、上部インサート71及び下部インサート72は一体的に組み付けられる。
【0035】
次に、前記一体となったインサート71,72を上部インサート71のフランジ71Cが内部フード73の係止部73Cに当接する位置まで挿入し、固定リング75を内部フード73の下部から装着する。前記下部インサート72のフランジ72Cは固定リング75に係止される、即ち、前記インサート71,72は固定リング75によって内部フード73からの抜け止め防止がなされている。尚、前記内部フード73の内周面と上部インサート71の外周面との間には空間Sが形成されている。
【0036】
その後、内部フード73をフランジ73Bと溝74Aとが対応するように一対の外部フード74で挟み合わせ、同外部フード74の貫通孔74Bにボルト(図示略)を挿通しナットに螺合させることで一対の外部フード74同士が固定される。前記内部フード73は、フランジ73Bが溝74Aに係止されることによって外部フード74に対する上下方向への移動が規制されている。このため、前記内部フード73は外部フード74から抜けることはない。
【0037】
一方、前述のようにリード線56は開閉器12のケース12Aに接続されるアース線であり、リード線56に接続されている雌型端子bはアース端子となっている。そして、前記下部インサート72のリード線56及びリード線56が接続されている雌型端子bの周囲には、商用周波耐電圧値向上手段としての壁面76が下部インサート72の上下方向に突出形成されている。即ち、電源端子(リード線57等)-アース端子(リード線56等)間の絶縁距離(沿面距離)が壁面76が形成されない場合に比べて長くなっている。尚、前記上部インサート71の下部には前記壁面76に対応した凹部77が形成されているため、上部インサート71と下部インサート72とは密着している。
【0038】
次に、常用プラグコネクタ52の構造について説明する。
前記常用プラグコネクタ52はGRチェックコネクタ51と似た構造であるため、その詳細な説明を省略し、GRチェックコネクタ51と主に異なる部分についてのみ説明する。
【0039】
図1に示すように、前記常用プラグコネクタ52は、電気的接続をする通電部としての複数のプラグ端子k〜t(図1中一部図示略)、前記各プラグ端子k〜tを分離絶縁固定する絶縁体としての上部インサート79及び下部インサート80、前記各インサート79,80を保持、保護する樹脂製の内部フード81及び樹脂製の外部フード82、前記各インサート79,80を内部フード81内に保持固定する固定リング83、常用プラグコネクタ52の接続固定用である樹脂製の接続ナット84から構成されている。
【0040】
前記常用プラグコネクタ52の内部フード81の外周には鍔状の段差部81Aが形成されており、同段差部81Aには樹脂製の接続ナット84の内側が係止されている。即ち、前記段差部81Aは接続ナット84の内部に位置している。そして、前記内部フード81の外径はGRチェックコネクタ51の内部フード73の内径よりも若干小さく形成されている。
【0041】
また、前記常用プラグコネクタ52は非地絡特性試験時におけるGRチェックコネクタ51のジャンパーとしての機能を有するものであり、同常用プラグコネクタ52の外部フード82の基端に形成されている口出部82Aからリード線が引き出されることはない。このため、前記口出部82Aは絶縁性のゴム材85が充填されることによって密封されている。尚、GRチェックコネクタ51の雌型端子bに接続されるプラグ端子lの周囲にも商用周波耐電圧値を向上させるために壁面76が突出形成されている。
【0042】
前記GRチェックコネクタ51と常用プラグコネクタ52との接続は、まず常用プラグコネクタ52の内部フード81をGRチェックコネクタ51の空間Sに挿入すると共に、雌型端子a〜jにプラグ端子k〜tを差し込む。そして、常用プラグコネクタ52の接続ナット84をGRチェックコネクタ51の雌ネジ73Aに螺合させる。尚、地絡特性試験時において、前記常用プラグコネクタ52の代わりにGRチェックコネクタ51に接続される試験用プラグコネクタも常用プラグコネクタ52と同様にして接続することができる。
【0043】
従って、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・下部インサート72において、アース端子である雌型端子bの周囲に壁面76を突出形成した。このため、各雌型端子a〜jにおける電源端子-アース端子間の絶縁距離(沿面距離)が延長されることとなり、各雌型端子a〜j間の商用周波耐電圧値を向上させることができる。
【0044】
・また、商用周波耐電圧値向上のために各雌型端子a〜jの配置間隔を大きくしたり、商用周波耐電圧値の高い別のコネクタを使用したりすることがない、即ち、コネクタ形状の大幅な変更がないため、従来より市場に流通している試験用プラグコネクタとの互換性を保持することができる。従って、試験用プラグコネクタとの互換性を保ちながらGRチェックコネクタ51の性能を向上させることができ、これによってGRチェックコネクタ51の取り扱い及び保守点検を容易行うことができる。
【0045】
・前記GRチェックコネクタ51の内部フード73及び外部フード74、常用プラグコネクタ52の内部フード81、外部フード82及び接続ナット84は絶縁性の樹脂で形成されている、即ち、コネクタ外面は絶縁体で形成されている。このため、制御装置内部の僅かなスペースに収納された場合、端子台等に接触しても地絡故障を導く可能性が少ない。
(第二実施形態)
次に、本発明を具体化した第二実施形態を図2に従って説明する。
【0046】
図2に示すように、本実施形態は、前記下部インサート72上部の壁面76が断面略三角形状の突起部86に置き換わっていると共に、上部インサート71下面の凹部87が前記突起部86に対応形成されている点についてのみ前記第一実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第一実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0047】
前記下部インサート72のリード線56が接続されている雌型端子bの周囲には、商用周波耐電圧値向上手段としての突起部86が下部インサート72上面に突出形成されており、同下部インサート72の下面には商用周波耐電圧値向上手段としての壁面76がインサート72の下面に突出形成されている。即ち、前記突起部86とリード線56が接続されている雌型端子bとの間には凹部87が形成されることとなり、同凹部87によって電源端子-アース端子間の絶縁距離(沿面距離)が突起部86が形成されていない場合に比べて長くなっている。また、前記上部インサート71の下面には前記突起部86に対応した凹部87が形成されているため、上部インサート71と下部インサート72とは密着している。
【0048】
従って、本実施形態によれば、前記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第三実施形態)
次に、本発明を具体化した第三実施形態を図3に従って説明する。
【0049】
図3に示すように、本実施形態は前記下部インサート72上面の突起部86が雌型端子bの周囲に形成されたバリヤ89に置き換わっていると共に、上部インサート71下面の凹部90が前記バリヤ89に対応形成されている点についてのみ前記第二実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第二実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0050】
前記下部インサート72のリード線56が接続されている雌型端子bの周囲には、商用周波耐電圧値向上手段としてのバリヤ89が下部インサート72の上方向に突出形成されており、同下部インサート72の下面には商用周波耐電圧値向上手段としての壁面76が突出形成されている。即ち、前記バリヤ89によって電源端子-アース端子間の絶縁距離(沿面距離)がバリヤ89が形成されていない場合に比べて長くなっている。また、前記上部インサート71の下面には前記壁面76に対応した凹部90が形成されているため、上部インサート71と下部インサート72とは密着している。
【0051】
従って、本実施形態によれば、前記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第四実施形態)
次に、本発明を具体化した第四実施形態を図4に従って説明する。
【0052】
図4に示すように、本実施形態は前記バリヤ89が削除され、リード線56が接続されている雌型端子bの下部に絶縁ゴム製の収縮チューブ91が装着され、上部インサート71の挿通孔71A及び下部インサート72の挿通孔72Aが収縮チューブ91の厚み及び長さに対応して拡径形成されている点についてのみ前記第三実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第三実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0053】
前記下部インサート72のリード線56が接続されている雌型端子bの下部には、商用周波耐電圧値向上手段としての絶縁ゴム製の収縮チューブ91が装着されている。即ち、前記上部インサート71と下部インサート72との接触面における雌型端子bの上下一定区間を絶縁体で覆うことにより、漏洩電流が遮断されることとなる。また、電源端子-アース端子間の絶縁距離(沿面距離)が延長されているともいえる。
【0054】
従って、本実施形態によれば、前記第一実施形態の二番目及び三番目と同様の効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
・雌型端子b(アース端子)に収縮チューブ(絶縁体)91を装着したことによって漏洩電流を確実に遮断すると共に、電源端子-アース端子間の絶縁距離が延長され、端子間の商用周波耐電圧値を向上させることができる。
(第五実施形態)
次に、本発明を具体化した第五実施形態を図5に従って説明する。
【0055】
図5に示すように、本実施形態は主に各雌型端子a〜j(図5中一部図示略)の下部外径が挿通孔71A,72Aの内径よりも小さい点において前記第四実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第四実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0056】
前記各雌型端子a〜jの下部外径は挿通孔71A,72Aの内径よりも小さく形成されている。このため、上部インサート71と下部インサート72との接触面における閃絡部分において、各雌型端子a〜jと挿通孔71A,72Aとの間には一定の距離を有した隙間92が形成される。即ち、前記隙間92によって電源端子-アース端子間の絶縁距離(空間距離)が延長されることとなる。また、下部インサート72下端のリード線56周囲には壁面76が形成されている。
【0057】
従って、本実施形態によれば、前記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第六実施形態)
次に、本発明を具体化した第六実施形態を図6に従って説明する。
【0058】
図6に示すように、本実施形態は上部インサート71と下部インサート72との接触面における閃絡部分において、雌型端子bの周囲の一定区間に一定幅の空気層93が形成されている点についてのみ前記第五実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第五実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0059】
前記上部インサート71と下部インサート72との接触面(アース部の閃絡箇所)において、リード線56が接続されている雌型端子bの周囲の上下一定区間には一定幅を有した空気層93が形成されている。即ち、前記空気層93によって電源端子-アース端子間の絶縁距離(空間距離)が延長されている。また、下部インサート72下端のリード線56周囲には壁面76が形成されている。
【0060】
従って、本実施形態によれば前記第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
(第七実施形態)
次に、本発明を具体化した第七実施形態を図7に従って説明する。
図7に示すように、本実施形態は主にGRチェックコネクタ51の外部フード74及び常用プラグコネクタ52の外部フード82が絶縁性のゴム又は樹脂でモールド成型された外部フード94,96に置き換わっている点において前記第一〜第六実施形態と異なる。従って、本実施形態において前記第一〜第六実施形態と同一の部材構成については同一符号を付すことにして重複した説明を省略する。
【0061】
前述のように、GRチェックコネクタ51の外部フード94はゴム又は樹脂でモールド成型されている。前記GRチェックコネクタ51の外部フード94は各雌型端子a〜j(図7中一部図示略)にリード線55〜64(図7中一部図示略)を接続した後にリード線55〜64を保護する被覆95の一定区間を含んで成型されている。
【0062】
また、常状態(非地絡特性試験時)において前記GRチェックコネクタ51に接続されるプラグコネクタ52の外部フード96もゴム又は樹脂でモールド成型されている。そして、前記接続ナット84の開口部側からは密閉手段としてのパッキン97が挿入され、内部フード81外周に形成されている段差部81Aに当接する位置において装着されている。前記GRチェックコネクタ51とプラグコネクタ52とを接続する際、パッキン97はGRチェックコネクタ51の内部フード73線端の当接面73Dに当接し、プラグコネクタ52の接続ナット84の締め付けに伴って当接面73Dに押し付けられ密着するようになっている。
【0063】
従って、本実施形態によれば、前記第一実施形態と同様の効果に加えて以下の効果を得ることができる。
・GRチェックコネクタ51において、外部フード94を被覆95の一定区間を含んで絶縁性のゴム又は樹脂でモールド成型した。このため、内部フード73と外部フード94との接合箇所等を介してGRチェックコネクタ51の内部に水が進入することがない。このため、GRチェックコネクタ51内部の防水が図ることができる。
【0064】
・また、内部フード81の段差部81Aにはパッキン97が装着されており、同パッキン97はGRチェックコネクタ51と常用プラグコネクタ52との接続時、接続ナット84の締め付けに伴ってGRチェックコネクタ51の当接面73Dに押し付けられ密着する。このため、内部フード81と外部フード96との接続箇所からGRチェックコネクタ51及び常用プラグコネクタ52の内部に水が進入することを防止することができる。
【0065】
尚、上記各実施形態は以下のように変更して実施してもよい。
・前記第七実施形態と同様に、第一実施形態〜第六実施形態におけるGRチェックコネクタ51の外部フード74及び常用プラグコネクタ52の外部フード82を絶縁性のゴム又は樹脂でモールド成型すると共に、常用プラグコネクタ52にパッキン97を装着してもよい。このようにすれば、商用周波耐電圧を向上させることができると共に、GRチェックコネクタ51及び常用プラグコネクタ52に防水機能を与えることができる。
【0066】
・前記第一実施形態〜第七実施形態においては、雌型端子a〜j及びプラグ端子k〜tをそれぞれ分離絶縁固定するために上部インサート71,79及び下部インサート72,80の二つの部材を設けて使用したが、上部インサート71,79及び下部インサート72,80を一体形成して一つの部材としてもよい。このようにすれば、上部インサート71,79と下部インサート72,80との接触面、即ち、漏洩電流の流れ得る通路が無くなり、その結果、漏電が減少し商用周波耐電圧を向上させることができる。
【0067】
・前記第一実施形態〜第六実施形態においては、内部フード73,81及び外部フード74,82を設けたが、同内部フード73,81と外部フード74,82とを一体的に形成してもよい。このようにすれば、部品点数及び組立工数を低減することができる。
【0068】
・前記第一実施形態〜第七実施形態においては、雌型端子a〜jをそれぞれ半田付けでリード線55〜64に接続したが、圧着端子等を使用し圧着によって接続してもよい。このようにすれば、雌型端子a〜jのリード線55〜64への接続作業を簡単にすることができる。
【0069】
・前記第四実施形態においては、収縮チューブ91を雌型端子b周囲の上部インサート71と下部インサート72との接触面における閃絡部分の上下一定区間にのみ装着したが、雌型端子bの全長に亘るように装着してもよい。このようにしても、前記閃絡部分からの漏洩電流を遮断することができ、雌型端子a〜j間の商用周波耐電圧値を向上させることができる。
【0070】
・前記第一実施形態〜第四実施形態及び第六実施形態においては、それぞれアース部である雌型端子bの周囲にのみ商用周波耐電圧値向上手段を設けたが、雌型端子a〜j全ての周囲に商用周波耐電圧値向上手段を設けてもよい。このようにしても、雌型端子a〜j間の商用周波耐電圧値を向上させることができる。
【0071】削除
【0072】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、商用周波耐電圧特性を向上させることができる。
【0073】
また、コンタクトピンの位置を変更することなく、従来より流通している試験用コネクタとの互換性を保ちながら、商用周波耐電圧値を向上させることができる。
【0074】削除
【0075】削除
【図面の簡単な説明】
【図1】第一実施形態におけるコネクタの断面図。
【図2】第二実施形態におけるコネクタの断面図。
【図3】第三実施形態におけるコネクタの断面図。
【図4】第四実施形態におけるコネクタの断面図。
【図5】第五実施形態におけるコネクタの断面図。
【図6】第六実施形態におけるコネクタの断面図。
【図7】第七実施形態におけるコネクタの断面図。
【図8】開閉器及び継電器に対するコネクタの接続を示す接続図。
【図9】電柱に対する開閉器、継電器及び試験器の取付状態を示す説明図。
【符号の説明】12…開閉器、14…制御装置としての地絡継電器、16…地絡特性試験器、40〜48…制御線、51…GRチェックコネクタ、55〜64…リード線、71…絶縁体としての上部インサート、72…絶縁体としての下部インサート、73…内部フード、74…外部フード、76…壁面、86…突起部、87…溝(凹部)、89…バリヤ、90…凹部、91…絶縁物としての収縮チューブ、92…隙間、93…空間、絶縁層としての空気層、97…パッキン、a〜j…雌型端子(コンタクトピン)、A〜M…端子。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-06-18 
出願番号 特願平10-46021
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H01R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 菅澤 洋二松縄 正登  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 内藤 真徳
平上 悦司
登録日 2002-11-22 
登録番号 特許第3373148号(P3373148)
権利者 エナジーサポート株式会社
発明の名称 コネクタ  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  
代理人 恩田 博宣  
代理人 恩田 誠  

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