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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する G01R
審判 訂正 2項進歩性 訂正する G01R
管理番号 1106972
審判番号 訂正2004-39193  
総通号数 61 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-03-16 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2004-08-16 
確定日 2004-09-27 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3257994号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3257994号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3257994号の請求項1ないし13に係る発明についての出願は、平成11年8月30日に特許出願され、平成13年12月7日にその特許権の設定登録がされ、その後、特許異議の申立て(異議2002-71985号)がされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成16年1月19日に訂正請求がなされ、平成16年3月26日付け(送達日平成16年4月19日)で「訂正を認める。特許第3257994号の請求項1ないし10に係る特許を取り消す。」との取消決定がなされた。
本件請求人は、これを不服として東京高等裁判所に当該取消決定の取消を求める訴え(平成16年(行ケ)第224号)を平成16年5月18日に提起し、現在同裁判所にて係属中であるところ、訴えの提起があった日から90日の期間内である平成16年8月16日に本件審判を請求したものである。

2.請求の要旨
本件審判の請求の要旨は、特許第3257994号発明の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記(1)ないし(23)のとおり訂正することを求めるものである。
(1)訂正事項a
特許明細書の特許請求の範囲の請求項1の
「【請求項1】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有する複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ開閉させるように構成された接点部開閉部材とを備え、上記係合部が第1の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は閉状態にある一方で、上記係合部が第2の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は開状態にあり、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」を、
「【請求項1】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」と訂正する。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項2の
「【請求項2】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有する複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ開閉させるように構成された接点部開閉部材とを備え、上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、上記係合部が第1の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は閉状態にある一方で、上記係合部が第2の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は開状態にあり、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」を、
「【請求項2】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」と訂正する。
(3)訂正事項c
特許明細書の特許請求の範囲の請求項3の
「【請求項3】上記接点部開閉部材は、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部によって隔離された一対の貫通孔を有し、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配され、該係合部の上記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ開閉させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のソケット。」を、
「【請求項3】上記接点部開閉部材は、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部によって隔離された一対の貫通孔を有し、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配され、該係合部の上記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記一対のアーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のソケット。」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許請求の範囲の請求項5の
「【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、電子部品を用意し、上記接点部開閉部材の一部を駆動して上記係合部を第1の位置へ移動することにより上記一対のアーム状接点部を開かせ、上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品をソケット本体に取り付け、上記接点部開閉部材を駆動して上記係合部を第2の位置へ移動させることにより上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を加圧接触させることを特徴とする電子部品のテスト方法。」を、
「【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、電子部品を用意し、上記カバー部材を上記ソケット本体に対して押し下げる向きに駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置から上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置へ上方へ移動させることにより上記一対のアーム状接点部を対称的に開かせるとともに、上記ラッチ部材を上記一対のアーム状接点部の近傍から退避させて、上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品を上記アダプタ部材に位置決め載置し、上記カバー部材の押圧を解除し、上記カバー部材を上記ソケット本体から離れる向きに上方へ駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部の下方の上記第1の位置へ移動させることにより、上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触させるとともに、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえることを特徴とする電子部品のテスト方法。」と訂正する。
(5)訂正事項e
特許明細書の特許請求の範囲の請求項6の
「【請求項6】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバ
ー部材の移動に応じて上下動可能なスライド部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有する複数の接触子と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部を開閉するように構成され、上記係合部が第1の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は閉状態にある一方で、上記係合部が第2の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は開状態にあり、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」を、
「【請求項6】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」と訂正する。
(6)訂正事項f
特許明細書の特許請求の範囲の請求項7及び8の
「【請求項7】上記電子部品を位置決めするためのアダプタ部材が上記本体に固定されていることを特徴とする請求項6記載のソケット。
【請求項8】上記各一対のアーム状接点部は、上記電子部品の接続端子をそれぞれ双方向から挟むように構成されていることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のソケット。」
を削除する。
(7)訂正事項g
特許明細書の特許請求の範囲の請求項9の
「【請求項9】上記カバー部材を押し下げた場合に上記各一対のアーム状接点部の加圧接触部がその中心部からほぼ均等な距離だけ移動するように構成されていることを特徴とする請求項6乃至8のいずれか1項記載のソケット。」を、
「【請求項7】上記カバー部材を押し下げた場合に上記各一対のアーム状接点部の加圧接触部がその中心部からほぼ均等な距離だけ移動するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のソケット。」と訂正する。
(8)訂正事項h
特許明細書の特許請求の範囲の請求項10の
「【請求項10】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか1項記載のソケット。」を、
「【請求項8】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のソケット。」と訂正する。
(9)訂正事項i
特許明細書の特許請求の範囲の請求項11の
「【請求項11】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の移動に応じて上下動可能なスライド部材と、上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有する複数の接触子と、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材、上記スライド部材、上記レバー部材及び上記ラッチ部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部を開閉するように構成され、上記係合部が第1の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は閉状態にある一方で、上記係合部が第2の位置にあるとき上記一対のアーム状接点部は開状態にあり、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」を、
「【請求項9】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材、上記スライド部材、上記レバー部材及び上記ラッチ部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。」と訂正する。
(10)訂正事項j
特許明細書の特許請求の範囲の請求項12の
「【請求項12】上記レバー部材は、上記本体に回動可能に取り付けられ、該レバー部材の力点部が上記カバー部材に当接する一方で、該レバー部材の作動部が上記スライド部材の下方においてその下面部に当接可能に構成されていることを特徴とする請求項11記載のソケット。」を、
「【請求項10】上記レバー部材は、上記本体に回動可能に取り付けられ、該レバー部材の力点部が上記カバー部材に当接する一方で、該レバー部材の作動部が上記スライド部材の下方においてその下面部に当接可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載のソケット。」と訂正する。
(11)訂正事項k
特許明細書の特許請求の範囲の請求項13の
「【請求項13】上記電子部品を位置決めするためのアダプタ部材が上記本体に固定されていることを特徴とする請求項11又は12のいずれか1項記載のソケット。」
を削除する。
(12)訂正事項l
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0020】の
「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、・・・するように構成されていることを特徴とするソケットである。」を、
「【課題を解決するための手段】上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。」と訂正する。
(13)訂正事項m
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0021】の
「また、請求項2記載の発明は、・・・するように構成されていることを特徴とするソケットである。」を、
「また、請求項2記載の発明は、部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。」と訂正する。
(14)訂正事項n
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0026】の
「本発明においては、例えば、請求項3記載の発明のように、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、・・・上記アーム状接点部をそれぞれ開閉させるように構成されていることも効果的である。」を、
「本発明においては、例えば、請求項3記載の発明のように、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、・・・上記一対のアーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成されていることも効果的である。」と訂正する。
(15)訂正事項o
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0028】の
「一方、請求項5記載の発明は、・・・させることを特徴とする電子部品のテスト方法である。」を、
「一方、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、電子部品を用意し、上記カバー部材を上記ソケット本体に対して押し下げる向きに駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置から上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置へ上方へ移動させることにより上記一対のアーム状接点部を対称的に開かせるとともに、上記ラッチ部材を上記一対のアーム状接点部の近傍から退避させて、上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品を上記アダプタ部材に位置決め載置し、上記カバー部材の押圧を解除し、上記カバー部材を上記ソケット本体から離れる向きに上方へ駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部の下方の上記第1の位置へ移動させることにより、上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触させるとともに、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえることを特徴とする電子部品のテスト方法である。」と訂正する。
(16)訂正事項p
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0029】の
「一方、請求項6記載の発明は、・・・するように構成されていることを特徴とするソケットである。」を、
「一方、請求項6記載の発明は、少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。」と訂正する。
(17)訂正事項q
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0030】【0031】の記載内容を削除する。
(18)訂正事項r
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0032】の
「さらに、請求項9記載の発明のように、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において」を、
「さらに、請求項7記載の発明のように、請求項6記載の発明において」と訂正する。
(19)訂正事項s
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0033】の
「請求項10記載の発明のように、請求項6乃至8のいずれかに記載の発明において」を、
「請求項8記載の発明のように、請求項6又は7のいずれかに記載の発明において」と訂正する。
(20)訂正事項t
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0034】の
「一方、請求項11記載の発明は、・・・するように構成されていることを特徴とするソケットである。」を、
「一方、請求項9記載の発明は、少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材、上記スライド部材、上記レバー部材及び上記ラッチ部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。」と訂正する。
(21)訂正事項u
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0035】の
「この場合、請求項12記載の発明のように、請求項11記載の発明において」を、
「この場合、請求項10記載の発明のように、請求項9記載の発明において」と訂正する。
(22)訂正事項v
特許明細書の発明の詳細な説明の段落【0036】の記載内容を削除する。
(23)訂正事項w
発明の詳細な説明の段落【0037】の
「請求項6乃至13記載の発明にあっては」を、
「請求項6乃至10記載の発明にあっては」と訂正する。

3.当審の判断
(1)特許法第126条第1項ただし書き、第3項及び第4項の要件(訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否)について
上記訂正事項a〜eは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内おいて限定事項を追加するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加でもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し変更するものでもない。
上記訂正事項fは、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加でもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し変更するものでもない。
上記訂正事項g〜jは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内おいて限定事項を追加し、さらに、訂正事項fによる請求項の削除に伴い請求項の番号を繰り上げるものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加でもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し変更するものでもない。
上記訂正事項kは、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加でもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し変更するものでもない。
また、上記訂正事項l〜wについては、上記訂正事項a〜kにより特許請求の範囲を訂正したことに伴い発明の詳細な説明の記載の整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、新規事項の追加でもなく、実質上特許請求の範囲を拡張し変更するものでもない。
したがって、本件訂正は、特許法第126条第1項ただし書き、第3項及び第4項の要件を満たすものである。

(2)特許法第126条第5項の要件(独立特許要件)について
次に、訂正後における特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載されている事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるか検討する。

(2-1)訂正明細書の請求項1ないし10に係る発明
本件審判請求書に添付した訂正明細書の請求項1ないし10に係る発明(以下、「訂正発明1ないし10」という)は、その訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし10に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項2】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケットへの電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項3】上記接点部開閉部材は、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部によって隔離された一対の貫通孔を有し、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配され、該係合部の上記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記一対のアーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のソケット。
【請求項4】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のソケット。
【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、電子部品を用意し、上記カバー部材を上記ソケット本体に対して押し下げる向きに駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置から上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置へ上方へ移動させることにより上記一対のアーム状接点部を対称的に開かせるとともに、上記ラッチ部材を上記一対のアーム状接点部の近傍から退避させて、上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品を上記アダプタ部材に位置決め載置し、上記カバー部材の押圧を解除し、上記カバー部材を上記ソケット本体から離れる向きに上方へ駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部の下方の上記第1の位置へ移動させることにより、上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触させるとともに、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえることを特徴とする電子部品のテスト方法。
【請求項6】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項7】上記カバー部材を押し下げた場合に上記各一対のアーム状接点部の加圧接触部がその中心部からほぼ均等な距離だけ移動するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のソケット。
【請求項8】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のソケット。
【請求項9】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材、上記スライド部材、上記レバー部材及び上記ラッチ部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する下方の第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項10】上記レバー部材は、上記本体に回動可能に取り付けられ、該レバー部材の力点部が上記カバー部材に当接する一方で、該レバー部材の作動部が上記スライド部材の下方においてその下面部に当接可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載のソケット。」

(2-2)刊行物に記載された発明
本件特許に関し、特許異議の申立てにおいて通知された取消しの理由において以下の刊行物1〜7を引用している。
刊行物1:特開平10-172702号公報
刊行物2:特開平8-138812号公報
刊行物3:特開平11-26126号公報(平成11年1月29日出願公開)
刊行物4:特開平10-340773号公報
刊行物5:特開平9-245920号公報
刊行物6:特開平8-64320号公報
刊行物7:特開平8-273778号公報

ア.刊行物1(特開平10-172702号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「本発明は、多数のリード端子を有する電気部品を着脱可能に装着して各リードと外部装置とを電気的に接続するためのソケットに関する。」(段落【0001】)、
「一般に半導体製造工場では、ICチップを樹脂によって封止したICパッケージを、出荷前に電気的特性試験やバーンインと称される信頼性試験にかけ、良品と不良品とを判別するようにしている。」(段落【0002】)、
「近年、新しい表面実装型のICパッケージとして、パッケージの裏面に球形のリード端子(半田ボール)をマトリクス状又は千鳥状に配列してなるBGA(Ball Grid Array)パッケージが普及している。・・・図11〜図15は、かかるBGAパッケージを装着するための従来のバーンインテスト用ソケットを示すものである。・・・スライダ104の両側部には、スライダ104をベース102の底面と平行に移動させるためのスライド機構が設けられる。すなわち、ベース102の一方の縁部において、略L字状のアーム107がシャフト108を中心として回動自在に設けられるとともに、このアーム108はスライダ104の一方の縁部に係合するシャフト109に回動自在に連結される。また、スライダ104の他方の縁部に、長尺のレバー110がシャフト111を中心として回動自在に取り付けられ、このレバー110の中腹部に、アーム107の先端部がピン112によって揺動自在に取り付けられる。そして、カバー103を押圧しない状態においてアーム107の先端部がカバー103の天井面に当接するように構成される。・・・このような構成を有するソケット101において、図15(a)に示す状態から図15(b)に示すようにカバー103を押し下げると、レバー110がベース102に向って回動し、アーム107の動きに伴ってスライダ104が矢印H方向に移動する。その結果、コンタクト106のアーム106a、106bがスライダ104の格子部104cに押されて開くようになる。」(段落【0004】〜【0009】)、
「【発明の実施の形態】以下、本発明に係るソケットの好ましい実施の形態を図1〜図10を参照して詳細に説明する。・・・図1は、本発明に係るソケットの要部構成を示す平面図であり、図2は、本発明が適用される電気部品としてのBGAパッケージを示す裏面図である。また、図3(a)は、図1のA-A線階段断面図であり、図3(b)は、図1のソケットを矢印X方向から見た部分断面図である。・・・本実施の形態のソケット1は、概略、ソケット本体としてのベース2と、カバー3と、昇降部材4とから構成され、・・・また、カバー3は、後述する機構によりベース2に対して上下動自在に取り付けられ、そのほぼ中央部には、BGAパッケージ5を着脱するための開口部が形成されている。・・・図2に示すように、本発明が適用されるBGAパッケージ5は、樹脂封入によって図示しないICチップを内蔵する四角形状のパッケージ部5aを有し、その裏面に、多数(本実施の形態の場合は9個)のリード端子としての球形状の半田ボール5bがマトリクス状に設けられている。・・・一方、ベース2のほぼ中央部には、接触子としてのコンタクト6が複数設けられる。これらのコンタクト6は、BGAパッケージ5に設けられた半田ボール5bの配列パターンに対応するようにマトリクス状に配列される。・・・図3(a)(b)に示すように、コンタクト6は、例えば板ばね用薄板を打ち抜いて作成され、中心部から一本のピン6cとして軸方向に延び、中心部から上は2本のアーム状接点部としてのアーム6a、6bに分岐して軸方向に延びるように形成される。そして、各コンタクト6は、ベース2の底面2aに対して垂直に保持される。・・・これら一対のアーム6a、6bは、向かい合う方向、即ち矢印P方向又は矢印Q方向において弾性的に開閉可能であり、BGAパッケージ5の半田ボール5bを両側から挟んだ状態で加圧接触するための接点部を構成する。・・・この場合、一方のアーム6bはピン6c側から接点部に向って直線状に延び、その先端部に向って順次矢印P方向、矢印Q方向に折曲することにより接点部が形成される。また、他方のアーム6aは、アーム6a、6bの分岐点においてアーム6bに対して矢印P方向に折曲され、その先端部に向って順次矢印Q方向、矢印P方向に折曲することにより接点部が形成される。」(段落【0034】〜【0042】)、
「昇降部材4は、これらのガイド部20〜25に沿って、上下方向、即ちベース2の底面2aに対して垂直方向に移動可能に構成される。昇降部材4は、一体的な部材からなり、図1に示すように、ガイド部20〜25によって案内される略四角形状のスライド部分4Aと、このスライド部分4Aの内側に形成されコンタクト6のアーム6a、6bを開閉させる接点開閉手段としてのアーム開閉部分4Bとから構成される。」(段落【0045】)、
「一方、昇降部材4のアーム開閉部分4Bは、格子状に形成され、BGAパッケージ5の各半田ボール5bに対応するように、各コンタクト6を挿入するための貫通孔4aが形成されている。この場合、図3(a)に示すように、アーム6a、6bの開閉方向における各貫通孔4aの径は、アーム6a、6b間の最大スパンよりも小さくなるように設定され、また、アーム開閉部としての各格子部4bの矢印Q方向側の部分に曲面が形成されるように構成される。」(段落【0049】)、
「次に、本実施の形態のソケット1の動作を図4〜図6を参照して説明する。・・・まず、図4(a)に示すように、カバー3を押圧しない状態においては、圧縮コイルばね38の力によってカバー3が最も上方に位置する。この状態では、各コンタクト6のアーム6a、6bは閉じている。・・・この状態からカバー3を下方に押し下げていくと、スライダ3bのラック部3cと噛み合う歯車34、35が、それぞれ反時計回り方向又は時計回り方向に回転し、その小歯車部34b、35bと各ラック部26a、27a、28a、29aとが噛み合うことによって昇降部材4が上昇する。そして、そのままカバー3を押し下げていくと、昇降部材4のアーム開閉部4Bの各格子部4bがコンタクト6の各アーム6aと当接し、これを矢印Q方向に押圧するため、コンタクト6の両アーム6a、6bが開いていく。・・・図4(b)は、カバー3を下限まで押し下げた状態を示すものである。この状態においては、昇降部材4はカバー3の上面まで上昇する。一方、各アーム6a、6bは、BGAパッケージ5の半田ボール5bが容易に入り込むように大きく開く。・・・そして、この状態において、半田ボール5bが設けられている面を下にしてBGAパッケージ5を昇降部材4の上方から落とし込む。・・・次に、カバー3に対する押圧力を解除すると、圧縮コイルばね38の付勢力によってカバー3が上昇し、スライダ3bのラック部3cと噛み合う歯車34、35が反時計回り方向に回転して、その小歯車34b、35bと噛み合う昇降部材4が下降する。・・・BGAパッケージ5は、この載置面・・・からベース2のガイド部20、21の装着面20a、21a上に載り換えられる。・・・この場合・・・ベース2のガイド部20、21に位置決め面20b、21bを傾斜させて形成しておくことにより、BGAパッケージ5が、この位置決め面面20b、21bに沿って正確に位置決めされるため、各半田ボール5bは各コンタクト6のアーム6a、6bの間に確実に挿入される。その後、昇降部材4はなおも下降するが、BGAパッケージ5はベース2のガイド部20、21の装着面20a、21a上にそのままとどまる。・・・図5(d)に示すように、昇降部材4がさらに下降すると、各コンタクト6のアーム6bと昇降部材4のアーム開閉部4Bの格子部4bとが離れるため、コンタクト6のアーム6bが矢印P方向に移動してアーム6a、6b同士はその自身の弾性力によって閉じられ、図6(c)に示すように、半田ボール5bを挟んでこれを加圧する。これにより、BGAパッケージ5の半田ボール5bとコンタクト6のアーム6a、6bとの良好な電気的な接続が行われる。」(段落【0052】〜【0060】)、
「図9は、本発明に係るソケットのさらに他の実施の形態を示すものであり、以下、上述の実施の形態と対応する部分について同一の符号を付して説明する。本実施の形態は、カバー3と昇降部材4とを一体化し、昇降部材4を移動させるための手段を省略するようにしたものである。・・・図9に示すように、本実施の形態においては、ベース2に対して上下動可能なカバー3の開口部3aの側壁に、BGAパッケージ5を誘い込むための傾斜面3eと、BGAパッケージ5を位置決めするための位置決め面3fが形成されている。・・・一方、ベース2には、上記第1の実施の形態と同様のコンタクト6が配設される。そして、図示はしないが、昇降部材4がカバー3と一体的に形成され、この昇降部材4はベース2に昇降自在に嵌合されている。昇降部材4には格子部4bが設けられ、これにより形成される挿入孔4aにコンタクト6が挿入される。また、昇降部材4にはBGAパッケージ5を載置するための載置面4cが形成されている。そして、ベース2には図示しない装着面が形成されている。・・・本実施の形態においては、図9(a)に示すように、カバー3が上限に位置する場合に昇降部材4も上限に位置し、その格子部4bが各コンタクト6の一方のアーム6aの折曲部分より上方にあるように構成される。この状態では、各コンタクト6のアーム6a、6bは閉じられている。・・・この状態でカバー3を下降させると、昇降部材4の格子部4bがコンタクト6の一方のアーム6bに当接し、アーム6a、6bが開く。そして、BGAパッケージ5をカバー3の開口部2aを介して落とし込むと、BGAパッケージ5は、昇降部材4の載置面4cに載置され、所定の位置に位置決めされる。・・・さらに、カバー3を下降させると、これに伴って昇降部材4も下降するため、上記実施の形態と同様の動作により、BGAパッケージ5が昇降部材4の載置面4cからベース2の図示しない装着面に載置され、図9(b)に示すように、BGAパッケージ5の各半田ボール5bが各アーム6a、6bの間に挿入される。・・・そして、図9(c)に示すように、カバー3をベース2と当接するまで下降させると、昇降部材4の格子部4bとコンタクト6のアーム6bとの当接が外れ、アーム6a、6bが閉じられる。これによりBGAパッケージ5の半田ボール5bがアーム6a、6bによって加圧挟持され、BGAパッケージ5の半田ボール5bとコンタクト6との接続が行われる。」(段落【0074】〜【0080】)、
「図10は、本実施の形態におけるコンタクトの他の例を示すものである。図10(a)〜(c)に示すように、このコンタクト60は、その中央部がくびれた一対のアーム60a、60bを有している。そして、これらのアーム60a、60bの間に昇降部材4の格子部4bを挿入し、これを上下動させ、この格子部4とアーム60a、60bのくびれた部分とを当接、解除させることにより、アーム60a、60bを開閉することができる。」(段落【0082】)

イ.刊行物2(特開平8-138812号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「本発明は、プリント配線板上に接続配置され、ICパッケージを交換可能に装填し、該ICパッケージをプリント配線板に電気的に接続するようにしたICソケットに関するものであり、特にボール・グリッド・アレー型のICパッケージ用として好適なICソケットに関する。」(段落【0001】)、
「本発明の第2実施例を、図8乃至図14を用いて説明する。・・・図9において、可動板15は、ケース本体12との間に設けられた四つのバネ11によって上方へ押されているが、二つの爪部15aがケース本体12の爪部12aに係止され、図の位置を保持されている。ケース本体12には複数のコンタクトピン17が植設されているが、それらの大部分は省略され、その一部だけを明示してある。・・・コンタクトピン17の上端部は、可動板15に、接続端子1cとコンタクトピン17の数だけ設けられている貫通孔15eに夫々緩く嵌合している。この状態は、図12及び図13の拡大図に分かり易く示されている。コンタクトピン17は、その上端部が二股状になっており、その間に、貫通孔15e間に設けられているリブ15fが挿入される構成となっており、可動板15がバネ11に抗して下降したとき、二股部が開くようになされている。」(段落【0022】〜【0024】)、
「ICパッケージ1をICソケットに装着する操作は、上記の場合と同様にして、先ず押圧部材18を上方からバネ19に抗して押し下げる。この状態で、ICパッケージ1を開口部18aから挿入し、傾斜面12b,18cで画成された可動板15の載置部に載置する。この状態においては、接続端子1cとコンタクトピン17とは未だ接触していない。・・・次に、押圧部材18への押圧を解除すると押圧部材18がバネ19によって上昇するが、その過程で先ず可動板15がバネ11によって追従し、上方へ移動する。そのため、リブ15fが上方へ移動し、コンタクトピン17は自己のバネ習性で復帰作動を行い、その先端部によって接続端子1cの両側面から挟持する。・・・その後、押圧部材8への押圧力を更に解除すると、今度はカム部18d,18eによって、可動板15は図10及び図13において左方向へ動かされる。そのため、コンタクトピン17は可動板15の貫通孔15eに押され、自己のバネ習性に抗して同じく左方向へ押される。この時、コンタクトピン17は接続端子1cの側面を擦るので、ワイピングが行われ、接続端子1cやコンタクトピン17の表面に酸化皮膜や汚れがあったとしても、それらを綺麗に拭い去り、両者間において良好なる電気的接続を可能にする。」(段落【0028】〜【0030】)、
「本発明の第3実施例を図15及び図16を用いて説明する。・・・先ず、本実施例の構成を説明すると、ケース本体22には、可動板25が水平方向に移動できるように取り付けられている。この可動板25は、図15においてはバネ21Aによって左方向へ押されており、図16においてはバネ21Bによって左方向へ押されている。また、可動板25には複数の貫通孔25eが設けられており、ケース本体22に植設された複数のコンタクトピン27の各先端が緩く嵌合されている。」(段落【0032】〜【0033】)、
「押圧部材28が、ケース本体22に対して上下動可能に取り付けられている。・・・また、押圧部材28には、二つの切欠部28dが設けられており、ケース本体22の軸22dに枢着されている二つのレバー30の先端に夫々当接するようになされている。このレバー30には、二つのレバー間に軸30aが取り付けられており、この軸30aが可動板25の端面に接触し、バネ21Aによって左方向へ押されて、図に示す位置が保たれている。」(段落【0034】〜【0035】)、
「次に、本実施例におけるICパッケージ1の装着操作について説明する。押圧部材28を上方からバネ29に抗して押し下げると、先ず、・・・押圧部材28を更に押し下げると、今度は図15において、レバー30はその先端が押圧部材28に押され、軸22dにおいて時計方向へ回転する。そのため、可動板25は軸30aによってバネ21Aに抗して右方向へ移動する。そのため、コンタクトピン27は自己のバネ習性によって同じく右方向へ追従する。その結果、可動板25が移動し終わった位置では、コンタクトピン27の先端は、上方からICパッケージ1を挿入してもその接続端子1cに接触しない状態になっている。・・・この状態で、ICパッケージ1を開口部28aから挿入し、可動板25の載置部に載置する。」(段落【0036】〜【0038】)

ウ.刊行物3(特開平11-26126号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「本発明は、多数のリード端子を有する電気部品を着脱自在に装着して各リードと外部装置とを電気的に接続するためのソケットに関し、特にBGA(BallGridArray)パッケージ用のソケットとして有用なソケットに関する。」(段落【0001】)、
「本実施の形態のソケット1は、概略、ソケット本体としてのベース2と、カバー3と、ベース2上に設けたスライド部材としてのスライダ4と、スライダ4上に設けた位置決め部材としてのアダプタ5から構成され・・・を用いて成形される」(段落【0032】)、
「図4(a)〜(c)は、本実施の形態におけるアダプタ5の構成を示すもので、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図、図4(c)は、図4(a)のA-A線階段断面図である」(段落【0036】)、
「図4(a)に示すように、本実施の形態のアダプタ5は、四角形状の枠部5aと、この枠部5aの四隅に一体的に形成される装着部5bとからなり、スライダ4に対して着脱自在となるように構成されている。ここで、図1(a)に示すように、アダプタ5の枠部5aの外縁部は、カバー3の開口部3aの径より若干小さい径を有し、装着部5bの内側には、BGAパッケージ9の装着位置を定めるための傾斜部5cが形成されている。・・・このような構成によれば、容易にアダプタ5を交換することができ、これにより大きさの異なる種々のBGAパッケージ9を装着することができるようになる」(段落【0037】〜【0039】参照)

エ.刊行物4(特開平10-340773号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「一面にICバンプの配列ピッチと同一ピッチで複数の接点電極が配列形成され・・・凹部にはめこまれてICの位置決め枠をなすアダプタと・・・を特徴とするIC用ソケット。」(特許請求の範囲の請求項2)、
「図6は請求項2の発明の実施例を示したものである。・・・この凹部29にアダプタ41がはめこまれ、このアダプタ41によってICが位置決めされる構造とされる。・・・各種ICの外形の対応して、IC孔43の異なるアダプタ41を各種用意しておくことにより、アダプタ41の交換のみで外形の異なる、つまりバンプ数の異なる各種ICに対応することができる。」(段落【0016】〜【0018】)

オ.刊行物5(特開平9-245920号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「【請求項1】・・・ICソケットにおいて、上記IC本体の一端部上面と他端部上面とを下方に向け押圧する少なくとも一対の回動ラッチレバーを備えると共に、該各回動ラッチレバーを押圧方向に付勢するバネ手段を備え、該回動ラッチレバーをバネ手段に抗して押圧解除方向へ回動せしめる移動板の上位に上下動可に設けたアクチュエーターを備えることを特徴とするICソケットにおけるIC押え機構。」(特許請求の範囲の請求項1)、
「上記ソケットにIC本体1の一端部上面と他端部上面とを下方へ向け押圧する少なくとも一対の回動レバーから成るラッチレバー13を具備させる。・・・上記各回動ラッチレバー13は図1又は図3等に示すように、移動板5の一端部と他端部に夫々軸14により移動板5の上面に接近する方向(前方)と離間する方向(後方)とに回動できるように枢支する。一方の回動ラッチレバー13は前方へ回動した時に移動板5上に搭載されたIC本体1の上面一端を下方へ押圧し、他方の回動ラッチレバー13は前方へ回動した時にIC本体1の上面他端を下方へ押圧する。」(段落【0026】〜【0027】)、
「図3乃至図6はアクチュエーター8を下降操作した時の回動ラッチレバー13と移動板5の動作状態を示している。図示のように、アクチュエーター8を下降すると、加圧部23が回動ラッチレバー13の後端の受圧部24を押圧し、回動ラッチレバー13をバネ手段15に抗し後方へ回動しICの押圧解除状態を形成する。」(段落【0034】)、
「図6乃至図9に示すように、上記IC搭載状態においてアクチュエーター8への押下力を解除すると、・・・アクチュエーターを上方へ復帰せしめる。・・・又アクチュエーター8の上昇によって、図8,図9に示すように回動ラッチレバー13はバネ手段15の弾力に従い前方へ回動しIC本体1の上面一端と他端を下方向へ押圧する。この押圧によってICの浮上りを阻止し、IC端子2とコンタクト4との接触状態を確保する。」(段落【0037】〜【0038】)

カ.刊行物6(特開平8-64320号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「【請求項4】・・・前記ソケット本体上の前記部品本体に係止して前記電気部品を前記接触子側に押圧する第1の位置と前記ソケット本体上の前記電気部品から退避する第2の位置との間で移動可能なラッチ部材と、前記カバー体の一方向の移動に連動して前記ラッチ部材を前記第1の位置へ移動させ、前記カバー体の他方向の移動に連動して前記ラッチ部材を第2の位置へ移動させるラッチ操作手段とを具備したことを特徴とするソケット。」(特許請求の範囲の請求項4)、
「再び図1〜図3、図14および図18において、本ソケットのX方向における中心部でY方向ではスライダ板40の両側面に近接した位置にてベース10に一対の板バネ形のラッチ70が立設されている。各ラッチ70の下端部はベース10に固定され、中間部ないし上端部がその板面と垂直な面内で弾性変位できるようになっており、上端部にはV字形に内側に突出したパッケージ押さえ部70aが形成され、中間部にはL字形に外側に突出した下側案内部70bが形成されている。・・・図18に示すように、ラッチ70の上端(上側案内部)がラッチ案内部72の垂直案内面72aに接している状態では、ラッチ70が前方(ソケット中心側)へお辞儀するように弾性変位し、パッケージ押さえ部70aがスライダ板40の外周縁部の頭上に覆い被さる。カバー14が押し下げられると、ラッチ70の下側案内部70bがラッチ案内部72の傾斜案内面72bに案内されるようになり、ラッチ70はその弾性復元力で本来の姿勢に戻り、パッケージ押さえ部70aはスライダ板40の外周縁部の頭上から退避するようになっている。」(段落【0067】〜【0068】)

キ.刊行物7(特開平8-273778号公報)には、以下の事項が図面とともに記載されている。
「カバー7は上方への作動習性が付与され、コンタクトピンを動かすスライドプレート3は下方への作動習性が付与されている。2本のスライドバー9は、その一端がカバー7にピン10によって回転可能に取り付けられ、他端には押動部9aが形成され且つシャフト11が取り付けられている。押動部9aはスライドプレート3の軸部3cに係接し、シャフト11はガイド12の凹部12aに摺接している。カバー7が押し下げられたときシャフト11は左右に開き、押動部9aはスライドプレート3を押し上げる。シャフト11が軸部3cの下方位置に近づくのでカバー7に対する反作用が軽減される。」(【要約】参照)、
「先ず、図18の状態から・・・カバー7を押し下げていく。それによってX形に配置された2本のスライドバー9は、シャフト11をスライドサポート12の凹部12b内で移動させ、左右に開いていく。・・・このシャフト11の移動により押動部9aが軸部3cを押し、コイルバネ6(図4)の力に抗してスライドプレート3を上方へ押し上げていく。」(段落【0031】〜【0032】)

(2-3)対比・判断
ア.訂正発明1について
訂正発明1と刊行物1ないし7に記載された発明を対比すると、刊行物1ないし7には、訂正発明1の「各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子」及び「上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されている」点の構成(以下、「構成A」という)が記載も示唆もされておらず、この点が容易になし得たものであるということはできない。
すなわち、刊行物1の第10図に関する例として記載されたコンタクト60(「接触子」に相当する)は、一対のアーム60a、60b(「一対のアーム状接点部」に相当する)に互いに近づける方向に「く」の字状のくびれた部分(「係合突部」に相当する)を有しており、このくびれた部分と格子部4b(「係合部」に相当する)との当接解除によりアーム60a、60bを開閉するものである。しかしながら、前記くびれた部分はアームの中央部分に設けられており、しかも格子部4bはカバー3(「カバー部材」に相当する)と一体的に上下するものであるから、カバー3が上方の位置にあるとき、格子部4bはくびれた部分に対して上方で離間した位置にあって、アーム60a、60bは閉状態であり、カバー3が中央の位置にあるとき、格子部4bはくびれた部分と当接する位置にあって、アーム60a、60bは開状態であり、カバー3をさらに下方へ押し下げるとき、格子部4bはくびれた部分に対して下方で離間した位置となり、アーム60a、60bの弾性力によりBGAパッケージ5(「電子部品」に相当する)の半田ボール5b(「接続端子」に相当する)を双方向から挟んで加圧接触する3つの位置をとる形式のものであるから、訂正発明1の、アーム状接点部の先端近傍に係合突部を有し、カバー部材が上方と下方(このとき係合部は係合突部に対して下方で離間した第1の位置と当接する第2の位置をとる)の2つの位置をとる形式のものとは基本的構成が異なる。したがって、2つの位置をとる形式における具体的配置係合関係を限定した、訂正発明1の上記構成Aは、刊行物1の第10図に関する例として記載されたコンタクト60に、刊行物1に記載された他の実施例及び刊行物2ないし7に記載された発明を組み合わせたとしても、当業者が容易になし得たものであるとすることはできない。
そして、訂正発明1は、訂正明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、訂正発明1は、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

イ.訂正発明2について
訂正発明2は独立形式で表現されているが、訂正発明1の構成に加えて「上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され」る点の構成を備えたものに他ならないから、訂正発明2は、上記「ア.訂正発明1について」で述べたのと同じ理由により、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

ウ.訂正発明3ないし5について
訂正発明3ないし5は、訂正発明1又は2を、もしくは訂正発明1又は2を引用した他の訂正発明を、引用してさらに限定したものであるから、上記「ア.訂正発明1について」又は「イ.訂正発明2について」で述べたのと同じ理由により、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

エ.訂正発明6について
訂正発明6と刊行物1ないし7に記載された発明を対比すると、刊行物1ないし7には、訂正発明6の「各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子」及び「上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されている」点の構成が、記載も示唆もされておらず、この点が容易になし得たものであるということはできない。
そして、訂正発明6は、訂正明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、訂正発明6は、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

オ.訂正発明7及び8について
訂正発明7及び8は、訂正発明6、又は訂正発明6を引用した訂正発明7、を引用してさらに限定したものであるから、上記「エ.訂正発明6について」で述べたのと同じ理由により、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

カ.訂正発明9について
訂正発明9と刊行物1ないし7に記載された発明を対比すると、刊行物1ないし7には、訂正発明9の「各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子」及び「上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されている」点の構成が、記載も示唆もされておらず、この点が容易になし得たものであるということはできない。
そして、訂正発明9は、訂正明細書記載の顕著な作用効果を奏するものである。
したがって、訂正発明9は、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

キ.訂正発明10について
訂正発明10は、訂正発明9を引用してさらに限定したものであるから、上記「カ.訂正発明9について」で述べたのと同じ理由により、刊行物1ないし7に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとすることはできない。

(2-4)まとめ
また、他に、訂正発明1ないし10が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものでないとすべき理由も発見しない。
したがって、訂正発明1ないし10は、特許出願の際独立して特許を受けることができる発明である。
よって、本件訂正は特許法第126条第5項の要件も満たすものである。

4.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求は、特許法第126条第1項ただし書き、第3項ないし第5項の規定に適合するので訂正を認める。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ソケット
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、
上記ソケット本体に固定され、上記ソケット本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、
上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、
上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、
上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、
上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、
上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、
上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、
さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項2】部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、
上記ソケット本体に固定され、上記ソケット本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、
上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、
上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、
上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、
上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、
上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、
上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、
上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、
さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項3】上記接点部開閉部材は、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部によって隔離された一対の貫通孔を有し、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配され、該係合部の上記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記一対のアーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項記載のソケット。
【請求項4】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のソケット。
【請求項5】請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、
電子部品を用意し、
上記カバー部材を上記ソケット本体に対して押し下げる向きに駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置から上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置へ上方へ移動させることにより上記一対のアーム状接点部を対称的に開かせるとともに、上記ラッチ部材を上記一対のアーム状接点部の近傍から退避させて、
上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品を上記アダプタ部材に位置決め載置し、
上記カバー部材の押圧を解除し、上記カバー部材を上記ソケット本体から離れる向きに上方へ駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部の下方の上記第1の位置へ移動させることにより、上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触させるとともに、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえることを特徴とする電子部品のテスト方法。
【請求項6】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、
上下動可能なカバー部材と、
上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、
先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、
上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、
上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、
上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、
上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、
上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、
上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、
さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項7】上記カバー部材を押し下げた場合に上記各一対のアーム状接点部の加圧接触部がその中心部からほぼ均等な距離だけ移動するように構成されていることを特徴とする請求項6記載のソケット。
【請求項8】上記電子部品は、BGAパッケージであることを特徴とする請求項6又は7のいずれか1項記載のソケット。
【請求項9】少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、
上下動可能なカバー部材と、
上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、
上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、
先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、
上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、
上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、
上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、
上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、
上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、
上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、
さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品の所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケット。
【請求項10】上記レバー部材は、上記本体に回動可能に取り付けられ、該レバー部材の力点部が上記カバー部材に当接する一方で、該レバー部材の作動部が上記スライド部材の下方においてその下面部に当接可能に構成されていることを特徴とする請求項9記載のソケット。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、多数の接続端子を下面に有する電子部品を着脱可能に装着して各リードと外部装置とを電気的に接続するためのソケットに関し、特にBGA(Ball Grid Array)パッケージ用に適したソケットに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に半導体製造工場では、ICチップを樹脂によって封止したICパッケージを、出荷前に電気的特性試験やバーンインテストと称される信頼性試験にかけ、良品と不良品とを判別するようにしている。
【0003】
この場合、電気的特性試験では、ICチップの入出力特性、パルス特性、雑音余裕度等が検査される。一方、バーンインは、電気的試験に合格しているICパッケージをオーブン内に配し、例えば125℃程度の高温下で定格値より約20%大きな電源電圧で一定時間動作させるものである。そして、バーンインで動作不良を起こしたICパッケージは不良品として振るい落とされ、正常に動作し続けたICパッケージだけが良品として出荷される。
【0004】
一方、近年、新しい表面実装型のICパッケージとして、パッケージの裏面に球形のはんだボールからなる接続端子をマトリクス状又は千鳥状に配列してなるBGAパッケージが普及している。BGAパッケージは、小さな外形寸法で接続端子ピッチを広くでき、接続端子が頑丈で他の部品との接触等に対して変形しにくいという利点がある。
【0005】
図16(a)〜(c)は、このようなBGAパッケージを装着するための従来のバーンインテスト用ソケットを示すものである。
図16(a)〜(c)に示すように、このソケット101は、樹脂製の四角形状のベース102を有し、このベース102上に、BGAパッケージ100を装着するためのスライダ103が水平方向に移動自在に配される。
【0006】
一方、ベース102の上方には、開口部104aを有する樹脂製のカバー104が設けられ、このカバー104は、圧縮コイルばね105によってベース102に対して上下方向に移動可能に構成されている。
【0007】
スライダ103及びベース102には、BGAパッケージの各はんだボール100aに対応する貫通孔(図示せず)が形成される。そして、BGAパッケージのはんだボール100aを加圧接続するためのコンタクト106が、スライダ103及びベース102の貫通孔を貫通するように配設されている。各コンタクト106は、長尺の金属製の部材からなり、その一方の先端部に一対のアーム106a、106bが設けられる。
【0008】
図16(a)〜(c)に示すように、各コンタクト106は、アーム106a、106bを上方に向けてベース102に垂直に固定されている。また、図16(c)に示すように、このコンタクト106は、隣接して配設されたアーム106a、106bのうちの一方のアーム106aに図示しない突起部が設けられ、この突起部が、スライダ103の隔壁103aと係合することによりアーム106a、106bが開くように構成されている。
【0009】
スライダ103の両側部には、スライダ103をベース102の底面と平行に移動させるためのスライド機構が設けられる。すなわち、ベース102の一方の縁部(図中右側の縁部)に設けられたシャフト107の両端部に略L字状のレバー部材108が回動自在に取り付けられ、このレバー部材108の短腕部108aは、シャフト107の上部に平行に設けられスライダ103の縁部と当接するシャフト109に回動自在に連結される。
【0010】
また、ベース102の他方の縁部側に設けられたシャフト110の両端部にレバー部材111が回動自在に取り付けられ、このレバー部材111の中腹部に、上記レバー部材108の先端部がピン112によって揺動自在に取り付けられる。そして、カバー104を押圧しない状態においてレバー部材111の先端部111aがカバー104の天井面の突部104aに当接するように構成される。さらに、シャフト110の近傍には、スライダ103を付勢するための圧縮コイルばね113が設けられる。
【0011】
このような構成を有するソケット101において、図16(a)に示す状態から図16(b)に示すようにカバー104を押し下げると、レバー部材108、111がベース102に向って回動し、レバー部材108の動きに伴ってシャフト109がスライダ103に当接してこれをX-方向に移動させる。その結果、コンタクト106の一方のアーム106aがスライダ103の隔壁103aと係合して開くようになる。この状態において、BGAパッケージ100をスライダ103のアダプター103cに落とし込むと、BGAパッケージ100の各はんだボール100aが各コンタクト106のアーム106a、106bの間に入り込む。
【0012】
さらに、カバー104に対する押圧を解除すると、レバー部材108、111も上昇し、圧縮コイルばね113の付勢力によってスライダ103がX+方向に戻されるため、各コンタクト106のアーム106a、106bが閉じられ、BGAパッケージ100の各はんだボール100aが各コンタクト106のアーム106a、106bによって挟まれる。その結果、BGAパッケージ100の各はんだボール100aと各コンタクト106とを電気的に接続することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のソケット101の場合、BGAパッケージ100の装着の際に、コンタクト106の一方のアーム106bをたわませることによって先端部分を開かせるようにしているため、一方のアーム106bに多大な応力を発生させてしまいコンタクト106の耐久性を低下させるという問題があった。
【0014】
また、一方のアーム106bの開く量によってはんだボール100aを落とし込むべき部分の中心点が移動するため、アーム106bの開く量を調整した場合には、はんだボール100aが所定の位置に落とし込まれるように落とし込みの位置を調整しなければならないという問題があった。
【0015】
さらに、従来技術の場合は、BGAパッケージ100をソケット101に装着する際にはんだボール100aがコンタクト106の先端部に接触することによってBGAパッケージ100の位置がずれ、BGAパッケージ100の装着及び接触不良を起こす場合があり、極端な場合には、BGAパッケージ100のはんだボール100aによってコンタクト106の先端部を破損するおそれもあるという問題もあった。
【0016】
さらにまた、従来技術にあっては、はんだボール100aをコンタクト106のアーム106a、106bによって挟み込むようにしているため、バーンインテストの終了後に、BGAパッケージ100のはんだボール100aとコンタクト106のアーム106a、106bとが固着してしまい、BGAパッケージ100を取り外すことが困難になる場合もあるという問題もあった。
【0017】
本発明は、このような従来の技術の課題を解決するためになされたもので、電子部品の接続端子を挟み込む接触子の耐久性を向上させうるソケットを提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明の他の目的は、電子部品の装着性を向上させるとともに装着の際における接触子の加圧接触部の破損等を防止しうるソケットを提供することにある。
【0019】
さらに、本発明の他の目的は、テスト後における電子部品の取り外し不良を防止しうるソケットを提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1記載の発明は、部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケット本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。
【0021】
また、請求項2記載の発明は、部品本体の一面に接続端子を所定のパターンで配列してなる電子部品を着脱自在に装着可能なソケット本体と、上記ソケット本体に固定され、上記ソケット本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材と、上記ソケット本体に上記電子部品の接続端子の配列パターンに対応して配設され、上記電子部品の各接続端子を挟んだ状態で加圧接触する一対の弾性的に開閉可能なアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記接触子の一対のアーム状接点部の係合突部とそれぞれ係合する係合部を有し、該係合部は上記一対のアーム状接点部の間に配され、該係合部の前記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記アーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成された接点部開閉部材と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記ソケット本体に対して上下動可能に設けられ、その押圧による下方への移動により上記接点部開閉部材を上方へ移動させ、かつ、その押圧解除による上方への移動により上記接点部開閉部材を下方へ移動させるカバー部材とを備え、上記一対のアーム状接点部は、上記接触子の長手方向に対してほぼ線対称な形状に形成され、上記カバー部材が押圧されず上記ソケット本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。
【0022】
請求項1又は2記載の発明の場合、一対のアーム状接点部をそれぞれ開閉させるようにしたことから、従来技術のように着脱時に一方のアーム状接点部に多大な応力を発生させることはなく、各アーム状接点部を均等に開かせることによって均一な応力を発生させることができる。その結果、本発明によれば、接触子のアーム状接点部の最大たわみ量を低減させることができるので、接触子の寿命を大幅に延ばすことが可能になる。
【0023】
また、本発明によれば、各アーム状接点部が均等に開くため、電子部品の接続端子を落とし込む部分の中心点が常に一定の位置にあるため、アーム状接点部の開く量を調整した場合であっても、接続端子の落とし込みの位置を調整する必要がなくなり、その結果、検査工程の効率を向上させることが可能になる。
【0024】
さらに、本発明にあっては、各アーム状接点部から電子部品に対して反対方向で同等の大きさの押圧力が働くため、従来技術に比べて電子部品の接続端子に対する押圧力を大きくすることができ、これにより電子部品に対する接触信頼性を向上させることが可能になる。
【0025】
その一方、本発明によれば、電子部品をソケットから取り外す際にも各アーム状接点部から電子部品の接続端子に対して反対方向で同等の大きさの力が働くため、従来技術に比べて電子部品の接続端子に対する剥離力を大きくすることができ、これによりテスト後におけるアーム状接点部の加圧接触部の電子部品の接続端子への固着を防止することが可能になる。
【0026】
本発明においては、例えば、請求項3記載の発明のように、請求項1又は2のいずれか1項記載の発明において、上記接点部開閉部材は、上記接触子の一対のアーム状接点部とそれぞれ係合する係合部によって隔離された一対の貫通孔を有し、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配され、該係合部の上記アーム状接点部の開閉方向とほぼ直交する方向への移動によって上記一対のアーム状接点部をそれぞれ対称的に開閉させるように構成されていることも効果的である。
【0027】
また、請求項4記載の発明のように、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、上記電子部品は、BGAパッケージであることも効果的である。
【0028】
一方、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載のソケットに電子部品を取り付けてテストを行う方法であって、電子部品を用意し、上記カバー部材を上記ソケット本体に対して押し下げる向きに駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置から上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置へ上方へ移動させることにより上記一対のアーム状接点部を対称的に開かせるとともに、上記ラッチ部材を上記一対のアーム状接点部の近傍から退避させて、上記電子部品の接続端子がそれぞれに対応する一対のアーム状接点部の間に配置されるように上記電子部品を上記アダプタ部材に位置決め載置し、上記カバー部材の押圧を解除し、上記カバー部材を上記ソケット本体から離れる向きに上方へ駆動して上記係合部を上記一対のアーム状接点部の係合突部の下方の上記第1の位置へ移動させることにより、上記各一対のアーム状接点部によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触させるとともに、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえることを特徴とする電子部品のテスト方法である。
【0029】
一方、請求項6記載の発明は、少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。
【0030】
【0031】
【0032】
さらに、請求項7記載の発明のように、請求項6記載の発明において、上記カバー部材を押し下げた場合に上記各一対のアーム状接点部の加圧接触部がその中心部からほぼ均等な距離だけ移動するように構成されていることも効果的である。
【0033】
請求項8記載の発明のように、請求項6又は7のいずれかに記載の発明において、上記電子部品は、BGAパッケージであることも効果的である。
【0034】
一方、請求項9記載の発明は、少なくとも一面に複数の接続端子を備えた電子部品を装着するためのソケットであって、上下動可能なカバー部材と、上記カバー部材の押圧による下方への移動により上方へ移動し、かつ、上記カバー部材の押圧解除による上方への移動により下方へ移動可能なスライド部材と、上記カバー部材の移動に応じて上記スライド部材を上下動可能なレバー部材と、先端部に開閉可能な一対のアーム状接点部を有し、当該各アーム状接点部の先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部が設けられている複数の接触子と、上記一対のアーム状接点部に対して接近又は離間するように構成され、挿入される当該電子部品を所定位置に押さえるためのラッチ部材と、上記カバー部材及び上記スライド部材を取り付け、かつ、上記複数の接触子を保持する本体と、上記本体に固定され、上記本体への電子部品の装着に際し、当該電子部品を案内するとともに上記電子部品を位置決めして載置するためのアダプタ部材とを備え、上記スライド部材に上記複数の接触子に対応する位置に複数の孔が形成されるとともに、これら各孔に一対の貫通孔を隔離するための係合部が形成され、該一対の貫通孔にそれぞれ一対のアーム状接点部が配置され、該係合部の上下動によって上記アーム状接点部の係合突部と係合して開閉するように構成され、上記カバー部材が押圧されず上記本体に対して上方の位置にあるときは、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部に対して下方で離間した第1の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が閉状態である一方で、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態では、上記係合部が上記一対のアーム状接点部の係合突部と当接する第2の位置にあって、上記一対のアーム状接点部が開状態で、かつ、上記ラッチ部材が上記一対のアーム状接点部の近傍から退避して、上記電子部品を上記ソケット本体に固定された上記アダプタ部材に位置決め載置可能であり、さらに、上記カバー部材が下方へ押し下げられた状態から当該カバー部材の押圧を解除することにより、上記ラッチ部材によって上記電子部品を所定位置に押さえるとともに、上記開状態にある一対のアーム状接点部の弾性力によって上記電子部品の各接続端子を双方向から挟んで加圧接触するように構成されていることを特徴とするソケットである。
【0035】
この場合、請求項10記載の発明のように、請求項9記載の発明において、上記レバー部材が上記本体に回動可能に取り付けられ、該レバー部材の力点部が上記カバー部材に当接する一方で、該レバー部材の作動部が上記スライド部材の下方においてその下面部に当接可能に構成されていることも効果的である。
【0036】
【0037】
請求項6乃至10記載の発明にあっては、カバー部材の移動に応じて上下動可能なスライド部材を設けたことから、例えばレバー部材等の駆動部材の作動部をスライド部材の下部に配置することができ、これにより容易にソケットの大きさをコンパクトにすることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るソケットの好ましい実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1(a)は、本実施の形態のソケットの要部構成を示す断面図で、カバーが押し上げられた状態を示すもの、図1(b)は、同実施の形態のソケットの要部構成を示す断面図で、カバーを押し下げた状態を示すものである。
図2は、本実施の形態のソケットの要部構成を示す断面図で、BGAパッケージが装着された状態を示すものである。
図3(a)は、本実施の形態のレバー部材の動作を拡大して示す説明図、図3(b)は、本実施の形態のスライダとコンタクトの動作を拡大して示す説明図である。
【0039】
図4(a)は、本実施の形態のベースの上側から見た平面図、図4(b)は、同ベースの正面図である。また、図5(a)は、本実施の形態のベースの側面図、図5(b)は、同ベースの下側から見た平面図である。
図6(a)は、本実施の形態のスライダの上側から見た平面図、図6(b)は、同ベースの正面図である。また、図7(a)は、本実施の形態のスライダの側面図、図7(b)は、同スライダの下側から見た平面図である。
図8(a)は、本実施の形態のアダプタの上側から見た平面図、図8(b)は、同アダプタの正面図である。また、図9(a)は、本実施の形態のアダプタの側面図、図9(b)は、同アダプタの下側から見た平面図である。
【0040】
本実施の形態のソケット1は、概略、ソケット本体としてのベース2と、カバー(カバー部材)3と、ベース2上に設けたスライダ(接点部開閉部材、スライド部材)4と、スライダ4上に設けたアダプタ(アダプタ部材)5から構成され、これらは、例えばポリエーテルイミド等の樹脂材料を用いて成形されている。
【0041】
ベース2は、図示しないプリント基板等の回路基板上に固定されるもので、例えば四角形状に形成されている。図4(a)(b)及び図5(a)(b)に示すように、このベース2には、後述するコンタクト6を保持するため、その中央部に複数の貫通孔2aが形成されている。
【0042】
また、ベース2には、スライダ4の位置決めを行うためのレール状の4つのガイド部2bと、アダプタ5を位置決めて取り付けるための一対のガイド部2cが、ベース2に対して垂直に設けられている。
【0043】
一方、カバー3は、ベース2とほぼ同様の大きさを有する四角形状のフレーム状に形成され、その中央部分にはBGAパッケージ(電子部品)9を挿入するための開口部3aが形成されている。
【0044】
ベース2とカバー3とは、互いに平行な状態を保持したまま接近又は離れるように構成されている。そして、カバー3とベース2との間には、圧縮コイルばね8が設けられ、これによりカバー3とベース2とが互いに離れる方向に付勢されてしいる。
【0045】
一方、図6(a)(b)及び図7(a)(b)に示すように、スライダ4には、ベース2に形成された貫通孔2aと対応する位置に後述する複数の貫通孔4bが形成されている。また、スライダ4の周縁部には、上述したベース2のガイド部2bと係合して摺動可能な位置決め部4cが設けられている。
【0046】
一方、スライダ4は、以下の機構によって、ガイド部2bに沿ってカバー3と平行に移動(上下動)できるように構成されている。
すなわち、図2及び図3(a)に示すように、ベース2のスライダ4より下方の部位に設けた支軸20を中心としてベース2又はカバー3方向に回動可能なレバー部材21が設けられ、このレバー部材21の先端部(てこの力点)21aがカバー3の内側に設けられた作動面30と当接するようになっている。このレバー部材21の上記支軸20の近傍には、てこの作用点となる作動突起部21bが設けられ、この作動突起部21bは、レバー部材21を押し下げるに伴ってスライダ4の下部40と当接しスライダ4を押し上げるように構成されている。
【0047】
なお、本実施の形態の場合、カバー3の作動面30はカバー3の上面31に対して平行に形成されているが、この作動面30を所定の角度だけ傾斜させることもできる。カバー3の作動面30を傾斜させることにより、てこの力点であるレバー部材21の先端部21aとカバー3の作動面30との摩擦が小さくなり、これによりカバー3を押し下げる力を小さくして操作性を向上させることができる。
【0048】
本実施の形態の場合、BGAパッケージ9は、基板10の一方の面に、接続端子としての複数個のはんだボール11が所定のパターンで形成されている。ここで、はんだボール11の直径は、0.3〜0.75mm程度であり、また、隣接するはんだボール11間のピッチは、0.5〜1.27mm程度のものである。
【0049】
そして、アダプタ5には、このようなBGAパッケージ9を載置するための着座部(電子部品着座部)5aが設けられている。
図8(a)(b)及び図9(a)(b)に示すように、アダプタ5の下部には、一対の爪部5bが着座部5aの法線方向に延びるように形成され、これら爪部5bは、ベース2に設けた穴部2d(図4参照)に挿入されるようになっている。
【0050】
また、アダプタ5の側部には、一対の位置決め孔5cが対向する位置に形成され、これら位置決め孔5cは、上述したベース2のガイド部2cと係合するように構成されている。
【0051】
図10は、本実施の形態のコンタクトの全体構成を示すものである。
図1(a)(b)に示すように、コンタクト6は、BGAパッケージ9のパッケージ10の裏面に設けられた各はんだボール11と対応する位置に同じ数だけ設けられる。
【0052】
本実施の形態の場合、コンタクト6はベリリウム銅等の金属製の長尺の部材からなり、上述した従来例と同様に、一対のアーム状接点部としてのアーム6a、6bを有している。このコンタクト6は、例えば金属板の板金加工によって一体的に形成される。
【0053】
図10に示すように、本実施の形態のコンタクト6は、一方の端部にベース2への固定部6cが形成され、他方の端部に向かって一対のアーム6a、6bが延びるように構成されている。
【0054】
本実施の形態の場合、コンタクト6の一対のアーム6a、6bは互いに対向するように構成され、コンタクト6の長手方向に延びる軸に対して対称な形状に形成されている。ここで、各アーム6a、6bには、それぞれの先端近傍の部位を互いに近づける方向に「く」の字状に折り曲げることによりくびれた形状の係合突部61が設けられている。
【0055】
なお、これらコンタクト6は、ベース2にスライダ4を取り付けた後に、ベース2の裏側から挿入されるようになっている。
【0056】
一方、図1(a)(b)及び図2に示すように、スライダ4の中央部には、格子状の隔壁部(係合部)4aを設けることによって、多数の貫通孔4bが形成されている。そして、各コンタクト6は、アーム6a、6b先端の加圧接触部60がそれぞれ貫通孔4bを貫通してスライダ4の上部から突出するようになっている。
【0057】
ここで、各コンタクト6のアーム6a、6bは、スライダ4の隔壁部4aを挟むように、さらに係合突部61がスライダ4の隔壁部4aの上方に位置するように配設される。そして、図1(a)及び図3(b)に示すように、スライダ4がベース2側に位置する場合にアーム6a、6bの加圧接触部60の係合突部61同士が若干重なるように構成されている。
【0058】
図1(a)(b)及び図2に示すように、本実施の形態においては、装着されたBGAパッケージ9の浮きを防止するための一対のラッチ(ラッチ部材)25が設けられている。ここで、各ラッチ25は断面ほぼ「J」字状に形成され、その起端部25aがベース2に回動自在に支持されることによってラッチ25の先端部25bがコンタクト6の加圧接触部60に対して接近又は離間するように構成されている。
【0059】
また、これらのラッチ25は、外力を与えない状態において、連結部25cを介して伝達される圧縮コイルばね26の弾性力によってコンタクト6の加圧接触部60側に付勢されるようになっている。
【0060】
その一方、カバー3に設けられた押圧部31がカバー3の押し下げに伴って各ラッチ25の上記連結部25cに当接することにより、てこ作用によって各ラッチ25の先端部25bがコンタクト6の加圧接触部60から離間するように構成されている。
【0061】
このような構成を有する本実施の形態の場合、カバー3を押圧しない状態においては、図1(a)に示すように、圧縮コイルばね8の付勢力によってカバー3がベース2から離れた位置にあるため、カバー3の作動面30とレバー部材21とは係合しておらず、このため、図3(a)の実線で示すように、レバー部材21とスライダ4の下部40も係合していない。
したがって、この状態においては、図1(a)及び図3(b)に示すように、各コンタクト6は閉じられている。
【0062】
この状態からカバー3をY-方向に押し下げると、図1(b)に示すように、レバー部材21がカバー3に伴って押し下げられ、これにより図3(a)に示すように、レバー部材21の作動突起部21bがスライダ4の下部40と当接してスライダ4を押し上げる。その結果、スライダ4の隔壁部4aが各コンタクト6の係合突部61に当接することによって、図1(b)及び図3(b)に示すように、各コンタクト6のアーム6a、6bが同じ距離だけ移動し加圧接触部60が開く。
【0063】
この状態においては、図1(b)に示すように、各ラッチ25はコンタクト6近傍から待避しており、BGAパッケージ9をカバー3の開口部3aから挿入することによりこれをアダプタ5の着座部5a上に載置することができる。
【0064】
その後、カバー3への押圧力を解除することにより上述した動作と逆の動作が行われ、これによって各コンタクト6のアーム6a、6bが閉じられ、図1(b)及び図2に示すように、BGAパッケージ9の各はんだボール11が各アーム6a、6bの加圧接触部60によって加圧接触される。
【0065】
なお、BGAパッケージの取り外しは、再度カバーを押圧し、コンタクトのアームを開くことによって行われる。
【0066】
以上述べたように本実施の形態によれば、一対のアーム6a、6bをそれぞれ開閉させるようにしたことから、従来技術のように着脱時に一方のアーム6a、6bに多大な応力を発生させることはなく、各アーム6a、6bを均等に開かせることによって均一な応力を発生させることができる。その結果、本実施の形態によれば、コンタクト6のアーム6a、6bの最大たわみ量を低減させることができるので、コンタクト6の寿命を大幅に延ばすことができる。
【0067】
また、本実施の形態によれば、各アーム6a、6bが均等に開くため、BGAパッケージ9のはんだボール11を落とし込む部分の中心点が常に一定の位置にあるため、アーム6a、6bの開く量を調整した場合であっても、はんだボール11の落とし込みの位置を調整する必要がなくなり、その結果、検査工程の効率を向上させることができる。
【0068】
さらに、本実施の形態にあっては、各アーム6a、6bからBGAパッケージ10のはんだボール11に対して反対方向で同等の大きさの押圧力が働くため、従来技術に比べてはんだボール11に対する押圧力を大きくすることができ、これによりはんだボール11に対する接触信頼性を向上させることができる。
【0069】
その一方、本実施の形態によれば、BGAパッケージ9をソケット1から取り外す際にも各アーム6a、6bからはんだボール11に対して反対方向で同等の大きさの力が働くため、従来技術に比べてはんだボール11に対する剥離力を大きくすることができ、これによりテスト後におけるアーム6a、6bのはんだボール11への固着を防止することができる。
【0070】
さらにまた、本実施の形態によれば、スライダ4をアーム6a、6bの開閉方向と直交する方向に移動させるようにしたことから、レバー部材21の作動突起部21bをスライダ4の下部に配置することができ、これによりソケット1の構成をコンパクトにすることができる。
【0071】
加えて、本実施の形態によれば、アーム6a、6bの開閉方向を任意に選択することができるため、例えば、コンタクト6毎にそれぞれの開閉方向を変えるなど設計の自由度を大きくすることが可能になる。
【0072】
なお、本発明は上述の実施の形態に限られることなく、以下に説明するように種々の変更を行うことができる。
【0073】
図11〜図13は、本発明の他の実施の形態の要部を示すものであり、以下、上述の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付しその詳細な説明を省略する。
【0074】
上述の実施の形態においては、スライダ4をベース2からカバー3側へ移動させるようにしたが、本発明においては、例えば図11に示すように、カバー3を押し下げた場合に直接スライダ4を基準位置からベース2側へ移動させ、それぞれの隔壁部42を各コンタクト6のアーム6a、6bの係合突部61を押圧させることによってこれらを開かせるように構成することもできる。
【0075】
このような構成を有する本実施の形態は、レバー、カム、シャフト等が不要になるため、コンパクトな構成のソケットが得られるとともに、部品点数が少なくすることができるので、コスト面で有利なものである。その他の構成及び作用効果については上記実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0076】
また、図12に示すように、スライダ4に2種類の隔壁部43、44を設け、例えばレバー等を用いて各隔壁部43、44をカバー3を押し下げる方向と直交する方向で互いに逆方向へ移動させ、これにより各アーム6a、6bを押圧して開閉させるように構成することもできる。
【0077】
このような構成を有する本実施の形態は、スライダ4を上下に移動させてコンタクト6を開く場合に比べてスライダ4(隔壁部43、44)とコンタクト6との摺動範囲が小さいため、スライダ4の摩耗を少なくして長寿命化を図ることができ、また、スライダ4を水平に移動させる技術は従来より確立しているので、動作の信頼性を容易に確保しうる点で有利である。その他の構成及び作用効果については上記実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0078】
さらに、図13に示すように、2種類のスライダ4を用いて各コンタクト6のアーム6a、6bを開閉させることもできる。すなわち、本実施の形態においては、ベース2上にアーム6a、6bの開閉方向と同一方向に移動可能な一対の第1のスライダ50が設けられており、これら第1のスライダ50は、カバー3に設けた所定角度のテーパ32と係合することによって圧縮コイルばね51の付勢力に抗してコンタクト6に向って移動するように構成されている。
【0079】
ここで、第1のスライダ50には、所定角度のテーパ50aが設けられており、各スライダ50のテーパ50aと第2のスライダ52が係合することにより、圧縮コイルばね53の付勢力に抗して第2のスライダ52がカバー3側へ移動するように構成されている。
【0080】
そして、このような構成によれば、上記実施の形態と同様、カバー3の移動に伴いスライダ52の隔壁部52aによって、各コンタクト6のアーム6a、6bを開閉させることができる。
【0081】
さらに、本実施の形態の場合は、第1のスライダ50の複数のテーパ50aの面によって第2のスライダ52を押し上げるようにしているので、円滑かつ確実にコンタクト6を開閉することができるものである。その他の構成及び作用効果については上記実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0082】
図14(a)は、本発明のさらに他の実施の形態の要部構成を示す断面図で、カバーが押し上げられた状態を示すもの、図14(b)は、同実施の形態の要部構成を示す断面図で、カバーを押し下げた状態を示すもの、図14(c)は、同実施の形態の要部構成を示す拡大図である。
また、図15は、同実施の形態の要部構成を示す断面図で、BGAパッケージが装着された状態を示すものである。
【0083】
本実施の形態のソケット1Aは、上述した従来例と同様の機構(図示せず)によりコンタクト6のアーム6a、6bの開閉方向と直交する方向へスライド可能なスライダ4Aを備え、このスライダ4Aによって、コンタクト6の一方のアーム6bを移動させるように構成されている。
【0084】
また、本実施の形態のアダプタ70は、以下の機構によって、図示しないガイド部に沿ってカバー3と平行に移動(上下動)できるように構成されている。
すなわち、図14(a)〜(c)に示すように、ベース2のアダプタ70より下方の部位に設けた支軸71を中心としてベース2又はカバー3方向に回動可能なレバー部材72が設けられ、このレバー部材72の先端部(てこの力点)72aがカバー3の内側に設けられた作動面3aと当接するようになっている。このレバー部材72の上記支軸71の近傍には、てこの作用点となる作動突起部72bが設けられ、この作動突起部72bは、レバー部材72を押し下げるに伴ってアダプタ70の下部70aと当接しスライダ4Aを押し上げるように構成されている。
【0085】
このような構成を有する本実施の形態の場合、カバー3を押圧しない状態においては、図14(a)に示すように、圧縮コイルばね8の付勢力によってカバー3ベース2から離れた位置にあるため、カバー3の作動面3aとレバー部材72とは係合しておらず、アダプタはスライダ4A側の位置に配置されている。
【0086】
この状態からカバー3をY-方向に押し下げると、図14(b)に示すように、レバー部材72がカバー3に伴って押し下げられ、これによりレバー部材72の作動突起部72bがアダプタ70の下部70aと当接してアダプタ70が押し上げられる。
【0087】
この状態において、カバー3を押し下げたままBGAパッケージ9をカバー3の開口部3aから挿入してアダプタ70の着座部70b上に載置する。
【0088】
図14(c)に示すように、本実施の形態においては、アダプタ70が所定の距離だけカバー3側の位置に移動しているため、アダプタ70の着座部70b上に載置されたBGAパッケージ9のはんだボール11は、各コンタクト6のアーム6a、6bの上端部より上方に位置する。
【0089】
その後、カバー3への押圧力を解除することにより上述した動作と逆の動作が行われ、例えば図示しないばね等を用いてアダプタ70が元の位置に戻されるとともに各コンタクト6のアーム6a、6bを閉じられ、図8に示すように、BGAパッケージ9の各はんだボール11が各アーム6a、6bの加圧接触部60によって加圧接触される。
【0090】
以上述べたように本実施の形態にあっては、アーム6a、6bの開閉状態に応じて移動可能な着座部70bをアダプタ70に設けたことから、BGAパッケージ9をソケット1Aに装着する際にをアーム6a、6bから退避させて、BGAパッケージ9のはんだボール11とアーム6a、6bの加圧接触部60との接触を回避することができる。その結果、本実施の形態によれば、BGAパッケージ9の装着の際に位置ずれが生ずることはなく、これによりBGAパッケージ9の装着性を向上させることができるとともに、アーム6a、6bの先端部の破損を確実に防止することができる。
【0091】
さらに、本実施の形態によれば、BGAパッケージ9をソケット1Aから取り外す際に着座部70cを移動させることによってBGAパッケージ9を強制的にアーム6a、6bの加圧接触部60から引き離すことができるため、BGAパッケージ9がアーム6a、6bの加圧接触部60に固着している場合であっても、BGAパッケージ9をアーム6a、6bから確実に取り外すことができる。その他の構成及び作用効果については上記実施の形態と同一であるのでその詳細な説明を省略する。
【0092】
なお、本発明は、バーンインテスト用のソケットのみならず、種々の電気的特性試験用のソケットに適用することができるものである。
【0093】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、接触子のアーム状接点部の最大たわみ量を低減させることができるので、接触子の寿命を大幅に延ばすことができる。
また、本発明によれば、アーム状接点部の開く量を調整した場合であっても、接続端子の落とし込みの位置を調整する必要がなくなり、検査工程の効率を向上させることができる。
さらに、本発明によれば、電子部品の装着性を向上させることができるとともに、アーム状接点部の加圧接触部の破損を確実に防止することができる。
さらにまた、本発明によれば、テスト後におけるアーム状接点部の加圧接触部の電子部品への固着を確実に防止することができる。
加えて、本発明によれば、ソケットの構成をコンパクトな構成にすることができるとともに、接触子の開閉方向を任意に選択することができるため、例えば、接触子毎に開閉方向を変えるなど設計の自由度を大きくすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a):本発明の実施の形態のソケットの要部構成を示す断面図で、カバー3が押し上げられた状態を示すもの
(b):同実施の形態のソケットの要部構成を示す断面図で、カバー3を押し下げた状態を示すもの
(c)図1の一点鎖線で囲まれた部分Aを拡大して示す図
【図2】同実施の形態の要部構成を示す断面図で、BGAパッケージが装着された状態を示すもの
【図3】(a):同実施の形態のレバー部材の動作を拡大して示す説明図
(b):同実施の形態のスライダとコンタクトの動作を拡大して示す説明図
【図4】(a):同実施の形態のベースの上側から見た平面図
(b):同ベースの正面図
【図5】(a):同実施の形態のベースの側面図
(b):同ベースの下側から見た平面図
【図6】(a):同実施の形態のスライダの上側から見た平面図
(b):同スライダの正面図
【図7】(a):同実施の形態のスライダの側面図
(b):同スライダの下側から見た平面図
【図8】(a):同実施の形態のアダプタの上側から見た平面図
(b):同アダプタの正面図
【図9】(a):同実施の形態のアダプタの側面図
(b):同アダプタの下側から見た平面図
【図10】同実施の形態のコンタクトの全体構成図
【図11】本発明の他の実施の形態の要部を示す概略構成図
【図12】本発明の他の実施の形態の要部を示す概略構成図
【図13】本発明の他の実施の形態の要部を示す概略構成図
【図14】(a):本発明のさらに他の実施の形態の要部を示す断面図で、カバー3が押し上げられた状態を示すもの
(b):同実施の形態の要部を示す概略構成図で、カバーを押し下げた状態を示すもの
(c):同実施の形態の要部構成を示す拡大図
【図15】同実施の形態の要部構成を示す断面図で、BGAパッケージが装着された状態を示すもの
【図16】(a):従来のソケットの要部構成を示す断面図で、カバーが押し上げられた状態を示すもの
(b):従来のソケットの要部構成を示す断面図で、カバーを押し下げた状態を示すもの
(c):図16の一点鎖線で囲まれた部分Sを拡大して示す図
【符号の説明】
1……ソケット 2……ベース(ソケット本体) 3……カバー(カバー部材) 4……スライダ(接点部開閉部材、スライド部材) 4a……隔壁部(係合部) 5……アダプタ(アダプタ部材) 5a……着座部(電子部品着座部) 6……コンタクト(接触子) 6a、6b……アーム(アーム状接点部) 9……BGAパッケージ(電子部品) 10……基板 11……はんだボール(接続端子) 21……レバー部材 25……ラッチ(ラッチ部材) 60……加圧接触部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審決日 2004-09-14 
出願番号 特願平11-243520
審決分類 P 1 41・ 121- Y (G01R)
P 1 41・ 856- Y (G01R)
最終処分 成立  
特許庁審判長 杉野 裕幸
特許庁審判官 福田 裕司
山川 雅也
登録日 2001-12-07 
登録番号 特許第3257994号(P3257994)
発明の名称 ソケット  
代理人 石島 茂男  
代理人 阿部 英樹  
代理人 阿部 英樹  
代理人 石島 茂男  

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