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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A23F |
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管理番号 | 1116100 |
異議申立番号 | 異議2002-71713 |
総通号数 | 66 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-07-18 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2002-07-15 |
確定日 | 2005-02-17 |
異議申立件数 | 3 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3246896号「新規な半発酵茶飲料」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3246896号の請求項1ないし3に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3246896号の発明は、平成11年1月7日に特許出願され、平成13年11月2日に特許権の設定登録がなされ、その後、その特許について、田邊歳孝、早瀬久雄、及び田中勇より特許異議の申立てがなされ、特許請求の範囲の請求項1ないし3に対して取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成14年11月26日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否の判断 (1)訂正の内容 訂正事項a 特許明細書の【特許請求の範囲】の【請求項1】に 「浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であって、タンニンの含有量が20から60mg/100mlに調整されていて、テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることを特徴とする半発酵茶飲料。」とあるのを、 「浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であって、タンニンの含有量が20から60mg/100mlに調整されていて、テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることを特徴とする加熱処理後の半発酵茶飲料。」と訂正する。 訂正事項b 特許明細書の【特許請求の範囲】の【請求項2】に 「テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることによって茶飲料の苦味と渋みが抑制させられ、すっきり感が増大された半発酵茶飲料。」とあるのを、 「テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることによって茶飲料の苦味と渋みが抑制させられ、すっきり感が増大されたPETボトル入り半発酵茶飲料。」に訂正する。 訂正事項c 特許明細書の【特許請求の範囲】の【請求項3】に 「テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって茶飲料の苦味と渋みを抑制する方法。」とあるのを、 「テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって密閉容器入り茶飲料の苦味と渋みを抑制する方法。」に訂正する。 (2)訂正の目的の存否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 訂正事項aは、特許明細書の段落【0024】に記載の加熱殺菌に供するとの記載に基づいて、「半発酵茶飲料」から加熱処理前の半発酵茶飲料を除くものであり、また、訂正事項bは、段落【0025】の「後の実施例に示すように、缶に充填した場合よりもPETボトルに充填したほうが需要者の評判がよい。」等の記載に基づいて、「半発酵茶飲料」から缶入り半発酵茶飲料を除くものであり、さらに訂正事項cは、段落【0023】の密封容器への充填は常法に従い行う等の記載に基づいて、「茶飲料」から密閉容器入りでないものを除くものであるから、訂正事項a〜cはいずれも特許請求の範囲の減縮に該当する。更に、訂正事項a〜cは、特許明細書に記載された事項の範囲内において訂正するものであるから、新規事項の追加に該当せず、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 (3)むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立の理由及び取消理由の概要 特許異議申立人田邊歳孝は、証拠として、甲第1〜4号証を提出し、本件特許の請求項1〜3に記載の発明は甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同請求項2及び3に記載の発明は甲第1〜4号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであるから、同請求項1〜3に記載の発明に係る特許は取り消すべきである旨主張しており、また、本件明細書には記載の不備があり、特許法第36条第3項及び第4項に規定する要件を備えていないと主張しており、この特許異議の申立ての理由と同趣旨で取消理由通知がなされた。 特許異議申立人早瀬久雄は、証拠として、甲第1〜5号証を提出し、本件特許の請求項1に記載の発明は甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて、あるいは甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、同請求項2に記載の発明は甲第5号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、また、同請求項2に記載の発明は、甲第5号証に記載された発明に基づいて、あるいは、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであって、同請求項3に記載の発明は、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができないものであり、同請求項3に記載の発明は、甲第4号証または甲第5号証に記載された発明に基づいて、あるいは、甲第4号証及び甲第5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同請求項1〜3に記載の発明に係る特許は取り消すべきである旨主張しており、この特許異議の申立ての理由と同趣旨で取消理由通知がなされた。 特許異議申立人田中勇は、証拠として、甲第1号証及び甲第2号証を提出し、本件特許の請求項1〜3に記載の発明は甲第1号証に記載された発明であり、また、同請求項1〜3に記載の発明は甲第1号証及び甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、同請求項1〜3に記載の発明に係る特許は取り消すべきである旨主張しており、また、本件明細書には記載の不備があり、特許法第36条第4項又は6項に規定する要件を備えていないと主張しており、この特許異議の申立ての理由と同趣旨で取消理由通知がなされた。 4.本件発明 前記2.の項で示したように上記訂正が認められるから、本件特許の請求項1〜3に係る発明(以下、請求項1〜3に係る発明をそれぞれ「本件発明1」〜「本件発明3」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項により特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であって、タンニンの含有量が20から60mg/100mlに調整されていて、テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることを特徴とする加熱処理後の半発酵茶飲料。 【請求項2】テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることによって茶飲料の苦味と渋みが抑制させられ、すっきり感が増大されたPETボトル入り半発酵茶飲料。 【請求項3】テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって密閉容器入り茶飲料の苦味と渋みを抑制する方法。」 5.引用刊行物記載の発明 当審が通知した取消理由で引用した刊行物1(「茶業研究報告、第60号、54〜58頁、1984年」、特許異議申立人 田邊歳孝及び早瀬久雄がそれぞれ提出した甲第1号証と同じ)には、 「一方包種茶は発酵程度が10〜20%と少なく緑茶に近いものとされている。」(54頁左欄第6〜7行)、 「烏龍茶、包種茶の個別カテキン含量を表5に示したとおりである。これによると、烏龍茶のカテキン類の中で(-)-エピカテキン、・・はこれまで分析された日本の緑茶におけるこれらの含量の約半量程度であった。包種茶の4種のカテキン含量はいずれも緑茶の含量に近かった。」(第55頁右欄第8行〜56行左欄1行)、 「烏龍茶、包種茶ともにアミノ酸合計値は少なく、日本の緑茶の下級茶並みであった。」(第56頁左欄第7〜8行)、及び 「また、包種茶の全アミノ酸含量は緑茶と大体同じ含量組成を示した。」(第56頁右欄第10〜11)と記載され、また、刊行物1の第55頁の表3には、包種茶原料に相当量のタンニンが含有されていること(1979年産のものにおいては15.58〜16.09%であり、また1980年産のものにおいては11.55〜12.75%であり、最も少ないもので11,55%、最も多いもので16.09%である。)、及び第57頁の表6には、同じく包種茶原料にテアニンが含有されていること(1979年産のものにおいては636.9〜899.0mg/100gであり、また1980年産のものにおいては639.8〜931.2mg/100gであり、最も少ないもので636.9mg/100g、最も多いもので931.2mg/100gである。)が示されている。 同刊行物2(「茶業研究報告、第40号、58〜66頁、1973年」、 特許異議申立人 早瀬久雄が提出した甲第2号証と同じ)には、第64頁の表9に、茶及び浸出液のタンニン含有量が記載されており、緑茶におけるその含有量は最も少ないもので9.92%、最も多いもので14.32%、浸出液中濃度は最も少ないもので0.03%、最も多いもので0.16%であることが、また、第65頁の表11に、茶及び浸出液のテアニン含有量が記載されており、緑茶におけるその含有量は最も少ないもので0.02%、最も多いもので2.47%、浸出液中濃度は最も少ないもので0.00%、最も多いもので0.10%であることが記載されている。 同刊行物3(「日本食品成分表」、医歯薬出版株式会社、特許異議申立人 早瀬久雄が提出した甲第3号証と同じ)には、その第198頁から第201頁に、緑茶及びその浸出液におけるタンニンの含有量が記載されており、緑茶におけるその含有量は最も少ないもので5.0%、最も多いもので13.0%、浸出液におけるその含有量は最も少ないもので0.01%、最も多いもので0.23%であることが、また、第200頁から第201頁に、半発酵茶に属する烏龍茶及びその浸出液におけるタンニンの含有量が記載されており、烏龍茶におけるその含有量は12.5%、浸出液におけるその含有量は0.03%(茶15g/90℃の湯 650ml,0.5分)であることが示されている。 同刊行物4(「日本食品工業学会誌、第19巻、第10号、475〜480頁、1972年」、特許異議申立人 田邊歳孝及び早瀬久雄がそれぞれ提出した甲第4号証と同じ)には、 「緑茶の普通審査法に近い濃度にするため、18gの緑茶を大型のきゅうすに入れ熱湯1080mlを注ぎ、4分間静置したのち、1lの三角フラスコに浸出液をとり、・・・官能検査に使用した。また、一部のものについては、緑茶の量を上記の1/3,1/2,2/3,3/2,2,9/4倍とし、同様な方法によって浸出液を調製した。」(第475頁右欄第7〜14行)、及び 「また、同じく中級煎茶の普通審査液の2/3の濃度のものに、テアニンを茶に対して3,6,12%の割合で加えた結果では、第4図に示すように、3%の添加ではし好度がわずかに増加したが、12%では低下した。この場合、テアニンの添加はうま味、甘味の増加よりもむしろ苦味、渋味を抑える方向に作用しており、12%添加では苦味、渋味がかなり抑えられて味が弱くなり過ぎたため、し好度が低下したものと思われた。」(479頁右欄下から10〜3行)」と記載されている。 同刊行物5(特開平9-313129号公報、特許異議申立人 早瀬久雄が提出した甲第5号証と同じ)には、 「本発明者らは、風味改善に効果のある物質について検討した結果、緑茶に多く含まれているアミノ酸の一種、テアニンを含有させることで上記課題を解決し、本発明を完成した。テアニンを含有することを特徴とする風味改善組成物の効果についてはこれまで知られておらず、本発明者らが初めて見いだした新規効果である。さらに詳しくは風味改善の中でも特に苦味、酸味、塩味改善に効果的であることを見いだした。」(段落【0005】)、 「本発明における風味改善とは、苦味、酸味、塩味、えぐ味、辛味、渋味など体感可能な風味を改善し、またはより好ましい風味に改善することを指し、より好ましくは苦味、酸味、塩味の改善である。本発明に用いられるテアニンは、茶の葉に含まれているグルタミン酸誘導体で、茶の旨味の主成分である。」(段落【0006】)、 「風味改善を要する飲食品としては特に限定されるものではないが、好ましくは・・・各種嗜好飲料・・・が挙げられ、苦味物質としては・・・タンニン類・・・が挙げられる。」(段落【0007】)、及び 「本発明において風味改善組成物として用いるには、改善する風味の強さによって異なるが、一般に風味改善を要する製品に対してテアニンとして0.001重量%以上であれば充分な効果を得ることができる。テアニンの添加量に特に上限は存在しないが、テアニンの特有の呈味と経済性を考慮すると一般的に製品に対して5重量%程度を越えないことが好ましい。従って、本発明の風味改良剤がその効果を充分に発揮するためには、テアニンを製品に対して0.001重量%〜5重量%添加することが好ましい。さらに望ましくは0.001重量%〜0.5重量%添加することが好ましい。また、0.001重量%〜0.05重量%とすることが最も好ましい。」(段落【0009】)と記載されている。 同刊行物6(「村松敬一朗編、茶の科学、86〜87頁、113〜114頁、1991年、株式会社 朝倉書店」、特許異議申立人 田邊歳孝が提出した甲第2号証と同じ)には、 「最上級から下級煎茶の遊離アミノ酸類の個別含有量の範囲とその平均値および組成比を表4.2に示す。・・・アミノ酸類のなかで最も含有量の多いのがテアニン(theanine)で組成比が54.4%、・・」(第87頁第11行〜16行)、 「一方、番茶や並級煎茶では、うま味より、むしろ、さっぱりした爽快な渋味が要求される。」(第113頁第12〜13行)、及び 「各種の緑茶を標準的な方法で入れた時の、浸出液中のタンニン、アミノ酸・・の濃度は表4.20に示すとおりで、茶種により、いちじるしく異なっている。」(第113頁第22〜26行)と記載され、また、表4.20には、標準浸出条件による浸出液中のアミノ酸濃度が煎茶並で0.013%、煎茶上で0.04%であることが示されている。 同刊行物7(「月刊「茶」」、1998年、3月号、24〜30頁、特許異議申立人 田邊歳孝が提出した甲第3号証と同じ)には、 「しかしテアニンは味が弱く旨味を左右するというより、むしろ苦渋味を抑制する働きがあって、結果として緑茶の旨味に貢献している可能性が-と提言している。」(第24頁第6〜8行)、 「しかし、テアニンを多く含んでいても、必ずしも、うま味が強いとは限らない。」(第28頁第3段8〜11行)、及び 「結論 緑茶のうま味は・・テアニン自体の味がうま味の主体になっているとは考えにくい。ただし、テアニンには、苦渋味を抑える作用があるので、間接的には、うま味に貢献していると考えられる。一方、茶の場合、うま味は、苦渋味の強さによって左右され、カテキン(タンニン)の影響が大きいことが認められた。このように緑茶中には、種々の味を持つ成分が共存し、これらが総合的に組み合わされた結果、緑茶の味がきまる。」(第29頁第3段18行〜第30頁上段18行)と記載されている。 同刊行物8(特開平9-220055号公報、特許異議申立人 田中勇が提出した甲第1号証と同じ)には、 「タンニンおよびアミノ酸を含有する茶類抽出液を、ポリビニルポリピロリドン樹脂と接触させ、茶類抽出液中のタンニンを吸着させ、除去することにより、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0に設定することを特徴とする茶類飲料の製造方法。」(特許請求の範囲の【請求項1】)、 「本発明の茶類飲料の製造方法では、まず原料茶葉から茶抽出液を調整する。使用する原料茶葉は、緑茶(不発酵茶)、紅茶(発酵茶)、ウーロン茶(半発酵茶)等はもとより、茶類エキスやタンニンを含む茶葉以外の植物原料葉であってもよい。原料茶葉からニーダーやカラムなどの抽出装置を用いて、それぞれの茶葉に適した抽出条件下で充分に抽出し、茶類抽出液を作製する。」(段落【0014】)、 「本発明のポリビニルポリピロリドン樹脂で処理された茶類飲料は、アミノ酸/タンニン比を0.2〜3.0、好ましくは0.3〜2.0、さらに好ましくは0.5〜1.5の範囲に設定することが望ましく、0.2未満では渋味が勝って風味不良となる。また、3.0を越えると旨味が勝り和風スープ様になり、お茶の風味が失われる。」(段落【0022】)、 「実施例3 ウーロン葉11.2kgを70℃の温水1000リットルにて20分間抽出後、金属メッシュ(NO.120)フィルター濾過法により固液分離した抽出液950kgを作り、これを第1液とした。この抽出液500kgへPVPP(ダイバガンEC、BASF社製品)1.5kgを終濃度3000ppmとなるよう添加し、20分間接触させた処理液(タンニン濃度12mg/100g)450kgを調整し、第2液とした。」(段落【0034】)、 「第1液の残り450kgと第2液450kgを混合しタンニン濃度が60mg/100gおよび30mg/100gであるウーロン茶Aおよびウーロン茶Bを調整した。従って、ウーロン茶Aとウーロン茶Bは、アミノ酸濃度(20mg/100g)が等しくタンニン濃度が異なる2種類のウーロン茶である。」(段落【0035】)、 「実施例2と同様に、それぞれ絶対評価法により官能検査を行い、結果を図5に示した。図5の結果から、PVPPによるタンニン濃度の調整により、渋味・苦味が抑制され、旨味の強調されたウーロン茶が製造されたことが認められる。」(段落【0036】)、及び 「【発明の効果】以上説明した様に、本発明の茶類飲料の製造方法によれば、茶類飲料中のタンニンの任意量を定量的に除去することにより、茶類飲料のアミノ酸/タンニン比を任意に設定することができる。その結果、タンニンの渋味・苦味が抑制され、アミノ酸の旨味が強調された嗜好性の優れた高級茶類飲料を、高価な原料茶葉を選定せずに、安価な並級の原料茶葉を利用することにより製造することができる。」(段落【0042】) と記載されている。 同刊行物9(中林敏郎ら著「緑茶・紅茶・烏龍茶の化学と機能」、75〜82頁、1991年10月30日、弘学出版株式会社、特許異議申立人 田中勇が提出した甲第2号証と同じ)には、烏龍茶(半発酵茶)中のアミノ酸成分量、及びその大半がテアニンであることが示されており、またタンニンの含有量が記載されている。 6.対比・判断 (1)本件発明1について 本件発明1(以下、「前者」という。)と刊行物1に記載の発明(以下、「後者」という。)を対比する。 両者は浸出前の原料が包種茶100%のものである点で一致しており、一方、(a)前者は浸出後の茶飲料中のタンニンの含有量が20から60mg/100mlに調整され、テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されるのに対して、後者は、浸出前の包種茶原料中のタンニン量が1979年産で15.58〜16.09%であり、1980年産で11.70〜12.75%であり、そのテアニン量が1979年産で636.9〜899.0mg/100gであり、1980年産で639.8〜931.2mg/100gであることが記載されている点、及び(b)前者の半発酵茶飲料が加熱処理されたものであるのに対して、後者は茶飲料の加熱処理について記載していない点で相違する。 上記相違点(a)について検討する。 刊行物1には、包種茶中には相当量のタンニン及びテアニンが含まれていることが示されており、また、包種茶は茶であるから通常の浸出方法により上記成分を浸出させ得ることも明らかである。 また、刊行物5には、テアニンが茶の旨みの主成分であること(段落【0006】)、及び、タンニン類を含む飲料の風味改善組成物として使用すること(段落【0009】)が記載されており、また、刊行物4にもテアニンを茶に添加することにより、茶のし好度が変わることが記載されているから(第479頁)、本件発明において、消費者の好みにマッチした半発酵茶を提供するために、テアニン量を好ましい値に設定する程度のことは当業者が適宜なし得る事柄である。その際、浸出工程において包種茶原料から浸出されるタンニンについては、刊行物5の段落【0007】に、テアニンは嗜好飲料中の苦味物質であるタンニンの風味改善のために使用し得ることが記載されているから、テアニン量を設定する際に、タンニン量を一定範囲に調整することも当業者であれば、適宜実験的になし得ることである。 そして、本件発明のテアニン及びタンニン量が格別予想外の量ということもできない。即ち、刊行物1の第57頁の表6を参照すると、包種茶原料の状態でのテアニンの含有量は636.9mg〜931.2mg/100gである。刊行物2に記載の緑茶原料とその浸出液における抽出成分の浸出率等から想定して、仮に、浸出液中の含有量/茶葉中の含有量(以下「浸出液/茶」と略す。)の比率が20%であって、かつ浸出率が1/50であるとするならば、当該浸出液100ml(約100gと仮定する。)におけるテアニンの含有量は、およそ2.55mg〜3.72mg/100mlとなり、また、浸出液/茶の比率を15%とした場合にも、当該浸出液におけるテアニンの含有量は、およそ1.91mg〜2.79mg/100mlになると考えられるのである。 また、刊行物3によれば、緑茶、烏龍茶の浸出液におけるタンニンの含有量は、ほとんどの場合、0.03%程度以上であり、当該浸出液が100ml(約100gである。)であるとすれば、それに含有されるタンニン量はおよそ30mg/100ml以上であり、また、少なくともこの程度のタンニン量が浸出される場合、上記したテアニンによる苦味、渋味等の風味改善作用が達成される範囲として、これより若干高めの数値、例えば、60mg/ml程度の上限に調整することも適宜実験的に決定し得るものと認められる。 次に、相違点(b)について検討すると、茶飲料を加熱処理することは、従来から必要に応じて適宜なされていることに過ぎない。 一方、テアニン量等を適当な範囲に設定することにより、茶の苦味と渋み等を抑制し、適当な嗜好性を有する茶を提供し得ることは上記刊行物4及び5に記載の事項から明らかであり、半発酵茶飲料に関する本件発明1が上記刊行物に記載のものから格別顕著な効果を奏し得たということもできない。 以上のとおりであり、本件発明1は刊行物1〜5に記載の発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)本件発明2について 本件発明2と刊行物5に記載された発明とを対比する。 刊行物5には、茶飲料中の苦味、渋み等の風味を改善するために、テアニンを製品に対して0.001重量%〜0.05重量%添加することが最も好ましいと記載されているから(段落【0009】、ここで、「0.001重量%〜0.05重量%」という量は、飲料において「1mg〜50mg/100ml」に相当する。)、両者は茶飲料の苦味と渋みを抑制するためにテアニンを2.00mg/100mlに設定する点で一致しており、一方、(a)前者は半発酵茶飲料であるのに対して、後者では「各種嗜好飲料」と記載されている点、(b)前者は「すっきり感が増大されたPETボトル入り」の飲料であるのに対して、後者においてはこの点が明記されていない点で相違する。 先ず、(a)については、後者において風味改善を要する飲食品としては特に限定されないとした上で、「各種嗜好飲料」と記載され、また苦味物質としてタンニン類が挙げられているところ(段落【0007】)、茶はタンニン類を含む代表的な嗜好飲料であり、その中には、緑茶(非発酵茶)、烏龍茶等の半発酵茶、紅茶等の発酵茶があることは周知の事実であるから、後者において、上記「各種嗜好飲料」として半発酵茶が実質的に開示されているといえる。 次に、(b)について、後者では、テアニンを添加することにより改善し得る風味として、「苦味、酸味、塩味、えぐ味、辛味、渋みなどの体感可能な風味」(段落【0006】)が挙げられている。 ところで、従来から、茶飲料は喉の渇きを癒すために飲して「すっきり」感を得ており、また、飲食後あるいは途中において口の中を濯いで「すっきり」させており、「すっきり感の増大」は茶を飲むことの一目的であって、後者でいう体感可能な風味改善の一態様ともいえるものであるから、この点で本件発明が格別予想外の効果を奏し得たということはできない。 また、PETボトル入りとする点は、従来から、茶飲料はPETボトル入り、或いは、缶入りとして商品化されていることは周知の事項であり、そのいずれがより好ましい商品であるのかを検討する程度のことは、当業者ならば適宜なし得る事柄である。 一方、本件発明2により得られる効果は、刊行物5に記載された発明及び周知事項から予想し得る程度のものにすぎない。 以上のことから、刊行物5に記載のテアニン含有嗜好飲料として半発酵茶を選択し、これをPETボトル入りとして、苦味と渋みの抑制とともに、すっきり感を増大させることは当業者が必要に応じて適宜なし得ることである。 (3)本件発明3について 刊行物4の第475頁には、「・・18gの緑茶を大型のきゅうすに入れ熱湯1080mlを注ぎ、・・・1Lの三角フラスコに浸出液をとり、・・・官能検査に使用した。また、一部のものについては、緑茶の量を上記の1/3,1/2,2/3,3/2,2,9/4倍とし、同様な方法によって浸出液を調整した。」と記載されており、この記載によれば、同刊行物第479頁の「中級煎茶の普通審査液の2/3の濃度のものに,テアニンを茶に対して3%の割合で加えたこと」により得られたものは、茶の浸出液1080ml中に360mg(=18g×(2/3)×0.03)のテアニンが添加されたものである。この場合,本来,茶の中に含まれているテアニン量を無視しても、浸出液100ml中には36mg以上のテアニンが含有されることになる。 本件発明3と刊行物4に記載された発明とを対比すると、両者は36mg/100ml以上のテアニンを含有する点,及び茶飲料の苦味と渋みを抑制する茶飲料である点で一致し,ただ,前者が密封容器入りの茶飲料であるのに対して、後者はそのようなものに限定されていない点で相違する。 しかしながら,茶飲料を密閉容器に入れることも必要に応じて適宜なされていることである。 そして,そのことにより得られる効果が格別顕著な効果であるということもできない。 次に、本件発明3と刊行物5に記載された発明を対比すると、刊行物5に記載のタンニン等の苦味及び渋みを改善するためのテアニン含有風味改善組成物は各種嗜好飲料に関するものであり,これには茶が含まれることは明らかであり,また、テアニン含有量は0.001〜0.05重量%とするのが最も好ましいと記載されているから、テアニン含量にも格別の差異は認められない。 一方、本件発明3において茶飲料は密閉容器入りであるのに対して,刊行物5に記載の嗜好飲料はその点が明らかでないが,上記したとおり,茶飲料を密閉容器入りにすることは周知の事項である。 したがって,本件発明3は刊行物4及び刊行物5に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得たものである。 (5)結び 以上のとおり、本件特許の請求項1〜3に係る発明は、刊行物1ないし刊行物5に記載された発明に基づいて当業者が容易に想到し得るものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであり、したがって、特許法第113条第1項第2号により取り消されるべきものである。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 新規な半発酵茶飲料 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であって、タンニンの含有量が20から60mg/100mlに調整されていて、テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることを特徴とする加熱処理後の半発酵茶飲料。 【請求項2】 テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることによって茶飲料の苦味と渋みが抑制させられ、すっきり感が増大されたPETボトル入り半発酵茶飲料。 【請求項3】 テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって密閉容器入り茶飲料の苦味と渋みを抑制する方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は半発酵茶飲料、特にPETボトルや缶等の密封容器に充填されて販売される半発酵茶飲料に関する。 【0002】 【従来の技術】 茶は、アジアを中心にアフリカ、南アメリカ、ロシアなど33カ国以上の国々において栽培されると共に、コーヒー、ココアと並び、三大非アルコール性嗜好飲料として世界中で飲用されている。茶の種類には、生葉を発酵させてつくる紅茶と、発酵させないでつくる緑茶、更には、両者の中間である半発酵茶がある。 【0003】 半発酵茶であるウーロン茶は、紅茶と緑茶の両方の性質を備えた独特の風味と香気を有し、嗜好性や機能性の面で紅茶及び緑茶とは異なったものとなっている。そして、ウーロン茶の有する特有の風味は、品種の相違によって異なるだけでなく、発酵の程度によっても異なるので、紅茶や緑茶と比較して、種類は非常に多い。例えば、ウーロン茶の種類としては、鉄観音、黄金桂、色種、烏龍、台湾鉄観音、台湾凍頂、及び台湾烏龍等の安渓系ウーロン茶、並びに、武夷水仙、武夷奇種、広東鳳凰水仙等の武夷岩茶などがある。 【0004】 ここで、茶の生産量について、それを世界的に見れば、全体の7割程度が紅茶であり、その残りが緑茶及び半発酵茶であるが、我が国における消費量としては緑茶が多く、最近では、ウーロン茶などの半発酵茶が好まれる傾向にあり、その消費量も年々増加する傾向にある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 こうした中にあって、消費者に好まれる半発酵茶を提供していくのは火急の課題である。従って、本発明の目的は、特に最近の消費者の嗜好にマッチした新規な半発酵茶飲料を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 本発明者は、茶の中に含まれる代表的な成分の一つであるテアニンの含有量を所定量以上に設定することによって茶の苦味と渋みを抑制することができるということを見出し、同時に、そうすることによって今までよりもマイルドな風味の半発酵茶が得られること、そしてそれは通常のウーロン茶よりも発酵度の低い「包種茶」を50%以上配合することによって容易に実現することができるということを見出し、本発明を完成するに至った。 【0007】 より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。 【0008】 (1)浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であることを特徴とする半発酵茶飲料。 【0009】 (2)浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上であることにより苦味と渋みが抑制され、すっきり感が増大された半発酵茶飲料。 【0010】 (3)密封容器入り飲料であることを特徴とする上記いずれか記載の半発酵茶飲料。 【0011】 (4)密封容器はPETボトルであることを特徴とする上記記載の密封容器入り半発酵茶飲料。 【0012】 (5)タンニンの含有量が20から60mg/100mlに調製されていることを特徴とする上記いずれか記載の半発酵茶飲料。 【0013】 (6)テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上に設定されることによって茶飲料の苦味と渋みが抑制され、すっきり感が増大された半発酵茶飲料。 【0014】 (7)テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって茶飲料の苦味と渋みを抑制する方法。 【0015】 テアニンの含有量を2.00mg/100ml以上に設定することによって苦味と渋みを抑制する方法というのは、半発酵茶飲料については勿論のこと、緑茶、紅茶を問わず、全ての茶飲料が上記(7)の対象となるものであり、特に、半発酵茶飲料においては、分析の結果、「テアニンの含有量が2.00mg/100ml以上」であった場合には、上記(6)範囲にも属することになる。 【0016】 【発明の実施の形態】 [包種茶] 「包種茶」というのは、一般的には、半発酵茶のうち発酵の程度が最も軽いものをいう(一般的には、発酵度10〜20%程度)。この場合に、カテキンの酸化は8〜18%程度となる。葉の外観は緑色が強く、水色は燈黄色である。茶がらは葉の周辺が少し紅変している程度で、緑色の部分が多い。本発明を実施するのに適しているのは、台湾包種茶である。 【0017】 [茶の成分と茶の味] 茶の成分の代表的なものは、カフェイン、テアニン、カテキン(タンニン)であり、テアニンは旨み、タンニンは苦味・渋みの素となる。そして、これらの成分の比率等と茶の味の関係については、いくつかの報告例が既に存在する。例えば、煎茶では渋みと旨みが調和し、かつ、後味に清涼感を与えるものが良いとされているため、カテキンとテアニンその他のアミノ酸との調和が問題となるが、紅茶では強い渋みが必要とされるためタンニンが多いことが要求される。 【0018】 しかしながら、ウーロン茶や包種茶などの半発酵茶については、成分との関係について解析した報告は殆ど存在しない。その意味では、本発明は、半発酵茶について、その成分の比率等と味の関係についての一つの発見例を発明にまで昇華させたものであるという側面を有する。 【0019】 [配合・浸出] 「浸出前の原料において包種茶の配合量が50重量%以上である」というのは、「浸出の対象となる原料の中で包種茶の配合量が50重量%以上を占める」という意味であり、最終的に得られた飲料から水を除去して残留したものの中で包種茶成分が50重量%以上を占めるということを意味しない。即ち、浸出の対象となる原料の中で包種茶の配合量が50重量%以上を占めてさえいれば、「浸出によって得られる成分以外の諸成分」(香料や糖類等の添加物など(後述))を浸出後の飲料に加えたとしても、本発明の範囲に入ることになる。 【0020】 浸出前もしくは浸出後の茶葉もしくはそれ以外の成分の配合、及び茶成分の浸出は常法により行う。「浸出前の原料において…配合量が50重量%以上」とあり、浸出前の配合量が100重量%でない場合には、「浸出の対象となる原料(浸出工程に供される原料)」として配合されるものは、浸出工程に供することができるものであれば、包種茶以外の他の茶成分であっても、茶成分以外の他の成分であってもよい。「包種茶以外の他の茶成分」としては、緑茶成分、ウーロン茶成分、紅茶成分、プーアール茶成分、ジャスミン茶成分などがある。「茶成分以外の他の成分」としては、ハトムギ成分、ハブ茶成分、大麦成分、玄米成分、大豆成分、昆布成分、ヨモギ成分、レイシ成分、クコ成分、熊笹成分、柿の葉成分、シイタケ成分、アマチャヅル成分、ミカンの皮成分などがある。 【0021】 浸出は、例えば、変色防止のために金属イオンを除去した純水を用いて所定温度で行う。そして、茶がらを除去した後、工業用ろ紙やナイロンメッシュなどでろ過し、ろ液を冷却して原液とする。 【0022】 浸出後には、各種香料や糖類等の添加物など、「浸出によって得られる成分以外の諸成分」を必要に応じて加えることができる。このような諸成分としては、例えば各種ビタミン類、糖類、非糖類(ステビア、エリスリトール)などがある。なお、このようなものをいくら加えたとしても、浸出の対象となる原料の中で包種茶の配合量が50重量%以上を占める場合には本発明の範囲に入ることになるのは、既に述べた通りである。 【0023】 [密封容器への充填] 缶やPETボトル(ペットボトル)などの密封容器への充填は、常法に従い、浸出により得られた原液を純水で飲用濃度まで希釈し、ビタミンCなどの酸化防止剤等を適宜添加してから行う。 【0024】 PETボトルに充填する場合と缶に充填する場合とを比較した場合の工程上における相違は、加熱殺菌してから、殺菌された容器に充填するか(PETボトルに充填する場合)、容器に充填してから容器ごと加熱殺菌(レトルト殺菌)を行うか(缶に充填する場合)、ということである。そして、前者は135℃で30秒程度の短時間の超高温殺菌に供するのに対し、後者は120℃で7〜10分程度の加熱を行う。 【0025】 ここで、同じ密封容器であっても、本発明に係る半発酵茶飲料においては、後の実施例に示すように、缶に充填した場合よりもPETボトルに充填したほうが需要者の評判がよい。この原因は、茶系飲料の缶ドリンクにある特有のレトルト臭によるもの等、種々の要因が考えられるが明らかではない。しかしながら、いずれにしても、従来のウーロン茶飲料等の半発酵茶飲料では充填容器の相違に起因する消費者の評価について客観的かつ顕著な相違は見られないのであるから、このことは本発明に係る半発酵茶飲料について特有のものと認められる。 【0026】 【実施例】 原料茶において包種茶の配合量がほぼ100パーセントの半発酵茶飲料を作製し、香りの好み、苦渋味の好み、飲んだ感じ(スッキリ感)、総合飲用感についての官能試験を行った。試験は、対照物として現存のウーロン茶4種類を選び、これらと本発明に係る半発酵茶飲料につき、缶飲料とPETボトル飲料のそれぞれについて行った。なお、これらに含まれるテアニン量・タンニン量は、下記の表1の通りである。パネラーは30名、評価は7段階のモナディック評価により行ってもらった。 【0027】 【表1】 【0028】 結果は、図1に示される通りである(図1中、上段がPETボトルの場合(図中、「PET」と表示)、下段が缶の場合(図中、「缶」と表示))。 【0029】 【発明の効果】 図1に示されるように、本発明に係る半発酵茶飲料は、PETボトル飲料の場合に、現存のウーロン茶よりも高い評価を得ている。従って、本発明によれば、現在の消費者の好みにマッチした半発酵茶飲料(特に、密閉容器入り半発酵茶飲料)が提供されたことになる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 実施例に係るモナディック評価の結果を示す図である。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2003-01-07 |
出願番号 | 特願平11-1843 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZA
(A23F)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 新見 浩一 |
特許庁審判長 |
眞壽田 順啓 |
特許庁審判官 |
田中 久直 近 東明 |
登録日 | 2001-11-02 |
登録番号 | 特許第3246896号(P3246896) |
権利者 | アサヒ飲料株式会社 |
発明の名称 | 新規な半発酵茶飲料 |
代理人 | 正林 真之 |
代理人 | 正林 真之 |