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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載  A01B
審判 全部無効 2項進歩性  A01B
管理番号 1123731
審判番号 無効2005-80006  
総通号数 71 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2001-10-02 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-01-11 
確定日 2005-09-20 
事件の表示 上記当事者間の特許第3540707号発明「農作業機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3540707号の請求項1乃至3に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.本件特許の経緯及びその発明
本件特許第3540707号は、平成12年3月28日に出願がなされ、平成16年4月2日に設定の登録がなされ、その後、平成17年1月11日付けで小橋工業株式会社より本件無効審判の請求がなされ、平成17年1月27日付けで被請求人に答弁を指令したところ、その指定期間内に何らの応答もなかったものであって、その請求項1〜3に係る発明は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1〜3に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。
【請求項1】トラクタに連結される機体と、
この機体に設けられ、圃場の土に対して土作業をする土作業体と、
前記機体に高さ位置調節可能に設けられ、前記土作業体の作業量を一定に保持する接地輪と、
前記機体に設けられ、前記土作業体の非作業時に前記機体を吊持するキャスタ付スタンドとを備え、
前記機体を前記トラクタに連結する前の非作業時に、前記機体が前記キャスタ付スタンドにて吊持され、前記接地輪が前記キャスタ付スタンドの下端位置より高い位置の範囲内において高さ位置調節可能となるものであり、
前記接地輪および前記キャスタ付スタンドの各々は、共通の取付けフレームに取り付けられ、前記機体の左右両端位置より内側の位置に位置している
ことを特徴とする農作業機。
【請求項2】接地輪は、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている
ことを特徴とする請求項1記載の農作業機。
【請求項3】キャスタ付スタンドは、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている
ことを特徴とする請求項2記載の農作業機。

第2.請求人の主張
これに対して、請求人は、
甲第1号証として「ニプロロータリー(NEW08シリーズ)CBXシリーズ SXシリーズ CXシリーズ」松山株式会社、′99.11.100KY250、
甲第2号証として「ゆとりある野菜生産をめざして 機械化現地フォーラム“99”資料 平成11年度・機械化推進研究会資料 農林水産省補助事業(全国農業協同組合中央会委託事業)」、社団法人日本農業機械化協会、平成11年11月、72ページ、
甲第2A号証として「機械化現地フォーラム“99”参加機種一覧 〜ゆとりある野菜生産をめざして〜 平成11年度・機械化推進研究会、農林水産省補助事業(全国農業協同組合中央会委託事業)」、
甲第3号証として「農経しんぽう第2364号」平成12年2月14日、6ページ、
甲第4号証として「農機新聞第2772号」平成11年10月26日、17ページ、
甲第5号証として「コバシローター 耕うん・砕土(70〜120馬力用)KRF・KREシリーズ HYPER ROTOR」小橋工業株式会社、1998年4月作成、
甲第5A号証として「農機新聞」平成10年8月25日、18ページ、
甲第6号証として特開平10-191710号公報、
をそれぞれ引用し、
本件特許の請求項1に係る発明は、甲第1、2及び2A号証からみて、本件出願前に公然知られたものであるから特許法第29条第1項第1号に該当し、甲第1,2,3及び4号証からみて、本件出願前に公然実施(製造販売)されたものであるから特許法第29条第1項第2号に該当し、甲第1及び2号証からみて、本件出願前に頒布された刊行物に記載されたものであるから特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、
本件特許の請求項2に係る発明は、甲第1,2,3,4,5及び5A号証からみて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、
本件特許の請求項3に係る発明は、甲第1,2,3,4,5,5A及び6号証からみて当業者が容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本件特許は、特許法第123条第1項第2号の規定により、無効とすべきものである旨主張している。

第3.甲号各証の記載事項
甲第1号証は、「ニプロロータリー(NEW08シリーズ)CBXシリーズ SXシリーズ CXシリーズ」についてのカタログと認められ、その「′99.11」から、松山株式会社によって平成11年11月に作成されたものと認められ、そして、甲第1号証には、(ア)表紙左欄下部、(イ)第2頁左欄上部の写真、(ウ)表紙右欄下部のSXシリーズの作業機について型式がSX-1808-4Sの主要諸元、(エ)「作業安定・・ゲージ輪」の項下部の写真、(オ)その写真下部の「ゲージ輪は、サポートスプリングにより上下調節がスムーズになりました。(SXシリーズ)」、(カ)「オプション」の項左の写真、及び(キ)その項下部の「スタンドキャスターが装着できます(SXシリーズは標準装備)ので格納、着脱がカンタンです。」の各記載が認められる。
そして、(ア)の表紙下部の写真の記載から、土作業体が機体に設けられていると認められるとともに、該表紙下部の写真に示される作業機を反対側から見たものと推認される(イ)の第2頁上部の写真から、当該作業機の型式がSX-1808-4Sのものと認められ、
(エ)及び(オ)の記載から、ゲージ輪が機体に高さ位置調節可能に設けられていると認められ、
(ア)〜(キ)の記載から、非作業時にスタンドキャスターが機体を吊持していると認められ、ゲージ輪がスタンドキャスターの下端位置より高い位置の範囲内で高さ位置調節可能とされていると認められ、
(ア)及び(エ)の記載から、ゲージ輪及びスタンドキャスターが共通の取付けフレームに取り付けられていると認められ、
(ア)の記載から、ゲージ輪及びスタンドキャスターが機体の左右両端位置より内側の位置に位置していると認められる。
また、表紙の丸囲み写真の記載からも明らかなように、機体がトラクタに連結されること及び土作業体が圃場の土に対して土作業することは、自明であり、かつ、ゲージ輪が土作業体の作業量を一定に保持することも、自明である。
したがって、甲第1号証には、SXシリーズとして型式がSX-1808-4Sのものを含む作業機について、
「トラクタに連結される機体と、
この機体に設けられ、圃場の土に対して土作業をする土作業体と、
前記機体に高さ位置調節可能に設けられ、前記土作業体の作業量を一定に保持するゲージ輪と、
前記機体に設けられ、前記土作業体の非作業時に前記機体を吊持するスタンドキャスターとを備え、
前記機体を前記トラクタに連結する前の非作業時に、前記機体が前記スタンドキャスターにて吊持され、前記ゲージ輪が前記スタンドキャスターの下端位置より高い位置の範囲内において高さ位置調節可能となるものであり、
前記ゲージ輪および前記スタンドキャスターの各々は、共通の取付けフレームに取り付けられ、前記機体の左右両端位置より内側の位置に位置しているニプロロータリー」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
甲第2号証には、その72ページ「ロータリー ニプロSX-1808-4S 松山(株)」の欄に、甲第1号証の表紙下部の写真(ア)と酷似する写真、及び〔仕様〕〔毎時能力〕〔馬力・適応馬力〕の記載が認められる。
甲第2A号証には、その3ページの「9.松山株式会社」の欄の9行の「ロータリー ニプロ SX-1808-4S」について、同行右から2欄に「展示」を示す「丸印」及びその1ページ5、6行に「期日:平成11年11月25日(木)〜26日(金)の2日間 場所:実演・展示会場前橋市農業協同組合本所」の各記載が認められる。
甲第3号証には、その6ページの「松山が新発売 08ロータリ四シリーズ 2000年春の新製品 あぜぬり機 オフセット型も」の項上段に「ニプロロータリ「New08(ゼロハチ)シリーズ」は、“軽く、翔ぶがごとく”扱える新世代の高機能ロータリとして昨秋発売され、これまでCBXシリーズ三型式(一八〜二六PS)、CXシリーズ五型式(一八〜三三PS)、SXシリーズ六型式(二二〜五〇PS)の三シリーズで市場対応が進められていた。」の記載が認められる。
甲第4号証には、その17ページの「松山 ニプロ新型ロータリーを発売 すべてに軽く08シリーズ登場 中・小型のCBX・CX・SX」の項に続けて、「松山(株)・・・はこのほど、中・小型ロータリーの新製品、CBX・CX・SX-08シリーズ十四型式を新発売した。」の記載が認められる。
甲第5号証には、「コバシローター 耕うん・砕土(70〜120馬力用) KRF・KREシリーズ HYPER ROTOR」についてのカタログと認められ、その「1998年4月作成」から、小橋工業株式会社によって平成10年4月に作成されたものと認められ、そして、甲第5号証には、「便利さ際だつ操作性 スライド式ホイルゲージ」の項下部の「トラクタの車輪に幅合わせてホイールゲージ幅の調整が行えますから、耕深を安定させることができます。」及びその下部の写真並びに表紙のKRF280T-3L、KRF280-1L及びKRE300-1Lの各写真の各記載が認められる。
そして、上記各記載からみて、甲第5号証には、
「ホイールゲージは、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっているコバシローター」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。
甲第5A号証には、その18ページの「大型50〜120馬力用 小橋工業「ハイパーローター」発売 幅広く、速く、低馬力耕うん」の項に続けて「小橋工業(株)・・・は、このほど最新大型ロータリー『ハイパーローターシリーズ』を発売した。同機は「軽く、強く、速く、低馬力耕うん」をコンセプトに開発、水田用から畑作用・五十〜百二十馬力までのシリーズを完成した。」、上段の「コバシローターの大型クラスを全面的にモデルチェンジし」及び7,8段の「<形式区分及び適応馬力>▽コバシローター・・・▽同KRF220〜280(七十〜百馬力用)▽同KRE240〜300(七十〜百二十馬力用)」の各記載が認められる。
甲第6号証の農用トラクタの耕耘部支持台は、その2ページ1欄40〜46行の「トラクターと耕耘部メーカーが一緒に開発すればその耕耘部に合うスタンドを取り付けて生産することは可能であるが、他メーカー全機種に合わせることは種類が多すぎ、生産するには非常に難しいことになる。また、現に使用されている従前の耕耘部への取り付けは、さらに困難なこととなる。」という問題点を解決すべく、同欄2,3行の「上部に耕耘部Kの伝導管Dを掴むべく、受け板1と押え具2により締め付け可能に設け」及び同ページ2欄11〜15行の「伝導管Dの左右の両側面に取り付けるべく一方の受け板1は、断面が略くの字形で伝導管Dを受けるようになっており、もう一方の押え具2も同様の形をとって、ボルトとナットにより締め付けるものとなっている。」という構成を採用したものであるから、そのスタンドSは、左右方向の位置が耕耘部の左右位置で調節可能となっていると認められ、また、3ページ【図2】及び【図3】並びに2ページ2欄40〜43行の「連結棒3下部で、中空軸7をさけたところでギヤケースG方向に向けて回すことにより出し入れ自在なねじ10を設けている。」から、そのスタンドSは、耕耘部の左右両端位置より内側の位置の範囲内にあると認められる。
したがって、甲第6号証には、
「車輪S4付きスタンドSは、左右方向の位置が耕耘部の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている作業機」
を構成とする発明が記載されているものと認められる。

第4.対比及び判断
(1)本件特許の請求項1に係る発明について
本件特許の請求項1に係る発明(前者)と甲第1号証に記載された発明(後者)とを対比すると、後者の「ゲージ輪」、「スタンドキャスター」及び「ニプロロータリー」がそれぞれの機能に照らし、それぞれ前者の「接地輪」、「キャスタ付スタンド」及び「農作業機」に相当するものと認められるから、両者は、発明の構成において一致するものと認められる。
そこで、本件特許の請求項1に係る発明(前者)が公然知られた発明であるか否かについて検討するに、甲第2号証の72ページに記載される「ロータリー ニプロSX-1808-4S 松山(株)」の欄の作業機の写真が甲第1号証の表紙左欄下部の作業機の写真(ア)と酷似するとともに、写真(ア)と同一の作業機と推認される甲第1号証の第2頁左欄上部の作業機の写真(イ)にSX-1808-4Sの型式が読み取れること、また、甲第1号証及び「ロータリー ニプロSX-1808-4S」の何れにも松山(株)が関係し、さらに、甲第1号証の「SXシリーズ」に含まれる型式が「SX-1808-4S」の作業機の主要諸元と甲第2号証の「ロータリー ニプロSX-1808-4S」なる作業機の〔仕様〕〔毎時能力〕〔馬力・適応馬力〕とが具体的数値において一致し、甲第1号証の作成時期である平成11年11月と甲第2号証の発行時期である平成11年11月とが一致することからみて、甲第1号証に記載された発明は、松山(株)の「SXシリーズ」の一種である「ロータリー ニプロSX-1808-4S」に関するものであると推定することができ、そして、甲第2A号証からみて、「ロータリー ニプロSX-1808-4S」が前橋市農業協同組合本所で平成11年11月25日(木)、26日(金)の2日間展示されたことは明らかであるから、前者は、本件特許出願前である平成11年11月に日本国内において公然知られた発明と認められ、特許法第29条第1項第1号の規定に該当し、特許を受けることができない。
ついで、本件特許の請求項1に係る発明(前者)が公然実施をされた発明であるか否かについて検討するに、平成12年2月14日発行の甲第3号証に、松山株式会社のSXシリーズが昨秋発売された旨が記載され、また、平成11年10月26日発行の甲第4号証に、松山株式会社のSXシリーズが新発売された旨が記載されていること、そして、上記したように、甲第1号証に記載された発明が松山(株)のSXシリーズの一種である「ロータリー ニプロSX-1808-4S」に関するものであると推定することができること、からみて、前者は、本件特許出願前である平成11年秋に日本国内において公然実施をされた発明と認められ、特許法第29条第1項第2号の規定に該当し、特許を受けることができない。
さらに、本件特許の請求項1に係る発明(前者)が刊行物に記載された発明であるか否かについて検討するに、上記したように、甲第1号証に記載された発明が松山(株)のSXシリーズの一種である「ロータリー ニプロSX-1808-4S」に関するものであると推定することができること、カタログ(甲第1号証)は、一般に、製品の発売時期に合わせて作成頒布されるものと認められること、上記した甲第3及び4号証の記載からSXシリーズが平成11年秋には販売されていたと認められること、からみて、甲第1号証は本件特許出願前である平成11年秋に日本国内において頒布された刊行物と認められ、したがって、前者は、本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された発明と認められ、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができない。

(2)本件特許の請求項2に係る発明について
本件特許の請求項2に係る発明(前者)と甲第1号証に記載された発明(後者)とを対比すると、接地輪が、前者は、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている、のに対し、後者は、上記構成が明らかではない、点において相違しているものと認められる。
この相違点についてみるに、甲第5号証に記載された発明の「ホイールゲージ」及び「コバシローター」がそれぞれの機能に照らし、それぞれ前者の「接地輪」及び「農作業機」に相当するものと認められるから、相違点の前者の構成である、「接地輪は、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている」という構成は、甲第5号証に記載された発明に備わっているものと認められる。
そこで、甲第5号証が本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物であるかどうかについてみるに、甲第5号証からみて、甲第5号証に記載された発明は、KRFシリーズ及びKREシリーズに関するものであると認められること、カタログ(甲第5号証)は、一般に、製品の発売時期に合わせて作成頒布されるものと認められること、甲第5A号証の記載から、甲第5号証に記載されているKRFシリーズ及びKREシリーズが平成10年には販売されていたと認められること、からみて、甲第5号証は、本件特許出願前である平成10年に日本国内において頒布された刊行物であると認められる。
そうすると、本件特許出願前に日本国内において頒布された刊行物である甲第5号証に記載された発明が相違点の前者の構成を備えていること、並びに、後者及び第5号証に記載された発明が共に接地輪を備える農作業機であること、を根拠に、後者に甲第5号証に記載された発明を適用して、後者の接地輪を相違点の前者のような構成とすることは、当業者が格別創意工夫を要することではなく、また、前者の効果が後者及び甲第5号証に記載された発明の各効果の総和以上の格別なものとも認められないから、前者は、後者及び甲第5号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(3)本件特許の請求項3に係る発明について
本件特許の請求項3に係る発明(前者)と甲第1号証に記載された発明(後者)とを対比すると、上記(2)の所に記した相違点の他に、キャスタ付スタンドが、前者は、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている、のに対し、後者は、上記構成が明らかではない、という新たな相違点が認められる。
そして、上記(2)の所に記した相違点については、上記(2)の所で判断済みであるから、新たな相違点についてみるに、甲第6号証に記載された発明の「車輪S4」、「耕耘部」及び「作業機」がそれぞれの機能に照らし、それぞれ前者の「キャスタ」、「機体」及び「農作業機」に相当するものと認められるから、新たな相違点の前者の構成である、「キャスタ付スタンドは、左右方向の位置が機体の左右両端位置より内側の位置の範囲内で調節可能となっている」という構成は、甲第6号証に記載された発明に備わっているものと認められる。
そうすると、甲第6号証に記載された発明が新たな相違点の前者の構成を備えていること、及び、後者及び甲第6号証に記載された発明が共にキャスタ付スタンドを備える農作業機であること、を根拠に、後者に甲第6号証に記載された発明を適用して、後者のキャスタ付スタンドを新たな相違点の前者のような構成とすることは、当業者が格別創意工夫を要することではなく、また、前者の効果が後者並びに甲第5及び6号証に記載された発明の各効果の総和以上の格別なものとも認められないから、前者は、後者並びに甲第5及び6号証に記載された各発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第5.まとめ
本件特許の請求項1に係る発明は、特許法第29条第1項第1号、同項第2号及び同項第3号の規定に違反して特許されたものであり、本件特許の請求項2及び3に係る発明は、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものであるから、本件特許は、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-07-20 
結審通知日 2005-07-22 
審決日 2005-08-08 
出願番号 特願2000-89485(P2000-89485)
審決分類 P 1 113・ 121- Z (A01B)
P 1 113・ 113- Z (A01B)
最終処分 成立  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 川島 陵司
渡戸 正義
登録日 2004-04-02 
登録番号 特許第3540707号(P3540707)
発明の名称 農作業機  
代理人 小橋 立昌  
代理人 小橋 信淳  

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