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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1138357 |
審判番号 | 不服2003-13139 |
総通号数 | 80 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1998-11-13 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2003-07-10 |
確定日 | 2006-06-15 |
事件の表示 | 平成 9年特許願第110598号「課税評価額算出システム」拒絶査定不服審判事件〔平成10年11月13日出願公開、特開平10-301990〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続きの経緯 本願は、平成9年4月28日の出願であって、平成15年5月29日に拒絶査定がなされ、これに対して同年7月10日に拒絶査定を不服とする審判請求がなされるとともに、同日に手続補正がなされたものである。 第2 平成15年7月10日付けの手続補正の補正の却下の決定について [補正却下の決定の結論] 平成平成15年7月10日付けの手続補正を却下する。 [理由] 平成15年7月10日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1〜3は、 「【請求項1】 区分建物を構成する各戸の専有面積に応じて各戸の課税評価額を算出する評価システムにおいて、 各戸の専有面積を格納した専有面積記憶手段と、 各区分建物の法定共有面積を格納した法定共有情報記憶手段と、 複数の区分建物を一つのグループとして管理するためのグループコードを備えた各区分建物の規約共有識別情報を格納した規約共有情報記憶手段と、 前記法定共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を前記専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の法定共有部分の評価額を算出する法定共有部分算出手段と、 前記規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求め、該規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積を前記専有面積記憶手段を参照することで求め、該規約共有部分の専有面積を該専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の規約共有部分の評価額を算出する規約共有部分算出手段と、 を備えることを特徴とする評価システム。 【請求項2】 前記規約共有情報記憶手段は、各区分建物の付属屋識別情報を格納し、 前記規約共有部分算出手段において、前記規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積と前記付属屋識別情報で特定される付属屋の専有面積との合計値を按分することで各戸の規約共有部分の評価額を算出することを特徴とする請求項1記載の評価システム。 【請求項3】 コンピュータに、 各区分建物の法定共有面積を格納した法定共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を各戸の専有面積を格納した専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の法定共有部分の評価額を算出する法定共有部分算出ステップと、 各区分建物の規約共有識別情報を格納した規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求め、該規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積を、複数の区分建物を一つのグループとして管理するためのグループコードを備えた各戸の専有面積を格納した記専有面積記憶手段を参照することで求め、該規約共有部分の専有面積を該専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の規約共有部分の評価額を算出する規約共有部分算出ステップと、 を動作させることを特徴とする評価プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。」と補正された。 上記補正は、請求項1の「規約共有情報記憶手段」について、「複数の区分建物を一つのグループとして管理するためのグループコードを備えた」と限定し、「規約共有部分算出手段」について、「前記規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求め」と限定したもの等であって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか否か(平成15年改正前特許法第17条の2第5項において読み替えて準用する同法第126条第4項の規定に適合するか)について以下に検討する。 1.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された、FACOM OS IV ARIS(固定資産税) 説明書,富士通株式会社,1987年2月28日,第2版(以下、「刊行物1」という。)には、 ア 「h. 区分所有の管理 ARIS(固定資産税)システムでは,区分所有の場合,部屋単位にその所有者と持分割合を把握し,区分所有者を共有マスタに登録して管理する. 区分所有物件(マンション)は,課税計算を行うとき,あくまで1件として扱い,算出された税額を区分所有者の持分割合によって按分する.また,持分割合によって税額を按分する場合,同一所有者の室番の異なるものは持分割合を名寄せして按分する.」(11頁左欄22行〜30行)、 イ 「(6)税額按分 区分所有物件は、持分割合による税額の按分を行う.また,特定共有土地に対しては,持ち分の割合を補正した割合によって按分する. a. 家屋按分 家屋按分税額は,持分按分の場合, 家屋按分税額=家屋固定資産税課税標準額 ×固定資産税率 ×家屋按分持分割合 で算出し,補正按分の場合, 家屋按分税額=家屋固定資産税課税標準額 ×固定資産税率 ×家屋按分持分補正 で算出する.」(128頁左欄22行〜35行)、 ウ 「図2.66 持分割合による按分の場合の例」(132頁)、 エ 「図2.67 持分割合の補正による按分の場合の例1」(132頁〜133頁)、 オ 「図2.68 持分割合の補正による按分の場合の例2」(134頁)が記載されている。 これらの記載ア〜イ及び図2.66〜2.68によれば、刊行物1には、区分所有物件(マンション)を構成する家屋の持分割合に応じて家屋の按分税額を算出するARIS(固定資産税)システムにおいて、部屋単位にその所有者と持分割合を把握し,区分所有者を共有マスタに登録して管理し、課税計算を行うとき,マンションは1件として扱い,算出された税額を区分所有者の持分割合によって按分、即ち、家屋按分税額=家屋固定資産税課税標準額×固定資産税率×家屋按分持分割合を算出し、同一所有者の室番の異なるものは持分割合を名寄せして按分するARISシステムの発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。 2.対比 そこで、本願補正発明と引用発明とを対比する。 引用発明の「区分所有物件」は、本願補正発明の「区分建物」に相当する。 引用発明の「家屋の持分割合に応じて家屋の按分税額を算出する」は、各住居の専有部分の床面積(の比率)に応じて各住居についての所望の金額を算出するといえ、また、本願補正発明の「課税評価額」は、上位概念すれば、所望の金額といえるから、本願補正発明と引用発明は、何れも、各戸の専有面積に応じて各戸の所望の価額を算出するシステムであるといえる。 引用発明の「共有マスタ」は、記憶手段といえ、引用発明の「区分所有物件(マンション)は,課税計算を行うとき,あくまで1件として扱い,算出された税額を区分所有者の持分割合によって按分する」は、その前提として、引用発明のシステムは各戸の専有面積比率に応じて按分することで算出する算出手段を備えているといえる。 したがって、本願補正発明と引用発明は、 「区分建物を構成する各戸の専有面積に応じて各戸の所望の金額を算出するシステムにおいて、記憶手段と、各戸の専有面積比率に応じて按分することで算出する算出手段と、を備えることを特徴とする評価システム。」の点で一致し、 以下の点で相違する。 相違点1 本願補正発明は、課税評価額を算出する評価システムであるのに対して、引用発明は、按分税額を算出するARIS(固定資産税)システムである点。 相違点2 本願補正発明では、記憶手段が、各戸の専有面積を格納した専有面積記憶手段と、各区分建物の法定共有面積を格納した法定共有情報記憶手段と、複数の区分建物を一つのグループとして管理するためのグループコードを備えた各区分建物の規約共有識別情報を格納した規約共有情報記憶手段と、であるのに対して、引用発明では、その記載がない点。 相違点3 本願補正発明では、算出手段が、前記法定共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を前記専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の法定共有部分の評価額を算出する法定共有部分算出手段と、前記規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求め、該規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積を前記専有面積記憶手段を参照することで求め、該規約共有部分の専有面積を該専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の規約共有部分の評価額を算出する規約共有部分算出手段と、であるのに対して、引用発明では、その記載がない点。 3.判断 以下、相違点1〜3について検討する。 相違点1について 一般に、課税評価額を算出することは、周知な事項である。 また、「建物の区分所有等の関する法律」(以下、「区分所有法」という。)、「地方税法」等、日本国の法令に規定されている事項は、周知されたものといえる。 建物の区分所有等の関する法律において、区分所有、専有部分、共用部分について規定され、地方税法において、固定資産税につき第341条から第441条まで規定され、これら法令に基づく、区分建物に係る固定資産税の算出と課税評価額の算出とでは基本において共通の計算方式が採用されることは明らかであるから、引用発明のARIS(固定資産税)システムから、同様なコンピュータを用いた算出システムである評価システムを創作することは、当業者が、格別困難なくなし得たことといえる。 してみると、引用発明を、課税評価額を算出することに適用し、課税評価額を算出する評価システムとすることは、当業者が容易になし得たことである。 相違点2について 区分所有法には以下ア〜エの規定がある。 ア 「(建物の区分所有) 第1条 1棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務 所又は倉庫その他建物としての用途に供することができるものがあるときは、 その各部分は、この法律の定めるところにより、それぞれ所有権の目的とする ことができる。 (定 義) 第2条 この法律において「区分所有権」とは、前条に規定する建物の部分(第4条第2項の規定により共用部分とされたものを除く。)を目的とする所有権をいう。 2 この法律において「区分所有者」とは、区分所有権を有する者をいう。 3 この法律において「専有部分」とは、区分所有権の目的たる建物の部分をいう。 4 この法律において「共用部分」とは、専有部分以外の建物の部分、専有部分に属しない建物の附属物及び第4条第2項の規定により共用部分とされた附属の建物をいう。 5 この法律において「建物の敷地」とは、建物が所在する土地および第5条第1項の規定により建物の敷地とされた土地をいう。 6 この法律において「敷地利用権」とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいう。 (区分所有者の団体) 第3条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行なうための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部供用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。 (共用部分) 第4条 数個の専有部分に通ずる廊下又は階段室その他構造上区分所有者の全員 又はその一部の共用に供されるべき建物の部分は、区分所有権の目的とならないものとする。 2 第1条に規定する建物の部分及び附属の建物は、規約により共用部分とすることができる。この場合には、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない。」 イ 「(共用部分の共有関係) 第11条 共用部分は、区分所有者全員の共有に属する。ただし、一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者の共有に属する。 2 前項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。ただし、第27条第1項の場合を除いて、区分所有者以外の者を共用部分の所有者と定めることはできない。 3 民法第177条の規定は、共用部分には適用しない。 第12条 共用部分が区分所有者の全員又はその一部の共有に属する場合には、その共用部分の共有については、次条から第19条までに定めるところによる。 (共用部分の使用) 第13条 各共有者は、共用部分をその用方に従って使用することができる。 (共用部分の持分の割合) 第14条 各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。 2 前項の場合において、一部共用部分(附属の建物であるものを除く。)で床面積を有する者があるときは、その一部共用部分の床面積は、これを共用すべき各区分所有者の専有部分の床面積の割合により配分して、それぞれの区分所有者の専有部分の床面積に算入するものとする。 3 前3項の床面積は、壁その他の区画の内側線で囲まれた部分の水平投影面積による。 4 前3項の規定は、規約で別段の定めをすることを妨げない。」 ウ 「(規約事項) 第30条 建物又はその敷地若しくは附属施設の管理又は使用に関する区分所有者相互間の事項は、この法律に定めるもののほか、規約で定めることができる。 2 一部共用部分に関する事項で区分所有者全員の利害に関係しないものは、区分所有者全員の規約に定めがある場合を除いて、これを共用すべき区分所有者の規約で定めることができる。 3 前2項の場合には、区分所有者以外の者の権利を害することができない。 」 エ 「(団地建物所有者の団体) 第65条 1団地内に数棟の建物があって、その団地内の土地又は附属施設(これらに関する権利を含む。)がそれらの建物の所有者(専有部分のある建物にあっては、区分所有者)の共有に属する場合には、それらの所有者(以下「団地建物所有者」という。)は、全員で、その団地内の土地、附属施設及び専有部分のある建物の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。 (建物の区分所有に関する規定の準用) 第66条 (略) (団地共用部分) 第67条 1団地内の附属施設たる建物(第1条に規定する建物部分を含む。)は、前条において準用する第30条第1項の規約により団地共用部分とすることができる。 この場合においては、その旨の登記をしなければ、これをもって第三者に対抗することができない 2 1団地内の数棟の建物の全部を所有する者は、公正証書により、前項の規約を設定することができる。 3 第11条第1項本文及び第3項並びに第13条から第15条までの規定は、団地共用部分に準用する。この場合において、第11条第1項本文中「区分所有者」とあるのは「第65条に規定する団地建物所有者」と、第14条第1項及び第15条中「専有部分」とあるのは「建物又は専有部分」と読み替えるものとする。」 上記規定より明らかなように、区分建物についての計算には、各戸の専用面積、各区分建物の法定共有面積、各区分建物の規約共有部分の識別情報、面積が必要であることは、周知である。そして、コンピュータシステムで算出するために、必要な情報を記憶手段に格納しておくことは必須であり、その場合、記憶手段を格納する情報に因んだ名称で名付けることは常套手段にすぎない。 また、規約共有部分については、その区分所有者毎に計算を行うものであるが、団地における複数の区分建物をグループ分けして管理できる場合は、そのグループ内では関係する区分所有者が同じとなるから、その識別情報を用いれば利便性が高いことは、明らかである。そして、コンピュータシステムの技術分野において、データをグループ分けするためにグループコードを用いることは周知なことである。 してみると、引用発明を、課税評価額を算出することに適用するに際し、記憶手段を、各戸の専有面積を格納した専有面積記憶手段と、各区分建物の法定共有面積を格納した法定共有情報記憶手段と、複数の区分建物を一つのグループとして管理するためのグループコードを備えた各区分建物の規約共有識別情報を格納した規約共有情報記憶手段とすることは、当業者が容易になし得たことである。 相違点3について 上述した区分所有法の規定をみると、各戸の課税評価額を算出するに場合、各戸の法定共有部分の評価額と、各戸の規約共有部部の評価額をそれぞれ算出する必要があることが導き出せる。そして、各戸の法定共有部分は、各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を各戸の専有面積比率に応じて按分することで、算出できること、及び各戸の規約共有部分は、各戸の属する区分建物の各規約共有部分の専有面積を求め、該法定共有面積を各戸の専有面積比率に応じて按分することで、算出できることは、明らかである。コンピュータシステムで算出するために、必要な情報を格納されている記憶手段から求め、該情報から算出手段を用いる算出することは周知である。 また、同一グループのものを識別して処理を行うときに採用される周知な事項を、各戸の規約共有部分の算出に適用できるから、各戸の属する区分建物の規約共有部について、識別情報を活用し、該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求めることとすることは、当業者が格別困難なくなし得たことである。 してみると、引用発明を、課税評価額を算出することに適用するに際し、前記法定共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を前記専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の法定共有部分の評価額を算出する法定共有部分算出手段と、前記規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を該区分建物と同一グループとして管理されている区分建物を含めて求め、該規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積を前記専有面積記憶手段を参照することで求め、該規約共有部分の専有面積を該専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の規約共有部分の評価額を算出する規約共有部分算出手段を用いることは、当業者が容易に想到できたものと認められる。 したがって、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 4.むすび 以上のとおり、本件補正は、平成15年改正前特許法第17条の2第5項において読み替えて準用する同法第126条第4項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。 第3 本願発明について 平成15年7月10日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成14年7月15日付け手続補正書によって補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「【請求項1】 区分建物を構成する各戸の専有面積に応じて各戸の課税評価額を算出する評価システムにおいて、 各戸の専有面積を格納した専有面積記憶手段と、 各区分建物の法定共有面積を格納した法定共有情報記憶手段と、 各区分建物の規約共有識別情報を格納した規約共有情報記憶手段と、 前記法定共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の法定共有面積を求め、該法定共有面積を前記専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の法定共有部分の評価額を算出する法定共有部分算出手段と、 前記規約共有情報記憶手段から各戸の属する区分建物の規約共有部分識別情報を求め、該規約共有部分識別情報で特定される規約共有部分の専有面積を前記専有面積記憶手段を参照することで求め、該規約共有部分の専有面積を該専有面積記憶手段を参照して求めた各戸の専有面積比率に応じて按分することで、各戸の規約共有部分の評価額を算出する規約共有部分算出手段と、 を備えることを特徴とする評価システム。」 1.引用例 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1及びその記載事項は、前記「第2 1.」に記載したとおりである。 2.対比・判断 本願発明は、前記「第2」で検討した本願補正発明から限定事項を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに発明特定事項を限定したものに相当する本願補正発明が前記「第2 2.」、「第2 3.」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものである。 3.むすび 以上のとおり、本願発明は、刊行物1に記載された発明及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-04-18 |
結審通知日 | 2006-04-18 |
審決日 | 2006-05-01 |
出願番号 | 特願平9-110598 |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 金子 幸一、貝塚 涼 |
特許庁審判長 |
田口 英雄 |
特許庁審判官 |
岡本 俊威 佐藤 敬介 |
発明の名称 | 課税評価額算出システム |
代理人 | 横山 淳一 |