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審決分類 審判 全部申し立て 1項1号公知  A47L
管理番号 1116175
異議申立番号 異議2003-71130  
総通号数 66 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-04-12 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-04-25 
確定日 2005-02-23 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3341908号「電気掃除機の接続装置」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3341908号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3341908号「電気掃除機の接続装置」の請求項1に係る発明は、平成4年9月22日に特許出願され、平成14年8月23日に設定登録がなされたものである。
これに対し、特許異議申立人三菱電機株式会社により特許異議の申立てがなされ、取消しの理由が通知され、その指定期間内である平成17年1月14日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(1)訂正の内容
(訂正事項1)特許請求の範囲請求項1の記載について、
「前記挿入部を収容する接続部とを有する本体部」とある記載を、
「前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部」と訂正する。

(訂正事項2)特許請求の範囲請求項1の記載について、
「前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備していることを特徴とした電気掃除機の接続装置。」とある記載を、
「前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備し、前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成されていることを特徴とした電気掃除機の接続装置。」と訂正する。

(訂正事項3)明細書の段落【0007】の記載について、
「 【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機の接続装置は、外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備しているものである。」とある記載を、
「 【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機の接続装置は、外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備し、前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成されているものである。」と訂正する。

(2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項1に関し、本件の願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)には、「この接続管39は、上面を開口した本体部39a と、この本体部39a の上面開口を閉塞する下面を開口した蓋体部39b とよりなっている。」(段落【0015】)、「そして、接続管39は、蓋体部39bの係止部47が本体部39aの接続部45の通孔46を挿通して連通管32の連結筒部36の溝部34に係合されて係止突部35に係止され、端子ピン42を取り付けた図示しないリード線が配設された本体部39aの上面を覆うように蓋体部39bが接合されて、これら本体部39aと蓋体部39bとの間に形成されリード線を収容させる収容空間を閉塞させ、蓋体部39bの上面に穿設されたねじ穴50を介して本体部39aの雌ねじ孔51にねじ止めされて接合形成され、連通管32の連結筒部36に回転自在に取り付けられている。」(段落【0017】)と記載されており、さらに図1の記載を参酌すれば、「筒状の本体部」とすることは特許明細書に記載されているものと認められる。
そうすると、上記訂正事項1に係る訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において「本体部」の形状に関し「筒状の本体部」と限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。

訂正事項2に関し、特許明細書には、上記段落【0017】ないし図1の記載に加え、「また、蓋体部39b には、接続部45の通孔に対応する位置の下面左右両側に下方に突出する係止部47が2つ形成されている。そして、この係止部47の内側面は、連通管32の連結筒部36の溝部34の周面に摺動可能に当接する凹弧状に切り欠かれた摺動面48が形成されている。さらに、一方の係止部47の基部には、リード線が係止部47の角部に当接して損傷することを防止するために、下方にコ字状の壁状に突出する保護壁部49が形成されている。」(段落【0016】)、「このため、従来のように係止部材を必要とせず、本体部39aとの間に形成されるリード線収容用の収容空間を閉塞する蓋体部39bをこの本体部39aに装着させるのみで、接続管39と連通管32とを回動自在に連結できるから、組み立ておよび保守点検が容易にできるとともに、接続管39と連通管32とを確実に連結できる。
また、部品数を減少できるため、製造コストを低減でき、製造工程を簡略化できる。さらに、接続管39と連通管32とを連結する係止部47が接続管39の蓋体部39bに一体的に設けたことにより、接続管39の回動を繰り返しても、連通管32の係止突部35に係止される係止部47が外れることなく、確実に接続管39を連通管32に連結できる。」(【0029】〜【0030】)と記載されており、「前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成され」とすることは、特許明細書に記載されているものと認められる。
そうすると、上記訂正事項2に係る訂正は、特許明細書に記載された事項の範囲内において「開口部」の位置ないしその態様を「前記本体部の外周に互いに対向して形成され、」と限定し、また「係止部」の位置を「前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成され」と限定したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項の追加に該当しない。

訂正事項3に係る訂正は、上記訂正事項1ないし2に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るための訂正であって、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当しない。

そして、上記訂正事項1〜3に係る訂正はいずれも実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)むすび
したがって、上記訂正事項1〜3に係る訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書き、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(1)申立ての理由の概要
特許異議申立人三菱電機株式会社は、請求項1に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において公然知られた発明であって、特許法第29条第1項第1号の規定により特許を受けることができないものであるから、特許を取り消すべきであると主張している。

(2)本件発明
上記2.で示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という。)は、上記訂正請求に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの以下のものである。

「外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備し、前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成されていることを特徴とした電気掃除機の接続装置。」

(3)特許異議申立人が提出した証拠ないし証拠に係る発明
(証拠)
検甲第1号証 :三菱電気掃除機「TC-980形」
甲第1号証 :検甲第1号証である三菱電気掃除機「TC-980形」を 撮影した写真1〜10
甲第2号証の1:製作図面T430B032
甲第2号証の2:製作図面T420B057
甲第2号証の3:製作図面T420C264
甲第2号証の4:製作図面T320C406
甲第3号証 :製作図面T430B032、T420B057、T420 C264、T320C406の各図面番号が記載されたフ ァミリーツリー
甲第4号証 :TC-980形掃除機用サービスハンドブック抜粋
甲第5号証 :検甲第1号証である三菱電気掃除機「TC-980形」の カタログ抜粋

上記の証拠からみて、検甲第1号証に係る発明は、
「外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備している電気掃除機の接続装置。」(以下、「引用発明」という。)と認められる。

(4)対比・判断
本件発明と引用発明とを対比すると、引用発明は、本件発明の構成要件である「前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成され」ている点を備えていない。

したがって、本件発明は、引用発明と同一といえないから、特許法第29条第1項第1号の規定により特許を受けることができないものとはいえない。

(5)むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては本件発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
電気掃除機の接続装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、
前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備し、
前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、
前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成されている
ことを特徴とした電気掃除機の接続装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、連結雄部の挿入部と連結雌部の接続部とを回転自在に接続する電気掃除機の接続装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の接続装置としては、例えば図10に示す電気掃除機の吸込口本体の接続管の構成が知られている。
【0003】
そして、この図10に示す電機掃除機の吸込口本体は、横長矩形状に図示しないケース体を形成し、このケース体の後部中央に、連通管71を回動軸72により上下方向の所定角度に回動自在に取り付けている。一方、連通管71の後端部には、ケース体から後側外方へ突出し、外周面に環状の溝部73を有する円筒状の連結筒部74が形成され、この連結筒部74には、屈曲した接続管75の前端部が接合されている。
【0004】
そして、この接続管75は、長手方向に沿って円筒状の風路76を有し上面を開口した本体部75aと、この本体部75aの上面開口を閉塞する蓋体部75bとをねじ止めにより接合形成してなり、風路76の一端には連通管71の連結筒部74を回動自在に嵌合する接続部77を形成している。さらに、この接続部77の上下に連通管71の連結筒部74の溝部73に位置して円周方向に細長い通孔78を形成している。そして、この通孔78の縁に係止する爪部79aと連結筒部74の溝部73に摺動自在に係合する係止部79bとを有した係止部材79が通孔78より取り付けられて、接続管75が回動自在に連通管71に取り付けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の電気掃除機の吸込口本体において、接続管75を連通管71に回動自在に取り付けるために細かい構造の係止部材79が必要で、この係止部材79を製造するコストが増大し、製造性も低下する問題がある。また、部品数が多いために、組立工程および保守点検が煩雑となる問題も有している。さらに、接続管75の回動時に、係止部材79の爪部79aが連結筒部74の溝部73と係止部材79の係止部97bとの摩擦により通孔78の縁より外れて、接続管75が抜け落ちるおそれもある。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑み、組立工程および保守点検が容易で安価に製造でき、連結雄部と連結雌部とを回転自在に確実に連結できる電気掃除機の接続装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電気掃除機の接続装置は、外周面に周面に沿って溝部が設けられた筒状の挿入部を備えた連結雄部と、前記挿入部が挿入された際に前記溝部に連通する開口部と前記挿入部の外周面に内面が回転自在に当接して前記挿入部を収容する接続部とを有する筒状の本体部、およびこの本体部に装着されることにより前記開口部に挿通され前記接続部に挿入された前記挿入部の溝部を係止する係止部を有し前記本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部を備えた連結雌部とを具備し、前記開口部は、前記本体部の外周に互いに対向して形成され、前記係止部は、前記蓋体部の前記開口部に対向する位置のそれぞれに形成されているものである。
【0008】
【作用】
本発明の電気掃除機の接続装置は、連結雄部の筒状の挿入部を連結雌部の本体部の接続部に挿入させて、この接続部の内面を連通雄部の挿入部に回転自在に当接させることにより、この本体部の開口部が連結雄部の挿入部に設けた溝部に連通する。この状態で、この本体部に連結雌部の蓋体部を装着することにより、この本体部と蓋体部との間に形成される収容空間が蓋体部により閉塞されるとともに、この蓋体部の係止部が本体部の開口部を挿通して連結雄部の挿入部の溝部を係止する。この結果、連通雌部の接続部に挿入された連結雄部の挿入部が回動自在に接続される。このため、本体部との間に形成される収容空間を閉塞する蓋体部をこの本体部に装着させるのみで、連結雄部と連結雌部とを回動自在に連結できるから、組み立ておよび保守点検が容易にできるとともに、連結雄部と連結雌部とを確実に連結できる。また、部品数が減少するため、製造コストを低減でき、製造工程を簡略化できる。
【0009】
【実施例】
本発明の電気掃除機の接続装置の一実施例を構成する電気掃除機の吸込口本体を図面に基づいて説明する。
【0010】
図2において、11は進行方向に対して横長矩形状の吸込口本体で、この吸込口本体11は、ケース体としての下部本体ケース12と、この下部本体ケース12の上に結合固定されるケース体としての上部本体ケース13とからなり、これら上下部本体ケース12,13の前面を含む周面に沿ってバンパ14を挟持している。
【0011】
そして、吸込口本体11には、進行方向側である前側に略左右方向に横長の吸込室21が区画形成されるとともに、後側に吸込室21に連通する風路室22と、この風路室22の一端側に位置する電動機室23と、この風路室22の他端側に位置する制御室24が区画形成されている。さらに、図示しない床面と対向する吸込口本体11の下面に、吸込室21の吸込口25が開口形成されている。
【0012】
また、前記吸込口本体11の後部中央には、図8および図9に示すように、連結雄部としての連通管32が設けられている。この連通管32は、図2に示すように、一端側に吸込室21内に向かってらっぱ状に拡開した連通部31を形成し、この連通部31の左右側面に略垂直に回動軸33を形成している。そして、吸込口本体11の左右方向に垂直に面する側端面に回動軸33の先端が軸支されて、所定角度に回動自在に取り付けられている。さらに、他端側には吸込口本体11から後側外方へ突出した円筒形状の挿入部としての連結筒部36が形成され、この連結筒部36には外周面に環状に溝部34が形成され、この溝部34の縁より先端側に径大に環状の係止突部35が形成されている。また、連結筒部36の基端には、円形状に鍔部37が連結筒部36の突出方向側に開口するように突出形成されている。そして、この連通管32は、前端部が風路室22の内部に位置し前記吸込室21の略中央部に対向し、この吸込室21に風路室22を介して連通している。
【0013】
そして、回動軸33,33は円筒状に形成され、同軸上に円柱形状の挿通口33a,33aが電動機室23および制御室24に連通するように形成されている。
【0014】
一方、吸込口本体11から後側外方へ突出した連通管32の後端部には、図1ないし図9に示すように、連結雌部としての屈曲した接続管39の前端部が連通管32の鍔部37に面一となるように当接して連結されている。
【0015】
そして、この接続管39は、上面を開口した本体部39aと、この本体部39aの上面開口を閉塞する下面を開口した蓋体部39bとよりなっている。また、本体部39aは長手方向に沿って円筒状の風路管41を有し、この風路管41の上面に端子ピン42を固定する端子台43と、端子ピン42に接続される図示しないリード線を固定する固定爪部44が形成されている。さらに、本体部39aは、風路管41の一端に、連通管32の連結筒部36を回転自在に嵌合する円筒形状の接続部45が形成されている。そして、この接続部45には、左右方向に対向し、連通管32の連結筒部36の溝部34に対応して位置する円周方向に細長い長方形状の開口部としての通孔46を2つ形成している。これら通孔46それぞれは、連通管32の連通筒部36が接続部45に挿入された際に、この連通筒部36の溝部34に連通する。
【0016】
また、蓋体部39bには、接続部45の通孔に対応する位置の下面左右両側に下方に突出する係止部47が2つ形成されている。そして、この係止部47の内側面は、連通管32の連結筒部36の溝部34の周面に摺動可能に当接する凹弧状に切り欠かれた摺動面48が形成されている。さらに、一方の係止部47の基部には、リード線が係止部47の角部に当接して損傷することを防止するために、下方にコ字状の壁状に突出する保護壁部49が形成されている。
【0017】
そして、接続管39は、蓋体部39bの係止部47が本体部39aの接続部45の通孔46を挿通して連通管32の連結筒部36の溝部34に係合されて係止突部35に係止され、端子ピン42を取り付けた図示しないリード線が配設された本体部39aの上面を覆うように蓋体部39bが接合されて、これら本体部39aと蓋体部39bとの間に形成されリード線を収容させる収容空間を閉塞させ、蓋体部39bの上面に穿設されたねじ穴50を介して本体部39aの雌ねじ孔51にねじ止めされて接合形成され、連通管32の連結筒部36に回転自在に取り付けられている。
【0018】
また、接続管39は、図示しない延長管を介してホースに着脱自在に接続され、さらに掃除機本体に接続する。そして、吸込室21は、風路室22、連通管32、接続管39、図示しない延長管およびホースを介して掃除機本体の集塵室に連通する。
【0019】
また、吸込室21には、回転ブレード52が、長手方向の両端部を、吸込室21の長手方向の両端部に設けた軸受52bにより回転自在に軸支された状態で取り付けられている。そして、この回転ブレード52には、ゴムなどからなる複数枚の板状のブレード部52aがスパイラル状に突設されており、このブレード部52aの先端部は、例えば板の間などの平坦な形状の床面には接触せず、例えば絨毯や畳などの表面に凹凸のある形状の床面には接触するように、吸込口25から僅かに下方に突出した状態で設けられている。
【0020】
さらに、吸込口25の後側には、下面に向かって開口した一対の矩形状の開口部53が形成されており、各開口部53に臨んで、それぞれ回転体としての略円柱形状の走行輪54が取り付けられている。そして、これらの走行輪54は、回転軸であるシャフト55を介して風路室22の両側にそれぞれ軸支されており、これらの走行輪54の外周面が、例えば板の間などの平坦な形状の床面には接触せず、例えば絨毯や畳などの表面が盛り上がる材質の床面には接触するように、各開口部53を介して下部本体ケース12の下面より僅かに突出した状態で設けられている。
【0021】
また、吸込口本体11の前後部の両側端近傍には、それぞれ、下部本体ケース12の下面より突出する状態で、略円柱形状の補助輪56が回転自在に軸支されており、吸込口本体11は、これらの補助輪56によって床面上を前後動し得るようになっている。
【0022】
また、電動機室23には、回転ブレード52および走行輪54を回転させる、正逆回転自在の電動機58が配設されている。
【0023】
そして、この電動機58の出力軸、走行輪54のシャフト55の一端部、および、回転ブレード52の一端部には、それぞれプーリ59,60,61が軸着されており、これらのプーリ59,60,61に、動力伝達用のベルト62が掛け回されて、走行輪54は進行方向に対して正回転となるように、かつ、回転ブレード52は進行方向に対して逆回転となるように、電動機58からの出力がそれぞれ伝達されるようになっている。
【0024】
さらに、制御室24には、進行方向を検出する進行方向検出手段63と、この進行方向検出手段63から出力される検出信号を判断して変換し、電動機58の駆動を制御する複数の回路基板からなる制御手段64とが配設されている。
【0025】
次に、上記一実施例の動作について説明する。
【0026】
上下部本体ケース12,13に回動自在に軸支され吸込室21に連通する連通管32の一端に、外周面に環状に溝部34を形成し、この溝部34の縁より先端側に径大に環状の係止突部35を形成する吸込口本体11から後側外方へ突出した円筒形状の連結筒部36を設ける。また、一面を開口する本体部39aに開口を閉塞する蓋体部39bを接合してなる接続管39の蓋体部39bに、本体部39aとの接合方向に突出する係止部47を設け、さらに、本体部39aの連通管32の連結筒部36を嵌合する接続部45に、係止部47の接合方向に対応して通孔46を形成する。
【0027】
そして、吸込口本体11の組み立てにおける連通管32と接続管39との結合において、連通管32の連結筒部36を本体部39aの接続部45に挿入させて嵌合して、この接続部45の通孔46に連通管32の連結筒部36の溝部34を連通させる。
【0028】
この状態で、蓋体部39bの係止部47を、本体部39aの接続部45の通孔46を挿通させて連通管32の連結筒部36の溝部34に係合して係止突部35に係止し、本体部39aの上面を覆うように蓋体部39bを装着して、蓋体部39bの上面に穿設されたねじ穴50を介して本体部39aの雌ねじ孔51にねじ止めして接合し、これら本体部39aと蓋体部39bとの間に形成される収容空間が閉塞されるとともに、連通管32の連結筒部36に接続管39を回転自在に取り付ける。
【0029】
このため、従来のように係止部材を必要とせず、本体部39aとの間に形成されるリード線収容用の収容空間を閉塞する蓋体部39bをこの本体部39aに装着させるのみで、接続管39と連通管32とを回動自在に連結できるから、組み立ておよび保守点検が容易にできるとともに、接続管39と連通管32とを確実に連結できる。
【0030】
また、部品数を減少できるため、製造コストを低減でき、製造工程を簡略化できる。さらに、接続管39と連通管32とを連結する係止部47が接続管39の蓋体部39bに一体的に設けたことにより、接続管39の回動を繰り返しても、連通管32の係止突部35に係止される係止部47が外れることなく、確実に接続管39を連通管32に連結できる。
【0031】
なお、本実施例において、キャニスタ型の電気掃除機の吸込口本体11について説明したが、ホース同士の接続などのいずれの管形状の接続に適用できる。
【0032】
また、係止部47を接続管39の蓋体部39bに設け、連通管32に嵌合し通孔46を有する接続部45を接続管39の本体部39aに設けて説明したが、逆に設けてもでき、また、通孔46が上下方向に位置し、左右方向より蓋体部39bと本体部39aとを接合し、左右方向より係止部47を通孔46を介して連通管32の係止突部35に係止させてもできる。
【0033】
また、接続管39の本体部39aの接続部45を円筒形状に形成して説明したが、連通管32の連結筒部36を接続管39が回動自在に連結できる形状であれば、壁状などに形成したものなどでもできる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の電気掃除機の接続装置によれば、連結雄部の挿入部を連結雌部の本体部の接続部に挿入させて、この接続部の内面を連通雄部の挿入部に回転自在に当接させれば、この本体部の開口部が連結雄部の挿入部に設けた溝部に連通し、この状態で、この本体部に連結雌部の蓋体部を装着すれば、この本体部と蓋体部との間の収容空間が閉塞され、この蓋体部の係止部が本体部の開口部を挿通して連結雄部の挿入部の溝部を係止するため、本体部との間の収容空間を閉塞する蓋体部をこの本体部に装着させるのみで、連結雄部と連結雌部とを回動自在に連結できるから、組み立ておよび保守点検が容易にできるとともに、連結雄部と連結雌部とを確実に連結でき、また、部品数を減少できるため、製造コストを低減でき、製造工程を簡略化できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の接続装置の一実施例を示す電気掃除機の吸込口本体の連通管と接続管との連結状況を説明する分解斜視図である。
【図2】
同上吸込口本体の一部を切り欠いた平面断面図である。
【図3】
同上接続管の蓋体部の周方向の断面図である。
【図4】
同上一部を切り欠いた平面図である。
【図5】
同上一部を切り欠いた軸方向の断面図である。
【図6】
同上接続管の本体部の平面図である。
【図7】
同上側面図である。
【図8】
同上連通管の平面図である。
【図9】
同上側面図である。
【図10】
従来の接続装置の一実施例を示す電気掃除機の吸込口本体の連通管と接続管との連結状況を説明する分解斜視図である。
【符号の説明】
32 連結雄部としての連通管
34 溝部
36 挿入部としての連結筒部
39 連結雌部としての接続管
39a 本体部
39b 蓋体部
45 接続部
46 開口部としての通孔
47 係止部
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-02-03 
出願番号 特願平4-252715
審決分類 P 1 651・ 111- YA (A47L)
最終処分 維持  
前審関与審査官 栗山 卓也  
特許庁審判長 大元 修二
特許庁審判官 内藤 真徳
平上 悦司
登録日 2002-08-23 
登録番号 特許第3341908号(P3341908)
権利者 東芝テック株式会社
発明の名称 電気掃除機の接続装置  
代理人 宮田 金雄  
代理人 樺澤 聡  
代理人 樺澤 聡  
代理人 高瀬 彌平  
代理人 樺澤 襄  
代理人 樺澤 襄  

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