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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  H04N
管理番号 1104371
異議申立番号 異議2003-73162  
総通号数 59 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-07-19 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-24 
確定日 2004-07-21 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3419756号「ダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置」の請求項1、4、6、8に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3419756号の請求項1、6に係る特許を取り消す。 同請求項4、8に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3419756号に係る発明についての出願は、平成12年12月28日の特許出願であって、平成15年4月18日にその発明について特許の設定登録がなされ、その後その特許請求の範囲における請求項1,4,6,8に係る発明について、異議申立人キャノン株式会社より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年5月14日に特許異議意見書及び訂正請求書が提出されたものである。

2.訂正の適否について
(1)訂正の内容
平成16年5月14日付けの訂正請求書による訂正事項は、次の(a)〜(e)に示されるとおりである。

(a)特許請求の範囲の請求項1の記載
「【請求項1】電話回線を介して電子メールのサービスブロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。」
を、
「【請求項1】電話回線を介して電子メールのサービスブロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。」
に訂正する。
(b)特許請求の範囲の請求項4の記載
「【請求項4】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。」
を、
「【請求項4】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。」
に訂正する。
(c)特許請求の範囲の請求項6の記載
「【請求項6】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法。」
を、
「【請求項6】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法。」
に訂正する。
(d)特許請求の範囲の請求項8の記載
「【請求項8】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法。」
を、
「【請求項8】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法。」
に訂正する。
(e)明細書の段落番号【0008】,【0014】,【0018】,及び【0020】の記載
「【0008】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するものである。
【0014】本発明の第4の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するものである。
【0018】本発明の第6の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイ ダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法である。
【0020】本発明の第8の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法である。」
を、
「【0008】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するものである。
【0014】本発明の第4の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するものである。
【0018】本発明の第6の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイ ダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法である。
【0020】本発明の第8の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法である。」
に訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項(a)〜(d)は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内において訂正するものであり、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当しない。
上記訂正事項(e)は、願書に添付した明細書に記載された事項の範囲内において訂正するものであり、明りょうでない記載の釈明に該当し新規事項の追加に該当しない。
そして、上記訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものでもない。

(3)独立特許要件
引用している請求項1及び4の訂正に伴って、結果として訂正したこととなる請求項5に係る発明の独立特許要件について検討する。
訂正明細書の請求項5に係る発明は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項5に記載された事項により特定された次のとおりのものである。
「メッセージ受信を中断した場合は、当該メッセージの発信元へエラー通知メールを送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のダイヤルアップ型インターネットファクシミリ。」
申立人の提出した刊行物(甲第1〜3号証及び参考資料)に記載された発明は、下記「5.」に述べたとおりのものであるが、刊行物(甲第1〜3号証及び参考資料)に記載された発明はいずれも、訂正明細書の請求項5に係る発明を特定する事項の一部である「メッセージ受信を中断した場合は、当該メッセージの発信元へエラー通知メールを送信するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ。」について開示しない。
そして訂正明細書の請求項5係る発明は、上記発明を特定する事項を有することにより、明細書記載の効果を奏するものであるから、訂正明細書の請求項5に係る発明は、申立人が提出した全刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものと認めることができない。
したがって、訂正明細書の請求項5に係る発明は、出願の際独立して特許を受けることができるものである。

(4)以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについて
異議申立人キャノン株式会社は、証拠として甲第1号証(特開平11-69031号公報)、甲第2号証(特開平7-293979号公報)、甲第3号証(特開2000-278475号公報)、及び参考資料(特開平11-328060号公報)を提出し、本件請求項1,4,6,8に係る発明は、甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明であるから、あるいは甲第1号証〜甲第3号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項または第2項の規定により特許を受けることができないものであり、したがって、本件請求項1,4,6,8に係る発明の特許を取消すべき旨主張している。

4.本件発明
本件請求項1,4,6,8に係る発明は、その特許請求の範囲の請求項1,4,6,8に記載された次のとおりのものである。

【請求項1】電話回線を介して電子メールのサービスブロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。

【請求項4】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。

【請求項6】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法。

【請求項8】電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法。

5.引用刊行物記載の発明
(1)当審で通知した取消理由に引用した刊行物1(特開平11-69031号公報)(甲第1号証)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(1のア)「【0003】(前略)しかし、ファクシミリ通信で通常送受信されるイメージデータであっても、例えばTIFF(Tagged Image File Format)形式のような電子メール形式のデータに変換した上であれば、コンピュータ通信網を介してファクシミリ装置で送受信することが可能である。
【0004】このような事情から、ファクシミリメッセージを電子メールとしてインターネット通信で送受信することが可能であり、そのような用途に使用される電子メール機能付きのファクシミリ装置が開発されている。」(段落【0003】,【0004】参照。)

(1のイ)「【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係るファクシミリ装置は、ファクシミリ通信機能と、画像データを内容とする電子メールをプロバイダを介して送受信する機能とを有するファクシミリ装置において、ファクシミリ通信の時刻と前記プロバイダに接続する時刻とが重なるか否かを判定する手段と、両時刻が重なる場合にはファクシミリ通信を優先する手段とを備えることを特徴とする。」(段落【0008】参照。)

(1のウ)「【0010】また、本発明に係るファクシミリ装置は、上述のファクシミリ装置において、電子メールを受信すべく前記プロバイダに接続している間に、ファクシミリ通信の要求が発生したか否かを判定する手段と、前記要求が発生した場合には、電子メールの受信を中止する手段とを更に備えることを特徴とする。
【0011】このような本発明のファクシミリ装置では、プロバイダに接続中であっても、ファクシミリ通信の要求があれば、プロバイダとの回線を切断して電子メールの受信を中止し、ファクシミリ通信を優先して行う。よって、即時性に優れるファクシミリ通信を、待機時間なく迅速に行えて、使い勝手が良い。」(段落【0010】、【0011】参照。)

(1のエ)「【0019】モデム10は、通常のファクシミリ通信用のFAXモデムである。データモデム12は、インターネット通信を行なうためのデータ通信用のモデムであり、外部インターフェイス9を介してバス13と接続されている。NCU(Network Control Unit)11はアナログ回線Lの閉結及び開放の動作を行うハードウェアであり、必要に応じてモデム10またはデータモデム12をアナログ回線Lと接続する。
【0020】なお、DSU(加入者線終端装置:Digital Service Unit)を備えることにより、ベースバンド伝送方式のデジタル回線に接続するようにしてもよい。
【0021】本発明のファクシミリ装置は以上のようなハードウェア構成を有しており、通常のG3方式等のファクシミリ通信機能は勿論のこと、主としてTIFFファイル化されたイメージデータを電子メールとして送受信する機能を有している。つまり、本来はファクシミリ通信すべき原稿のイメージデータをTIFFファイル化してインターネットを介して電子メールとして送受信することが可能である。但し、そのための機能はソフトウェアプログラムとしてROM6に格納されている。
【0022】次に、動作について説明する。上述したように、本発明のファクシミリ装置では、電話回線を用いる通常のG3方式等のファクシミリ通信機能を果たせると共に、ファクシミリメッセージをTIFF形式のような電子メール形式にデータ変換した後、インターネット通信で送受信する機能も果たせる。従って、プロバイダへの接続タイミングとファクシミリ通信のタイミングとが重なってしまう場合がある。本発明ではこのような場合に、即時性に優れるファクシミリ通信を優先的に行って、即時性に劣る電子メールの受信は後回しにする。」(段落【0019】〜【0022】参照。)

(1のオ)「【0026】電子メールの受信中に、ファクシミリ通信の要求が発生した場合には(S5:YES)、電子メールの受信処理を中断し(ステップS7)、プロバイダとの接続回線を切断する(ステップS8)。そして、その要求に応じたファクシミリ通信を行い(ステップS9)、それが終わると処理がステップS3に戻って、再びプロバイダに対してダイヤルアップ接続する。このように、電子メールの受信中であっても、ファクシミリ通信の要求が起こった場合には、電子メールの受信処理は中止して、ファクシミリ通信を先に行い、それが終了した後に電子メールの受信処理を再開する。」(段落【0026】参照。)

以上の記載からみて、刊行物1には、次のような発明が記載されている。
「ファクシミリ通信機能と画像データを内容とする電子メールをプロバイダを介して送受信する機能とを有するファクシミリ装置であって、通信回線を介してプロバイダに接続し電子メールの受信中に、ファクシミリ通信要求の発生の如きこの電子メール通信を継続して実行することができない不測の事由が発生したとき、プロバイダとの接続回線を切断して電子メールの受信処理を中断して通信回線を解放し、電子メール通信を中断するに至った要因であるファクシミリ通信要求に対する通信処理を先に行うようにしたファクシミリ装置。」

(2)当審で通知した取消理由に引用した刊行物2(特開平8-293979号公報)(甲第2号証)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(2のア)「【0010】(7)はキーボードであり、該キーボードは送信キー、受信キー、テンキー、停止キー登録キーの他に各種モードを切換えるためのファンクションキーを備える。」(段落【0010】参照。)

(2のイ)「【0012】次に斯る構成よりなる本発明の動作につき図2に示すフローチャートに基づき説明する。まず、ファクシミリ装置の使用に先立ち、キーボード(7)を用いて受信モードを設定し、このモードはデータメモリ(5)中に記憶される。この受信モードは、具体的には、TSIとして送られてくる送信側の電話番号がダイヤルメモリ(6)に記憶されている電話番号と一致する時、受信を中断する選択不受信モードと、全ての受信を受付ける全受信モードの2つのモードである。」(段落【0012】参照。)

(2のウ)「【0016】一方、ステップS6において、選択不受信モードに設定されていると判定すると、処理をステップS7に進める。ステップS7では、バッファメモリに記憶した電話番号データとダイヤルメモリ(6)に記憶されている電話番号データと比較し、一致するものがないときには前述したステップS9に処理を進め、また、
一致するものがあるときには回線切断信号(DCN)を送信側に送出し(ステップ8)、その後、ステップS12において回線を切断する。
【0017】ところで、全受信モード又は選択不受信モードの受信処理(ステップS9)において、制御回路(1)は停止キーの操作を監視しており、もし停止キーが操作されると、回線切断信号(DCN)を送信側に送出し、その後、回線を切断する(ステップS13、14)。そして、ステップS15に進み、表示部(8)に“登録「YES」「NO」”なる文字を表示する。この表示中において、「YES」は登録キー、「NO」は停止キーに対応しており、登録キーが操作されるとバ
ッファメモリの電話番号データをダイヤルメモリ(6)に格納する(ステップS16、19)。即ち、ユーザーが受信を中断した後、途中まで受信した原稿を見てこれに関するものは今後も不要と判断すれば、登録キーを操作することにより、受信を拒否する電話番号がダイヤルメモリ(6)に格納され、その後、選択受信モードにあっては前述したようにその受信を拒否することができる。
【0018】尚、停止キーが操作されれば、ダイヤルメモリ(6)に電話番号データを格納することなく、待機状態に戻る。又、いずれのキーも操作されないまま、5秒経過した場合も同様に、ダイヤルメモリ(6)に電話番号データを格納することなく、待機状態に戻る(ステップS17、18)。

以上の記載からみて、刊行物2には、次のような発明が記載されている。
「キーボード上に停止キーを設け、ユーザの停止キー押下により、回線切断信号(DCN)を送出し、直ちに不必要なファクシミリ受信を停止し不要なデータの印刷の防止を可能にすると共に、相手側の電話番号をメモリに登録することにより、次回からのファクシミリ通信許否を可能としたファクシミリ装置。」

(3)当審で通知した取消理由に引用した刊行物3(特開2000-278475公報)(甲第3号証)には、次のような発明が記載されている。

「定常時や就業時には、IMAP(internet message access protocol)によりインターネットサービスプロバイダ(ISP)のメールボックスから選択条件に該当する必要な電子メールのみをダウンロードし、一方通信料金の安価な深夜の時間帯には、インターネットサービスプロバイダ(ISP)にダイアルアップ接続しPOP(post office protocol)を使用してメールボックス内の自分宛の電子メールのすべてをダウンロードするインターネット対応のファクシミリ装置。」

(4)当審で通知した取消理由に引用した刊行物4(特開平11-328060号公報)(参考資料1)には、次のような発明が記載されている。

「メールサーバを二次記憶装置として利用するメモリ容量の小さい電子メール型ファクシミリ装置であって、残っている電子メール「残メール」と新着の電子メール「新着メール」とを明瞭に識別して、残メールに対して繰り返し受信を行うことを回避できるようにした電子メール型ファクシミリ装置及び電子メール受信方法。」

6.対比・判断
(6.1)請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、
スキャナで読み取ったファクシミリデータをTIFF(Tagged Image File Format)形式のような電子メール形式のデータに変換し、変換後のファクシミリデータをコンピュータ通信網やインターネット通信網を介してファクシミリ装置間で送受信することは、本件出願前既に周知慣用されていたことは、刊行物1に記載されており(前記(1のア)参照。)、そして刊行物1に記載された発明は、従来の電子メール付きファクシミリ装置の不都合を解消するものであるから、請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、ダイアルアップ型インターネットファクシミリ装置である点において差異はない。
刊行物1に記載された発明は、ファクシミリ通信用のモデム10及びインターネット通信を行うためのデータ通信用のモデム12を有しており(前記(1のエ)参照。)、電話回線を介して電子メールのプロバイダに接続している(前記(1のイ)〜(1のオ)参照。)から、請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部を有する点で差異はない。
ダイアルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージを取得することは、通信の技術分野では慣用技術である(この点に関しては、例えば、特開2000-278475号公報(刊行物3)を参照。同公報には、IMAP(internet message access protocol)及びPOP(post office protocol)等のプロトコルにより、インターネットサービスプロバイダ(ISP)のメールボックスからメッセージ単位でメッセージを取得することが記載されている。)。したがって、明記はされていないが、刊行物1に記載された発明も、メッセージ単位でメッセージを取得していると考えられるから、この点においても請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とは差異がない。
刊行物1には、通信回線を介してプロバイダに接続し電子メールのメッセージ受信中に、ファクシミリ通信要求の発生の如き現在実行中の電子メール通信を継続して実行することができない不測の事由(以下、「通信障害事由」という。)が発生したとき、プロバイダとの接続回線を切断することにより電子メールの受信処理を中断しプロバイダとのコネクションを断つことが記載されている(前記(1のウ)〜(1のオ)参照。)から、請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、メッセージ受信中に通信障害事由が発生したらサービスプロバイダとのコネクションを切断する点においても差異はない。
そうすると、請求項1に係る発明と刊行物1に記載された発明とは、

(一致点)
「電話回線を介して電子メールのサービスブロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中に通信阻害事由が発生したら受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。」
である点で一致し、次の2点で相違する。

(相違点1)
請求項1に係る発明は、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたら、受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するのに対し、刊行物1に記載された発明は、メッセージ受信中にファクシミリ通信の要求が発生したとき受信完了を待たずにサービスプロバイダとの回線接続を切断する点。
すなわち、電子メール通信の通信阻害事由が、請求項1に係る発明ではストップボタンの押下であるのに対して、刊行物1に記載された発明ではファクシミリ通信要求の発生である点。

(相違点2)
請求項1に係る発明は、通信阻害事由が発生したらメッセージの空読み処理を待たずに直ちにサービスプロバイダとのコネクションを切断するのに対して、刊行物1に記載された発明は、通信阻害事由が発生したらプロバイダとの接続回線を切断するものではあるが、空読み処理を待たずに直ちに切断するとは明記しない点。

(判断)
(相違点1について)
一般に、通信装置に停止ボタンを設けておき、通信の必要がなくなった時点で即座に停止ボタンを押下し回線を切断することは、通常良く行われていることである。卑近な例として、公衆回線を利用した電話通信の場合、送信側または受信側の自由意志によりいずれかの側が受話器を置く(停止ボタンの押下に相当)ことにより、一方的に両者の会話すなわち通信を打ち切ることは良く行われている。
然るに、刊行物2には、キーボード上に設けられた停止キーを押下することにより、回線切断信号(DCN)を送信側に送り回線を一方的に切断するファクシミリ装置、つまり停止ボタンの押下を通信阻害事由として回線を切断するファクシミリ装置が記載されているから、刊行物2に記載された発明の通信阻害事由(停止ボタンの押下)を刊行物1に記載された発明の通信阻害事由(ファクシミリ通信の要求発生)とすること、すなわち刊行物1に記載された発明に停止ボタンを設け停止ボタンの押下により回線を切断できるようにすることは、当業者がプロトコルに従う範囲で適宜なし得ることである。

(相違点2について)
請求項1に係る発明のファクシミリ装置も世界各国で認知されているプロトコル(通信規約)に従って通信するものである以上、回線の切断の仕方は採用しているプロトコルによる。そしてプロトコルで許容される範囲で最短の切断処理を設定することは当業者が適宜なし得ることであるから、空読み処理をせずに直ちに切断するようにすることは、当業者が適宜なし得る単なる設計事項である。

(6.2)請求項6に係る発明と刊行物1に記載された発明とを対比すると、請求項6に係る発明は、刊行物1に記載された発明と周知技術とに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
その理由は、請求項6に係る発明は、請求項1に係る装置発明を単に方法発明としたものであり、両発明はカテゴリが相違するのみであり、そして装置発明を方法発明とすることは当業者が任意に行えることであるから、先に「6.1」で述べたと同じ理由による。

(6.3)請求項4及び8に係る発明と刊行物1〜4に記載された発明とを対比すると、
刊行物1〜4に記載された発明はいずれも、請求項4及び8に記載された発明を特定する事項の一部である
「サービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとして、スキップし、該メッセージを受信対象から除外する」
ことについて開示しない。
そして、請求項4及び8に係る発明は、上記発明を特定する事項を有することにより、明細書記載の「大容量の電子メールをプロバイダのメールサーバに受信している場合であっても、その電子メールを取得するために何度も受信動作を繰り返すことにより電話料金がかさむことを確実に防止できる」という効果を奏するものであるから、請求項4及び8に係る発明は、刊行物1〜3に記載された発明であるとも、また刊行物1〜3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができた発明であるともいえない。

7.むすび
(請求項1,6について)
以上のとおりであるから、請求項1,6に係る発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術とに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1,6に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。
したがって、本件発明についての特許は、特許法第113条2号に該当し、取り消されるべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

(請求項4,8について)
以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、請求項4,8に係る発明の特許を取り消すことができない。
また、他に請求項4,8に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。
【請求項2】 前記サービスプロバイダからメッセージデータを取得する際にこれから取得するメッセージが以前受信中にコネクション切断されたメッセージであるか否か判断し、コネクション切断されたメッセージであればメッセージ受信しないことを特徴とする請求項1記載のダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。
【請求項3】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたら当該メッセージの受信完了を待たずにメッセージ受信を中止して当該メッセージを取得済みメッセージとした後、次メッセージの取得へ移行するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。
【請求項4】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。
【請求項5】 メッセージ受信を中断した場合は、当該メッセージの発信元へエラー通知メールを送信することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置。
【請求項6】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法。
【請求項7】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたら当該メッセージの受信完了を待たずにメッセージ受信を中止して当該メッセージを取得済みメッセージとした後、次メッセージの取得へ移行するステップと、を具備するメール受信方法。
【請求項8】 電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電話回線を介してインターネット上のサービスプロバイダにダイヤルアップ接続して電子メールを取得するダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、業務用ファクシミリ装置の一つとしていわゆるインターネットファクシミリ装置が普及しつつある。インターネットファクシミリ装置は、スキャナで読み取った原稿データを電子メールフォーマットに変換して電子メールとして宛先へ送信する送信機能と、同様にして発信元から発信された原稿データの電子メールをインターネットから受信する受信機能とを搭載している。インターネットファクシミリ装置の受信機能としてPOP(Post Office Protocol)方式が知られている。これは、インターネットファクシミリ装置が受信用のメールボックスに対してアクセスすることによりメールボックスに届けられている電子メールを取り出すことができるものである。
【0003】
一方、業務用ファクシミリ装置とは別にパーソナル向けファクシミリ装置の分野がある。この分野では装置の小型化、低コスト化を図るために業務用ファクシミリ装置に比べて各種機能やメモリ容量等の大幅削減が図られている。
【0004】
最近では、このようなパーソナル向けファクシミリ装置の分野においてもインターネットファクシミリ装置の開発が進んでいる。特にパーソナル向けインターネットファクシミリ装置の場合、ファクシミリ装置をLANに接続して自前のメールサーバ経由で電子メールを送受信するといった通信環境を実現する事は困難なことから、ダイヤルアップでプロバイダに接続してPOP方式で電子メールを受信する方法を採用することが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パーソナル向けインターネットファクシミリ装置では、メモリ容量が小さいことからメモリ受信する際に大容量のメールデータを受信することができないといった状態が起こる。具体的には、プロバイダのメールサーバに対してPOPにしたがって受信メッセージを取得する処理を行うが、ファクシミリ装置側のメモリにメッセージデータを記憶させたときにメモリオーバが発生する可能性がある。メモリオーバが発生すると、受信側は途中までのメッセージデータしか受け取ることができないことになる。そして、POP方式の場合、1つのメッセージを最後まで取り出して1メッセージ分の取得動作が完了しないと、そのメッセージは消去されずにメールサーバに残されるので、再びプロバイダにアクセスして受信を試みても再度メモリオーバが発生することとなるので、何度も同じ処理を繰り返す事となり、公衆回線網を経由したシステムでは電話料金が必要以上にかかってしまうといった不都合が生じる。
【0006】
本発明は以上のような実情に鑑みてなされたものであり、大容量の電子メールをプロバイダのメールサーバに受信している場合であっても、その電子メールを取得するために何度も受信動作を繰り返すことにより電話料金がかさむことを確実に防止できるダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電子メールのメッセージデータの取得処理を行っているときに、ストップボタンが押下されたらメッセージ受信の完了を待たずに回線を切断する。又は受信中止して次メッセージの取得へ移行するものである。これにより、無用な電話料金がかかるのを防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するメール受信手段と、を具備するものである。
【0009】
これにより、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージの受信完了を待たずに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するので、メッセージデータを空よみして正常終了させてからコネクションを切断する場合に比べて大幅に電話料金を削減できる。
【0010】
本発明の第2の態様は、前記サービスプロバイダからメッセージデータを取得する際にこれから取得するメッセージが以前受信中にコネクション切断されたメッセージであるか否か判断し、コネクション切断されたメッセージであればメッセージ受信しないものとした。
【0011】
これにより、サービスプロバイダには過去に受信中にコネクション切断されたメッセージが滞留しているが、以前受信中にコネクション切断されたメッセージであるか否か判断し、コネクション切断されたメッセージであればメッセージ受信しないものとしたので、メッセージ受信の開始前に受信中断を判断でき接続時間を短縮できる事から電話料金の削減を図ることもできる。
【0012】
本発明の第3の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ストップボタンを有する操作部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得し、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたら当該メッセージの受信完了を待たずにメッセージ受信を中止して当該メッセージを取得済みメッセージとした後、次メッセージの取得へ移行するメール受信手段と、を具備するものである。
【0013】
これにより、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたらメッセージ受信を中止して次メッセージの取得へ移行するので、ストップボタンが押下される度にコネクションを切断する場合に比べて効率よくメッセージ受信できる。
【0014】
本発明の第4の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するモデム部と、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するメール受信手段と、を具備するものである。
【0015】
これにより、メッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを受信対象から除外するので、メッセージサイズからメモリオーバーフローが予想されるメッセージをメッセージ受信の開始前に排除できるので接続時間を短縮でき電話料金の削減を図ることもできる。
【0016】
本発明の第5の態様は、メッセージ受信を中断した場合は、当該メッセージの発信元へエラー通知メールを送信するものである。
【0017】
これにより、メモリオーバーフローが予想される等の理由でメッセージ受信を中断した場合は、当該メッセージの発信元へエラー通知メールを送信するので、発信元に受信側の事情を伝える事ができ、発信元にて適切な対応をとる事ができる。
【0018】
本発明の第6の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にパネル部のストップボタンが押下されたらメッセージの空読み処理による受信完了を待たずに直ちに前記サービスプロバイダとのコネクションを切断するステップと、を具備するメール受信方法である。
【0019】
本発明の第7の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ単位でメッセージデータを取得するステップと、メッセージ受信中にストップボタンが押下されたら当該メッセージの受信完了を待たずにメッセージ受信を中止して当該メッセージを取得済みメッセージとした後、次メッセージの取得へ移行するステップと、を具備するメール受信方法である。
【0020】
本発明の第8の態様は、電話回線を介して電子メールのサービスプロバイダにダイヤルアップ接続するステップと、ダイヤルアップ接続したサービスプロバイダからメッセージ受信開始前にメッセージサイズを取得して所定サイズ以上のメッセージを取得済み扱いとしてスキップし、該メッセージを受信対象から除外するステップと、受信対象から除外されていないメッセージデータをサービスプロバイダからメッセージ単位で取得するステップと、を具備するメール受信方法である。
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して具体的に説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るインターネットファクシミリ装置のハードウエア構成を示すブロック図である。同図に示すインターネットファクシミリ装置は、CPU10、アナログ回線又はISDN経由で外部と通信するための通信制御を行うモデム部11、送信原稿を読み取るスキャナ12、受信データ又は読取り原稿を印刷するプリンタ13、ユーザが後述する切断操作を含む各種操作を行うためのパネル部14、G3ファクシミリとしての機能及びインターネットファックスとしての機能を実現するプログラムが格納されたROM15、受信データの記憶領域及び作業エリアを提供するRAM16、を備えている。
【0023】
図2はインターネットファックスとしての動作する時の受信機能を中心とした機能ブロック図である。プロバイダのメールサーバにアクセスするときは、パネル部14から電話番号を指示された発呼部20がモデム部11を介して公衆回線網に発呼する。メールデータ受信部21は、回線接続されたプロバイダのメールサーバからPOP方式にしたがって電子メールを受信する処理を実行する機能部である。また、POP方式にしたがって電子メールを受信している間にパネル部14からコネクション断指示が入力されたときは、コネクション断処理部22が、POPの終了手順を待たずに強制的にモデム部11に回線断指示を与える。POPの終了手順を待たずに強制的にコネクションが切断されたときは、メッセージID取得部23が受信を中断したメールのメッセージIDを取得してRAM16の所定アドレスに保存する。
【0024】
ここで、本実施の形態に係るインターネットファクシミリ装置の外観について説明する。図3は本インターネットファクシミリ装置の外観図である。同図に示す例は、パーソナル向けのものであるためコンパクトに構成されている。ファクシミリ装置本体の上面部にパネル部14が設置されている。パネル部14の中央部には数字及びアルファベット等を入力するためのテンキー31が設けられ、その上方部にディスプレイ32が設けられている。
【0025】
また、テンキー31に隣接してインターネットボタン33が設けられている。インターネットボタン33は、本装置をインタネットファックスとして機能させるためのファンクションキーの一つである。また、メール受信中にコネクション切断をユーザが要求するためのストップボタン34が設けられている。さらに、各種の処理の開始をユーザが指示するためのスタートボタン35、本装置をコピーとして機能させるためのコピーボタン36が設けられている。
【0026】
また、ファクシミリ装置本体の上面部にはパネル部14の背後に原稿挿入口37が形成されており、原稿挿入口37の両サイドを挟むように用紙幅規制部材38が原稿の幅方向に摺動可能に設けられている。なお、原稿挿入口37には原稿が挿入されたこと検知する原稿センサ(不図示)が設けられている。
【0027】
次に、以上のように構成された本実施の形態のインターネットファクシミリ装置の動作について説明する。以後、電子メールの受信動作を中心に説明する。
【0028】
先ず、図4を参照してPOPの基本的な通信手順について説明する。なお、図4はPOP3の例であるが、本発明はバージョン3に限定されるものではない。
【0029】
POP3はクライアント-サーバ・モデルで動作する。本発明のインターネットファクシミリ装置(以下、IFAXと呼ぶ)がクライアントとなり、プロバイダのメールサーバ(以下、POPサーバと呼ぶ)がサーバとなる。
【0030】
IFAXがPOPサーバに対して、TCP接続オープンの要求を出してコネクションを確立した後に、IFAXが<USER>によりPOPサーバにユーザ名を知らせる。IFAXはユーザ名を告げた後に<PASS>をPOPサーバに送信してパスワードを通知する。なお、< >はPOPのコマンドを示す。
【0031】
ユーザ名とパスワードによるユーザの確認が終了したら、IFAXがPOPサーバに対して<STAT>を送信して、メールボックスの受信状態を問い合わせる。POPサーバの応答には、当該ユーザのメールボックスに受信されているメールのメッセージ総数と全体のデータサイズが含まれている。
【0032】
次に、IFAXは<LIST>をPOPサーバに送信して現在メールボックスにあるメールのメッセージリストを問い合わせる。POPサーバは<LIST>に対する応答として個々の受信電子メールのメッセージ番号及びサイズを送信する。
【0033】
IFAXは<LIST>の応答からこれから受信するメッセージを決めると、そのメッセージ番号を<RETR>に付けてPOPサーバへ送信する。メッセージ番号1の電子メールを読み出して取得する場合は、<RETR1>を送信する。POPサーバは<RETR1>の応答としてメッセージ番号1のメッセージデータを送ってくる。
【0034】
IFAXはメッセージ番号1のメッセージデータを正常に受信できた時は<DELE1>をPOPサーバへ送信して、メッセージ番号1のメッセージをメールボックスから削除してもらう。メールボックスから削除されたメッセージは応答としてIFAXへ通知される。
【0035】
IFAXは残りのメッセージが無ければ、<QUIT>をPOPサーバへ送信してメール受信動作の終了を通知し、POPサーバから応答を受けてTCPコネクションを切断する。
【0036】
本実施の形態のインターネットファクシミリ装置は、原稿挿入口37に原稿がセットされることなく、インターネットボタン33が押下されたならば、メールデータ受信部21が起動されるようにプログラムされている。すなわち、CPU10によって、原稿がセットされていないこと及びインターネットボタン33が押下されたことのAND条件が成立したことを検出したら、メールデータ受信部21を起動すると共に、発呼部20を使って予め登録されたプロバイダの電話番号に発呼する。なお、接続先となるプロバイダは1つ又は複数の中から選択するようにしても良い。ダイヤルアップによってプロバイダに回線が接続されたならば、メールデータ受信部21が上記したPOPにしたがったメール受信処理を実行する。
【0037】
以下、メールデータ受信部21によるメール受信処理の詳細について、図5を参照して説明する。
【0038】
ユーザがインターネットボタン33を押下することにより受信処理が開始されると(S100)、<LIST>によりメールボックスに蓄積されている受信メールのメッセージリストを問い合わせる(S101)。取得したメッセージリストから先頭のメッセージ番号を取りだし(S102)、新規受信メールか否か判断する(S103)。
【0039】
ここで、メールボックスには、過去に受信処理している途中でストップボタン34が押下されることにより受信処理が正常終了しないで削除されなかったメッセージ(以下、非受信対象メールと呼ぶ)と、前回アクセス時から今回アクセス時までの間に新規に受信した新規メッセージとが存在する。
【0040】
本実施の形態では、<RETR>により実際に電子メールのメッセージ受信を開始する前に、今回のメッセージ番号のものが非受信対象メールなのか新規メッセージなのかを判断している。たとえば、前回アクセス時に<STAT>の応答で通知されたメッセージ総数と、前回アクセス時に<DELE>で削除したメッセージ数と、今回アクセス時に<STAT>の応答で通知されたメッセージ総数と、今回のメッセージ番号とから、今回のメッセージ番号のものが非受信対象メールなのか新規メッセージなのかを判断する。詳細は特開平11-328060号公報に開示されている。
【0041】
なお、本発明は、<RETR>により実際に電子メールのメッセージ受信を開始する前に、今回のメッセージ番号のものが非受信対象メールなのか新規メッセージなのかを判断できるのであれば、その判断方法は上記方法に限定されるものではない。例えば、非受信対象メールのメッセージIDを記憶しておき、<RETR>発行前に特殊コマンドを使ってメッセージ番号を指定してメッセージIDだけをPOPサーバから取得出来るようにすれば、メッセージIDの比較によっても上記同様の判定が可能になる。
【0042】
ステップS103の処理において、新規メッセージであると判断された場合は、そのメッセージ番号を指定した<RETR>を送信して当該メッセージ番号の電子メールのメッセージ受信を開始する(S104)。
【0043】
ユーザは電子メールの受信開始後に当該メールの受信を止めたい場合にはストップボタン34を押下する。メールの受信を止めたい場合として、受信開始してから相当時間が経過しても受信が完了しない場合が一例として想定される。
【0044】
現在受信中のメッセージ受信が完了するまでの間、ステップS105の処理でストップボタン34が押下されたか否か常に監視し、ストップボタン34が押下されることなくメッセージ受信が完了したら(S106)、<DELE>により受信完了したメールの削除を指示する(S107)。
【0045】
一方、現在のメッセージ受信が完了する前にストップボタン34が押下された場合は、ステップS109に分岐して即座にコネクションを切断する。業務用インターネットファクシミリ装置には、ユーザがコネクション切断指示を出したら当該メールは空読みして<DELE>を送信してから切断するものがあるが、本発明のインターネットファクシミリ装置は空読みもせずにストップボタン34が押下されたら処理途中であってもコネクション断処理部22によって強制的に回線が切断される。
【0046】
これにより、モデム部11を介してプロバイダに接続しているような通信速度の遅い回線の場合には、メールデータが大きいときは空読み時間が長くなって電話料金がかさむことになるが、本実施の形態ではストップボタン34が押下された直後にコネクションが切断されるので不必要に電話料金が増大することを防止できる。
【0047】
ステップS109によりコネクションを切断した場合は、受信が中断された電子メールのメッセージIDを受信済みデータから取得してRAM16の所定アドレスに保存する(S110)。
【0048】
ストップボタン34が押下されない限り、上記ステップS102からステップS107までの処理を繰り替えし、次メッセージが無くなったところで(S108)、<QUIT>を送信して終了通知をPOPサーバへ伝え(S111)、その後、TCPコネクションを切断する(S112)。
【0049】
このように本実施の形態によれば、ストップボタン34が押下された直後にコネクションが切断されるので不必要に電話料金が増大することを防止できる。
【0050】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2について説明する。本実施の形態に係るインターネットファクシミリ装置は、上記実施の形態1と同一構成を有しており、後述するように受信中止時の処理内容が一部だけが異なっている。よって、ここでは異なる部分を中心に説明する。
【0051】
図6は実施の形態2に係るインターネットファクシミリ装置の受信処理のフローチャートである。ユーザがインターネットボタン33を押下することにより受信処理が開始されると(S200)、<LIST>によりメールボックスに蓄積されている受信メールのメッセージリストを問い合わせる(S201)。取得したメッセージリストから先頭のメッセージ番号を取りだし(S202)、取得済みメッセージか否か判断する(S203)。
【0052】
ここで、取得済みメッセージとは、前回のアクセス及び今回のアクセスを問わず一度取り込みを試みたメッセージのことを意味するものとする。本実施の形態では、ストップボタン34が押下されてもコネクションを切断しないで次メッセージの取得動作を継続するので、メッセージ数の管理だけでは新規メッセージでかつ初めて取り込もうとしているメッセージであるか否か判断できない。
【0053】
ステップS203では、後述するように今回のアクセスで「メッセージ取得済み」として処理されたメッセージ(実際には途中で受信中断しているのでメッセージは途中までしか取得されていない)か否かを判断し、且つ上記実施の形態1と同様の新規メッセージの判断とを、実行する。
【0054】
ステップS203の処理において、取得済みメッセージでないと判断された場合は、そのメッセージ番号を指定した<RETR>を送信して当該メッセージ番号の電子メールのメッセージ受信を開始する(S204)。
【0055】
現在受信中のメッセージ受信が完了するまでの間、ステップS205の処理でストップボタン34が押下されたか否か常に監視し、ストップボタン34が押下されることなくメッセージ受信が完了したら(S206)、次メッセージがあるか否か判断し(S207)、次メッセージが残っていればメッセージ番号をインクリメントして、上記ステップS202へ処理を移行する。
【0056】
一方、現在のメッセージ受信が完了する前にストップボタン34が押下された場合は、ステップS208に分岐して現在受信中のメッセージに関して受信中止の処理を実行する。この受信中止したメッセージのメッセージ番号をRAM16の所定アドレスに保存してメッセージ取得済みのフラグを立てる(S209)。
【0057】
これにより、ステップS203の処理において、メッセージ取得済みのフラグをチェックすることにより、今回のメッセージ番号が今回のアクセスで既に取り込みを試みたが受信中止したメッセージであるか否か判断することができる。
【0058】
ストップボタン34が押下されない限り、上記ステップS202からステップS207までの処理を繰り替えし、次メッセージが無くなったところで、<QUIT>を送信して終了通知をPOPサーバへ伝え(S210)、その後、TCPコネクションを切断する(S211)。
【0059】
このように本実施の形態によれば、ストップボタン34が押下された場合は、コネクションは維持したままそのメッセージの受信だけを中止し、次メッセージがあれば次メッセージのメッセージ受信を継続することができる。ユーザがストップボタン34を押下する度にコネクションが切断されるのを防止でき、スムーズなメッセージ受信が可能になる。
【0060】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3について説明する。本実施の形態に係るインターネットファクシミリ装置は、上記実施の形態1と同一構成を有しており、後述するように受信中止時の処理内容が一部だけが異なっている。よって、ここでは異なる部分を中心に説明する。
【0061】
図7は実施の形態3に係るインターネットファクシミリ装置の受信処理のフローチャートである。ユーザがインターネットボタン33を押下することにより受信処理が開始されると(S300)、<LIST>によりメールボックスに蓄積されている受信メールのメッセージリストを問い合わせる(S301)。取得したメッセージリストから先頭のメッセージ番号を取りだし(S302)、取得済みメッセージか否か判断する(S303)。ステップS303では、今回のアクセスで「メッセージ取得済み」として処理されたメッセージか否かの判断と、実施の形態1と同様の新規メッセージの判断とを、実行する。
【0062】
ステップS303の処理において、取得済みメッセージでないと判断された場合は、今回のメッセージ番号のデータサイズを<LIST>に対する応答の中から抽出する(S304)。今回のメッセージ番号のデータサイズが所定サイズ以下であれば(S305)、そのメッセージ番号を指定した<RETR>を送信して当該メッセージ番号の電子メールのメッセージ受信を実行する(S306)。そして、メッセージ受信が完了したら、次メッセージがあるか否か判断し(S307)、次メッセージが残っていればメッセージ番号をインクリメントして、上記ステップS302へ処理を移行する。
【0063】
一方、上記ステップS305の処理において、今回のメッセージ番号のデータサイズが所定サイズ以上であった場合は、ステップS308へ移行して当該メッセージ番号をRAMの所定アドレスに保存してメッセージ取得済みのフラグを立てる(S308)。
【0064】
これにより、ステップS303の処理において、メッセージ取得済みのフラグをチェックすることにより、今回のメッセージ番号が今回のアクセスで所定サイズ以上のためにスキップしたメッセージであることを認識でき、メモリオーバーするようなメッセージ受信を未然に禁止できる。
【0065】
以下、同様にステップS302からステップS308までの処理を繰り替えし、次メッセージが無くなったところで、<QUIT>を送信して終了通知をPOPサーバへ伝え(S309)、その後、TCPコネクションを切断する(S310)。
【0066】
このような本実施の形態によれば、所定サイズ以上のメッセージをダウンロード前に取得対象から排除することができ、ユーザが受信経過時間を判断してストップボタン34を押下する操作が不要になる。
【0067】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4について説明する。本実施の形態に係るインターネットファクシミリ装置は、上記実施の形態1と同一構成を有しており、上記実施の形態1又は2と同様の受信中止処理を実行し、ストップボタンが押下された時にはさらに図8に示す処理を実行する。
【0068】
すなわち、メッセージ受信を開始したら(S400)、受信メッセージのメールヘッダからFROMアドレス(発信元アドレス)を抽出してエラー時の返信先アドレスとしてRAM16の所定アドレスへ保存する(S401)。受信継続中はストップボタン34が押下されていないか常に監視し(S402、S403、S404)、次メッセージがある限りこの処理を繰り返す(S405)。そして、メッセージ受信中にストップボタン34の押下が検知されたならば、発信元に対してエラーの発生を知らせるためのエラー通知文書を作成し(S406)、その作成したエラー通知文書に上記ステップS401で保存した返信先メールアドレスを読み出し、その返信先メールアドレスをエラー通知文書のTOアドレスに設定して送信する(S407)。
【0069】
これにより、受信端末である本インターネットファクシミリ装置においてメッセージを取得できなかった時には、発信元に対してその旨の電子メールが送られるので、発信元において自分が送信したメールがエラーとなったことを認識することができ、発信元において適切な対策を取る事ができる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、大容量の電子メールをプロバイダのメールサーバに受信している場合であっても、その電子メールを取得するために何度も受信動作を繰り返すことにより電話料金がかさむことを確実に防止できるダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態1に係るインターネットファクシミリ装置のハードウエア構成図
【図2】
実施の形態1のインターネットファクシミリ装置における受信機能を中心とした機能ブロック図
【図3】
実施の形態1に係るインターネットファクシミリ装置の外観図
【図4】
POP3による通信手順を示すシーケンス図
【図5】
実施の形態1における受信処理のフロー図
【図6】
実施の形態2における受信処理のフロー図
【図7】
実施の形態3における受信処理のフロー図
【図8】
実施の形態4における受信処理のフロー図
【符号の説明】
10 CPU
11 モデム部
12 スキャナ
13 プリンタ
14 パネル部
15 ROM
16 RAM
21 メールデータ受信部
33 インターネットボタン
34 ストップボタン
35 スタートボタン
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-06-02 
出願番号 特願2000-402565(P2000-402565)
審決分類 P 1 652・ 121- ZD (H04N)
最終処分 一部取消  
前審関与審査官 堀井 啓明  
特許庁審判長 関川 正志
特許庁審判官 深沢 正志
江頭 信彦
登録日 2003-04-18 
登録番号 特許第3419756号(P3419756)
権利者 パナソニック コミュニケーションズ株式会社
発明の名称 ダイヤルアップ型インターネットファクシミリ装置  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 加藤 卓  
代理人 内藤 浩樹  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  
代理人 岩橋 文雄  
代理人 坂口 智康  

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