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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G02F
管理番号 1135884
審判番号 不服2004-91  
総通号数 78 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1996-05-17 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-01-05 
確定日 2006-05-11 
事件の表示 平成 6年特許願第256839号「液晶表示デバイス」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年 5月17日出願公開、特開平 8-122812〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1.手続の経緯
平成 6年10月21日 特許出願
平成15年 8月 7日 拒絶理由通知
平成15年10月10日 手続補正
平成15年12月 1日 拒絶査定
平成16年 1月 5日 審判請求
平成16年 2月 2日 手続補正

第2.補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成16年2月2日付けの手続補正を却下する。

[理由]
1.補正後の発明
平成16年2月2日付けの手続補正(以下「本件補正」という)により特許請求の範囲の請求項1は下記のとおり補正された。



【請求項1】複数のゲート電極線と複数のソース電極線とが互いに交差するように配置され、前記ゲート電極線と前記ソース電極線との各交差部にそれぞれ一組のスイッチング素子と画素電極とが配設された画像表示領域を有するマトリクス基板を備える液晶表示デバイスであって、前記ゲート電極線または前記ソース電極線の各信号供給端子近傍に、前記ソース電極線より上に形成された絶縁膜を介して配設された補助電極線を有し、前記ゲート電極線または前記ソース電極線の各終端部近傍に前記絶縁膜を介して一端がそれぞれ連結され、前記補助電極線に前記絶縁膜を介して他端がそれぞれ連結される複数の中継線を有し、前記絶縁膜が前記ソース電極線と前記補助電極線とを絶縁する膜であることを特徴とする液晶表示デバイス。

上記補正は、補正前の請求項1に係る発明の「行信号電極線」及び「列信号電極線」を「ゲート電極線」及び「ソース電極線」と特定するとともに、「絶縁膜」を「前記ソース電極線と前記補助電極線とを絶縁する膜である」と限定するものであるから、特許法第17条の2第3項第2号の特許請求の範囲の減縮に相当する。

そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「補正発明」という)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第4項において準用する同法126条第3項の規定に適合するか)について以下に検討する。

2.引用例の記載等
本願出願前に頒布された特開平5-341312号公報(以下「引用例」という)には各図とともに以下の事項が記載されている。

(1)「【0001】【産業上の利用分野】この発明はアクティブマトリクス型液晶表示素子に係り、特に断線補修が容易に行えるアクティブマトリクス型液晶表示素子に関する。
【0002】【従来の技術】近年、各表示画素にスイッチ素子が設けられたアクティブマトリクス型液晶表示素子は、クロストークのない良好な表示が可能であることから、特に注目を集めている。アクティブマトリクス型液晶表示素子は、一対の電極基板が近接対向して設けられ、内部に液晶が封入されている。
【0003】一方の電極基板の内面には、複数本の信号線と走査線とがマトリクス状に配置され、各交点部分にスイッチ素子として設置されるTFT(薄膜トランジスタ)を介して画素電極が形成されて成っている。そして、TFTと各線との接続は、走査線がTFTのゲート電極に、信号線がTFTのドレイン電極に、そして画素電極がTFTのソース電極に接続されている。
【0004】従って、ゲート電極にゲート電圧が印加され、TFTがオンとされた画素電極にのみ信号線からの信号電圧が印加されるため、クロストークのない良好な表示画像を得ることができる。」

(2)「【0013】【実施例】以下に本発明の一実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子の等価回路図を示している。図1に示すように、このアクティブマトリクス型液晶表示素子(1)は、マトリクス状に配置される複数本の信号線(13)および走査線(15)の各交点部分にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(TFT)(17)を介して配置される画素電極(21)と、この画素電極(21)に対向する対向電極(121)と、画素電極(21)と対向電極(121)との間に挟持される液晶層(201)とを備えて成っている。そして、複数本の信号線(13)および走査線(15)は、夫々信号線駆動回路(111)および走査線駆動回路(113)に接続され、対向電極(121)は対向電極駆動回路(151)に接続されている。
【0015】図2は、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子(1)の概略構成図を示すものである。この図に示すように、複数の画素電極(21)によって構成される表示領域(31)を備えた第1の電極基板(11)上に、対向電極(121)を有する第2の電極基板(111)が設置されている。
【0016】そして、絶縁基板(10)上には、1本毎に上下に引き出された信号線(13)、走査線(15)および表示領域(31)を囲むように略コ字状の補修配線(41)が形成されている。
【0017】更に、略コ字状の補修配線(41)と信号線(13)との間には、絶縁膜(61)を介して一端が補修配線(41)に、他端が信号線(13)に重複するように接続用電極(51)が設置されている。」

(3)「【0026】次に、本発明の他の実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子(1)を図5および図6を参照して、上述した実施例と同一箇所には同一符号を付して説明する。
【0027】本実施例では、信号線(13)は絶縁基板(10)の上下に引き出され、その一端は略コ字状の補修配線(41)とゲート絶縁膜(図示せず)を介して交差し、他端は補修配線(41)に囲まれて配置されている。そして、信号線(13)と補修配線(41)との間には、第1の接続用電極(53)、第2の接続用電極(55)が絶縁膜(61)を介して夫々設置されている。
【0028】このような構成を得るには、例えば、TFT(17)のゲート電極および走査線(15)形成時に第1の接続用電極(53)、補修配線(41)を形成し、この上にゲート絶縁膜を用いて絶縁膜(61)を設置する。そして、信号線(13)の形成時に、信号線(13)の一端が絶縁膜(61)を介して第1の接続用電極(53)と一部重複するように、また絶縁膜(61)を介して一端が第1の接続用電極(53)と、他端が補修配線(41)と一部重複するように第2の接続用電極(55)を形成すれば良い。
【0029】また、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子(1)の信号線(13)の断線補修については、上述した実施例と同様に絶縁基板(10)側からレーザビームを照射することにより、信号線(13)と補修配線(41)とが交差する部分では信号線(13)と補修配線(41)とが直接短絡し、第1の接続用電極(53)と第2の接続用電極(55)を備えた部分では各接続用電極(53),(55)を介して信号線(13)と補修配線(41)とが短絡され、電気的な接続を得ることができる。
【0030】以上のように、本実施例のアクティブマトリクス型液晶表示素子(1)においても、上述した実施例と同様に表示領域の開口率を低減させることなく信号線(13)の冗長性を確保できる。また、更に信号線(13)の一端は補修配線(41)と交差することなく離間して配置されているため、製造途中に発生するごみ等の影響により補修配線(41)と信号線(13)とが短絡するといったことが軽減され、高い製造歩留まりが確保できる。
【0031】本発明においては、上述したように補修配線(41)の形態としては、信号線(13)と同時、あるいは走査線(15)と同時に形成しても良く、また別工程で設置しても良い。しかしながら、補修配線(41)の抵抗等を考慮すると、信号線(13)と同時に形成することが好ましい。また、上述した各実施例では、いずれも信号線(13)の補修配線(41)について示したが、走査線(13)についても同様に実施できることは言うまでもない。」

したがって、引用例には以下の発明(以下「引用発明」という)が記載されている。
「マトリクス状に配置される複数本の信号線および走査線の各交点部分にスイッチング素子として薄膜トランジスタを介して配置される画素電極と、この画素電極に対向する対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持される液晶層とを備え、複数の画素電極によって構成される表示領域を備えた第1の電極基板上に、対向電極を有する第2の電極基板が設置されて成っているアクティブマトリクス型液晶表示素子であって、信号線は第1の電極基板の上下に引き出され、信号線の一端は略コ字状の補修配線と絶縁膜を介して交差し、信号線の他端は補修配線に囲まれて配置され、信号線と補修配線との間に、信号線の他端が前記絶縁膜を介して第1の接続用電極と一部重複するように、また前記絶縁膜を介して一端が第1の接続用電極と、他端が補修配線と一部重複するように第2の接続用電極を形成した、アクティブマトリクス型液晶表示素子。」

3.対比
補正発明と引用発明を比較すると以下のとおりである。
(1)引用発明の「信号線」「走査線」「交点部分」「薄膜トランジスタ」「画素電極」「表示領域」「第1の電極基板」「絶縁膜」「補修配線」及び「アクティブマトリクス型液晶表示素子」は、それぞれ、補正発明の「ソース電極線」「ゲート電極線」「交差部」「スイッチング素子」「画素電極」「画像表示領域」「マトリクス基板」「絶縁膜」「補助電極線」及び「液晶表示デバイス」に相当する。
(2)引用発明は「マトリクス状に配置される複数本の信号線および走査線の各交点部分にスイッチング素子として薄膜トランジスタを介して配置される画素電極と、この画素電極に対向する対向電極と、画素電極と対向電極との間に挟持される液晶層とを備え、複数の画素電極によって構成される表示領域を備えた第1の電極基板上に、対向電極を有する第2の電極基板が設置されて成っているアクティブマトリクス型液晶表示素子」であるから、引用発明は、補正発明の「複数のゲート電極線と複数のソース電極線とが互いに交差するように配置され、前記ゲート電極線と前記ソース電極線との各交差部にそれぞれ一組のスイッチング素子と画素電極とが配設された画像表示領域を有するマトリクス基板を備える液晶表示デバイス」に相当する構成を有する。
(3)引用発明は「信号線は第1の電極基板の上下に引き出され、信号線の一端は略コ字状の補修配線と絶縁膜を介して交差し、」ており、また、「信号線の一端」は図5からみて信号電圧が印加される端子であるから、引用発明は、補正発明の「前記ソース電極線の各信号供給端子近傍に、絶縁膜を介して配設された補助電極線を有し」及び「前記絶縁膜が前記ソース電極線と前記補助電極線とを絶縁する膜である」に相当する構成を有する。
(4)引用発明は「信号線と補修配線との間に、信号線の他端が前記絶縁膜を介して第1の接続用電極と一部重複するように、また前記絶縁膜を介して一端が第1の接続用電極と、他端が補修配線と一部重複するように第2の接続用電極を形成した」ものであり、また、補正発明の「中継線」は「絶縁膜を介して連結される第1の中継線と第2の中継線とからなる」(請求項2)ものを包含するから、引用発明は、補正発明の「前記ソース電極線の各終端部近傍に前記絶縁膜を介して一端がそれぞれ連結され、前記補助電極線に前記絶縁膜を介して他端がそれぞれ連結される複数の中継線を有し」に相当する構成を有する。

したがって、補正発明と引用発明は、
「複数のゲート電極線と複数のソース電極線とが互いに交差するように配置され、前記ゲート電極線と前記ソース電極線との各交差部にそれぞれ一組のスイッチング素子と画素電極とが配設された画像表示領域を有するマトリクス基板を備える液晶表示デバイスであって、前記ゲート電極線または前記ソース電極線の各信号供給端子近傍に、絶縁膜を介して配設された補助電極線を有し、前記ゲート電極線または前記ソース電極線の各終端部近傍に前記絶縁膜を介して一端がそれぞれ連結され、前記補助電極線に前記絶縁膜を介して他端がそれぞれ連結される複数の中継線を有し、前記絶縁膜が前記ソース電極線と前記補助電極線とを絶縁する膜である液晶表示デバイス。」の点で一致し、以下の点で相違する。

(相違点)
補正発明の絶縁膜は「ソース電極線より上に形成された」ものであるのに対し、引用発明の絶縁膜は「ソース電極線より下に形成された」ものである点。

4.判断
引用例に「【0028】このような構成を得るには、例えば、TFT(17)のゲート電極および走査線(15)形成時に第1の接続用電極(53)、補修配線(41)を形成し、この上にゲート絶縁膜を用いて絶縁膜(61)を設置する。そして、信号線(13)の形成時に、信号線(13)の一端が絶縁膜(61)を介して第1の接続用電極(53)と一部重複するように、また絶縁膜(61)を介して一端が第1の接続用電極(53)と、他端が補修配線(41)と一部重複するように第2の接続用電極(55)を形成すれば良い。」と記載されているとおり、引用発明の液晶表示デバイスはゲート電極線の上にソース電極線を形成することを前提としたものであるが、液晶表示デバイスとしてソース電極線の上にゲート電極線を形成するタイプのものは例を上げるまでもなく周知であり、このタイプに引用発明を適用すれば絶縁膜は「ソース電極線より上に形成された」ものとなるから、補正発明の構成とすることは当業者が容易にできることである。
あるいは、引用例に「【0031】本発明においては、上述したように補修配線(41)の形態としては・・・別工程で設置しても良い。」と記載されており、該記載からみても、引用発明において、ソース電極線の上に絶縁膜を介して補修配線を形成し、補正発明の構成とすることは当業者が容易にできることである。

この点に関し審判請求人は、補正された審判請求書で以下のとおり主張している。
「引用文献1(当審注:「引用例」に相当)に記載の液晶表示素子は、図6および段落0028に記載されておりますように、補修配線と信号線の間にゲート絶縁膜が介在する構成のものであり、そして、ゲート絶縁膜の上には、信号線(ソース線)が形成されているものであります。・・・・
(4)本願発明と引用文献に記載の発明との比較
請求項1を補正して明確に致しましたように、本願発明における「絶縁膜」は、ソース電極より上に形成され、ソース電極線と補助電極線とを絶縁する膜でありまして、引用文献1に記載されている信号線(本願発明のソース電極線に相当)より下に形成された「ゲート絶縁膜」とは異なる膜であります。・・・
前記のように引用文献1に記載の発明は、補修配線と信号線との間にゲート絶縁膜が介在する構成のものであり、・・・引用文献における「ゲート絶縁膜」および「ゲート誘電体」は、本願発明における「ソース電極線より上に形成された絶縁膜を介して配設された補助電極線」なる構成における「絶縁膜」とは明らかに相違するものであります。
このように、引用文献1,2に記載の発明では、補助電極線と信号線との間に介在している絶縁膜がゲート絶縁膜を兼ねておりますが、このゲート絶縁膜の膜厚,材料は、スイッチング素子(TFT)のしきい値電圧,ゲート-ドレイン間およびゲート-ソース間の寄生容量値などに影響を与えるパラメータであり、TFTの基本特性、ひいては表示特性に多大なる影響を及ぼすパラメータであります。よって、例えば欠陥修復のための層間短絡加工工程の歩留まりを高めるために、ゲート絶縁膜の厚さ,材料を変更した場合、前記のTFT基本特性あるいは表示特性が変化することになり、この特性変化を相殺するための駆動電圧値などの駆動条件の変更、および、この変更によるゲート・ソースドライバの仕様変更が必要となり、膨大なコストがかかります。すなわち、歩留まり向上のために、膨大なコストが必要となり、現実的には、ゲート絶縁膜の厚さ,材料を変更することは不可能であり、その結果、層間短絡加工工程の歩留まり向上を図ることはできません。このように、ある特定の膜が多くの特性に影響を及ぼすような構成を採用することは、生産性を鑑みた場合には不適切であります。
しかしながら、本願発明では、この絶縁膜を「ゲート絶縁膜」とは異なる膜にすることができます。よって、絶縁膜が、ソース電極線上に形成され、その絶縁膜を介して、電極線と補助電極線とを接続するため、欠陥修復のために行う層間短絡加工工程の歩留まりを高め、かつ他の特性に影響を及ぼすことなく、絶縁膜の厚さ,材料を変えることができ、その結果、液晶表示デバイスの歩留まりを向上させることができる、という引用文献1,2に記載の発明では奏し得ない、液晶表示デバイスとして有利な効果を奏することができるのであります。」
しかしながら、特許請求の範囲では絶縁膜とゲート絶縁膜との関係は何ら特定されていないし、そもそも明細書にこの点に関する記載がない。
そうしてみれば、審判請求人の主張は、特許請求の範囲の記載にも明細書の記載にも基づかないものであって、採用できない。

したがって、補正発明は、引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

5.補正の却下の決定の結び
本件補正は、特許法等の一部を改正する法律(平成15年法第律47号)附則第2条第7項の規定によりなお従前の例によるものとされた同法第1条の規定による改正前の特許法第17条の2第4項において準用する同法第126条第3項の規定に違反するので、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


第3.本願発明
1.本願発明
平成16年2月2日付けの手続補正は上記「第2.補正の却下の決定」のとおり却下されたので、本願の請求項に係る発明は平成15年10月10日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし2に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1に係る発明は下記のものである(以下「本願発明」という)。



【請求項1】複数の行信号電極線と複数の列信号電極線とが互いに交差するように配置され、前記行信号電極線と前記列信号電極線との各交差部にそれぞれ一組のスイッチング素子と画素電極とが配設された画像表示領域を有するマトリクス基板を備える液晶表示デバイスであって、前記行信号電極線または前記列信号電極線の各信号供給端子近傍に、前記列信号電極線より上に形成された絶縁膜を介して配設された補助電極線を有し、前記行信号電極線または前記列信号電極線の各終端部近傍に前記絶縁膜を介して一端がそれぞれ連結され、前記補助電極線に前記絶縁膜を介して他端がそれぞれ連結される複数の中継線を有することを特徴とする液晶表示デバイス。

2.引用例の記載等
原査定の拒絶の理由に引用された引用例及びその記載事項は、上記「第2.補正の却下の決定」の「2.引用例の記載等」に記載したとおりである。

3.対比及び判断
本願発明は「第2.補正の却下の決定」で検討した補正発明の「ゲート電極線」及び「ソース電極線」を「行信号電極線」及び「列信号電極線」と上位概念化するとともに、絶縁膜について「前記ソース電極線と前記補助電極線とを絶縁する膜である」という事項を省いたものである。
そうすると、本願発明の特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する補正発明が、「第2.補正の却下の決定」に記載したとおり引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により引用例及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明することができたものである。

4.むすび
以上のとおり、本願発明は引用例に記載された発明及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-03-13 
結審通知日 2006-03-14 
審決日 2006-03-27 
出願番号 特願平6-256839
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G02F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山口 裕之  
特許庁審判長 平井 良憲
特許庁審判官 樋口 信宏
鈴木 俊光
発明の名称 液晶表示デバイス  
代理人 村山 光威  

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