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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 B42D
審判 査定不服 特17条の2、3項新規事項追加の補正 特許、登録しない。 B42D
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B42D
管理番号 1131918
審判番号 不服2002-59  
総通号数 76 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-03-03 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-01-04 
確定日 2006-02-23 
事件の表示 平成 8年特許願第221937号「ICカード」拒絶査定不服審判事件〔平成10年 3月 3日出願公開、特開平10- 58872〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成8年8月23日の出願であって、平成13年11月27日付けで拒絶の査定がされたため、これを不服として平成14年1月4日付けで本件審判請求がされるとともに、同年14年2月4日付けで明細書についての手続補正(特許法17条の2第1項3号の規定に基づく手続補正であり、以下「本件補正」という。)がされたものである。

第2 平成14年2月4日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成14年2月4日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正目的
本件補正前後の請求項3の記載を比較すると、補正前の「ICカード基板」を「一様且つ平坦なICカード基板」と、同じく「前記複数の部品を内包するように配置され、」を「配置され、前記ICチップを含む複数の部品の底面以外の外周面に接し、」と、同じく「第1の表皮層」を「前記ICカード基板の外形と同一外形サイズの第1の表皮層」と限定することを補正事項に含んでいる。
これらの補正事項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そこで、本件補正後の請求項1乃至7に係る発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものかどうか検討する。

2.補正発明の認定
本件補正後の請求項3に係る発明(以下「補正発明」という。)は、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項3に記載された事項によって特定される次のとおりのものである。
「【請求項3】一様且つ平坦なICカード基板と、
該ICカード基板の一方の表面の上部に搭載されたICチップを含む複数の部品と、
前記ICカード基板の一方の表面の上部に配置され、前記ICチップを含む複数の部品の底面以外の外周面に接し、メルトフローレートが0.1g/10分以上、10g/10分以下の流動特性を有する熱可塑性材料からなり、前記ICチップを含む複数の部品の内で最も厚い部品の厚さの1.1倍以上、1.67倍未満の厚さを有する第1の接着絶縁層と、
該第1の接着絶縁層の表面の上部に配置された前記ICカード基板の外形と同一外形サイズの第1の表皮層
とを含むことを特徴とするICカード。」

3.引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開平2-173889号公報(以下「引用例1」という。)には、次の記載が図示とともにある 。
ア.「(従来の技術)
従来、ICカードなどに使用される薄形電子機器としては、例えば第2図に示す構造のものが知られている。
図中の1は、プリント基板である。この基板1上には、高さが異なる各種の電子部品2a〜2eが実装されている。この中、電子部品2cが最も高さが高い部品である。前記基板1の裏面側には、接着剤層3を介して裏板4が設けられている。前記各電子部品2a〜2e間には接着剤層5が充填されており、この接着剤層5上には表板6が設けられている。
しかしながら、第2図に示す薄形電子機器によれば、高さが最も高い電子部品2cが接着剤層5で表板6により固定された構造となっている...第2図の電子機器の場合、総厚が裏板4,接着剤層3,プリント基板1,電子部品2c,接着剤層5及び表板6の総計となるが、全体的に厚くなるという問題点があった。」(第1頁右欄1行〜第2頁左上欄1行)
イ.第2図から、プリント基板1の一方の表面の上部に、電子部品2a〜2eが実装されていること、接着剤層5の厚さは、最も高い電子部品2cの高さより厚いことが看取できる。

4.引用例1記載の発明の認定
上記摘示の記載ア.及び第2図によると、引用例1に従来例として記載された「ICカードなどに使用される薄形電子機器」は次のようなものである。
「プリント基板1と、
該プリント基板1の一方の表面の上部に実装された複数の電子部品2a〜2eと、
前記プリント基板1の一方の表面の上部に配置され、前記複数の電子部品2a〜2eの内で最も高い部品2cの高さより厚い厚さを有する接着剤層5と、
該接着剤層5の表面の上部に配置された表板6
とを含むICカードなどに使用される薄形電子機器。」(以下「引用発明」という。)
5.補正発明と引用発明との一致点及び相違点の認定
引用発明の「プリント基板1」、「表板6」は、
補正発明の「ICカード基板」、「第1の表皮層」に相当する。
引用発明の「ICカードなどに使用される薄形電子機器」は、ICカードとして使用されるから、補正発明の「ICカード」に、
ICカードに搭載される電子部品には必ず、ICチップが含まれるから、引用発明の「複数の電子部品2a〜2e」は、補正発明の「ICチップを含む複数の部品」に相当する。
引用発明の「実装」と、補正発明の「搭載」とは、共に基板にICチップ等を載せることで同意であり、
引用発明の「最も高い部品」と、補正発明の「最も厚い部品」は表現上の差異があるにすぎず、
引用発明の「接着剤層5」は、プリント基板上に実装された電子部品の間に充填されるものであり、当然絶縁機能を有しているから、補正発明の「接着絶縁層」と呼称が違っているにすぎない。
ICカード基板が一様且つ平坦である点について検討する。
補正発明のICカード基板が一様且つ平坦である点は、図面の図1〜3に基づくものである(平成14年4月25日付け手続補正書(審判請求書の補正)2頁16〜18行)。ICカード基板の「一様且つ平坦」が、図面の図1〜3から読み取れる範囲の「一様且つ平坦」であるならば、引用発明の基板も第2図に基づき補正発明の基板と同程度に一様且つ平坦であるといえる。
第1の接着絶縁層が複数の部品の底面以外の外周面に接する点について検討する。
第1の接着絶縁層が複数の部品の底面以外の外周面に接する旨の記載は、願書に最初に添付した明細書にはないから、複数の部品がその底面を除いて第1の接着絶縁層に接している図面の図1〜3に基づくものである。図1〜3の図示に基づいて、第1の接着絶縁層が複数の部品の底面以外の外周面に接するとしているのであるから、引用発明の接着剤層5も、電子部品2a〜2eの間に充填された接着剤層5が電子部品2a〜2eの底面に接していない第2図に基づき電子部品2a〜2eの底面以外の外周面に接するといえる。
したがって、補正発明と引用発明とは、
「一様且つ平坦なICカード基板と、
該ICカード基板の一方の表面の上部に搭載されたICチップを含む複数の部品と、
前記ICカード基板の一方の表面の上部に配置され、前記ICチップを含む複数の部品の底面以外の外周面に接する第1の接着絶縁層と、
該第1の接着絶縁層の表面の上部に配置された第1の表皮層
とを含むICカード。」である点で一致し、以下の各点で相違する。
〈相違点1〉第1の接着絶縁層が、補正発明では、メルトフローレートが0.1g/10分以上、10g/10分以下の流動特性を有する熱可塑性材料からなるのに対して、引用発明では、材料及びその流動特性の記載がない点。
〈相違点2〉第1の接着絶縁層の厚さが、補正発明では、ICチップを含む複数の部品の内で最も厚い部品の厚さの1.1倍以上、1.67倍未満であるのに対し、引用発明では、ICチップを含む複数の部品の内で最も厚い部品の厚さより僅かに厚い点。
〈相違点3〉第1の表皮層が、補正発明では、ICカード基板の外形と同一外形サイズであるのに対して、引用発明では、その点について記載がない点。

6.相違点についての判断
(i)相違点1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-52374号公報(以下「引用例2」という。)には、少なくとも1つの電子素子から成るカードに関し
ア.「カード1は、3層すなわち第1の外層4、第2の外層6および中間層8から成る。中間層8は、電子素子2とコイル12を包み込む結合剤10により形成される。コイル12と電子素子2は、互いに直接接続され、したがって組立体14を形成し、組立体14は結合剤10に埋め込まれている。結合剤10は、それが外層4と6に適切にかつ強固に接着されるように選定される。したがって結合剤10は、カードの各素子の組立体の粘着、特に2つの外層4および6と中間層8との粘着を保証する。」(【0024】)、
イ.「組立体14を包み込む結合剤10は、例えば樹脂またはプラスチック材料から構成され、これらの2つの例は当然ながらそれに限定するものではない。特に樹脂は、コポリアミドの配合物または2つの成分を有する接着剤、もしくは空気と接触すると硬化する接着剤でよい。」(段落【0025】)、
ウ.「【0041】図1〜図11を参照して、本発明のカードの製造方法を以下に説明する。本発明の製造方法の第1の実施方法によれば、第1の外層4は、作業台表面上に取り付けられ、また少なくとも1つの電子素子2はその外層上に載置される。中間層8、38、58、88を形成するのに役立つ結合剤10は、液体状で第1の外層4上へ塗布される。第2の外層6は、結合剤10と、中間層内に設けられる種々の素子とを被覆するように取付けられる。結合剤10は、好ましくは、外層4と6の溶融温度より低い温度、特に周囲温度で塗布される。【0042】次に外層4および6は、プレスの助けにより互いの方向に圧締めされる。圧力印加のこの段階中、結合剤10は、実質的なエアポッケトを残すことなく外層4と6との間に設けられる中間領域を充填するように、かつ第1の外層4上に載置される全ての素子を包み込むようにその中間領域全体に広げられる。【0043】好都合な方法において結合剤は、圧力の印加中にだけ実質的に広がるように十分高い粘性を有する。結合剤のコンシステンシーは、第1の外層4上に載置された電子素子2、またはコイル12が設けられる場合はそのコイルを結合剤が劣化しないように選定される。限定されない一例として結合剤10は、2つの外層4と6の溶融温度より低い温度で液体状で塗布できる樹脂または種々のポリ塩化ビニールにより形成される。」(段落【0041】〜【0043】)、
エ.「凝固させられた結合剤のフィルム、例えば外層4と6の溶融点よりも低い溶融点を有するコポリアミドの配合物または種々のポリ塩化ビニールのフィルムを、2つの外層4と6の内部表面59及び60の上に前もって配置することも出来る。」(段落【0052】)
との各記載があり、2つの外層4と6との間に設けられる中間領域を充填するように、かつ、電子素子2等を包み込むように広げられる結合剤10は、コポリアミドの配合物または種々のポリ塩化ビニールのフィルム等からなり、外層4および6と中間層8との粘着を保証する点が記載されている。
引用例2の結合剤10により形成される層が接着絶縁層といえ、結合剤10を構成する材料であるコポリアミドの配合物またはポリ塩化ビニールが熱可塑性材料であることは明らかである。
引用発明の第1の接着絶縁層も引用例2記載の結合剤により形成される層も、共に電子部品がない部分を充填する接着絶縁層であるから、引用発明の第1の接着絶縁層の材料として、引用例2記載の結合剤として用いられた熱可塑性材料を用いることは当業者が容易に想到できることである。
そして、用いる熱可塑性材料のメルトフローレートが0.1g/10分以上とした理由として本願明細書には、溶融粘度の低い熱可塑性材料を用いて、加熱溶融、フローして部品の間の隙間を埋め、その表面を平滑にでき、実装された部品への物理的付加力がなく接続不良、破損等が生じることがない(段落【0013】)ようにするためである旨の記載があるが、メルトフローレート0.1g/10分以上は熱可塑性材料の一般的な流動特性であり、格別な値ではない。メルトフローレート10g/10分以下にした点については、本願明細書には理由が記載されておらず、強いていえば、ICカード形成後の強度上最適な上限を設けたという程度であって、格別の技術的意義も認められないので単なる数値限定にすぎないものと認める。(例えば、共立出版株式会社1997年9月20日発行 化学大辞典9 243〜244頁「メルトインデックス(注:メルトフローレートの同義語)...ポリオレフィン特にポリエチレンに対して適用されるもので...試験の方法にはA法とB法の二通りがあって、A法は0.1〜0.7g/10minのメルトインデックスを有する樹脂に適用され、B法は0.7〜10g/10minのメルトインデックスを有する樹脂に適用される。」)
したがって、熱可塑性材料をメルトフローレートが0.1g/10分以上、10g/10分以下の流動特性を有するものとした点に格別の技術的意義が認められない。
なお、接着絶縁層を熱可塑性材料から形成することは引用例2以外にも、実願昭60-148569号(実開昭62-55474号)のマイクロフィルム「〈従来技術〉...ICカードは、第5図にある通り、EP-ROMから成るメモリ1が不透明塩化ビニル樹脂2で充填されており、」にみられるように本願出願時においても従来から周知である。
したがって、相違点1に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易である。

請求人は「引用文献2は、発明特定事項AとしてのICカード基板が存在しない。したがって、引用文献2は、引用文献1と基本的な構造が異なり、引用文献1と引用文献2とを組み合わせる合理的な論理づけは存在しない。特に、引用文献2はカードの大きさのオーダーの直径のコイルを有する特殊な構造のICカードが対象(引用文献2の図2,5及び7及び段落【0004】の欄等の記載参照。)であり、この様な特殊な構造のICカードを引用文献1と組み合わせる起因乃至契機となり得るものは何も存在しない。」(平成14年4月25日付け手続補正書(審判請求書の補正)9頁18〜24行)と、引用例2記載の技術を引用発明に適用することは想到しえないと主張しているが、引用発明の第1の接着絶縁層も引用例2記載の結合剤からなる層も、上記したように共にカードにおける電子部品がない部分を充填する接着絶縁層であるから、引用例2記載の材料を引用発明に適用することは当業者にとって格別の想像力を要しない。

(ii)相違点2について
第1の接着絶縁層が最も厚い部品の厚みより厚くないと、部品の凹凸を吸収できないことは容易に予測できることであり、また、ISO規格に準じたクレジットカードサイズ(厚み0.76mm)にするためには、あまり厚くできないことも自明のことであり、1.1倍以上、1.67倍未満の数値に臨界的意義も認められないから、第1の接着絶縁層の厚さをICチップを含む複数の部品の内で最も厚い部品の厚さの1.1倍以上、1.67倍未満であるとした点は、カード表面に印刷不良を招く凹凸が生じず、かつ、ISO規格に準じたクレジットカードサイズが実現できるように、設計に際して、当業者が適宜選択する事項にすぎない。
したがって、相違点2に係る補正発明の構成を採用することも当業者にとって想到容易である。

(iii)相違点3について
第1の表皮層をICカード基板の外形と同一外形サイズとした点は、引用例1には、薄形電子機器(ICカード)全体の図面が無いので、引用発明の第1の表皮層とICカード基板が同一外形サイズかどうか不明であるが、ICカードにおいて、ICカード基板の外形と第1の表皮層を同一外形サイズとすることは、周知・慣用技術(特開平6-139421号公報、特開平8-138022公報のコア基板1とオバーシート8、特開平4-292998号公報参照)である。
したがって、相違点3に係る補正発明の構成を採用することも当業者にとって想到容易である。

7.補正発明の独立特許要件の判断
相違点1乃至3に係る補正発明の発明特定事項をなすことは、いずれも当業者にとって想到容易であり、相違点1乃至3に係る発明特定事項を採用した補正発明全体を検討しても、格別の作用効果を認めることができないから、補正発明は引用発明、引用例2及び周知・慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

[補正の却下の決定のむすび]
以上のとおり、補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は平成15年改正前の特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第4項の規定に違反している。
よって、特許法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本件審判請求についての当審の判断
1.本願発明の認定
以上のとおり、本件補正が却下されたから、本願の請求項1〜7に係る発明は、平成13年11月8日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】〜【請求項7】に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項3に係る発明(以下、「本願発明」という。)は次のとおりである。
「【請求項3】ICカード基板と、
該ICカード基板の一方の表面に搭載されたICチップを含む複数の部品と、
前記ICカード基板の一方の表面に、前記複数の部品を内包するように配置され、メルトフローレートが0.1g/10分以上、10g/10分以下の流動特性を有する熱可塑性材料からなり、前記複数の部品の内で最も厚い部品の厚さの1.1倍以上、1.67倍未満の厚さを有する第1の接着絶縁層と、
該第1の接着絶縁層の表面に配置された第1の表皮層
とを含むことを特徴とするICカード。」

2.引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用例1およびその記載事項は、前記第2 3.に記載したとおりであり、引用例1記載の発明は、前記第2 4.に記載したとおりである。

3.本願発明の進歩性の判断
本願発明は、補正発明を特定する事項から、
ICカード基板が「一様且つ平坦な」点、
ICチップを含む部品が一方の表面「の上部」に搭載された点、
第1の接着絶縁層が一方の表面「の上部」に配置された点、
複数の部品が「ICチップを含む」点、
第1の表皮層が表面「の上部」に配置され、「ICカード基板の外形と同一外形サイズの」点
を除き、かつ、
補正発明を特定する事項である第1の接着絶縁層を「ICチップを含む複数の部品の底面以外の外周面に接し」を、本願発明は、「複数の部品を内包するように」としたものである。
ICチップを含む部品が一方の表面「の上部」に搭載された点、第1の接着絶縁層が一方の表面「の上部」に配置された点、複数の部品が「ICチップを含む」点、第1の表皮層が表面「の上部」に配置された点については、本願発明と、補正発明とは、同じことを重複して記載しているか否かの違いがあるのみで、実質的に変わっていない。
したがって、ICカード基板が一様且つ平坦な点、第1の接着絶縁層が部品の底面以外の外周面に接した点、第1の表皮層がICカード基板の外形と同一外形サイズである点を特定した補正発明が、引用発明、引用例2及び周知・慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである以上、補正発明についての上記第2 6.と同様の理由によって、本願発明も引用発明、引用例2及び周知・慣用技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
以上述べたとおり、本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができない以上、本願のその余の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-12-13 
結審通知日 2005-12-20 
審決日 2006-01-06 
出願番号 特願平8-221937
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B42D)
P 1 8・ 561- Z (B42D)
P 1 8・ 575- Z (B42D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 奥村 元宏前田 仁  
特許庁審判長 津田 俊明
特許庁審判官 藤井 勲
藤井 靖子
発明の名称 ICカード  
代理人 三好 秀和  

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