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審決分類 審判 全部申し立て 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降)  H04M
審判 全部申し立て 2項進歩性  H04M
管理番号 1144794
異議申立番号 異議2003-72915  
総通号数 83 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2002-01-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2003-11-26 
確定日 2006-07-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3442750号「通信装置」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3442750号の請求項1ないし5に係る特許を取り消す。 
理由 第1.手続の経緯
特許第3442750号の発明は、平成3年7月15日に出願した特願平3-172921号の一部を平成13年5月28日に新たな特許出願としたものであって、平成15年6月20日にその特許権の設定登録がなされ、その後、小野浩一により特許異議の申立てがなされ、平成16年4月27日付けの取消理由が通知され、その指定期間内である平成16年7月12日に訂正請求がなされたものである。

第2.訂正の適否について
1.訂正内容
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の記載について、「前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させる」とあるのを、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」と訂正する。
(2)訂正事項b
ア)本件特許明細書の段落番号【0007】の記載について、「前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させ」とあるのを、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせ」と訂正する。
イ)本件特許明細書の段落番号【0008】の記載について、「請求項5記載の発明は、対応テーブルへの記憶に際には、選択されたメロディを前記再生手段により再生させ、メロディを確認することの可能な通信装置を提供することを目的としている」とあるのを、「請求項5記載の発明は、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させ、メロディを確認することの可能な通信装置を提供することを目的としている」と訂正する。
ウ)本件特許明細書の段落番号【0009】の記載について、「しかも前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させる」とあるのを、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」と訂正する。
エ)本件特許明細書の段落番号【0011】の記載について、「請求項5記載の発明は、上記目的を達成するために、前記対応テーブルへの記憶の際には、選択されたメロディを前記再生手段により再生させる」とあるのを、「請求項5記載の発明は、上記目的を達成するために、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させる」と訂正する。
オ)本件特許明細書の段落番号【0012】の記載について、「前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させることができ、送信側識別情報に対応する呼出音を再生できる」とあるのを、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることができ、送信側識別情報に対応する呼出音を再生できる」と訂正する。
カ)本件特許明細書の段落番号【0014】の記載について、「請求項5記載の発明においては、対応テーブルへの記憶に際し、選択されたメロディを再生手段により再生させることができる」とあるのを、「請求項5記載の発明においては、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを再生手段により再生させることができる」と訂正する。
キ)本件特許明細書の段落番号【0034】の記載について、「前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させることができ」とあるのを、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることができ」と訂正する。
ク)本件特許明細書の段落番号【0036】の記載について、「請求項5記載の発明に係る通信装置によれば、対応テーブルへの記憶の際には、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることができ」とあるのを、「前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることができ」と訂正する。
(3)訂正事項c
本件特許明細書の図面の簡単な説明の欄について、「21 連絡先入力手段22」とあるのを、「21 連絡先入力手段」と訂正する。
(4)訂正事項d
特許請求の範囲の請求項5の記載について、「前記対応テーブルへの記憶の際には、」とあるのを、「前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、」と訂正する。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項aについて
訂正事項aに関して、願書に添付した明細書には「図3は任意のメロディを記憶させる処理手順例を示すフローチャートである。まず、オペレーションパネル19に備えられた所定のファンクションキーによりメロディ登録を選択し(ステップS1)、例えばユーザが楽譜を見ながらメロディ/音声入力手段20を用いて、図2(b)に示したように、1音符ずつ音程と(ステップS2)、長さを入力する(ステップS3)。1つのメロディの入力が終了したら(ステップS4)、メロディ/音声再生手段21によりそのメロディを再生し(ステップS5)、意図したとおりのメロディであれば(ステップS6)、RAM13内の所定エリアに記憶する(ステップS7)。」(段落番号【0023】)、「一方、ステップS6の判断でメロディに誤りがあれば、入力したメロディを消去し(ステップS8)、ステップS2に戻る。」(段落番号【0024】)の記載があり、そして、訂正事項aの「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」の事項は、「前記メロディ入力手段により入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを再生させる」ことについて技術的に限定するものであると認められるから、この訂正事項aは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、特許請求の範囲の記載の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
(2)訂正事項bについて
上記訂正事項bは、特許請求の範囲と発明の詳細な説明が整合するように、発明の詳細な説明の記載を、特許請求の範囲の記載に合わせたに過ぎないものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
(3)訂正事項cについて
上記訂正事項cは、誤記の訂正を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。
(4)訂正事項dについて
訂正事項dに関して、願書に添付した明細書には「図4はIDコードとメロディとを対応させて記憶する際の処理手順を示すフローチャートである。まず、オペレーションパネル19に備えられた所定のファンクションキーによりIDコードを登録し(ステップP1)、合わせて着信通知時のメロディも登録する場合は(ステップP2)、ROM12またはRAM13に記憶されているメロディの中から1つのメロディを選択し(ステップP3)、選択したメロディを確認した後(ステップP4)、所望のメロディであれば(ステップP5)、図2(a)に示したように、対応するIDコードにメロディインデックスを付加し(ステップP6)、処理を終了する。」(段落番号【0025】)の記載があり、そして訂正事項dの「前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、」の事項は、選択されたメロディを再生手段により再生する時期に関して「対応テーブルへの(送信識別情報とそれに対応するメロディ)の記憶の際」という時期を、送信識別情報とそれに対応するメロディの「選択が終了したら」という時期に限定するものであるから、訂正事項dは、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内において、特許請求の範囲の記載の減縮を目的とするものであって、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、変更するものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正請求は、特許法第120条の4第2項、及び同法第120条の4第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議申立てについて
1.本件特許の請求項に係る発明
上記第2.で説示したように本件訂正請求は認められるから、本件特許の請求項1ないし5に係る発明(以下、「本件特許発明1」、「本件特許発明2」、「本件特許発明3」、「本件特許発明4」、及び「本件特許発明5」という。)は、平成16年7月12日付けの訂正請求により訂正された特許請求の範囲の請求項1ないし5に記載された次の事項より特定されるものである。
「【請求項1】外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段と、
入力されたメロディを複数記憶する記憶手段と、
送信側識別番号と任意に選択されたメロディとを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、
受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備え、
前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることを特徴とする通信装置。
【請求項2】前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させることを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の通信装置。
【請求項5】前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることを特徴とする請求項1乃至4記載の通信装置。」

2.引用刊行物に記載された発明
(1)取消理由で引用した刊行物1(特開平2-26440号公報(甲第1号証))以下、「引用刊行物1」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
a)[産業上の利用分野]本発明は、電話機に着呼があったとき着呼を通知する複数の呼出音から一つを選択する呼出音選択方式に関する。」(1頁右下欄2行ないし5行)、
b)「本発明の目的は、発呼元である相手番号を受信したとき予め設定した複数の呼出音の一つを選択して発生することにより、上記欠点を解決した呼出音選択方式を提供することにある。」(2頁右上欄1行ないし4行)、
c)「[課題を解決するための手段]本発明の呼出音選択方式は、着呼により呼出信号を受信したとき電話機が発生する呼出音を、それぞれ相違する音色の呼出音を発生する呼出音信号器の一つを予め選択して発生させる呼出音選択方式において、受信した発呼者電話番号を判別する相手番号判別部と、登録電話番号ごとに発生する信号音の一つの呼出音信号器を予め設定したものを記憶する番号対応呼出音選択信号記憶部と、着呼により呼出信号を受信したとき、前記相手番号判別部から取出した発呼者電話番号を登録電話番号とし前記番号対応呼出音選択信号記憶部から索引した呼出音信号器を選択駆動する呼出音信号選択部とを前記電話機が有する」(2頁右上欄5行ないし18行)、
d)「第1図において、電話機は相手番号判別部1、表示器2、番号対応呼出音選択信号記憶部3、ダイヤルボタン4、番号呼出対応付部5、呼出音設定ボタン6、呼出音選択ボタン7、呼出音信号選択部8、呼出音信号部9、および呼出音発生器10を有し、また呼出音信号部9は呼出音信号器(1)91、呼出音信号器(2)92、〜呼出音信号器(N)9Nを有する。相手番号判別部1は着信呼が発呼者番号を転信するときこの発呼者番号を相手番号として判別する。表示器2は相手番号判別部1が判別した発呼者番号を番号表示する。番号対応呼出音選択信号記憶部3は特定の発呼者番号に対し番号ごとに呼出音の種別を予め指定して記憶し、番号を入力したとき対応する呼出音を選択する選択信号を出力する。ダイヤルボタン4が扱者により手動操作されたとき番号呼出音対応付部5はダイヤル符号として操作ボタン情報を受信し、呼出音設定ボタン6の扱者操作により、受信したダイヤル符号と、呼出音信号選択部8から取出した選択中の呼出音信号器情報とを番号対応呼出音選択信号記憶部3に転送して記憶させる。呼出音選択ボタン7は呼出音信号選択部8に手動操作により呼出音信号器の一つを選択する選択情報を与える。呼出音信号部9は呼出音選択部8からの指示により呼出音信号器(1)91、〜(N)9Nの駆動選択をうける。呼出音発生器10は各呼出音信号器(1)91、〜(N)9Nの出力を接続して駆動された信号器の信号音を受信し鳴動音を発生させる」(2頁左下欄7行ないし右下欄15行)、
e)「第3図の呼出音選択指定手順では.まず呼出音信号選択部8は扱者の操作による呼出音選択ボタン7の操作情報を受信(S1)するので.所定の第1の呼出音信号器(179)を駆動(S2)し,呼出音発生器10から呼出音を発生させる。次に呼出音選択ボタン7の操作情報を受信(S3)したとき.呼出音選択部8は所定の次の順序の呼出音信号器(2)92を駆動(S4)して呼出音発生器10から信号器(2)の呼出音を発生させる。扱者は希望する呼出音が発生するまで選択ボタンの操作を繰返し、所望の呼出音の聴取でダイヤルボタンにより、発生中の信号音を指定するダイヤル番号を操作する。従って、番号呼出音対応付部5はダイヤルボタン4から操作情報を受信するので、この情報を蓄積(S5)する。次いで、現状の取消がない(S6)場合、番号呼出音対応付部は呼出音設定ボタン6の操作情報を受信(S7)したとき、手順S5で受信したダイヤル番号情報と呼出音信号選択部8が選択中の呼出音信号器選択情報とを番号対応呼出音選択信号記憶部3へ転送して記録(S8)させ、登録の手順は終了する。」(3頁右上欄1行ないし左下欄1行)。
これらの記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すれば、引用刊行物1には、
「それぞれ相違する音色からなる複数の呼出音を生成することができる呼出音信号器91〜9Nと、希望する呼出音を選択した後、ダイヤル番号を指定することにより、相手ダイヤル番号と任意に選択された呼出音とを1対1に対応付けて複数記憶可能な番号対応呼出音選択信号記憶部3と、受信した相手ダイヤル番号に対応する呼出音を前記呼出音信号器91〜9Nから出力して再生する呼出音発生器10とを備えた電話機における呼出音選択方式。」の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

(2)同じく、取消理由で引用した刊行物2(特開平2-126289号公報(甲第2号証))以下、「引用刊行物2」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
a)[産業上の利用分野]この発明は、電話機における保留音や呼出音に好適なメロディ音の作曲など、簡易なメロディの作曲に用いられる作曲装置に関する。」(1頁右下欄6行ないし9行)、
b)「この発明は、このような電話機の保留音や呼出音などに用いることができる簡易なメロディの作曲ができる作曲装置の提供を目的とする。」(2頁右上欄10行ないし12行)、
c)「キーボード入力によって作曲制御手段から、楽音の周波数を制御する周波数制御信号、楽音の持続時間を制御する時間制御信号、または、楽音のレベルを制御するレベル制御信号が得られるので、任意の楽音信号を形成することができ、所望の楽音を組み合わせて任意のメロディを作曲することができ、そのメロディを記憶手段に書き込み、それを読み出すことによって、作曲されたメロディを再生し、保留音や呼出音などとして用いることができる」(2頁右下欄14行ないし3頁左上欄3行)、
d)「第3図は、作曲のための楽音形成フローを示す。ステップS1では第2図に示す電話機本体42のスイッチ38を操作して通常のダイヤル入力モードAから保留音の作曲モードBへの切換えが行われる。次に、ステップS2では、キースイッチ361またはキースイッチ363を押下すると、その選択的な押下およびその押下時間に応じたレベルの周波数制御信号FCがCPU34から出力され、キースイッチ361、363の選択及びその押下時間に対応した分周比NがDIV48に設定されて任意の周波数fMのクロックパルスCLKが得られる。このクロックパルスCLKに応じて楽音データMaがROM50から読み出される。この楽音データMaは、DAC52により、第4図に示す周波数fMを持つ連続した交流アナログ信号である楽音信号MAに変換される。次に、ステップS3では、キーボード36のキースイッチ367またはキースイッチ369を押下し、キースイッチ367,369の選択およびその押下時間に応じてGATE56に持続時間TMを表す信号通過時間が設定され、第4図に示すように、楽音信号MAの持続時間TMが設定される。次に、ステップS4では、キーボード36のキースイッチ364またはキースイッチ366の押下によって、キースイッチ364,366の選択およびその押下時間に応じて第4図に示すように、楽音信号MAの振幅レベルVMが設定される。この振幅レベルVMによって音量レベルが設定されることになる。次に、ステップS5では、楽音のテストモードであり、キースイッチ371を操作すると、周波数fM、時間TMおよび振幅レベルVMが設定された楽音信号MAが音声として再生される。次に、ステップS6では,楽音信号MAによって再生される楽音が操作者の希望したものか否かを判断し,希望したものでないときには、ステップS2に戻り、再度、ステップS3〜S6を経て楽音を形成する。そして.ステップS6で希望の楽音が得られたと判断した場合には、ステップS7に移行し、キースイッチ372を押下してRAM60にその楽音を表す楽音信号データMaを記憶させ、ステップS8に移行する。このような、ステップS1〜S8を経てメロディの要素である1つの楽音が形成され、これらのステップS1〜S8を繰り返すことによって、同一または異なる楽音を連ねてメロディとして形成され、楽音の積み重ねで1つのメロディをRAM60に記憶させることができる。希望のメロディが形成された場合には、ステップS9に移行し、スイッチ38を操作して通常のダイヤル入力モードAに移行させる。そして、スイッチ40を操作すれば.記憶させたメロディがRAM60から読み出され、スピーカ44または送受器46から音響として再生することができる。」(4頁右上欄17行ないし5頁左上欄14行)。
これらの記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すれば、引用刊行物2には、
「キーボード入力によって作曲制御手段から、楽音の周波数を制御する周波数制御信号、楽音の持続時間を制御する時間制御信号、及び楽音のレベルを制御するレベル制御信号を得て、メロディの要素である1つの楽音を形成し、所望の楽音を組み合わせて任意のメロディを作曲し、そのメロディを記憶手段に書き込み、それを読み出すことによって、作曲されたメロディを再生し、呼出音として用いる電話機において、入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを構成する楽音を再生し、再生される楽音が操作者の希望したものか否か判断し、希望したものでないときには再度、楽音を形成し、希望の楽音が得られたと判断した場合には、その楽音を表す楽音信号データを前記記憶手段に記憶させるようにした電話機」の発明が開示されているものと認められる。

(3)同じく、取消理由で引用した刊行物3(特開平1-188148号公報(甲第3号証))以下、「引用刊行物3」という。)には、図面とともに以下の記載がある。
a)「[産業上の利用分野]本発明は、発信者番号を通知する機能を持った交換機に接続された電話機に関し、特に発信者番号に対応した呼出し音を発生することのできる呼出し音可変型電話機に関する。」(1頁左下欄16行ないし右上欄2行)、
b)「本発明は、上記課題を解決し、呼出し音により発信者を識別することができる呼出し音可変型電話機を提供することを目的とする。」(1頁右下欄17行ないし2頁左上欄1行)、
c)「第1図において、本実施例による呼出し音可変型電話機は、電話番号等の表示を行う表示装置31と、呼出し音等のパターン登録を行なうためのキーパッド32と、複数の呼出し音を発生可能な呼出し音発生回路33と、電話番号と呼出し音の対応関係を登録する蓄積回路35と、電話回線の着信等の制御を行う回線制御装置36と、上記各部の制御を行う中央制御装置34とから構成される。次に、本実施例の動作について第2図及び第3図を参照して説明する。先ず、電話番号と呼出し音の対応関係等の登録は、第2図に示すように、ステップ11でキー押下を待ち、使用者がキーパッド32の中から登録用キーを押下すると、中央制御装置34が表示装置31を用いて相手番号の入力をステップ12で要求する。次に.ステップ13で中央制御装置34が再びキーパッド32を監視し、入力が終了するとステップ14で表示装置31を用いて呼出し音の選択を要求する。ここで使用者がキーパッド32を用いて呼出し音のパターンを登録すると、ステップ15で入力済を確認した後、ステップ16で表示装置31と呼出し音発生回路33を用いて使用者に確認をうながし、使用者が確認すると、ステップ18で蓄積回路35に相手番号と呼出し音との対応が記憶される」(2頁右上欄1行ないし左下欄8行)。
これらの記載及びこの技術分野の技術常識を考慮すれば、引用刊行物3には、「対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応する呼出し音を選択させると共に、電話番号と呼出し音パターンを登録した後、表示装置31と呼出し音発生回路33を用いて使用者に確認をうながし、使用者が確認すると、ステップ18で蓄積回路35に相手番号と呼出し音との対応が記憶され、確認の結果、好ましくない場合には,電話番号の入力から再び行う」発明が開示されているものと認められる。

3.本件特許発明1について
(1)対比
本件特許発明1と引用発明とを対比すると、
a)引用発明は、「相手ダイヤル番号と任意に選択された呼出音とを1対1に対応付けて複数記憶可能な番号対応呼出音選択信号記憶部3」を備え、この「相手ダイヤル番号」は、「送信側識別番号」といえるから、両者は、相手ダイヤル番号と対応付けられる音が「メロディ」である点を除き、「送信側識別番号と任意に選択された音とを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブル」を備える点で一致することは明かである。
b)引用発明は、「受信した相手ダイヤル番号に対応する呼出音を前記呼出音信号器91〜9Nから出力して再生する呼出音発生器10」を備え、「相手ダイヤル番号」、及び「呼出音発生器」は、「送信側識別情報」、及び「再生手段」といえるから、両者は、送信側識別情報に対応する音が「メロディ」であり、該メロディが「記憶手段」から読み出される点を除き、「受信した送信側識別情報に対応する音を再生する再生手段」を備える点で一致することは明かである。
c)引用発明は、電話機における呼出音選択方式の発明であるから、両者は「通信装置」である点で一致することは明かである。
したがって、両者は、以下の点で一致ないし相違する。

(2)一致点
送信側識別番号と任意に選択された音とを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、
受信した送信側識別情報に対応する音を再生する再生手段とを備えた通信装置。

(3)相違点
a)本件特許発明は、「外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段」と、「入力されたメロディを複数記憶する記憶手段」を備え、対応テーブルで送信側識別情報と対応付けられ、再生手段で再生される音が「メロディ」であり、前記メロディを「前記記憶手段から読み出して再生する」のに対して、引用発明には引用刊行物1に、これらのことが明示されていない点。
b)本件特許発明は、「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」のに対して、引用発明には引用刊行物1に、このような処理、操作が明示されていない点。

(4)判断
ア)相違点a)について
引用刊行物2には、前示したように「キーボード入力によって作曲制御手段から、楽音の周波数を制御する周波数制御信号、楽音の持続時間を制御する時間制御信号、及び楽音のレベルを制御するレベル制御信号を得て、メロディの要素である1つの楽音を形成し、所望の楽音を組み合わせて任意のメロディを作曲し、そのメロディを記憶手段に書き込み、それを読み出すことによって、作曲されたメロディを再生し、呼出音として用いる電話機において、入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを構成する楽音を再生し、再生される楽音が操作者の希望したものか否か判断し、希望したものでないときには再度、楽音を形成し、希望の楽音が得られたと判断した場合には、その楽音を表す楽音信号データを前記記憶手段に記憶させるようにした電話機」の発明が開示され、通信装置の技術分野において、外部から任意のメロディを入力する入力手段と、入力されたメロディを記憶する記憶手段とを設けて、呼出音を生成することは、公知の技術であると認められること、また、引用発明に引用刊行物2に記載された発明の技術を適用することに格別の困難性はないと考えられるから、引用発明において、引用刊行物2に記載された発明の技術を採用して「外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段」と、「入力されたメロディを複数記憶する記憶手段」を備え、対応テーブルで送信側識別情報と対応付けられ、再生手段で再生される音を「メロディ」とし、前記メロディを「前記記憶手段から読み出して再生する」ものとすることは当業者であれば容易に想到し得ることである。

イ)相違点b)について
記憶の可否を、楽音毎に代えて、楽音の集合である1つのメロディの単位で判断することは、当業者が適宜なし得る設計的事項にすぎないといえること、引用刊行物2には、記憶させたメロディをスイッチ40の操作により読み出して、音響として再生することが開示され、このスイッチ40を操作して記憶したメロディを再生した際に、希望したメロディでない場合に再入力を行うことは操作者における自然の操作といえること、そして、引用発明に引用刊行物2に記載された発明の技術等を適用することに格別の困難性はないことを考慮すると、引用発明において「メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」ようにすることは当業者であれば容易に想到し得ることである。
このことは、「複数の音からなるメロディの入力が終了したら、該メロディをその記憶の可否のために再生し、記憶可の場合には、記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合には、メロディを修正した上で再入力」することが作曲装置における周知の技術(特開昭57-46294号公報、特開昭57-160088号公報、特開平1-179195号公報、実願昭62-147347号(実開昭64-51992号)のマイクロフィルム)であって、この周知の技術を引用発明に適用することを妨げる格別の理由がないことから、引用発明において「前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせる」ことは当業者であれば容易に想到し得るといえることからも窺われるものである。

(5)まとめ
したがって、本件特許発明1は引用刊行物1、2に記載された発明及び周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明1についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

4.本件特許発明2について
(1)対比
本件特許発明2と引用発明とを対比すると、両者は上記相違点a)、b)に加えて下記の点で相違し、その余の点では一致する。
[相違点]
c)本件特許発明2は、「前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を一音づつ入力するものである」の対して、引用発明には、そのようなメロディ入力手段を備えていない点。

(2)判断
引用刊行物2には、前示した「キーボード入力によって作曲制御手段から、楽音の周波数を制御する周波数制御信号、楽音の持続時間を制御する時間制御信号、及び楽音のレベルを制御するレベル制御信号を得て、メロディの要素である1つの楽音を形成し、所望の楽音を組み合わせて任意のメロディを作曲し、そのメロディを記憶手段に書き込み、それを読み出すことによって、作曲されたメロディを再生し、呼出音として用いる電話機において、入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを構成する楽音を再生し、再生される楽音が操作者の希望したものか否か判断し、希望したものでないときには再度、楽音を形成し、希望の楽音が得られたと判断した場合には、その楽音を表す楽音信号データを前記記憶手段に記憶させるようにした電話機」の発明が開示され、メロディを形成する複数の楽音を1音づつ入力することは公知の技術であると認められ、また、引用発明に引用刊行物2に記載された発明の技術の適用を阻害する格別の理由もないことから、引用発明において「前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するもの」とすることは当業者であれば容易に想到し得ることである。

(3)まとめ
したがって、本件特許発明2は引用刊行物1、2に記載された発明及び周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明2についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

5.本件特許発明3について
(1)対比
本件特許発明3と引用発明とを対比すると、両者は上記相違点a)〜c)に加えて下記の点で相違し、その余の点では一致する。
[相違点]
d)本件特許発明3は、「対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させる」のに対して、引用発明は、希望する呼出音を選択した後、ダイヤル番号を指定している点、すなわち、送信側識別番号(ダイヤル番号)とメロディ(呼出音)の選択、指定の順番が逆に構成されている点。

(2)判断
そこで、検討するに、
識別番号(ダイヤル番号)とメロディ(呼出音)とを対応付けて記憶するために、識別番号(ダイヤル番号)を指定した後、メロディ(呼出音)を選択するか、メロディ(呼出音)を選択した後、識別番号(ダイヤル番号)を指定するかは、いわゆる二者択一の関係であるから、引用発明において「対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させる」ことは当業者が適宜なし得る程度のことである。
このことは、引用刊行物3に「対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応する呼出し音選択させる・・・」発明が開示され、そしてこの発明の適用を妨げる格別の阻害理由もないことから、引用発明において「前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させる」ことは当業者が適宜なし得ることであるといえる。

(3)まとめ
したがって、本件特許発明3は引用刊行物1ないし3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明3についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

6.本件特許発明4について
(1)対比
本件特許発明4と引用発明とを対比すると、両者は上記相違点a)〜d)に加えて下記の点で相違し、その余の点では一致する。
[相違点]
e)本件特許発明4は、「メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備え」ているのに対して、引用発明はそのような手段を備えていない点。

(2)判断
そこで、検討すると、
引用刊行物2には、前示したように「キーボード入力によって作曲制御手段から、楽音の周波数を制御する周波数制御信号、楽音の持続時間を制御する時間制御信号、及び楽音のレベルを制御するレベル制御信号を得て、メロディの要素である1つの楽音を形成し、所望の楽音を組み合わせて任意のメロディを作曲し、そのメロディを記憶手段に書き込み、それを読み出すことによって、作曲されたメロディを再生し、呼出音として用いる電話機において、入力されたメロディを前記記憶手段に記憶する際に、該メロディを構成する楽音を再生し、再生される楽音が操作者の希望したものか否か判断し、希望したものでないときには再度、楽音を形成し、希望の楽音が得られたと判断した場合には、その楽音を表す楽音信号データを前記記憶手段に記憶させるようにした電話機」の発明が開示され、通信装置の技術分野において、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力し、楽音を再生した後に、希望したものでないときには、再度入力し直し、すなわち、入力した楽音を消去して、新たな楽音を入力することは公知の技術と認められ、そして、入力された楽音毎に再生、消去するか、楽音が集まった一つのメロディで再生、消去するかは、当業者が適宜選択しうる事項にすぎないといえるから、引用発明において「メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備え」るようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。
このことは、引用刊行物3に「・・・電話番号と呼出し音パターンを登録した後、表示装置31と呼出し音発生回路33を用いて使用者に確認をうながし、使用者が確認すると、ステップ18で蓄積回路35に相手番号と呼出し音との対応が記憶され、確認の結果、好ましくない場合には,電話番号の入力から再び行う」ようにした発明が開示され、使用者が確認するために、呼出し音発生回路33を用いて呼出し音パターンを再生し,希望するものでない場合には、再び呼出し音パターンを選択し、再び呼出し音パターンを選択することにより、前回の呼出し音パターンを消去することが示唆されているから、引用刊行物3に開示ないし示唆された発明を考慮すれば、引用発明において「メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備え」るようにすることは当業者が容易に想到し得ることであることからもいえる。

(3)まとめ
したがって、本件特許発明4は引用刊行物1ないし3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明4についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

7.本件特許発明5について
(1)対比
本件特許発明5と引用発明とを対比すると、両者は上記相違点a)〜e)加えて下記の点で相違し、その余の点では一致する。
[相違点]
f)本件特許発明5は、「送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させる」のに対して、引用発明には引用刊行物1に、そのような選択、再生処理について明示していない点。

(2)判断
そこで、検討すると、
引用刊行物3には、前示したように「対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応する呼出し音選択させると共に、電話番号と呼出し音パターンを登録した後、表示装置31と呼出し音発生回路33を用いて使用者に確認をうながし、使用者が確認すると、ステップ18で蓄積回路35に相手番号と呼出し音との対応が記憶され、確認の結果、好ましくない場合には,電話番号の入力から再び行う」発明が開示されているから、引用発明において、「送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させる」ようにすることは当業者が容易に想到し得ることである。

(3)まとめ
したがって、本件特許発明5は、引用刊行物1ないし3に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明5についての特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものである。

第4.むすび
以上のとおりであるから、本件の請求項1ないし5に係る発明の特許は、特許法第113条第1項第2号の規定に違反してなされたものである。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
通信装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段と、
入力されたメロディを複数記憶する記憶手段と、
送信側識別番号と任意に選択されたメロディとを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、
受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備え、
前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するものであることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させることを特徴とする請求項1又は2記載の通信装置。
【請求項4】
メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至3記載の通信装置。
【請求項5】
前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることを特徴とする請求項1乃至4記載の通信装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば電話、ファクシミリ装置等の通信装置に関し、着信側で発信元を識別できる機能を有する通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、アナログ電話網や、ISDN(サービス総合デジタル網:Integrated Services Digital Network)等の通信網を利用して例えばファクシミリ通信を行なう通信装置が広く普及している。このような通信装置は、発信元の識別情報を着信側に伝送する機能を有しており、発信元の識別情報を着信側に伝送することにより、例えば着信側の端末に発信元の電話番号を表示することができる。
【0003】
従来のこの種の通信装置としては、例えば特開平2-131666号公報、特開平1-314051号公報、特開昭64-68062号公報、特開昭54-79510号公報等に記載されたものがあり、前記発信元の電話番号表示に留まらず、発信元の識別情報に対応して着信時のブザー音や鳴動パターンを変えることができる。
【0004】
このような通信装置によれば、ブザー音や鳴動パターンによって着信時に発信元を判別することができ、発信元に係るオペレータによって速やかにファクシミリ情報を処理することができる。
また、ファクシミリによる画像情報の伝達は、送信側から受信側の一個人に向けて行なわれるのが普通であるが、ファクシミリ装置の設置場所等の関係から各企業においては個人単位ではなく、各部署単位にファクシミリ装置を設置している。
【0005】
このため、ファクシミリにより情報を伝達した場合には、発信元が受信側の個人に対し口頭で電話連絡することになる。
そこで、前述した公報の中には、ファクシミリ交信が行なわれた後、登録されている連絡先(受信側の個人に割り当てられた電話機)に、送信側または受信側のファクシミリ装置が自動発呼し、その旨を伝えることができる方式が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の通信装置にあっては、着信時のブザー音や鳴動パターンを変えても同一系統の音色であることに変わりはなく、ファクシミリ本体のブザー、スピーカによる通知にしても、電話連絡による通知にしても、音色の違いが小さいため、どこからの受信なのか明確に聞き分けられないという問題があった。
【0007】
一方、自動発呼による電話連絡に関しては、送信側において送信時に連絡先を登録しなければならず、また送信側からの自動発呼は、遠距離間で自動発呼する場合に連絡のための電話料金が高騰するという問題があった。
そこで、請求項1に係わる発明は、外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段と、入力されたメロディを複数記憶する記憶手段と、入力手段により送信側識別番号と任意に選択されたメロディとを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備え、前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせ、そのメロディによって、結果的にどこからの送信であるのかを明確に通知できる通信装置を提供することを目的としている。
【0008】
また、請求項2に係わる発明は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力してメロディを登録しておき、送信側識別情報と登録メロディとを対応づけて記憶させておき、着信側においてその登録されたメロディにより発信元を識別することを目的としている。
更に、請求項3記載の発明は、請求項1の発明において、前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させることを特徴とする通信装置を提供することを目的としている。
また更に、請求項4記載の発明は、メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備え、不要となったメロディを消去するほか、誤って入力された者を修正する機能を備えた通信装置を提供することを目的としている。
加えて、請求項5記載の発明は、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させ、メロディを確認することの可能な通信装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる発明は、上記目的を達成するために、メロディを登録するための読み書き可能な記憶手段と、前記記憶手段に外部から任意のメロディを登録させるためのメロディ入力手段と、送信側識別情報とメロディとを対応させて記憶する対応テーブルと、前記対応テーブルに送信側識別情報とメロディとを対応付けて記憶させるための操作手段と、着信中に受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備え、前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、上記目的を達成するために、前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するものであることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3記載の発明は、上記目的を達成するために、請求項1記載の発明において、前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させることを特徴とする。
更に、請求項4記載の発明は、上記目的を達成するために、メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備えたことを特徴とする。
加うるに、請求項5記載の発明は、上記目的を達成するために、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることを特徴とする。
【0012】
【作用】
上記構成を有する請求項1記載の発明においては、外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段と、入力されたメロディを複数記憶する記憶手段と、入力手段により送信側識別番号と任意に選択されたメロディとを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備えており、前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることができ、送信側識別情報に対応する呼出音を再生できる。
【0013】
また、上記構成を有する請求項2記載の発明においては、請求項1に説明したメロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するものである。
【0014】
請求項1で述べたように、入力されたメロディを登録する際に、そのメロディを再生手段により再生させ、メロディ自体を予め確認し得る。そして、請求項3の発明においては、前記対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択させ得る。
また、上記構成を有する請求項4記載の発明においては、メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備えている。誤ったメロディは消去され、又は登録の要領で修正できる。
更に、上記構成を有する 請求項5記載の発明においては、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを再生手段により再生させることができる。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
図1は請求項1〜5いずれかに記載された発明の一実施例に係る通信装置としてのファクシミリ装置を示す構成図である。
まず、構成を説明する。図1において、CPU(Central Processing Unit)11は、ROM(Read Only Memory)12に書き込まれたプログラムに従って、ファクシミリ装置全体のシステムを制御する。RAM(Random Access Memory)13は、CPU11の動作に必要なワークエリアやデータを記憶する。スキャナ14は、例えば送信原稿を所定の解像度で読み取る。プロッタ15は、受信した画情報をプリントアウトする。
【0016】
DCR(符号復号化装置)16は、画情報の符号化/復号化を行なう。モデム(変復調装置)17は、ファクシミリ通信に係る画情報の変復調を行う。NCU(網制御装置)18は、ファクシミリ通信を行う回線(電話回線等)ループを形成する。オペレーションパネル19は、ファクシミリ装置を操作するために必要な表示装置またはキー入力装置等から構成されている。
【0017】
メロディ/音声入力手段20は、任意のメロディまたは音声を記憶するための入力装置である。メロディ/音声再生手段21は、前記メロディまたは音声を着信通知するための再生装置、例えばスピーカである。連絡先入力手段22は、着信時に自動発呼する連絡先を記憶するための入力装置である。
上記構成において、ROM12およびRAM13は、送信側識別情報と、メロディまたは音声と、連絡先の電話番号とを対応させて複数個記憶する対応テーブルを構成する。ROM12には、あらかじめ複数個のメロディまたは音声が記憶されており、RAM13に任意に送信側識別情報および連絡先の電話番号が記憶され、これらは互いに1対1で対応している。CPU11は、判定手段として、着信時に受信した送信側識別情報が前記対応テーブルに記憶されているか否かを判定する。CPU11により記憶が確認された送信側識別情報に対応するメロディまたは音声は、メロディ/音声再生手段21により再生される。
【0018】
また、前記送信側識別情報に対応する連絡先の電話番号には、NCU18を自動発呼手段として自動的に発呼が行なわれる。そして、自動発呼した連絡先に向けて前記再生手段21にて再生されるメロディまたは音声が通知される。
次に、作用を説明する。なお、以下の説明では着信通知をメロディによって行なうものとする。
【0019】
図2は本実施例の対応テーブルにおける記憶内容を示す概念図であり、同図(a)は送信側識別情報の記憶テーブルを示し、同図(b)はメロディの記憶テーブルを示す。
図2(a)に示す送信側識別情報の記憶テーブルは、例えばRAM13に形成され、ID1〜IDn(ただし、nは整数)として送信側識別情報(IDコード)が記憶される。IDコードとして何を使用するかは、受信側のファクシミリ装置であらかじめ決めておく。
【0020】
通常の交信では、RTI/CSI/ポーリングID等が送受間の装置で取り交わされるので、このうちのどれかを選択する。なお、RTIは送信先確認表示(Receiver Terminal Identification)であり、CSIは被呼端末識別信号(Called Subscriber Identification)、ポーリングIDは各地に点在するエンド端末で発生する情報をセンタに集める集信形の通信形態におけるエンド端末の識別信号である。また、自社モードである送信先確認表示RTIは最大20文字、国際標準である被呼端末識別信号CSIは20文字、自社モードであるポーリングIDは4文字が各々使用可能であるが、必ずしも全文字を指定する必要はない。例えば、ワイルドカード検索機能があれば、このうちの数文字指定で充分である。なお、IDコードとして、他に送信端末識別信号TSI(Transmitting Subscriber Identification)を用いることも可能である。指示されたIDコードは、例えば1文字1バイト対応で記憶される。なお、これらのIDコードID1〜IDnには、それぞれ対応するメロディのインデックスが付されて記憶される。IDコードID1〜IDnに対するメロディは可変であるから、どのメロディを使用するかというインデックスまで含んで、図示のように、固定エリアが設定されている。このメロディインデックスの記憶容量は、1バイトで充分である。
【0021】
また、本実施例において、メロディは、図2(b)に示すような形で、読み出し専用メモリであるROM12にあらかじめ記憶されている。そして、同様の形式で任意のメロディをRAM13に記憶することができる。なお、任意のメロディを記憶する記憶手段は、システムのRAM13に限るものではなく、読み書きできるものであればその種類は問わない。
【0022】
図示のメロディMEL1は、1つの音符が、音程aと長さa’とにより記憶されている。1つの音に各々1バイトを要するとすると、1つのメロディを記憶するためには、2m(ただし、mは整数)バイト必要となる。
ここで、ユーザーによる任意のメロディは、メロディ/音声入力手段20から入力され、RAM13に記憶される。この入力手段20は、OMR(光学式マーク読取機:Optical Mark Reader)、OCR(光学式文字読取機:Optical Character Reader)、キーボードなどを用いてもよいし、直接RAM13にコードを書き込んでもよい。
【0023】
また、連絡先入力手段22は、オペレーションパネル19上に配置されたテンキーを用いるのが一般的であるが、OMR、OCR、バーコードリーダなども利用可能である。
図3は任意のメロディを記憶させる処理手順例を示すフローチャートである。
まず、オペレーションパネル19に備えられた所定のファンクションキーによりメロディ登録を選択し(ステップS1)、例えばユーザが楽譜を見ながらメロディ/音声入力手段20を用いて、図2(b)に示したように、1音符ずつ音程と(ステップS2)、長さを入力する(ステップS3)。1つのメロディの入力が終了したら(ステップS4)、メロディ/音声再生手段21によりそのメロディを再生し(ステップS5)、意図したとおりのメロディであれば(ステップS6)、RAM13内の所定エリアに記憶する(ステップS7)。
【0024】
一方、ステップS6の判断でメロディに誤りがあれば、入力したメロディを消去し(ステップS8)、ステップS2に戻る。
なお、本フローチャートはユーザにより任意のメロディを記憶する場合の動作例であるが、ROM12に記憶してある固定メロディの場合は、設計者が楽譜を見ながら設計時に本フローチャートと同様の手順によりデータを作成していくことになる。
【0025】
図4はIDコードとメロディとを対応させて記憶する際の処理手順を示すフローチャートである。
まず、オペレーションパネル19に備えられた所定のファンクションキーによりIDコードを登録し(ステップP1)、合わせて着信通知時のメロディも登録する場合は(ステップP2)、ROM12またはRAM13に記憶されているメロディの中から1つのメロディを選択し(ステップP3)、選択したメロディを確認した後(ステップP4)、所望のメロディであれば(ステップP5)、図2(a)に示したように、対応するIDコードにメロディインデックスを付加し(ステップP6)、処理を終了する。
【0026】
なお、メロディインデックスは、メロディの先頭アドレスに対応するものであり、望ましくは先頭アドレスそのものが記憶される。
図5は実施例の着信時の動作を示すフローチャートである。
まず、着信を受けると、被呼端末識別信号CED(Called Station Identification)を発信元に送信し(ステップT1)、続いて非標準機能識別信号NSF(Non-Standard Facilities)またはデジタル識別信号DIS(Digital Identification Signal)を送信する(ステップT2)。
【0027】
次に、非標準機能設定信号NSS(Non-Standard Facilities Set-up)/送信先確認表示RTI、デジタル命令信号DCS(Digital Command Signal)/送信端末識別信号TSI(Transmitting Subscriber Identification)等を受信し(ステップT3)、送信先確認表示RTI、送信端末識別信号TSIがRAM13に登録されているかどうかをチェックし(ステップT4)、登録済みであれば対応するメロディまたは音声を検索し(ステップT5)、着信通知を行なうフラグをオンセットして検索したメロディまたは音声のインデックスを再生手段21にセットする(ステップT6)。
【0028】
次いで、モデムレート等の送受信に係るトレーニングを行ない(ステップT7)、送信側から送られてくる画情報を受信する(ステップT8)。画情報を受信している間は正常に受信が行なわれているかどうかをチェックし(ステップT9)、不良の場合は着信通知のフラグ類をリセットし(ステップT10)、最終ページまでの画情報を受信する(ステップT11)。
【0029】
図6は着信通知の処理手順を示すフローチャートである。
まず、図5のステップT6において、着信通知のフラグがオンセットされることを待機し(ステップR1)、着信通知がローカル通知かどうかを判断する(ステップR2)。なお、ローカル通知とは、ファクシミリ装置本体の再生手段21により行なわれる通知のことであり、非ローカル通知とは、連絡先への自動発呼による通知のことである。
【0030】
ローカル通知の場合、再生手段21のモニタスピーカをオンし、図5のステップT6にてセットされたインデックスのメロディを再生する(ステップR3)。再生後、フラグ類をリセットし(ステップR4)、処理を終了する。
一方、ステップR2の判断で非ローカル通知の場合、連絡先の電話番号に自動発呼し(ステップR5)、再生手段21にセットされたメロディをハンドセットを通して再生した後(ステップR6)、フラグ類をリセットし(ステップR7)、処理を終了する。
【0031】
本処理において、メロディ再生手段21が専用のものであれば、送信側のIDコードすなわち送信側のRTI/CSI/ポーリングID等を受信した時点で着信通知を行なうことが可能であり、画情報受信に入ったときには送信側を識別できる。一方、専用の再生手段を持たない場合は、モデム17を使用してメロディ再生を行なうので、着信通知は受信終了後に行なわれる。
【0032】
なお、頭出しが可能なDAT(Digital Audio Tape-recorder)等を記憶/再生の手段として用いることもできる。
また、受信と同時に印字出力が行なわれる通常受信と、受信した画情報を蓄積するメモリ受信とで、異なるメロディを使用することにより、迅速なオペレータの処理を促すことができる。
【0033】
なお、連絡先への自動発呼に係り、極性反転等により相手応答が確認できれば問題ないが、そうでない回線も多いので、ダイヤル終了後、一定時間経過したら機械的にメロディ送出を開始する。従って、リダイヤル等による応答確認の強制はしないものとする。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明に係る通信装置によれば、外部から任意のメロディを入力するためのメロディ入力手段と、入力されたメロディを複数記憶する記憶手段と、入力手段により送信側識別番号と任意に選択されたメロディとを1対1に対応付けて複数記憶可能な対応テーブルと、受信した送信側識別情報に対応するメロディを前記記憶手段から読み出して再生する再生手段とを備え、前記メロディ入力手段により複数の音からなるメロディの入力が終了したら該メロディをその記憶可否のために再生し、記憶可の場合には前記記憶手段にメロディを記憶させる一方、記憶否の場合にはメロディの再入力を行なわせることができ、呼出音に基づく着信通知から、どこからの送信であるのかを明確に通知でき、送り主を判別できる。
【0035】
また、請求項2記載の発明に係る通信装置によれば、前記メロディ入力手段は、メロディを形成する複数の音を1音づつ入力するものであり、音階とその長さとを正確に入力することによりメロディを登録できる利点がある。
【0036】
また、請求項3記載の発明に係る通信装置によれば、対応テーブルへの記憶の際には、送信側識別番号を指定させた後、対応するメロディを選択できる。
更に、請求項4記載の発明に係る通信装置によれば、メロディの再生後に、入力されたメロディを消去させる手段を備え、誤って入力されたメロディの修正ができる。
加えて、請求項5記載の発明に係る通信装置によれば、前記送信側識別情報とそれに対応するメロディの選択が終了したら、選択されたメロディを前記再生手段により再生させることができ、送信側識別情報に対するメロディを確認できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
請求項1〜5いずれかに記載された発明の一実施例に係る通信装置としてのファクシミリ装置を示す構成図である。
【図2】
本実施例の対応テーブルにおける記憶内容を示す概念図であり、同図(a)は送信側識別情報の記憶テーブルを示し、同図(b)はメロディの記憶テーブルを示す。
【図3】
任意のメロディを記憶させる処理手順例を示すフローチャートである。
【図4】
IDコードとメロディとを対応させて記憶する際の処理手順を示すフローチャートである。
【図5】
実施例の着信時の動作を示すフローチャートである。
【図6】
着信通知の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 CPU(判定手段)
12 ROM
13 RAM
14 スキャナ
15 プロッタ
16 DCR(符号復号化装置)
17 モデム(変復調装置)
18 NCU(網制御装置)
19 オペレーションパネル
20 メロディ/音声入力手段
21 連絡先入力手段
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2004-10-27 
出願番号 特願2001-158904(P2001-158904)
審決分類 P 1 651・ 121- ZA (H04M)
P 1 651・ 832- ZA (H04M)
最終処分 取消  
特許庁審判長 佐藤 秀一
特許庁審判官 長島 孝志
衣鳩 文彦
登録日 2003-06-20 
登録番号 特許第3442750号(P3442750)
権利者 株式会社リコー
発明の名称 通信装置  
代理人 有我 軍一郎  
代理人 有我 軍一郎  

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