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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1147945
審判番号 不服2005-123  
総通号数 85 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-04-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2005-01-04 
確定日 2006-11-27 
事件の表示 特願2000-292671「パチンコ機」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 4月 2日出願公開、特開2002- 95813〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第一.手続の経緯
本願は、平成12年9月26日の出願であって、拒絶理由通知に対応して平成16年9月14日に手続補正書が提出され、その後なされた拒絶査定に対し、同年17年1月4日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成17年2月2日に手続補正がなされたものである。



第二.平成17年2月2日付の手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成17年2月2日付の手続補正を却下する。

[理由]
[1]補正後の本願発明
平成17年2月2日付の手続補正(以下「本件補正」という)により、特許請求の範囲の請求項1は以下のように補正された。
「遊技盤上に形成されたパチンコ遊技における特別遊技に関与する特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したとき、その際のパチンコ遊技状況によって該特別遊技に関する所定の特典が該通行に対応して与えられるように構成されているパチンコ機であって、
遊技盤面上の所定位置に形成された1つの遊技球入口と、
遊技球を通過させる少なくとも2つのワープ球通路と、
前記遊技球入口を通行した遊技球を前記2つのワープ球通路のいずれか一方に選択的に通行させる遊技球誘導用の可動片と、
前記可動片を駆動する可動片駆動手段と、
前記特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したのに応じて、前記可動片駆動手段を介して前記可動片を駆動することで、遊技球の発射により前記遊技球入口を通行した遊技球が前記2つのワープ球通路のどちらを通ったかによって前記特典の大当たり予告やスーパーリーチ予告の信頼度の高さを表示部の点灯状態により示す制御手段とを有することを特徴とするパチンコ機。」


[2].補正要件(目的)の検討
本件補正は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「遊技球入口を通行した遊技球」について「遊技球の発射」との限定を付加するものであって、特許法第17条の2第4項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。


[3].補正要件(独立特許要件:特許法第29条第2項)の検討
(1).引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された、特開2000-202141号公報、及び、可能性の程度を表示・報知すること、並びに程度表示・報知手段として点灯状態による手段が周知であることの例示刊行物である特開2000-210439号公報、特開平10-127893号公報には以下の事項が記載されている。
(A).特開2000-202141号公報(以下、「刊行物A」という).
(A-1).「【要約】 【課題】 ゲーム表示部の表示状態が大当り等の特定の状態となることへの期待感を効果的に高めて、遊技の面白味を高めることができるようにする。
【解決手段】 センタ役物13のゲーム表示部21両側にワープ通路23を設け、各ワープ通路23にパチンコ球を検出するワープ球センサ25を設ける。ゲーム表示部21の上方には、大当り予告を行うための役物26を配置する。制御回路は、ゲーム表示部21の表示状態が大当り状態となる可能性が高い時に、大当り予告コマンドを発生し、ワープ球センサ25に通電して大当り予告待機状態とする。この大当り予告待機状態の期間中に、ワープ球センサ25によってパチンコ球がワープ通路23を流下したことが検出されて予告条件が成立すると、役物26を回転させて大当り予告を実施する。この大当り予告毎に、遊技客は、大当り状態となる可能性が高いことを知ることができ、大当りヘの期待感が高まる。」
(A-2).「【0011】一方、請求項6のように、特定の状態は、大当り状態又は大当りの確率が高いリーチ状態とすると良い。このようにすれば、特定表示予告手段は、遊技中に、大当り又はリーチとなる可能性が高いことを報知する大当り予告又はリーチ予告を行うため、大当りヘの期待感を効果的に高めることができる。」
(A-3).「【0013】遊技盤12内に打ち込まれたパチンコ球が始動入賞口14に入賞すると、例えば、センタ役物13のゲーム表示部21に表示されている数字や図柄が回転し始め、それが停止した時の数字や図柄の組み合わせが予め定められた大当りの組み合わせになったときに大当りが成立し、大当り成立時には、可変入賞装置15の開閉板15aを所定時間経過するまで開放し、通常よりもパチンコ球を入賞しやすくする。」
(A-4).「【0030】[実施形態(3)]次に、図6及び図7に基づいて本発明の実施形態(3)を説明する。本実施形態(3)のセンタ役物30では、通常ワープ通路31(通常流路)と予告ワープ通路32(予告流路)が、球入口28の下方から左右に分岐するように設けられている。通常ワープ通路31を流下するパチンコ球は、左側の通常ワープ通路出口33からゲーム表示部21の下部前面側に流れ出る。一方、予告ワープ通路32を流下するパチンコ球は、右側の予告ワープ通路出口34からゲーム表示部21の下部前面側に流れ出る。更に、通常ワープ通路31と予告ワープ通路32の分岐部には、左右2つの流路切換弁35,36が設けられている。これらの流路切換弁35,36は、それぞれソレノイド(図示せず)のオン/オフによって、各通路31,32内に突出してパチンコ球の通過を阻止する位置と、各通路31,32から後方に退避させてパチンコ球の通過を許容する位置との間を移動するようになっている。各通路31,32を流れるパチンコ球が遊技者側から見えるように、各通路31,32の前面は、流路切換弁35,36の部分を除いて透明となっている。各流路切換弁35,36の動作は、制御回路によって制御される。
【0031】次に、制御回路による制御内容を図7の大当り予告制御プログラムに基づいて説明する。まず、ステップ301で、大当り予告コマンドが発生中か否かを判定し、大当り予告コマンドが発生していない場合は、ステップ302に進み、パチンコ球の流路を通常ワープ通路31に切り換える。具体的には、流路切換弁35を後退させて通常ワープ通路31を開放すると共に、流路切換弁36を突出させて予告ワープ通路32を閉鎖する。これにより、球入口28からセンタ役物30内に入ったパチンコ球は、通常ワープ通路31を流下して、通常ワープ通路出口33からゲーム表示部21の下部前面側に流れ出る。
【0032】その後、大当り予告コマンドが発生した時に、ステップ301からステップ303に進み、パチンコ球の流路を予告ワープ通路32に切り換える。具体的には、流路切換弁35を突出させて通常ワープ通路31を閉鎖すると共に、流路切換弁36を後退させて予告ワープ通路32を開放する。これにより、大当り予告待機状態となり、この大当り予告待機状態の期間中に、球入口28からセンタ役物30内に入ったパチンコ球は、予告ワープ通路32を流下して、予告ワープ通路出口34からゲーム表示部21の下部前面側に流れ出る。遊技者は、予告ワープ通路出口34内をパチンコ球が流れるのを見ることで、大当り予告を知ることになる。」
(A-5).してみると、刊行物Aには以下の発明(以下、「引用発明」という)が記載されている。
「遊技盤12内に打ち込まれたパチンコ球が始動入賞口14に入賞すると、ゲーム表示部21に表示されている数字や図柄が変動停止し、停止した時の数字や図柄の組み合わせが予め定められた大当りの組み合わせになったときに大当りが成立して、可変入賞装置15の開閉板15aが所定時間開放される遊技機において、
ゲーム表示部21の表示状態が大当り状態となる可能性が高い時に発生される当り予告コマンドが発生したとき、ソレノイド(図示せず)のオン/オフにより、流路切換弁35を突出させて通常ワープ通路31を閉鎖すると共に、流路切換弁36を後退させて予告ワープ通路32を開放し、当該開放中に球入口28からセンタ役物30内に入ったパチンコ球を、予告ワープ通路32に流下させ、予告ワープ通路出口34からゲーム表示部21の下部前面側に流れ出させて、当該流れ出たパチンコ球を遊技者が目視することにより大当り予告を行なう遊技機、及び予告対象としてリーチとした遊技機。」
(B).特開2000-210439号公報(以下、「刊行物B」という).
(B-1).「【0028】また、大当たりか否かを判断せず、予告の有無、その予告の種類、リーチの有無によって予告報知手段に差をつけ、遊技客に報知する可能性予告音声報知方法を図10、図11のフローチャートを参照して説明する。予告報知手段の決定方法は、まず、予告が有るか否かを判断し(ステップS57)、予告有りの場合、予告決定用乱数より抽出された予告の種類(ステップS58,S59,S60,S64,S65,S66)によって、トータル的に報知する音声(効果音)の種類を大当たり発生可能性の程度に基づき決定し、予告報知手段21より情報を発生する。そして、予告表示もリーチ表示もしない場合は、通常ゲームの音声(効果音)を発生する。また、これに加えて、リーチの種類により音声(効果音)予告報知手段に差をつけ、トータル的に特典付与の発生可能性の程度に基づき、報知方法を決定し、報知してもよい。
【0029】次に実際の予告出現率、予告信頼度と予告報知手段の表示パーセントと音声報知の関係を表1により説明する。

【表1】
表1は実際の予告信頼度と可能性予告報知パーセント及び音声報知との関係を一例として示した相対表である。予告乱数カウンタより予告種類A(青桜予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は2.43%しかないが、それでは遊技者が興味をもって遊技を継続することが出来ないので実際の報知パーセントは10%、つまり図1においてa1およびa2を点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてA′(『ごっつあんです。』)を選択し報知する。また、予告乱数カウンタより予告種類B(赤桜予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は17.75%しかないが、遊技者により興味をもって遊技をしてもらうために、実際の報知パーセントは50%、つまり図1においてa1?a9まで点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてB′(『けいこは万全だ。』)を選択し報知する。また、予告乱数カウンタより予告種類C(ペン太予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は100%であるが、何らかの原因(静電気、不正電波等)によりエラーが発生し、大当たりとならないことが考えられるので、実際の報知パーセントは99.9%、つまり図1においてa1?a14まで点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてC′(『元気100倍。今の俺は無敵だぜ。』)を選択し報知する。また、予告乱数カウンタより予告種類D(すべり予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は9.91%しかないが、遊技者により興味をもって遊技をしてもらうために、実際の報知パーセントは30%、つまり図1においてa1?a7まで点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてD′(『むむ、かなり体調がいいぞ。』)を選択し報知する。また、予告乱数カウンタより予告種類E(赤桜+ペン太+フラッシュ予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は100%であるが、何らかの原因(静電気、不正電波等)によりエラーが発生し、大当たりとならないことが考えられるので、実際の報知パーセントは99.9%、つまり図1においてa1?a14まで点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてE′(『元気100倍。今の俺は無敵だぜ。』)を選択し報知する。また、予告乱数カウンタより予告種類F(回る玉の花予告)を抽出した場合には、実際の信頼度は24.29%しかないが、遊技者により興味をもって遊技をしてもらうために、実際の報知パーセントは70%、つまり図1においてa1?a11まで点灯(点滅)報知する。音声報知については、音声報知部21より予告種類の一例としてF′(『俺の必殺技を受けてみろ。』)を選択し報知する。」

(C).特開平10-127893号公報(以下、「刊行物C」という).
(C-1).「【要約】【課題】 リーチ予測(リーチ予告)に対する遊技者の期待感を向上し得る弾球遊技機を提供することにある。
【解決手段】 各種リーチ1?3に対して大当り信頼度を異なって設定すると共に、リーチ予告を行うときには、リーチ予告を行わないときに比べてリーチ3の大当り信頼度を高く設定する。これにより、リーチ予告に対する遊技者の期待感を向上することができる。また、リーチ予告あり時に大当り信頼度を向上するリーチ3は、信頼度が最も高いスーパーリーチであると共に、±1図柄ズレの惜しいハズレになり易いリーチとなっている。このため、リーチ予告を行うときには、スーパーリーチに対する期待感を強烈にアピールすることができ、さらにはリーチ予告なし時では惜しくもハズレとなっていたリーチが大当りになり易くなるので射幸性の向上が可能になる。」
(C-2).「【0036】なお、上記した左・中・右の各図柄変動において、・・・。なお、大当り予告の報知態様は、実施形態中に記載のものに限定しない。例えば、図柄の変動態様のみを通常時と異ならせたり、あるいはランプ装飾のみを行うことで、大当り予告を報知してもよい。また、リーチ予告についても実施形態中に記載の右図柄の一旦停止に限定するものではない。・・・。さらには、キャラクタ図柄の表示によって大当りを決定するような構成とした場合には、そのキャラクタ図柄の表示態様の変化度合い等に応じてリーチ状態を決定してもよい。」

(2).引用発明と本願補正発明との対比
(ア).発明特定事項の対応関係
(i).引用発明における「大当り」は、本願補正発明における「特典」に対応し、以下同様に、「球入口28」は「遊技球入口」に、「通常ワープ通路、予告ワープ通路」は「2つのワープ球通路」に、「流路切換弁35」は「遊技球誘導用の可動片」に、「ソレノイド」は「可動片駆動手段」に、「始動入賞口」は「特定の入賞口または遊技球通過ゲート」に対応する。
(ii).引用発明における「ゲーム表示部21の表示状態が大当り状態となる可能性が高い時に発生される当り予告コマンドが発生したとき」、及び「予告対象としてリーチ」は、球入口を通過したパチンコ球を「予告ワープ通路」出口から排出することが、大当りやリーチが生じる信頼性に応じてパチンコ球が通過する「ワープ通路」を選択することとなるから、本願補正発明における「遊技球入口を通行した遊技球が前記2つのワープ球通路のどちらを通ったかによって前記特典の大当たり予告やスーパーリーチ予告の信頼度の高さ」とは、「遊技球入口を通行した遊技球が前記2つのワープ球通路のどちらを通ったかによって前記特典の大当たり予告やリーチ予告の信頼度の高さ」で共通する。

(イ).一致点
「遊技盤上に形成されたパチンコ遊技における特別遊技に関与する特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したとき、その際のパチンコ遊技状況によって該特別遊技に関する所定の特典が該通行に対応して与えられるように構成されているパチンコ機であって、
遊技盤面上の所定位置に形成された1つの遊技球入口と、
遊技球を通過させる少なくとも2つのワープ球通路と、
前記遊技球入口を通行した遊技球を前記2つのワープ球通路のいずれか一方に選択的に通行させる遊技球誘導用の可動片と、
前記可動片を駆動する可動片駆動手段と、
前記特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したのに応じて、前記可動片駆動手段を介して前記可動片を駆動することで、遊技球の発射により前記遊技球入口を通行した遊技球が前記2つのワープ球通路のどちらを通ったかによって前記特典の大当たり予告やリーチ予告の信頼度の高さを示す制御手段とを有するパチンコ機。」

(ウ).相違点
予告に関して、本願補正発明は、リーチ予告がスーパーリーチ予告であり、予告の信頼度を表示部の点灯状態にて表示しているのに対し、引用発明は、リーチ予告はリーチの種類を限定していない点、予告の信頼度は、通過したワープ通路にて表示し、格別の表示手段を設けていない点

(3).相違点の検討
前記(C-1)の記載に見られるようにスーパーリーチは周知のリーチであり、当該スーパーリーチに限定したことによる格別の作用効果も認められないから、当該相違点は単なる設計的事項である。
また、予告の信頼度を点灯(点滅)報知することは、前記(B-1)、(C-2)に見られるように周知の事項であり、当該報知手段を採用することの困難性、及び採用したことによる格別の作用効果は認められない。
してみると、当該相違点は当業者が前記周知の事項に基づいて当業者が適宜為し得たものであるから、格別のものではない。
したがって、本願補正発明は、刊行物Aに記載された発明、及び周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(4).むすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。



第三.本願発明について
[1].本願発明
平成17年2月2日付の手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成16年9月14日付手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「遊技盤上に形成されたパチンコ遊技における特別遊技に関与する特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したとき、その際のパチンコ遊技状況によって該特別遊技に関する所定の特典が該通行に対応して与えられるように構成されているパチンコ機であって、
遊技盤面上の所定位置に形成された1つの遊技球入口と、
遊技球を通過させる少なくとも2つのワープ球通路と、
前記遊技球入口を通行した遊技球を前記2つのワープ球通路のいずれか一方に選択的に通行させる遊技球誘導用の可動片と、
前記可動片を駆動する可動片駆動手段と、
前記特定の入賞口または遊技球通過ゲートを遊技球が通行したのに応じて、前記可動片駆動手段を介して前記可動片を駆動することで、前記遊技球入口を通行した遊技球が前記2つのワープ球通路のどちらを通ったかによって前記特典の大当たり予告やスーパーリーチ予告の信頼度の高さを表示部の点灯状態により示す制御手段とを有することを特徴とするパチンコ機。」


[2].特許法第29条第2項の検討
(1). 引用刊行物記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物、および、その記載事項は、前記「第二.[3].(1)」に記載したとおりである。

(2).引用発明と本願発明との対比
本願発明は、前記「第二」で検討した本願補正発明から「遊技球入口を通行した遊技球」の限定事項である「遊技球の発射」との構成を省いたものである。
そうすると、本願発明の構成要件を全て含み、さらに他の構成要件を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「第二.[4].(3)」に記載したとおり、刊行物Aに記載された発明、及び、周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、刊行物Aに記載された発明、及び、周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3).むすび
以上のとおり、本願発明は、刊行物Aに記載された発明、及び、周知の事項に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
[4].まとめ
本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-09-20 
結審通知日 2006-09-22 
審決日 2006-10-18 
出願番号 特願2000-292671(P2000-292671)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 飯野 茂  
特許庁審判長 中村 和夫
特許庁審判官 渡部 葉子
小田倉 直人
発明の名称 パチンコ機  
代理人 阿部 和夫  
代理人 谷 義一  
復代理人 宮下 元志  

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