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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C12N 審判 査定不服 特36 条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない。 C12N |
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管理番号 | 1139303 |
審判番号 | 不服2001-7018 |
総通号数 | 80 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-04-04 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-05-01 |
確定日 | 2006-07-05 |
事件の表示 | 平成11年特許願第270165号「HIV-1、HIV-2及びSIVタイプのレトロウイルスのゲノムからのヌクレオチド配列の翻訳生成物を含む免疫原化合物」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 4月 4日出願公開、特開2000- 93187〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成2年6月5日を国際出願日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1989年6月2日、フランス、1989年9月月20日、フランス)とする特願平2-508911号の一部を特許法第44条第1項の規定により、平成11年9月24日に新たな特許出願としたものであって、その請求項1に係る発明は、平成13年11月29日付手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。 「ポリペプチドであって、該ポリペプチドが、生物学的サンプルに基づき実施されたHIV1及び/又はHIV2及び/又はSIVタイプのウイルスの核酸配列の増幅方法によって増幅された核酸配列の翻訳産生物であり、そして下記のプライマー対: MMy1-MMy4、MMy2-MMy4、MMy1-MMy3、MMy4Bbis-MMy28bis、MMy5-MMy8、MMy6-MMy8、MMy6-MMy7bis、MMy7-MMy8、MMy5-MMy7bis、MMy26-MMy5bis、MMy8bis-MMy89、MMy8bis-MMy9bis、MMy89bis-MMy9bis、MMy25-MMy27、MMy26-MMy27、MMy30-MMy31bis、MMy31-MMy32bis、MMy9-MMy10bis、MMy9-MMy11、MMy9-MMy12、MMy10-MMy11、MMy12-MMy13bis、MMy12-MMy14、MMy13-MMy14、MMy15-MMy16bis、MMy15-MMy17、MMy16-MMy17、MMy18-MMy19、MMy18-MMy20、MMy20-MMy21bis、MMy20-MMy22、MMy21-MMy22、MMy23-MMy24、MMy28-MMy29bis、又はMMy29-MMy30bisの1つを用い、 該プライマーが下記に限定される配列、すなわち、 MMy1: TGG CGC CCG AAC AGG GAC TGG CGC CTG AAC AGG GAC MMy2: GGC CAG GGG GAA AGA AAA A GGC CCG GCG GAA AGA AAA A GGC CAG GAG GAA AGA AAA A MMy3: TGC CCA TAC AAA ATG TTT TA TGC CCA CAC TAT ATG TTT TA MMy4: TGC ATG GCT GCT TGA TG TGC ATA GCT GCC TGG TG MMy4B: CTT TGC ATG GCT GCT TGA TG CTC TGC ATA GCT GCC TGG TG MMy4Bbis: CAT CAA GCA GCC ATG CAA AG CAC CAG GCA GCT ATG CAG AG MMy28: AGG GCT GTT GGA AAT GTG G AGG GCT GTT GGA AAG GTG G MMy28bis: CCA CAT TTC CAG CAT CCC T CCA CAT TTC CAG CAG CCC T CCA CAT TTC CAG CAC CCC T MMy18: GAT AGA TGG AAC AAG CCC CAG MMy19: TCC ATT TCT TGC TCT CCT CTG T MMy29: TAA AGC CAG GAA TGG ATG GCC CAA TAA AGC CAG GAA TGG ATG GAC CAA MMy29bis: TTG GGC CAT CCA TTC CTG GCT TTA TTG GTC CAT CCA TTC CTG GCT TTA MMy30: TGG ACT GTC AAT GAC ATA CAG AA TGG ACT GTC AAT GAT ATA CAG AA MMy30bis: TTC TGT ATG TCA TTG ACA GTC CA TTC TGT ATG TCA TTG ACT GTC CA MMy31: CAT GGG TAC CAG CAC ACA AAG G MMy31bis: CCT TTG TGT GCT GGT ACC CAT G MMy32: TGG AAA GGT GAA GGG GCA GT TGG AAA GGT GAA GGA GCA GT MMy32bis: ACT GCC CCT TCA CCT TTC CA ACT GCC CCT TCT CCT TTC CA ACT GCC CCT TCC CCT TTC CA MMy12: AGA GAC TCT TGC GGG CGC GTG MMy13: ATA TAC TTA GAA AAG GAA GAA GG MMy13bis: CCT TCT TCC TTT TCT AAG TAT AT MMy14: AGC TGA GAC AGC AGG GAC TTT CCA MMy20: TAT GGA GGA GGA AAA GAG ATG GAT AGT MMy21: TAG CAC TTA TTT CCC TTG CTT T MMy21bis: AAA GCA AGG GAA ATA AGT GCT A MMy22: CCC TTG TTC ATC ATG CCA GTA T MMy23: ATG TCA GAT CCC AGG GAG A MMy24: CCT GGA GGG GGA GGA GGA GGA MMy5: CCA ATT CCC ATA CAT TAT TGT GCC CC MMy5bis: GGG GCA CAA TAA TGT ATG GGA ATT GG MMy6: AAT GGC AGT CTA GCA GAA GAA GA MMy7: ATC CTC AGG AGG GGA CCC AGA AAT T MMy7bis: AAT TTC TGG GTC CCC TCC TGA GGA T MMy8: GTG CTT CCT GCT GCT CCC AAG AAC CC MMy8bis: GGG TTC TTG GGA GCA GCA GGA AGC AC MMy9: ATG GGT GGC AAG TGG TCA AAA AGT AG ATG GGT GGC AAA TGG TCA AAA AGT AG MMy9bis: CTA CTT TTT GAC CAC TTG CCA CCC AT MMy78: TAT TAA CAA GAG ATG GTG G MMy89: CCA GCA AGA AAA GAA TGA A MMy89bis: TTC ATT CTT TTC TTG CTG G MMy10: AAA AGA AAA GGG GGG ACT GGA MMy10bis: TCC AGT CCC CCC TTT TCT TTT MMy11: AAA GTC CCC AGC GGA AAG TCC C MMy15: GAT TAT GGA AAA CAG ATG GCA GGT GAT MMy16: GCA GAC CAA CTA ATT CAT CTG TA MMy16bis: TAC AGA TGA ATT AGT TGG TCT GC MMy17: CTT AAG CTC CTC TAA AAG CTC TA MMy25: GTA AGT AGT ACA TGT AAT GCA ACC T MMy26: AGC AGA AGA CAG TGG CCA TGA GAG MMy27: ACT ACA GAT CAT CAA TAT CCC AA を有することを特徴とする、ポリペプチド。」(以下、「本願発明」という。) 2.引用例 これに対して、原査定の拒絶の理由に刊行物1として引用された本願優先日前に頒布された刊行物である特開昭62-217161号公報(以下、「引用例」という。)には、 (i)「ウイルスの単離体間で実質的に保存されておりそして該ウイルス中の核酸に特異的であり、そしてサンプル中に含有されると予想される核酸配列の存在又は不存在を検出又は監視する方法であって、 (a)前記サンプルを、前記核酸配列の各鎖のためのオリゴヌクレオチドプライマー、4種類の異るヌクレオシドトリホスフェート及び重合のための試薬により、一緒に又は別々に、ハイブリダイゼーション条件下で処理して、前記核酸配列の各鎖に実質的に相補的である各プライマーの延長生成物が合成されるように、こうして1方のプライマーから合成された延長生成物は、それがその相補体から分離された場合、他方のプライマーの延長生成物の合成のための鋳型として機能することでき; (b)サンプルを変性条件下で処理して、検出されるべき配列が存在すればプライマー延長生成物をそれらの鋳型から分離し; (c)段階(b)の生成物をオリゴヌクレオチドプライマーで処理して、段階(b)において生成した単鎖の各々を鋳型として用いてプライマー延長生成物が合成されるようにし、こうして検出されるべき配列が存在すればその増幅をもたらし;そして (d)前記サンプル中に検出されるべき配列が存在するか否かを決定する; ことを含んで成る方法。」(特許請求の範囲第1項)と記載され、 (ii)「HIVは非常に多様であるから、AIDS関連ウイルスの有意な割合を検出するために使用するために、ウイルスのバリアント間に共通な要素(本発明において定義する特異的プライマーが重合を開始することを可能にする長さを有する保存された領域)を見出すことが必要である。有意な割合とは、試験を診断的又は商業的に実施可能なものとするのに十分な個体の数を意味する。」(第6頁左上欄第5行〜第12行)と記載され、 (iii)「注目の関連ウイルスの間で実質的に保存されている領域から増幅されるべき配列を選択することができる。従って、プライマー及びプローブを任意の適当な手段により同定することができる。これは、該当するウイルスゲノム、例えばAIDSウイルスゲノム又は4種類の肝炎Bゲノムの公表されているヌクレオチド配列の領域を手仕事的に比較することにより行うことができる。 他の一層便利な方法は配列を比較するためにコンピュータープログラムを使用することである。この目的のために、ナショナル・バイオケミカル・リサーチ・ファウンデーションにより供給されるドッドマトリクスを用いる基礎コンピューターアルゴリズム用いる市販のプログラムを使用するのが便利である。このプログラムにおいては、注目の種々の核酸配列を入力し、そして塩基対の相同性のウインドウサイズを定義する。このプログラムは、異なる軸上の配列を比較するグラフィックを用い、そして少なくとも実質的な相同性が存在するドットが現れる、好ましくは、ウインドウサイズは6塩基以上である。 AIDSウイルスについては、ドットマトリクスプログラムは、ヌクレオカプシド遺伝子としても知られているゲノムのgag領域が4つのバリアントのコード領域の間で最も保存されていることを示す。次の最も保存されているコード領域はゲノムのpol領域及びそれに続くenv領域である。gagがコード領域中で最も保存されているため、これが配列を検出するためのプローブ及びプライマーを選択するための最も好ましい領域である。」(第7頁左上欄下から第4行〜同頁左下欄第6行)、 と記載されている。 3.対比・判断 本願発明は、HIV1及び/又はHIV2及び/又はSIVタイプのウイルス(以下単に「HIV」という。)由来のポリペプチドに係るものであって、当該HIV由来ポリペプチドは、これらHIVの核酸配列に対して、MMy1等の約15〜27bpの長さの50種類のプライマーを、特定の組み合わせで対にしたMMy1-MMy4等の35対のプライマー対のうちの1つを用い、核酸配列の増幅方法によって増幅された核酸配列の翻訳産生物であると解される。そして、本願明細書段落番号0022〜0033の記載からみて、上記MMy1等の50種類のプライマーは、HIV1の特定の株、HIV2の特定の株、及びSIVの特定の株間で共通する、コード領域の遺伝子由来の特異的核酸配列、または、HIV2の特定の株とSIVの特定の株間で共通する、コード領域の遺伝子由来の特異的核酸配列、もしくは、HIV1の特定の株間で共通する、コード領域の遺伝子由来の特異的核酸配列からなるものである。 これに対して、上記2.(iii)の記載事項にもあるように、引用例には、注目の関連ウイスル例えばAIDSウイスルゲノム間で実質的に保存された特異的配列をプライマーとして選択すること、及び、プライマーはAIDSウイルスゲノムの最も保存されたgag領域から選択し、他にはpol領域及びenv領域から選択できることが記載されている。また、引用例の実施例においては、AIDSウイルスであるHTLVIIIのgag領域からの1対のプライマーを用いてgag領域由来の約180bp核酸が増幅され、HTLVIIIサンプルのみを特異的に検出できたことも記載されている。 ところで、本願優先日前には、HIVの各種サブタイプ毎に、それぞれ複数の株について全長の塩基配列が決定されており、引用例に記載されているように、gag、pol及びenvなどのHIV抗原タンパク質ORFの位置も確定されていたばかりか、それぞれの配列を比較して、各HIVのサブタイプ間で保存性の高い配列や、HIVに特異的な配列についての検討もなされていたということができる。 また、HIVは、その塩基配列に関する知見と共に、HIV由来ポリペプチド、特に、gag、pol及びenv領域内の抗原性ポリペプチドについては、当該抗原ポリペプチドをHIVの診断に用いることが周知であるばかりか、当該抗原ポリペプチドをHIV抗体の作製やワクチン製造目的などのために用いようとすることも、本願優先日前から既に周知の事柄である。このことは、HIV塩基配列中の任意の位置の部分配列がコードするHIV特異的な抗原性ポリペプチドを作製することの十分な動機付けがあったことに他ならない。 そうしてみると、上述の如く、引用例においてgag領域からの1対のプライマーにより、gag領域由来の約180bp核酸が増幅され、HTLVIIIサンプルのみを特異的に検出できたことは、まさに他のウイルスから明確に識別される、極めてHIV特異的な約180bpのgag領域ポリペプチドに対応するDNAが提供されたことであるから、当該DNAを用いてHIV特異的抗原ポリペプチドを得ることは当業者が適宜なし得ることであるというべきである。さらに、引用例の手法であるAIDS関連ウイルス間の保存領域由来プライマーに挟まれた位置のHIV特異的配列を増幅する手法を、検出するウイルスとして、HIV1、HIV2及びSIV、あるいはHIV2とSIV、もしくはHIV1に着目し、それらの保存領域由来プライマーに挟まれた位置のHIV特異的配列を増幅させて発現させ、HIV特異的ポリペプチドを取得することは、本願優先日当時の技術水準からみて当業者であれば容易に想到できる事柄に過ぎないものである。 一方、本願発明においては、増幅のためのプライマー対としてMMy1-MMy4などの35対のセットが提案されているが、これらプライマー対で増幅されたDNAに対応するポリペプチドを実際に取得した実施例が明細書中に記載されているわけではなく、しかも、本願発明のポリペプチドのみが、特に抗原性の高いポリペプチド、もしくは極めて特異性の高いポリペプチドであること等の合理的な説明がなされているわけでもない。 そうであるから、本願発明において格別の効果が奏せられたものということもできない。 したがって、本願発明は、依然として引用例の記載に基づき当業者が容易になし得るものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることはできない。 4.特許法第36条第3項違反について 平成13年11月29日付手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項6には、以下のとおり記載されている。 「薬学的に許容可能な賦形剤と組み合わせて、請求項1〜4のいずれか1項記載のプライマーから選択されるアンチセンスヌクレオチドプライマーの少なくとも1つを含むことを特徴とする、レトロウイルス疾患の処置のための組成物。」 一方、原査定の拒絶の理由は、本願が、明細書及び図面の記載が特許法第36条第3項に規定する要件を満たしていないというものである。 その概要は、本願発明の詳細な説明中には、請求項1〜4に記載のプライマーを、実際にアンチセンスヌクレオチドとして使用して治療効果があることが予想されるような結果が得られたことが記載されおらず、レトロウイルス疾患の処置のための組成物について、当業者が容易にその実施をできる程度に、その発明の目的、構成、及び効果が記載されていないというものである。 これに対して本件請求人は、平成12年11月1日付け意見書に参考資料1を添付し、アンチセンス配列を選択し生成するためには、HIVのコード配列と効率的にハイブリダイズすることができる特異的オリゴヌクレオチド配列の知見が有用であり、HIVウイルスの特異的領域に相補的であるオリゴヌクレオチドのホスホロチオアートアナログが、ウイスルの増殖を有意に減少した例が参考資料1に記載されている旨主張している。 しかしながら、本願発明の詳細な説明中のアンチセンスヌクレオチドに関する記載としては、段落番号0078に「本発明は同様に、メチル化され及び/又は特にアデニン上に単数又は複数の硫黄原子を有するいくつかのヌクレオチドを含む上述のオリゴヌクレオチドにも関する。このようなオリゴヌクレオチドは2重らせんの安定性を増大させ、ひいては増幅すべきDNA鎖とより良くハイブリダイスするという特徴を有する。」という一般的な記載があるだけで、実施例等の具体的な記載はない。 そもそも、アンチセンス配列として遺伝子の発現を抑制する機能を有するためには、HIVの塩基配列と特異的にハイブリダイズするだけではなく、例えば、転写、翻訳を制御する領域等の効果的に発現抑制できる領域にハイブリダイズすること、適切な長さを有すること、及びヌクレアーゼで分解されない配列を有すること等のさまざまな要素を備えていることが必要であり、配列情報のみからアンチセンス配列として有効な位置が確定できないことは、本願優先日前の技術常識であったといえ、この点は上記参考資料1の記載からもうかがえる。 そうであるから、本願請求項6が引用する請求項1に記載の50種類のプライマーがいずれもHIVの核酸に特異的にハイブリダイスするものであったとしても、そのハイブリダイズする領域がHIVポリペプチドの発現を抑制することができる領域であるかについても、またプライマーの塩基配列がヌクレアーゼで分解されない配列であるかについても、全く考慮されていないので、本願請求項6に記載の発明については、本願発明の詳細な説明中に何ら開示されていないといえる。 また、参考資料1においても、特定の領域にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドのみが効果的に遺伝子の発現抑制ができることが記載されているにすぎず、本件請求人の上記主張の根拠にはなるものではない。 以上の理由により、本願発明の詳細な説明には、本願請求項6に記載の発明を当業者が容易にその実施をできるように、その目的、構成及び効果が記載されているものとは認められず、本願は特許法第36条第3項に規定する要件を満たしておらず、特許を受けることはできない。 5.付記 本件請求人は、当審からの平成17年7月6日付け審尋書に対して、平成18年1月12日付けで回答書を提出し、本願請求項1を10組のプライマー対で増幅された核酸配列の翻訳産物であるポリペプチドに限定し、請求項6を削除する補正案を示している。 そして、補正案の請求項1に記載された特定の10組のプライマー対については、審判請求書とともに参考資料1〜4を提示してその有利な効果を主張してきた。これらの資料によると、本願出願後の実験結果によって、使用する10組のプライマー対については、効率的な増幅が可能な優れたプライマー対であることが明らかになったことがうかがえるが、出願当初の明細書中にはこれら10組のプライマー対特記されておらず、その格別に優れた効果を予測させる記載もない。また、これら10組のプライマー対に格別な効果が存在したことが直ちに、これら10組のプライマー対により増幅された核酸配列の翻訳産生物としてのポリペプチドに格別な効果があることにはならない。 したがって、上記補正案の請求項1に係る発明についても、上記3.で述べた理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、このような手続補正の機会を与える必要は見い出せない。 6.むすび 以上のとおりであるから、他の請求項に係る発明については検討するまでもなく、本願は拒絶をすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2006-02-01 |
結審通知日 | 2006-02-07 |
審決日 | 2006-02-23 |
出願番号 | 特願平11-270165 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(C12N)
P 1 8・ 531- Z (C12N) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 六笠 紀子、鵜飼 健 |
特許庁審判長 |
佐伯 裕子 |
特許庁審判官 |
種村 慈樹 鈴木 恵理子 |
発明の名称 | HIV-1、HIV-2及びSIVタイプのレトロウイルスのゲノムからのヌクレオチド配列の翻訳生成物を含む免疫原化合物 |
代理人 | 津国 肇 |
代理人 | 津国 肇 |