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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 A61B |
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管理番号 | 1116101 |
異議申立番号 | 異議2003-73841 |
総通号数 | 66 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1999-11-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-30 |
確定日 | 2005-02-23 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3465582号「撮影タイミング制御装置及びX線撮影装置」の請求項1ないし12に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3465582号の請求項1ないし8に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第3465582号発明は、平成10年4月21日に特許出願され、平成15年8月29日にその特許の設定登録がなされ、その後、株式会社モリタ製作所より特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成16年11月16日に訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否についての判断 2.1 訂正の内容 「別紙参照」 2.2 訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 (1)訂正事項aについて、 訂正事項aは、請求項1、4、7及び11を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。また、請求項2以下の請求項番号の繰り上げは、請求項番号の欠落によって不明瞭となることを防止するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。そして、上記訂正は、特許明細書の記載事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。 (2)訂正事項b、c、fおよびgについて 訂正事項b、c、fおよびgは、それぞれ請求項2、3、8および9に記載中の、「前記対象物の撮影のためのセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、」の記載を削除することによって、「前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、」の記載と重複されて記載されており不明瞭であったものを明りょうにすると共に、「センサー」を「CCDセンサー」に訂正し、「基準信号を発生する基準信号発生手段」を「一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段」と訂正することによって、それぞれ「センサー」、「基準信号発生手段」を限定的に減縮し、「駆動信号制御手段とを備えた撮影タイミング制御装置」を「駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを特徴とする撮影タイミング制御装置。」と訂正することによって、「撮影タイミング制御装置」にさらに「前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する」との限定を付加するものである。よって、上記訂正は、明りょうでない記載の釈明を目的とすると共に、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。そして、上記訂正は特許明細書の段落【0015】、【0038】、【0039】および【0041】の記載をその根拠とするものであるから、特許明細書の記載事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。 (3)訂正事項d、e、hおよびiについて 訂正事項d、e、hおよびiは、それぞれ訂正事項b、c、fおよびgによって訂正された請求項に従属する請求項に関する訂正であって、独立請求項が訂正されたこととの整合をとって、表現を訂正したものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、特許明細書の記載事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。 (4)訂正事項j〜uについて 訂正事項j〜uは、訂正事項a〜iによって訂正された特許請求の範囲の記載に整合するように、明細書の記載を訂正するものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、特許明細書の記載事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものではない。 2.3 むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、改正前の特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議の申立について 3.1 申立の理由の概要 申立人株式会社モリタ製作所は、本件特許発明に対して、証拠として甲第1号証(特表平5-500174号公報)、甲第2号証(特開平8-215191号公報)、甲第3号証(特開昭63-40381号公報)、および甲第4号証(特開昭54-105454号公報)を提出し、本件請求項1に係る発明は、甲第1号証または甲第2号証に記載された発明であるか、または甲第1号証および甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものであるから、また、本件請求項2ないし12に係る発明は、甲第1号証および甲第2号証に記載された発明に基づいて当業者が容易になし得たものであり、いずれの発明も、特許法第29条第1項第3号または特許法第29条第2項の規定に該当し、同法第113条第2号の規定により、その特許は取り消されるべきものである旨主張している。 なお、甲第3号証および甲第4号証は予備的に提出されたものであって、取り消し理由には引用されていない。 3.2 本件発明 上記のとおり訂正請求が認められたので、本件請求項1ないし請求項8に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」ないし「本件発明8」という。)は、訂正明細書の請求項1ないし請求項8に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。 「【請求項1】 上記訂正事項b参照 【請求項2】 上記訂正事項c参照 【請求項3】 上記訂正事項d参照 【請求項4】 上記訂正事項e参照 【請求項5】 上記訂正事項f参照 【請求項6】 上記訂正事項g参照 【請求項7】 上記訂正事項h参照 【請求項8】 上記訂正事項i参照 」 3.3 引用刊行物に記載の発明 当審によって通知された取り消し理由に引用された刊行物1:特表平5-500174号公報(申立人の提出した甲第1号証)および刊行物2:特開平8-215191号公報(同甲第2号証)にはそれぞれ以下の事項が記載されている。 (1)刊行物1(特表平5-500174号公報) 歯科診断分野におけるパノラマデジタルX線画像処理に関して記載されており、 (1a)Fig.1、Fig.3A、Fig.3Bおよびこれらの図に関する明細書中の説明から、 「あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのリニアセンサアレイを駆動するための積分時間信号を作成するプログラムされた積分間隔30と、前記リニアセンサアレイを駆動させる駆動信号を送信するピクセルクロック34と、前記積分時間信号により前記ピクセルクロック34の駆動を制御する積分時間制御32とを備えた撮影タイミング制御装置。」(以下、これを「引用発明1」という。)が把握される。 (1b)さらに、「この経過時間は一連の時間間隔に分割されて、EPROM等のメモリデバイス30に記憶される。積分クロックである積分時間制御手段32がデバイス30及び放射検出器20に電気的に接続されて、各時間間隔中にピクセル信号の積分を制御する。」(第5頁左上欄11〜15行)、 (1c)「各時間間隔の持続時間は変化してもよい。」(第5頁右上欄1〜3行)、 (1d)「ピクセルクロック34及び放射検出器20は、積分時間制御回路32によりトリガされて、ピクセルデータ信号をプリプロセッサ40にダンプする。」(第5頁右上欄6〜9行)等が記載されており、 (1e)また、Pをピクセルの有効幅、Vtをフィルム速度として、各列のピクセルに対する積分時間τは τ=P/Vt で表せることが記載されている。(第6頁右上欄) (2)刊行物2(特開平8-215191号公報) 歯科診断または治療のために人体頭部の全顎について断層撮影を行うパノラマX線撮影装置に関して記載されており、 「【0012】また本発明に従えば、TDI法に従ってX線CCD検出手段を駆動する速度vは、前記関数値f(θ)とアームの角速度ωとの積に基づいて設定されるので、X線撮像フィルムによって実績があるデータに基づいて関数値f(θ)をテーブル化しておくことなどによって、迅速かつ容易に設定することができる。」、 「【0016】図1に示すように、人体の頭部などの被写体1は、対向配備されるX線源2およびX線CCD検出器3の間でX線の放射経路に介在する形となる。X線源2およびX線CCD検出器3は、旋回可能なアーム4の両端に取付けられる。X線CCD検出器3には、照射されたX線を可視光に変換するシンチレータ3a、シンチレータ3aの像を導く光ファイバプレート(略称「FOP」)3b、光ファイバ3bによって導かれた画像を撮像するFFTCCD素子3cが含まれる。アーム4は、アームモータ5によって回転駆動される。アーム4の旋回角度は、角度検出器6によって検出される。角度検出器6には、アームモータ5の回転軸に取付けられるカム6aと、カム6aによって可動接点が変位されるポテンショメータ6bが含まれる。アーム4の旋回角速度は、タコジェネレータ7によって検出される。 【0017】図2に示すように、FFTCCD素子3cの撮像した画像は、CPU8がタイミングを制御するCCD駆動回路9によってTDI法に従う蓄積が行われる。画像信号は、アナログ/デジタル(以下、「A/D」と略称する)10によってデジタル信号に変換され、CPU8に入力される。CPU8は、画像信号をVRAM11に書込む。VRAM11に書込まれた画像は、画像読出し回路12によって読出され、画像表示装置13でパノラマX線断層画像として表示される。 【0018】FFTCCD素子3cを駆動するためのTDIクロック信号は、アナログ乗算器14によってタコジェネレータ7からの角速度ωと、角度検出器6からの角度θの関数f(θ)とを表す信号を乗算して、さらに電圧/周波数(以下、「V/F」と略称する)コンバータ15によって周波数変換して得られる。角度検出器6のカム6aは、アームの旋回角度θに対するフィルム送り速度の関係に基づいて形状が設定されている。タコジェネレータ7内には、交流信号として導出される角速度ωに対応する信号を電圧レベルに変換するための整流回路7aが設けられている。」、 「【0023】FFTCCD素子3cの受光部20は、垂直シフトレジスタ21の配列方向21aについて1ピクセルの幅dを有するものとすると、次の第2式のような関係式でクロック周波数Ftdiが求められる。 【0024】 【数4】(略) 」、 が記載されている。 3.4 対比・判断 (1)請求項1について 本件発明1と刊行物1および刊行物2に記載のものとを対比すると、刊行物1および刊行物2にはいずれも本件発明1の具備する 「一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する」構成について記載されていない。 また、かかる点は異議申立人の提出した証拠のいずれにも記載されていない。 そして、本件発明1はかかる点を有することによって、他の構成と相まって明細書に記載の効果を奏するものである。 そこで、この点についてさらに詳細に検討する。 (1-1)本件発明1と刊行物1に記載のもの(以下、「引用発明1」という。)とを対比すると、 引用発明1における、「積分時間信号」、「プログラムされた積分間隔30」、「ピクセルクロック34」、「クロック」、「ピクセルクロック34」、および「積分時間制御32」が、それぞれ本件発明1における「タイミング情報」、「タイミング情報作成手段」、「基準信号送信手段」、「基準信号」、「基準信号発生手段」、および「駆動信号制御手段」に相当するから、両者は以下の一致点および相違点を有する。 一致点:「あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報により前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備えた撮影タイミング制御装置。」 相違点(a):本件発明1では、タイミング情報が「前記基準信号のカウント数の数列」であるのに対し、引用発明1では、タイミング情報に対応する信号に関しては、積分時間を示す積分クロックが記載されているが、その情報内容は明記されていない点。 相違点(b):本件発明1では、「前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する」構成を有するのに対し、引用発明1では、積分時間信号によって駆動信号を制御しており、基準信号を制御に用いているか否かは不明である点。 相違点(c) :基準信号発信手段が、本件発明1では、一定間隔で基準信号を発生しているのに対し、引用発明1では、その点については明記されていない点。 前記相違点について検討する。 本件発明1におけるタイミング情報は、図6(a)の時間とフィルム送り速度との関係からフィルム送りの経過時間とフィルムの移動距離との関係を求め、さらに、求めた前記関係に基づいて、各位置でのセンサーの画素間隔に相当する距離のフィルムの移動に要する時間を基準信号(クロックパルス)の数として求めたものと認められる。このとき、基準信号の数が小数となる場合には四捨五入して整数としている。(本件発明1の相違点(a)に係る構成) そして、センサーの駆動信号を制御するには、基準信号をタイミング情報のカウント数の数列で示される数だけカウントした後の最初の基準信号のタイミングを送信開始時点として一連の駆動信号を送信している。(本件発明1の相違点(b)に係る構成) したがって、基準信号はタイミング情報の各区間にまたがって連続的に一定間隔を維持している。(本件発明1の相違点(c) に係る構成) これに対して、引用発明1では、積分時間は τ=P/Vt で表わされることが記載されており(第6頁右上欄)、また、Fig.1に示されるようにプログラムされた積分時間を読み出して積分時間制御を行なうことが理解されるが、積分時間の具体的な求め方等については明記されておらず、積分時間を基準信号のカウント数の数列で求めることを示唆する記載も認められない。 また、ピクセルクロックは積分時間制御回路によりトリガされる(第5頁右上欄6〜9行)のであるから、ピクセルクロックは積分区間毎に発信開始しているものと理解され、ピクセルクロックからの信号を各積分区間にまたがって連続的に一定間隔の信号とすることは出来ない。 以上のとおりであるから、本件発明1の上記各相違点に係る、タイミング情報を基準信号のカウント数の数列で構成すること、および一定間隔で発生される基準信号を用いており、タイミング情報と基準信号とによりセンサーの駆動信号を制御すること等の構成が、引用発明1から容易に想到できたとすることはできない。 そして、本件発明1は、上記各相違点に係る構成を有することによって、その他の構成と相俟って、明細書記載の効果を奏するものと認められる。 (1-2)本件発明1と刊行物2に記載のものとを対比すると、刊行物2のものは、本件発明1が具備する 「一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する」構成を具備していない。 また、刊行物2のものは、FETCCD素子を駆動するためのクロック信号(本件発明における基準信号に相当)自体をフィルム送り速度に対応させて変化させるものであって、原理的には本件特許明細書で説明されている従来例に相当するものとして理解されるから、このものから、基準信号を変化させないことを前提としている本件発明の上記構成を想到することが容易になし得たものというべき根拠は何ら存在しない。 (1-3)以上のとおりであるから、本件発明1は、刊行物1または2(異議申立人が提出した甲第1号証または甲第2号証)に記載された発明ではなく、また、それらに基づいて当業者が容易に発明できたものでもない。 (2)請求項2について 請求項2は、請求項1の構成を有し、さらに「前記タイミング情報を一時格納する格納手段」の構成を、限定的に付加したものであるから、請求項1に係る発明が刊行物1および2から容易になし得たものと認められない以上、請求項2に係る発明についても刊行物1および2から容易になし得たものと認めることはできない。 (3)請求項3について 請求項3は、請求項1または2の構成を有し、さらに限定的に構成を付加したものであるから、請求項1または2に係る発明が刊行物1および2から容易になし得たものと認められない以上、請求項3に係る発明についても刊行物1および2から容易になし得たものと認めることはできない。 (4)請求項4について 請求項4は、請求項1ないし3の構成を有し、さらに限定的に構成を付加したものであるから、請求項1ないし3に係る発明が刊行物1および2から容易になし得たものと認められない以上、請求項4に係る発明についても刊行物1および2から容易になし得たものと認めることはできない。 (5)請求項5ないし8について 請求項5ないし8は、それぞれ請求項1ないし4に対応するものであって、それぞれの構成要件として「X線照射部」を付加することによって、請求項1ないし4が「撮影タイミング制御装置」の発明であったものを、請求項5ないし8では「X線撮影装置」の発明としたものである。請求項5ないし8はいずれも請求項1ないし4の構成を有し、さらに限定的に構成を付加したものとなっているから、請求項1ないし4に係る発明が刊行物1および2から容易になし得たものと認められない以上、請求項5ないし8に係る発明についても刊行物1および2から容易になし得たものと認めることはできない。 3.5 むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由によっては本件請求項1ないし8に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に本件請求項1ないし8に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
〔別紙〕 〔訂正の内容〕 (1)訂正事項a 請求項1、請求項4、請求項7及び請求項11を削除する。これに伴い、請求項2以下の請求項番号を繰り上げ、請求項2、請求項3、請求項5、請求項6、請求項8、請求項9、請求項10および請求項12を、それぞれ請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7および請求項8と訂正する。 (2)訂正事項b 「【請求項2】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記対象物の撮影のためのセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備えた撮影タイミング制御装置。」を 「【請求項1】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを特徴とする撮影タイミング制御装置。」 と訂正する。 (3)訂正事項c 「【請求項3】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、前記対象物の撮影のためのセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備えた撮影タイミング制御装置。」を 「【請求項2】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する撮影タイミング制御装置。」 と訂正する。 (4)訂正事項d 「【請求項5】 撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表すデータと、CCDセンサーの水平方向での画素の配置間隔距離と、基準信号発生部からの基準信号の発信間隔時間とから対象物の撮影に関するタイミング信号を作成する請求項4記載の撮影タイミング情報制御装置。」を 「【請求項3】 撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表すデータと、CCDセンサーの水平方向での画素の配置間隔距離と、基準信号発生手段からの基準信号の発信間隔時間とから前記タイミング情報を作成する請求項1または2記載の撮影タイミング情報制御装置。」 と訂正する。 (5)訂正事項e 「【請求項6】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の撮影タイミング制御装置。」を 「【請求項4】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の撮影タイミング制御装置。」 と訂正する。 (6)訂正事項f 「【請求項8】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記対象物の撮影のためのセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備えたX線撮影装置。」を 「【請求項5】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御するX線撮影装置。」 と訂正する。 (7)訂正事項g 「【請求項9】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、前記対象物の撮影のためのセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備えたX線撮影装置。」を 「【請求項6】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御するX線撮影装置。」 と訂正する。 (8)訂正事項h 「【請求項10】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのセンサーとが腕部の両端に取り付けられ、前記腕部がその略中心部分において旋回自在に支持されてなる請求項7〜9のいずれかに記載のX線撮影装置。」を 「【請求項7】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーとが腕部の両端に取り付けられ、前記腕部がその略中心部分において旋回自在に支持されてなる請求項5または6記載のX線撮影装置。」 と訂正する。 (9)訂正事項i 「【請求項12】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項7〜11いずれかに記載のX線撮影装置。」を 「【請求項8】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載のX線撮影装置。」 と訂正する。 (10)訂正事項j 特許明細書中の段落【0005】の記載を、 「【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため本発明は、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。」 と訂正する。 (11)訂正事項k 同明細書中の段落【0006】を削除する。 (12)訂正事項l 同明細書中の段落【0007】の記載を、 「また、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。」 と訂正する。 (13)訂正事項m 同明細書中の段落【0008】の記載を、 「また、撮影対象物に応じたフィルム送り速度の時間的変化を表すデータと、CCDセンサーの水平方向での画素の配置間隔距離と、基準信号発生手段からの基準信号の発信間隔時間とから対象歯列の撮影に関するタイミング情報を作成する。」 と訂正する。 (14)訂正事項n 同明細書中の段落【0009】を削除する。 (15)訂正事項o 同明細書中の段落【0010】の記載を、 「また、X線照射部と、対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。」 と訂正する。 (16)訂正事項p 同明細書中の段落【0011】の記載を、 「また、X線照射部と、対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。」 と訂正する。 (17)訂正事項q 同明細書中の段落【0012】の記載を、 「【発明の実施の形態】 本発明によれば、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報と、一定の基準信号とを併せて用いることにより、容易にセンサーの駆動を制御することができるとともに、センサーの駆動信号制御をより一層容易に行なうことが出来る。」 と訂正する。 (18)訂正事項r 同明細書中の段落【0013】を削除する。 (19)訂正事項s 同明細書中の段落【0048】の記載を、 「【発明の効果】 本発明によれば、本発明によれば、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報と、一定の基準信号とを併せて用いることにより、容易にセンサーの駆動を制御することができるとともに、センサーの駆動信号制御をより一層容易に行なうことが出来る。」 と訂正する。 (20)訂正事項t 同明細書中の段落【0049】を削除する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 撮影タイミング制御装置及びX線撮影装置 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを特徴とする撮影タイミング制御装置。 【請求項2】 あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御する撮影タイミング制御装置。 【請求項3】 撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表すデータと、CCDセンサーの水平方向での画素の配置間隔距離と、基準信号発生手段からの基準信号の発信間隔時間とから前記タイミング情報を作成する請求項1または2記載の撮影タイミング情報制御装置。 【請求項4】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の撮影タイミング制御装置。 【請求項5】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御するX線撮影装置。 【請求項6】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御するX線撮影装置。 【請求項7】 X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーとが腕部の両端に取り付けられ、前記腕部がその略中心部分において旋回自在に支持されてなる請求項5または6記載のX線撮影装置。 【請求項8】 撮影する対象物が歯列であることを特徴とする請求項5〜7いずれかに記載のX線撮影装置。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明はX線撮影装置に関し、特にパノラマ撮影を行う場合に良好なX線撮影装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 パノラマX線撮影装置の先行技術としては、実公平4-48169号公報、特開平8-215191号公報には撮影中順次クロック周波数を変化させながらCCDを駆動することでパノラマX線撮影を行う技術が開示されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 実公平4-48169号公報、特開平8-215191号公報では順次クロック周波数を変化させるCCD駆動方式を記しているが、駆動回路で実際のパノラマX線撮影に必要な多くのクロック周波数を選択するには、最大クロック周波数と最小クロック周波数との比が3対1程度となりかつ最大クロック周波数と最小クロック周波数の間で少しずつ異なるクロック周波数が得られるように多くのクロック周波数発生素子を用意しておくか、一つのクロック発生素子を用意し最大クロック周波数と最小クロック周波数との比が3対1程度となりかつ最大クロック周波数と最小クロック周波数の間で少しずつ異なるクロック周波数が得られるような分周回路を持つ必要があり、実際に駆動回路を実現するのは大変難しいものとなる。 【0004】 本発明は上記課題に鑑み、CCD駆動回路においてクロック周波数を発するクロック周波数発信素子は一つとしクロック周波数を切り替えることなくパノラマX線撮影を行うことを可能にすることを目的の一つとする。 【0005】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため本発明は、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発信手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。 【0006】 【0007】 また、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。 【0008】 また、撮影対象物に応じたフィルム送り速度の時間的変化を表すデータと、CCDセンサーの水平方向での画素の配置間隔距離と、基準信号発生手段からの基準信号の発信間隔時間とから対象歯列の撮影に関するタイミング情報を作成する。 【0009】 【0010】 また、X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記CCDセンサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。 【0011】 また、X線照射部と、撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーと、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのCCDセンサーを駆動するためのタイミング情報を作成するタイミング情報作成手段と、前記センサーを駆動させる駆動信号を送信する駆動信号送信手段と、前記タイミング情報を一時格納する格納手段と、一定間隔で基準信号を発生する基準信号発生手段と、前記格納手段に格納された前記タイミング情報と前記基準信号とにより前記駆動信号を制御する駆動信号制御手段とを備え、前記タイミング情報は、前記基準信号のカウント数の数列であり、前記駆動信号制御手段は、前記数列のカウント数毎に前記基準信号を発信するタイミングで前記駆動信号を送信するよう制御することを構成とする。 【0012】 【発明の実施の形態】 本発明によれば、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報と、一定の基準信号とを併せて用いることにより、容易にセンサーの駆動を制御することができるとともに、センサーの駆動信号制御をより一層容易に行なうことが出来る。 【0013】 【0014】 以下本発明による撮影タイミング制御装置及びX線撮影装置の実施の形態について、歯科用のパノラマX線撮影装置を例にとって、図面を用いて説明する。 【0015】 図1は第1の実施の形態を示すパノラマX線撮影装置の構成ブロック図である。図1において1はX線を発生させるX線発生部、2はCCDセンサーが挿入されるセンサーカセッテを装着するカセッテ装着部、3はCCDセンサーが挿入されるセンサーカセッテ、4はCCDセンサー、5は基準信号及び駆動開始信号を発信する動作管理部、6は対象歯列の撮影のためCCDセンサーに駆動信号を発信する駆動信号制御回路、7はCCDセンサーを駆動するタイミング情報を出力する駆動タイミング情報出力部、8は撮影開始信号を発信し、また撮影された画像情報の処理を行うデータ処理回路、9は撮影された画像を表示する表示手段である。 【0016】 図2(a)、(b)、(c)は本発明に係るパノラマX線撮影装置の概観を示すそれぞれ上面図、側面図である。図2において、10はX線を照射するX線照射部でX線発生装置が内蔵されている。11は被撮影者であり、被撮影者11はX線照射部10とCCDセンサー4が挿入されたセンサーカセッテ3を装着するカセッテ装着部に挟まれて位置している。12はX線照射部10とカセッテ装着部2とを連結する旋回アームであり、支柱13によって旋回自在に支持されている。このように構成されたパノラマX線撮影装置は、X線照射部10より発せられたX線が被撮影者11を貫通しセンサーカセッテ3に挿入されたCCDセンサー4によって検知されることによりX線撮影が行われるが、図2(c)に示すように、旋回アーム12が支柱13に支持されつつ旋回することによりX線照射部10も旋回し、パノラマ画像を撮影することができる。 【0017】 図3は、カセッテ装着部2に装着される、センサーカセッテ3の形状並びに構成を示す斜視図である。センサーカセッテ3は内部にCCDセンサー4を納めたセンサーユニットを配し、その位置はセンサーカセッテ3をカセッテ装着部2に装着したときX線発生部1からカセッテ装着部2を見てセンサーカセッテ内部に配されたCCDセンサー4の有効画素部がカセッテ装着部2の有する二次スリットと重なるようにするものである。 【0018】 図4は本発明の実施の形態に用いられる長尺CCDセンサーの第1の例を示す構成概略図である。本実施の形態では基盤の外形で縦約27mm、横約21mm、厚さ約4mmのCCDセンサーを用い、そのうち有効面素の部分の大きさが縦約25mm、横約19mmのインタライントランスファ型のCCDセンサーを7個用いる。 【0019】 各々のCCDセンサーをX線発生部1からカセッテ装着部2を見て奥行き方向に鉛直方向に対して約10度の傾きとなるように傾け、また上下隣接するCCDセンサーで有効画素部の重なりが1mmとなるように配する。これは、CCDセンサーが、基盤上にセンサー部分の素子が載せられているため、センサー素子の存在しない基板のみの部分では、照射されたX線は画像として取り込むことが出来ないので、連続したパノラマ撮影画像が得られないからである。 【0020】 これにより長手方向約166mmの長さを持つ長尺CCDセンサーが実現できる。なおCCDセンサーの外形並びに有効画素部の大きさ、またCCDセンサーを傾ける角度は本実施例に用いたものに限定されることはなく、複数のCCDセンサーにより構成される長尺センサーがセンサーカセッテ3に納めることができるものであればよい。 【0021】 また上下に隣接するCCDセンサーの有効画素部の重なりは1mmに限定されるものではなく、X線発生部1からCCDセンサー4を見たときに上下に隣接するCCDセンサーの上部のCCDセンサーの有効画素部下端と下部のCCDセンサーの有効画素上端との間に隙間がなければよい。 【0022】 図5は本発明の実施の形態に用いられる第2の例による長尺CCDセンサーの構成概略図である。 【0023】 本実施の態様では基盤の外形縦約27mm、横約21mm、厚さ約4mmであり、そのうち有効画素の部分の大きさが縦約25mm、横約19mmのインタライントランスファ型のCCDセンサーを7個用いる。 【0024】 7個のCCDセンサーのうち上から2つ目、4つ目、6つ目をX線発生部1からカセッテ装着部2を見て奥行き方向に約4.5mm下げ、また上下隣接するCCDセンサーで有効画素部の重なりが1mmとなるように配する。これにより長手方向約169mmの長さを持つ長尺CCDセンサーが実現できる。 【0025】 なおCCDセンサーの外形並びに有効画素部の大きさ、またCCDセンサーを傾ける角度は本実施例に用いたものに限定されることはなく、複数のCCDセンサーにより構成される長尺センサーがセンサーカセッテ3に納めることができるものであればよい。 【0026】 また上下に隣接するCCDセンサーの有効画素部の重なりは1mmに限定されるものではなく、X線発生部1からCCDセンサー4を見たときに上下に隣接するCCDセンサーの上部のCCDセンサーの有効画素部下端と下部のCCDセンサーの有効画素上端との間に隙間がなければよい。 【0027】 以上のように構成されたパノラマX線撮影装置について、以下撮影手順を説明する。 【0028】 まず、センサーカセッテ3をカセッテ装着部2に装着し、被撮影者11をX線照射部10とセンサーカセッテ3との間に位置させる。 【0029】 次に、撮影装置本体において撮影対象歯列を選択し、駆動タイミング情報出力部7から駆動信号制御回路6に撮影装置本体で選択された撮影対象歯列に応じた駆動タイミング情報を送る。 【0030】 駆動タイミング情報は図6に示す過程を経て導出される。以下図の説明を行いつつ駆動タイミング情報を導出する手順を説明する。 【0031】 図6(a)は撮影装置本体において選択された撮影対象歯列に応じたフィルム送り速度V(t)の変化を表すグラフであり、横軸を撮影開始からの経過時間、縦軸を各時間におけるフィルム送り速度としている。このグラフの曲線は、例えば歯科医が被撮影者11の歯列を観察し、当該被撮影者の歯列に適合する任意の曲線を、複数のサンプルから選択することにより特定される。 【0032】 図6(b)は図6(a)に示されるフィルム送り速度V(t)から、フィルムが撮影開始からある距離移動するのに要する時間を求めたものであり、横軸を撮影開始からのフィルムの移動距離、縦軸を撮影開始からの時間としている。 【0033】 図(c)は図6(b)の一部拡大図であり、図中aはセンサーカセッテ3内に装着した状態におけるCCDセンサー4の水平方向での画素の配置間隔であり、nは0以上の整数であり、tnはフィルムが撮影開始より距離na移動するまでに要した時間である。 【0034】 tnを基準信号の発信間隔時間wで割ったものをTn、tn+1を基準信号の発信間隔時間wで割ったものをTn+1とし、Tn+1とTnの差を求め、求められた差の小数第一位を四捨五入して整数Wnを得る。0以上の各nについて求めたWnを順次並べた数値列が前記撮影対象歯列に応じた駆動タイミング情報となる。 【0035】 図6(d)に横軸をn、縦軸を各nに対応するWnの値としたグラフを示す。 次に、駆動信号制御回路6において駆動タイミング情報による送信タイミングの制御を行いながらCCDセンサー4への駆動信号の送信を開始する。CCDセンサーの駆動について、図7を参照して説明する。 【0036】 撮影動作管理部5において基準信号の発信を開始し、この基準信号はカウンタ部16に入力される。また、撮影動作管理部5は駆動信号制御回路6に駆動開始信号を送る。この駆動開始信号は駆動信号制御回路6を初期化する信号で、この駆動開始信号を受取ることによって、駆動信号制御回路6の動作が開始される。 【0037】 撮影動作管理部5からの駆動開始信号により参照レジスタ15が初期化され、最初の駆動タイミング情報が書き込まれる。 【0038】 駆動タイミング情報保持部14は一回の撮影に必要な駆動タイミング情報を駆動タイミング情報出力部7から受け取り保持する。上述したとおり、駆動タイミング情報は駆動信号送信部17が一連の駆動信号を送信する間隔を表す数値の列である。 【0039】 例えば、その数列は{1,5,4,3}のように表される。このタイミング情報は最初にCCDセンサー4を駆動した後に、5回目のパルスが出るタイミングでCCDセンサー4を駆動し、その次は、4回目のパルスが出るタイミングでCCDセンサー4を駆動し、最後にその後3回目のパルスが出るタイミングでCCDセンサー4を駆動することを意味している。 【0040】 またデータ処理回路8から駆動信号制御回路6に発信される撮影開始信号により次の駆動タイミング情報を参照レジスタ15に書き込み、その後カウンター部16が駆動信号送信部17に駆動信号送信開始信号を送る都度順次駆動タイミング情報を参照レジスタ15に書き込む。 【0041】 カウンター部16は撮影動作管理部5からの駆動開始信号によりカウント数を0にセットし撮影動作管理部5が一定間隔で発信する基準信号のカウントを始める。また一つカウントする都度カウント数と参照レジスタ15に書き込まれている値との比較を行い、カウント数が参照レジスタ15に書き込まれている値と等しくなったときに駆動信号送信回路17に駆動信号送信開始信号を送り、同時にカウント数を0にリセットする。 【0042】 参照レジスタ15に書き込まれている値とカウンタ部17のカウント数とによって、駆動信号送信部17から駆動信号が送信されるが、図8にこの駆動信号を制御する、駆動信号制御信号の一例を示す。参照レジスタ15に駆動タイミング情報として{1,5,4,3}という数列が書き込まれていたとすると、最初にH信号が発信され、その後5回目の発信のタイミングでH信号が発信される。このH信号は駆動信号送信部17に送信され、駆動信号送信部はこのH信号を受取ることで、CCDセンサー4に一連の駆動信号を送信する。即ちCCDセンサーの駆動信号を制御するのである。 【0043】 また、駆動信号送信部17から送信される駆動信号によって、CCDセンサー4においてフォトダイオードから垂直レジスタへの電荷の転送と垂直レジスタ内での水平転送レジスタ方向に向かっての一段分の電荷の転送と水平転送レジスタ内の電荷をデータ処理回路8に送り出す動作がされる。 【0044】 また、データ処理回路8は例えばX線照射開始によるCCDセンサー4の出力する画像信号の変化を検知したのち駆動信号制御回路6に撮影開始信号を送る。この撮影信号はCCDセンサーによって検知された画像情報をメモリに格納することを指示する信号である。このメモリに格納された画像情報によって表示画像の生成を行う。CCDセンサー4に駆動信号が送信された後は、CCDセンサー4からのデータ処理回路8への画像信号出力を開始する。 【0045】 撮影終了後データ処理回路8により生成された表示画像を表示手段9に表示する。 【0046】 本実施の形態によれば、一定のクロック周波数をもとにした基準信号をカウントすることでCCDセンサー内部の電荷転送制御を行うことで、簡易な回路構成で容易にパノラマX線撮影を実現できる。 【0047】 また駆動タイミング情報を撮影対象歯列に応じたフィルム送り速度から導出することで、フィルムの移動とCCDの垂直転送レジスタ内での電荷の移動とで同期がとれ容易に撮影対象歯列に応じたパノラマX線撮影を行うことができる。 【0048】 【発明の効果】 本発明によれば、本発明によれば、あらかじめ設定された撮影対象物情報であるフィルム送り速度の時間的変化を表す曲線から導出され前記撮影対象物の撮影のためのセンサーを駆動するためのタイミング情報と、一定の基準信号とを併せて用いることにより、容易にセンサーの駆動を制御することができるとともに、センサーの駆動信号制御をより一層容易に行なうことが出来る。 【0049】 【0050】 また、撮影タイミング情報の制御を簡易且つ容易に設計できるため、X線撮影装置を安価に提供することが出来る。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施の形態を示すパノラマX線撮影装置の構成ブロック図 【図2】 本発明の実施の形態を示すパノラマX線撮影装置の概略構成図 【図3】 本発明の実施の形態に用いるセンサーカセッテの形状並びに構成を示す斜視図 【図4】 本発明の実施の形態に用いる長尺CCDセンサーの構成概略図 【図5】 本発明の実施の形態に用いる長尺CCDセンサーの構成概略図 【図6】 本発明の実施の形態による駆動タイミング情報の導出手順を説明するグラフ 【図7】 本発明の実施の形態における駆動信号制御回路のブロック図 【図8】 本発明の実施の形態における駆動信号制御信号を示すタイミングチャート 【符号の説明】 1 :X線発生部 2 :カセッテ装着部 3 :センサーカセッテ 4 :CCDセンサー 5 :撮影動作管理部 6 :駆動信号制御回路 7 :駆動タイミング情報出力部 8 :データ処理回路 9 :表示装置 10 :駆動タイミング情報保持部 14 :駆動タイミング情報保持部 15 :参照レジスタ 16 :カウンター部 17 :駆動信号送信部 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-02-10 |
出願番号 | 特願平10-110451 |
審決分類 |
P
1
651・
121-
YA
(A61B)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 安田 明央 |
特許庁審判長 |
渡部 利行 |
特許庁審判官 |
水垣 親房 長井 真一 |
登録日 | 2003-08-29 |
登録番号 | 特許第3465582号(P3465582) |
権利者 | 松下電器産業株式会社 |
発明の名称 | 撮影タイミング制御装置及びX線撮影装置 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 岩橋 文雄 |
代理人 | 坂口 智康 |
代理人 | 内藤 浩樹 |
代理人 | 岩橋 文雄 |