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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  A63F
管理番号 1134303
異議申立番号 異議2003-73467  
総通号数 77 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-08-20 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-12-26 
確定日 2006-01-04 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3433935号「遊技場管理システム」の請求項1乃至7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3433935号の請求項1乃至4に係る特許を取り消す。 
理由 1.手続の経緯
特許第3433935号の請求項1〜7に係る発明についての特許出願は、1995年2月17日を国際出願日とする特許出願(特願平8-524817号)の一部が特許法第44条第1項の規定により、平成14年2月15日に新たな特許出願とされたものであって、平成15年5月30日にその特許権の設定登録がなされ、その後、面沢寿江より特許異議の申立てがなされ、平成17年5月27日付けで取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成17年8月8日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
(2-1)訂正の内容
a.願書に添付した明細書(以下、特許明細書という。平成14年3月15日付け手続補正によって補正されたもの)の特許請求の範囲の請求項1中の「ゲームを実行するゲーム実行部と、」を、「ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部と、」と訂正し、
b.特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「画像情報源からの画像情報を取り込むための画像入力部と、」を、「前記ゲーム面に配置され遊技者の容貌を撮像して画像情報として取り込むための撮像手段を有する画像入力部と、」と訂正し、
c.特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「前記画像入力部により入力された画像情報を送出する画像送出部と」を、「前記画像入力部により入力された前記遊技者の容貌の画像情報を送出する画像送出部と」と訂正し、
d.特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「前記画像送出部の各々から送出された画像情報」を、「前記画像送出部の各々から送出された前記遊技者の容貌の画像情報」と訂正し、
e.特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「前記画像受信部により受信された画像情報」を「前記画像受信部により受信された前記遊技者の容貌の画像情報」と訂正し、
f.特許明細書の特許請求の範囲の請求項1中の「前記蓄積部に蓄積された前記画像情報」を「前記蓄積部に蓄積された前記遊技者の容貌の画像情報」と訂正し、
g.特許明細書の特許請求の範囲の請求項2中の「前記画像情報と対応させて、」を「前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、」と訂正し、
h.特許明細書の特許請求の範囲の請求項2中の「前記画像情報を表示する」を「前記遊技者の容貌の画像情報を表示する」と訂正し、
i.特許明細書の特許請求の範囲の請求項3及び4を削除し、
j.特許明細書の特許請求の範囲の請求項5項中の「前記画像情報と対応させて、」を「前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、」と訂正して、該特許請求の範囲の請求項5項を特許請求の範囲第3項に繰り上げ、
k.特許明細書の特許請求の範囲の請求項6を削除し、
l.特許明細書の特許請求の範囲の請求項7項中の「前記画像情報と対応させて、」を「前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、」と訂正して、該特許請求の範囲の請求項7項を特許請求の範囲第4項に繰り上げる。

(2-2)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
上記訂正事項aは、ゲームをより具体的に限定するものであり、このことは、特許明細書の段落【0019】に「ゲーム面101は、表示部110を配置することができる」(特許明細書8ページ2,3行)及び「表示部110は・・・ゲーム時に賞出組合せのラインを表示したり、絵柄組合せがあらかじめ定めた絵柄に揃ったときに揃ったことを示すような表示をするようにしてもよい」(特許明細書8ページ8〜11行)とそれぞれ記載されていることからみて、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項aは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項bは、画像情報源を特定すると共に画像情報を入力するための手段が撮像手段であることを限定するものであり、このことは、特許明細書の段落【0019】に「ゲーム面101には、被写体を撮像する撮像手段・・・が配置され、遊技者の容貌等を撮影して入力することができる」(特許明細書8ページ11〜14行)と記載されていることからみて、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項bは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項c〜h、j及びlは、画像情報が遊技者の容貌の画像情報であることを限定するものであり、このことは、上記訂正事項bにおける特許明細書の段落【0019】(特許明細書8ページ11〜14行)の記載、特許明細書の段落【0019】の「撮像した被写体の画像情報」(特許明細書8ページ15行)及び特許明細書の段落【0139】「管理装置では、不正行為を検出した旨の通知があったときには、その遊技機の識別情報と、その遊技機で遊技を行なっている遊技者の容貌の画像情報とを・・・表示出力・・・することができる」(特許明細書43ページ9〜12行)の記載からみて、特許明細書に記載した事項の範囲内においてしたものであり、それゆえ、訂正事項c〜h、j及びlは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
訂正事項i及びkは、特許請求の範囲の減縮を目的とした明細書の訂正に該当し、
いずれも、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。

(2-3)むすび
したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書及び第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
(3-1)本件発明
上記2.で示したように上記訂正(旧請求項3,4,6を削除し、新請求項1〜4に訂正)が認められるから、本件の請求項1〜4に係る発明(以下、「本件発明1〜4」という。)は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1〜4に記載された事項により特定される下記のとおりのものである。
「【請求項1】 ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部と、当該ゲームにおける不正行為を検出する検出部と、前記検出部で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部と、前記ゲーム面に配置され遊技者の容貌を撮像して画像情報として取り込むための撮像手段を有する画像入力部と、前記画像入力部により入力された前記遊技者の容貌の画像情報を送出する画像送出部とを各々備える複数の遊技装置と、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、前記画像送出部の各々から送出された前記遊技者の容貌の画像情報を受信する画像受信部と、前記受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置の画像送出部から送出され前記画像受信部により受信された前記遊技者の容貌の画像情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記遊技者の容貌の画像情報を表示する表示部とを備える管理装置と
を有することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】 請求項1において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為が検出された日時をさらに蓄積し、
前記表示部は、前記蓄積部に蓄積された日時とともに前記遊技者の容貌の画像情報を表示することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項3】 請求項2において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた識別情報をさらに蓄積し、
前記蓄積部に蓄積された遊技装置ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、
前記表示部は、前記遊技装置の識別情報ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項4】 請求項2において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた遊技種類をさらに蓄積し、
前記蓄積部に蓄積された遊技種類ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、
前記表示部は、前記遊技装置の遊技種類ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示することを特徴とする遊技場管理システム。」

(3-2)取消理由の概要
当審が平成17年5月27日付けで通知した取消理由は、取消理由1及び2からなる、以下のとおりのものである。
取消理由1:特許法第29条第2項違反
本件特許第3433935号の請求項1〜7に係る各発明は、下記の刊行物1〜10に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
刊行物1:特開昭63-5775号公報(甲第1号証)
刊行物2:特開平5-168760号公報(甲第2号証)
刊行物3:特開平4-245599号公報(甲第3号証)
刊行物4:特開平5-274574号公報(甲第4号証)
刊行物5:特開昭60-119975号公報(甲第5号証)
刊行物6:特開平6-39123号公報(甲第6号証)
刊行物7:特開平7-8619号公報(甲第7号証)
刊行物8:特開平7-8620号公報(甲第8号証)
刊行物9:特開平4-33675号公報(甲第9号証)
刊行物10:特開平3-49787号公報(甲第10号証)
取消理由2:特許法第36条第6項第1号違反
本件特許第3433935号の請求項3に係る発明は、「蓄積部に蓄積する画像情報を前記表示部に表示するように指示する指示部」の構成について、特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものではないから、その特許は、特許法第36条第6項第1号に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであり、取り消されるべきものである。

(3-3)取消理由1〔特許法第29条第2項違反〕に係る判断
本件発明が、特許法第29条第2項の規定により、上記刊行物1乃至10に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものか否か、以下検討する。

(3-3-1)各刊行物に記載の発明
i.刊行物1に記載の発明
刊行物1(特開昭63-5775号公報)には、
(ア)「パチンコ機等の遊技機」(1ページ左下欄5行)の記載から、
ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部が開示されているものと認められること、
(イ)「各遊技機Aには磁気感知センサその他各種のセンサにより構成される不正行為検知手段2が装着され、これらセンサも判断処理部3に接続されている」(2ページ右下欄14〜17行)及び「不正行為検知手段2を構成している各種センサからの情報は常時判断処理部3に送られ」(3ページ左上欄14〜16行)の記載から、
ゲームにおける不正行為を検出する不正行為検知手段2と、前記不正行為検知手段2で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部とを各々備える複数の遊技装置が開示されているものと認められること、
(ウ)「遊技機の近傍に設置された監視ビデオカメラ」(1ページ左下欄7行)、「遊技者の映像」(3ページ左下欄4行)及び「各遊技機Aに監視ビデオカメラ1が設置されている。監視ビデオカメラ1,1・・・は・・・カメラ切換機11を介して映像コントローラ12に接続され、映像コントローラ12は処理用のコンピュータである判断処理部3に接続されている」(2ページ右下欄7〜13行)の記載から、
遊技装置が、遊技装置の近傍に設置される、遊技者を撮像して映像として取り込むための監視ビデオカメラ1と、前記監視ビデオカメラ1により入力された前記遊技者の映像を送出する映像コントローラ12とを備える構成が開示されているものと認められること、
(エ)上記(ア)の2ページ右下欄14〜17行及び3ページ左上欄14〜16行、上記(イ)の2ページ右下欄7〜13行並びに「本発明に係る遊技場における不正検出装置によれば、遊技場の各遊技機を総合的に監視し、適切に状況を分析して対処することができる」(3ページ右下欄8〜10行)の記載から、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、映像コントローラ12から送出された遊技者の映像を受信する画像受信部とを備える判断処理部3を含む不正検出装置により、遊技場の各遊技機を総合的に監視する遊技場監視システムが開示されているものと認められること、
(オ)「遊技機と遊技者との映像情報を機番とともに表示手段に画面表示させる」(1ページ右下欄9,10行)、「不正行為等あるいは注目すべき遊技機が発生したとき、機番と、不正行為等の内容とを各種情報に併せて表示手段に表示させ、あるいは映像記録手段に記録させる」(1ページ右下欄13〜16行)、「映像記録手段4への記録は営業時間全て記録してもよく一部でもよいが、少なくとも不正行為あるいは疑わしい行為があると判定されたときは記録するものとする。さらに判断処理部3では、不正行為検知手段2の情報の種類により不正行為の種類を特定し、その現象別にフラグを立て、画像とともに発生時間、遊技機番号、発生回数を映像記録手段4に記録する」(3ページ右上欄12〜20行)、「不正の特定に至らなくても、台番号を指定して、台のデータと遊技者の映像等とを画面に表示したり記録することができる。」(3ページ左下欄3〜5行)、「不正行為あるいは疑わしい行為があったときは、表示手段5でその行為があったことが遊技機Aを特定して示され、遊技場の管理者はそれを知って適切に対処する」(3ページ左下欄6〜9行)及び「映像記録手段4の記録は事後に反復して利用することができ、不正の状況を比較して怪しい人物を絞ることができる」(3ページ左下欄13〜15行)の記載から、
受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置に対応する、映像コントローラ12から送出され画像受信部により受信された遊技者の映像を記録する映像記録手段4と、前記映像記録手段4に記録された前記遊技者の映像を表示する表示手段5とを備え、前記映像記録手段4は、遊技者の映像と対応させて、不正行為の種類と、前記不正行為が検出された発生時間、遊技機番号、発生回数をさらに記録し、前記表示手段5は、前記映像記録手段4に記録された不正行為の種類と、前記不正行為が検出された発生時間、遊技機番号、発生回数とともに前記遊技者の映像を表示することが開示されているものと認められること、
からみて、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。
「ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部と、当該ゲームにおける不正行為を検出する不正行為検知手段2と、前記不正行為検知手段2で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部と、遊技装置の近傍に設置される、遊技者を撮像して映像として取り込むための撮像手段を有する監視ビデオカメラ1と、前記監視ビデオカメラ1により入力された前記遊技者の映像を送出する映像コントローラ12とを各々備える複数の遊技装置と、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、前記映像コントローラ12から送出された前記遊技者の映像を受信する画像受信部と、前記受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置に対応する、映像コントローラ12から送出され前記画像受信部により受信された前記遊技者の映像を記録する映像記録手段4と、前記映像記録手段4に記録された前記遊技者の映像を表示する表示手段5とを備える不正検出装置とを有し、
前記映像記録手段4は、遊技者の映像と対応させて、不正行為の種類と、前記不正行為が検出された発生時間、遊技機番号、発生回数をさらに記録し、前記表示手段5は、前記映像記録手段4に記録された不正行為が検出された発生時間、遊技機番号、発生回数とともに前記遊技者の映像を表示する遊技場監視システム。」

ii.刊行物2に記載の発明
刊行物2(特開平5-168760号公報)には、以下の事項が記載されている。
「集中管理装置4は、パチンコ遊技機1で不正行為などの異常状態が発生したときにモニタ命令を自動発生する。モニタ制御装置7は、モニタ命令により特定されるパチンコ遊技機1に対応したテレビカメラを動作させて、当該パチンコ遊技機1及び周辺をズームイン状態で撮像してモニタに再生させる。このとき、モニタ命令が録画指令を含むときには、撮像画像がビデオテープレコーダ8a或は8bに連番データを付与された状態で記憶される。集中管理装置4側のキーボード9aを操作して、所望の連番データを含む再生命令を発生させると、ビデオテープレコーダ8a或は8bにおいて上記連番データに対応した録画データの頭出しが行われて、当該録画データがメインモニタ12で再生される。」(1ページ左下欄6〜18行)、
「操作信号の内容が「発生履歴出力指示」であった場合には、前記ステップJ15において記憶した発生履歴データ、つまりパチンコ遊技機1或は玉貸機2での異常状態の検出に応じて自動的に出力したモニタ開始命令信号MA及びその出力時刻データを全て読み出すと共に、その読み出しデータをデコードした画像データMDとしてミキシング回路63に与え(ステップP16、P17)、スイッチング回路62をオフ状態に切換え(ステップP18)、この後にステップH4へ移行する。・・・これにより、メインモニタ12には、上記発生履歴データのみが一覧状態で再生されるものであり、その履歴データ中のモニタ開始命令信号MAは、例えば図24に示すように、その識別データβ3(台番号を示す)及び識別データβ4(発生した異常状態の内容を示す)がデコードした状態で表示される。」(21ページ39欄13〜28行)、
図24には、不正行為などの異常状態が発生したパチンコ遊技機の台番号、発生時刻、発生内容及び発生回数を集中管理装置のメインモニタ12に表示する例が示されている。

iii.刊行物3に記載の発明
刊行物3(特開平4-245599号公報)には、以下の事項が記載されている。
「駐車場内への入庫車12の車両番号をテレビカメラ11で撮像して映像のまま記憶し、かつ、その入庫車12に対応した駐車券番号、入庫時刻、出庫時刻、駐車位置等の文字情報を、その車両番号のキーラベルとして記憶して、適宜検索可能に構成する。」(1ページ左下欄8〜12行)、
図3には、入庫時刻及び出庫時刻として日時を表示する例が示されている。

iv.刊行物4に記載の発明
刊行物4(特開平5-274574号公報)には、以下の事項が記載されている。
「図1に示すように、この実施例のプラント監視システムは、プラント監視の全体を統括するプラント監視装置21と、プラント操業画面22と共にITVカメラ23からの映像をウィンドゥ画面24に表示することができるモニタCRT25と、プラント監視装置21を通して入力される各種のプラント監視情報を監視情報ファイル26に記憶し、後述するようにITVカメラ23からのプラント異常発生時の瞬間とその前後の所定期間のプラントの映像情報を映像ファイル27に記憶する記憶装置28とから構成されている。」(3ページ3欄12〜21行)、
「プラント機器29に異常が発生し、プラント異常信号37がプラント監視装置21に入出力制御部30を通して入力されると、モニタCRT25はそこに表示されている操業画面22の上に、監視情報ウィンドゥ画面38を展開すると共に、ITVカメラの映像ウィンドゥ画面24を展開し、オペレータに対して異常の種別と異常発生日時とプラントの現場の映像を知らせる。」(3ページ4欄4〜11行)。

v.刊行物5に記載の発明
刊行物5(特開昭60-119975号公報)には、以下の事項が記載されている。
「補助データメモリとして・・・不正行為が行なわれた回数を示す不正回数tの各領域が設けられている」(3ページ右下欄11〜19行)、
「不正検知センサ21がオフからオンになった場合には・・・不正開始時刻WOBtに書込み、不正検知センサ21がオンからオフになった場合には・・・不正終了時刻WOEtに書込むと共に、不正行為回数tをインクリメントする。このようにすればパチンコ台の状態の検知データが第13図に示しように得られる。・・・遊戯場に設置されている全てのパチンコ台が伝送ライン23によって接続されていれば、管理装置24は全てのパチンコ台のデータを収集することが可能となり営業分析に役立てることができる」(5ページ左下欄15行〜右下欄10行)。

vi.刊行物6に記載の発明
刊行物6(特開平6-39123号公報)には、以下の事項が記載されている。
「所望のパチンコ機1の台番号を指定して台データ表示キー操作を行なうと、コンピュータ62は台番号記憶領域66の台番号データにより台番号を認識するとともに入玉数記憶領域69、出玉数記憶領域70、設定打止記憶領域71、打止回数記憶領域73、電役回数記憶領域76からデータを呼び出し、入玉数と出玉数との差を算出してCRT21の画面53に図8に示す台データ表示を行わせる。よって、この画面53には入玉数、出玉数、その入玉数と出玉数との差、設定打止数、打止回数及び電役回数が表示されることになり、各台ごとにその稼働状態が容易に把握できる。」(6ページ10欄27〜37行)、
「機種別データ表示キー操作を行うと、コンピュータ62は各台の機種番号記憶領域67に記憶された機種番号データを呼び出して指定された機種と同一機種における全ての台の入玉数記憶領域69と出玉数記憶領域70に記憶されている入玉数データと出玉数データとを呼び出す。そして、コンピュータ62はその入玉数の総和、出玉数の総和及び入玉総数と出玉総数との差を算出し、CRT21の画面53に図9に示す機種別データ表示を行なわせる。よって、この画面53には機種別に入玉数、出玉数及びその差数が表示されることになり、パチンコ機1の機種別にその稼働状況が容易に把握できる。」(6ページ10欄38〜49行)、
図8及び図9には、それぞれパチンコ機の各台及び機種別の入玉数、出玉数等のデータを表示する例が示されている。

vii.刊行物7に記載の発明
刊行物7(特開平7-8619号公報)には、以下の事項が記載されている。
「図22は、第1種に属するパチンコ装置について1番台から155番台までの100台について、必要なデータを表示する画面である。」(23ページ43欄38〜40行)、
「図27は第1種に属するパチンコ装置のうちα社の“花鳥風月”という機種について、島設備単位で連チャンに関するデータを表示する画面である。」(24ページ45欄10〜12行)。

viii.後記周知技術Aを例示する刊行物11に記載の発明
刊行物11(特開昭62-50956号公報)には、以下の事項が記載されている。
「装置利用者を撮影するビデオカメラを装置筐体内に設置し、かつ前記主制御部に画像の処理機能を持たせると共に、前記ビデオカメラで撮影した画像の信号を主制御部を通じて記録するメモリを設け、画像再生時に前記操作部から入力される画像検索情報に対応する画像の信号を主制御部によりメモリから選出して前記表示部に画像として表示する・・・現金自動取引装置。」(1ページ左下欄10〜18行)、
「第2図は従来のこの種の現金自動取引装置を示す概略側面図で・・・ビデオカメラ2は現金自動取引装置1が設置されている場所の天井や壁面等に設置され」(1ページ右下欄12行〜2ページ左上欄4行)、
「ハーフミラー18の背面側に第3図に示す如く前記ビデオカメラ11が設置されている。つまり、利用者からはビデオカメラ11の存在がわからない構造となっており、しかも装置の前に立った利用者を正面から撮影できるようになっている。」(3ページ左上欄1〜6行)、
「前記画像検索情報に対応した利用者の画像が口座番号、日時等と共に表示部16に表示される。」(3ページ右下欄7〜9行)。

ix.後記周知技術Aを例示する刊行物12に記載の発明
刊行物12(特開平4-88472号公報)には、以下の事項が記載されている。
「従来の自動機コーナーの監視カメラによる画像の記録はCD/ATMの使用状態に略関係なく行われるものであり、しかも、通常監視カメラは天井に近い上方に設置されるため、CD/ATM使用中の顔の記録が困難(1ページ右下欄16〜20行)、
「7は監視カメラで、CD若しくはATMの操作者を撮像するためのもので、例えば、半透明ミラー等を介し内部に設置してある。」(2ページ右下欄4〜7行)、
「本発明によるデータ記録装置においては、現金自動取扱い機(CD若しくはATM等)が操作されたとき、・・・口座番号等の顧客データ、操作者の顔等の画像データおよび操作日時のデータ等を自動的にデータ記録装置に記録するものである。しかも、この画像データは、表示画面に表示された金額を確認しながら確認キーを操作したときのものであるから、・・・操作者の顔等がはっきり記録されるので、不正使用等があった場合の追跡調査が行いやすく」(3ページ右下欄15行〜4ページ左上欄8行)。

x.後記周知技術Aを例示する刊行物13に記載の発明
刊行物13(実開平4-123477号公報)には、以下の事項が記載されている。
「金融機関に設置される現金自動機の本体1に防犯カメラ(図示せず)を内蔵して、該防犯カメラのレンズ部Lを取扱者が顔を向けなければならない本体1の前面側適所に臨ましめることにより、従来の如く、壁や天井に設けられた防犯カメラで取扱者を無理に撮影しなくとも、常に、取扱者の顔を真正面から明確に撮影することが可能となる」(1ページ左下欄5〜11行)。

(3-3-2)本件発明1と引用発明との対比及び判断
i.本件発明1と引用発明との対比
本件発明1と引用発明とを対比すると、引用発明の「不正行為検知手段2」、「設置」、「映像」、「監視ビデオカメラ1」、「映像コントローラ12」、「記録」、「映像記録手段4」、「表示手段5」、「不正検出装置」及び「遊技場監視システム」がそれぞれの機能に照らし、それぞれ本件発明1の「検出部」、「配置」、「画像情報」、「撮像手段」、「画像入力部及び画像送出部」、「蓄積」、「蓄積部」、「表示部」、「管理装置」及び「遊技場管理システム」に相当するから、両者は、以下の点で一致並びに相違するものと認められる。
一致点
「ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部と、当該ゲームにおける不正行為を検出する検出部と、前記検出部で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部と、遊技者を撮像して画像情報として取り込むための撮像手段を有する画像入力部と、前記画像入力部により入力された前記遊技者の画像情報を送出する画像送出部とを各々備える複数の遊技装置と、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、前記画像送出部の各々から送出された前記遊技者の画像情報を受信する画像受信部と、前記受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置の画像送出部から送出され前記画像受信部により受信された前記遊技者の画像情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記遊技者の画像情報を表示する表示部とを備える管理装置と
を有する遊技場管理システム。」
相違点A.本件発明1は、撮像手段がゲーム面に配置され、画像情報が遊技者の容貌であるのに対し、引用発明は、撮像手段が遊技機の近傍に配置され、画像情報が遊技者である点。

ii.相違点Aの検討
ところで、不正行為を働く者の画像情報を取得するに当たっては、その者の容貌を正面から撮像できることが望ましいことはいうまでもないところ、本件発明の技術分野に属する当業者を含め、不特定多数の者が利用する現金自動取引装置において、従来の天井や壁面に設置していた監視カメラでは利用者の容貌を正面からはっきり撮像できなかったので、この課題を解決すべく利用者が注目する現金自動取引装置の適宜位置に監視カメラを設置して、利用者の容貌を正面から撮像できるようにした技術が、周知(例えば、刊行物11〔特開昭62-50956号公報〕、刊行物12〔特開平4-88472号公報〕、刊行物13〔実開平4-123477号公報〕参照。以下「周知技術A」という。)である。
しかして、上記周知技術Aに照らすと、引用発明のように遊技機の近傍に撮像手段を配置するのでは遊技者の容貌を正面から撮像できないという課題があることが明らかであるから、この課題を解決すべく、引用発明に示される撮像手段の配置について上記周知技術Aを適用し、遊技者の容貌を正面から撮像するように遊技者が注目する遊技機のゲーム面に配置するように変更して、上記相違点Aに係る本件発明のように構成することは、当業者が容易に想到できるものである。

iii.本件発明1の作用効果の検討
本件発明1の作用効果は、引用発明並びに上記周知技術Aに基づいて、当業者が容易に予測できるものである。

iv.まとめ
よって、本件発明1は、引用発明並びに上記周知技術Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(3-3-3)本件発明2と引用発明との対比及び判断
i.本件発明2と引用発明との対比
本件発明2は、本件発明1における「蓄積部」及び「表示部」の構成をさらに限定するものである。
そこで、本件発明2と引用発明とを対比すると、両者は、上記相違点Aに加え、以下の相違点Bでも相違している。
相違点B.本件発明2は、蓄積部は、遊技者の画像情報と対応させて、不正行為が検出された日時をさらに蓄積し、表示部は、前記蓄積部に蓄積された日時とともに前記遊技者の画像情報を表示するのに対し、引用発明は、蓄積部は、遊技者の画像情報と対応させて、不正行為が検出された発生時間をさらに蓄積し、表示部は、前記蓄積部に蓄積された発生時間とともに前記遊技者の画像情報を表示する点。

ii.相違点Bの検討
相違点Aについては、上記(3-3-2)iiにて検討したとおり、引用発明並びに上記周知技術Aに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、ここで、上記相違点Bについて検討する。
上記相違点Bは、要するに、不正行為が検出された時点を蓄積及び表示するに際して、本件発明2は、その日時を用いるのに対し、引用発明は、発生時間として日付も用いるものか明らかでないものである。
ところで、引用発明を認定した刊行物1(特開昭63-5775号公報)に「映像記録手段4の記録は事後に反復して利用することができ、不正の状況を比較して怪しい人物を絞ることができる。」(3ページ左下欄13〜15行)と記載されるように、引用発明において、不正行為が検出された発生時間として日付も用いることは、記録を事後に反復して利用するという技術的意義の観点から当然考慮されているというべきであり、また、事象の発生した日時を蓄積及び表示する技術が、周知(例えば、刊行物3〔特開平4-245599号公報〕、刊行物4〔特開平5-274574号公報〕参照。以下「周知技術B」という)である。
しかして、引用発明において、不正行為が検出された時点を蓄積及び表示するのに際し、その技術的意義並びに上記周知技術Bを参酌して、その日時を用いるようにして、上記相違点Bに係る本件発明のように構成することは、当業者が当然考慮すべき単なる設計的事項である。

iii.本件発明2の作用効果の検討
本件発明1の作用効果は、引用発明並びに上記周知技術A及びBに基づいて、当業者が容易に予測できるものである。

iv.まとめ
よって、本件発明2は、引用発明並びに上記周知技術A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(3-3-4)本件発明3と引用発明との対比及び判断
i.本件発明3と引用発明との対比
本件発明3は、本件発明2における「蓄積部」及び「表示部」の構成をさらに限定するとともに、「計数部」の構成を付加するものである。
そこで、本件発明3と引用発明とを対比すると、引用発明の「遊技機番号」及び「不正行為の発生回数」は、それぞれ本件発明3の「遊技装置の予め定めた識別情報」及び「不正行為の発生した頻度」に相当し、引用発明が「計数部」を有することは自明であるから、両者は、上記相違点A及びBに加え、以下の相違点Cでも相違している。
相違点C.本件発明3は、蓄積部は、遊技者の画像情報と対応させて、不正行為の発生した遊技装置の予め定めた識別情報をさらに蓄積し、前記蓄積部に蓄積された遊技装置ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、表示部は、前記遊技装置の識別情報ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示するのに対し、引用発明は、蓄積部は、前記遊技者の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた識別情報及び不正行為の発生した頻度をさらに蓄積し、不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、表示部は、不正行為の発生した頻度を表示する点。

ii.相違点Cの検討
相違点A及びBについては、上記(3-3-2)ii及び(3-3-3)iiにて検討したとおり、引用発明並びに上記周知技術A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、ここで、上記相違点Cについて検討する。
上記相違点Cは、要するに、不正行為の発生した頻度を表示するに際して、本件発明3は、遊技装置の識別情報ごとに表示するのに対し、引用発明は、遊技装置の識別情報ごとに表示するものか明らかでないものである。
ところで、引用発明においては、不正行為の発生した頻度を表示する機能を有するものであるところ、引用発明を認定した刊行物1(特開昭63-5775号公報)に「不正の特定に至らなくても、台番号を指定して、台のデータと遊技者の映像等とを画面に表示したり記録することができる。」(3ページ左下欄3〜5行)と記載されるように、遊技装置を指定して、遊技者の映像とともに、当該遊技装置の識別情報と不正行為の種類や発生時間等を表示する場合に、不正行為の発生した頻度も表示することが、不正行為の実態を把握するという技術的意義の観点から有益であることが当業者に明らかであり、また、管理装置において遊技装置ごとに不正行為に係る発生回数を含む各種データを収集して表示する技術が、周知(例えば、刊行物2〔特開平5-168760号公報〕、刊行物5〔特開昭60-119975号公報〕参照。以下「周知技術C」という)である。
しかして、引用発明において、その技術的意義並びに上記周知技術Cを参酌して、遊技装置の識別情報ごとに不正行為の発生した頻度を表示するようにして、上記相違点Cに係る本件発明3のように構成することは、当業者が容易に想到できるものである。

iii.本件発明3の作用効果の検討
本件発明3の作用効果は、引用発明並びに上記周知技術A乃至Cに基づいて、当業者が容易に予測できるものである。

iv.まとめ
よって、本件発明3は、引用発明並びに上記周知技術A乃至Cに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

(3-3-5)本件発明4と引用発明との対比及び判断
i.本件発明4と引用発明との対比
本件発明4は、本件発明2における「蓄積部」及び「表示部」の構成をさらに限定するとともに、「計数部」の構成を付加するものである。
そこで、本件発明4と引用発明とを対比すると、引用発明の「不正行為の発生回数」は、本件発明4の「不正行為の発生した頻度」に相当し、引用発明が「計数部」を有することは自明であるから、両者は、上記相違点A及びBに加え、以下の相違点Dでも相違している。
相違点D.本件発明4は、蓄積部は、遊技者の画像情報と対応させて、不正行為の発生した遊技装置の予め定めた遊技種類をさらに蓄積し、前記蓄積部に蓄積された遊技種類ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、表示部は、前記遊技装置の遊技種類ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示するのに対し、引用発明は、蓄積部は、前記遊技者の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技機番号及び不正行為の発生した頻度をさらに蓄積し、不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、表示部は、不正行為の発生した頻度を表示する点。

ii.相違点Dの検討
相違点A及びBについては、上記(3-3-2)ii及び(3-3-3)iiにて検討したとおり、引用発明並びに上記周知技術A及びBに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、ここで、上記相違点Dについて検討する。
上記相違点Dは、要するに、不正行為の発生した頻度を表示するに際して、本件発明4は、遊技装置の遊技種類ごとに表示するのに対し、引用発明は、遊技装置の遊技種類ごとに表示するものか明らかでないものである。
ところで、引用発明においては、不正行為の発生した頻度を表示する機能を有するものであるところ、引用発明を認定した刊行物1(特開昭63-5775号公報)に「不正の特定に至らなくても、台番号を指定して、台のデータと遊技者の映像等とを画面に表示したり記録することができる。」(3ページ左下欄3〜5行)と記載されるように、遊技装置を指定して、遊技者の映像とともに、当該遊技装置の識別情報と不正行為の種類や発生時間等を表示する場合に、不正行為の発生した頻度についても、これを表示することがその技術的意義の観点から有益であることが当業者に明らかであり、また、管理装置において遊技装置ごとに不正行為に係る発生回数を含む各種データを収集して表示する技術が、周知(例えば、刊行物2〔特開平5-168760号公報〕、刊行物5〔特開昭60-119975号公報〕参照。以下「周知技術C」という)であるとともに、管理装置において遊技装置の遊技種類ごとに統計データを収集して表示する技術が、周知(例えば、刊行物6(特開平6-39123号公報)、刊行物7〔特開平7-8619号公報〕参照。以下「周知技術D」という)である。
しかして、引用発明において、その技術的意義並びに上記周知技術C及びDを参酌して、遊技装置の遊技種類ごとに不正行為の発生した頻度を表示するようにして、上記相違点Dに係る本件発明4のように構成することは、当業者が容易に想到できるものである。

iii.本件発明4の作用効果の検討
本件発明4の作用効果は、引用発明並びに上記周知技術A乃至Dに基づいて、当業者が容易に予測できるものである。

iv.まとめ
よって、本件発明4は、引用発明並びに上記周知技術A乃至Dに基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

4.むすび
以上のとおり、本件発明1乃至4は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
遊技場管理システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】ゲーム面に表示部が配置され、該表示部を使ってゲームを実行するゲーム実行部と、当該ゲームにおける不正行為を検出する検出部と、前記検出部で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部と、前記ゲーム面に配置され遊技者の容貌を撮像して画像情報として取り込むための撮像手段を有する画像入力部と、前記画像入力部により入力された前記遊技者の容貌の画像情報を送出する画像送出部とを各々備える複数の遊技装置と、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、前記画像送出部の各々から送出された前記遊技者の容貌の画像情報を受信する画像受信部と、前記受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置の画像送出部から送出され前記画像受信部により受信された前記遊技者の容貌の画像情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記遊技者の容貌の画像情報を表示する表示部とを備える管理装置と
を有することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項2】請求項1において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為が検出された日時をさらに蓄積し、
前記表示部は、前記蓄積部に蓄積された日時とともに前記遊技者の容貌の画像情報を表示することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項3】請求項2において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた識別情報をさらに蓄積し、
前記蓄積部に蓄積された遊技装置ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、
前記表示部は、前記遊技装置の識別情報ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示することを特徴とする遊技場管理システム。
【請求項4】請求項2において、
前記蓄積部は、前記遊技者の容貌の画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた遊技種類をさらに蓄積し、
前記蓄積部に蓄積された遊技種類ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、
前記表示部は、前記遊技装置の遊技種類ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示することを特徴とする遊技場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明は、遊技装置を複数有する遊技場における遊技場管理システムに係り、特に、セキュリティーを目的とする遊技場管理システムに関する。
【0002】
【背景技術】
遊技装置を複数有する遊技場においては、例えば、遊技者による不正行為を検出する装置を導入し、不正行為の防止を図っていることが多い。
【0003】
例えば、金属体のパチンコ球を利用するようなパチンコ遊技装置では、磁石等で、パチンコ球を誘導するような不正行為を発見する必要があるので、金属体の軌跡を検出し、その軌跡が異常でないかを判断することにより、不正行為を検出するような方法がある。
【0004】
従来、このような目的のための金属体検出装置としては、特開平2-279186号公報および特開平4-122375号公報に記載されるものがあり、これらの公報には、パチンコ球の検知装置が開示されている。
【0005】
上述した従来技術では、不正行為の検出を行うことができるが、不正行為を検出した場合に、どのような処理を行うかについては考慮されていない。
【0006】
また、不正行為がされた遊技装置を検出できても、不正行為をした遊技者がその不正行為を行った遊技装置を離れた場合には、その遊技者を特定することが難しい。
【0007】
【発明の開示】
本発明の目的は、不正行為を検出したときに、不正行為を行った遊技者が特定できる遊技管理システムを提供することにある。
【0008】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、ゲームを実行するゲーム実行部と、当該ゲームにおける不正行為を検出する検出部と、前記検出部で不正行為を検出したときにその旨を送出する送出部と、画像情報源からの画像情報を取り込むための画像入力部と、前記画像入力部により入力された画像情報を送出する画像送出部とを各々備える複数の遊技装置と、
前記送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する受信部と、前記画像送出部の各々から送出された画像情報を受信する画像受信部と、前記受信部により不正行為を検出した旨の通知が受信されたときに、前記不正行為を検出した遊技装置の画像送出部から送出され前記画像受信部により受信された画像情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記画像情報を表示する表示部とを備える管理装置とを有する。
【0010】
以下、本発明における作用を説明する。
【0011】
遊技装置の各々は、ゲーム実行部がゲームを実行し、検出部が、当該ゲームにおける不正行為を検出する。送出部は、前記検出部で不正行為を検出したときにその旨を管理装置に対して送出する。
【0012】
管理装置では、受信部が、送出部の各々から送出される不正行為を検出した旨の通知を受信する。
【0013】
【0014】
【0015】
また、遊技装置で画像情報を入力する画像入力部と、画像入力部により入力された画像情報を送出する画像送出部とをさらに備え、管理装置は、前記画像送出部の各々から送出された画像情報を受信する画像受信部をさらに備える場合には、例えば、カメラなどの画像入力部により遊技者の容貌を画像情報として入力することができる。これにより、通信部が、前記通報時に、前記画像受信部で受信した画像情報をさらに送出したり、また、表示部は、前記受信部で前記不正行為が検出された旨の通知を受信したときに、当該不正行為がされた遊技装置の識別情報と当該遊技装置の送出部から送出された画像情報とともにその旨を表示出力することができ、不正行為を行なった遊技者を特定することができる。
【0016】
さらに、管理装置が、不正行為を検出した遊技装置の画像送出部から送出され前記画像受信部により受信された画像情報を蓄積する蓄積部と、前記蓄積部に蓄積された前記画像情報を表示する表示部とを備える場合には、この蓄積部に蓄積した情報を編集して分析するようにできる。これにより、不正行為者の一覧を表示させることができる。また、例えば、蓄積部は、前記画像情報と対応させて、前記不正行為の発生した遊技装置の予め定めた識別情報をさらに蓄積する。管理装置は、蓄積部に蓄積された日時の日付ごとに不正行為の発生した頻度を計数する計数部をさらに有し、前記表示部は、前記日付ごとに、前記計数部により計数された頻度を表示するようにできる。このようにして、日付ごとや遊技装置ごと、遊技機種ごとの不正行為の発生頻度を表示させることができる。
【0017】
【発明を実施するための最良の形態】
以下、本発明の実施例について図面に基づいて説明する。
【0018】
本発明は、画像表示を制御する遊技装置に適用することができ、遊技装置としては、例えば、スロットマシン、パチンコゲーム機、テレビゲーム機等がある。本実施例では、スロットマシンについて説明する。本実施例においては、画像を入力する画像入力部をスロットマシン本体に配置し、遊技者の容貌を撮影して取り込み、画像処理後に撮影した容貌の画像情報を特定絵柄の代わりに表示させ、後述する遊技場管理装置に入力した画像情報を送出する。
【0019】
図1に本実施例における外観図を示す。図1において、ゲーム面101は、表示部110を配置することができる。表示部110は、ディスプレイや液晶などの表示手段であり、スロットマシンにおける各種の絵柄を1または2以上列にして示すスロットを複数表示し、また、各スロットの外側には背景を表示することができる。表示部110には、複数の絵柄の列が従来の回転ドラムのときと同様に表示され、絵柄を移動させ、また、絵柄を順次切替えることにより回転しているように絵柄を変化させて表示することができる。表示部110は、各列ごとに表示手段を備えるようにしてもよい。また、ゲーム時に賞出組合せのラインを表示したり、絵柄組合せがあらかじめ定めた絵柄に揃ったときに揃ったことを示すような表示をするようにしてもよい。また、ゲーム面101には、被写体を撮像する撮像手段のCCD(Charge Coupled Devicd)カメラ部121と、フラッシュなどの照明手段120とが配置され、遊技者の容貌等を撮影して入力することができる。また、画像情報を表示する表示部110の他に、カメラ部121により撮像した被写体の画像情報を表示する第2の表示部110Aと、第2の表示部に表示させる表示制御部とを設けるようにしてもよい。
【0020】
入出力部102は、通常のスロットマシンで利用するメダル、玉、紙幣および硬貨、もしくは、金額やメダルの数を投入するための入出力部102bと、後述する画像情報などを記憶しているICカード、FD、CD-ROMなどのゲームをするためのゲーム用記憶媒体を入出力する入出力部102aとを備えることができる。賞出媒体数表示部103は、スロットマシンの絵柄が予め定めた絵柄に並んだときに賞として払いだすゲーム用媒介物の数(以下、賞出媒体数という)もしくは金額等の賞として払いだす数を表示する表示手段である。ゲーム用取入れ媒体数表示部104は、入出力部102bから入力されたゲーム用媒介物が入力された数もしくは金額等を表示する表示手段である。ゲーム用取入れ媒体選択SW105は、ゲーム時にゲーム用媒介物を掛ける数もしくは金額を指示するための指示スイッチであり、例えば、複数の絵柄の組合せを示すベッテイングラインが複数ある場合に、メダルの数に応じてこのベッテイングラインを設定できるように指示できる。内部持ち媒体数表示部106は、賞出媒体数を出力していない場合のスロットマシン内部に保持しているゲーム用媒介物の数もしくは金額等を表示する表示手段である。清算SW107は、ゲーム終了時に、内部に保持しているゲーム用媒介物の数を清算を指示する指示スイッチである。例えば、清算SW107が押されると、内部に保持している数だけゲーム用媒介物を出力したり、記憶手段を備えるカードなどの場合には、内部に保持している数をカードに記憶させ払い出すことができる。始動レバー108は、スロットマシンの絵柄の回転表示の開始指示を受け付けるための指示手段である。ゲーム停止SW109は、各列ごとに対応して設けられ、ゲーム停止の指示を受け付けるための指示手段である。ゲーム停止SW109でゲーム停止の指示を受け付けると、所定の停止タイミングで各絵柄の変化を停止する。また、ゲーム停止SW109を設けずに、回転表示の開始後、所定の時間経過後に自然に停止するようにしてもよい。さらに、ゲーム停止SW109を各列ごとに対応して設けずに、ゲーム停止SW109を一つだけ設けるようにし、ゲーム停止SW109で停止指示を受け付けるとあらかじめ定めた順番に絵柄の変化を停止させるようにしてもよい。
【0021】
つぎに、本実施例における詳細な内部構成について図4を参照して説明する。図4は、表示型スロットマシンの構成のブロック図を示している。
【0022】
図4において、スロットマシンは、ゲームの進行を制御するゲーム制御ユニット403と、スロット回転様相をシミュレートする表示制御ユニット401と、各種の入力/出力装置に接続されるインタフェース基板ユニット404と、画像を入力するための画像入力装置であり、被写体を撮像する撮像手段のCCD(Charge Coupled Devicd)カメラ部121と、CCDカメラ部121で入力した画像を、画像処理して表示制御ユニット401に画像情報を出力する画像処理ユニット420と、絵柄および背景を表示する表示部110とを備える。図4においては、ゲーム制御ユニット403および表示制御ユニット401のそれぞれにCPUを持った独立したユニットとなっている。また、画像処理ユニット420に接続され、入力した画像情報を印刷出力するプリンタなどの印刷部421をさらに備えてもよい。また、ゲーム制御ユニット403には、画像情報を記憶する記憶媒体のカードの読み/書きを行なうカードreader/writer310を備えるようにしてもよい。このカードには、他の画像入力装置で入力された画像情報を記憶させておき、ゲーム時にカードreader/writer310装着させ、画像情報を読みだすことができる。さらに、カードには、遊技媒体数等の情報を書き込むようにしてもよい。
【0023】
インタフェース基板ユニット404は、入出力部102や各種の指示スイッチ、表示手段などを接続し、ゲーム制御ユニット403により制御される。指示スイッチには、ゲームの開始を指示するための開始指示を受け付けて各列ごとに絵柄の表示を変化させるように表示制御ユニット401に対して開始指示する開始指示手段の始動レバー108と、各列ごとに絵柄の変化の停止を指示するための停止指示を受け付けて表示制御ユニット401に対して停止指示をする停止指示手段109とを少なくとも備えている。また、スロットマシンには、絵柄が揃ったときなどに音を出力するためのスピーカ405を備えてもよい。
【0024】
撮像手段としては、CCDカメラ部121以外に、電子スチルカメラ、テレビカメラなどを用いてもよく、また、カラー対応のカメラを用いてもよい。さらに、画像入力部としてスキャナ等により、画像を読み込むようにしてもよい。さらに、通信回線を介して画像情報を転送して入力するようにしてもよい。また、画像情報を記憶する記憶媒体を入出力部102aに挿入して、記憶媒体から画像情報を読み取ることにより入力するようにしてもよい。CCDカメラ部121は、特定のときに画像を入力し、入力した画像を画像処理ユニット420に送出する。CCDカメラ部121は、図1に示すように、スロットマシンのゲーム面に配置され、遊技者が遊技をするときに存在する位置にあらかじめ焦点を合わせておくことができる。例えば、スロットマシンの前面に椅子などが用意されている場合には、遊技者が椅子に座ったときの距離に焦点を合わせておくことができる。また、CCDカメラ部121に自動焦点整合機能を備えるようにしてもよい。また、CCDカメラ部121に接続され、被写体を照明するためのフラッシュなどの照明手段120をさらに有してもよい。CCDカメラ部121において、画像を取り込む時期については後述する。画像処理ユニット420では、CCDカメラ部121で入力された画像情報を画像処理して表示制御ユニット401に画像処理した画像情報を出力する。画像処理ユニット420は、入力された画像情報をあらかじめ定められた情報量に画像処理して送出する。また、CCDカメラ部121で入力する情報量が固定量の場合には、そのまま表示制御ユニット401に送出するようにしてもよい。
【0025】
システムとしての全体の動きは、ゲーム制御ユニット403が、ROMに記憶しているプログラムに従い、主となってゲームの進行を制御し、表示制御ユニット401に対して、スロット回転および停止の指示を、パラレル通信インタフェース402を介して通信伝送することによりゲームを進行させる。ゲーム制御ユニット403は、停止時に、前記表示手段の所定の位置に表示されている絵柄の組合せが、所定の絵柄の組合せと一致したことを判断する。表示制御ユニット401は、各種の絵柄を回転しているように表示させるために、ROMに各種の絵柄パターンを記憶し、VRAM(Video Random Access Memory)には背景画を記憶しておき、各スロットの絵柄の表示状態を変化させている。各スロットの表示動作状態は、停止モード、加速モード、定速回転モードおよび減速モードなどのように、複数状態を設けておくことができ、それぞれの絵柄データをフレームスパン単位で表示部110に伝送する。ROMは、着脱が可能なように構成してもよい。もしくは、ROMは、書替え可能な、紫外線消去形PROM(EPROM)や電気的消去型PROM(EEPROM)を使用してよい。また、表示制御ユニット401は、画像処理ユニット420から出力された画像情報をRAMに記憶し、ROMに記憶している絵柄パターンと、RAMに記憶する画像情報とについて、特定のときに読み出しを切り替る。例えば、特定の絵柄をROMから読み出す代わりにRAMに記憶する画像情報を読み出す。これにより、特定の絵柄が表示される代わりに、CCDカメラ部121で入力する画像情報を表示させることができる。切り替え時期と切り替え方法については後述する。表示部110では、VRAMに記憶されている背景画と、各表示状態の絵柄パターンとを重ねあわせて表示する。また、表示制御ユニット401は、表示部110もしくは第2の表示部110AにRAMに記憶する画像情報をそのまま表示するようにしてもよい。例えば、画像入力時に、入力した画像を遊技者に確認させるために表示部110に表示するようにしてもよい。また、入力してRAMに記憶した画像情報は、精算スイッチ107が押下された場合に、消去するようにしてもよい。さらに、遊技機に、記憶媒体に画像情報を書き込ませる書き込み部と、画像情報が書き込まれた記憶媒体を発行する発行部とをさらに設けるようにしてもよい。この場合、精算スイッチ107が押下されたときに、入力してRAMに記憶していた画像情報を記憶媒体に書き込み、書き込み後記憶媒体を発行して出力するようにしてもよい。
【0026】
つぎに、画像入力の時期と画像入力方法とについて説明する。
【0027】
画像入力の時期は、特定の条件を満たしたときとし、特定の条件を、ゲーム制御ユニット403もしくは画像処理ユニット420にあらかじめ規定しておく。本実施例においては、遊技者がスロットマシンで一定時間ゲームを行なったときに、画像の入力を行なう場合について説明する。このようにすることで、遊技者は、短時間で遊技機の台を変更することが多いので、一定時間ゲームを行なった遊技者についての画像入力をすることができ、短時間で遊技機の台を変更するような遊技者については画像入力を行なわないようにできる。
【0028】
ゲーム制御ユニット403においては、ゲームを行なっているか否かを検出できるので、ゲームを行なっていない状態から、ゲームを行なっている状態に変化し、特定時間継続してゲームを行なっていることを検出する。例えば、ゲーム制御ユニット403において、ゲームで利用された遊技媒体を監視することにより、この状態を検出できる。この場合、特定時間を例えば1分として、1分間ゲームが継続して行なわれている場合に、ゲーム制御ユニット403は、画像処理ユニット420を介してCCDカメラ部121に画像の入力を行なうように指示する。また、ゲームで利用された遊技媒体またはゲーム回数を計数することにより、ゲームを行なっていない状態から特定時間の間に計数した値があらかじめ定めた値になたったときに、画像入力を行なうように指示してもよい。この場合、特定時間の間にあらかじめ定めた値に達しない場合には入力を行なわないようにする。
【0029】
また、その後、ゲーム制御ユニット403は、ゲームが終了してから特定時間経過後に、ゲームを行なっていない状態にしておき、さらに、入力した画像を消去するように画像処理ユニット420に指示する。
【0030】
CCDカメラ部121では、画像の入力を行なうように指示されると、撮影を開始する。CCDカメラ部121は、撮影後、画像情報を画像処理ユニット420に送出する。画像情報としては、カラーの場合、R,G,B信号と輝度信号と同期信号とを1フレーム分送出する。テレビカメラの場合にはNTSC信号(National Television System Committee)を出力する。
【0031】
また、撮影の前に、ゲーム制御ユニット403は、遊技者に撮影を行なう旨を報知するようにしてもよい。報知方法としては、スピーカ405を介してあらかじめ定めたメッセージの音声出力を行なうか、表示部110にその旨を表示するようにできる。さらに、報知後特定時間の間、画像の入力を許可しない旨の不許可指示を受け付ける不許可指示手段としてキャンセルボタン123を図1に示すように設けておき、報知後特定時間の間キャンセルボタン123が押下されなかったときに、画像の入力を行なうようにし、キャンセルボタン123が押下されたときには、画像の入力を行なわないようにできる。
【0032】
また、画像入力の時期の他の特定の条件としては、以下に示すように規定しておくようにしてもよい。例えば、図1に示すように、画像情報の入力を許可する指示手段の画像入力指示ボタン122を遊技装置の前面に設けておき、画像入力指示ボタン122が押下されたときに画像入力を行なうようにしてもよい。この場合、遊技者が、自分の容貌を特定の絵柄の代わりに表示したいときにだけ、画像入力指示ボタン122を押下すればよい。画像入力指示ボタン122は、図4に示すインタフェース基板ユニット404に接続され、ボタン押下時にゲーム制御ユニット403に信号が送出される。ゲーム制御ユニット403では、画像入力指示ボタン122から信号を受けると、画像入力を行なうように画像処理ユニット420を介してCCDカメラ部121に指示する。
【0033】
また、画像入力の時期の他の特定の条件として、遊技者が一定時間、遊技装置に対面したときに画像入力を行なうというように規定してもよい。この場合、図8に示すように、遊技装置の前面に、特定方向にレーザや赤外線などの信号を放射する放射部2122と、特定方向からの信号の反射を受光する、光検出器などの受光部2123とを設けておき、特定条件として、受光部2123により特定時間赤外線を受光したときとするようにしてもよい。この場合、放射部2122は、レーザダイオードまたは赤外発光ダイオードを備え、ゲームを行なうときに遊技者が存在するであろう位置に向かって赤外線を常時放射し、当該遊技装置の遊技を行なう位置に存在する遊技者に反射した信号を、受光部2123で特定時間赤外線を受光したときに遊技者が存在することを検出することができる。放射部2122と受光部2123とを設ける位置は、遊技装置の前面以外にも、例えば、遊技装置の前に座席などが配置されている場合には、座席に放射部2122を設け、対向する位置に受光部2123を設けておくようにしてもよい。この場合、遊技者がいない場合には光を受光し、遊技者がいる場合には光を受光しないので、一定時間光を受光しないときに、遊技者が存在していると判断できる。また、放射部2122と受光部2123とは、図4に示すインタフェース基板ユニット404に接続され、ゲーム制御ユニット403において放射部2122と受光部2123とを制御することができる。
【0034】
以上のようにして、特定時期に画像情報を入力することができる。
【0035】
つぎに、画像処理について図3を参照して説明する。図3に画像処理ユニットのブロック図を示す。
【0036】
図3において、画像処理ユニット420には、画像処理用のプロセッサ4230と、画像処理をするためのプログラムを記憶する補助記憶装置のROM(Read Only Memory)4200と、画像情報を蓄積するRAM(Random Access Memory)4210と、制御部のCPU4220とを備える。画像処理用のプロセッサ4230としては、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いることができる。
【0037】
CCDカメラ部121から画像情報が出力されると、CPU4220は、RAM4210にアドレスと書き込み指示とを行ない、画像情報を記憶させる。画像情報としては、例えば、遊技者の顔などを入力することができる。つぎに、画像処理プロセッサ4230を起動させ、画像処理を行なわせる。画像処理プロセッサ4230では、画像処理として、CCDカメラ部121から送出された画像情報を、表示制御ユニット401により表示部110に表示させるために、表示制御ユニット401における1フレーム分におさまるように画像情報を、拡大、縮小または圧縮する。また、CCDカメラ部121から送出された画像情報を、トリミングしてもよい。すなわち、画像処理として、取り込んだ画像情報を特定量に拡大する拡大処理と、取り込んだ画像情報を特定量に縮小する縮小処理と、取り込んだ画像情報を特定量に圧縮する圧縮処理と、取り込んだ画像情報を特定量にトリミングするトリミング処理とのうち少なくとも1つの処理を行なうようにできる。本実施例においては、特定の絵柄に代えてCCDカメラ部121から入力した画像情報を表示するようにするので、表示制御ユニット401に備えるROMに記憶する絵柄情報の情報量と等しくなるように縮小する。また、表示部全体に、CCDカメラ部121から入力した画像情報を表示する場合には、表示部110の1フレーム分の画像情報になるように圧縮する。さらに、画像処理プロセッサ4230は、スムージングや雑音除去、容貌以外の背景の削除などの画像処理を行なうようにしてもよい。画像処理プロセッサ4230は処理後の画像情報をRAM4210に格納する。もしくは、取り込んだ画像情報を、画像処理を行なう前の画像情報のままRAM4210に格納するようにしてもよい。画像処理終了後、CPU4220は、処理した画像情報を表示制御ユニット401に送出する。CCDカメラ部121から入力した画像情報が表示制御ユニット401で扱える画像情報量と等しい場合には、画像処理を行なわないようにしてもよい。以上のように処理することにより、CCDカメラ部121で入力した画像情報を、表示制御ユニット401に送出することができる。
【0038】
また、図4に示すように、画像処理ユニット420に印刷部421が接続されている場合には、画像情報を取り込んで画像処理後に、印刷部421から取り込んだ画像情報を印刷出力するようにしてもよい。この場合、画像処理ユニット420は、印刷部421に対してハードコピーを行なう。また、取り込んだ画像情報を遊技者に確認させるために、表示部110もしくは第2の表示部110Aに表示出力するようにしてもよい。
【0039】
つぎに、表示制御ユニット401の構成を図5を参照して説明する。図5に、表示制御の構成図を示す。表示制御ユニット401は、高速に画面を切り替えるために、背景画を記憶するVRAMと、スロットマシンの絵柄部分の表示データを記憶する表示データROM部1010と、画像処理ユニット420から出力された画像情報を記憶する画像データRAM1150と、表示データROM部1010および画像データRAM1150から図柄または画像を読み出すために、1フレームにおける表示すべき図柄の表示データROM部1010のアドレスをフレームごとに順次出力するアドレス発生部とを備える。
【0040】
本実施例においては、図5に示すように、表示制御ユニット401における一つのスロットに対する表示制御の構成を示し、3つのスロットを表示制御する場合には、各スロットの表示制御を時分割で切り換えることにより制御することができる。表示部110における表示は、各スロットの列ごとに表示し、各列の表示領域はあらかじめ定められた領域が表示され、例えば、図柄4つぐらいを同時に表示できるような領域があるものとする。表示部110は、1/60秒もしくは1/30秒ごとの一定間隔のフレームスパン(V-syc周期)で表示の更新を行い、各フレームごとにライン走査される。表示制御ユニット401では、各フレームごとに、各列の表示領域に表示する図柄を読みだし、停止モード時には、同じ図柄を表示するようにする。回転動作中には、各列の表示領域に表示する図柄の表示位置を移動させていく。すなわち、表示制御ユニット401は、ROMから図柄を読み出すときに、各フレームごとに読出しの先頭位置を移動量分ずらして表示領域の範囲内に表示される図柄を読み出し、また、図柄を所定の順序で順次読み出すことにより、回転動作しているように表示を行う。さらに、本実施例においては、加速モードと定速モードと減速モードとで移動量を変化させる。また、加速モードにおいて、静止画パターンの読出しから流れ状態パターンの読み出しに切り替えるようにしている。
【0041】
また、アドレス発生部は、以下に示す▲2▼アドレスカウンタ部1020、▲3▼表示開始位置アドレスバッファ1030、▲4▼データカウンタ1040、▲5▼表示データ数バッファ1050▲6▼番地およびデータ数発生部1100および▲7▼切り替えスイッチ1160を備える。
▲1▼表示データROM部1010に、表示すべき全ての図柄データを記憶しておく。この場合、表示データROM部1010は、それぞれのスロットに表示すべき図柄データのパターンを各スロットごとに記憶しておくか、または、全てのスロットに対して一つの表示データROM部1010を設けておくようにしてもよい。例えば、表示データROM部1010には、図10に示すように、複数種類のデータパターンを記憶しておく。また、画像データRAM1150には、あらかじめ定められたアドレスの領域に画像処理ユニット420から送出された画像情報を、図10に示すように記憶しておく。特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させる場合、表示データROM部1010に記憶する特定の図柄パターンのアドレスと、同じアドレスを備える画像データRAM1150の領域に画像情報を記憶させておく。画像データRAM1150には、画像処理ユニット420から送出された画像情報を記憶する領域のみ(一つの図柄パターンのデータ容量に相当する)を設けておく。
▲2▼アドレスカウンタ部1020は、表示データROM1010の内容を読出す為のカウンタで、読出開始番地がロードされ、キャラクタ読出しクロックによって順次カウントup(またはdown)する。
▲3▼表示開始位置アドレスバッファ1030は、次に表示すべき図柄の読出開始番地をストックするバッファで、前の図柄を表示し終った時点でデータがアドレスカウンタ部にロードされる。読出開始番地は、後述する番地およびデータ数発生部1100において生成され、システムデータバスを介して送出される。
▲4▼データカウンタ1040は、表示図柄の何バイト(又はワード)を表示するかを監視するカウンタで、表示データ数バッファのデータ数をロードし、キャラクタ読出しクロックによりダウンカウントされ、0になった時点で、キャリー信号を出力し、ワンショット回路1060からロード信号が出力され、新しいデータがロードされる。
▲5▼表示データ数バッファ1050は、次に表示すべき図柄のバイト数(またはワード数)を規定するデータをストックするバッファで、データカウンタが0になった時点でデータカウンタに読込まれる。
▲6▼番地およびデータ数発生部1100では、読出開始番地および表示すべき図柄のバイト数を生成する。このため、フレームに対応して設けられ、1フレームにおける表示部の最上段に表示する図柄の読出先頭位置と読み出しデータ量と新しい図柄パターンを表示するか否かを示すフラグとを少なくとも記憶しているテンプレート1110を備えている。
▲7▼切り替えスイッチ1160は、表示データROM部1010から情報を読み出すか、画像データRAM1150から情報を読み出すかを切り替えるための切り替え手段のスイッチである。切り替え指示は、後述するように、ゲーム制御ユニット403から指示される。アドレスカウンタ1020から指示された特定図柄のアドレスは、切り替え指示に従い切り替えスイッチ1160により、アクセスする記憶装置が切り替えられる。
【0042】
図6は、テンプレートを示すための説明図である。テンプレート1110は、図6に示すように、例えば、表示状態が停止している状態を示す停止モード、加速して回転するような表示状態を示す加速モード、一定の速度で回転しているような表示状態を示す定速回転動作モード、および、減速して回転するような表示状態を示す減速中モードの各モードを備えることができる。停止モードのときは、図柄は移動せずに、同じ図柄が毎フレーム更新される。後述するように、マイクロプロセッサ408から動作開始信号を受け付けると、各スロットとも加速モードに移り、あらかじめ定めた図柄移動速度になるまで速度を加速していく。あらかじめ定めた図柄移動速度になる(もしくは一定時間が経過する)と、定速モードに移り、マイクロプロセッサ408から動作停止信号を受け付けると、あらかじめ定めた減速スピードで減速していき、あらかじめ定めた図柄移動速度になる(もしくは一定時間が経過する)と停止モードになる。
【0043】
また、テンプレートテーブルのデータ構成例を図6(iv)に示す。図6の(iv)において、(a)は表示する図柄の表示データROM部1010の表示部の最上段に表示する図柄の読出先頭位置を示す。読出先頭位置(a)は、バイアス値を示し、表示データROM部1010に記憶するそれぞれの図柄パターンごとの開始位置を0としたときに、その開始位置から読出し開始位置までのラスタ数(ラスタ数=1図柄の総バイト数÷16)を示す。これにより、図柄のどの位置から表示するかを決定することができる。また、(b)は、1フレームで読み出す表示データ数を示す。
【0044】
このように、テンプレートには、1フレームごとに読出先頭位置とデータ数とを記憶している。テンプレートごとに読出先頭位置を少しずつずらしていくことにより、回転しているようにすることができる。このずらす量は、1フレームごとに図柄の表示位置の移動量に対応する。また、テンプレートを、各表示部ごとに用意することにより、表示部ごとに回転する速度を異ならせることができる。
【0045】
さらに、番地およびデータ数発生部1100では、図7に示すように、図柄パターンごとの開始アドレスを格納する図柄レジスタ1210と、該図柄レジスタ1210のポインタとして作用する図柄ポインタ1200とを備える。図柄ポインタ1200は、各スロットにおける最上段の図柄を指し示し、テンプレートの内容によりインクリメントされる。すなわち、前述のフラグにより新しい図柄パターンを表示することが示されているときには、図柄ポインタ1200がつぎの図柄を指し示すように更新される。図柄レジスタ1210には、図柄パターンの開始アドレスを、表示順序ごとに保持している。例えば、表示順序を図9に示すような図柄配列で表示すると規定すると、表示データROM部1010に記憶する各図柄ごとのアドレスを図柄配列の順序に対応させて図柄レジスタ1210に記憶しておく。
【0046】
また、図7に示すように、番地およびデータ数発生部1100では、1フレームごとに、図柄ポインタ1200が指し示す図柄レジスタ1210に格納する図柄パターンの開始アドレスを読出し、図柄テンプレート1110を参照して、読出先頭位置と図柄パターンの開始アドレスとを加算することにより、読出開始番地を生成する。また、表示すべき図柄のバイト数は、図柄テンプレート1110の読み出しデータ量とする。
【0047】
つぎに、上記テンプレートの処理手順を図6を参照して説明する。図6において、テンプレートテーブルの位置を示すために、ムーブポインタを備える。ムーブポインタは、表示テンプレートの読出し位置を示すカウンタにより構成でき、表示タイミングをクロックとして順次カウントアップし、最後のテンプレートまでカウントアップすると0に戻る。テンプレートテーブルから読みだしたデータは一時的に作業用のテンポラリに蓄積される。
(1)表示制御ユニット401は、パチンコゲーム機の電源ON後、もしくは、マイクロプロセッサから指示があると、テンプレートのSSDT0(停止モード)をくり返し読み出す。
(2)マイクロプロセッサから動作開始信号を受け付けた時点で、テンプレートをSSDT1とし、テンプレートSSDT1のデータを展開し、次フレーム用に展開したデータをテンポラリに書き込む。
(3)フレームが更新する毎に(すなわち、表示タイミングがくる毎に)テンプレートをSSDT2,3,…として順次これをくり返す。
(4)加速テンプレートが終了した時点で、定速テンプレートの処理に移り、同様にこれをくり返す。定速テンプレートの処理は、CNDT14→CNDT0とループをくり返す。
【0048】
つぎに、図5における表示動作を説明する。
1.番地およびデータ数発生部1100では、前述のようにテンプレートを参照して、表示すべき図柄の<読出開始番地>と<表示データ数>とを、1フレーム分テーブルとして生成し、読出開始番地を、表示開始位置アドレスバッファ1030に格納し、表示データ数を表示データ数バッファに格納する。
2.表示タイミングにあわせて、アドレスカウンタおよびデータカウンタにそれ読出開始番地と表示データ数とをロードする。
3.現フレームで、番地およびデータ数発生部は、次のフレームで表示すべきデータのテーブルを作成する。
4.データカウンタ1040およびアドレスカウンタ1020は、クロックに従って動作し、アドレスカウンタ1020から指示されたアドレスにしたがって、記憶装置からデータが読みだされる。
5.切り替えスイッチ1160は、通常は、表示データROM部1010からデータを読みだし、特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させる場合に、画像データRAM1150からデータを読みだすように切り替える。
【0049】
以上のようにして、アドレス発生部により、アドレスを発生し、表示データROM1010から図柄データを読み出し、また、特定の図柄の代わりに画像データRAM1150から画像情報を読みだすことができる。
【0050】
また、他の構成として、切り替えスイッチ1160を設けないで、図7に示す図柄レジスタ1210に格納する開始アドレスを書き換えるようにしてもよい。この場合、表示データROM1010に割り当てるアドレスと、画像データRAM1150に割り当てるアドレスとは、別のアドレスを割り当ててアドレスが重ならないようにしておく。例えば、図柄レジスタ1210に格納している開始アドレス「A1」を、他のレジスタを設けて保持しておき、代わりに図柄レジスタ1210に画像データRAM1150の開始アドレスを保持させる。元の特定図柄に戻したいときには、保持しておいた開始アドレス「A1」を図柄レジスタ1210に戻すようにしてもよい。この場合、アドレスカウンタ1020からは、アドレス線が画像データRAM1150と表示データROM1010との両方に接続される。このようにしても特定図柄の代わりに入力した画像情報を表示することができる。
【0051】
つぎに、特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させる場合の切り替え時期について説明する。この切り替え時期は、前述の切り替えスイッチ1160に指示する切り替えタイミングであり、本実施例においては、ゲーム制御ユニット403により指示するが、他の制御部を設けて行なうようにしてもよい。
【0052】
切り替え時期は、特定条件を満たしたことを検出する切り替え検出手段を備えておき、切り替え検出手段により検出があったときに、特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させるように切り替えを行なう。
【0053】
特定条件としては、以下に示すような条件を規定しておくことができる。
【0054】
第1の特定条件としては、前述の画像処理ユニット420における画像処理後、表示データRAM1150にデータが格納されたときに特定条件を満たすものと規定しておく。この場合、切り替え検出手段は、表示データRAM1150にデータが格納されたことを検出し、検出後、特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させるように切り替え指示をする。切り替えスイッチ1160では、切り替え指示があると、特定の図柄、例えば、図10に示す、アドレスA1を開始アドレスとする図柄「7」の代わりに、図柄「7」に対応するアドレスの指示があると、画像データRAM1150から読み出しを行なうように指示する。このように条件を規定しておくことで、画像入力後、画像処理後にすぐに特定の絵柄を入力した画像情報にすることができる。
【0055】
第2の特定条件として、前記画像情報の入替えの許可を指示する指示手段の画像切り替え指示ボタン124をさらに備えておき、切り替え検出手段は、前記指示手段から許可指示があったときを検出する。例えば、前述したように、画像入力後に、入力した画像情報を印刷部421から出力した後に遊技者が画像情報の確認後、画像切り替え指示ボタン124を押下すると、特定の図柄の代わりに、画像処理ユニット420から送出された画像情報を表示させるように切り替える。このようにすることで、遊技者が意図するときに、入力した画像情報を表示させることができ、遊技者はより参加意識を持つことができ、楽しんで遊技を行なうことができる。
【0056】
第3の特定条件として、画像情報として複数種の図柄を複数の位置に表示制御し、ゲーム制御ユニット403は、前記複数の位置に表示される図柄の組み合わせがあらかじめ定めた図柄の組合せであるか否かを判断する判断手段を備えておき、切り替え検出手段は、特定条件を、前記判断手段により前記複数の位置に表示される図柄の組み合わせがあらかじめ定めた図柄の組合せであると判断されたときとする。例えば、あらかじめ定めた図柄の組合せが、3つのスロットある場合、各スロットの中央に表示された図柄が同一種類の図柄が表示された場合に、画像データRAM1150から読み出しを行なうように切り替えるようにできる。また、3つのスロットがある場合において、2つの表示を停止状態にして1つだけ動作状態にして表示しているときに、あらかじめ定めた図柄の組合せを、停止状態のスロットの各々の中央に表示された図柄が同一種類の図柄が表示された場合に、前述の切り替えを行なうようにしてもよい。このようにすることで、図柄が特定の組合せになったときに入力した画像情報に切り替えることができるので、遊技者はより楽しんで遊技を行なうことができる。
【0057】
このように、切り替え条件を規定しておくことにより、規定された条件を満たす場合に、切り替えを行なうようにできる。
【0058】
上記実施例においては、特定の図柄に代えて入力した画像情報を表示しているが、他の表示情報に代えて入力した画像情報を表示するようにしてもよい。例えば、図11に示すように、スロットおよび図柄表示の代わりに、表示部110の全体に入力した画像情報を表示するようにしてもよい。図11に示す正面図は、パチンコゲーム機などの表示部分とその周辺の部分を抽出したものである。
【0059】
また、ゲーム制御ユニット403において、複数の位置の図柄の組合せであるゲーム対象ライン(ベッテイングライン)を複数規定し、当該複数あるゲーム対象ラインのうち少なくとも一つ以上のゲーム対象ラインを選択し、ゲーム対象ラインが選択されたことを示すように表示制御ユニット401に通知しておく場合に、表示制御ユニット401は、前記図柄を複数の位置に表示させるように制御し、ゲーム対象ラインが選択されたことを示すのに、入力した画像情報により示すようにしてもよい。例えば、図12に示すように、ゲーム対象ラインを、35a、35b、35c、35d、35eのように規定しておく。遊技者がゲーム対象ラインを選択したりまたは投入された遊技媒体数に応じてゲーム対象ラインを選択するときに、選択されたことを示すために、表示部110に領域600をゲーム対象ラインごとに設けておき、選択されたゲーム対象ラインに対応する領域600に、前述の入力された画像情報を表示するようにしてもよい。選択された場合には、図12(B)に示すように、領域600に入力した画像情報を表示することができる。
【0060】
つぎに、上述したような、入力した画像情報の表示を行う場合のハードウエア構成について、図14を参照して説明する。図14は、入力した画像を背景として表示する場合のハードウエア構成図を示している。
【0061】
図12に示したようなゲーム対象ラインなどのスロットの部分の図柄表示以外は背景画として、図14に示す背景記憶手段のV-RAM1420またはV-RAM1400に記憶させている。背景記憶手段のV-RAMは、さらに1または2以上備えるようにしてもよい。本実施例においては、複数の異なる背景を有している。この場合、V-RAMは背景ごとに設けたり、もしくは、1つのV-RAMを領域分けして利用するようにしてもよい。図14においては、選択されたゲーム対象ラインを示すベッテイングライン用にV-RAM1420を用意している。V-RAM1420は、ベッテイングラインおよび当り表示用の賞出組合せ記憶手段であり、表示画面上に示される、掛率に応じたベッテイングラインおよび当り表示のそれぞれをあらかじめ記憶している。V-RAM1400には、ベッテイングラインおよび当り表示以外の背景データが記憶されており、これに、入力した画像情報を記憶してゲーム対象ラインが選択されたことを示すようにしてもよい。V-RAM1410は、図柄記憶手段であり、スロットの図柄が格納されており、前述のように、ROMで構成してもよい。図柄記憶手段、背景記憶手段および賞出組合せ記憶手段は、表示制御手段によりそれぞれ出力制御される。
【0062】
前述した図11に示すような、スロットおよび図柄表示の代わりに、表示部110の全体に入力した画像情報を表示する場合や、図12に示すように、ゲーム対象ラインおよびゲーム対象ラインが選択されたことを示す場合には、図3に示す画像処理ユニット420から送出された画像情報は、V-RAM1400のあらかじめ定めた領域に格納される。V-RAM1420に記憶されているデータは、表示画面上に示す、全てのフレームデータを有し、ベッテイングラインおよび当り表示はハイデータとし、それ以外は、ローデータとして記憶している。ローデータの部分は、ゲート回路1460により他のV-RAMからの出力が優先される。これにより、V-RAM1420に記憶されているデータそのものにより、各V-RAMからの出力されるビデオ信号の切り替えをすることができる。図14に示す回路においては、V-RAM1420に記憶されているデータが最優先に表示される。また、V-RAM1400は背景データを記憶し、V-RAM1400とV-RAM1410との読み出しは、スロット表示タイミング回路1430により制御される。
【0063】
図14において、表示制御手段のスロット表示タイミング回路1430からの指示により、V-RAM1410に示される、図柄データがV-RAM1400の背景データより優先して読みだされる。V-RAM1410の読み出しは、表示制御ユニットからアドレスが指示されることにより行われ、これにより指示があったときにはV-RAM1400より優先して読みだされ、指示がないときにはV-RAM1400のデータが読みだされる。V-RAM1400の読み出しは、図示しない、シーケンシャルカウンタにより、随時指示されて出力する。また、V-RAM1420に記憶されている、掛率に応じたベッテイングラインおよび当り表示の識別番号に対応して、それぞれの先頭アドレスをあらかじめ別に備えるベッテイングラインテーブルに記憶しておく。V-RAM1420の読み出しは、ゲーム制御ユニットから、ベッテイングラインもしくは当り表示を示すようにベッテイングラインの識別番号に基づいてベッテイングラインテーブルを指示し、それに対応する先頭アドレスを読みだす。該先頭アドレスから、あらかじめ定めたV-RAM1420の領域を読みだし、対応するベッテイングラインもしくは当り表示を表示させる。同様に、V-RAM1400に対しても、選択されたゲーム対象ラインに応じて、入力した画像情報を読み出す。これによりゲーム対象ラインが選択された場合には、図12(B)に示すように、領域600に入力した画像情報を表示することができる。
【0064】
また、図11に示すように、スロットおよび図柄表示の代わりに、表示部110の全体に入力した画像情報を表示する場合には、画像処理ユニット420から1フレーム分の画像情報をV-RAM1400のあらかじめ定めた領域に格納しておき、特定のときに当該画像情報を読みだして、表示部110の全体に入力した画像情報を表示することができる。
【0065】
また、図柄表示以外の背景の特定領域に、入力した画像情報を表示するようにしてもよい。
【0066】
さらに、変更したい画像情報を遊技者が指定するようにしてもよい。例えば、背景を領域分けしておき、領域ごとに指定する指定手段等を設けておき、入力した画像情報を表示したい領域を遊技者が指定することにより指定された領域に入力した画像情報を表示するようにしてもよい。また、特定の図柄についても遊技者が指定できるようにしてもよい。この場合には、例えば、複数種類の図柄を表示し、いずれかの図柄の指定を受け付けることができる、図13に示すような、図柄指定部610を遊技装置の前面に設けておき、遊技者が指定した図柄に代えて入力した画像情報を表示するようにしてもよい。これにより、遊技者が変更したい絵柄を選択することができるので、より楽しんで遊技を行なうことができる。
【0067】
また、入れ替える画像情報を複数規定しておくようにしてもよい。例えば、カメラ部121から異なる画像情報を複数入力しておき、図13に示すような外観の、9つの画像情報を表示する第2の表示部を備えておき、第2の表示部に、選択を許可する前記複数種の画像情報を表示するようにしてもよい。さらに、第2の表示部に入力画像選択部を設けて、複数種の画像情報のうちいずれの画像情報を読み出すかの選択指示を外部から受け付けるようにしておく。これにより、遊技者が気にいった画像情報を選択することができるので、より楽しんで遊技を行なうことができる。
【0068】
さらに、画像処理ユニットは、前記画像入力部で受け付けた画像情報を、複数の異なる特定量の画像情報に変換しておいてもよい。また、画像切り替えの特定条件を複数規定しておき、規定した特定条件ごとに、複数の特定量の画像情報のうち一つの画像情報を読み出す画像情報として規定しておく。
【0069】
このように、あらかじめ入力の特定条件を規定しておくことにより、特定条件を満たすと、特定の画像情報の代わりに入力した画像情報を表示することができる。
【0070】
上記実施例においては、スロットマシンを用いた場合について説明したが、図2に示すように、パチンコゲーム機に用いるようにしてもよい。図2に、パチンコゲーム機の外観図を示す。図2において、ゲーム面101は、ディスプレイや液晶などの表示部110、被写体を撮像する撮像手段のCCD(Charge Coupled Devicd)カメラ部121と、CCDカメラ部121に接続され、被写体を照明するためのフラッシュなどの照明手段120を配置することができる。ハードウエア構成は、前述したスロットマシンにおける構成と同様な構成をとることができ、ゲーム制御ユニット403におけるゲーム進行の制御をパチンコゲームに合わせて行なえばよい。
【0071】
つぎに、画像入力装置を、ゲーム装置に一体にして設けない場合の実施例について図15を参照して説明する。図15に画像入力システムの構成図を示す。本実施例においては、CCDカメラ部121で入力した画像を、画像処理して記憶媒体に記憶させ、記憶媒体をゲーム装置に装着して画像情報を読みだすことにより、上述と同様に特定絵柄の代わりに記憶媒体に記憶する画像情報を表示する。この場合、画像入力システムを、遊技場の出入り口などに設けておき、遊技者がこのシステムを利用したい場合にのみ利用することができる。また、それぞれの遊技機には画像入力装置を設ける必要がなくなる。
【0072】
図15において、画像入力システムは、撮像手段のCCD(Charge Coupled Devicd)カメラ部121と、CCDカメラ部121で入力した画像を、画像処理して表示制御ユニット401に画像情報を出力する画像処理ユニット420と、入力した画像情報を、記憶媒体に記憶させる画像書き込み部1500と、入力した画像情報をモニタするための表示部1510と、画像情報の取り込み指示などの指示を受け付けるための入力部1530とを備える。また、画像処理ユニット420に接続され、入力した画像情報を印刷出力するプリンタなどの印刷部421をさらに備えてもよい。また、CCDカメラ部121に自動焦点機能を備えるようにしてもよい。さらに、CCDカメラ部121に接続され、被写体を照明するためのフラッシュなどの照明手段120を有してもよい。画像入力システムは、カードを発行するカード発行装置に備えるようにしてもよい。
【0073】
画像書き込み部1500は、ICカードなどの記憶媒体を装着するカード装着部1520を備え、画像処理ユニット420から送出された画像情報を、あらかじめ定めた領域に書き込む。さらに、画像書き込み部1500は、カードの情報を読み込む読み込み部を備えるようにしてもよい。
【0074】
表示部1510は、ディスプレイや液晶などの表示装置であり、入力した画像情報を表示して確認させる。
【0075】
入力部1530は、画像取り込みの指示、記憶媒体の書き込みエリア、画像サイズ等の指示を受け付けて画像処理ユニット420に送出する。記憶媒体の書き込みエリア、画像サイズについては、特定の領域と特定容量の画像情報とを、あらかじめ画像処理ユニット420に規定しておいてもよい。また、入力部1530に、前述したスロットマシンの前面に設けたキャンセルボタン123等を設けるようにしてもよい。
【0076】
さらに、カードに、入力した画像情報を、可視情報として表示する表示部を備えるようにしてもよい。表示部では、例えば、容貌を撮像した写真をカードに表示するようにしておく。また、このカードは、従来から利用しているゲーム媒体数などのクレジットを記憶しているカードや遊技場のメンバーシップカード(カードの所持者に関する情報を記憶するカード)などと兼ねるようにしてもよい。メンバーシップカードと兼ねる場合には、一度、画像情報の入力をしておいて、メンバーシップカードに画像情報を書き込んでおけば、再度遊技場に来店したときには、そのメンバーシップカードを利用すればよい。
【0077】
CCDカメラ部121および画像処理ユニット420については前述と同様の機能を備える。
【0078】
この場合、ゲーム装置にはカードの読み込みを行なう画像情報読み込み部を備える。図1および図4に示したように、入出力部102aを設けておき、入出力部102にカードを挿入してカードの情報を読み書きする、図4に示すようなカードreader/writer311を備えておく。
【0079】
図15において、入力部1530で画像取り込みの指示を受け付けると、CCDカメラ部121では、撮影を開始する。CCDカメラ部121は、撮影後、画像情報を画像処理ユニット420に送出する。撮影の前に、画像処理ユニット420は、遊技者に撮影を行なう旨を報知するようにしてもよい。報知方法としては、スピーカを設けておき、スピーカからあらかじめ定めたメッセージの音声出力を行なうか、表示部1510にその旨を表示するようにできる。
【0080】
撮影後、表示部1510において入力した画像情報を表示する。表示部1510において画像情報の確認後、入力した画像情報を画像処理ユニット420において前述と同様の画像処理を行ない、画像処理後RAMに画像情報を記憶しておく。画像処理ユニット420では、例えば、特定絵柄に代えて表示を行なうように縮小した画像情報と、ゲーム装置の表示部110の全体に表示を行なうようにした画像情報とを出力するように画像処理を行なう。
【0081】
その後、記憶媒体に情報を書き込むように入力部1530で指示を受け付けるかもしくは画像処理の終了後、画像処理ユニット420は画像書き込み部1500に画像情報を転送し、画像書き込み部1500では、カードに画像情報を書き込み、カードを出力する。
【0082】
遊技者は、このカードを、ゲーム時に、ゲーム装置のカードreader/writer311にカードを装着させ、画像情報を読みださせることができる。カードから読みだされた画像情報は、表示制御ユニット401の画像データRAM1150またはV-RAM1400の特定領域に書き込まれ、表示制御ユニット401において前述と同様の制御がなされる。また、遊技装置には、ゲーム終了時にカードを取りだすために、挿入部に挿入されたカードの取りだし指示を受け付ける指示手段の取りだしボタンを設けておき、指示を受け付けるとカードを出力するようにしてもよい。
【0083】
以上のように動作することにより、画像情報を入力して、ゲームに関する画像情報に代わりに入力した画像情報を表示させることができる。また、一度、画像情報を記憶したカードを発行しておけば、そのカードを利用すれば、画像情報を入力することなく、絵柄の代わりにカードに記憶する画像情報を表示させることができる。また、カードに記憶する画像情報を変更したい場合には、カードに記憶する画像情報を書き換えるようにすればよい。
【0084】
以上説明したように、本実施例によれば、画像情報を入力して、ゲームに関する画像情報に代わりに入力した画像情報を表示させることができる。これにより、遊技者が参加気分を持ち、楽しんで遊技することができる。従って、本発明のゲーム機を設置しているホールにとっても、遊技者の増加を見込むことができる。
【0085】
つぎに、他の実施例について説明する。図16は、他の実施例にかかる遊技機を示すブロック図である。本実施例においては、カードに、入力した画像情報を、可視情報として表示する場合の実施例について説明する。
【0086】
図16に示すように、遊技機10は、遊技に同期して絵柄を変化させて表示し、遊技を進行させる。遊技とはスロットマシンおよびパチスロ(スロットマシンと同様な絵柄表示機能を有するパチンコゲーム機)等の表示画面を用いて行われる絵合わせ遊技やコンピュータゲームでのキャラクタ登場人物を用いたロールプレーイングゲーム等のことである。
【0087】
絵柄を変化させて表示し、遊技を進行させる遊技機は、画像データ22を入力するためのビデオカメラ24と、該ビデオカメラ24が遊技者を撮影する方向を指示する顔位置指定用ランプ表示部33と、遊技に用いる絵柄データ21を生成し該絵柄のデータ21に基づいて絵柄の入れ替えを行う絵柄変更手段20と、内蔵した遊技プログラムを逐次読み出して遊技の進行を制御するための遊技制御信号40を絵柄変更手段20に出力する遊技制御手段38と、絵柄変更手段20からの絵柄データ21を受けて遊技に用いる絵柄を表示する合成画面表示部35と、データの読み書きが可能で、再利用が可能なリサイクルカード26と、該リサイクルカード26のデータの読み書きを行うためのカード制御部39とを備えて成る。
【0088】
ビデオカメラ24と、遊技者を撮影する方向を指示する顔位置指定用ランプ表示部33とは、遊技機の近くに備えられる。
【0089】
ビデオカメラ24は、CCD、撮像管(カルニコン、ビジコン等)を用いることができる。ビデオ信号は、ディジタルまたはアナログのいずれも使用できる。アナログ式のビデオカメラ24を用いたほうが装置コストを下げることができる。また、ディジタル式のビデオカメラ24を用いたほうが、カメラ自体をコンパクトにまとめることができ、高速なデータ伝送が実現でき、さらに、輝度のコントロールやホワイトバランスの調整が容易であり、遊技機のメンテナンス性が向上する。
【0090】
さらに、輪郭検出処理や線切れ補正処理等の画像処理の処理効率を高めるために、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)を用いるような場合、ビデオカメラの出力としてディジタル信号を用いたほうが、処理効率が向上する。本実施例では、CCD方式のディジタル式のビデオカメラを用いた結果、良好な画像特性が得られた。
【0091】
絵柄変更手段20は、遊技に用いる絵柄データ21を生成し該絵柄のデータ21に基づいて絵柄の入れ替えを行うものであり、ビデオカメラ24から入力された画像データ22に対して、データ容量を減らした減縮画像23としての線画を生成するための線画作成部30と、該線画に基づいて絵柄データ21を生成し合成画面表示部35に出力する画面構成部34とを備える。
【0092】
本実施例では、絵柄変更手段20は、マイクロプロセッサーを用いた電子回路によって実現している。輪郭検出処理や線切れ補正処理等の画像処理の処理効率を高めるために、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)やフラッシュメモリを用いることは有効な手段である。
【0093】
これにより、例えば、ビデオカメラ24から入力した遊技者の顔の表情等を前記絵柄またはキャラクタ登場人物の顔の表情として用いることができ、楽しんで遊技をすることができる。
【0094】
線画作成部30は、減縮画像23としての線画を生成するものであり、画像濃度を調整するための線切れ補正部31と、該線切れ補正された画像データを用いて輪郭線を強調し線画(減縮画像23)を生成するための輪郭検出部32とを備える。
【0095】
画面構成部34は、遊技制御手段38からの遊技制御信号40および線画作成部30からの減縮画像23を受けて絵柄データ21を生成し、合成画面表示部35に出力するように装置される。
【0096】
遊技制御手段38は、遊技のコマンド入力、画面表示や音声出力等の制御を行うためのプログラムが記録されている遊技ソフト部37と該プログラムを読み出して遊技を進行させるための遊技信号発生部36とを備える。
【0097】
本実施例では、線切れ補正部31や輪郭検出部32の機能をマイクロプロセッサーとRAMによって実現している。線切れ補正や輪郭検出等の画像処理は、ソフトウェア上で実行している。
【0098】
リサイクルカード26は、その全部又は一部を、白色系に対し栄える色にて着色し、該着色面に、一の特定温度で加熱すると結晶が凝集し白濁化する一方、別の所定温度で加熱すると前記結晶が拡散し透明化する有機化合物から成る、書き換え可能なリサイクル表示層を備える。
【0099】
カード制御部39は、遊技制御手段38からの命令等によって、遊技者の要求や遊技精算時に、前記遊技に使用した前記減縮画像23をリサイクルカード26の表面に目視可能に書込むものであって、遊技制御手段38に接続された状態で利用される。リサイクルカード26は、カード制御部39に設けられた(図示省略)カード投入口に挿入して用いるものである。
【0100】
リサイクルカード26を構成するプラスチック製のカードベースの表面には、バックコーティング層が積層されている。このバックコーティング層は、各種顔料の他、着色フィルムやアルミフィルム等で形成してもよい。リサイクルカード26の表面には、所定の事項が熱発色性インクによって記入されている。
【0101】
該熱発色性インクは、感熱性複写紙等に広く一般に用いられているものであり、通常は無色透明であるが、加熱されると一定の色を呈するように発色する化合物により構成されている。
【0102】
バックコーティング層の表面側には、一の特定温度で加熱すると結晶が凝集し白濁化する一方、別の所定温度で加熱すると前記結晶が拡散し透明化する有機化合物から成るリサイクル表示層が積層されている。このリサイクル表示層は、例えば、ベヘン酸、ラウリン酸、ステアリン酸の高級脂肪酸等の有機化合物を塩化ビニリデン等の高分子マトリックス材の中に分散させたものであり、他に界面活性剤等が少量添加されている。
【0103】
リサイクル表示層は、一の特定温度(摂氏100℃以上)、すなわち書込用温度で加熱すると前記有機化合物の粒子が多結晶に変化し乱反射が発生するため、濁って目視可能となる一方、別の特定温度(摂氏70〜95℃)、すなわち消去用温度で加熱すると前記結晶が単結晶化して拡散するため、透明となるものである。
【0104】
通常、リサイクル表示層は、その全面が消去用温度で加熱した後の状態、すなわち、リサイクル表示層が全体的に透明化している状態で使用されるものである。このようなリサイクル表示層の特定箇所には、絵柄データ35を書込または消去するための書込エリアが設けられている。
【0105】
カード制御部39に装置され、リサイクルカード26に絵柄データ35を書込み或は消去するためのサーマルヘッドは、2段階に加熱温度を制御することができる高温耐久タイプのものである。
【0106】
サーマルヘッドは、書込エリアに対し、書込用温度に加熱されて絵柄データ35を書込む一方、書込エリアの絵柄データ35を消去する際には、消去用温度に加熱されて消すべき絵柄データ35のみを局所的になぞるように制御されて装置されている。
【0107】
カード制御部39は、遊技制御手段38からの命令等によって、遊技者の要求や遊技精算時に、前記遊技に使用した前記減縮画像23をリサイクルカード26の表面に目視可能に書込むものである。
【0108】
なお、本実施例では、スロットマシンの様な、液晶表示ユニットでできたドラムにおける絵柄に対して、絵柄データ21を生成し、該絵柄のデータ21に基づいて絵柄の入れ替えを行うものを示したが、これに限定されるものではなく、絵柄を用いて遊技を進める遊技機、例えば、コンピュータゲーム機のロールプレーイングゲームやシューティングゲームに登場する主人公等のキャラクタの顔の表情等を入れ替える装置にも広く応用することができる。
【0109】
次に作用を説明する。
【0110】
絵柄のデータ21は、スロットマシンおよびパチスロ等の表示画面に表示する絵柄、またはコンピュータゲーム機のゲームにおけるキャラクタ登場人物の顔の表情である。
【0111】
画像データ22は、ビデオカメラ24から入力され、絵柄変更手段20に出力される。また、画像データ22は、予め画像データベース25に蓄積しておいた画像データ22を読み出して、画像構成部34に出力して用いてもよい。
【0112】
顔位置指定用ランプ表示部33は、ビデオカメラ24が遊技者を撮影する方向を指示する。遊技者は、顔位置指定用ランプ表示部33の指示に従って、遊技機10に備えられたビデオカメラ24に向かって、正面だけ、または正面と左右の3方向から、遊技者の顔の表情等を撮影することができる。
【0113】
本実施例の顔位置指定用ランプ表示部33での指示は、3つのランプを横1列に並べたものを用いている。該ランプの点灯した方向に顔を向けることによって、顔の表情を画像データ22として取り込むことができる。
【0114】
画面構成部34は、遊技制御手段38からの遊技制御信号40および線画作成部30からの減縮画像23を受けて絵柄データ21を生成し、合成画面表示部35に出力する。
【0115】
本実施例では、合成画面表示部35として液晶表示ユニットを用いている。該液晶表示ユニットは、遊技信号発生部36が生成する、遊技を進行させるための遊技信号および絵柄データ21を合成した状態で表示する。これにより、遊技性を向上させることができる。
【0116】
該画像データベース25は、たとえば、遊技ソフト部37内に設けてもよい。本実施例では、蓄積しておいた画像データ22等を前記絵柄または前記キャラクタ登場人物の顔の表情として用いることができる。これにより、該絵柄のデータ21は、スロットマシンおよびパチスロ等の表示画面に表示する絵柄、またはコンピュータゲーム機のゲームでのキャラクタ登場人物の顔の表情として用いることができ、遊技性を向上させることができる。
【0117】
該画像データベース25から読み出された画像データ22は、遊技信号生成部36に出力され、所定のデータ処理がなされた後、遊技制御信号40として画像構成部34に出力される。読み出した前記画像データ22に対する前記所定のデータ処理として、前記減縮画像処理を実行し、該減縮画像を遊技制御信号40として画像構成部34に出力してもよい。
【0118】
本実施例の絵柄変更手段20では、画像データ22に対して画像データ22の量を減らすための減縮画像処理として、線画処理を行っている。該線画処理は、線切れ補正処理および輪郭検出処理を組み合わせることにより実現できる。該線画処理は、線切れ補正部31および輪郭検出部32とにより実行される。減縮画像23として線画を用いている。
【0119】
線切れ補正処理としては、画像データ22の光学濃度に対する濃度変換処理を用いている。濃度変換処理は、主にコントラストを強調するために行なわれ、例えば、入力した画像情報について、横軸に濃度、縦軸にその濃度をもつ画素数を取った濃度ヒストグラムが平坦化されるように、濃度を変換する方法などがある。これにより、コントラストが強調される。また、輪郭検出処理としては、微分強調処理やエッジ検出処理を用いている。これらの処理によって、画像データ22から2値化画像を生成して、該2値化画像を減縮画像23として用いている。例えば、画像のエッジ情報を抽出することにより符号化する2次元構造抽出符号化方式を利用することができる。エッジ情報により画像情報から輪郭を抽出し、輪郭とそれ以外の滑らかな成分に分けて符号化を行なうことができる。輪郭に基づく符号化としては、CarlssonによるSketch Based Codingの符号化アルゴリズムを用いることができる。本実施例において、減縮処理とは、データ容量を少なくしつつ、対象が十分知覚しうる画像に変換することをいう。
【0120】
絵柄変更手段20において、画像データ22に輪郭線強調による線画処理を実行すると、所定の画像濃度の閾値によって画像データ22は、例えば、2値化1ビット符号化することになる。ビデオ信号のようなアナログ画像データや、例えば16ビットの符号化処理をされたディジタル画像データのデータ量を減縮できる。
【0121】
これにより、画像データ22に対して画像データ22のデータ量を減らすための減縮画像処理として、線画処理を行っているため、数10kB程度の小容量画像メモリや数10kB程度の小容量ビデオメモリで済み、メモリを小規模化することができる。
【0122】
また、1枚分の画像データは数10kB程度のデータ量であり、1枚分の絵柄用データを画像メモリからビデオメモリにデータ転送する場合に数ms程度の転送時間で十分であり、液晶表示ユニットを用いたスロットマシンやコンピュータゲーム機の様な動画を用いて遊技を進める場合でも、該転送時間が動画の表示速度を制限されず、データ転送時間の短縮化が実現できる。
【0123】
さらに、動画の表示速度に転送時間を同期させるために、高速画像処理および高速データ伝送技術を必要とせず、装置コストを下げることができる。
【0124】
リサイクルカード26は、必要事項を目視可能に繰返して記録および消去することができ、再利用される。また、カード制御部39に設けられた(図示省略)カード投入口に挿入して用いる。
【0125】
カード制御部39は、遊技制御手段38からの命令等によって、遊技者の要求や遊技精算時に、前記遊技に使用した前記減縮画像23をリサイクルカード26の表面に設けられたリサイクル表示層に目視可能に書込む。これによって、遊技者は遊技に使用した遊技者の顔の表情、前記キャラクタ登場人物の顔の表情等を前記リサイクルカード26の表面に記録することができ、遊技性を向上させることができる。また、リサイクルカード26は、カード制御部39に設けられた(図示省略)カード投入口に挿入して用いる。リサイクルカード26のリサイクル表示層に絵柄データ35を書込むには、先ず、カード制御部39に装置されたサーマルヘッドを書込用温度(摂氏100℃以上)に調節し、かかるサーマルヘッドによって、書込みエリアにおいて数字や形に加熱する。すると、加熱した筆跡箇所のみ書込みエリアが白濁化し絵柄データ35が書込まれる。
【0126】
一方、絵柄データ35を消去する場合は、サーマルヘッドを消去用温度(摂氏70〜95℃)に調節し、かかるサーマルヘッドによって、正規利用者である遊技店側にとっては明らかな絵柄データ35のみを局所的になぞるように加熱する。消去用温度で加熱された絵柄データ35は透明化して目視できなくなり、再利用が可能となる。
【0127】
本実施例にかかる遊技機によれば、画像データ22に対して画像データ22量を減らすための減縮画像処理として、線画処理を行っているため、データ容量をより少なくすることができ、数10kB程度の小容量画像メモリや数10kB程度の小容量ビデオメモリで処理でき、同じ記憶容量の遊技機でもより多くの絵柄データを保存および表示できる。
【0128】
また、1枚分の画像データを数10kB程度のデータ量に低減でき、1枚分の絵柄用データを画像メモリからビデオメモリにデータ転送する場合に数ms程度の転送時間で十分となり、液晶表示ユニットを用いたスロットマシンやコンピュータゲーム機の様な動画を用いて遊技を進める場合でも、転送時間が動画の表示速度を制限することなく、遊技の動作速度を損なわれず、遊技性を向上させることができる。
【0129】
同様に、動画の表示速度に転送時間を同期させるために、高速画像処理および高速データ伝送技術を必要とせず、装置コストを下げることができる。
【0130】
つぎに、入力した画像をセキュリティシステムに利用する場合の入力画像管理システムの実施例について説明する。
【0131】
本実施例においては、遊技機毎に入力した遊技者の画像情報を遊技場内を管理する管理装置に送出し、管理装置において、遊技機毎に遊技を行なっている遊技者の画像情報を管理する。また、遊技機毎に異常検出装置をさらに設けておき、異常を検出したときには管理装置に異常を通知するようにしてもよい。例えば、遊技者が遊技中に、磁石などにより金属球を入賞口に誘導するような不正行為を行なった場合には、異常検出装置として磁石検出装置を備えておけば、不正行為を検出することができる。
【0132】
以下、図17〜図23を参照して本実施例を説明する。
【0133】
図17に、本実施例における入力画像管理システムの全体構成図を示す。図17において、複数台の遊技機10A〜10Lまでの遊技機を備える遊技場において、各々の遊技機10A〜10Lを管理装置200にバス状に接続している。遊技機10A〜10Lの各々は、前述した図1もしくは図2に示すような、カメラ部121などの画像入力装置を備える遊技機であり、遊技者の容貌を画像情報として入力することができる。また、遊技機10A〜10Lの各々は、図4に示すように、画像を処理を施した画像情報を送信する画像送信部425をさらに備え、入力した画像の処理を行なう画像処理ユニット420に接続され、また、図17に示すように、バスライン220を介して管理装置200に接続される。管理装置200は、バスライン220を介して複数台の遊技機10A〜10Lの各々に接続され、各々の遊技機から送信された画像情報を受信する。
【0134】
管理装置200は、図22に概略ブロック図を示すように、バスライン220を介して複数台の遊技機10A〜10Lの各々に接続され、送信された画像情報を受信する受信部2201と、受信部2201で受信された画像情報を画像処理する画像処理ユニット2202と、画像処理ユニット2202において処理された画像情報を表示制御する表示制御ユニット2203と、各々の遊技機から送信された画像情報の管理を行なう管理ユニット2204と、表示制御ユニット2203により制御され、画像情報を表示出力する表示部2206と、画像情報を印刷出力する印刷部2207と、画像情報を記憶するメモリ2205と、キーボード等の入力部2208とを備える。管理装置200は、各々の遊技機から送信された画像情報ごとに識別情報(画像No.)を付加して各々の遊技機ごとに画像情報を管理する。
【0135】
各々の遊技機の送信部425と管理装置の受信部2201とは、あらかじめ定められたプロトコルに従って画像情報受信することができる。例えば、ポーリング方式を利用し、管理装置200の受信部2201から各々の遊技機に対してポーリングを送出し、各々の遊技装置では、新たな画像情報を入力したときに(例えば、前述したように、図1に示す画像入力指示ボタン122が指示された後に入力した画像情報を新たに入力した画像情報とすることができる)、送出されたポーリングに対して応答を行ない、画像情報を送信するようにできる。この場合、各々の遊技機には、画像情報を蓄積するメモリをさらに備えることができる。また、CSMA/CD(Carrier Sense Multiple Access with Collison Detection)方式等のプロトコルを利用するようにしてもよい。
【0136】
送信する画像情報は、各々の遊技機の画像処理ユニット420において、減縮処理や圧縮処理を行なうようにしてもよい。このようにして、各々の遊技機から画像情報が送出される。
【0137】
管理装置200では、受信部2201において、送信された画像情報を受信する。受信した画像情報は、画像処理ユニット2202に送出され、画像処理ユニット2202において、画像情報に圧縮処理が施されている場合には、伸長処理を行なう。さらに、画像処理ユニット2202は、必要であれば、画像情報の減縮処理を施すようにしてもよい。画像処理ユニット2202で処理された画像情報は、管理ユニット2204により画像情報の識別情報が付加され、メモリ2205の画像情報の識別情報に対応するアドレス領域に蓄積される。また、圧縮処理が施されている場合には、画像処理ユニット2202で画像処理を施さずに管理ユニット2204を介してメモリ2205に圧縮処理が施されたままの画像情報を蓄積するようにしてもよい。
【0138】
管理装置200の管理ユニット2204では、図23に示すような管理テーブル2210を備え、管理テーブル2210を表示部に表示するようにしてもよい。管理テーブルは、図2に示す管理装置200のメモリ2205に蓄積しておくことができる。図23において、管理テーブル2210は、遊技機ごとに設けられ、各遊技機において遊技を行なっている遊技者の画像情報の識別情報(画像No.)が記憶される。遊技者の画像情報の識別情報は、例えば、送信された順番にシリアル番号を識別情報とすることができ、1日ごとにクリアするようにできる。また、各々の遊技機から送出する情報としては、画像情報のほかに、各遊技機における遊技者ごとの遊技に使用した(遊技機に入力された)遊技媒体数(以下、入玉数という)と、遊技機から賞として遊技媒体を払いだした遊技媒体数(以下、出玉数という)と、各遊技者ごとの遊技開始時間と、終了時間とを送出するようにしてもよい。入玉数と出玉数とは、図4に示す、遊技媒体の払出を検出する媒体流出検出センサ、遊技媒体の入力を検出する媒体検出センサ等により検出された検出信号をカウントすることにより、各々のカウント値を送出するようにできる。また、遊技開始時間と、終了時間とは、前述したように、図1に示す画像入力指示ボタン122が指示されたときの時刻を開始時刻とし、図4に示す精算スイッチ107が押下されたときの時刻を終了時刻としてもよい。または、図8に示したように、放射部2122と受光部2123とを備える場合には、放射部2122と受光部2123とにより、遊技者の存在を検出することにより、遊技の開始時刻と終了時刻とを求めることができる。
【0139】
さらに、各々の遊技機において、不正行為を検出する不正行為検出器を設けるようにしてもよい。不正行為検出器としては、国際公開番号WO92/09344号パンフレットに記載されているように、遊技機に金属検知マトリクスセンサを設けておき、投入された金属体の遊技媒体の異常な軌跡を検出することにより不正行為を検出することができる。不正行為としては、例えば、外部から磁石などで金属体の運動方向を故意に曲げることにより、入賞するように誘導するような行為がある。このような不正行為検出器を設けておき、不正行為を検出した場合には、その旨を管理装置に送出する。管理装置では、不正行為を検出した旨の通知があったときには、その遊技機の識別情報と、その遊技機で遊技を行なっている遊技者の容貌の画像情報とを、不正行為があったことを示す情報とともに表示出力もしくは印刷出力することができる。
【0140】
また、図27に示すような管理テーブル2710を、例えば、月ごとなどの一定期間蓄積しておき、その蓄積した情報を統計処理するようにしてもよい。この場合、管理テーブル2710には、さらに、入力された日付や遊技装置が複数ある場合にはその機種名等を格納するようにしてもよい。統計処理としては、例えば、図28(a)に示すように、遊技装置ごとに不正行為の発生した頻度を計数して表示したり、各遊技装置ごとに、遊技装置の機種を登録しておく場合には、図28(b)に示すように、その機種ごとに不正行為の発生した頻度を計数して表示することができる。また、図28(c)に示すように、日付ごとに不正行為の発生した頻度を計数して表示することができる。これにより、異常発生頻度を分析することができる。
【0141】
さらに、図28(a)に示すような、遊技装置ごとに不正行為の発生した頻度を示すのに、図29に示すように、遊技場内の遊技装置の配置を示し、各遊技装置ごとに、頻度により色分けをするようにしてもよい。例えば、遊技機10A〜10Lまでの遊技機を備える遊技場において、頻度ごとに表示の色などを変えることにより、遊技機の配置位置による不正行為の発生頻度を把握することができる。
【0142】
また、図27に示す管理テーブル2710に登録された画像No.に対応させて、画像情報も蓄積させておくことができる。蓄積しておいた画像情報は、例えば、管理テーブル2710の異常フラグがセットされている画像情報のみを読み出して一覧にして表示させることにより、不正行為を行った遊技者の画像情報を照会できるようにしておくことができる。
【0143】
つぎに、管理装置200における表示部2206の表示画面例を参照しながら管理装置200における遊技機の管理方法について説明する。管理装置200における表示部2206の表示画面例を図18〜図21に示す。
【0144】
図18および図19に示すように、表示部2206には、遊技場内における現時点での遊技機の使用状況と、その遊技機を使用している遊技者の画像情報とが表示される。例えば、図18に示すように、時刻16:00においては遊技機10Iは未使用の状態であり、新たな画像情報が遊技機から送信されて管理装置200の受信部2201において受信すると、図19に示すように、遊技機10Iの遊技者の画像情報が画像処理ユニット2202、管理ユニット2204および表示制御ユニット2203を介して表示される。これにより、各時間における遊技機の遊技者を特定することができる。
【0145】
また、表示部2206のディスプレイの前面には、入力部2208としてタッチパネルを備えるようにしてもよい。この場合、例えば、図18および図19に示すように、次画面切り替え指示230などを設けておき、画面上の次画面切り替え指示230がタッチされた場合には、あらかじめ定めた次画面に切り替えることができる。本実施例においては、例えば、遊技機10Aなどの遊技機の識別情報をタッチした後に次画面切り替え指示230がタッチされた場合には、図20に示すような、遊技機10Aの使用状況を示す画面表示に切り替えることができる。図20においては、遊技機10Aのその1日における使用状況として、遊技者の画像情報、遊技時間、また、入玉数、出玉数、異常フラグ等を表示することができる。これにより、各遊技機の使用状況とともに遊技を行なった遊技者を特定することができる。
【0146】
さらに、管理ユニット2204では、不正行為を検出した旨の通知があったときには、図19に示すように、不正行為が行なわれた遊技機の識別情報を、不正行為があったことを示すように、表示色を変更したり、「異常発生」の表示を行なうようにできる。また、図22に示すように、音出力部2209をさらに備える場合には、あらかじめ定めた警告音を出力するようにしてもよい。
【0147】
さらに、不正行為が発生した場合には、図21に示すように、遊技機の識別情報とともに、遊技者の容貌を示す画像情報を画面上に大写しにしてもよい。この場合、管理ユニット2204は、画像処理ユニット2202に不正行為が行なわれた遊技機における現時点での遊技者の画像情報の拡大処理を行なわせ、表示制御ユニット2203を介して表示部2206に表示させる。また、印刷部2207からこの表示情報をハードコピーして出力するようにしてもよい。
【0148】
このように、不正行為が発生した場合、不正行為が行なわれた遊技機における現時点での遊技者の画像情報を表示出力するので、遊技場の管理者は、この画像情報をもとに、不正行為を行なった遊技者を特定することができる。このように、入力した画像を集中的に管理することで、防犯に役立てることができる。
【0149】
また、不正行為が発生した場合には、警察などの予め定められらた外部の連絡先に不正行為を検出した旨の通報を行うようにしても良い。この場合、例えば、図21に示すようなアイコン2110および2120を設けておき、アイコンから指示すると警察署や他の支店に通報するようにしておける。また、通報時に、不正行為を検出した遊技装置の画像送信部から送出された画像情報をさらに送出するようにしてもよい。
【0150】
この場合の実施例を、図24、図25および図26を参照して説明する。図24に、入力画像管理システムの概念を示す説明図を示し、図25に連絡先を記憶する連絡先記憶部2500を示し、図26に連絡用のフォーマット記憶部2600を示す。
【0151】
図24においては、図17および図22に示したような入力画像管理システムの構成を概念的に示している。図24において、複数台の遊技機10を備える遊技場において、各々の遊技機を管理装置200にバス状に接続している。また、複数の遊技機により島を構成し、複数の島をまとめて制御するためのコントローラ2430を備えるようにしてもよい。コントローラ2430は、各遊技装置からの画像情報および異常検出信号を多重化してバスライン220を介して管理装置200に送出することができる。管理装置200は、バスライン220を介して複数台の遊技機に接続され、各々の遊技機から送信された画像情報および異常検出信号を受信する。
【0152】
管理装置200には、図22に示す構成に加えて、さらに、図24に示すように、外部と通信を行う通信部2440やCD-ROMなどの記憶媒体の記憶情報を読みだすための読み取り装置2420を備えることができる。通信部2440としては、例えば、画像情報およびデータを送出するモデム、メッセージを出力するメッセージ出力部および電話器、画像情報およびデータを送出するFAXなどの通信装置を備えることができる。また、表示部には、図24に示すように、図18に示したような各遊技装置から送出された画像情報2400と、図21に示したような異常が発生した場合の遊技装置から送出された遊技者の画像情報2410とを合わせて表示するようにしてもよい。
【0153】
外部の連絡先としては、図25に示すように、連絡先記憶部2500に連絡先を予め登録しておく。連絡先記憶部2500は、図22に示すメモリ2205に設けられ、入力部2208により登録をすることができる。連絡先としては、警察署や他の遊技場の支店などの電話番号やFAX番号などを登録しておける。他の遊技場では、これらの通報を受けると、不正行為を警戒するとともに、遊技者の画像情報を受信した場合には、その遊技者が他の遊技場に来店したときに警戒するようにできる。
【0154】
また、連絡先記憶部2500に記憶された連絡先毎に、図21に示すようなアイコンを設けておくことができる。この場合、アイコンは、表示部2206に不正行為を検出した旨の表示出力が行われたときに、通信部2440を介して不正行為を検出した旨の通報を行うか否かの指示を受付ける受付部の機能を備える。アイコンにより、不正行為を検出した旨の通報を行わない旨の指示を受付けたときに、通報を行わないように抑止することができる。または、アイコンにより、不正行為を検出した旨の通報を行う旨の指示を受付けたときに、通報を行うようにしてもよい。
【0155】
通信部2440から送出する情報は、図26に示すように、送出するフォーマットをフォーマット記憶部2600にあらかじめ登録しておくことができる。例えば、通信部2440がメッセージ出力部および電話器である場合には、送出する情報を、図26に示すフォーマットNo.1および2に示すように、メッセージとして登録しておき、発生時刻等の必要な情報とともに送出することができる。また、画像情報およびデータを送出することができるモデムやFAXの場合には、図26に示すフォーマットNo.10に示すように、送出する定型の画像情報を登録しておき、発生時刻、異常が発生したときにその遊技装置から送出された遊技者の画像情報と必要な情報とともに送出することができる。送出するフォーマットは、アイコンなどにより通報時に選択できるようにしておいてもよい。
【0156】
このように、不正行為が発生した場合、不正行為が行なわれた遊技機における現時点での遊技者の画像情報を表示出力するので、遊技場の管理者は、この画像情報をもとに、不正行為を行なった遊技者を特定することができる。入力した画像を集中的に管理することで、防犯に役立てることができる。また、不正行為を検出した場合に、警察などの予め定めた連絡先に即座に通報することができる。
【0157】
また、前述したように、不正行為を行った遊技者の画像情報を照会する場合には、例えば、図21に示すように、不正行為者の照会用のアイコン2130を設けておき、このアイコンが操作されると、図27に示す管理テーブル2710の異常フラグがセットされている画像情報のみを読み出し、図30に示すように、一覧にして表示させるようにしてもよい。また、先月分照会切り替え指示アイコン3010を設けておくことにより、その前の月に順次さかのぼって照会できるようにしてもよい。これにより、不正行為が発生した場合には、その前に発生している不正行為者の一覧を参照し、たび重なる不正行為者を発見することができる。警察などに通報する場合には、その照会後に連絡するか否かを判断し、通報するように指示してもよい。
【0158】
以上説明したように、本実施例によれば、画像情報を入力して、ゲームに関する画像情報の代わりに入力した画像情報を表示させることができる。これにより、遊技者が参加気分を持ち、楽しんで遊技することができる。従って、本発明のゲーム機を設置しているホールにとっても、遊技者の増加を見込むことができる。
【0159】
また、画像情報を管理することにより、セキュリティシステムに適用することができる。さらに、不正行為を検出した場合には、迅速な対応を行うことができ、不正行為を行った遊技者の画像情報を送出する場合には、その遊技者を特定することが可能になる。
【0160】
以上説明したように、本発明によれば、遊技場管理システムにおいて、不正行為を検出したときに外部に通報を行うことができる。不正行為を検出した場合には、迅速な対応を行うことができ、さらに、不正行為を行った遊技者の画像情報を送出する場合には、その遊技者を特定することが可能になる。また、不正行為を行った遊技者の画像情報を蓄積しておくことにより、蓄積した画像情報を読出して不正行為者の照会をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本実施例におけるスロットマシンの外観図である。
【図2】図2は、本実施例におけるパチンコゲーム機の正面図である。
【図3】図3は、本実施例における画像処理ユニットのブロック図である。
【図4】図4は、本実施例におけるスロットマシンの構成図である。
【図5】図5は、本実施例における表示制御ユニットのブロック図である。
【図6】図6は、本実施例におけるテンプレートの構成説明図である。
【図7】図7は、本実施例におけるアドレス発生動作の説明図である。
【図8】図8は、本実施例におけるスロットマシンの他の正面図である。
【図9】図9は、本実施例における絵柄配列の例を示す説明図である。
【図10】図10は、本実施例における記憶装置の記憶内容を示すための説明図である。
【図11】図11は、本実施例におけるスロットマシンの他の正面図である。
【図12】図12は、本実施例におけるスロットマシンの表示部の表示説明図である。
【図13】図13は、本実施例における絵柄指定部の表示例を示す説明図である。
【図14】図14は、本実施例における表示制御ユニットの構成図である。
【図15】図15は、本実施例における画像入力システムの構成図である。
【図16】図16は、他の実施例における画像入力遊技システムの構成図である。
【図17】図17は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の遊技場の構成図である。
【図18】図18は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理装置の画面例を示す説明図である。
【図19】図19は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理装置の画面例を示す説明図である。
【図20】図20は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理装置の画面例を示す説明図である。
【図21】図21は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理装置の画面例を示す説明図である。
【図22】図22は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合のブロック図である。
【図23】図23は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理テーブルの説明図である。
【図24】図24は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理システムの概念を示す説明図である。
【図25】図25は、他の実施例における連絡先記憶部の説明図である。
【図26】図26は、他の実施例におけるフォーマット記憶部の説明図である。
【図27】図27は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の管理テーブルの説明図である。
【図28】図28は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の月次報告の画面例を示す説明図である。
【図29】図29は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の発生件数の画面例を示す説明図である。
【図30】図30は、他の実施例におけるセキュリティシステムに適用した場合の不正行為者一覧の画面例を示す説明図である。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2005-11-08 
出願番号 特願2002-37567(P2002-37567)
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (A63F)
最終処分 取消  
前審関与審査官 植野 孝郎  
特許庁審判長 二宮 千久
特許庁審判官 篠崎 正
白樫 泰子
登録日 2003-05-30 
登録番号 特許第3433935号(P3433935)
権利者 株式会社エース電研
発明の名称 遊技場管理システム  
代理人 大関 光弘  
代理人 三品 岩男  
代理人 大関 光弘  
代理人 柏原 健次  
代理人 三品 岩男  
代理人 柏原 健次  
代理人 西村 雅子  
代理人 西村 雅子  

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