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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 H04N |
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管理番号 | 1105902 |
異議申立番号 | 異議2003-70363 |
総通号数 | 60 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-12-15 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-02-05 |
確定日 | 2004-09-13 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3314073号「画像処理装置及びデータ処理方法」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3314073号の請求項1ないし6に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.訂正の適否 1-1.訂正の内容 (1)訂正事項a 請求項1を、 「【請求項1】 ホストを接続するインターフェース手段と、 前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、 データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段と、 画像を記録出力する記録手段と、 データを送信する送信手段と、 前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、 前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。」と訂正する。 又、請求項6を、 「【請求項6】 互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、 前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を受信する工程と、 前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、 前記ホス.トが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とするデータ処理方法。」と訂正する。 (2)訂正事項b 段落番号【0005】を、 「【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記課題を解決することを目的として成されたものであって、ホストを接続するインターフェース手段と、前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段と、画像を記録出力する記録手段と、データを送信する送信手段と、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。」と訂正する。 又、段落番号【0006】を、 「【0006】又、本発明のデータ処理方法は、互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を受信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とする。」と訂正する。 (3)訂正事項c 段落番号【0090】を、 「【0090】以上説明したように、本発明によれば、画像処理装置にファイルトとして蓄積されている複数のデータの一覧とそれぞれの入力種別を表す情報をホストに通知し、ホストは入力種別を表す情報を参照してこの通知された一覧の中から一つのファイルを選択してホストからの指示で選択的に記録もしくは送信させることができ、システムとしての使い勝手が向上する。」と訂正する。 1-2.訂正の適否 請求項1及び6についての訂正事項aは、蓄積手段(請求項1)あるいはメモリ(請求項6)に「ファイル」を「それぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて」蓄積することを限定し、且つ画像処理装置からホストに通知される情報に「前記それぞれの入力種別を表す情報」を追加するもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。訂正事項aは、特許明細書の図20、【0046】〜【0050】に記載されていたことである。 以上とおりであるから、訂正事項aは、特許法第120条第2項及び第3項の規定に適合するものである。 また、その他の訂正事項b及びcについても特許法第120条第2項の規定に適合するものであるので上記訂正を認める。 1-3.むすび 以上のとおりであるから、上記平成16年7月12日付けの訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 2.異議申立てについての判断 2-1 本件発明 上記のとおり、訂正は認められるから、本件特許の発明(請求項1〜請求項6)は、訂正された特許明細書に記載された次のとおりのものである。 請求項1;ホストを接続するインターフェース手段と、 前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、 データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段と、 画像を記録出力する記録手段と、 データを送信する送信手段と、 前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、 前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 (以下、本件発明1という。) 請求項2;さらに、原稿上の画像を読み取る読取手段を有し、前記蓄積手段は前記読取手段からの画像データをファイルとして蓄積することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 請求項3;さらに、前記記録手段で画像を記録すべき記録紙の有無を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 請求項4;さらに、前記蓄積手段で蓄積しているファイルの属性情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。 請求項5;さらに、前記受信手段で受信した指示情報に基づき前記蓄積手段で蓄積しているファイルを削除する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。 請求項6;互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、 前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を受信する工程と、 前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、 前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とするデータ処理方法。 (以下、本件発明6という。) 2-2 取消理由通知で引用された刊行物の記載 刊行物1(特開平3-80664号公報) (1)「本発明は、画像データを光デイスク等に登録する電子フアイル装置に関し、特に、フアクシミリで受信した画像データの登録に関するものである。」(刊行物1の3頁上段左欄1〜3行) (2)「本発明は、受信したファクシミリデータを、直接登録できる電子ファイル装置を提供することを第1の目的とする。」(刊行物1の3頁下段左欄1〜3行) (3)「また、通常、画像は、イメージスキャナ等より入力され、メモリ上にビツトマップ展開され、その後、符号化され記憶媒体に記録されるが、この時、必要があれば、併せて、ファクシミリ送信手段が、メモリ上のビツトマップデータをファクシミリ通信に整合した符号則で符号化し、ファクシミリ送信する。」(刊行物1の5頁下段左欄2〜8行) (4)「以下、本発明の第1の実施例について説明する。 第1図に、1本実施例に係る電子ファイル装置の構成を示す。 図中、制御装置alは、電子ファイル装置全体の制御を行う、制御装置lの指示下で、ファクシミリ入出力制御装置4は、ファクシミリ機能を担当し、受信データのメモリ5上へのビットマップ展開や通信回線との入出力等を司る。 画像処理プロセツサ11は、メモリ5に一時保持されている画像のビットマップを符号化し、光ディスク入出力装置2を介して光ディスク3に登録する。または、逆に、光ディスク3の記憶データをメモリ5上にビットマップ展開する。 コード情報ビットマップ展開装置12は、セントロニクス入出力装置を介してワードプロセツサより受信した印字データのビットマップをメモリ5上に展開する。 操作部8は、ユーザよりの指示を受付け、制御装M1に伝達する。 表示装置9は、制御装置lの制御下で、制御情報やメモリマップ上にR関された画像を表示する。 画像入力部7は、イメージスキャナ等を有し。 メモリ5上に展開する画像データを発生する。 画像印刷装置6は、メモリマップ上に展開された画像を印刷する。 時計機構10は、時刻を示す。」(刊行物1の6頁上段右欄2行〜同頁下段左欄7行) (5)「本電子ファイル装置のオペレータが、操作部8を操作して制御装置1に画像情報のファクシミリ受信データの登録の指示を行うと、制御装置1はファクシミリ入出力装置4に受信の指示を行う。 その後、ファクシミリ入出力装置4はファクシミリからの画像データを受信すると、ビットマップに伸張し、メモリ5に一時記憶する。 次に、受信情報(発信元ダイヤル番号、発信元情報、パスワード)と、時計機構10の日付と時刻により、後述するタイトル情報を作成する。 そして、メモリ5上のビットマップを画像処理プロセツサ11により圧縮して、タイトル情報と共に、光ディスク人出力制御装置2を介して光ディスク3に登録する。」(刊行物1の6頁下段左欄10行〜同頁下段右欄3行) (6)「そして、印字データが1枚の用紙分となつた時点(改頁のコードがセントロニクスインタフェースより送られてきた場合も含む)で、オペレータの入力した名称と1時計機構10の日付と時刻によりタイトル情報を作成し、」(刊行物1の6頁下段右欄16〜20行) (7)「第2図に示すように、光ディスク3上の記憶領域には、タイトル情報格納部31と画像データ格納部32とが分離して設けられている。 また、メモリ5上には、後述するタイトル格納ポインタ50.画像格納ポインタ51、ファクシミリ受信した情報を一時格納するファクシミリ受信情報52、ビットマップを展開するビットマップメモリ53、ワードプロセツサより受信した印刷データを-”時格納するセントロバツフア54が設けられている。 タイトル情報格納部31は、複数のタイトル情報(T-1〜T-n)を格納し、タイトル格納ポインタ50がタイトル情報の最終アドレスをメモリ5内の示しく第3図参照)1画像格納ポインタS1が画像データの最終アドレスを示す。 タイトル情報は、第3図に示すように、登録年月日311、登録時刻312、発信元ダイヤル番号3131発信元情報3141名称315.ペ-ジ316と、制御情報である画像格納ポインタ317、画像サイズ318より構成される。」(刊行物1の上段左欄15行〜同頁上段右欄14行) (8)「また、ファクシミリ入出力制御装置4のファクシミリ機能を利用することにより、光ディスク3に記憶している画像データの配信や転送等も容易に実現できる。 次に、このようにして光ディスク3登録さレータ画像を検索する場合の動作について説明する。 第8図に、この場合の制御装置1の処理の流れを示す。 まず、オペレータは、タイトル情報(T-1〜T-n)の検索の為に検索条件及び文書パスワードを入力する(ステップ62)。 これを受け、制御装置11は、タイトル格納ポインタ50までのタイトル情報(T-1〜T-n)を、光ディスク3より読み出し(ステップ63)、検索条件及び文書パスワードと一致するかチエツクする(ステップ64)。 一致した場合は、一致したタイトル情報を表示装置9に表示し(ステップ65)、更に、必要な画像に対応するタイトル情報を選択させる(ステップ66)。 タイトル情報が選択されたら、該タイトルに対応する画像を、光ディスク3より読み出し1表示装置9に表示し(ステップ67)、印刷を要求さレータ場合は、印刷を行う(ステップ68)。 別の画像が必要であつた場合は、再び画像の選択より実行するが(ステップ72)、不要であれば検索を終了する。」(刊行物1の9頁上段左欄15行〜同頁下段左欄1行) 刊行物2(特開昭63-87858号公報) (1)「外部データ処理装置としてパーソナルコンピュータ(パソコン)等に接続された新規の画像処理装置に関するものであり」(刊行物2の1頁下段右欄6〜8行) (2)「1、ステ-タス要求コマンド。 パソコン8が本装置1に対して制御を行う時に本装置1の状態をレポートすることを要求するコマンドであり、このコマンドに対して本装置は(1)リモート制御の可否(2)エラー有無(3)動作完了の有無(4)ファクシミリ受信時の次頁要求(5)ファクシミリ動作時の通話要求(6)イメージプリンタ用紙切れについて応答する。」(刊行物2の6頁上段右欄6〜14行) (3)「ステップS7で、プリンタ用紙切れの判定が行なわれ、プリンタの用紙切れすなわち用紙未装着の場合は、 ステップS8で、用紙切れステータスをオンにして、第3図のランプ28を点灯する。」(刊行物2の7頁下段左欄16〜20行) 刊行物3(特開昭63-193765号公報) (1)「本発明は、ファクシミリ装置に関し、特に、遠隔地より文書消去信号を受信し、その指示に従い蓄積文書を消去するファクシミリ装置に関する。」(刊行物3の1頁下段左欄13〜15行) (2)「上記目的を達成する為に、本発明に係るファクシミリ装置は、遠隔地より送られてくる文書消去信号を受信する手段と、該受信手段により受信された前記文書消去信号により指定された文書を蓄積文書の中から探して消去する手段とを具備して構成される。」(刊行物3の1頁下段右欄15〜20行) (3)「遠隔地に設置されたホストコンピ-タから文章消去信号を受信した場合(1)には、文書管理番号テ-ブル14をサ-チして(2)、指定された文書番号があるかどうかをチエツクし(3)、もし存在すれば指定された文書番号を文書番号管理テ-ブル14から消去し(4)」(刊行物3の2頁上段左欄15〜20行) (4)「以上な説明したように、本発明によれば、ファクシミリ装置に文書消去信号を受信する機能とその信号により指定された文書を消去する機能とを持たせることにより、遠隔地から蓄積文書の消去を行える効果が得られる。 これにより、遠隔地にあるファクシミリ装置の蓄積装置が不要な文書で一杯となつて新たな文書の受信が不能となつた時に、不要な文書を消去して上記受信を可能とすることができる。」(刊行物3の2頁上段右欄5〜13行) 刊行物4(特開平1-221041号公報) 刊行物4には、ホストコンピュータとその周辺機器とをインターフェース手段で接続することが周知技術であることが示されている。 刊行物5(特開平1-314467号公報) (1)「ファックスサーバー3は、第2図に示すように、CPU11、メモリ12、記憶部13、I/F14、15、16、操作部17、画像入力部18、画像出力部19等を備えている。 CPU11は内部ROM(Read Only Memory)に内蔵されているプログラムに従つてファックスサーバー3としてのシーケンスを実行するとともに、本発明のリスト文書送信処理および電文送信処理を実行する。メモリ12は記憶部13に記憶される電文をフアイル管理するための情報、例えば、後述する各電文毎の識別標識としてのポインタや電文枚数、宛先名称等を記憶し、メモリ12の情報に基づいてCPU11が記憶部13内の電文をフアイル管理する。記憶部13は大容量のメモリであり、例えばハ-ドデイスクあるいは光デイスク等で構成されている。記憶部13にはフアクシミリ端末F1〜Fnやフアクシミリ端末Faから送信さてきた電文や画像入力部18で読み取られた電文が記憶され、記憶部13内に記憶された電文は、概念上、第3図に示すように、電文の宛先毎のメールボツクスに分類されて管理される。 すなわち、CPU11はメモリ12に各宛先毎に第4図に示すようなポインタテーブルを作成し、電文を受信すると、受信電文の宛先をチェックして宛先毎の受信順位に従つたエントリーナンバーを付与するとともにポインタを与えて記憶部13の当該ポインタのアドレスに受信電文を蓄積する。」(刊行物5の2頁下段右欄15行〜3頁上段左欄20行) (2)「CPU11はエントリーナンバー000であるポインタ0の記憶部13のアドレスに、第5図に示すようなリスト文書を蓄積する。このリスト文書はエントリーナンバー順に並べられた受信電文のリストであつて、各受信電文の所定部分(先頭頁の文頭の数行分の文書)にエントリーナンバーを付記したものである。」(刊行物5の3頁上段右欄3〜10行) (3)「画像入力部18は例えば、スキャナ装置であり、原稿の画像を読み取る。画像入力部18で読み取られた画像は電文として記憶部13に蓄積され、このときの宛先等の情報は操作部17から入力される。コネクタ19はサーマルヘッド等を利用したもので、記憶部13に蓄積した電文やリスト文書等を記録紙に記録することができる。」(刊行物5の3頁上段右欄13〜19行) (4)「CPU11はファクシミリ端末F1〜Fn等から送信要求があると、通常のファクシミリ手順に従つて電文の受信を行い、受信電文を記憶部13に蓄積する(ステップP1)。このとき、CPU11は受信電文に関する情報、例えば、宛先名、頁数等を調べるとともに、前記エントリーナンバーの取得(ステップP2)、ポインタの取得を行う(ステップP3)。取得したエントリーナンバーおよびポインタ等をポインタテーブルに書き込み(ステップP4)、受信電文を記憶部13の与えられたポインタのアドレスに蓄積する(ステップP5)。 次いで、記憶部13よりリスト文書を読み出し(ステップP6)、前記リスト文書の作成を行う(ステップP7)。」(刊行物5の3頁下段左欄10行〜同頁下段右欄3行) (5)「ファクシミリ端末F1〜Fnからリスト文書要求を示す所定のダイヤル番号の送出があると(ステップS2)、CPU11はそのダイヤル番号をチェックしてリスト文書要求であることを確認する(ステップS3)。CPU11はリスト文書要求を受けると、要求してきたファクシミリ端末F1〜Fn宛の電文のリスト文書を記憶部13から読み出しくステップS4)、読み出したリスト文書を当該ファクシミリ端末F1〜Fn、に送信する(ステップS5)。 リスト文書を受信したファクシミリ端末F1〜Fnのオペレータはこのリスト文書を見て必要な電文が有るか否か判断し、有るときには、受信要求を示すダイヤル番号と、必要な電文のエントリーナンバーを示すダイヤル番号をファックスサーバー3に送出して特定電文の受信要求を行う。CPu11は受信要求とエントリーナンバーを受信するとくステップS6)、エントリーナンバーを確認して(ステップS7)、当該エントリーナンバーに対応するポインタに基づいて記憶部13から電文を読み出し(ステップS8)、ファクシミリ端末F1〜Fnに電文を送信する(ステップS9)。 したがつて、各ファクシミリ端末F1〜Fnやファクシミリ端末Fa等のオペレータは電文の一部が表示されたリスト文書を見ることによりどのような電文が蓄積されているかを知ることができ、必要な電文の有無を判断することができる。その結果、必要な電文のみを速やかに要求することができ、通信時間を短縮して、通信コストを削減することができる。」(刊行物5の3頁下段右欄16行〜4頁上段右欄5行) 刊行物6(特開平2-58967号公報) 「蓄積型ファクシミリ1において蓄積装置4に蓄積された文書を送信又はプリントしようとする場合に、その文書の蓄積時間を指定すると文書検索パラメータ入力回路5から入力された蓄積時刻に該当する文書を文書検索回路6が蓄積装置4から探し出し、送信又はプリントを開始する。」(刊行物6の1頁下段右欄17行〜2頁上段左欄3行) 刊行物7(特開平3-44230号公報) (1)「この受信文書は、ファイル管理部14によりファイルNoがつけられ、かつ属性情報として紙サイズと解像度も管理される。」(刊行物7の8頁上段左欄6〜8行) (2)「未通知フアイルリストを生成する。 この未通知フアイルリストの例を第12図に示す。この未通知フアイルリストのフォーマットは、定型メッセージテーブル19に登録されているものであり、空欄をCPU10が埋めていくことになる。 フアイルの項目は、フアイルNo.受信時刻、紙サイズ、解像度等で構成される。 ここには、紙サイズ情報と解像度情報が含まれているため、受信端末でのフアイル処理、即ち、画面出力情報への変換や、共有プリンタの指定等が可能となる。 更に、ステツプS811で生成したリストをLAN端末出力制御部21へ渡し、ログインユーザ端末宛に送信する。」(刊行物7の9頁上段右欄1〜20行) 2-3.対比・判断 2-3-1.本件発明1について (2-3-1-1)一致点・相違点の認定 本件発明1と刊行物1の電子ファイル装置とを対比すると、両者は「ホストを接続するインターフェース手段と、前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、データをファイルとして複数蓄積する蓄積手段と、画像を記録出力する記録手段と、データを送信する送信手段と、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置」において一致するが、先ず次の点で両者は相違する。 相違点:刊行物1の電子ファイル装置は、本件発明1の「データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段」という構成を有しない点。 (2-3-1-2)相違点の判断 相違点について検討するに、刊行物2乃至7には、「データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段」については記載されておらず、刊行物2乃至7の記載から蓄積手段は自明の事項でもない。 当該事項により本件発明1は、画像処理装置にファイルとして蓄積されている複数のデータの一覧とそれぞれの入力種別を表す情報をホストに通知し、ホストは入力種別を表す情報を参照してこの通知された一覧の中から一つのファイルを選択してホストからの指示で選択的に記録もしくは送信させることができ、システムとしての使い勝手が向上するという効果を奏するものであり、本件発明1が上記刊行物1乃至7に記載のものから容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、本件発明1と刊行物1の電子ファイル装置との他の相違点についての検討、判断を示すまでもなく、本件発明1は、前記の各刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 2-3-2.請求項2乃至5について 上記のように、本件発明1は、刊行物1乃至7に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできないものであるから、本件発明1を引用している請求項2乃至5に係る発明も、当業者が容易に考えられるものではない。 2-3-3.本件発明6について (2-3-3-1)一致点・相違点の認定 本件発明6と刊行物1の電子ファイル装置とを対比すると、両者は「互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとして複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧を受信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とするデータ処理方法。」において一致するが、先ず次の点で両者は相違する。 相違点:刊行物1の電子ファイル装置は、本件発明6の「データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ」という構成を有しない点。 (2-3-3-2)相違点の判断 相違点について検討するに、刊行物2乃至7には、「データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ」については記載されておらず、刊行物2乃至7の記載から蓄積手段は自明の事項でもない。 当該事項により本件発明6は、画像処理装置にファイルとして蓄積されている複数のデータの一覧とそれぞれの入力種別を表す情報をホストに通知し、ホストは入力種別を表す情報を参照してこの通知された一覧の中から一つのファイルを選択してホストからの指示で選択的に記録もしくは送信させることができ、システムとしての使い勝手が向上するという効果を奏するものであり、本件発明6が上記刊行物1乃至7に記載のものから容易に発明をすることができたものとはいえない。 したがって、本件発明6と刊行物1の電子ファイル装置との他の相違点についての検討、判断を示すまでもなく、本件発明6は、前記の各刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。 3.結論 以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由によっては本件請求項1乃至6に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 したがって、本件請求項1乃至6に係る発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。 よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 画像処理装置及びデータ処理方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ホストを接続するインターフェース手段と、 前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、 データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段と、 画像を記録出力する記録手段と、 データを送信する送信手段と、 前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、 前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする画像処理装置。 【請求項2】 さらに、原稿上の画像を読み取る読取手段を有し、前記蓄積手段は前記読取手段からの画像データをファイルとして蓄積することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 【請求項3】 さらに、前記記録手段で画像を記録すべき記録紙の有無を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する手段を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。 【請求項4】 さらに、前記蓄積手段で蓄積しているファイルの属性情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の画像処理装置。 【請求項5】 さらに、前記受信手段で受信した指示情報に基づき前記蓄積手段で蓄積しているファイルを削除する手段を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の画像処理装置。 【請求項6】 互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、 前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を受信する工程と、 前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、 前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とするデータ処理方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、画像処理装置及びデータ処理方法に関し、特にホストと情報のやり取りを行うことができる画像処理装置及び互いにインターフェースを介して情報のやり取りを行うことのできるホスト及び画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 従来より、ファクシミリ装置をホストコンピュータにより制御し、各種アプリケーションを実現させるというシステムが知られている。このようなシステムでは、RS-232C、GPIBなどによってファクシミリ装置とホストコンピュータとを接続している。そして、ホストコンピュータからの指示でデータを記録させたり、送信させたりすることが提案されている。 【0003】 【発明が解決しようとしている課題】 しかしながら、従来では記録対象のデータ、送信対象にデータはもっぱらホストコンピュータから受信するデータであった。 【0004】 そのため、ファクシミリ装置側で蓄積しているデータを指定して記録、送信させることのできないものであった。 【0005】 【課題を解決するための手段】 本発明は、上記課題を解決することを目的として成されたものであって、ホストを接続するインターフェース手段と、前記インターフェース手段を介してホストからの指示情報を受信する受信手段と、データをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積する蓄積手段と、画像を記録出力する記録手段と、データを送信する送信手段と、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を、前記インターフェース手段を介してホストに通知する通知手段と、前記受信手段で受信したファイルIDを含む指示情報に基づき、前記蓄積手段に蓄積されている複数のファイルの中から一つを選択し、その選択されたファイルを前記記録手段で記録、もしくは前記送信手段で送信させるよう制御する制御手段とを有することを特徴とする。 【0006】 又、本発明のデータ処理方法は、互いにインターフェースを介して情報のやり取りのできるホスト、及びデータをファイルとしてそれぞれの入力種別が複数の種別のうちのいずれであるかを表す情報と対応付けて複数蓄積するメモリ、画像を記録出力する記録部、データを送信する送信手段を備えた画像処理装置を有するシステムにおけるデータ処理方法において、前記ホストが前記画像処理装置から、前記メモリ内に蓄積されている複数のファイルのファイルID一覧と前記それぞれの入力種別を表す情報を受信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記記録部で記録するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程と、前記ホストが、ファイルIDに基づき前記メモリに蓄積されている複数のファイルの中の一つを指定し、その指定されたファイルを前記送信手段で送信するよう指示する指示情報を、前記インターフェースを介して前記画像処理装置に送信する工程とを有することを特徴とする。 【0007】 【発明の実施の形態】 以下、添付図面を参照して本発明に係る好適な実施の形態を詳細に説明をする。 【0008】 図1は、本実施の形態に係るファクシミリ装置(以下、装置という)全体の構成を示すブロック図である。同図において、CPU1は、ROM2に格納された制御プログラムに従い、本装置全体の制御を行ない、RAM3にはワークや制御データが一時的に保存される。また、イメージメモリ4は画像データをハンドリングするためのメモリであり、画像変換部5では解像度、紙サイズ、符号化方式を変換処理する。 【0009】 本装置では、原稿(画像)は画像読取り部(スキャナ)6にて読み取られ、画像記録部(プリンタ)7にてプリント出力される。また、回線制御部8にて、本装置と通信網との通信手順が制御され、ホストコンピュータ15と装置との通信手順は、対ホストi/f部9にて制御される。尚、本発明では、インターフェースとしてSCSI(Small Computer System Interface)を採用している。SCSIは、RS-232C,GPIBよりも高速でデータ転送が可能なインタフェースである。 【0010】 ファイル管理部10では、ファクシミリ装置内で作成されるドキュメント(文書)の管理を行ない、その文書は記憶装置11に蓄積される。ファクシミリ装置としてのオペレーションは、操作部12にて行なう。尚、上記回線制御部8と網、対ホストi/f部9とホストコンピュータ15とは、それぞれ専用ケーブル13,14にて接続される。 【0011】 以下、本実施の形態に係るファクシミリ装置における制御について詳細に説明する。尚、本ファクシミリ装置としての送信、受信、コピー等の動作や方式については公知であるため、ここではその説明を省略する。 【0012】 そこで、本装置について、対ホストi/f9を介しての外部からの制御を、以下に詳細に記述する。 【0013】 図2は、本ファクシミリ装置を構成する各ブロックの論理ユニット割り当ての例を示すものである。同図において、全論理ユニット21は、ファクシミリ装置全体を1つのユニットとして位置づけたユニットであり、スキャナ22、プリンタ23、イメージメモリ24、回線ユニツト25では、それぞれスキャナ部、プリンタ部、イメージメモリ部、回線制御部を機能ブロックとして論理的なidを設定している。本実施の形態では、これらの各ユニットに対して固有のコマンドを設定し、各ユニットの機能を最大限に活かし、かつホストコンピュータ15側の負担を最小限に抑えるようにしている。 【0014】 次に、各ユニット別に、ユニツトにて提供される機能などについて述べる。 【0015】 図3は、対ホストi/f9から入力されるコマンド処理の概要を示すフローチヤートである。同図において、ステツプS301〜S305では、どのユニットに対するコマンドかを判別し、そこでの判別結果に基づいてステツプS307〜S311にて各ユニット別の処理フローを実行する。また、ステツプS306では、未定義のコマンド等の不正コマンドが入力された場合の処理であるが、基本的には無視される。 <全論理ユニットコマンドの処理>図4は、図3のステツプS307における全論理ユニットコマンドの詳細処理を示すフローチヤートである。 [リザーブユニットコマンド処理]リザーブユニットコマンドは、ホストコンピュータ15側よりファクシミリ装置側の機能を活用すべく制御する際に、最初に発行されるべきコマンドであり、ファクシミリ装置側では、本コマンドを受けると内部の動作状態等をチェックし、以降ホストコンピュータ15側の制御に従うことができるか否かで異なるステータスをホストコンピュータ15側に通知する。 【0016】 また、本実施の形態においては、リザーブユニットコマンドを正常に処理した後は、“On-Line”モードと称し、それ以降は、ホスト側からのコマンドを操作部12からのオペレーションに優先させて処理させている。具体的には、図4のステツプS401においてリザーブユニットコマンドと判断した場合、ステツプS410でファクシミリ装置内部の状態を確認し、その結果ホストコンピュータ15からの各種制御コマンドを実行し得る状態でなければ、ステツプS413で確認ステータスの送出を行なう(SCSIの規約上のCheck Conditionステータスの送出)。 【0017】 確認ステータスが送出された場合、ホストコンピュータ15からは情報要求コマンドを発行することにより、その理由を知ることができる。 【0018】 ステツプS410での内部ステータスチェックの結果が正常ならば、ステツプS411でOn-Lineモードへ移行し、操作部12への状態表示処理、内部制御ステータスの設定等を行ない、続くステツプS412でリザーブユニットコマンドの処理を正常に終了したことを示す正常ステータス送出処理(SCSI規約上のgoodステータス送出を行なう)。 [リリースユニットコマンド処理]本コマンドは、リザーブユニットでファクシミリ装置としてOn-Lineモードとなり、ホストコンピュータ15側からのコマンド処理を優先的に処理していた状態から、通常のファクシミリ装置として動作するOff-Lineのモードへ移行させるためのコマンドである。 【0019】 ステツプS402においてリリースコマンドと判断された場合、ステツプS420でOff-Lineのモードへの移行処理を行なう。ホストコンピュータ15からのコマンドを実行中の場合は、その実行を中断させ、内部ステータスをOff-Lineモードへ移行させ、ステツプS421で正常ステータスを送出して処理を終了する。 [情報要求コマンド処理]本コマンドは、本装置として有する機能をホストコンピュータ側へ通知させるだけでなく、確認ステータスを選出した場合には、その異状理由を通知する。 【0020】 処理としては、ステツプS403にて情報要求コマンドと判断された場合、ステツプS430で内部情報通知処理を行ない、続くステツプS431で正常ステータス送出処理を行なつてコマンド処理を終了する。 【0021】 ステツプS404では、全論理ユニットとしての未定義のコマンドを受けた場合の処理であり、確認ステータスを選出する。 【0022】 尚、図14に、全論理ユニットとして運用されるパラメータ群の一覧について示す。 <スキャナコマンドの処理>図5は、図3のステツプS308におけるスキャナユニット6に対する各種コマンドの詳細処理を示すフローチヤートであり、図15は、スキャナコマンドで運用されるパラメータ群の一覧を示す。 [スキャナ情報要求コマンド処理]本コマンドは、スキャナ部6の情報をホストに通知させるためのコマンドであり、具体的には原稿の有無、原稿サイズ、障害の有無について通知する。図5-1のステツプS501でスキャナ情報要求コマンドと判断すると、ステツプS510で、そのスキャナ情報をホストコンピュータへ送出し、ステツプS511で正常ステータスを送出して一連の処理を終了させる。 [読み取りパラメータセットコマンド処理]本コマンドは、読み取り要求コマンドを受ける前に、読み取りモードの指定を受けるためのコマンドであり、解像度、符号化方式等の設定を受けつける。処理としては、ステツプS502で本コマンドと判断したならば、ステツプS520で所定のパラメータを受け付け、ステツプS521で正常ステータスを送出して、処理を終了する。 [読み取り要求コマンド処理]本コマンドは、上記読み取りパラメータセットコマンドを受けつけた後に、実際にスキャナにセットされた原稿を読み取り、ファクシミリ装置内の記憶装置11にイメージデータを格納させるためのコマンドである。 【0023】 ステツプS503で本コマンドと判断したならば、ステツプS531でスキャナの状態、読み取りパラメータの設定の有無(指定なき場合は、あらかじめ設定されたデフォルト値で動作させる)を確認し、実行できない状態ならば、ステツプS533で確認ステータス送出を行ない、処理を終了する。しかし、実行が可能ならば、ステツプS532においてディスコネクト処理を行ない、ホストコンピュータの論理的接続を一時解除して、他のコマンド(特にストップコマンド)が受けつけられる状態にしておく。続いて、ファクシミリ装置の機能を用いてステツプS534にて読み取り処理を行ない、次のステツプS535にてファイル管理部10に対してファイル登録処理を行なう。 【0024】 これにより、ホストから解像度、符号化方式等を指定してファクシミリ装置内のスキャナで画像を読み取らせることができ、さらに、その画像をファイルとして管理することができる。 【0025】 ファイル登録処理が終了後は、ステツプS536でリセレクト処理を行ない、再びホストコンピュータとの論理的接続を行なう。その後、ステツプS537で読み取り処理の結果が正常か異常かを判断し、異常ならばステツプS538で確認ステータス選出を行なう。しかし、処理結果が正常であれば、ステツプS539で正常ステータスの送出を行なうことで、一連の処理を終了させる。 [ファイル情報要求コマンド処理]本コマンドは、読み取り要求コマンド実行により作成されたファイル情報、例えばファイル管理id、ファイルサイズ等をホストコンピュータに通知するために用いる。 【0026】 処理としては、図5-2のステツプS504でファイル情報要求コマンドと判断したならば、ステツプS540でそのファイル情報を送出し、続くステツプS541で正常ステータスを送出することで処理を終了する。 [ストップコマンド処理]本コマンドは、読み取り要求コマンドに基づき、原稿の読み取り動作中にその読み取り動作を中断させる際に用いられる。 【0027】 ステップS505でストップコマンドと判断したならば、ステップS550で読み取り処理を中断し、ステップS551でストップコマンドを実行したことをホストに通知するために正常ステータスを送出し、ステップS552で読み取り処理が中断されたことに伴う、後処理を実行して処理を終了する。 [ステータス要求コマンド処理]本コマンドは、他のスキャナコマンド処理に対して確認ステータス送出を行なった後に発行され、確認ステータスが発行された要因についてホストコンピュータ側に通知させるものである。 【0028】 処理としては、ステツプS506で本コマンドと判断されたならば、ステツプS560で所定のステータス情報を送出し、ステツプS561で正常ステータスを送出して処理を終了する。 【0029】 尚、ステツプS507は、未定義のスキャナコマンドを受信した際に、確認ステータスを発行することを示している。 <プリンタコマンド処理>図6は、プリンタコマンド処理に関する処理を示すフローチヤートである。また、図16は、プリンタコマンドで運用されるパラメータ群を示している。 [プリンタ情報要求コマンド処理]本コマンドは、プリンタ部7における記録紙の有無、サイズ、障害等をホストコンピュータに通知するためのコマンドである。 【0030】 図6-1のステツプS601において本コマンドであることを判断すると、ステツプS601で、それらの情報の送出処理を行ない、ステツプS611で正常ステータスを送出して処理を終了する。 [プリント出力要求コマンド処理]本コマンドは、ファクシミリ装置内に管理されたドキュメントを選択的にプリント出力させるときに用いる。 【0031】 ステツプS602において本コマンドであることを判断したら、ステツプS620において、プリンタの状態、指定されたファイルの有無等をチェックし、異状が検知されるとステツプS620で確認ステータスの送出を行なつて処理を終了する。しかし、確認結果が正常ならば、ステツプS622でホストコンピュータとの論理的接続を一時的に断ち、ステツプS623で、指定されたファイルのプリントアウト処理を行なう。プリントアウト処理終了後は、ステツプS624で再度ホストコンピュータとの論理的接続を行ない、ステツプS625での判定でプリント出力処理の結果が正常ならば、ステツプS626で、正常ステータスの送出処理を行なう。しかし、プリント出力処理の結果が異常ならば、ステツプS627で確認ステータスの送出処理を行ない、処理を終了させる。 【0032】 これにより、ファクシミリ装置内にファイルとして管理されているドキュメントをホストからの指示によりファクシミリ装置内のプリンタで出力することができる。 [ストップコマンド処理]本コマンドは、プリント出力要求コマンド実行中に、その処理を中断させたいときに用いられるコマンドである。 【0033】 図6-2のステツプS603で本コマンドと判断したならば、ステツプS630でプリント出力の中断処理を行ない、ステツプS631で本コマンドの実行を終了した意味での正常ステータスの送出処理を行なう。その後、ステツプS631でプリント出力要求の実行が中断されたことに伴う後処理を実行することで、一連の処理を終了する。 [ステータス要求コマンド処理]本コマンドは、他のプリンタコマンド処理に対して、確認ステータス送出を行なった後に、その確認ステータスが発行された要因についてホストコンピュータ側に通知するために用いられる。 【0034】 処理としては、ステツプS604で本コマンドと判断されたならば、ステツプS640で所定の情報を送出し、ステツプS641で正常ステータスを送出して、処理を終了する。 【0035】 ステツプS605は、未定義のプリンタコマンドを受けた場合に、確認ステータス送出処理を行なうことを示している。 <イメージコマンド処理>図7は、イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤートである。また、図17は、イメージコマンドで運用するパラメータについて示している。 [属性指定コマンド処理]本コマンドは、次に述べるデータライトコマンドでファイルの作成を行なうのに先立ち、ファイルとしての属性、例えば、画情報ならば、イメージサイズ、解像度、符号化形態、また、キャラクタデータであるならば、そのコード体系等をあらかじめ指定するものであり、その情報をファイルの属性として管理するために用いる。 【0036】 処理としては、図7-1のステツプS701で本コマンドであることを判断したならば、ステツプS710で所定の属性指定パラメータを受信処理し、ステツプS711で正常ステータス送出を行ない、処理の終了となる。 [データライトコマンド処理]本コマンドは、ファクシミリ装置内でのドキュメントファイル作成に際し、そのデータをホストからファクシミリ装置に転送するために用いられる。本実施の形態では、1つのファイルに対して複数ページのデータを管理することはできるが、1文書1ファイルを前提としている。そして、ファイルを作成するに当たり、本コマンドを発行する前には、先に述べた属性指定コマンドにより、ファイル属性の指定があらかじめ宣言されていることを原則とする。 【0037】 また、1つのファイルを作成するにあたり、本コマンドが複数回発行される可能性があり、1ページデータの終了か否か、また、ファイルデータとして最終であるか否かのフラグを本コマンド内のパラメータとして指定できる。これらのフラグにより、ページ単位の管理、ドキュメント単位の管理ができるようになっている。 【0038】 以下、フローチヤートを参照して、具体的な処理について述べる。 【0039】 図7-1のステツプS702において本コマンドであることを判断したら、ステツプS720において、ファクシミリ装置内での処理ステータスをチェックする。これは、属性指定コマンドによりファイル属性が明確になっているか、また、ファイルを作成するに十分な記憶容量が残っているか等の確認を行なうものであり、ここで異常と判断されたならば、ステツプS721において確認ステータスを送出して処理を終了する。 【0040】 この時点で、すでに処理されたドキュメントのデータがあっても、以下に述べるステツプS732におけるファイル登録処理が正常に処理されない場合には、無条件にそのデータは廃棄される。 【0041】 ステツプS720で処理ステータスが正常と判断された場合は、ステツプS722でドキュメントデータをファックス内に取り込む処理を行ない、この時点で記憶容量不足等の異常があれば、ステツプS724で確認ステータスの送出を行つて処理を終了する。しかし、ステツプS723で処理結果が正常と判断されると、ステツプS725でページ境界のデータであるか否かを見て、ページデータとして継続される場合は、ステツプS726で正常ステータスを送出する。そして、次のデータライトコマンドの受信を待つ。 【0042】 ステツプS725での判定がYESであれば、図7-2のステツプS727で、ページデータとして、一旦ファイル管理上のクローズ処理を行ない、続くステツプS728で、そのクローズ処理に異常がなかったか否かを見る。ここで問題が発生していれば、ステツプS729で確認ステータスの送出処理を行なうが、問題が無ければ、ステツプS730でドキュメントファイルとして終了か否かを判定する。 【0043】 継続してページデータが送られてくる場合は、ステツプS730での判定結果はNOとなるので、ステツプS731で正常ステータスを送出して、新たなデータライトコマンドを待つ。しかし、ドキュメントとして終了した場合は、ステツプS732でファイルとしての登録処理を行ない、ステツプS733で、その処理が正常と判断されたならば、ステツプS735で正常ステータスの送出を行なう。 【0044】 一方、ステップS733で異常があると判断されると、ステツプS734で確認ステータスの送出が行なわれ、一連のファイル作成処理が終了する。 [ファイル指定コマンド処理]本コマンドは、ファクシミリ装置内で管理されたドキュメントデータをホストコンピュータへ転送するための実行コマンドであるデータリードコマンドを発行する前に、転送処理すべきファイルの指定を行なうためのコマンドである。 【0045】 図7-3のステツプS703で本コマンドと判断されたならば、ステツプS740で所定のファイル指定情報を受信処理し、続くステツプS741で正常ステータスの送出を行なつて処理を終了する。 [データリードコマンド処理]本コマンドは、あらかじめ上述のファイル指定コマンドで指定されたファイルデータをホストコンピュータへ転送させるためのコマンドである。 【0046】 ステツプS704で本コマンドと判断したならば、まずステツプS750において、本ファイルデータ転送処理に関連した内部ステータスを確認し、その結果が異常ならば、ステツプS751で確認ステータスを送出して、処理を終了する。しかし、ステツプS750での確認結果が正常ならば、ステツプS752においてデータ転送処理を実行し、次のステツプS753で、指定された転送バイト数に至らない状態で転送すべきデータが無くなれば、ステツプS754で確認ステータスの送出を行なって処理を終了する。しかし、送信データがあれば、ステツプS755で正常ステータスを送出して、処理を終了する。 [ファイル情報要求コマンド処理]本コマンドは、ファクシミリ装置内に管理されたファイルの情報をホストコンピュータに通知させるために用いられる。 【0047】 本実施の形態では、ファイル情報を要求するときに3種類のコマンド種別を用意し、それらに対応した情報をホストコンピュータに通知させる。図19に、それらのコマンドについて示す。 【0048】 コマンド種別が「ファイルID一覧要求」の場合は、情報としてファクシミリ装置内に管理されたファイルのIDの一覧を通知する。「個別ファイル情報要求」の場合は、所定のファイルID、ページ番号を同時に指定し、図20に示すようなファイル情報をホストに通知する。また、「最新ファイル情報要求」の場合は、最後に作成されたファイルのファイル情報を、図20に示した形態でホストコンピュータに通知する。 【0049】 尚、ファイル情報要求コマンドは、スキャナコマンド、イメージメモリコマンド、通信コマンドに対して用意されているが、コマンド種別が「最新ファイル情報要求」の場合は、読み取り要求コマンド、データライトコマンド、受信要求コマンド(ポーリング受信コマンドを含む)を実行したときに作成されたそれぞれのファイルの最新のファイルの情報を通知する。このように、本実施の形態では、ファクシミリ装置内にファイルとして格納されている情報を、ホスト側で運用しやすい形態で引き出すことができる。 【0050】 コマンドの処理としては、図7-4のステツプS705で本コマンドと判断したならば、ステツプS760で、先に述べたコマンド種別に応じたファイル情報をホストコンピュータへ送出し、ステツプS771で正常ステータスを送出して処理を終了する。 [ファイルデリート要求コマンド]本コマンドは、指定されたファイルのデリート処理を行なうものであり、ステツプS706で本コマンドと判断したならば、ステツプS770で、指定されたファイルのデリート処理を行ない、ステップS771で正常ステータスを送出して処理を終了する。ここで、指定されたファイルが存在しない場合は、そのまま正常ステータスの送出処理をする。 [ステータス要求コマンド処理]本コマンドは、他のイメージメモリコマンド処理に対して、確認ステータス送出を行なった際に発行され、確認ステータスが発行された要因についてホストコンピュータ側に通知させるものである。 【0051】 ステツプS707で本コマンドと判断されたならば、ステツプS780で所定の情報の送出処理を行ない、ステツプS781で正常ステータスを送出して処理を終了する。 【0052】 尚、ステツプS708は、未定義のイメージメモリコマンドを受けた際に、確認ステータスを発行することを示している。 <通信コマンド処理>図8は、通信コマンド処理を示すフローチヤートであり、図18は、通信コマンドで運用されるパラメータ群について示す。 [セッションオープンコマンド処理]本コマンドは、所定の相手端末に対して発呼処理し、セッションレイヤまでの通信手順を制御するためのものである。 【0053】 図8-1のステツプS801で本コマンドと判断したならば、ステツプS820で、ホストコンピュータから指定されたアドレス情報、端末特性、端末能力情報を用いて発呼処理する。ステツプS821で、処理結果としてRSSPを受信し、正常に発呼処理が終了していると判断されれば、ステツプS823で正常ステータスの送出を行なう。しかし、ステツプS821でRSSNを受信する等、end-to-endでセッションレイヤまで接続できなかった場合は、ステツプS822で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。 [相手端末情報要求コマンド処理]本コマンドは、先に述べたセッションオープンコマンド処理において、相手端末とセッションレイヤまで接続されたとき、相手側からRSSP等で通知された情報をホストコンピュータへ通知させるためのものである。 【0054】 ステツプS802で本コマンドと判断したら、ステツプS830でセッションレイヤまで接続された状態であることを確認し、送出すべきデータがないときは、ステツプS831で確認ステータスを送出して処理を終了する。しかし、ステツプS830での判断でステータス確認が正常であれば、ステツプS832で相手端末情報を送出し、ステツプS833で正常ステータスを送出して処理を終了する。相手端末情報を受信したホストコンピュータは、この情報を表示部に表示する。これにより、所望の相手先に確実に発呼できたか否かの確認、及びホストのオペレータが処理したい通信アプリケーションの処理能力を相手装置が有するか否かを確認できる。そして、確認した情報に基づき、文書の送信及び受信が可能となる。 [セッションクローズコマンド処理]本コマンドは、セッションレイヤまで接続された状態から、回線切断処理までを行なうものである。 【0055】 ステツプS803で本コマンドと判断したら、ステツプS840でCSEの送出から始まる切断処理を実行し、ステツプS841で正常ステータスの送出を行なって処理を終了する。 [通信結果要求コマンド処理]本コマンドは、後述する送信要求コマンド、受信要求コマンド、ポーリング受信コマンドを実行したときの通信結果をホストコンピュータへ通知させるためのものである。 【0056】 図8-4のステツプS804で本コマンドと判断したら、ステツプS850で最新の通信結果をホストコンピュータへ通知し、ステツプS851で正常ステータスの送出を行ない処理を終了する。 [通信中断コマンド処理]本コマンドは、後述する送信要求コマンド、受信要求コマンド、ポーリング受信要求コマンド等の処理の実行を中断させるためのものである。 【0057】 ステツプS805で本コマンドと判断したならば、ステツプS860で通信中断処理を行ない、回線を切断する。そして、ステツプS861で本コマンドに対する正常ステータスの送出を行ない、続くステツプS862で、実行が中断されたコマンドに対する後処理を行なって処理を終了する。 [ファイル情報要求コマンド]本コマンドは、受信要求コマンド、ポーリング受信要求コマンドにより受信された文書ファイルの情報についてホストコンピュータに通知させるものである。ステツプS806で本コマンドと判断したならば、ステツプS870で所定のファイル情報の送出を行ない、ステツプS871で正常ステータスを送出して処理を終了する。 [送信要求コマンド]本コマンドは、所定の文書ファイルを相手端末に送信させるためのコマンドである。尚、送信文書ファイルはあらかじめファクシミリ内部にファイル化されていることを前提とする。また、送信要求を受けるにあたり、本実施の形態においては2つの形態がある。1つ発呼送信要求であり、他の1つはセッションモード送信要求である。それぞれの処理の詳細については後述するが、大きな違いは発呼処理を含むか否かという点である。 【0058】 図8-3のステツプS807で本コマンドと判断したら、まずステツプS880で発呼送信要求か否かを判断し、発呼送信要求ならばステツプS881で発呼送信処理(図9に示すフローチヤートに従い後述する)を行ない、ステツプS880で発呼送信要求ではないと判定されると、ステツプS882でセッションモード送信要求があるかどうかの判定をする。 【0059】 ステツプS882でセッションモード送信要求があれば、ステツプS883でセッションモード送信処理(図10に示すフローチヤート参照)を行なう。しかし、ステツプS880,S882いずれにおいても、その判定がNOであれば、エラー処理としてステツプS884で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。 [受信要求コマンド処理]本コマンドは、On-Lineモードにおいて受信処理させるためのコマンドである。その処理としては、ステツプS808で本コマンドと判断したならば、ステツプS890で受信要求処理を行ない、処理を終了する(詳細は、図11に示すフローチヤートを参照して説明する)。 [ポーリング受信要求コマンド処理]本コマンドは、所定の相手端末からポーリング受信を実行するためのコマンドである。本コマンドにおいても、先の送信要求コマンドと同様、大別して2つの処理形態をサポートしている。1つは発呼ポーリング処理(図12を参照)であり、他の1つはセッションモードポーリング処理(図13を参照)である。 【0060】 図8-4のステツプS809で本コマンドと判断したならば、まずステツプS900で発呼ポーリング要求か否かを判断し、発呼ポーリング要求ならば、ステツプS901で発呼ポーリング処理を行なう。しかし、発呼ポーリング要求でなければ、ステツプS902でセッションモードポーリング要求か否かを判定し、その結果がYESならば、ステツプS903でセッションモードポーリング処理を行なう。 【0061】 ステツプS900,S902のいずれにおいても、その判定結果がNOであれば、エラー処理としてステツプS904で確認ステータスの送出を行ない、処理を終了する。 [ステータス要求コマンド処理]本コマンドは、他の通信コマンド処理に対して確認ステータス送出を行なった際に発行し、確認ステータスが発行された要因についてホストコンピュータ側に通知させるものである。 【0062】 ステツプS810で本コマンドと判断したならば、ステツプS910でステータス情報の送出を行ない、次のステツプS911で正常ステータスを送出して処理を終了する。 【0063】 尚、ステツプS811は、未定義の通信コマンドを受けた際に、確認ステータスを発行することを示している。 【0064】 次に、図8-3,8-4に示した通信コマンド処理における、 ▲1▼発呼送信処理 ▲2▼セッションモード送信処理 ▲3▼受信要求処理 ▲4▼発呼ポーリング処理 ▲5▼セッションモードポーリング処理について詳細に説明する。 【0065】 図9は、発呼送信処理を示す詳細フローチヤートである。同図において、ステツプS1001で、装置の状態として発呼送信ができるか否かを確認し、通信回線がビジー等でその処理ができない状態ならば、ステツプS1002で確認ステータスを送出して、その処理を終了する。 【0066】 一方、ステツプS1001でのステータス確認の結果、発呼送信が可能と判定されると、ステツプS1003で一旦ディストネクトして論理的にホストコンピュータとの接続を解放し、ストップコマンド等を受けつけられる状態にする。そして、ステツプS1004において、ホストコンピュータから指定されたアドレス情報に基づき発呼処理をして、相手側とセッションレイヤまでの接続処理を行なう。 【0067】 ステツプS1005で相手側と正常に接続できたか否かを判断し、正常に接続できないと判断されたならば、ステツプS1006でリセレクト処理を行なってホストコンピュータとの論理的接続を行ない、続くステツプS1007で確認ステータスの送出を行なって処理を終了する。 【0068】 ステツプS1005での判断の結果、相手側と正常に接続できたときは、ステツプS1008で、セッションレイヤまでの接続が終了後、ホストコンピュータから指定されたドキュメントの送信処理を行なう。そして、ステツプS1009でドキュメント送信処理結果が異常と判断されれば、ステツプS1010へ進み、正常であればステツプS1012に進む。 【0069】 ステツプS1010では、通信中か否かを判定し、通信中であれば、ステツプS1011で切断処理を行ない、上述のステツプS1006の処理へ進むが、通信中でなければ、直接ステツプS1006の処理へ進む。また、ステツプS1012では通信の切断処理を行ない、次のステツプS1013でリセレクト処理を行なった後、ステツプS1014で正常ステータス送出を行ない処理を終了させる。 【0070】 図10は、セッションモード送信処理を示すフローチヤートである。同図において、ステツプS1101で所定の相手とのセッションまでの接続がなされているかを確認し、本処理を続行できるないと判定した場合、ステツプS1102において確認ステータスの送出を行ない、処理を終了する。 【0071】 しかし、ステツプS1101での判定の結果、上記接続がなされているときは、ステツプS1103で、まずデスコネクト処理を行ない、続くステツプS1104においてドキュメント送信処理を行なう。そして、ステツプS1105で送信処理が異常であると判断したならば、ステツプS1106に進んでリセレクト処理を実行し、ステツプS1107で確認ステータスを送出して処理を終了する。 【0072】 一方、ステツプS1105での判断で送信処理が正常であれば、ステツプS1108でリセレクト処理を行ない、ステツプS1109で正常ステータスを送出して処理を終了する。 【0073】 図11は、受信要求処理を示すフローチヤートである。同図において、ステツプS1201で受信処理を実行できる状態か否かを確認し、できない状態であると判断されれば、ステツプS1202で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。 【0074】 受信処理を実行できると判断された場合は、ステツプS1203へ進んでディスコネクト処理を行なった後、ステツプS1204へ進む。本ステップで、本装置は受信待機状態となり、本実施の形態では任意の相手からの着呼を待つ。そして、着呼があれば、それを受け付けて受信処理を行なう。ステツプS1205では、その受信結果を判定し、それが異常であればステツプS1206へ進んでリセレクト処理を実行する。そして、ステツプS1207で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。 【0075】 しかし、受信結果が正常であれば、ステツプS1208で受信処理した文書のファイル登録処理を行なう。そして、ステツプS1209での判断で、その処理結果が異常であればステツプS1206の、また、正常であればステツプS1210の処理へと進める。 【0076】 ステツプS1206,S1210ではリセレクト処理が行なわれ、ステツプS1207では確認ステータスの送出、ステツプS1211では正常ステータスの送出を行ない、処理を終了する。 【0077】 図12は、発呼ポーリング処理手順を示すフローチヤートである。 【0078】 図12-1のステツプS1301では、まず装置内のステータスの確認をし、処理が続行できない状態であると判断されたならば、ステツプS1302で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。しかし、処理が続行できると判断されればステツプS1303へ進み、ディスコネクト処理を行なう。続くステツプS1304で、ホストコンピュータで指定された相手先へ発呼処理をし、セッションレイヤまでの接続処理を行なう。そして、ステツプS1305で、その処理結果の判定を行ない、判定結果が異常ならばステツプS1313(図12-2)へ進む。 【0079】 ステツプS1305での判定結果が正常ならば、ステツプS1306で送信権反転処理(セッション反転)を行ない、次のステツプS1307にてドキュメントが送られてくるのを待つ。このステツプS1307で、CDSにより相手側からのドキュメント送信が開始されたならば、ステツプS1308でドキュメント受信処理を行なう。しかし、相手側からドキュメント送信をしないままに送信権反転処理を求められたならば、ステツプS1311(図12-2)へ進む。 【0080】 ステツプS1309では受信処理結果の判定を行ない、その結果が正常であると判定されればステツプS1310へ進んで、受信文書のファイル登録処理を実行する。しかし、判定結果が異常であれば、そのまま図12-2のステツプS1311へ進み、送信権反転処理を行なって送信権を元に戻す。続いて、ステツプS1312で回線の切断処理を行ない、次のステツプS1313でリセレクト処理を行なった後、ステツプS1314において一連の処理が正常か異常かの判断をする。その結果、一連の処理が正常である場合には、ステツプS1315で正常ステータスを送出し、異常であれば、ステツプS1316で確認ステータスの送出を行なうことで処理を終了させる。 【0081】 図13は、セッションモードポーリング受信処理を示すフローチヤートである。同図のステツプS1401では、セッションまでの接続がなされて本処理が実行される状態にあるかどうかを確認し、その結果、処理の実行ができないと判定された場合は、ステツプS1402で確認ステータスの送出を行ない処理を終了する。しかし、ここで処理実行ができると判定されれば、ステツプS1403にてディスコネクト処理をし、続くステツプS1404で送信権反転処理を行なう。 【0082】 ステツプS1405ではドキュメントの受信開始を待ち、相手側からCDSでドキュメントの転送が開始されたならば、ステツプS1406でドキュメント受信処理を行なうが、相手側から直ちに送信権の反転が要求されたならば、ステツプS1409で、その後処理を行なう。 【0083】 ステツプS1407では、ドキュメント受信処理の結果を判定し、その結果、受信が正常終了すると、ステツプS1408でファイル登録処理を実行する。しかし、異常終了の場合は、直接ステツプS1409に処理を進める。このステツプS1409では送信権反転の処理を行ない、次のステツプS1410でレセレクト処理をした後、ステツプS1411で、それまでの処理結果の判定をする。 【0084】 つまり、処理が正常であればステツプS1412で正常ステータスの送出を行ない、異常ならばステツプS1413で確認ステータスの送出を行なう。そして、一連の処理を終了する。 【0085】 以上説明したように、本実施の形態によれば、ファクシミリ装置とパーソナルコンピュータ等のホストとの間で、双方向にコマンドのやり取りができるようインタフエース部に自由度を持たせることで、ファクシミリ装置を構成する各ユニットをホストにより容易、かつ柔軟に活用することができるという効果がある。 【0086】 また、インタフエースとしてSCSI規格を適用することで、従来のRS-232C、GPIB等を用いた画像転送に比べて、ファクシミリ装置とホスト間の画像転送を高速化できるという効果がある。 【0087】 さらに、ホスト側のアプリケーションの開発に際し、より柔軟な論理的なインタフエースを提供することで、その開発工数を削減できる効果がある。 【0088】 尚、上記実施の形態においては、ファクシミリ装置はスキャナ、プリンタ、イメージメモリ、通信制御に係る各ユニットを、それぞれ1個ずつ保有しているが、それらが複数個であっても、あるいはユニツトの一部が構成要素として欠けていても、発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形である。 【0089】 また、本発明は、複数の機器から構成されるシステムに適用しても1つの機器から成る装置に適用しても良い。また、本発明は、システム、あるいは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。 【0090】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明によれば、画像処理装置にファイルトとして蓄積されている複数のデータの一覧とそれぞれの入力種別を表す情報をホストに通知し、ホストは入力種別を表す情報を参照してこの通知された一覧の中から一つのファイルを選択してホストからの指示で選択的に記録もしくは送信させることができ、システムとしての使い勝手が向上する。 【図面の簡単な説明】 【図1】 実施の形態に係るファクシミリ装置全体の構成を示すブロック図、 【図2】 実施の形態のファクシミリ装置を構成する各ブロックの論理ユニット割り当ての例を示す図、 【図3】 対ホストi/f9から入力されるコマンド処理の概要を示すフローチヤート、 【図4】 図3のステツプS307における全論理ユニットコマンドの詳細処理を示すフローチヤート、 【図5-1】 図3のステツプS308におけるスキャナユニット6に対する各種コマンドの詳細処理を示すフローチヤート、 【図5-2】 図3のステツプS308におけるスキャナユニット6に対する各種コマンドの詳細処理を示すフローチヤート、 【図6-1】 プリンタコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図6-2】 プリンタコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図7-1】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図7-2】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図7-3】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図7-4】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図8-1】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図8-2】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図8-3】 イメージコマンド処理に関する処理を示すフローチヤート、 【図8-4】 通信コマンド処理を示すフローチヤート、 【図9】 発呼送信処理を示す詳細フローチヤート、 【図10】 セッションモード送信処理を示すフローチヤート、 【図11】 受信要求処理を示すフローチヤート、 【図12-1】 発呼ポーリング処理手順を示すフローチヤート、 【図12-2】 発呼ポーリング処理手順を示すフローチヤート、 【図13】 セッションモードポーリング受信処理を示すフローチヤート、 【図14】 論理ユニツトコマンドパラメータ群の一覧を示す図、 【図15】 スキャナユニツトコマンドパラメータ群の一覧を示す図、 【図16】 プリンタユニツトコマンドパラメータ群を示す図、 【図17】 イメージユニツトコマンドパラメータを示す図、 【図18】 通信ユニツトコマンドパラメータを示す図、 【図19】 ファイル情報要求コマンドを示す図、 【図20】 ファイル情報パラメータを示す図である。 【符号の説明】 1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 イメージメモリ 5 画像変換部 6 画像読取り部 7 画像記録部 8 回線制御部 9 対ホストi/f部 10 ファイル管理部 11 記憶装置 12 操作部 13 回線ケーブル 14 専用ケーブル 15 ホストコンピュータ |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2004-08-26 |
出願番号 | 特願2000-133809(P2000-133809) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(H04N)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 手島 聖治 |
特許庁審判長 |
小川 謙 |
特許庁審判官 |
江頭 信彦 加藤 恵一 |
登録日 | 2002-05-31 |
登録番号 | 特許第3314073号(P3314073) |
権利者 | キヤノン株式会社 |
発明の名称 | 画像処理装置及びデータ処理方法 |
代理人 | 大塚 康弘 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 大塚 康徳 |
代理人 | 大塚 康弘 |