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審決分類 審判 一部無効 発明同一  A23L
管理番号 1148650
審判番号 無効2005-80202  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-11-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-06-30 
確定日 2006-11-09 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3600185号発明「軍艦巻等の海苔巻製造装置及び海苔巻製造方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3600185号の請求項1、4、5に記載された発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3600185号に係る発明についての出願は、平成13年5月16日に特許出願されたものであって、平成16年9月24日にその発明について特許権の設定登録がなされた。
これに対して、平成17年7月1日に請求人鈴茂器工株式会社より無効審判の請求がなされ、平成17年10月1日付けで被請求人不二精機株式会社より訂正請求書及び答弁書が提出され、その後平成18年6月29日に請求人及び被請求人より口頭審理陳述要領書がそれぞれ提出され、同日口頭審理が行われ、その後平成18年7月18日に請求人より、平成18年7月31日に被請求人より、それぞれ上申書が提出されたものである。

第2 訂正の適否
1.訂正の内容
平成17年10月3日に被請求人より提出された訂正請求書による訂正請求は、本件特許発明の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正することを求めるものであって、その内容は以下のとおりである。
(a)特許請求の範囲の請求項1を、
「成形された飯塊を間歇的に移送する移送装置を有する軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、
当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内する案内手段と、
当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設し、
上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。」と訂正する。
(b)特許請求の範囲の請求項5を削除する。
(c)特許請求の範囲の請求項6を、項数を繰り上げて請求項5とすると共に、
「成形された飯塊を移送装置で間歇的に移送しながら軍艦巻等の海苔巻を製造する海苔巻製造方法であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設して海苔引出手段により上記ロールから帯状海苔を引き出し、
上記引出手段により引き出された帯状海苔を案内手段によって上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内し、
当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造する方法であり、
上記海苔巻付手段による上記カット後の海苔の巻き付けは、上記飯塊の側面に配置された飯塊受部により上記飯塊周面にカット後の上記海苔を貼着し、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。」と訂正する。
(d)特許請求の範囲の請求項7の項数を繰り上げて請求項6とする。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項(a)について
上記(a)の訂正は、本件特許の願書に添付した明細書(以下、「本件明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1の「海苔巻付手段を配設したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。」との記載を、「海苔巻付手段を配設し、上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。」とするものである。
即ち、訂正前の「海苔巻付手段」を「飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部」と、「海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片」とから構成されているとするものである。
これは、請求項1の「海苔巻付手段」をより具体的に特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
そして、この限定事項については、本件明細書の請求項5に「上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものである」と記載され、また、「交互に上記飯塊に巻き付ける」点については、本件明細書に「海苔を交互に飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができ・・・」(本件特許公報4頁33行)及び「この海苔押え片29,29’は、実際には図13(c)1、2に示すように交互に駆動される。即ち、まずロータリーソレノイドPL2を駆動して海苔押え片29を矢印M方向に駆動した後(図13(c)1)、ロータリーソレノイドPL2’を駆動して海苔押え片29’を矢印N方向に駆動し(図13(c)2)、海苔18の両端部を各々交互に飯塊Rの後方側面に貼着させるように構成している。」(本件特許公報8頁15行?20行)と記載されている。
また、「海苔押え片」が「一対」である点についても、本件明細書に「上記海苔押え片は、例えば上記飯塊受部に軸支され海苔を交互に飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができる。」(本件特許公報4頁32行?33行)と記載されている。
したがって、上記(a)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、上記(a)の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(2)訂正事項bについて
上記(b)の訂正は、訂正前の請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
また、上記(b)の訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的として請求項5を削除するのみであるから、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であるし、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(3)訂正事項cについて
上記(c)の訂正は、本件明細書の訂正前の特許請求の範囲の請求項6の項数を繰り上げて請求項5とした上で、訂正前の請求項6の「かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。」との記載を、「かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造する方法であり、上記海苔巻付手段による上記カット後の海苔の巻き付けは、上記飯塊の側面に配置された飯塊受部により上記飯塊周面にカット後の上記海苔を貼着し、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。」と訂正するものである。
これは、訂正前の請求項6の「海苔巻付手段」による海苔の巻き付けの方法をより具体的に特定するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。
そして、請求項1に係る訂正事項(a)と同様に、「上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける」点については、本件明細書に「海苔を交互に飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができる。」(本件特許公報4頁33行)及び「この海苔押え片29,29’は、実際には図13(c)1、2に示すように交互に駆動される。即ち、まずロータリーソレノイドPL2を駆動して海苔押え片29を矢印M方向に駆動した後(図13(c)1)、ロータリーソレノイドPL2’を駆動して海苔押え片29’を矢印N方向に駆動し(図13(c)2)、海苔18の両端部を各々交互に飯塊Rの後方側面に貼着させるように構成している。」(本件特許公報8頁15行?20行)と記載され、また、「海苔押え片」が「一対」である点についても、本件明細書に「上記海苔押え片は、例えば上記飯塊受部に軸支され海苔を交互に飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができる。」(本件特許公報4頁32行?33行)と記載されている。
したがって、上記(c)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
また、上記(c)の訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

(4)訂正事項dについて
上記(d)の訂正は、訂正前の請求項5の削除に伴って、訂正前の請求項7の項数を繰り上げて請求項6とするだけであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。
また、上記(d)の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第134条の2第1項ただし書各号に列挙された事項を目的としており、同法第134条の2第5項で準用する同法第126条第3項及び第4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3 本件発明
特許第3600185号の請求項1ないし6に係る発明は、訂正明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし6に記載された事項により特定されるとおりのものと認められるところ、その請求項1、4及び5に係る発明(以下、「本件発明1、4及び5」という。)は、次のとおりのものである。
「【請求項1】成形された飯塊を間歇的に移送する移送装置を有する軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内する案内手段と、
当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設し、
上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項4】上記海苔引出手段は、上記帯状海苔を引き出す海苔送りローラと当該ローラの回転駆動手段とにより構成したことを特徴とする請求項1?3の何れか1に記載の軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項5】成形された飯塊を移送装置で間歇的に移送しながら軍艦巻等の海苔巻を製造する海苔巻製造方法であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設して海苔引出手段により上記ロールから帯状海苔を引き出し、
上記引出手段により引き出された帯状海苔を案内手段によって上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内し、
当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造する方法であり、
上記海苔巻付手段による上記カット後の海苔の巻き付けは、上記飯塊の側面に配置された飯塊受部により上記飯塊周面にカット後の上記海苔を貼着し、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。」

第4 請求人及び被請求人の主張
1.請求人の主張
請求人は、「特許第3600185号発明の明細書の請求項1、4、5、6にそれぞれ記載された発明についての特許を無効とする。」との審決を求め、その理由として、「本件特許の請求項1、4、5、6に記載された発明は、本件特許出願の日前の他の特許出願であって、本件特許の出願後に出願公開された特許出願(2001-22865号)の願書に最初に添付した明細書又は図面(甲第1号証)に記載された発明と同一である。しかも、本件特許発明の発明者及び出願人と、甲第1号証の発明の発明者及び出願人は同一でない。してみると、本件特許の請求項1、4、5、6に記載された発明は、特許法第29条の2本文の規定に該当し、特許法第123条第1項第2号の規定に基づき全て無効とされるべきものである。」と主張し、証拠方法として下記の甲第1号証ないし甲第9号証を提出している。

甲第1号証:特願2001-22865号の願書に最初に添付した明細書 及び図面の写し
甲第2号証:甲第1号証の出願公開特許公報(特開2002-22371 2号)
甲第3号証:本件特許公報(特許第3600185号)
甲第4号証:特開平6-233659号公報
甲第5号証:特開昭53-107473号公報
甲第6号証:特開昭53-142583号公報
甲第7号証:実開昭62-116691号公報
甲第8号証:平成12年11月15日に放映したテレビを録画したビデオ 1、2
甲第9号証:平成12年11月15日にテレビ放映したことを示す書籍
なお、甲第4号証ないし甲第9号証は、本件特許の出願前に、軍艦巻を含む海苔巻の製造技術において、「訂正に係る海苔押え片」が「技術常識」、「周知技術」或いは「慣用技術」であったという事実の立証を補強するために後日提出された証拠である。

2.被請求人の主張
これに対して、被請求人の主張は、本件特許の請求項1、4、5、6(訂正後の請求項1、4、5)に係る発明は、甲第1号証に記載された発明とは同一ではなく、請求人の主張する無効理由は失当であるというものである。
そして、証拠方法として下記の乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。

乙第1号証:実公平3-37433号公報
乙第2号証:特開平10-304834号公報
乙第3号証:特開平10-304833号公報
乙第4号証:特開2002-153223号公報
乙第5号証:特開2002-223712号公報
乙第6号証:特開2001-151号公報
乙第7号証:特開2002-320457号公報
乙第8号証:特開2006-81505号公報
乙第9号証:参考図1及び2(海苔シートの両端部の「重合部」を示す
模式図。)

第5 当審の判断
1.甲第1号証の記載事項
甲第1号証の特願2001-22865号の願書に最初に添付した明細書及び図面(以下、「先願明細書」という。)には、下記(a)ないし(j)の事項が記載されている。
(a)「本発明は、寿司飯を所定形状に成形した寿司玉の表面に、海苔シートを巻装する自動化された海苔巻き寿司の海苔巻方法及び海苔巻装置に関し、詳しくは、いくら、うに、かに等の高級品を寿司種とした軍かん巻、または握り飯の部分巻き、帯巻き等を自動的に、かつ連続して行なう海苔巻方法及び海苔巻装置に関するものである。」(段落【0001】)
(b)「上記テーブルBおよびロール状海苔シートjは、次のように構成される。図1に示したように、円盤状にして、中央に突設部3を突設して形成され、上記テーブル保持枠Aにおける底板1上面に固定され、上記突設部3を中心孔4に挿入して所定巾を有するロール状海苔シートjが上面に載置される。」(段落【0013】)
(c)「上記海苔シート引き出し供給機構Dは、次のように構成される。図1ないし図5に示したように、テーブル保持枠Aの一側に設けられた海苔シートJ1 の引き出し口15の近くにおいて、フレーム14上面に、駆動送りローラ16と、従動送りローラ17を対向して回転自在に軸支立設し、上記駆動送りローラ16はモータ等の駆動源18と連動連結され、図1及び図2において時計回り方向へ回転されることで、当該駆動送りローラ16と従動送りローラ17間に挟み込んだ海苔シートJ1 は引き出されて上記海苔シートガイドFへ供給されるよう構成されている。」(段落【0016】)
(d)「上記カッタ機構Eは、次のように構成される。図1ないし図5に示したように、フレーム14上面に固定立設した支持板19に固定刃20を、その上端をボルト21により固定して下方へ垂設し、可動刃22は、上記固定刃20の外側面に重合して上部を固定刃20の上部及び支持板19にボルト23、ナット24により回転自在に枢着して、相対する固定刃20と可動刃22をかむようにすり合せて海苔シートJ1 を切断するよう鋏形状に形成させてある。」(段落【0017】)
(e)「上記海苔シートガイドFは、次のように構成される。図1及び図2並びに図4に示したように、寿司玉搬送コンベアHの上部に、該搬送コンベアHと直角に、つまり、搬送コンベアHの横巾方向へ長く配設されるもので、具体的には、フレーム14に固定した水平な固定板33の裏面にガイド板34を、その上端をビス35、35にて固定して下方へ垂設し、既述カッタ機構Eの手前から搬送コンベアHの巾方向へ長く形成させてあり、既述可動刃22が開動停止している状態で、海苔シートJ1 が、固定、可動両刃20、22の間を通して、上記ガイド板34の内面(図1及び図2において右側面)に沿って供給されるよう形成させてある。」(段落【0020】)
(f)「上記ガイド板34の中央下部には、図2及び図4に示したように、搬送コンベアHにより寿司玉36が間欠的に搬送されるよう、・・・・・位置決めストッパ38を、ガイド板34自体を内側へ切り起して形成させてある。」(段落【0021】)
(g)「上記海苔シート抱持機構Iは、次のように構成される。図1及び図6並びに図7に示したように、既述固定板33の後部及びフレーム14等にビス止め等により固定した水平な取付け用基板41の裏面において、搬送される寿司玉36の左右両側(図1及び図6並びに図7において上下両側)に、二個一対の内側回転軸42、42と、二個一対の外側回転軸43、43を、各回転軸の上端を正転、逆転自在に支承して下方へ垂設させてあり、両外側回転軸43、43には、一半部を平板部44aに、他半部を湾曲板部44bに形成した後部抱持板44の平板部44a基端を固定し、一方、内側回転軸42、42には、略中央部から平面略L型に湾曲形成した全部抱持板45の基端を固定し、上記両後部抱持板44、44及び両前部抱持板45、45が図6において矢印c、c、d、dで示す内側方向へ、または反矢印方向へ、閉動、開動自在に形成させてある。」(段落【0025】)
(h)「上記した搬送コンベアHにより間欠的に寿司玉36が図1において左側から右方向へ搬送されることで、所定長さに切断された海苔シートJ3 の中央部に接触し、さらに、搬送されることで、既述固定板33の裏面の両側部に上端を固定して下方へ垂設した二個一対の海苔シート押え棒46、46に海苔シートJ3 両余端が当接して、図6に示したように、内側へ押圧湾曲され、上記両余端が、上記した前部抱持板45、45により図7に示したように寿司玉36の前面に抱着し易いように構成されている。」(段落【0027】)
(i)「以上説明したように、本発明は、ロール状海苔シートを使用し、該ロール状海苔シートから海苔シート引き出し機構を使って連続的に引き出し、その先端を切断機構により所定の長さだけカットし、当該海苔シートを寿司玉の外周に巻装するので、海苔シートの位置決めが常に一定となることで、常時必要な分の海苔シートを使えて、海苔シートの消費量を少なくできると共に、海苔巻きを自動的に連続して行うことができ、海苔巻作業の効率を向上でき、その結果、海苔巻寿司のコストダウンができる。また、寿司玉の外周に海苔シートを巻装、抱持し、さらに海苔シートの重合部とその反対側を押えることで海苔シート端部の開きを防止できて、外観上体裁の良い海苔巻寿司を容易に製造することができる。」(段落【0034】?段落【0035】)
(j)図1には、海苔供給ロール(17)を回転円盤5の近傍に配設することが示されている。

2.対比・判断
(本件発明1について)
本件発明1と先願明細書に記載された発明を対比すると、後者の「搬送コンベア(H)」、「ロール状海苔シート」、「海苔シート引き出し供給機構D」、「海苔シートガイドF」、「カッタ機構E」、及び「海苔シート抱持機構I」は、それぞれ前者の「移送装置」、「海苔供給ロール」、「帯状海苔を引き出す海苔引出手段」、「帯状海苔を・・・案内する案内手段」、「カット手段」、及び「海苔巻付手段」に相当し、また、後者の「寿司玉36」、「後部抱持板44、44」及び「前部抱持板45、45」は、それぞれ前者の「飯塊」、「飯塊受部」及び「海苔押え片」に相当するから、両者は、「成形された飯塊を間歇的に移送する移送装置を有する軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内する案内手段と、当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設し、上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置」の点で一致し、ただ、前者では、一対の海苔押え片が海苔の両端部を交互に飯塊に巻き付けるように構成されているのに対して、後者には、交互に飯塊に巻き付けることについて記載されていない点で、両者は一応相違する。
上記相違点について検討する。
(i)先願明細書には、その「特許請求の範囲」の欄に「・・・、海苔シート全端の重合部及びその反対側を押接して・・・」(請求項3)と、「目的」の欄に「・・・、しかも海苔シートの特に重合部の接着が確実な海苔巻寿司の海苔巻方法及び海苔巻装置を提供する・・・」(段落0004)と、「課題を解決するための手段」の欄に「・・・、さらに海苔シート余端の重合部及びその反対側を二枚一対の押え板にて押接する・・・」(段落0006)と、「発明の効果」の欄に「・・・、さらに海苔シートの重合部とその反対側を押えることで海苔シート端部の開きを防止できて、・・・」(段落0035)と記載され、これらの記載からみて、先願明細書に記載の軍艦巻等の海苔巻には海苔シートの両端部が重り合う「重合部」が形成されていることは明らかである。
このような「重合部」を有する軍艦巻等の海苔巻を製造するときには、一対の前部抱持板45、45を同時に駆動すると、海苔シートの両端部が寿司玉の側面に貼り付く前に該両端部同志が衝突してしまい、海苔シートの破損や、重合部がうまく形成されない等による不良品が生じ易くなることは当業者ならば容易に予想できることである。そして、この衝突を避けるためには、一対の前部抱持板45、45の一方を駆動して海苔シートの一端を御飯に巻き付け、その後に前部抱持板45、45の他方を駆動して海苔シートの他端を御飯および海苔の一端に巻き付ける、即ち一対の前部抱持板45、45を交互に駆動させることが不可欠であることは当業者ならば直ちに理解できることである。
(ii)また、先願明細書に記載の「海苔巻装置」は、軍艦巻等の海苔巻を機械により自動的に作る所謂「寿司ロボット」というべきものであるが、該「寿司ロボット」は、寿司職人による手仕事(手の動き)を機械に代行させて再現するものであるから、寿司職人の手仕事(手の動き)と同様な動きをとるように構成されるのが普通であるところ、寿司職人は通常海苔シートの一端を御飯に巻き付け、その後に他端を御飯および海苔シートの一端に巻き付けて海苔シートの両端部が重り合う軍艦巻等の海苔巻を作るのであるから、先願明細書に接した当業者ならば、先願明細書に記載の「寿司ロボット」というべき「海苔巻装置」は、寿司職人の手仕事(手の動き)と同様な動きをとり、一対の前部抱持板45、45の動作については、これらは交互に駆動する態様を含むものであると理解するのが普通である。
(iii)さらに、甲第4号証には、軍艦巻等の海苔巻を機械的に製造するとき、一対の海苔巻き板38及び39(本件発明1の「一対の海苔押え片」に相当する。)を交互に駆動させて海苔シートの両端部を交互にシャリ玉に巻き付けることが記載され、甲第5号証には、巻ずし成形機に関し「操作機構18が板10D、10Eを交互に内方へと水平状に倒したのちに立起させる。たとえば、板10Dが先に倒れて、凹形になった板10A、10B、10Cで保持された米飯を上方から押えて、米飯を断面ほぼ方形の棒状に成形し、同時にのりAの端縁を米飯へと接着させる。(第4図F)その後、板10Dは立起し、次に板10Eが倒れてのりAの他縁を米飯およびのりAに接着させる。(第4図G)その後10Eが立起する。」(3頁右上欄3行?12行)と記載され、甲第6号証には、巻寿司等の角成形帯に関し「図中(9)(10)及(11)(12)は成形帯(1)を両側より挟持する如く軸支された揺回自在のガイドロールで成形帯(1)は第4図の如く縦溝部(3)の屈折によりU状となり次いで第5図の如くロール(13)にて海苔(17)の片端を米飯(18)に圧着せしめ更に第6図の如くロール(14)にて海苔(17)の片端を圧着せしめて角形巻包をなす。」(1頁左欄下から3行?右欄4行)と記載されており、これらの記載からみて、本件発明1の出願時に、海苔シートの両端部が重り合う軍艦巻や巻き寿司を機械的に製造する際に、一対の海苔押え片を交互に動かすことは当業者において周知の技術であったと認められ、かかる事実を参酌すれば、先願明細書に「一対の海苔押え片」の駆動方法が具体的に記載されていないとしても、当業者であれば上記「一対の海苔押え片」は交互に駆動される態様のものを含むと解するのが普通である。
上記(i)ないし(iii)の判断を総合して考えると、先願明細書に記載の「海苔巻装置」において、一対の海苔押え片が「交互に駆動」することは、先願明細書に記載されている事項から「記載されているに等しい事項」として当業者が把握できるというべきである。
そうすると、上記相違点は両者の実質的な相違点とはいえず、本件発明1は先願明細書に記載された発明と同一である。

(本件発明4について)
本件発明4は、本件発明1に「上記海苔引出手段は、上記帯状海苔を引き出す海苔送りローラと当該ローラの回転駆動手段とにより構成した」という発明特定事項を付加したものであるが、先願明細書には、「上記海苔シート引き出し供給機構Dは、・・・テーブル保持枠Aの一側に設けられた海苔シートJ1 の引き出し口15の近くにおいて、フレーム14上面に、駆動送りローラ16と、従動送りローラ17を対向して回転自在に軸支立設し、上記駆動送りローラ16はモータ等の駆動源18と連動連結され、図1及び図2において時計回り方向へ回転されることで、当該駆動送りローラ16と従動送りローラ17間に挟み込んだ海苔シートJ1 は引き出されて上記海苔シートガイドFへ供給される・・・」(摘示事項(c)参照。)と記載され、そこに記載の「駆動送りローラ16」及び「従動送りローラ17」は、前者の「帯状海苔を引き出す海苔送りローラ」に該当し、また「モータ等の駆動源18」は、前者の「当該ローラの回転駆動手段」に該当する。
してみると、本件発明4は、本件発明1と同様の理由により、先願明細書に記載された発明と同一である。

(本件発明5について)
本件発明5と先願明細書に記載の発明を対比すると、両者は、「成形された飯塊を移送装置で間歇的に移送しながら軍艦巻等の海苔巻を製造する海苔巻製造方法であって、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設して海苔引出手段により上記ロールから帯状海苔を引き出し、上記引出手段により引き出された帯状海苔を案内手段によって上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内し、当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造する方法であり、上記海苔巻付手段による上記カット後の海苔の巻き付けは、上記飯塊の側面に配置された飯塊受部により上記飯塊周面にカット後の上記海苔を貼着し、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を上記飯塊に巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することをであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置」の点で一致し、ただ、前者は、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付けるのに対して、後者には、交互に巻き付けることについて記載されていない点で、両者は一応相違する。
この相違点は、本件発明1における上記相違点と実質的に同じである。
してみると、本件発明5は、本件発明1と同様の理由により、先願明細書に記載された発明と同一である。

第6 むすび
したがって、本件発明1、4及び5は、先願明細書に記載された発明と同一であり、しかも、本件発明1、4及び5の発明者が上記先願明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、また、本件の出願時に、その出願人が上記他の出願の出願人と同一であるとも認められないので、本件発明1、4及び5に係る特許は、特許法第29条の2の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
軍艦巻等の海苔巻製造装置及び海苔巻製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】成形された飯塊を間歇的に移送する移送装置を有する軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、
当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内する案内手段と、
当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設し、
上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片とにより構成したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項2】機枠上に間歇回動成形型を設置し、当該成形型の停止位置において型内に飯を供給し得る飯供給部を配設し、上記成形型の飯供給後の停止位置において上記型内の飯を押圧して飯塊を成形する飯成形用押具を配設した軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記成形型近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、
当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記飯塊の回動方向側の前方位置に案内する案内手段と、当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、
かつ上記成形型の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項3】上記間歇回動成形型内に飯成形用昇降受具を配設し、該昇降受具を上昇させて上記飯成形用押具による飯の押圧後の停止位置において上記飯塊を上記成形型上に臨出させ、かかる状態の飯塊の回動方向側の前方位置に上記案内手段により上記帯状海苔を案内するものであることを特徴とする請求項2記載の軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項4】上記海苔引出手段は、上記帯状海苔を引き出す海苔送りローラと当該ローラの回転駆動手段とにより構成したことを特徴とする請求項1?3の何れか1に記載の軍艦巻等の海苔巻製造装置。
【請求項5】成形された飯塊を移送装置で間歇的に移送しながら軍艦巻等の海苔巻を製造する海苔巻製造方法であって、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設して海苔引出手段により上記ロールから帯状海苔を引き出し、
上記引出手段により引き出された帯状海苔を案内手段によって上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内し、
当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、
かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造する方法であり、
上記海苔巻付手段による上記カット後の海苔の巻き付けは、上記飯塊の側面に配置された飯塊受部により上記飯塊周面にカット後の上記海苔を貼着し、一対の海苔押え片により上記海苔の両端部を交互に上記飯塊に巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。
【請求項6】機枠上に間歇回動成形型を設置して該成形型の停止位置において型内に飯を供給し、
上記成形型の飯供給後の停止位置において飯成形用押具により上記型内の飯を押圧して飯塊を成形し、
中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記成形型近傍に配設して海苔引出手段により当該ロールから帯状海苔を引き出して、当該引き出された帯状海苔を上記成形型の飯塊の回動方向側の前方位置に案内し、
当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、
上記成形型の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻きを製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば軍艦巻等といわれる海苔巻を自動的に製造する軍艦巻等の海苔巻製造装置及び海苔巻製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆる軍艦巻を製造するには、成形された飯の周囲に帯状の海苔を巻き付ける必要があるが、当該海苔は図21に示すように高さ約30mm、長さ約160mmに予めカットした海苔60(200枚くらい)を海苔ストッカー61に収納し、海苔吸引管62を上記ストッカー61側に回動してその吸引面62a,62aで上記海苔60を1枚毎に吸着し、コンベヤ上を流れてくる飯塊に当該海苔60を貼着し、その後の工程で当該海苔60を飯塊に巻き付けるという構成をとっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の装置は、上記海苔吸引管62で1枚1枚海苔60を吸引する必要があるため、表面に穴が空いている海苔の場合等、当該吸引がうまくいかず、吸引ミスが生じることがあった。また、海苔60は予めカットして海苔ストッカー61に収納しておく必要があるため、海苔の長手方向を長めにカットしておく必要があり、海苔の無駄が多かった。
【0004】
本発明は、かかる従来の装置に鑑みてなされたもので、海苔供給ロールにて海苔を間歇回動成形型等の移送装置に供給する構成とすることにより、効率的に軍艦巻等の海苔巻を製造することができる軍艦巻等の海苔巻製造装置及び海苔巻製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は、
成形された飯塊を間歇的に移送する移送装置を有する軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内する案内手段と、当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置により構成されるものである。
【0006】
上記移送装置は、例えば複数の飯成形用孔(5a)を有する間歇回転円盤(5)等により構成することができるが、これに限定されず成形された飯塊を移送可能なコンベヤ等の移送装置でも良い。また、上記海苔引出手段は、例えばピンチローラ(21)等の海苔送りローラにより帯状海苔を海苔供給ロールから引き出す(送り出す)こともできるし、或いは帯状海苔の端部を例えばクリップ等で挟んで上記海苔供給ロールから引っ張り出す構成としてもよい。
【0007】
機枠上に間歇回動成形型を設置し、当該成形型の停止位置において型内に飯を供給し得る飯供給部を配設し、上記成形型の飯供給後の停止位置において上記型内の飯を押圧して飯塊を成形する飯成形用押具を配設した軍艦巻等の海苔巻製造装置であって、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記成形型近傍に配設すると共に当該ロールから帯状海苔を引き出す海苔引出手段を設け、当該引出手段により引き出された帯状海苔を上記飯塊の回動方向側の前方位置に案内する案内手段と、当該前方位置に案内された帯状海苔を所定長にカットするカット手段を設け、かつ上記成形型の上記海苔供給後の停止位置において上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付ける海苔巻付手段を配設したものであることを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造装置により構成されるものである。
【0008】
上記間歇回動成形型は、例えば円盤の周囲に所定間隔毎に飯成形用孔(5a)を有する間歇回転円盤(5)等により形成することが好ましいが、このような回転円盤に限らず、直線的な移行経路を有する成形型であっても良い。上記飯供給部は、例えば飯供給ローラ(4,4’)等によって上記成形型に飯を供給する構成とすることができる。上記飯供給を行う停止位置は例えば飯供給位置(S1)等とすることが好ましい。上記飯供給後の停止位置は例えば飯成形位置(S2)等とすることが好ましい。上記飯成形用押具は、例えばアーム(9)先端部に設けられた飯成形用押具(8)等により構成することができる。上記中心回転軸部は例えば中心ロール軸(17a)等により構成することができる。上記海苔引出手段は、例えばキャプスタン(20)、ピンチローラ(21)及びキャプスタンを駆動する駆動モータ(M3)等により構成することができるし、上述のように例えばクリップ等により帯状海苔の端部を挟んで引っ張り出す構成としても良い。上記案内手段は、例えば海苔案内ガイド(23)等により構成することができる。上記カット手段は例えばカッター(22)等により構成することができる。上記海苔巻付手段は、例えば互いに近接離間自在の一対の飯塊受部(27,27’)及び当該受部に軸支され海苔を交互に飯塊(R)に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができる。
【0009】
また、上記間歇回動成形型内に飯成形用昇降受具を配設し、該昇降受具を上昇させて上記飯押圧用押具による飯の押圧後の停止位置において上記飯塊を上記成形型上に臨出させ、かかる状態の飯塊の回動方向側の前方位置に上記案内手段により上記帯状海苔を案内するものであることが好ましい。
【0010】
上記飯成形用昇降受具(13a?13f)は、例えば各飯成形用孔(5a)内に各々収納されているものであることが好ましい。また、上記飯成形用受具の昇降は例えば円弧状直立カム(15)等により実現することが好ましい。
【0011】
また、上記海苔引出手段は、上記帯状海苔を引き出す海苔送りローラと当該ローラの回転駆動手段とにより構成することが好ましい。
【0012】
上記海苔送りローラは、例えばキャプスタン(20)に圧接するピンチローラ(21)により構成することができる。また上記回転駆動手段は例えば上記キャプスタン(20)を駆動する駆動モータ(M3)等により構成することができる。
【0013】
また、上記帯状海苔は複数枚の海苔を長手方向に順次接着することにより形成されたものであることが好ましい。
【0014】
また、上記海苔巻付手段は、上記飯塊の側面に配置され上記海苔を上記飯塊周面に貼着する飯塊受部と、上記海苔の両端部を上記飯塊に巻き付ける海苔押え片とにより構成したものであることが好ましい。
【0015】
上記飯塊受部は、例えば飯塊の両側に配置され互いに近接離間自在の一対の飯塊受部(27,27’)により構成することができ、上記海苔押え片は、例えば上記飯塊受部に軸支され海苔を交互に飯塊に巻き付ける一対の海苔押え片(29,29’)等により構成することができる。
【0016】
また、本発明は、成形された飯塊を移送装置で間歇的に移送しながら軍艦巻等の海苔巻を製造する海苔巻製造方法であって、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記移送装置近傍に配設して海苔引出手段により上記ロールから帯状海苔を引き出し、上記引出手段により引き出された帯状海苔を案内手段によって上記移送装置上の飯塊の移送方向側の前方位置に案内し、当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、かつ上記移送装置の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻付手段により上記飯塊にカット後の上記海苔を巻き付けることにより軍艦巻等の海苔巻を製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法により構成されるものである。
【0017】
また、本発明は、機枠上に間歇回動成形型を設置して該成形型の停止位置において型内に飯を供給し、上記成形型の飯供給後の停止位置において飯成形用押具により上記型内の飯を押圧して飯塊を成形し、中心回転軸部に帯状海苔を連続的に巻き付けた海苔供給ロールを上記成形型近傍に配設して海苔引出手段により当該ロールから帯状海苔を引き出して、当該引き出された帯状海苔を上記成形型の飯塊の回動方向側の前方位置に案内し、当該前方位置に案内された帯状海苔をカット手段により所定長にカットし、上記成形型の上記海苔供給後の停止位置において海苔巻き付け手段により上記飯塊の周囲にカット後の上記海苔を巻き付けることにより海苔巻きを製造することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法により構成されるものである。
【0018】
尚、本欄において発明の実施形態の符号をかっこ書で示したが、これは対応関係を明確にするために便宜上付したものであり、これにより本発明の各構成が実施形態記載のものに限定されるものではないことは勿論である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は本発明に係る軍艦巻等の海苔巻製造装置の平面図である。尚、以下の実施形態で製造する軍艦巻は、図19に示すように通常の寿司の形状の寿司飯の周囲に海苔18を巻いて当該寿司飯の上に各種の具70をトッピングすることにより形成されるものである。
【0020】
図1において、1は機枠F上に支持された飯ホッパーであり、当該ホッパー1内に供給された飯は解し器2で解されて下方の供給ホッパー3に供給され、さらに該供給ホッパー3下方に設けられた飯供給ローラ4,4’に送られるものである(図2参照)。
【0021】
4,4’は上記供給ホッパー3下方に配置された一対の上記飯供給ローラであり、間歇駆動モータM1により矢印A,B方向に間歇的に回転駆動されることにより、上記供給ホッパー3から供給される飯を開閉シャッター4a,4a’を介して下方の回転円盤5の飯成形用孔5a内に落下供給するものである。尚、上記シャッター4a,4a’は上記ローラ4,4’の駆動タイミングに合わせて駆動ソレノイド(図示せず)等により飯供給時に開成駆動し(矢印イ方向)、上記ローラ4,4’の停止タイミングに合わせて閉成駆動(矢印ロ方向)される公知の構成のものである。
【0022】
6は上記機枠F上に矢印C方向に回転自在に支持された駆動軸、5は該駆動軸6にその中央部を接続された回転円盤(間歇回転円盤)であり(図4,5参照)、該回転円盤5は上記機枠F上面において上記駆動軸6により矢印C方向に回転可能に水平に支持されている。この回転円盤5は図8に示すように、上記駆動軸6の下端のギヤ7a及び該ギヤ7aに噛合するギヤ7bを介して間歇駆動モータM2により矢印C方向に間歇的に駆動されるものである。この回転円盤5の盤面には上記駆動軸6の周りに一定間隔毎に6箇所の飯成形用孔5a,・・・が上下方向に貫通形成されており、当該回転円盤5の間歇駆動により飯成形用孔5a,・・・の何れか1つが順次上記飯供給ローラ4,4’の飯供給部4b下方に位置して、当該間歇駆動の停止期間中に上記飯供給ローラ4,4’から上記孔5a内に飯の供給を受けるものである(図6(a)参照)。
【0023】
この回転円盤5の矢印C方向の間歇駆動の1ピッチの回転角度は、図1の位置から各孔5a間の角度(60度)であり(図3参照)、当該回転円盤5は該角度(60度)毎に間歇的に回転駆動されるものである。ここで、上記図1の回転円盤5における上記供給ローラ4,4’直下の位置を飯供給位置S1、該供給位置S1から1ピッチC方向に回転した位置を飯成形位置S2、該成形位置S2から1ピッチC方向に回転した位置を海苔貼着位置S3、該貼着位置S3から1ピッチC方向に回転した位置を海苔巻付位置S4、該巻付位置S4から1ピッチC方向に回転した位置を海苔巻取卸位置S5、該取卸位置S5から1ピッチC方向に回転した位置を移行位置S6とする。
【0024】
8は、上記飯成形位置S2に回転してきた上記回転円盤5の各飯成形用孔5a内に挿通可能に配置された飯成形用押具(上型)であり(図6(b)参照)、アーム9先端のシャフト10下端部にバネ11を介して常時下方に附勢された状態で接続されている。上記アーム9の他端は押具駆動シャフト9aに接続されており(図8参照)、当該駆動シャフト9aは上記駆動軸6の中心部を挿通して下方の駆動シリンダー12に接続されており、当該シリンダー12により上下方向(矢印D、E方向)に昇降駆動されるものである。この飯成形用押具8の直下には、上記回転円盤5の間歇駆動の停止位置(飯成形位置S2)において、上記飯成形用孔5aが位置するように構成されており、当該飯成形位置S2に上記孔5aが位置した状態において、上記シリンダー12を矢印E方向に駆動することにより、上記孔5a内にその上方から挿入して当該孔5a内の飯Rを押圧面8aで押圧して、孔5a内部に位置する飯成形用昇降受具(下型)13a?13f(後述)と共に上記孔5a内において軍艦巻用の飯塊Rを成形するものである(図6(b)参照)。
【0025】
14は、上記機枠Fにおいて、上記回転円盤5の下方位置に対応して設けられた円形凹部であり(図3、図4参照)、その直径は上記回転円盤5の直径より若干大きく形成され、上記回転円盤5は上記凹部14内に若干入り込んだ状態で上記駆動軸6に支持されている。この凹部14の底面14a上には、上記飯成形位置S2から回転方向に少し前進した位置aから(図5参照)上記飯供給位置S1の少し手前の位置bに至るまで、上記回転円盤5に同心的に、かつ上記回転円盤5の各飯成形用孔5aに沿って円弧状直立カム15が設けられている(図3乃至5参照)。当該カム15の高さは、上記位置aから上昇部15aにより徐々に高くなり上記海苔貼着位置S3、海苔巻付位置S4、取卸位置S5においては最高の高さを保持する高位置部15bとなり、その後下降部15cにより徐々にその高さが低下して上記飯供給位置S1の手前位置bにおいて高さがゼロとなるものである(図3乃至5参照)。
【0026】
上記飯成形用昇降受具13a?13fは、各々上記回転円盤5の飯成形用孔5a内に上下動自在に挿通収納されている(図3、図5参照)。これら6個の受具13a?13fは全て同一の形状のものであり、各々上面に上記飯成形用押具8の押圧面8aと対称形状の受面13a’?13f’を有し、下端にはローラ13a”?13f”が上記回転円盤5の回転方向に沿って回転し得るように軸支されている(図3参照)。
【0027】
これらの6個の受具13a?13fは回転円盤5の6箇所の上記飯成形用孔5a,…内に各々収納配設され(図5参照)、かかる収納状態で、回転円盤5の矢印C方向の回転に伴って、上記各ローラ13a”?13f”が上記円形凹部14の直立カム15上を走行し得るように構成されている。従って、上記回転円盤5の矢印C方向の回転により上記各受具13a?13fは、例えば受具13aに着目すると、上記飯供給位置S1及び飯成形位置S2においては図6(a)(b)に示すように上記ローラ13a”は上記底面14a上に位置してその受面13a’が上記飯成形用孔5a内奥部に位置しており、上記回転円盤5がさらに回転すると上記受具13aのローラ13a”が位置aから上記カム15上の上昇部15a上を走行するため、上記回転円盤5の回転に従って徐々に上記孔5a内を上昇し、上記海苔貼着位置S3から上記位置S5の範囲では高位置部15bを走行し、図6(c)に示すようにその受面13a’が上記回転円盤5の上面と略同じ高さとなって飯塊Rを回転円盤5上に臨出させ、この状態で上記カム15の高位置部15b上を走行しながら上記回転円盤5と共に回転し、上記移行位置S6から上記供給位置S1に至る過程で上記ローラ13a”が上記カム15の下降部15cを下降して上記位置S1において最下位置(図4(a)の位置)に位置するように構成されており、上記各受具13a?13fの各々は上記回転円盤5の回転に従って上記昇降動作を繰り返すものである。尚、かかるカム15等の構成は例えば特開平12-125788号公報に示されるように公知の技術である。
【0028】
17は上記回転円盤5に隣接して、機枠F’上に設けられた回転自在の海苔供給ロールであり(図1参照)、図7に示すように細長い海苔18(例えば高さ30mm)の両端部18a,18a’をアルコール又は食用糊等で順次接続して帯状とした帯状海苔18を回転自在の中心ロール軸(中心回転軸部)17aに連続的に巻き付けたものである。上記中心ロール軸17aは上記機枠F’に回転自在に軸支されているが、上記機枠Fから当該軸を回転自在に軸支する支持腕等により支持する構成でも良い。この帯状海苔18の一端部は、上記ロール17より引き出され、上記機枠F’上に回転自在に軸支された海苔案内ローラ19a?19cにより案内され、キャプスタン20及び当該キャプスタン20に圧接するピンチローラ(海苔送りローラ)21の間に挿入され、該キャプスタン20を駆動モータ(回転駆動手段)M3で矢印V方向に駆動することにより、上記ピンチローラ21の矢印W方向の回転により上記回転円盤5方向(矢印Z方向)に引き出されるものである。
【0029】
22は上記ピンチローラ21に近接して上記機枠F’上に設けられたカッター(カット手段)であり(図9,10参照)、該カッター22の2枚の刃の間に上記海苔18が通過するように構成し、上記海苔18の端部が図1の位置又は図9の位置dに至ったタイミング、即ち、上記海苔18の端部が上記円盤5の駆動軸6近傍に位置したタイミングで、駆動ソレノイドPL1を駆動して閉じることにより、海苔18を所定長さにカットするものである。このカッター22でカットされる海苔の長さtは、上記飯塊Rの周囲に海苔18が巻かれたときその後方位置(図19の18’)で海苔18が多少重なるような長さであり、当該カットのタイミングは、飯塊Rの周長に合わせて予めシーケンサー32のタイマーTA(後述)により上記カッター22のカットするタイミングを設定する。即ち、上記モータM3が駆動されて海苔18が矢印Z方向に送られてから、上記ソレノイドPL1を駆動するまでの時間Tによりカットされる海苔18の長さt(図9参照)が変化するため、上記モータM3が駆動されてから上記ソレノイドPL1を駆動するまでの時間TをタイマーTAで設定可能に構成する。これにより、飯塊Rに海苔18を巻いた後の海苔の余り(上記重なり部分、即ち図19の18’の部分)を最小限にすることができる。
【0030】
23は上記回転円盤5の半径方向に設けられ、上記回転円盤5の海苔貼着位置S3に位置するように上記機枠F’上に支持された海苔案内ガイド(案内手段)であり、一対のガイド部23a,23a’が上記海苔貼着位置S3に位置した飯塊Rの回動方向(移送方向、即ち矢印C方向)側のちょうど前方に位置しており(図1参照)、上記ピンチローラ21により送り出される海苔18を上記海苔貼着位置S3の上記飯塊Rの回動方向(移送方向)の前方位置に案内するものである。
【0031】
また、上述のようにピンチローラ21で帯状海苔18を送り出す他、帯状海苔18の端部(図9の位置d)近傍に当該端部を挟持し得るクリップを設け、該クリップを上記回転円盤5の半径方向に摺動し得るように取り付けて、例えば当該クリップでカッター22でカットされる前の帯状海苔18の端部を挟み、当該端部を矢印Z方向に引っ張ることで当該海苔18をガイド部23a,23a’上に配置し、その後上記カッター22で該海苔18をカットするように構成することもできる。即ち、上記帯状海苔18の供給方法は、上述のようにピンチローラー21で海苔を送り出す又は引き出す方法、或いはクリップ等で引っ張る方法等各種の方法を用いることができる。
【0032】
24は上記回転円盤5の海苔供給後の停止位置である海苔巻付位置S4に対応して設けられた海苔巻付部材であり(図11参照)、上記機枠F’上に支持され、回転円盤5の半径方向に設けられたアーム25に取付けられている。この海苔巻付部材24は、図12に示すように、上記アーム25下面位置に設けられた一対のシャフト26,26’の下端に各々接続された一対のL字状の飯塊受部27,27’と、各受部27,27’の一端に駆動シャフト28,28’を支点として支持され、互いに近接する方向(矢印M,N方向)、及び互いに離間する方向(矢印O,P方向)に回動可能に設けられた海苔押え片29,29’により構成されている。
【0033】
上記シャフト26,26’には上記アーム25内において当該シャフトに直交する駆動シャフト30,30’が接続されており、当該駆動シャフト30,30’端部の雌螺子部30a,30a’に駆動螺子31が螺合し該駆動螺子31を正逆駆動モータM4で駆動する構成となっている。上記雌螺子部30a,30a’には互いに逆螺子が切ってあり上記モータM4を矢印G,H方向に駆動することにより、上記飯塊受部27,27’を互いに近接方向(矢印I、J方向)又は離間方向(矢印K,L方向)に駆動可能に構成されている。
【0034】
上記駆動シャフト28、28’は上記海苔押え片29,29’を駆動するものであり、各々の一端が上記海苔押え片29,29’に接続され、他端は上記シャフト26,26’内部を挿通して該シャフト26,26’上端より外部に突出し、各々ロータリーソレノイドPL2、PL2’に接続されている。これにより、上記海苔押え片29,29’は、上記ソレノイドPL2,PL2’により互いに近接する方向(矢印M,N方向)、又は互いに離間する方向(矢印O,P方向)に回動されるものである。即ち、上記押え片29,29’は、上記ソレノイドPL2,PL2’を駆動することにより上記互いに近接する方向に回動し、上記ソレノイドPL2,PL2’の駆動を解除することによりバネ等の附勢力により回動復帰するように構成されている。この海苔押え片29,29’は、実際には図13(c)▲1▼,▲2▼に示すように交互に駆動される。即ち、まずロータリーソレノイドPL2を駆動して海苔押え片29を矢印M方向に駆動した後(図13(c)▲1▼)、ロータリーソレノイドPL2’を駆動して海苔押え片29’を矢印N方向に駆動し(同図(c)▲2▼)、海苔18の両端部を各々交互に飯塊Rの後方側面に貼着させるように構成している。尚、当該海苔巻き付け部材24の具体的動作については、後述の動作説明の項で図13と共に詳細に説明する。
【0035】
図20に示すのは、上記飯塊受部27,27’を近接離間方向(矢印I,J、矢印K,L方向)に駆動する駆動機構の他の実施形態であり、上記駆動シャフト30,30’の対向する取付部50、50’に各一対の小アーム51,51’の一端を各々軸支し、各小アーム51,51’の他端を、中心軸52,52’により回動可能なレバー53,53’の各一端と同軸的に軸支してトグル54,54’を構成し、上記レバー53、53’の他端を回転盤55の盤面の対称位置に枢着56,56’し、上記回転盤55を正逆回動制御するように構成する。即ち、上記回転盤55を回動することにより、上記レバー53,53’を上記中心軸52,52’を中心として矢印R、R’方向に回動することにより、上記駆動シャフト30,30’を近接方向に駆動して上記飯塊受部27,27’を近接方向(矢印I,J方向)に駆動し、回転盤55の回転駆動を解除することにより上記駆動シャフト30,30’間に設けられたスプリング57の附勢力により上記駆動シャフト30,30’を離間方向(矢印K,L方向)に復帰させ、これにより上記飯塊受部27,27’を離間させ、かかる動作を繰り返し行うことにより、当該飯塊受部27,27’の近接離間駆動を行うことができる。尚、上記飯塊受部27,27’の駆動として図12、図20の何れの機構を使用しても良いし、その他上記駆動シャフト30,30’をクランク機構により近接離間駆動する等各種の駆動機構をとることができる。
【0036】
次に、本発明の電気的構成について図14に基づいて説明する。同図において、32はシーケンサー(プログラマブルコントローラ)であり、該シーケンサー32には、上記飯供給ローラ4,4’の駆動モータM1、回転円盤5の駆動モータM2、飯成形用押具8の駆動用のシリンダー12、ピンチローラ駆動モータM3、カッター22駆動用のソレノイドPL1、飯塊受部27,27’を駆動する駆動モータM4、及び海苔押え片29,29’を駆動するロータリーソレノイドPL2,PL2’及びタイマーTAが接続されている。上記シーケンサー32は、内部のプログラム記憶部(図示せず)に図15に示す動作手順を記憶しており、当該手順に従って当該シーケンサー32に接続された上記各種機器を駆動制御することにより、軍艦巻きを製造するものである。尚、上記タイマーTAは、上記ソレノイドPL1の駆動タイミングを定めるものである。
【0037】
本発明の上述のように構成されるものであるから、次に、図15の動作手順に基づいて本発明の動作を説明する。尚、図15において、破線にて接続されるステップは同時又は略同時期のタイミングで行われるステップとする。
【0038】
まず、駆動モータM2が駆動され回転円盤5の飯成形用孔5aが飯供給位置S1に位置しているものとする(図15P1)。このとき、上記孔5a内の飯成形用昇降受具13aはそのローラ13a”が円形凹部14の底面14a上に位置しており、図6(a)に示すようにその飯受面13a’は上記孔5aの奥部に位置している。このステップP1のタイミングでモータM1を駆動して飯供給ローラ4,4’を所定時間回転駆動して供給ホッパー3内の飯を開成状態のシャッター4a,4a’を介して下方の回転円盤5の上記飯成形用孔5a内に供給する(図15P1’、P2’)。これにより、図6(a)に示すように該孔5a内に所定量の飯Rが供給される。
【0039】
次に、上記モータM2が駆動され回転円盤5が矢印C方向に1ピッチ回転し、上記孔5aが飯成形位置S2に移行する(図15P2)。このステップP2のタイミングでシリンダー12を駆動して飯成形用押具8を矢印E方向に駆動する(図15P3’)。すると、図6(b)に示すように該押具8が上記回転円盤5の孔5a内に挿入され、当該孔5a内の飯Rを押圧して軍艦着用の飯塊Rを成形する。(図15P4’)。尚、この飯成形位置S2においても、上記飯成形用昇降受具13aは、そのローラ13a”が底面14a上にあり、上記飯供給位置S1と同一高さにある。
【0040】
次に、上記モータM2が駆動され上記回転円盤5が矢印C方向に1ピッチ回転し、上記孔5aが飯の押圧後の停止位置である海苔貼着位置S3に移行する(図15P3)。このとき、上記飯成形用昇降受具13aのローラ13a”は、上記回転円盤5の回転の途中から円弧状直立カム15の上昇部15a上を走行し、これにより上記受具13aが上記カム15に沿って上昇し、上記海苔貼着位置S3においては、図6(c)に示すようにその受面13a’が上記回転円盤5の上面と略同一高さとなって上記飯塊Rを上記回転円盤5上面に臨出させる。そして、このステップP3のタイミングでモータM3が所定時間駆動され、これによりピンチローラ21が回転して海苔18を矢印Z方向に引き出し、海苔18の端部が位置dに至ったところで上記モータM3の駆動が停止する(図15P5’、P6’)。上記海苔18は海苔案内ガイド23のガイド部23a,23a’にガイドされながら、図1、9に示すように上記飯塊Rの前方位置に配置される。その後、ソレノイドPL1を駆動してカッター22の刃を閉鎖して上記海苔18をカットする(図15P7’,P8’)。
【0041】
次に、モータM2が駆動され回転円盤5が矢印C方向に1ピッチ回転し、上記孔5aが海苔巻付位置S4に移行する(図15P4)。この移行過程においては、上記飯成形用昇降受具13aはそのローラ13a”が同一高さのカム15の高位置部15b上を走行するので、上記図6(c)の高さを維持したままであり、飯塊Rも上記回転円盤5上に臨出した状態で上記海苔巻付位置S4に移行する。従ってこの移行過程において、上記飯塊Rは上記海苔案内ガイド23のガイド部23a,23a’間を通過し、このとき当該飯塊Rの進行方向側前面に上記海苔18が貼り着く。尚、このとき海苔18は飯塊R自体の粘着力により当該飯塊Rに確実に貼り着く。そして、上記回転円盤5が上記海苔巻付位置S4に達すると、上記飯塊Rは図13(a)に示すように、飯塊受部27,27’の中間に位置する。かかるステップP4のタイミングで、まずモータM4を駆動して駆動螺子31を回転駆動して上記飯塊受部27,27’を互いに近接する方向(矢印I,J方向)に駆動し、同図(b)のように飯塊Rを左右方向から包み込む(図15P9’)。これにより、海苔18が飯塊Rの左右側面部に貼り着く。次に、上記モータM4の駆動を停止し、ロータリーソレノイドPL2,PL2’を駆動して、海苔押え片29,29’を駆動シャフト28,28’を支軸として互いに近接する方向(矢印M,N方向)に回動し、飯塊Rの後面側の海苔18を当該飯塊後面に貼り着ける(図13(c)参照)。このとき、上記ソレノイドはPL2,PL2’の順で駆動することにより上記海苔押え片29、29’を図13(c)▲1▼,▲2▼の順で交互に駆動する(図15P10’)。これにより、飯塊R後面に上記海苔18端部が多少の重なりを持って貼着され、該飯塊Rの周囲に海苔18が巻き付いた状態となり、いわゆる軍艦巻きの状態が完成する(同図(d))。その後、上記ロータリーソレノイドPL2,PL2’の駆動を解除すると、上記海苔押え片29,29’がバネの附勢力により互いに離間する方向(矢印O,P方向)に回動復帰し(図13(d)、図15P11’)、かつ上記モータM4を逆方向に駆動して上記飯塊受部27,27’を互いに離間する方向(矢印K,L方向)に駆動する(図13(e)、図15P12’)。この工程により、上記回転円盤5上にいわゆる軍艦巻きR’(具なし)が完成する。
【0042】
次に、上記モータM2が1ピッチ駆動され、上記孔5aが取卸位置S5に移行する(図15P5)。この移行過程においても、上記飯成形用昇降受具13aはそのローラ13a”が同一高さのカム15(高位置部15a)上を走行するので、上記図6(c)の高さを維持したまま、飯塊R’が上記回転円盤15上に臨出した状態で取卸位置S5に移行する。ここで、作業者等が上記出来上がった軍艦巻きR’を手で取り卸し、当該軍艦巻きR’の上面に各種具材を載置して、軍艦巻きを完成させる(図15S13’)。
【0043】
次に、上記モータM2が1ピッチ駆動され、上記孔5aが移行位置S6に移行し(図15P6)、さらに上記モータM2が1ピッチ駆動されることで、上記孔5aが飯供給位置S1に復帰し、これにより1つの工程が終了する(図15P6?P1)。上記飯成形用昇降受具13aは上記移行位置S6から上記飯供給位置S1に移行する過程において、そのローラ13a”が上記カム15の下降部15cを降下するため、上記飯供給位置S1においては、その受面13a’を上記孔5a奥部に位置する図6の(a)の位置に復帰する。以上により、1個の軍艦巻きの製造過程は終了するが、実際は、上記回転円盤5が1ピッチ回転する毎に上記飯供給位置S1にて各飯成形用孔5aに飯が順次供給されていき、以降の各位置S2からS6において次々に加工が行われ、上記取卸位置S5に上記1ピッチ毎に海苔の巻かれた飯塊R’(軍艦巻き)が供給されていくので、作業者は順次上記取卸位置S5に送られて来る飯塊R’を順次取り卸すものである。
【0044】
図16(a)から(e)及び図17(a)から(e)は、上記海苔巻付部材24の他の実施形態を示すものであり、図16に示すものは、略L字状の一対の飯塊受部40,40’間に飯塊Rを位置させ(図16(a))、次にこれらの受部40,40’が飯塊Rの大きさに合うように互いに近接方向に接近して飯塊Rの両側部に海苔18を貼着し(同図(b))、次に上記各受部40,40’後端に設けられたシャッター41,41’を同図(c)の▲1▼,▲2▼の順で交互に閉じて海苔18を上記飯塊Rの後方側面に折り込んで該側面に貼り着け(同図(c))、その後上記シャッター41,41’を開き(同図(d))、上記飯塊受部40,40’を互いに離間する方向に開くことで、上記回転円盤5上に軍艦巻きR’を完成させることができる。
【0045】
図17に示すものは、互いに対向面に凹部42b,42b’を有し、軸42a,42a’の周りに回転可能な平面視略楕円形状の一対の海苔巻ローラ42,42’を対向配置し、当該ローラ42,42’間のセンターに上記飯塊Rが入るように構成し(図17(a))、次に上記ローラ42,42’を互いに近接する方向に移動して海苔18を飯塊Rの側面に貼り着け(図17(b))、次にローラ42、42’を矢印X方向に回転させることにより一方のローラ42’で海苔18の一端を飯塊Rに巻き付け(同図(c))、次に、上記ローラ42,42’を今度は反対の矢印Y方向に回転させることにより他方のローラ42で海苔18の他端部を飯塊Rに巻き付け(同図(d)),その後上記ローラ42,42’を互いに離間する方向に開くことで、上記回転円盤5上に軍艦巻きR’を完成させることができる。
【0046】
本発明の海苔巻装置における飯塊Rへの海苔の巻き方法としては、図13、図16、図17の何れの方法を使用しても良いし、その他の方法でも良い。
【0047】
図18は上記アーム25の他の実施形態であり、当該アーム25の一端を機枠F上に駆動軸33により軸支し、当該駆動軸33を支点として当該アーム25を矢印Q方向に回動し得るように構成したものである。このようにすると、上記円盤5上の海苔巻付位置S4において上記海苔巻付部材24により飯塊Rに海苔を巻き付けた後、図13(c)(又は図16,図17の(c))の状態から上記駆動軸33を駆動して上記アーム25を矢印Q方向に回動させ、回動位置にあるトレー(図示せず)上において上記図13(d)(e)(又は図16,図17の(d),(e))の順に上記海苔巻付部材24を開くことにより、上記飯塊Rを上記トレー上で自動的に取り降ろすことができる。尚、上記アーム25として整列ロボットアームを取付け、当該ロボットアームで上記飯塊Rをトレー上に整列して並べていくこともできるし、上記アーム25とは別途、上記取卸位置S5に送られてくる飯塊R’を把持して上記トレー上に整列させるロボットアームを設けても良い。
【0048】
以上のように、本発明の海苔巻製造装置及びその方法によると、従来の装置のように、海苔ストッカー61から海苔を吸引する必要がないため、吸引ミス等による不良品の製造を防止することができる。
【0049】
また、海苔供給ロール17から海苔を引き出してカットする構成であるため、例えばタイマTAの時間Tを調整して帯状海苔をカットするタイミングを調整することにより、帯状海苔のカットを飯塊Rの周長(周側面の長さ)に合わせて予め設定することができ、飯塊Rへの海苔の巻き後の海苔の余りを最小限にすることができ、飯塊Rの大きさに合わせて最適の長さの海苔とすることができる。これにより、海苔の巻き余りロス、海苔の供給ロス等の海苔の無駄を省いて効率的に海苔巻を製造することができる。
【0050】
また、間歇駆動回転円盤5で飯の供給、飯塊の成形、海苔の供給、海苔の巻き付け等の各工程を行って軍艦巻き等の海苔巻を製造することができるため、装置全体を極めてコンパクトに構成することができるものである。
【0051】
本発明に関してさらに以下の事項を開示する。
1.請求項7記載の軍艦巻き等の海苔巻製造方法において、上記間歇回動成形型内に飯成形用昇降受具を配設し、該昇降受具を上昇させて上記飯成形用押具による飯の押圧後の停止位置において上記飯塊を上記成形型上に臨出させ、かかる状態の飯塊の回動方向側の前方位置に上記案内手段により上記帯状海苔を案内することを特徴とする軍艦巻等の海苔巻製造方法。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、従来の装置等のように、海苔ストッカーから海苔を吸引する必要がないため、吸引ミス等による不良品の製造を防止することができる。
【0053】
また、海苔供給ロールから海苔を引き出してカットする構成であるため、海苔の巻き余りロス、海苔の供給ロス等の海苔の無駄を省いて効率的に海苔巻を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る海苔巻製造装置の一部省略平面図である。
【図2】
同上装置の飯供給部近傍の一部省略側面断面図である。
【図3】
同上装置の回転円盤等の分解斜視図である。
【図4】
同上装置の回転円盤近傍の一部省略斜視図である。
【図5】
同上装置の回転円盤の平面図である。
【図6】
(a)は同上装置の飯供給位置の回転円盤の飯成形用孔近傍の断面図、(b)は同装置の飯成形位置の回転円盤の飯成形用孔近傍の断面図、(c)は同上装置の海苔貼着位置の回転円盤の飯成形用孔近傍の断面図である。
【図7】
同上装置の海苔供給ロール近傍の側面図である。
【図8】
同上装置の回転円盤等の駆動機構の一部省略側面断面図である。
【図9】
同上装置の海苔貼着位置近傍の側面図である。
【図10】
同上装置のカッターの側面図である。
【図11】
同上装置の海苔巻付部材近傍の側面図である。
【図12】
同上装置の海苔巻付部材の斜視図である。
【図13】
(a)?(e)は海苔巻付部材で飯塊に海苔を巻き付ける工程を示す当該部材の飯塊受部と海苔押え片の平面図である。
【図14】
同上装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図15】
同上装置のシーケンサーの動作手順を示すフローチャートである。
【図16】
同上装置の海苔巻付部材の他の実施形態を示すものであり、(a)?(e)は当該海苔巻付部材で海苔を巻き付ける工程を示す同部材の平面図である。
【図17】
同上装置の海苔巻付部材の他の実施形態を示すものであり、(a)?(e)は当該海苔巻付部材で海苔を巻き付ける工程を示す同部材の平面図である。
【図18】
同上装置のアームの他の実施形態を示す当該アーム近傍の平面図である。
【図19】
いわゆる軍艦巻を示す斜視図である。
【図20】
海苔巻付部材の他の駆動機構を示す当該駆動機構の平面図である。
【図21】
従来の海苔巻製造装置の海苔の吸引機構を示す当該従来装置の斜視図である。
【符号の説明】
F,F’ 機枠
S1 飯供給位置
S2 飯成形位置
S3 海苔貼着位置
S4 海苔巻付位置
S5 海苔取卸位置
S6 移行位置
4,4’ 飯供給ローラ
4b 飯供給部
5 回転円盤
5a 飯成形用孔
13a?13f 飯成形用昇降受具
17 海苔供給ロール
17a 中心ロール軸
22 カッター
23 海苔案内ガイド
23a,23a’ ガイド部
24 海苔巻付部材
27,27’ 飯塊受部
29,29’ 海苔押え片
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2006-09-11 
結審通知日 2006-09-14 
審決日 2006-09-27 
出願番号 特願2001-146655(P2001-146655)
審決分類 P 1 123・ 161- ZA (A23L)
最終処分 成立  
特許庁審判長 田中 久直
特許庁審判官 鵜飼 健
河野 直樹
登録日 2004-09-24 
登録番号 特許第3600185号(P3600185)
発明の名称 軍艦巻等の海苔巻製造装置及び海苔巻製造方法  
代理人 藤井 信孝  
代理人 藤井 信行  
代理人 藤井 重男  
代理人 藤井 重男  
代理人 藤井 信行  
代理人 藤井 信孝  
代理人 平田 功  
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