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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C08J |
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管理番号 | 1143210 |
異議申立番号 | 異議2003-72962 |
総通号数 | 82 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2002-01-15 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2003-12-05 |
確定日 | 2006-07-06 |
異議申立件数 | 2 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3415103号「帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム及びその製造方法」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3415103号の請求項1、2に係る特許を取り消す。 |
理由 |
I.手続の経緯 本件特許第3415103号の請求項1〜2に係る発明は、平成12年6月28日に特許出願され、平成15年4月4日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、金子しの、新井ゆかりより、請求項1〜2に係る発明の特許に対し特許異議の申立がなされ、請求項1〜2に係る発明の特許に対し取消理由が通知され、その指定期間内である平成17年3月8日付けで特許異議意見書とともに訂正請求書が提出されたものである。 II.訂正請求について 1.訂正の内容 訂正事項a 請求項1に記載の「少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、下記化合物群(A-1)〜(A-3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン系界面活性剤(A)99〜10質量%と、下記化合物群(B-1)〜(B-4)から選ばれる少なくとも1種類の非イオン系界面活性剤(B)1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。 (A-1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルスルホン酸塩 (A-2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチレンオキサイド付加物 (A-3)高級脂肪酸塩 (B-1)脂肪族アルカノールアミド (B-2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリコール等のエチレンオキサイド付加物 (B-3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B-4)ポリグリセリン脂肪酸エステル」を 「少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。」と訂正する。 訂正事項b 請求項2に記載の「未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、下記化合物群(A-1)〜(A-3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン系界面活性剤(A)99〜10質量%と、下記化合物群(B-1)〜(B-4)から選ばれる少なくとも1種類の非イオン系界面活性剤(B)1〜90質量%とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。 (A-1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルスルホン酸塩 (A-2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチレンオキサイド付加物 (A-3)高級脂肪酸塩 (B-1)脂肪族アルカノールアミド (B-2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリコール等のエチレンオキサイド付加物 (B-3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B-4)ポリグリセリン脂肪酸エステル」を 「未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。」と訂正する。 訂正事項c 明細書段落【0009】に記載の「すなわち、本発明は、少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、下記化合物群(A-1)〜(A-3)から選ばれる少なくとも1種類のアニオン系界面活性剤(A)99〜10質量%と、下記化合物群(B-1)〜(B-4)から選ばれる少なくとも1種類の非イオン系界面活性剤(B)1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とする。 (A-1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルスルホン酸塩 (A-2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチレンオキサイド付加物 (A-3)高級脂肪酸塩 (B-1)脂肪族アルカノールアミド (B-2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリコール等のエチレンオキサイド付加物 (B-3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B-4)ポリグリセリン脂肪酸エステル。」を 「すなわち、本発明は、少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とする。」と訂正する。 訂正事項d 明細書段落【0014】に記載の「本発明において、フィルムに塗布する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤(A)と、非イオン系界面活性剤(B)とを組み合せることが必要である。本発明において、アニオン系界面活性剤(A)とは、下記化合物群(A-1)〜(A-3)から選ばれる少なくとも1種類の界面活性剤を指す。 (A-1)アルキルスルホン酸塩及びアルキルアリルスルホン酸塩 (A-2)高級アルコール硫酸エステル塩及びそのエチレンオキサイド付加物 (A-3)高級脂肪酸塩 ここで(A-1)のアルキル基はC8〜C18が望ましく、好適にはドデシルベンゼンスルホン酸が使用できる。塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはトリエタノールアミン塩が好適に使用できる。また、ジエステル型のスルホコハク酸塩(C8〜C16)を用いることもできる。(A-2)の高級アルコールのアルキル基はC12〜C18が望ましく、好適にはラウリル(C12)、セチル(C16)、ステアリル(C18)、オレイル(C18)が望ましい。高級アルコールにエチレンオキサイドを付加させたものも同等に使用可能であるが、エチレンオキサイド付加モル数は2〜4が望ましい。(A-3)の高級脂肪酸はC12〜C18が望ましく、好適にはラウリン酸(C12)、オレイン酸(C18)等の単一の飽和あるいは不飽和脂肪酸が用いられる。また、ヤシ油脂肪酸、牛脂脂肪酸等の混合脂肪酸も使用できる。上記のアニオン系界面活性剤は、水溶性あるいは水分散性を満足させるものであるならば単独、併用は問わない。本発明で特に好適に使用されるアニオン系界面活性剤は(A-1)のアルキルスルホン酸塩及び/またはアルキルベンゼンスルホン酸塩である。」を 「本発明において、フィルムに塗布する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤(A)と、非イオン系界面活性剤(B)とを組み合せることが必要である。本発明において、アニオン系界面活性剤(A)とは、アルキルスルホン酸塩を指す。 ここでアルキルスルホン酸塩のアルキル基はC8〜C18が望ましい。塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはトリエタノールアミン塩が好適に使用できる。また、ジエステル型のスルホコハク酸塩(C8〜C16)を用いることもできる。」と訂正する。 訂正事項e 明細書段落【0015】に記載の「本発明において、非イオン系界面活性剤(B)とは、下記化合物群(B-1)〜(B-4)から選ばれる少なくとも1種類の界面活性剤を指す。 (B-1)脂肪族アルカノールアミド (B-2)高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミド、ポリプロピレングリコール等のエチレンオキサイド付加物 (B-3)ソルビット、ソルビタン脂肪酸エステル及び/またはそのエチレンオキサイド付加物 (B-4)ポリグリセリン脂肪酸エステル ここで(B-1)の脂肪族アルカノールアミドは高級脂肪酸とアルカノールアミドの縮合によって合成される。高級脂肪酸は特に限定されないが、C12〜C20の脂肪酸が好適に使用できる。具体的にはラウリン酸およびヤシ油脂肪酸が望ましい。(B-2)の高級アルコール、アルキルフェノール、脂肪酸、脂肪族アミン、脂肪族アミドのアルキル基はC8〜C22が好適に使用できる。エチレンオキサイド付加モル数は結合している疎水基にもよるが通常2〜20モルが選ばれる。ポリプロピレングリコールは分子量500〜5000が好適に使用できる。(B-3)の脂肪酸はC12〜C18が好適に使用できる。(B-4)の脂肪酸はC12〜C18が好適に使用できる。またグリセリンはジ、テトラ、デカのいずれかから選ばれるが、デカが好ましい。上記の非イオン系界面活性剤は水溶性あるいは水分散性を満足させるものであるならば単独、併用は問わない。本発明で特に好適に用いられる非イオン系界面活性剤は、(B-1)の脂肪族アルカノールアミドである。」を 「本発明において、非イオン系界面活性剤(B)とは、脂肪族アルカノールアミドを指す。 ここで脂肪族アルカノールアミドは高級脂肪酸とアルカノールアミドの縮合によって合成される。高級脂肪酸は特に限定されないが、C12〜C20の脂肪酸が好適に使用できる。具体的にはラウリン酸およびヤシ油脂肪酸が望ましい。上記の非イオン系界面活性剤は水溶性あるいは水分散性を満足させるものである。」と訂正する。 訂正事項f 明細書段落【0026】に記載の「また、実施例で使用した界面活性剤は下記のとおりである。 A-1:アルキルスルホン酸塩(三洋化成社製 ケミスタット3033N) A-2:ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸エステルソーダ塩(松本油脂製薬社製 アクチノール SL-3) A-3:ヤシ脂肪酸カリ石鹸(松本油脂製薬社製 TY-1012) B-1:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(三洋化成社製 ケミスタット2500) B-2:ポリエチレングリコールモノラウレート(松本油脂製薬社製 ブリアンL) B-3:ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(松本油脂製薬社製 シルバン T-20) B-4:デカグリセリンモノラウレート(松本油脂製薬社製 ブリアンPE-L100)」を 「また、実施例で使用した界面活性剤は下記のとおりである。 A-1:アルキルスルホン酸塩(三洋化成社製 ケミスタット3033N) B-1:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(三洋化成社製 ケミスタット2500)」と訂正する。 訂正事項g 明細書段落【0028】に記載の「実施例2〜8」を「実施例2〜5」と訂正する。 訂正事項h 明細書段落【0029】に記載の「実施例9」を「実施例6」と訂正する。 訂正事項i 明細書段落【0030】に記載の事項を削除する。 訂正事項j 明細書段落【0032】に記載の表1の記載を次のとおり訂正する。 「【表1】 」 訂正事項k 明細書段落【0033】に記載の「表1に示したように、実施例1〜11の二軸延伸フィルムは、」を「表1に示したように、実施例1〜6の二軸延伸フィルムは、」と訂正する。 2.訂正の適否について 訂正事項aは、訂正前の請求項1に記載された界面活性剤について、また、訂正事項bは、訂正前の請求項2に記載された界面活性剤について、それぞれ明細書段落【0014】、明細書段落【0015】で例示された界面活性剤に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。 訂正事項c〜訂正事項kは、特許請求の範囲の訂正に伴う、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 そして、いずれの訂正事項も、明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものではない。 3.むすび 以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項から第4項までの規定に適合するので、当該訂正を認める。 III.本件発明 訂正後の請求項1〜2に係る発明は、訂正明細書の請求項1〜2に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。 【請求項2】未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。」 IV.特許異議申立について 1.特許異議申立の概要 特許異議申立人 金子しのは、甲第1号証(特開平10-86307号公報)、甲第2号証(特開昭55-56177号公報)、甲第3号証(特開昭49-78734号公報)、甲第4号証(「実用プラスチック事典 材料編」株式会社産業調査会、1999年8月10日初版第4刷発行、829頁〜835頁)を提出して、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第1号証に記載された発明であるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第1項第3号の規定に違反してされたものであり、また、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、さらに、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、その明細書の記載が不備であるから、特許法第36条に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたものであるから、取り消されるべき旨主張し、 特許異議申立人 新井ゆかりは、甲第1号証(特開平10-86307号公報)、甲第2号証(特開平10-101816号公報)、甲第3号証(特開平11-256143号公報)、甲第4号証(特開平7-70556号公報)を提出して、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、前記甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべき旨主張している。 2.当審の取消理由通知の概要 当審の取消理由通知の概要は、訂正前の請求項1〜2に係る発明は、刊行物1(特開平10-86307号公報:特許異議申立人 金子しのが提出した甲第1号証、特許異議申立人 新井ゆかりが提出した甲第1号証)、刊行物2(特開昭55-56177号公報:特許異議申立人 金子しのが提出した甲第2号証)、刊行物3(特開昭49-78734号公報:特許異議申立人 金子しのが提出した甲第3号証)、刊行物4(「実用プラスチック事典 材料編」株式会社産業調査会、1999年8月10日初版第4刷発行、829〜835頁:特許異議申立人 金子しのが提出した甲第4号証)、刊行物5(特開平10-101816号公報:特許異議申立人 新井ゆかりが提出した甲第2号証)、刊行物6(特開平11-256143号公報:特許異議申立人 新井ゆかりが提出した甲第3号証)、刊行物7(特開平7-70556号公報:特許異議申立人 新井ゆかりが提出した甲第4号証)に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1〜2に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、取り消されるべきである、というものである。 3.当審の取消理由通知の妥当性について検討する。 (1)訂正された請求項1〜2に係る発明の特許が、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるか否かについて (i)刊行物に記載された事項 刊行物1(特開平10-86307号)には、以下の事項が記載されている。 ア.「【請求項1】 脂肪族ポリエステル100重量部に対し、滑剤及びアンチブロッキング剤からなる群より選ばれた少なくとも1種の添加剤0.1〜2重量部を含む脂肪族ポリエステル樹脂組成物からなる脂肪族ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止剤または防曇剤を含有する水性塗工液を塗布して形成された被膜を有する脂肪族ポリエステル塗工フィルム。 ・・・ 【請求項3】 脂肪族ポリエステルが乳酸系ポリマーである請求項1記載の脂肪族ポリエステルフィルム。 ・・・ 【請求項6】 帯電防止剤が、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、ノニオン型帯電防止剤及びベタイン型帯電防止剤からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物である請求項5記載の脂肪族ポリエステル塗工フィルム。 【請求項7】 脂肪族ポリエステルフィルムが、縦方向に1.3〜5倍、横方向に1.3〜5倍延伸された2軸延伸フィルムである請求項4記載の脂肪族ポリエステル塗工フィルム。」 イ.「【0004】しかしながら、脂肪族ポリエステルのフィルムは、電気絶縁性が大きく、静電気による帯電を受けやすいという欠点があり、フィルムの巻き取りやスリット時に作業者が感電したり、印刷等の2次加工時にフィルムの走行が不安定になったり、張りつきによって作業性を著しく低下させ、さらには火花放電による発火事故等をも引き起こしていた。また、製品として使用する時には、ゴミや塵埃の付着が起るといった問題を生じていた。このため、脂肪族ポリエステルのフィルムには、帯電防止性を付与することが求められていた。 【0005】一般に、プラスチックフィルムに帯電防止性を付与する方法として、界面活性剤のような帯電防止剤を樹脂に練り込む方法がとられているが、本願発明者らが、脂肪族ポリエステルのフィルムに適用したところ、ある種の帯電防止剤については帯電防止性が得られるものの、(1)帯電防止効果が小さく、多量に添加する必要があり、フィルムの機械的強度の低下を招く、(2)帯電防止剤が表面にブリードしにくく、帯電防止効果が発現されるまでに相当の時間がかかる、(3)帯電防止効果の持続性に乏しい等の問題があり、工業製品として満足のできるフィルムは得られていない。また、従来、野菜類を栽培するに当たってポリ塩化ビニル、ポリエチレン、エチレン・酢ビの共重合体などの合成樹脂フィルムのハウス内で行うことによって気温の低い時期でも栽培を可能にする方法が採られている。この場合使用する合成樹脂フィルムは太陽光線を常時透過させる必要があることから、合成樹脂フィルム表面の水分による曇りの発生を防止することが必要であった。そのため、あらかじめ樹脂に防曇剤を練り込む方法やフィルム表面に防曇性の被膜を形成する方法が行われてきた。例えば、特開昭61-53038公報には、ポリエチレンテレフタレートフィルムの表面に防曇性の被膜を形成した農業用ポリエチレンテレフタレートフィルムが開示されている。しかし、該農業用ポリエチレンテレフタレートフィルムは、防曇性被膜の密着性が充分でなく、長期間展張した場合に剥離、脱落し、その効果が長期間持続しない。」 ウ.「【0026】フィルムに帯電防止性を付与するために用いる帯電防止剤としては、例えば、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、ベタイン型、第4級アンモニウム塩基を有するアクリルポリマー、イオネンポリマー、リン酸塩化合物、リン酸エステル化合物等のイオン伝導性のもの、酸化スズ、酸化アンチモン等の金属酸化物、アルコキシシラン、アルコキシチタン、アルコキシジルコニウム等の金属アルコキシド及びその誘導体、コーテッドカーボン、コーテッドシリカ等より選ばれる1種もしくは複数を組み合わせて用いることができる。 【0027】アニオン型の帯電防止剤としては、例えば、脂肪酸塩類、硫酸化油、硫酸化エステル油、硫酸化アミド油、オレフィンの硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、脂肪酸エチルスルフォン酸エステル塩類、アルキルスルフォン酸塩類、アルキルナフタレンスルフォン酸塩類、アルキルベンゼンスルフォン酸塩類等が挙げられる。カチオン型の帯電防止剤としては、例えば、脂肪族アミン塩類、第4級アミン塩類、アルキルピリジリウム塩類等が挙げられる。 【0028】ノニオン型の帯電防止剤としては、例えば、ソルビタンやペンタエリスリトールのような多価アルコールの部分的脂肪酸エステルおよびそのエチレンオキサイド付加物、脂肪族アルコールのエチレンオキサイド付加物、脂肪酸のエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、アルキルアミンまたは脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。ベタイン型帯電防止剤としては、例えば、アルキルアミノ-カルボン酸ベタイン化合物、イミダゾリン誘導体等が挙げられる。」 エ.「【0033】次に、脂肪族ポリエステルフィルムの片面、または両面に帯電防止層または防曇層を形成する方法について説明する。帯電防止層または防曇層は、脂肪族ポリエステルフィルムの片面、または両面に上記帯電防止剤または防曇剤を含む水性塗工液を塗布、乾燥することにより形成する。水性塗工液を塗布する方法は、公知の方法が適用できる。すなわち、スプレーコート法、エアーナイフ法、リバースコート法、キスコート法、グラビアコート法、メタリングバー法、ロールブラッシュ法、ディップコート法、カレンダーコート法、スキーズコート法、ファンテンコート法等が適用できる。例えば、未延伸フィルムの場合には、Tダイを装着した押出機を用いて成形した未延伸フィルムに、水性塗工液を塗布して、乾燥炉に入れて乾燥する。フィルムに直接送風して乾燥してもよい。この場合、塗布後の乾燥温度により、結晶化およびそれによる白化を起こす恐れがあるので、フィルムの温度は、80℃以下に維持することが好ましい。 【0034】1軸延伸フィルムの場合には、未延伸フィルムに水性塗工液を塗布し、一軸延伸後、未延伸フィルムと同様に乾燥する。2軸延伸フィルムの場合には、未延伸フィルムに水性塗工液を塗布し、逐次あるいは同時2軸延伸する方法、縦延伸されたフィルムに水性塗工液を塗布し、次いで横方向に延伸する方法、あるいは2軸延伸したフィルムに水性塗工液を塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法が挙げられる。ロール延伸法等により縦延伸したフィルムに水性塗工液を塗布し、40〜80℃で乾燥を行い、あるいは乾燥を行わず、フィルムをただちに横方向に延伸し、上記条件で熱処理を行う方法が好ましい。この方法において水性塗工液を塗布した直後に乾燥を行わない場合は、2軸延伸を行った後の熱処理の際に乾燥を同時に実施する。この方法によれば、横延伸を行うテンター内におけるフィルムの予熱と乾燥が同時に可能となるので、省エネルギーの点で有利である。尚、水性塗工液のフィルムへの塗布性、被膜のフィルムへの接着性を改善するため、塗布前に、フィルムの表面にコロナ放電処理、紫外線照射処理、プラズマ処理等を施して表面を活性化させてもよい。」 オ.【0055】表1には、帯電防止剤層を有する乳酸系ポリマーフィルムの表面固有抵抗値が1010Ω以下のものが記載されている。 刊行物3には、以下の事項が記載されている。 カ.「スルホン酸塩型アニオン活性剤0.01ないし3.0重量%と次式(I)およびまたは(II) ただしRは炭素数10ないし22のアルキル基またはアルキルアリール基,R’はHまたはCH3-基,Xは-C(=O)-O-,-C(=O)-NH-,-CH2O-,または-CH2NH-基,Yは-CH2N=または-C(=O)N=基でl,mおよびnは1ないし20の整数を有するアルキレンオキシド型ノニオン活性剤0.01ないし3.0%を熱可塑性樹脂に含有させることを特徴とする熱可塑性樹脂の帯電防止法。」(特許請求の範囲) キ.「本発明はスルホン酸塩型アニオン活性剤とアルキレンオキシド型ノニオン活性剤を熱可塑性樹脂に含有させる熱可塑性樹脂の帯電防止法に関する。・・・これらの樹脂に帯電防止性を与えるために,界面活性剤の塗布または混練が行われたが前者は一時的にすぐれた防電性を与えるが,界面活性剤が,摩擦,接触または水洗などで簡単に除去され,長期にわたる防電性は得られずまた後者によれば,効果の発揮までに長時間を要する。」(1頁右下欄4〜16行) ク.「本発明はこれらの欠点を改良したもので,スルホン酸塩型アニオン活性剤0.01ないし3.0重量%と,次式(I)およびまたは(II)・・・を有するアルキレンオキシド型ノニオン活性剤0.01ないし3.0%を熱可塑性樹脂に含有させることを特徴とする熱可塑性樹脂の帯電防止法で,表面抵抗を減少し表面状態が良好でありかつ,透明性のすぐれた熱可塑性樹脂を有利に提供することを目的とする。 熱可塑性樹脂には,ポリ塩化ビニル,ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,ABS樹脂,ポリアミド,ポリエステル,ポリアクリロニトリル,ポリ(メタ)アクリレートなどがあり成型品,成型材料,フイルム,シートまたは繊維製品に適用できる。 スルホン酸塩型アニオン活性剤としては,炭素数8ないし20のアルキルスルホン酸またはアルキルアリールスルホン酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属があり,アルカリ金属はナトリウム,カリウム,・・・である。」(2頁左上欄2行〜右上欄16行) ケ.「(I)または(II)式のアルキレンオキシド型ノニオン活性剤は,炭素数8ないし22とくに12ないし18の・・・脂肪族アミドのエチレンオキシド・・・付加物がある。たとえば・・・ラウロイルアミド・・・などのエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド付加物があげられる。」(2頁左下欄4〜16行) コ.「次に本発明の実施例を示す。部は重量部で表わしなお,実施例中のスルホン酸塩型アニオン活性剤は,平均炭素数15の混合アルキルスルホン酸ソーダ(ASという)・・・,またアルキレンオキシド型ノニオン活性剤においてステアリルアルコールのエチレンオキシド2モル付加物(ステアリルアルコールEO-2という),ラウリルアミンのプロピレンオキシド4モル付加物(ラウリルアミンPO-4という)のように記す。」(2頁右下欄3〜12行) サ.「実施例2 ポリスチレン(・・・)に防電剤(活性剤)を混練した。」(3頁右上欄3〜5行) シ.「 」(3頁左下欄) (ii)対比・判断 【1】訂正後の請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)について 刊行物1には、脂肪族ポリエステルフィルムの少なくとも片面に、帯電防止剤を含有する水性塗工液を塗布して形成された被膜を有する脂肪族ポリエステル塗工フィルムが記載され、脂肪族ポリエステルが乳酸系ポリマーであることも記載され、さらに、脂肪族ポリエステルフィルムが、縦方向に1.3〜5倍、横方向に1.3〜5倍延伸された2軸延伸フィルムであることも記載されている(記載ア.)。そして、刊行物1に記載されている、帯電防止剤は、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、ノニオン型帯電防止剤及びベタイン型帯電防止剤からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物であり、これらのアニオン型帯電防止剤としては、アルキルスルフォン酸塩類が記載され、ノニオン型帯電防止剤としては、脂肪酸アミドのエチレンオキサイド付加物が記載されている(記載ア.、記載ウ.)から、結局、これらの帯電防止剤は、本件発明1の界面活性剤に相当するといえる。 そこで、本件発明1と刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、「少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層を有し、帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。」の点で一致し、次の点で相違している。 (ア)界面活性剤の配合量について、本件発明1が「アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%」としているのに対し、刊行物1に記載された発明では、界面活性剤についてそのような記載がない点 (イ)表面固有抵抗について、本件発明1が「1011Ω以下である」としているのに対し、刊行物1に記載された発明では、そのような記載がない点 上記相違点について、以下検討する。 相違点(ア)について 刊行物1に記載された界面活性剤(帯電防止剤)については、記載ア.によれば、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、ノニオン型帯電防止剤及びベタイン型帯電防止剤からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物と記載され、記載ウ.によれば、1種もしくは複数を組み合わせて用いることができると記載され、二種以上の併用も示している。 刊行物3には、スルホン酸塩型アニオン活性剤0.01ないし3.0重量%とアルキレンオキシド型ノニオン活性剤0.01ないし3.0%を熱可塑性樹脂に含有させる熱可塑性樹脂の帯電防止法が記載され、熱可塑性樹脂として、ポリスチレンやポリエステルが例示(上記ク.)されている。また、上記ケ.によれば、アルキレンオキシド型ノニオン活性剤として脂肪族アミドのエチレンオキシド付加物が例示され、更に、脂肪族アミドとして具体的にラウロイルアミドが例示されているから、脂肪族アミドのエチレンオキシド付加物は、本件発明1の脂肪族アルカノールアミドに相当するものといえる。 そして、刊行物3に記載の表2のNo12によれば、界面活性剤として、AS(アルキルスルホン酸ソーダ)0.1部とラウロアミドEO-2(ラウロイルアミドのエチレンオキシド2モル付加物)0.3部を併用した例が具体的に記載されており、上記ク.の記載を勘案すると、刊行物3に記載されたアルキルスルホン酸塩と脂肪族アルカノールアミドからなる界面活性剤の量比は、本件発明1の界面活性剤の量比に含まれる範囲も存在するといえる。そうすると、帯電防止効果を奏する界面活性剤の使用量については、両者に格別の差異があるとはいえない。 また、刊行物3に記載された帯電防止を目的とする熱可塑性樹脂について、実施例においてポリスチレンが記載されているが、ポリエステルも帯電防止を目的とする熱可塑性樹脂として例示されているのであるから、刊行物3に記載の帯電防止剤については、ポリエステルに対してもポリスチレンに対すると同様の作用効果が得られることが示されているといえる。 さらに、刊行物1、3には、帯電防止剤の使用に際して、帯電防止剤を表面に塗布する方法や、混練する方法があることが記載され、それぞれの長所短所が記載されているのであるから、帯電防止剤の採用に当たり、帯電防止剤を塗布して用いるか練り込んで用いるかは、効果の持続性ないしは加工法の難易を勘案して適宜採用できるものといえる。 そうであれば、刊行物1に記載の脂肪族ポリエステルである乳酸系ポリマーにおいて採用されてる帯電防止剤に代えて、刊行物3に記載の帯電防止剤を採用することは格別困難性があるということはできず、また、帯電防止剤をフイルムに塗布するに当たっても格別の創意工夫を要したものということはできない。 相違点(イ)について 刊行物1(表1)に記載された帯電防止剤層を有する乳酸系ポリマーフイルムにおいても、表面固有抵抗値が1010Ω以下のものが記載されており、また、刊行物3(表2)には、アルキルスルホン酸塩と脂肪族アルカノールアミドを併用したものが帯電防止効果において、表面抵抗値が1010Ω以下のものが記載されている。そして、帯電防止効果の発現については必要とする程度により表面固有抵抗値を適宜設定できるものといえるから、帯電防止効果を得るために表面固有抵抗を「1011Ω以下である」としたことが、格別予想外のことということはできない。 そして、刊行物3の表2によれば、No16のアルキルスルホン酸塩単独では透明性が悪いのに対し、No12の脂肪族アルカノールアミドを併用したものは透明性が透明となっており、アルキルスルホン酸塩と脂肪族アルカノールアミドの併用が透明性において優れた結果が得られるであろうことも予測できるところである。 そうであれば、本件発明によって得られる効果は格別予想外のことということはできない。 したがって、本件発明1は刊行物1、3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 【2】訂正後の請求項2に係る発明(以下、「本件発明2」という。)について 本件発明2は、未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法に係るものである。 刊行物1には、乳酸系ポリマーである脂肪族ポリエステルにおいて、帯電防止剤を含有する水性塗工液を塗布して形成された帯電防止層を有するフイルムであって、帯電防止層が、アニオン型帯電防止剤、カチオン型帯電防止剤、ノニオン型帯電防止剤及びベタイン型帯電防止剤からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物からり、乳酸系ポリマーからなる脂肪族ポリエステルフィルムが、縦方向に1.3〜5倍、横方向に1.3〜5倍延伸された2軸延伸フィルムである脂肪族ポリエステル塗工フィルムの製造方法に関して記載がされている(記載ア.)。 そして、1軸延伸フィルムの場合には、未延伸フィルムに水性塗工液を塗布し、一軸延伸後、未延伸フィルムと同様に乾燥すること、2軸延伸フィルムの場合には、未延伸フィルムに水性塗工液を塗布し、逐次あるいは同時2軸延伸する方法、縦延伸されたフィルムに水性塗工液を塗布し、次いで横方向に延伸する方法、あるいは2軸延伸したフィルムに水性塗工液を塗布し、さらに横および/または縦方向に延伸する方法が示され、ロール延伸法等により縦延伸したフィルムに水性塗工液を塗布し、40〜80℃で乾燥を行い、あるいは乾燥を行わず、フィルムをただちに横方向に延伸し、上記条件で熱処理を行う方法についても記載されている(記載エ.)。 そうすると、本件発明2と刊行物1に記載された発明とは、未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、界面活性剤の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とするポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法において共通しているが、本件発明2が、界面活性剤について、「アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなる混合物の水溶液」としているのに対し、刊行物1にはそのような記載がされていない点で相違している。 しかしながら、刊行物1には、フイルムに塗布すべき帯電防止剤として、2種以上の界面活性剤を組み合わせて使用できることも、上記イ.ウ.エ.のとおり説明されているのであるから、界面活性剤を2種含有した塗工液を採用した場合においても、乳酸系ポリマーフイルムの製造方法において、実施例で示された界面活性剤を使用してフイルムを製造した場合と同様に製造できるものといえ、界面活性剤を2種採用することによりフイルムの製造方法において格別困難なものということはできない。 そして、界面活性剤の種類及び配合割合については、前記【1】で示したとおりでありである。 そうであれば、刊行物1に記載されているポリ乳酸系二軸延伸フイルムの製造方法において、界面活性剤として刊行物3に記載されているアルキルスルホン酸塩と脂肪族アルカノールアミドからなる界面活性剤を採用することは、当業者が容易になし得る程度のことといえ、製造方法において格別の創意工夫を要したものとはいえない。 したがって、本件発明2は、刊行物1、3に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 V.むすび 以上のとおりであるから、本件発明1、2は、上記引用刊行物1、3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、本件発明1、2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。 したがって、本件発明1、2についての特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する 。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム及びその製造方法 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10重量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム。 【請求項2】未延伸または一軸方向のみに延伸されたポリ乳酸系フィルムの少なくとも片面に、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10質量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなる混合物の水溶液を塗布し、続いて二軸方向または最初の延伸方向と直角方向に延伸し、熱セットすることを特徴とする請求項1記載のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は透明性、機械的物性、滑り性、及び特に帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 現在、機械的強度、耐熱性、寸法安定性に優れる材料としてポリエチレンテレフタレート延伸フィルムまたは、ポリプロピレン系延伸フィルム等が知られており産業界で幅広く使用されている。 【0003】 しかしながら、これらのプラスチックフィルムは自然環境中に廃棄されると、その化学的安定性のため分解せず、ゴミとして蓄積する一方である。将来的にはゴミ処分場、埋立地の確保が益々困難になり、また自然環境、野生動物に悪影響を及ぼすなどの問題が懸念されている。これらのプラスチックフィルムに代わり、土壌中において加水分解、次いで微生物分解により無害な分解物となり得るものにポリ乳酸がある。 【0004】 ポリ乳酸の無延伸フィルムあるいはシートは、強度、伸度が低く、耐衝撃性に劣る材料で、そのままでは成形体として実用性が不足していた。そこでポリ乳酸の脆性を向上するため、一軸あるいは二軸延伸し、配向させる方法が知られている。ポリ乳酸二軸延伸フィルムは、情報記録材料(磁気カード)、工業用パッケージ、農業用マルチフィルムなどに展開され、一部は実用化に至っているものもある。 【0005】 しかしながら、これらのポリ乳酸系延伸フィルムにおいては、ポリ乳酸系樹脂自体が高度な電気絶縁性を有していることから極めて帯電しやすく、静電気の発生、蓄積により、印刷、製袋等の2次加工において、様々な問題を引き起こしている。また、容易にゴミ、ホコリを吸着するため、外観を損ねるという問題も生じる。 【0006】 一般的にプラスチックフィルム及びシートに帯電防止性を付与する方法として、アニオン系のアルキルスルホン酸塩あるいは非イオン系のグリセリン脂肪酸エステル類を練り込んだり、表面に塗布する方法が採用されている。ところが、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムに従来方法を適用すると、練り混み法では満足な帯電防止性が得られないばかりでなく、透明性の悪化、加水分解誘因による機械的物性の低下を招き、実用性に乏しかった。表面に塗布する方法は、ポリ乳酸系未延伸フィルム、一軸延伸フィルム、二軸延伸フィルムのいずれも臨界表面張力が低いため、有機溶剤の使用、あるいは有機溶剤と水との併用が避けられず、そのため溶剤排気・回収設備が必要となりコストアップとなる。また、一旦巻き取った原反フィルムに塗布するいわゆるポストコート法では工程が増え経済的に好ましくないばかりでなく、フィルムの耐熱性が乏しいため熱変形による外観不良を引き起こしやすいものであった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このような問題点を解決しようとするものであり、透明性、機械的物性を損なうことなく、滑り性、帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム、およびその製造方法を提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、ポリ乳酸系二軸延伸フィルムの少なくとも片面に、特定比率で混合した特定のアニオン系界面活性剤と特定の非イオン系界面活性剤とからなる界面活性剤層を有するフィルムが上記課題を解決することを見出し本発明に至った。 【0009】 すなわち、本発明は、少なくとも片面に界面活性剤層を有するポリ乳酸系二軸延伸フィルムであって、界面活性剤層が、アニオン系界面活性剤(A)であるアルキルスルホン酸塩99〜10重量%と、非イオン系界面活性剤(B)である脂肪族アルカノールアミド1〜90質量%とからなり、表面固有抵抗が1011Ω以下であることを特徴とする帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルムを要旨とする。 【0010】 【発明の実施の形態】 以下に本発明の実施の形態を説明する。本発明において、ポリ乳酸系フィルムとは、L-乳酸を主構成単位とするホモポリマーあるいはL-乳酸/D-乳酸を主構成単位とするポリ乳酸系重合体からなるフィルムを指す。本発明で得られるポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、二軸延伸による配向結晶化を促進させ、実用強度を発現させるため、L-乳酸/D-乳酸=100/0〜90/10(モル比)の組成比を満足させることが好ましい。D-乳酸が10モル%以上であると融点が極端に低くなり得られるシートの耐熱性、寸法安定性が劣り好ましくない。また、ポリ乳酸系重合体の数平均分子量は、5万〜30万の範囲にあることが好ましく、より好ましくは8万〜15万である。数平均分子量が5万以下の場合、得られるフィルムの機械的強度が不十分となり、かつ延伸、巻き取り工程中での切断も頻繁に起こり操業性の低下を招く。一方、数平均分子量が30万を超えると加熱溶融時の流動性が乏しくなって製膜性が低下する。 【0011】 ポリ乳酸を得るための重合法としては、縮合重合法及び開環重合法のいずれの方法を採用することも可能であり、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えばジイソシアネート化合物、ジエポキシ化合物、酸無水物等を使用してもよい。 【0012】 本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、その表面に界面活性剤層が形成される。界面活性剤の塗布量は、0.001〜0.1g/m2の範囲であることが好ましい。この範囲を下回ると十分な帯電防止効果が得られない。逆に上回る場合は、帯電防止効果が飽和に達するため、性能に対して添加量が過剰であるばかりでなく、透明性の悪化、高温高湿皮下におけるフィルム同士のブロッキング現象を引き起こす。また、必要に応じて両面に界面活性剤層を形成することも可能である。 【0013】 本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの表面固有抵抗値は1011Ω以下であることが必要である。表面固有抵抗値が1011Ωを超えると、フィルムの巻き取り、スリット工程では感電が、また印刷、製袋等の2次加工ではロールへの巻き付き、あるいは蛇行によるよりしわの発生が著しい。 【0014】 本発明において、フィルムに塗布する界面活性剤は、アニオン系界面活性剤(A)と、非イオン系界面活性剤(B)とを組み合せることが必要である。本発明において、アニオン系界面活性剤(A)とは、アルキルスルホン酸塩を指す。 ここでアルキルスルホン酸塩のアルキル基はC8〜C18が望ましい。塩はアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩あるいはトリエタノールアミン塩が好適に使用できる。また、ジエステル型のスルホコハク酸塩(C8〜C16)を用いることもできる。 【0015】 本発明において、非イオン系界面活性剤(B)とは、脂肪族アルカノールアミドを指す。 ここで脂肪族アルカノールアミドは高級脂肪酸とアルカノールアミドの縮合によって合成される。高級脂肪酸は特に限定されないが、C12〜C20の脂肪酸が好適に使用できる。具体的にはラウリン酸およびヤシ油脂肪酸が望ましい。上記の非イオン系界面活性剤は水溶性あるいは水分散性を満足させるものである。 【0016】 本発明において、界面活性剤層は、アニオン系界面活性剤(A)99〜10質量%と非イオン系界面活性剤(B)1〜90質量%とから構成されることが必要であり、(A)90〜50質量%と、(B)10〜50質量%とから構成されることが好ましい。両界面活性剤を混合する方法は、別々に水で希釈したものを混合する(後混合)場合と、両方を同時に水で溶解、希釈する(前混合)場合があるが、いずれの方法でもよい。アニオン系界面活性剤(A)が99質量%以上であると、帯電防止効果は良いもののポリ乳酸系フィルムに対するぬれ性が悪くなり、コートすじ、濃淡ムラ等の外観不良及び性能低下を招く。アニオン系界面活性剤(A)が10%未満の場合には、表面へのぬれ性は向上するが十分な帯電防止効果は得られない。 【0017】 本発明のポリ乳酸系フィルムの表面に該混合物を塗布する方法としては、公知の任意の塗工法が適用できる。例えばグラビアロール方式、マイヤーバー方式、リバースロール方式、スプレー方式が独立または組み合わせて適用される。塗布を施す対象のフィルムは、ポリマーを溶融押出、キャスティング後の未延伸フィルム、または縦方向に延伸を行った後の一軸延伸フィルムが好ましいが、二軸延伸フィルムでもよい。塗工後に乾燥する場合は、ポリ乳酸系未延伸フィルムまたは一軸延伸フィルムの熱変形の起こらない温度条件下で行われるべきであり、好ましくは100℃を超えないようにする。また塗工後乾燥せずにテンターに供給し、予熱及び延伸工程を利用し乾燥を施してもよい。 【0018】 本発明において、界面活性剤を塗布する際に、いわゆるインラインコート法を用いることが好ましい。この方法は、有機溶剤を使用せずかつ一工程で済むため、物性面では機械的強度の低下がない、工程面では1工程のためフィルム原反のロスがない等コストダウンにもつながり非常に有益であるが、二軸延伸フィルムに界面活性剤を塗布するポストコート法を用いてもよい。 【0019】 本発明のポリ乳酸二軸延伸フィルムに、必要に応じて顔料、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、結晶核剤等を任意の割合で添加することができる。 【0020】 本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムの製造方法としては、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法等が例示できるが、Tダイを用いて溶融混練して押し出すTダイ法が好ましい。Tダイ法の製法例としては、ポリ乳酸系重合体、または可塑剤、滑剤を必要に応じて適量配合したポリ乳酸系樹脂組成物を押出機ホッパーに供給し、押出機を例えばシリンダー温度180〜260℃、Tダイ温度200〜260℃に加熱し、溶融混練して押し出し、20〜40℃に制御された冷却ロールで冷却し、厚さ100〜500μmの未延伸シートを得る。 【0021】 未延伸シートの二軸延伸方法としては、テンター方式による同軸二軸延伸、ロールとテンターによる逐次二軸延伸法のいずれでもよい。具体的な延伸例は、まず未延伸シートを駆動ロールの回転速度比によって縦方向にロール表面温度50〜80℃、延伸倍率1.5〜5.0倍で延伸し、続いてマイヤーバー法にて延伸後の最終塗布量が0.01g/m2となるよう該混合物を塗布し、引き続き連続して横方向に延伸温度50〜90℃、延伸倍率1.5〜8.0倍、熱固定温度100〜150℃の条件下延伸する逐次二軸延伸法が挙げられる。 【0022】 本発明に係るポリ乳酸系二軸延伸フィルムの厚みは特に制限なく、用途、要求性能、価格等によって適宜設定すればよい。一般的には、10〜200μm程度の厚さを例示出来る。さらに、フィルムの印刷性、ラミネート性、コーティング適性等を向上させる目的で、表面処理を施してもよい。表面処理の方法としては、コロナ放電処理、プラズマ処理、酸処理等が挙げられ、いずれの方法も用いることが出来る。これらの中では、簡便さの点からコロナ放電処理が最も好ましいものとして例示出来る。 【0023】 本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、カレンダー、文具、衣料、食品等の包装用フィルムとして好適であるが、その他はビデオテープ類のシュリンクフィルム、生ごみ包装用袋、封筒の窓貼りフィルム、電気・電子部品等のラッピング、農業用フィルム、プリントラミ等が例示でき、特に制限されず使用できる。 【0024】 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例により制限されるものでない。各検査項目の測定方法及び評価は、下記の方法により行った。 【0025】 (1)表面固有抵抗 温度23℃、相対湿度50%の環境下に1日放置した後、同条件下でJIS-K6911に準じて測定した。本発明においては、1011Ω以下を合格とした。 (2)帯電圧半減期 温度23℃、相対湿度50%の条件下に1日放置した後、同条件下でスタティックオネストメーターにより帯電圧半減期を測定した。本発明においては、60秒以下を合格とした。 (3)引張強度及び伸度 ASTM-D882の測定法に準じて、長さ10cm、幅10mmの試料で測定した。 (4)ヘーズ JIS-K7105に準じて測定した。本発明においては、10以下を合格とした。 (5)動摩擦係数 JIS-K7125に準じて、コート面対非コート面の滑り性を測定した。本発明においては、0.70以下を合格とした。 【0026】 また、実施例で使用した界面活性剤は下記のとおりである。 A-1:アルキルスルホン酸塩(三洋化成社製 ケミスタット3033N) B-1:ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(三洋化成社製 ケミスタット2500) 【0027】 実施例1 L体/D体=99/1(モル比)、数平均分子量が95,000、MFRが5.0g/10分(210℃)のポリ乳酸系重合体を、コートハンガータイプのTダイを具備した50mmφ押出機を使用して、滞留時間5分、Tダイ温度230℃で溶融押出し、25℃に温度制御されたキャストロールに密着急冷し、厚さ210μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを予熱ロール60℃、延伸ロール70℃で3.0倍に縦方向に延伸した。次いで帯電防止剤として、アルキルスルホン酸塩であるケミスタット3033N(三洋化成社製)80質量%と、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドであるケミスタット2500(三洋化成社製)20質量%とからなる混合物を1質量%に希釈した水溶液を、マイヤーバーコートにより塗布した後、引き続いてテンター内において、80℃の延伸温度で横方向に3.5倍延伸した後、横方向の弛緩率を5%として150℃で熱処理を施し、厚さ20μmの逐次二軸延伸フィルムを得た。 【0028】 実施例2〜5 帯電防止剤の種類、割合及び塗布量を変更する以外は実施例1と同様にして、逐次二軸延伸フィルムを得た。 【0029】 実施例6 L体/D体=99/1(モル比)、数平均分子量が95,000、MFRが5.0g/10分(210℃)のポリ乳酸系重合体組成物を、コートハンガータイプのTダイを具備した50mmφ押出機を使用して、滞留時間5分、Tダイ温度230℃で溶融押出し、25℃に温度制御されたキャストロールに密着急冷し、厚さ200μmの未延伸シートを得た。次に、表1に示す帯電防止剤を実施例1と同様に塗布し、引き続きテンター内において、予熱温度60℃、延伸温度70℃で3.0×3.3倍の延伸倍率で同時二軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として150℃で熱処理を施し、厚さ20μmの同時二軸延伸フィルムを得た。 【0030】 【0031】 比較例1〜3 帯電防止剤として表1に示す化合物を使用する以外は、実施例1と同様として逐次二軸延伸フィルムを得た。 【0032】 【表1】 【0033】 表1に示したように、実施例1〜6の二軸延伸フィルムは、帯電防止性に優れ、同時に透明性、機械的強度、滑り性に優れている。これに対し、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミドのみ用いた比較例1は、帯電防止性不足であり、実用的なレベルに到達しない。アルキルスルホン酸塩のみ用いた比較例2は、帯電防止性は良好だが、塗工むらを生じ外観が悪化するため、商品価値が損なわれ、また透明性が悪化するという問題があり用途が限定される。全く帯電防止剤を塗布しない比較例3では、汎用プラスチック同様表面固有抵抗値が高く、静電気が蓄積されやすい。 【0034】 【発明の効果】 本発明のポリ乳酸系二軸延伸フィルムは、透明性、機械的強度、滑り性、特に帯電防止性に優れているため、衣料、文具、食品、医薬品等の包装材料として有用性が高い。またゴミとして廃棄された場合土壌中で微生物により分解され、自然環境、野生動物に対する環境負荷を軽減することができる。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
異議決定日 | 2005-06-01 |
出願番号 | 特願2000-194698(P2000-194698) |
審決分類 |
P
1
651・
121-
ZA
(C08J)
|
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | ▲吉▼澤 英一 |
特許庁審判長 |
宮坂 初男 |
特許庁審判官 |
舩岡 嘉彦 大熊 幸治 |
登録日 | 2003-04-04 |
登録番号 | 特許第3415103号(P3415103) |
権利者 | ユニチカ株式会社 |
発明の名称 | 帯電防止性に優れたポリ乳酸系二軸延伸フィルム及びその製造方法 |
代理人 | 笹原 敏司 |
代理人 | 笹原 敏司 |
代理人 | 板垣 孝夫 |
代理人 | 原田 洋平 |
代理人 | 森本 義弘 |
代理人 | 森本 義弘 |
代理人 | 原田 洋平 |
代理人 | 板垣 孝夫 |