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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G07F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  G07F
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  G07F
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  G07F
審判 全部申し立て 1項1号公知  G07F
管理番号 1111074
異議申立番号 異議2003-70751  
総通号数 63 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-10-18 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-03-19 
確定日 2004-11-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3328679号「写真シール自動販売用描画方法および写真シール自動販売機」の請求項1から請求項12までに係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3328679号の請求項1から請求項8までに係る特許を維持する。 
理由 第一.手続の経緯
特許第3328679号(請求項の数12)に係る出願は、平成13年4月6日の出願であり、その発明について、平成14年7月19日に特許権の設定の登録があった。
その後、その請求項1から請求項12まで(全請求項)に係る特許について、平成15年3月19日に特許異議申立人・山口知子から、平成15年3月20日に特許異議申立人・上杉則亮から、平成15年3月31日に特許異議申立人・藤田忍から、それぞれ、特許異議の申立てがあった。
平成16年5月18日付けで取消しの理由が通知されたところ、同通知において指定された期間内に訂正請求書(平成16年7月27日付け)が提出された。

第二.訂正の請求
〈結論〉
訂正を認める。
〈理由〉
1.請求の内容等
(a)請求の趣旨
本件訂正の請求(平成16年7月27日付け)の趣旨は、願書に添付した明細書(特許明細書)を訂正請求書に添付した訂正した明細書(訂正明細書)のとおりに訂正することを求めるものである。
(b)訂正の内容
(b1)訂正事項a
請求項1を、特許請求の範囲の限縮を目的として、「映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリン夕で印刷する写真シール自動販売用描画方法であって、前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、前記制御手段で制御して、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンがタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する写真シール自動販売用描画方法。」(訂正後)と訂正する。
(b2)訂正事項b
請求項5および請求項6を、特許請求の範囲の限縮を目的として、削除する。
(b3)訂正事項c
請求項7を、特許請求の範囲の減縮および誤記の訂正を目的として、請求項5とした上で、「映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売機であって、前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、前記制御手段に、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンをタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する制御機能を設定した写真シール自動販売機。」(訂正後)と訂正する。
(b4)訂正事項d、e、f
明りようでない記載の釈明を目的として、以下のとおり訂正する。
・請求項8を請求項6とする。引用する請求項を請求項5とする。
・請求項9を請求項7とする。引用する請求項を請求項5とする。
・請求項10を請求項8とする。引用する請求項を請求項5、6又は7 とする。
(b5)訂正事項g
請求項11および請求項12を、特許請求の範囲の限縮を目的として、削除する。
(b6)訂正事項h、i、j、k
明りようでない記載の釈明を目的として、以下のとおり訂正する。
・段落0006を訂正する。
・段落0007と段落0008の間に新たな段落0008を追加する。
・段落0014から段落0018までを削除する。
・上記段落の追加および削除に伴い段落番号を繰り上げる。

2.訂正の適合性
(a)訂正の目的
(a1)訂正事項aについて
訂正前に記載のあった「入力手段」を「タッチパネルとタッチペンにて形成し」と限定し、同じく「時間と共に変化させて表示し」の開始時点を「タッチされたときから」と限定し、同じく「時間と共に変化させて表示し」の変化態様を「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」と限定するものである。特許請求の範囲の限縮に該当する。
(a2)訂正事項bについて
請求項を削除するものであり、特許請求の範囲の限縮に該当する。
(a3)訂正事項cについて
記載事項については、訂正事項aと同様の訂正であり、特許請求の範囲の減縮に該当する。請求項の番号については、請求項5および請求項6の削除に伴う番号の繰上げであり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
(a4)訂正事項d、e、fについて
いずれも、請求項7を請求項5に繰上げたこと(訂正事項c)に伴い、請求項の番号および請求項間の従属関係を整理したものであり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
(a5)訂正事項gについて
請求項を削除するものであり、特許請求の範囲の限縮に該当する。
(a6)訂正事項h、i、j、kについて
いずれも、特許請求の範囲の訂正との整合性を図るように発明の詳細な説明の記載を整理したものであり、明りょうでない記載の釈明に該当する。
(b)訂正の範囲
訂正事項a、訂正事項c、訂正事項h(段落0006の訂正)および訂正事項i(段落0008の追加)は、特許明細書の段落0090から段落0094まで、段落0097から段落0101まで、段落0105から段落0109まで、に記載されている。
したがって、訂正事項aから訂正事項kまでは、いずれも、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてする訂正である。
(c)特許請求の範囲の拡張・変更
訂正事項aから訂正事項kまでは、訂正の前後において、特許請求の範囲の記載された用語の意義の解釈、産業上の利用分野、解決しようとする課題及び効果に変更をもたらすものではない。
したがって、訂正事項aから訂正事項kまでは、いずれも、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

3.まとめ
以上、本件訂正は、特許法(特許法等の一部を改正する法律(平成15年5月23日法律第47号)により改正される前の特許法)第120条の4第2項の規定に適合し、かつ、同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定にも適合するから、これを認める。

第三.本件発明
前述のとおり、訂正を認める。
訂正後の請求項1から請求項8までに係る発明(以下、まとめて、本件発明ともいう)は、それぞれ、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1から請求項8までに記載された事項によりに特定されるところの、下記のとおりのものである。
記(訂正後の特許請求の範囲)
【請求項1】
映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売用描画方法であって、
前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、
前記制御手段で制御して、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンがタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、
該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する
写真シール自動販売用描画方法。
【請求項2】
前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を入れ替えて表示して前記描画用画像を時間と共に変化させる請求項1記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項3】
前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を順次重ねて表示する追加合成表示によって前記描画用画像を時間と共に変化させる請求項1記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項4】
前記制御手段で制御して前記撮影画像に対する前記描画用画像の表示位置を、入力手段で指定した指定位置を基準とする所定の表示範囲内でランダムに変化させる請求項1、2又は3記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項5】
映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売機であって、
前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、
前記制御手段に、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンをタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、
該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する制御機能を設定した
写真シール自動販売機。
【請求項6】
前記制御手段に、複数種類の描画用画像を入れ替えて表示して前記描画用画像を時間と共に変化させる制御機能を設定した請求項5記載の写真シール自動販売機。
【請求項7】
前記制御手段に、複数種類の描画用画像を順次重ねて表示する追加合成表示によって前記描画用画像を時間と共に変化させる制御機能を設定した請求項5記載の写真シール自動販売機。
【請求項8】
前記制御手段に、前記撮影画像に対する前記描画用画像の表示位置を、入力手段で指定した指定位置を基準とする所定の表示範囲内でランダムに変化させる制御機能を設定した請求項5、6又は7記載の写真シール自動販売機。

第四.特許異議の申立て
1.申立ての概要
特許異議の申立ての理由は、概略、下記のとおりである。
記(申立ての理由)
(a)特許異議申立人・山口知子
〈理由1〉
対象請求項:請求項1および請求項7
違反条項 :特許法第29条第1項第3号
証拠方法 :特開平11-167674号公報(甲1)
〈理由2〉
対象請求項:請求項1から請求項12まで
違反条項 :特許法第29条第2項
証拠方法 :特開平11-167674号公報(甲1)
特開平10-282571号公報(甲2)
特開平9-212285号公報(甲3)
特開平9-167058号公報(甲4)
特開2001-75721号公報(甲5)
特開平9-297858号公報(甲6)
〈理由3〉
違反条項 :特許法第36条第6項第2号または第4項
(b)特許異議申立人・上杉則亮
〈理由1〉
対象請求項:請求項1から請求項12まで
違反条項 :特許法第29条第1項第1号
証拠方法 :雑誌「月刊コインジャーナル」(甲5)
資料「チャオッピ!ソフトバージョンアップのご案内」
(甲6)
CD-ROM(甲8)内のファイルのプリントアウト(甲7)
CD-ROM「バージョンアップCD-ROM」(甲8)
〈理由2〉
対象請求項:請求項1から請求項12まで
違反条項 :特許法第29条第2項
証拠方法 :特開平10-282571号公報(甲1)
特開平10-239736号公報(甲2)
実用新案登録第3064486号公報(甲3)
特開平10-108112号公報(甲4)
(c)特許異議申立人・藤田忍
対象請求項:請求項1から請求項12まで
違反条項 :特許法第29条第2項
証拠方法 :特開平11-234602号公報(甲2)
特開2000-69404号公報(甲3)
特開2001-75498号公報(甲4)
「@Nifty」ホームページプリントアウト(甲5)
特開平11-185152号公報(甲6)
特開平7-199889号公報(甲7)

2.取消しの理由
当審が通知した取消しの理由は、概略、下記のとおりである。
記(取消しの理由)
〈理由1〉
請求項1から請求項12までに係る発明は、いずれも、下記刊行物に記載された各発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

刊行物1:特開平11-167674号公報(山口甲1)
刊行物2:特開平10-282571号公報(山口甲2、上杉甲1)
刊行部3:特開平11-185152号公報(藤田甲6)
刊行物4:実用新案登録第3064486号公報(上杉甲3)
刊行物5:特開平9-297858号公報(山口甲6)
〈理由2〉
請求項1から請求項12までに係る発明は、いずれも、その出願前日本国内において公然知られた発明であるから、特許法第29条第1項第1号の規定に違反してされたものである。証拠として、申立人上杉則亮が提出した甲第5号証から甲第8号証までを援用する。
〈理由3〉
本件特許は、特許法第36条第6項第2号または第4項の規定にする要件を満たしていない特許出願に対してされたものである。

3.申立ての理由の検討
(1)特許法第29条第1項第3号、同条第2項
(1-1)(a)各申立人が提出した証拠方法(刊行物)のいずれにも、訂正後の請求項1から請求項8までに係る各発明が備える下記の構成は記載されていない。
記(訂正後の請求項に係る各発明が備える構成)
タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンがタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示すること
(b)そして、訂正後の請求項に係る各発明は、上記構成を備えることにより、「また、描画用画像の変化は使用して初めて見ることができるため、指定した位置での描画用画像の変化自体を楽しむことができる。さらに、描画用画像の位置および変化によっては、利用者が意図する描画効果と異なる描画効果を発見できるため、落書きに対する娯楽性がより一層向上する。」(訂正明細書の段落0109、段落0110)との効果を奏するものである。
(c)以上、訂正後の請求項1から請求項8までに係る発明は、いずれも、各申立人が提出した証拠方法(刊行物)に記載された発明であるとも、また、同記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるとも、言うことはできない。
(1-2)証拠方法(刊行物)の検討
(a)申立人・山口知子の証拠方法
(a1)特開平11-167674号公報(山口甲1:刊行物1)には、「画像プリント作成装置」に関して、「操作者は希望のパーツが表示されているタッチパネル位置を指によって接触操作することにより、希望のパーツを選択し、そのままの状態(接触状態のまま)で指を移動させることにより、選択したパーツを自分の顔画像・・の任意の位置(矢印で示す頭部位置)へ移動させ・・自分の顔画像に対して、複数のパーツを貼り合せ合成を行う」(段落0044)こと、「操作者がある1つのパーツを選択し、タッチパネル・・上に指を接触させたまま、指の回転運動により、指の移動軌跡を回転させ(る)」(段落0046)こと、「指が左回りに回転している場合は・・その変化量に応じた縮小パラメータを出力し、パーツの大きさを縮小させる・・右回りに回転している場合は・・その変化量に応じた拡大パラメータを出力し、パーツの大きさを拡大させる・・回転がない場合はそのまま終了する。」(段落0048)こと、が記載されている。
ここで、変化の態様は、同一パーツの大きさの変化(縮小・拡大)であり、「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」ものではない。また、その変化は指の回転操作により始まるものであり、その大きさは回転の変化量に応じて変化する。指の離接を契機として変化するものではなく、本願発明のように、タッチペン(指)の「タッチされたときから」および「離されたときに」によるものではない。
(a2)特開平10-282571号公報(山口甲2、上杉甲1:刊行物2)には、「画像合成写真機」に関して、「撮影開始前において選択可能な複数種のフレーム画像Fの画像パターンが一覧表示されたフレーム画像選択画面・・が表示される。プレーヤPは・・決定ボタン14を押下することにより、撮影で使用するフレーム画像Fのパターンを選択する」(段落0016)、「フレーム画像選択画面中から所望の画像パターンが選択された際にはモニターテレビ上にてその選択された画像パターンに対応するフレーム画像Fが動画像として表示される」(段落0017)、図5に関して「この絵コンテは(a)→(b)→(c)→(d)の順番で動画像パターンを表している。」(段落0018)、「モニタテレビ上でフレーム画像Fが動いている最中において、そのフレーム画像FがプレーヤPの気に入った映像となった瞬間、プレーヤPがストップボタン25を押下することにより、その気にいった映像が静止画像としてモニタテレビ18上に表示される」(段落0019)と記載されている。
しかし、「(a)→(b)→(c)→(d)の順番」との記載があるだけで、「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」旨の記載はない。また、表示される動画像はフレーム画像であり、しかも、撮影開始前に選択されるものである。本件発明のように「撮影画像に描画用画像を・・描画(し)」するものではない。
(a3)特開平9-212285号公報(山口甲3)には、「操作点Aに入力ペン1を指示された時点より、時間検出手段が時間検出を行い、決められた時間を経過する毎に、その点4の大きさを徐々に大きくしていく。」(段落0020)、「開始点4での操作時間(操作した位置での静止時間)が・・上記最大時間経過後には、初期の点の大きさに戻され、計時時間がクリアされ、再度時間とともに徐々に大きくなる。」(段落0021)と記載されている。入力ペンで指示した点の大きさが、時間と共に徐々に大きくなることを繰り返すことが記載されている。しかし、ここでの繰返し表示は、手書入力装置において操作した点(線)の大きさ(幅)の選択肢を繰返し表示するものである。
特開平9-167058号公報(山口甲4)には、「ペン先端部1aが同一座標にある間中、この座標に表示されるメニュー項目の内容を・・一定時間毎に、所定の順番で切り替える。」(段落0032)、「ペンアップ時に表示画面2aに表示されているメニュー項目を確定する」(段落0034)と記載されている。しかし、ここでの切替え表示は、情報処理装置において指定したメニュー項目の内容を切替え表示するものである。
特開2001-75721号公報(山口甲5)には、「手書き入力した最後の位置でペン5を所定時間以上停止すると、・・ペン5が停止状態にある間は、整形・認識候補となる図形や文字を元の入力した状態や削除した状態を含めて循環表示する。」(段落0035)と記載されている。手書き入力した図形の候補図形を循環表示することが記載されている。しかし、ここでの循環表示は、図形入力装置において手書き入力した図形の候補図形を循環表示するものである。
上記各公報は、いずれも、本願発明のような「写真シール自動販売」の分野とは分野が異なるものである。また、上記選択肢、メニュー項目及び候補図形は、本件発明のように「撮影画像に描画用画像を・・描画(し)」するものでもない。
(a4)特開平9-297858号公報(山口甲6:刊行物5)に記載された描画装置は、選択したイラストと同じイラストの複数個を、ペン先を中心にして四方に広がって貼り付け表示するものである。「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」ものではない。
(b)申立人・上杉則亮の証拠方法
特開平10-239736号公報(上杉甲2)に記載された自動撮影機は、メインフレーム画像F1、背景フレーム画像F2およびメッセージフレーム画像F3にプレーヤ画像を映し出し、撮影するものである。各フレーム画像は、撮影時、重ねて表示される。
実用新案登録第3064486号公報(上杉甲3:刊行物4)に記載された映像プリント遊技装置は、撮影画像にその縮小画像P1を嵌め込み合成するものであり、縮小画像の候補は、嵌め込み用画像表示部61(図1)に一覧表示される。
特開平10-108112号公報(上杉甲4)に記載された映像データ印刷装置は、「スタンプ」を選択し、画面下方に表示されている図形化した画像45aの中からペンで選択して所望の位置に貼り付けるものである(段落0023)。
上記各公報は、いずれも、「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」ものではない。
(c)申立人・藤田忍の証拠方法
特開平11-234602号公報(藤田甲2)に記載された映像プリント供給装置は、他の装置から送られてきた画像と自分の装置で撮影した画像とを合成処理した後、背景に挿入する図形(フレーム)を選択したり、タイトル文字等の入力を行うものである(段落0024)。
特開2000-69404号公報(藤田甲3)に記載された画像プリント作成装置は、スタンプボックス47内に表示されたスタンプをタッチペン11を使用してドラッグ及びドロップすることにより、撮影画像上の任意の箇所に希望のスタンプを貼り付けるものである(段落0046)。
特開2001-75498号公報(藤田甲4)に記載された写真シール自動販売機は、撮影画像11の前方に2枚の前枠画像12c、12dを配置し、撮影画像11の後方にも2枚の後枠画像13c、13dが配置すると共に、前枠画像12cと12d及び後枠画像13cと13dが時間の経過に伴って変化するようにしたものである(段落0019)。
「@Nifty」ホームページプリントアウト(藤田甲5)には、「アニメーションカーソル」という文字が見えるだけである。
特開平11-185152号公報(藤田甲6:刊行物3)に記載された装飾ポートレート作成装置は、スイッチパネルの矢印キー「→」または「←」を短く1回押すことで、超短編アニメーション番組を構成する多数コマの装飾図案を1コマだけ順送りまたは逆送りさせ、押し続けることで連続的にコマ送りさせるものである(段落0019)。
特開平7-199889号公報(藤田甲7)には、スクリーンセーバについて記載されている。
上記各公報は、いずれも、「所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する」ものではない。
(2)特許法第29条第1項第1号
申立人・上杉則亮が提出した甲第5号証から甲第8号証までからは、上記した訂正後の請求項に係る各発明が備える構成を認定することができない。したがって、これらの証拠方法を根拠としては、訂正後の請求項1から請求項12までに係る各発明が本願出願前日本国内において公然知られた発明であると言うことはできない。
(3)特許法第36条
申立人・山口知子は下記(a)〜(e)の主張をするが(申立書27頁〜30頁)、以下のとおり採用することはできない。
記(主張)
(a)請求項3および請求項9の記載からは、実際に描画される画像が、「a.順次重ねて表示される複数種類の描画用画像のいずれか」であるのか「b.(順次重ねて表示される)複数種類の描画用画像が互いに重畳された状態の画像」であるのか、関連する記載(段落0095〜段落0102、図9)を参酌しても明確ではない。
(b)「共有メモリ4b」および「ローカルメモリ4a」につきその構成および他の構成要素との関係が記載されていないので、段落0080以降に記載されたハードウエア上の処理の実現性を把握できない。
(c)段落0089、段落0096、段落0104に記載された「アクションスタンプa(およびb、c)」が指すもの、および、「元となる」の意味が不明である。
(d)「落書き画像」なる用語が互いに異なる概念で使用されている。
(e)本件明細書に記載された「好みのタイプのペンを探す」ことは従来技術と同じ操作である。本件発明が、「この発明により・・好みのタイプのペンを探す利用者の探しやすさを向上し、」(段落0108)との効果を如何にして奏するのか明確に記載されていない。
記(採用できない理由)
主張(a)について
訂正により、請求項1は、「タッチペンがタッチパネルから離れたときに表示している描画用画像を描画する」と訂正され、実際に描画される画像は、変化の途中の画像であることが明確となった。請求項3は「追加合成表示よって前記描画用画像を時間と共に変化させる」ものであり、しかも、請求項1を引用することから、その実際に描画される画像は、「b.複数種類の描画用画像が互いに重畳された状態の画像」であることは明らかである。
また、本件の目的は、「その変化の中から好みの描画用画像を決定すればよいので、多量に並べられた描画用画像から好みの画像を探すわずらわしさを軽減できる。」(段落0007)ことにあるから、タッチペンが離される時点としては、「・・離されると、その時点で表示しているアクションスタンプbの状態、つまり(1)の状態」(段落0095〜段落0102、図9)に限らず、図9(2)〜(3)の状態も想定されていることも明らかである。
主張(b)について
ハードウエアについては段落0025〜段落0079にも記載がある。これらの記載をも参照すれば、「共有メモリ4b」および「ローカルメモリ4a」に関して現記載以上の記載がなくとも、当業者は、段落0080〜段落0085に記載された処理を容易に理解することができる。
主張(c)について
段落0087の記載をも参照して段落0089、段落0096および段落0104の記載を理解すれば、指摘のような不明な点はない。
主張(d)について
確かに、「落書き画像」の用法につき一部混乱が見られるが、本件発明の理解と実施に影響を及ぼす程ではない。
主張(e)について
本件発明の効果は、前記のとおり、訂正明細書の段落0109および段落0110にも記載されている。上記段落0108の記載の存在は、本件発明の理解と実施を妨げるものではない。

第五.むすび
以上のとおり、訂正後の請求項1から請求項8までに係る特許は、いずれも、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては取り消すことができない。
よって、結論のとおり決定をする。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
写真シール自動販売用描画方法および写真シール自動販売機
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売用描画方法であって、
前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、
前記制御手段で制御して、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンがタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、
該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する
写真シール自動販売用描画方法。
【請求項2】
前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を入れ替えて表示して前記描画用画像を時間と共に変化させる
請求項1記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項3】
前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を順次重ねて表示する追加合成表示によって前記描画用画像を時間と共に変化させる
請求項1記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項4】
前記制御手段で制御して前記撮影画像に対する前記描画用画像の表示位置を、入力手段で指定した指定位置を基準とする所定の表示範囲内でランダムに変化させる
請求項1、2又は3記載の写真シール自動販売用描画方法。
【請求項5】
映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売機であって、
前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、
前記制御手段に、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンをタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、
該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する制御機能を設定した
写真シール自動販売機。
【請求項6】
前記制御手段に、複数種類の描画用画像を入れ替えて表示して前記描画用画像を時間と共に変化させる制御機能を設定した
請求項5記載の写真シール自動販売機。
【請求項7】
前記制御手段に、複数種類の描画用画像を順次重ねて表示する追加合成表示によって前記描画用画像を時間と共に変化させる制御機能を設定した
請求項5記載の写真シール自動販売機。
【請求項8】
前記制御手段に、前記撮影画像に対する前記描画用画像の表示位置を、入力手段で指定した指定位置を基準とする所定の表示範囲内でランダムに変化させる制御機能を設定した
請求項5、6又は7記載の写真シール自動販売機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばゲームセンター等のアミューズメント施設において、デジタルカメラ等のカメラで写真を撮影し、その撮影画像をディスプレイに表示し、該撮影画像に対する描画用画像を入力手段で描画し、完成した画像をプリンタにてシール紙に印刷するような写真シール自動販売用描画方法および写真シール自動販売機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、デジタルカメラ等のカメラで撮影した撮影画像に対し、娯楽性を高めるためにタッチペン等の入力手段にて撮影画像に落書きができる写真シール自動販売機が提供されている。その落書き方法は、色や太さ、模様等が異なる複数タイプのペン(ブラシ)をディスプレイに表示して利用者に選択させ、ディスプレイに表示した撮影画像の上に、利用者によってタッチペンで描かれた点又は線が選択されたタイプのペンにて描かれるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ディスプレイに表示できる面積は限られるため、利用者が選択できるペンのタイプもそれに合わせて限られてしまう。表示方法を工夫して選択できるペンのタイプを大幅に増加させると、今度は利用者がたくさん並べられたペンから好みのタイプのペンを探すのがわずらわしくなり、選択に要する時間も増加するという問題が発生する。
【0004】
また、落書きは写真シールの仕上がりを楽しむのが目的となっており、落書きを行うこと自体に対する娯楽性は乏しかった。
【0005】
この発明は、好みのタイプのペンを探す利用者の探しやすさを向上し、選択できるペンのタイプも増加させ、落書きを行うこと自体に対する娯楽性をも高めた写真シール自動販売用描画方法および写真シール自動販売機を提案することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、映像を撮影するカメラと、画像を表示するディスプレイと、操作を入力する入力手段と、画像を印刷するプリンタと、これらを制御する制御手段とを備え、前記カメラで撮影した撮影画像を前記ディスプレイに表示して、該撮影画像に描画用画像を前記入力手段で描画し、描画した前記撮影画像を前記プリンタで印刷する写真シール自動販売用描画方法又は写真シール自動販売機であって、前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、前記制御手段で制御して、タッチペンでタッチパネルをタッチしたディスプレイ上の指定位置に、前記描画用画像をタッチされたときから時間と共に変化させて表示し、タッチペンがタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画すると共に、該描画用画像の変化は所定の表示順序のサイクルを繰り返して表示する写真シール自動販売用描画方法または写真シール自動販売機であることを特徴とする。
【0007】
すなわち、利用者は指定した表示位置で描画用画像の変化を楽しむことができ、その変化の中から好みの描画用画像を決定すればよいので、多量に並べられた描画用画像から好みの画像を探すわずらわしさを軽減できる。
【0008】
前記入力手段をタッチパネルとタッチペンにて形成し、前記制御手段で制御して、タッチペンでタッチパネルをタッチされたときから前記描画用画像の表示及び変化を開始し、タッチペンをタッチパネルから離されたときに表示している描画用画像を描画することにより、利用者はタッチペンでタッチパネルをタッチして描画用画像の表示及び変化を開始させ、好みの描画用画像が表示された時点でタッチペンをタッチパネルから離す事により、描画用画像を決定することができる。
【0009】
好ましい実施の形態として、前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を入れ替えて表示して前記描画用画像を時間と共に変化させるようにすることができる。
【0010】
すなわち、前記描画用画像を異なる描画用画像と次々に置き換えて表示することにより、利用者は描画用画像の入れ替わりを楽しむことができる。
【0011】
好ましい実施の形態として、前記制御手段で制御して複数種類の描画用画像を順次重ねて表示する追加合成表示によって前記描画用画像を時間と共に変化させるようにすることができる。
【0012】
すなわち、前記描画用画像を異なる描画用画像と次々に重ねて追加合成表示することにより、利用者は描画用画像の重なりの変化を楽しむことができる。
【0013】
好ましい実施の形態として、前記制御手段で制御して前記撮影画像に対する前記描画用画像の表示位置を、入力手段で指定した指定位置を基準とする所定の範囲内でランダムに変化させるようにすることができる。
【0014】
すなわち、所定の範囲内で表示位置がランダムに変化する事により、利用者が意図しない描画効果も現れ、その効果を楽しむことができる。
【0015】
上述の形態によれば、得られる写真シールは、描画用画像の変化に伴い、描画用画像を動かして最も利用者が気に入った方向と位置に挿入できて、該描画用画像の位置が変化した希少性を持つ写真シールを得ることができ、同時に、描画用画像を変化させて得たゲームの楽しい思いを記憶した写真シールとして得ることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態を、図面と共に説明する。
図1は、写真シール自動販売機1の外観を示した斜視図である。写真シール自動販売機1はボックス状の枠で囲まれ、その一側面には筐体11が設置され、その他の側面は適宜のカーテン材で囲繞される。
【0017】
筐体11の正面上部には、デジタルカメラ7aを中央に備え、その左右を挟むようにして内側にはデジタルカメラ7aの照明としてストロボ発光するストロボ照明装置8aを、外側には蛍光灯からなる蛍光灯照明装置8bをそれぞれ左右対称に備える。
【0018】
筐体11の正面中央の傾斜面部には、画像を表示するディスプレイ9を備え、該ディスプレイ9にはタッチパネルを重ねて設け、タッチペン5aによって落書き等をペンタッチ入力する入力装置を備える。
【0019】
筐体11の正面下部には、貨幣(例えば硬貨)を投入する投入口6aを備え、その右側側面に写真シール14を印刷して排出するプリンタ10を備える。
【0020】
写真シール自動販売機1の枠部の天井中央には、デジタルカメラ7bと該デジタルカメラ7bで撮影した画像を表示するモニタ12を備え、底部両側面には、主に上述の天井用デジタルカメラ7bの照明としてストロボ発光するストロボ照明装置8cを備える。
【0021】
図2は写真シール自動販売機1の制御回路ブロックを示し、制御部は筐体11の内部に形成される。
該制御部は、ROM2、CPU3、RAM4を備え、CPU3はROM2に格納されているプログラムを読み込んで制御処理を実行し、RAM4に処理用データの読書きを行う。
【0022】
ヘ 入力装置5は、前述したようにディスプレイ9に設けられたタッチパネルとタッチペン5aとにより形成され、利用者にタッチペン5aで操作された内容に該当する信号を入力信号としてCPU3に送信する。
【0023】
貨幣処理装置6は、前述の投入口6aの内部に設けられ、投入された貨幣(例えば硬貨)の真偽判別、金種判別を行い、投入金額を処理信号としてCPU3に送信する。
【0024】
デジタルカメラ7は、CPU3より切替え装置13を通してシャッタ信号を受取り、動画データや静止画データといった画像データをCPU3に送信する。なお、デジタルカメラ7は、撮影角度を変更するために正面に設けられたデジタルカメラ7aと天井に設けられたデジタルカメラ7bがあるが、機能的には同じものとする。
【0025】
モニタ12は、天井のデジタルカメラ7bより受信するビデオ出力信号を受信し、該信号に従って画像を表示する。
【0026】
ストロボ照明装置8a、8cは、それぞれCPU3からの照明制御信号に従ってストロボ発光を実行する。
【0027】
蛍光灯照明装置8bは、CPU3からの照明制御信号に従って蛍光灯をON、OFF制御する。
【0028】
ディスプレイ9は、CPU3より画像信号を受信し、該信号に従って画像を表示する。
【0029】
プリンタ10は、CPU3よりプリント画像データを受信し、写真シール14に画像を印刷して排出する。
【0030】
スピーカ15は、CPU3より音声信号を受取り、該信号に従って音声を鳴らす。
【0031】
ハードディスク16は、アクションスタンプやペン等の描画用画像をペンデータとして記憶している。
【0032】
以上のように構成された各装置による連写撮影方法の処理フローを次に示す。
【0033】
まず、図3と共に、写真シール自動販売機1の全体的な処理フローを説明する。
【0034】
利用者により貨幣(例えば硬貨)が投入口6aに投入されると、図2に示す貨幣処理装置6は、真偽判別、金種判別を実行し、CPU3に処理信号を送信する(ステップn1)。ディスプレイ9はCPU3からの画像信号に従って、連写撮影か単写撮影かを選択させる画面を表示し、スピーカ15はCPU3からの音声信号に従って「どっちのモードにする?」とアナウンスを流す(ステップn2)。
【0035】
タッチペン5aを用いて利用者に撮影方法を選択されると、入力装置5からの入力信号に従って連写撮影処理(ステップn3)又は単写撮影処理(ステップn4)を実行するが、各撮影処理の詳細は後述する。
【0036】
各撮影処理が終了するとCPU3は、写真シール14がプリンタ10から排出されることを、ディスプレイ9に対して画像信号を送信し、スピーカ15に音声信号を送信する事により、映像と音声にて利用者に通知する(ステップn5)。
【0037】
プリンタ10は、CPU3から受信したプリント画像データに従って印刷を実行し、写真シール14を排出する(ステップn6)。
【0038】
次に、図4と共に、連写撮影処理(ステップn3)の詳細(サブルーチン)について説明する。
【0039】
連写撮影処理に入ると、ディスプレイ9は、CPU3から受信した画像信号に従って、正面デジタルカメラ7aか天井デジタルカメラ7bのどちらかのカメラを選択させる画面を表示する(ステップn31)。このとき同時に、ストロボ照明装置8a、8cの充電を開始する。
【0040】
利用者によって例えば正面デジタルカメラ7aが選択されたとすると、入力装置5からの入力信号より、CPU3は、正面デジタルカメラ7aが選択されたことをRAM4に記憶させて、連写数を選択させる画面をディスプレイ9に表示させる(ステップn32)。
【0041】
利用者によって例えば4連写が選択されたとすると、入力装置5からの入力信号より、CPU3は、4連写が選択されたことをRAM4に記憶させて、シール分割数を選択させる画面をディスプレイ9に表示させる(ステップn33)。
【0042】
利用者によって例えば8分割が選択されたとすると、入力装置5からの入力信号より、CPU3は、8分割が選択されたことをRAM4に記憶させ、ストロボ照明装置8a、8cの充電が完了するまでの間、照明装置充電時間調整画面として「撮影準備中です。」とディスプレイ9に表示させる(ステップn34)。
【0043】
ストロボ充電が完了すると、CPU3は、ディスプレイ9に対して画像信号を送信して撮影開始待ち画像表示をさせて利用者の撮影開始入力を待つ(ステップn35)。同時に、CPU3は、正面デジタルカメラ7aからの画像データを受信し、ディスプレイ9にライブ表示(動画像表示)させる。
【0044】
利用者によって入力装置5から撮影開始の入力信号を受信すると、CPU3は、ディスプレイ9には画像信号で、スピーカには音声信号で、映像と音声の両方からカウントダウンによる撮影の予告を行う(ステップn36)。
【0045】
CPU3は、切替え装置13を通じて正面デジタルカメラ7aにシャッタ信号を出力し、またストロボ照明装置8aにシャッタ信号と同期した照明制御信号を送信して撮影を実行する。このとき、撮影画像をディスプレイ9に静止画表示させる(ステップn37)。
【0046】
CPU3は、ディスプレイ9に再度ライブ画像を表示させ(ステップn38)、前記正面デジタルカメラ7aで撮影した画像をRAM4に記憶させる。この際、ディスプレイ9には、図6に示すように撮影済みの画像を小さく追加表示する。つまり、この段階でディスプレイ9は、大表示枠9aにライブ表示を行い、小表示枠9bに撮影済みの映像をサムネイル画像にて静止画表示している。小表示枠9bには、連写による撮影枚数の増加に伴い順次追加表示を行う。
【0047】
前述のステップn36からステップn39までのステップを、撮影回数が連写数(この例は4連写であるから4回)になるまで繰り返す(ステップn39)。
【0048】
4連写すべての撮影が終了すると、CPU3は、ディスプレイ9に画像信号を送信し、「しばらくお待ちください。」と時間調整画面を表示させる(ステップn40)。
【0049】
CPU3は、RAM4に記憶されているすべての画像をディスプレイ9に表示させる。表示方法は、図6に示すように、大表示枠9aに一画像を大きく表示し、小表示枠9bに全ての撮影画像をサムネイル画像として小さく表示する。利用者が入力装置5で前記小表示枠9bから任意のサムネイル画像を選択すると、CPU3は、入力装置5からの入力信号に従って、選択されたサムネイル画像に対応する撮影画像を大表示枠9aに表示するようにディスプレイ9に画像信号を送信する。利用者は、このようにして選択した撮影画像に対して、入力装置5のタッチペン5aを用いてディスプレイ9の画面上で落書きが行えるが、落書き方法の詳細については後述する(ステップn41)。
【0050】
なお、前述のステップn31で天井カメラ7bが選択された場合も、上述したステップで処理される。
【0051】
次に、図5と共に、単写撮影処理(ステップn4)の詳細(サブルーチン)について説明する。
【0052】
単写撮影処理に入ると、CPU3は、RAM4に記憶した変数であるカメラ選択回数と撮影時間を0にセットし、撮影時間のカウントを開始する(ステップn51)。
【0053】
CPU3は、ディスプレイ9に画像信号を送信して、シール分割数を選択させる画面を表示させる(ステップn52)。このとき同時に、ストロボ照明装置8a、8cの充電を開始する。
【0054】
利用者によって例えば15分割が選択されたとすると、入力装置5からの入力信号より、CPU3は、15分割が選択されたことをRAM4に記憶させ、ストロボ照明装置8a、8cの充電が完了するまでの間、照明装置充電時間調整画面として「撮影準備中です。」とディスプレイ9に表示させる(ステップn53)。
【0055】
ストロボ充電が完了すると、CPU3はカメラ選択回数(カメラの選択を行う毎に増加する変数)が3(カメラの選択を許容する限度数)より小さければカメラ選択に進む(ステップn54)。カメラ選択回数の方が大きい場合は、CPU3は、ディスプレイ9に画像信号を送信し、最後のカメラ選択であることを表示させた後にカメラ選択に進む(ステップn55)。
【0056】
利用者によって例えば正面デジタルカメラ7aが選択されたとすると、入力装置5からの入力信号より、CPU3は、正面デジタルカメラ7aが選択されたことをRAM4に記憶させる(ステップn56)。このとき、最初の撮影でなければ撮影終了ボタンが画面に表示されており、カメラを選択されずに撮影終了ボタンを押下された場合は、ステップn63に進む。
【0057】
CPU3は、ディスプレイ9に対して画像信号を送信して撮影開始待ち画像表示をさせて利用者の撮影開始入力を待つ。同時に、CPU3は、正面デジタルカメラ7bからの画像データを受信し、ディスプレイ9にライブ表示(動画像表示)させる(ステップn57)。
【0058】
利用者によって入力装置5から撮影開始の入力信号が送信されると、CPU3は、ディスプレイ9には画像信号で、スピーカには音声信号で、映像と音声の両方からカウントダウンによる撮影の予告を行う(ステップn58)。
【0059】
CPU3は、切替え装置13を通じて、正面デジタルカメラ7aにシャッタ信号を、ストロボ照明装置8aにシャッタ信号と同期した照明制御信号を送信し、撮影を実行する。このとき、撮影画像をディスプレイ9に静止画表示させる(ステップn59)。
【0060】
CPU3は、ディスプレイ9に撮りなおしができる選択画面を表示させる。利用者に撮りなおしを選択された場合は、ステップn57〜n60の処理を再度実行し、逆の場合は明るさ調整画面に進む(ステップn60)。
【0061】
ディスプレイ9には、CPU3より送信される画像信号により、明るさ調整画面が表示される(ステップn61)。
【0062】
CPU3は、カメラ選択回数が3より小さければステップn54に戻る(ステップn62)。
【0063】
カメラ選択回数が3になれば撮影終了となり、CPU3は、ディスプレイ9に画像信号を送信し、「しばらくお待ちください。」と時間調整画面を表示させる(ステップn63)。
【0064】
CPU3は、RAM4に記憶されているすべての画像をディスプレイ9に表示させる。表示方法は、図6に示すように、大表示枠9aに一画像を大きく表示し、小表示枠9bに全ての撮影画像をサムネイル画像として小さく表示する。利用者が入力装置5で前記小表示枠9bから任意のサムネイル画像を選択すると、CPU3は、入力装置5からの入力信号に従って、選択されたサムネイル画像に対応する撮影画像を大表示枠9aに表示するようにディスプレイ9に画像信号を送信する。利用者は、このようにして選択した撮影画像に対して、入力装置5のタッチペン5aを用いてディスプレイ9の画面上で落書きが行えるが、落書き方法の詳細については後述する(ステップn64)。
【0065】
なお、前述のステップn56で天井カメラ7bが選択された場合も、上述したステップで処理される。
【0066】
次に、落書き方法について説明する。
【0067】
まず、図6と共に落書き時にディスプレイ9に表示される内容を説明する。大表示枠9aは落書きする撮影画像を表示しており、ここに利用者が落書きを行う。大表示枠9aに表示される画像は前述のとおり小表示枠9bのサムネイル画像から選択可能であり、選択したサムネイル画像に対応する撮影画像が大表示枠9aに拡大表示される。
【0068】
ペン種類選択枠9cはペンの種類を表示しており、自由曲線を描けるペン、色のついた縁をもった線が描ける縁取りペン、縁取りペンの周囲にラメ状のキラキラをつけたラメペン、比較的幅広いテクスチャつきの線が描けるテクスチャペン、半透明のテクスチャつきの線が描ける半透明テクスチャペン、もこもこした半透明の線が描ける液体ペン、用意されている画像をタッチペン5aでタッチした座標(位置)に描けるスタンプ、タッチペン5aの軌跡に形及び色が変化しながら描かれるコロコロスタンプ、タッチペン5aでディスプレイ9にタッチしたときから離すまでの間、4コマの画像がアニメーション表示され、離したときの画像を描けるアクションスタンプなどのペンが選択可能になっている。
【0069】
ペンタイプ表示枠9dは、ペン種類選択枠9cで選択した種類のペンに準備されているペンのタイプを表示、選択させる画面であり、ペン種類選択枠9cをタッチすると表示され、ペンタイプ表示枠9dのどれか一つを選択すると消えて落書き可能になる。
【0070】
画像回転ボタン9eは、タッチする事により大表示枠9aに表示されている落書き画像を90度単位で回転させる。
【0071】
消しゴム9fは消しゴム機能を有するペンで、これをタッチすると大表示枠9aに描かれている落書きを消すことができる。
【0072】
やりなおしボタン9gは、直前の落書きを取消すことができ、4回前まで戻ることができる。
【0073】
はじめからやりなおしボタン9hは、はじめからやりなおしをしたい場合に利用するボタンで、タッチすると大表示枠9aに表示されている落書き中画像が全く落書きされていない状態に戻る。
【0074】
制限時間9iは制限時間をカウントダウン表示しており、0になると落書きを強制終了して印刷処理に移行する。
【0075】
落書き終了ボタン9jは、タッチされる事により落書きを終了して印刷処理に移行する。
【0076】
次に図7に示す画像処理の概念図と共に、前述した図6の各ボタンの機能を実行可能にするハードウェア上の処理について説明する。図7において、図中の白の四角はハードウェアを示し、グレーの四角は画像データを示し、長円は処理を示している。
【0077】
共有メモリ4bには最大でAからFまでの6枚の落書き中画像と、最大でAからFまでの6枚の撮影画像が記憶され、ハードディスク16にはアクションスタンプやペン等のペンデータが画像として記憶されている。ローカルメモリ4aには共有メモリ4b及びハードディスク16から必要なデータを読み込んで記憶し、各処理を実行可能な状態にする。
【0078】
まず落書き画像を切換えるサムネイル切換え処理について説明する。図6に示したディスプレイ9の小表示枠9bには、共有メモリ4bより撮影画像を読み込んで生成したサムネイル画像が表示され、該サムネイル画像はローカルメモリ4aに記憶する。利用者がタッチペン5aにて例えばサムネイル画像Aをタッチするとサムネイル切換え処理に入り、CPU3からの更新指示に従って共有メモリ4bより落書き中画像Aがディスプレイ9の大表示枠9aに表示され、サムネイル切換え処理が終了する。
【0079】
次に、やりなおしボタン9gのやりなおし処理について説明する。利用者に落書きされると、落書き1回ごとにローカルメモリ4aに記憶されているやりなおし用画像Jにやりなおし用画像Iを上書き、やりなおし用画像Iにやりなおし用画像Hを上書き、やりなおし用画像Hにやりなおし用画像Gを上書きし、前記落書き前の画像をやりなおし用画像Gとしてローカルメモリ4aに記憶する。利用者にタッチペン5aにてやりなおしボタン9gをタッチされると、CPU3は更新信号を発信し、ローカルメモリ4aに記憶しているやりなおし画像Gを大表示枠9aに表示させて落書き編集での落書きを1回分元に戻す。
【0080】
次にはじめからやりなおしボタン9hのはじめからやりなおしについて説明する。利用者にはじめからやりなおしボタン9hをタッチペン5aにてタッチされると、CPU3は撮影画像Aを共有メモリ4bより読み込み、大表示枠9aに表示させて落書き編集での表示を全く落書きされていない状態に戻す。
【0081】
次にペンについて説明する。ペンの画像データはハードディスク16に記憶されており、落書き時にはローカルメモリ4aにコピーして使用する。ペンタイプ表示枠9dにはローカルメモリ4aに記憶されているアクションスタンプa1等の画像データを表示し、利用者が選択したペンで落書きを行うと、ローカルメモリ4aに記憶している画像データにて落書きを実行する。
【0082】
以上のハードウェア上の処理によって実行される落書き処理において、この発明の特徴点であるアクションスタンプについて以下に説明する。
【0083】
アクションスタンプは4枚の同一サイズの画像からなり、表示方法、表示順序、表示座標の設定により様々なタイプが存在する。表示方法には入替表示又は追加合成表示の設定があり、表示順序にはランダム又はシーケンシャルの設定があり、表示座標にはランダム又は座標固定の設定がある。前述の設定によって作成されるタイプの例として、順次画像を入れ替えて表示する入替タイプ、順次画像を重ねていく追加合成タイプ、画像の座標がランダムに移動するランダム入替タイプなどのタイプがある。
【0084】
図8は、前述の入替タイプを表し、表示方法を入替表示、表示順序をシーケンシャル、表示座標を座標固定に設定している。
【0085】
図中の(0)はアクションスタンプaの元になる4枚のアクションスタンプa1からa4を示し、表示順序がシーケンシャルであるので左から順番に表示する。これらのアクションスタンプa1からa4には、各画像と対になるマスク画像が存在しており、実際に描画する際にはマスク画像で切り抜いた画像を描画し、各アクションスタンプa1からa4において空白になっている描画不要部分は描画しないようになっている。すなわち、このアクションスタンプa1からa4に関しては、星マーク1つと円マーク2つのみを描画する。
【0086】
まず、利用者にタッチペン5aでディスプレイ9の大表示枠9aをタッチされると、CPU3は図中の(1)に示すように1枚目のアクションスタンプa1をタッチされた座標に表示させる。
【0087】
前記表示から0.2秒経過すると、CPU3はアクションスタンプa1の表示を終了し、変わりに(2)に示すようにアクションスタンプa2を前述と同じ座標に表示させて、アクションスタンプa1をアクションスタンプa2に入れ替える。
【0088】
さらに0.2秒経過後には、前述の入れ替えと同様にして(3)に示すようにアクションスタンプa2をアクションスタンプa3に入れ替え、その0.2秒後には(4)に示すようにアクションスタンプa3をアクションスタンプa4に入れ替える。
【0089】
アクションスタンプa4を表示させて0.2秒経過すると、再度アクションスタンプa1を入替表示させて、前述のサイクルを繰り返す。
【0090】
このとき利用者にタッチペン5aをディスプレイ9から離されると、その時点で表示しているアクションスタンプa1を落書き画像として決定し、共有メモリ4aに記憶している落書き中画像Aにアクションスタンプa1を書き込んだ画像を上書きする。当然ローカルメモリ4aに記憶されているやりなおし画像GからFについても前述のように繰り下がり、やりなおし画像Gにはアクションスタンプa1を書き込む直前の画像が上書きされる。
【0091】
次に図9と共に追加合成タイプについて説明する。前述の入替タイプとは表示方法を追加合成表示に設定しているところが異なり、表示順序をシーケンシャル、表示座標を座標固定に設定しているところは同じである。
【0092】
図中の(0)は、前述の入替タイプと同様にアクションスタンプbの元になる4枚のアクションスタンプb1からb4を示す。
【0093】
まず、利用者にタッチペン5aでディスプレイ9の大表示枠9aをタッチされると、CPU3は図中の(1)に示すように1枚目のアクションスタンプb1をタッチされた座標に表示させる。
【0094】
前記表示から0.2秒経過すると、CPU3はアクションスタンプb1の表示を継続したまま、さらに(2)に示すようにアクションスタンプb2を前述と同じ座標に表示させて、アクションスタンプb2を追加合成表示する。
【0095】
さらに0.2秒経過後には、前述の追加合成と同様にして(3)に示すようにアクションスタンプb3を追加合成表示し、その0.2秒後には(4)に示すようにアクションスタンプb4を追加合成表示する。
【0096】
アクションスタンプb4を表示させて0.2秒経過すると、今度はアクションスタンプb2からb4の表示を終了し、アクションスタンプb1のみを表示して(1)の状態に戻し、前述のサイクルを繰り返す。
【0097】
このとき利用者にタッチペン5aをディスプレイ9から離されると、その時点で表示しているアクションスタンプbの状態、つまり(1)の状態を落書き画像として決定し、前述の入替タイプと同様にして落書き中画像及びやりなおし用画像を更新する。
【0098】
なお、追加合成タイプにおいては前述の(4)の状態の次は(1)の状態に戻るのではなく、アクションスタンプb1から順に表示を終了するなど、そのアクションスタンプの画像に応じて様々なサイクルが可能であり、前述のサイクルに限定するものではない。
【0099】
次に図10と共にランダム入替タイプについて説明する。前述の入替タイプとは表示座標をタッチされた座標から一定の範囲内でランダムに設定しているところが異なり、表示方法を入替表示、表示順序をシーケンシャルに設定しているところは同じである。
【0100】
図中の(0)は、前述の入替タイプと同様にアクションスタンプcの元になる4枚のアクションスタンプc1からc4を示す。
【0101】
まず、利用者にタッチペン5aでディスプレイ9の大表示枠9aをタッチされると、CPU3は図中の(1)に示すように1枚目のアクションスタンプc1をタッチされた座標から一定の範囲内、例えばタッチされた座標から縦横20ピクセルの範囲内でランダムの座標に表示させる。
【0102】
前記表示から0.2秒経過すると、CPU3はアクションスタンプc1の表示を終了し、変わりに(2)に示すようにアクションスタンプc2を前述と同じ範囲内でランダムの座標に表示させて、アクションスタンプc1をアクションスタンプc2に入れ替える。
【0103】
さらに0.2秒経過後には、前述の入れ替えと同様にして(3)に示すようにアクションスタンプc2をアクションスタンプc3に入れ替え、その0.2秒後には(4)に示すようにアクションスタンプc3をアクションスタンプc4に入れ替える。
【0104】
アクションスタンプc4を表示させて0.2秒経過すると、再度アクションスタンプc1を入替表示させて、前述のサイクルを繰り返す。
【0105】
このとき利用者にタッチペン5aをディスプレイ9から離されると、その時点で表示しているアクションスタンプcの状態、つまりアクションスタンプc1を落書き画像として決定し、前述の入替タイプと同様にして落書き中画像及びやりなおし用画像を更新する。
【0106】
以上、代表的なアクションスタンプのタイプについて説明したが、画像表示を順番どおりかランダムにするか、座標を固定するかランダムにするか、画像を入れ替えるか重ねていくかといった3項目の組合せは自由に設定可能であり、アクションスタンプのタイプは前述のタイプに限定されるものではない。
【0107】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明のカメラは、実施形態のデジタルカメラ7に対応し、
以下同様に、
入力手段は、入力装置5に対応し、
制御手段は、ROM2、CPU3、RAM4に対応し、
描画用画像は、アクションスタンプに対応し、
タッチパネルは、ディスプレイ9に対応し、
写真シールシートは、写真シール14に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではない。
【0108】
【発明の効果】
この発明により、描画用画像を集約して表示できるようになり、好みのタイプのペンを探す利用者の探しやすさを向上し、選択に要する時間を減少することができる。
【0109】
また、描画用画像の変化は使用して初めて見ることができるため、指定した位置での描画用画像の変化自体を楽しむことができる。
【0110】
さらに、描画用画像の位置および変化によっては、利用者が意図する描画効果と異なる描画効果を発見できるため、落書きに対する娯楽性がより一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】写真シール自動販売機の斜視図
【図2】写真シール自動販売機の回路ブロック図
【図3】写真シール自動販売機の全体の処理フロー図
【図4】写真シール自動販売機の連写撮影の処理フロー図
【図5】写真シール自動販売機の単写撮影の処理フロー図
【図6】落書き時のディスプレイの正面図
【図7】画像処理の概念図
【図8】描画用画像入替処理の説明図
【図9】描画用画像追加合成処理の説明図
【図10】描画用画像ランダム入替処理の説明図
【符号の説明】
1…写真シール自動販売機
2…ROM
3…CPU
4…RAM
5…入力装置
5a…タッチペン
7…デジタルカメラ
9…ディスプレイ及びタッチパネル
10…プリンタ
14…写真シール
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-10-28 
出願番号 特願2001-108640(P2001-108640)
審決分類 P 1 651・ 113- YA (G07F)
P 1 651・ 536- YA (G07F)
P 1 651・ 537- YA (G07F)
P 1 651・ 121- YA (G07F)
P 1 651・ 111- YA (G07F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 豊島 洋介  
特許庁審判長 新宮 佳典
特許庁審判官 杉山 務
原 光明
登録日 2002-07-19 
登録番号 特許第3328679号(P3328679)
権利者 オムロン株式会社
発明の名称 写真シール自動販売用描画方法および写真シール自動販売機  
代理人 瀬戸 一宏  
代理人 永田 良昭  
代理人 永田 元昭  
代理人 永田 良昭  
代理人 南條 博道  
代理人 永田 元昭  

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