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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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不服200312709 | 審決 | 特許 |
不服200216203 | 審決 | 特許 |
不服200321212 | 審決 | 特許 |
不服20028607 | 審決 | 特許 |
不服200313798 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 査定不服 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) B62J |
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管理番号 | 1135929 |
審判番号 | 不服2002-13631 |
総通号数 | 78 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-07-18 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-07-19 |
確定日 | 2006-05-08 |
事件の表示 | 平成11年特許願第310597号「電動補助自転車の電源用バッテリケース構造」拒絶査定不服審判事件〔平成12年7月18日出願公開、特開2000-198478〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件出願は、平成6年6月11日に出願した特願平6-152723号の一部を平成11年2月10日に新たな特許出願とした特願平11-32227号の一部を更に平成11年11月1日に新たな特許出願としたものであって、平成14年6月6日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年7月19日に拒絶査定に対する審判請求がなされた後、当審において、平成17年5月16日付けで拒絶理由が通知され、同年7月15日付けで手続補正がなされたものである。 2.本件明細書の記載 (1)【特許請求の範囲】の記載 上記平成17年7月15日付けの手続補正書により補正された明細書の【特許請求の範囲】の【請求項1】の記載は次のとおりのものである。(但し、下線は当審で付与。以下同じ。) 「【請求項1】 電動補助自転車のフレームは、ヘッドパイプから斜後下方に延出するダウンチューブと、前記ダウンチューブの下端で上方に湾曲して斜後上方に延出するシートチューブとを備え、前記フレームに沿って電源用バッテリケースが着脱自在に装着される電動補助自転車の電源用バッテリケース構造において、 前記電源用バッテリケース内部には、複数の円柱状バッテリを該バッテリケースの長手方向に配列した状態でこれらの円柱状バッテリを熱収縮フィルムにて被覆して一体化した電源用バッテリ群が内蔵され、 該電源用バッテリケースの上部にU字状把手が設けられるとともに、 前記バッテリケースの上面に係脱しうる係止部材と、前記係止部材を出没させるキー操作手段とが前記バッテリケースの上部に隣接したフレーム部分に設けられ、 前記バッテリケースの下部で、前記上面と対面する下面に臨む位置には、前記電源用バッテリ群に接続される放電用コネクタを備えたことを特徴とする電動補助自転車の電源用バッテリケース構造。」 (2)【発明の詳細な説明】の記載 本件明細書の【発明の詳細な説明】には以下の記載がある。 (ア)「電動補助自転車1のヘッドパイプ2からダウンチューブ3が斜後下方に指向して延出され、該ダウンチューブ3の下端で上方へ湾曲して斜後上方に指向してシートチューブ4が延出され、該ダウンチューブ3およびシートチューブ4でもって略V字状のメインフレーム5が構成され、該シートチューブ4の上端にシート6が設けられている。」(段落【0012】) (イ)「またヘッドパイプ2にステアリングシャフト7が旋回自在に嵌挿され、該ステアリングシャフト7の上端にステアリングハンドル8が一体に装着されるとともに該ステアリングシャフト7の下方に一体に延出した左右1対のフロントフォーク9の下端に前車輪10が回転自在に軸支されている。」(段落【0013】) (ウ)「……ダウンチューブ3を覆うサイドカバー23の傾斜した上面に長尺のバッテリケース25が着脱自在に装着されるようになっており、……」(段落【0018】) (エ)「さらにバッテリケース25は、図2ないし図3に図示されるように、ロアケース26とアッパケース27とに上下2分割され、……」(段落【0019】) (オ)「……バッテリケース25の前端左右両側にピン34を介してU字状把手35の両端が上下に揺動自在に枢着されている。」(段落【0022】) (カ)「……バッテリケース25の前端に隣接したサイドカバー23の左側前端部にコンビネーションスイッチ36が配設され、該コンビネーションスイッチ36の操作に連動してバッテリケース25をサイドカバー23に固定するロック装置37が該コンビネーションスイッチ36に隣接して設けられており、コンビネーションスイッチ36をオン位置に操作した場合にロック装置37のピン37aが突出してバッテリケース25のロアケース26の前端壁の係止孔26fに係合しうるようになっている。」(段落【0023】) (キ)「しかしてバッテリケース25のロアケース26およびアッパケース27の後部は、前記センターカバー24の底壁24d、24e、24f、24g、垂直側壁24hおよびフランジ部24iにそれぞれ当接しうるように構成されている。」(段落【0026】) (ク)「またロアケース26の後壁中央傾斜部26bには、図14に図示されるような左右1対の長孔26eが形成され、該ロアケース26の後壁中央傾斜部26bの内側には、図15ないし図17に図示されるような放電用コネクター38が固着されている。」(段落【0028】) (ケ)「さらにまた前記1対の接点端子39の下部後方には、バッテリケース25のロアケース26の1対の長孔26eに対応した個所にて、放電用コネクター38に開口38aが形成されている。」(段落【0030】) (コ)「また図7において、ロアケース26の両側壁26gの上端の係合凹凸条部26mとアッパケース27の両側壁27dの下端の係合凹凸条部27eとの係合を外せば、……」(段落【0038】) (3)【図面の簡単な説明】の記載 本件明細書の【図面の簡単な説明】には以下の記載がある。 (サ)「【図21】 バッテリケースの後部およびセンターケースの下部の縦断側面図である。 【図22】 バッテリケースのロアケースの後部平面図である。 【図23】 ヘッドパイプ近傍のバッテリケースの前部における要部切截断面図である。」 3.記載要件についての当審の判断 (1)本件明細書における用語の定義 上記(ア)ないし(サ)の記載によれば、各部材の構成に関して、地面に向かう方向を「下方」、その逆方向を「上方」と定義するとともに、電動補助自転車の進行方向を「前方」、その逆方向を「後方」と定義していることが明らかである。 また、上記(エ)ないし(サ)の記載によれば、バッテリケース25に関しては、これが電動補助自転車のフレーム(明細書の開示によればダウンチューブ3)の長手方向に沿って該フレームに付設された状態(図1,13,21,23に示す状態)において、バッテリケース25側からダウンチューブ3に向かう方向を「下方」、その逆方向を「上方」と定義していることが明らかであるとともに、電動補助自転車の進行方向を「前方」、その逆方向を「後方」と定義していることが明らかである。 (2)本件明細書における用語の定義に基づく記載事項 ここで、上記(1)の用語の定義に基づいて、本件明細書に記載されている事項を抽出すると、 「……前記フレームに沿って電源用バッテリケースが着脱自在に装着される電動補助自転車の電源用バッテリケース構造において、 …… 該電源用バッテリケースの前部にU字状把手が設けられるとともに、 前記バッテリケースの前面に係脱しうる係止部材と、前記係止部材を出没させるキー操作手段とが前記バッテリケースの前部に隣接したフレーム部分に設けられ、 前記バッテリケースの後部で、前記前面と対面する後面に臨む位置には、前記電源用バッテリ群に接続される放電用コネクタを備えた……電動補助自転車の電源用バッテリケース構造」 が記載されているといえる。 しかしながら、本件明細書には、「該電源用バッテリケースの上部にU字状把手が設けられ」ていること、「前記バッテリケースの上面に係脱しうる係止部材と、前記係止部材を出没させるキー操作手段とが前記バッテリケースの上部に隣接したフレーム部分に設けられ」ていること、「前記バッテリケースの下部で、前記上面と対面する下面に臨む位置には、前記電源用バッテリ群に接続される放電用コネクタを備えたこと」については、いずれの事項も記載あるいは示唆されていない。 (3)【特許請求の範囲】の【請求項1】の記載事項の検討 上記2.(1)のとおり、【特許請求の範囲】の【請求項1】には、 「…… 該電源用バッテリケースの上部にU字状把手が設けられるとともに、 前記バッテリケースの上面に係脱しうる係止部材と、前記係止部材を出没させるキー操作手段とが前記バッテリケースの上部に隣接したフレーム部分に設けられ、 前記バッテリケースの下部で、前記上面と対面する下面に臨む位置には、前記電源用バッテリ群に接続される放電用コネクタを備えたこと」 と記載されているが、上記(1)、(2)で検討したとおり、請求項1の上記記載事項に対応する事項は、本件明細書の発明の詳細な説明には記載されていないし、また、その記載から読み取ることができないことは明らかである。 したがって、請求項1に記載された特許を受けようとする発明は、本件明細書の発明の詳細な説明に記載したものであるとすることはできない。 また、「上部」、「上面」、「下部」、「下面」との記載は、当該発明を不明瞭とするものであるから、請求項1の記載が、特許を受けようとする発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものとすることはできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、本件出願は、特許請求の範囲の記載が不備のため、平成6年改正前特許法第36条第5項第1号及び第2号に規定する要件を満たしていない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-03-02 |
結審通知日 | 2006-03-08 |
審決日 | 2006-03-22 |
出願番号 | 特願平11-310597 |
審決分類 |
P
1
8・
534-
WZ
(B62J)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小山 卓志 |
特許庁審判長 |
鈴木 久雄 |
特許庁審判官 |
柴沼 雅樹 永安 真 |
発明の名称 | 電動補助自転車の電源用バッテリケース構造 |
代理人 | 中村 訓 |
代理人 | 小田 光春 |
代理人 | 江原 望 |