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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 C09K
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 C09K
管理番号 1149322
審判番号 不服2004-1525  
総通号数 86 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2002-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2004-01-22 
確定日 2006-12-27 
事件の表示 特願2001-212678「土壌中性固化剤及び地盤等の改良工法並びに重金属溶出防止方法」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 7月26日出願公開、特開2002-206090〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯

本願は、平成13年7月12日の出願であって、平成15年9月8日付けで手続補正がなされたところ、平成15年11月26日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成16年1月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに同日付けで手続補正がなされ、平成16年5月27日付けで前置報告がなされ、さらに平成17年8月15日付けで審尋がなされ、その回答期限内に回答書が提出されたものである。

2.平成16年1月22日付けの手続補正についての補正の却下の決定

[結論]
平成16年1月22日付けの手続補正を却下する。

[理由]
請求項1についての補正は、発明を特定するために並列的に記載された必要な事項を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮に相当するものであるところ、補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される発明(以下、「補正後発明1」という。)は特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項で準用する特許法第53条第1項の規定により却下されるべきものである。
以下(1)?(5)に、理由を詳述する。

(1)補正後発明1

補正後発明1は、補正後の明細書の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるものである。
「【請求項1】 酸化マグネシウム100重量部に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、スルファミン酸、リン酸、水溶液のPH値が7以下のリン化合物の中、単独あるいは二種以上の10?100重量部の酸性固化助剤と、活性白土、セピオライト、ケイソー土、ゼオライト、シリカヒームのポーラスな無機鉱物、硫酸カルシウム、スラグの中、単独又は二種以上の吸水剤とを混合して使用するものであることを特徴とする土壌中性固化剤。」

(2)原査定の拒絶理由で引用された刊行物に記載された事項

原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-239660号公報(以下、「刊行物1」という。)、特開2000-109829号公報(以下、刊行物2という。)には、以下のことが記載されている。

(a)特開2000-239660号公報:
(a1)「酸化マグネシウムと、硫酸アルミニウム、硫酸第1鉄、ポリ塩化アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、ポリアクリル酸、硫酸アンモニウム、明ばん、仮焼明ばん石、および硫酸亜鉛からなる群から選ばれた一種または二種以上の固化剤とを含むことを特徴とする土壌固化剤」(特許請求の範囲の請求項1)
(a2)「該固化剤は該酸化マグネシウム100重量部に付して10?100重量部添加される請求項1に記載の土壌固化剤」(同請求項2)
(a3)「該酸化マグネシウムと該固化剤とを含む混合物に酸性剤5?50重量%および有機高分子凝集剤および/または吸水剤0.1?2.0重量%を添加したことを特徴とする土壌固化剤」(同請求項4)
(a4)「上記酸化マグネシウムの固化剤としては、酸化マグネシウムと、硫酸アルミニウム、硫酸第1鉄、ポリ塩化アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、ポリアクリル酸、硫酸アンモニウム、明ばん、仮焼明ばん石、および硫酸亜鉛からなる群から選ばれた一種または二種以上の化合物が使用される。上記固化剤のうち、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、ポリアクリル酸、硫酸アンモニウムは処理土のpHを低くする作用もある。」(公報段落【0007】)
(a5)「酸性剤としては、例えば粉末硫酸、硼酸等の粉末状の無機酸あるいは蓚酸、クエン酸、リンゴ酸、ベンゼンスルホン酸等の粉末状の有機酸、硫酸アンモニウム、ベンゼンスルホン酸アンモニウム等の強酸と弱塩基との粉末状の塩、塩化第2鉄、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム等の粉末状の酸性塩等が使用される。・・・吸水剤としては例えば下水焼却灰、木炭、活性炭、シリカゲル等がある。」(同段落【0008】、【0009】)
(a6)「上記成分においては、酸化マグネシウムと固化剤と土壌との固化反応によって土壌が固化せしめられるが、酸性剤によって土壌のpHを酸性側、望ましくはpH5?9、更に望ましくはpH5.8?8.6に調節して該酸化マグネシウムと該固化剤と土壌との固化反応を促進する。また水分を多量に含有する土壌の場合には、上記成分に加えて上記有機高分子凝集剤および/または吸水剤を添加すると、土壌が凝縮して水が排除され、あるいは土壌中の水が吸収され、望ましい固さの土壌固化物が得られる。上記成分以外に、所望なれば炭酸カルシウム、無水石膏、半水石膏、タルク、未焼ドロマイト、ケイ石粉等の充填材が添加されてもよい。」(同段落【0011】)
(a7)「〔実施例1〕地下鉄工事で発生した粘土質土壌(含水率47重量%、含水比89重量%、一軸圧縮強度0kg/cm2、pH7.8)1000ccに対し、軽焼酸化マグネシウム100重量部、硫酸アルミニウム20重量部の混合物に10重量%の粉末酸性硫酸ナトリウムを添加した土壌固化剤40gを添加し攪拌混合した。・・・表1によれば、該土壌は3時間後には搬出に支障ない程度に固化し、更に7日後にはpH値が水質基準の上限8.6を下回った。」(同段落【0015】?【0016】)とされ、表1の「経時 7日」の「pH」欄は、「8.5」と記載されている。
(a8)「本発明の土壌固化剤は、土壌と混合して短時間に運搬輸送の可能な程度に固化せしめることが出来、また固化物は水との接触によっても崩壊せず、更に重機類で容易に突崩すことが出来、建設現場での発生土等の土壌の大量迅速処理が可能になる。また固化した土壌のpH値を水質基準の上限8.6を下回るようにすることが出来るので、該土壌からの地下水や雨水等の滲出水が周囲の環境へ悪影響を与えることもなく、植生に対しても問題がない。したがって該土壌は再利用が可能である。」(同段落【0028】)

(b)特開2000-109829号公報:
(b1)「【請求項1】15?40重量部の酸化マグネシウムと、4?10重量部の硫酸アルミニウム及び/または硫酸鉄と、残部がせっこうより成る組成物を必須成分とする、含水土壌用固化材。」(特許請求の範囲の請求項1)
(b2)「【請求項4】請求項1に記載の固化材必須成分100重量部当たり、更に5?60重量部の無機質多孔体吸水材を添加した、含水土壌用固化材。」(同請求項4)
(b3)「本発明の固化材における主成分の一つであるせっこうは、水和反応による土壌中の水の固定化とその水硬性により、含水土壌の固化を促進すると考えられ、二水物以外であれば履歴に関係なく使用することが出来る。例えば、半水せっこう、無水せっこう、又はこれらの混合物を何等問題無く使用出来る」(公報段落【0011】)
(b4)「本発明の固化材は、必須成分である酸化マグネシウム、硫酸アルミニウム及び/又は硫酸鉄を適量混合することにより十分その性能を発揮するが、更に無機多孔体吸水材及び/又は吸水性有機物を添加することにより、固化材添加後土壌のpH値を殆ど変動させることなく、固化改良後土壌の一軸圧縮強度を更に改善することが出来る。吸水材は、土壌中に存在する自由水と結合・固定化して、含まれる自由水量を少なくする働きを有していることから、吸水材を添加した固化材の使用は、含水比の低い含水土壌の固化改良と同じになり、固化材添加後土壌の一軸圧縮強度が高くなるものと考えられる。従って、含水比の高い土壌の固化改良においては、吸水材の添加は特に効果的である。」(同段落【0012】)
(b5)「一方、本発明で使用可能な無機多孔体吸水材例としては、パーライト、ゼオライト、シリカ、ボトムアッシュ等を挙げることが出来るが、中でもパーライトが、吸水性能、化学的安定性、価格面で最も好ましい材料である。」(同段落【0014】)
(b6)「本発明の固化材は組成的に簡単なものであるが、改良後土壌の材令7日後の一軸圧縮強度は0.5kgf/cm2以上と歩行可能な強度を有していることから、その上での作業が可能になるだけでなく、pH値も、土壌の緩衝能力によるpH値降下が速やかにおこり易い10以下に収まっており、アルカリ公害を引き起こす可能性も低く、含水土壌の固化改良材としての利用価値が高い。」(同段落【0027】)

(3)対比・判断

刊行物1には、「酸化マグネシウム100重量部に、硫酸アルミニウム等から選ばれた固化剤10?100重量部を含む土壌固化剤」(摘記(a1)、(a2))が記載されており、補正後発明1と上記の刊行物1に記載された発明とを対比すると、両者は、「酸化マグネシウム100重量部に、硫酸アルミニウムを10?100重量部を含む土壌固化剤」で一致するものの、
(i)「硫酸アルミニウム」が、補正後発明1においては「酸性固化助剤」であるのに対して、刊行物1に記載された発明においては、「固化剤」である点、
(ii)「土壌固化剤」が、補正後発明1においては「中性」と特定されているのに対し、刊行物1に記載された発明においてはそのような特定はなされていない点、
(iii)補正後発明1においては、さらに、「吸水剤」を発明特定事項としているのに対し、刊行物1に記載された発明においてはこれを発明特定事項としていない点、
で相違する。

(i)について
補正後発明1においては「酸性固化助剤」とされているところ、本願特許明細書における説明をみると、段落【0027】には、「さらに前記酸性固化助剤は、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、リン酸、水溶液のPH値が7以下のリン化合物の中、単独あるいは二種以上の固化剤を混合せしめたものである。」と説明され、この説明からすると、「酸性固化助剤」とは「固化剤」であると解され、一方、刊行物1に記載された発明においても、「上記固化剤のうち、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、ポリアクリル酸、硫酸アンモニウムは処理土のpHを低くする作用もある。」(摘記(a4))と記載されていることからすると、硫酸アルミニウムを用いた場合、処理土のpHを低くする作用、すなわち、酸性固化剤であるといえる。さらに、固化剤でも固化助剤でも、酸化マグネシウムとともに用いて土壌を固化する点においては差異がなく、そうしてみると、両者に共通する硫酸アルミニウムが、酸性固化助剤であっても固化剤であっても実質的には同じことと解され、この相違点は、実質的な相違点ではない。
(ii)について
本願特許明細書の段落【0009】の【発明が解決しようとする課題】には「本発明の土壌中性固化剤は、毒性の強い六価クロムを含有するセメント系固化剤の代りに、酸化マグネシウムを主成分とし、さらに処理土のPH値が5?9好ましくは5.8?8.6になるように酸性固化助剤を混合した中性固化剤を添加混合せしめ、固化強度を著増し、且アルカリ及び重金属汚染の恐れのない安全な改良土としたものである。」とされていることからすると、補正後発明1における「中性」とは、「PH値が5?9好ましくは5.8?8.6」のものと認められるところ、刊行物1に記載された発明においても、酸性剤を用いた場合ではあるが、「土壌のpHを酸性側、望ましくはpH5?9、更に望ましくはpH5.8?8.6に調節して該酸化マグネシウムと該固化剤と土壌との固化反応を促進する。」(摘記(a6))とされ、さらに、実施例1においては、「軽焼酸化マグネシウム100重量部、硫酸アルミニウム20重量部の混合物に10重量%の粉末酸性硫酸ナトリウムを添加した土壌固化剤」を用いており、刊行物1に記載された発明における酸性剤を用いていないにもかかわらず(摘記(a5))、その7日後のpH値が8.5であって水質基準の上限を下回るものである(摘記(a7))。
そうしてみると、刊行物1に記載された発明においても、実際には中性状態で用いられていると認められ、両者の間に差異はないから、この点も実質的な相違点ではない。
(iii)について
刊行物1に記載された発明においても、吸水剤を用いる旨(摘記(a3)、(a5))、また、吸水剤を用いるとなお良い旨(摘記(a6))、記載されており、さらに、吸水剤とはされていないが、(a6)で摘記した「無水石膏、半水石膏」はいずれも硫酸カルシウムのことであって、吸水する性質があることは当業者に周知の事項である。
また、刊行物2にも土壌用固化材の発明が記載されているが、ここでも、酸化マグネシウムと硫酸アルミニウムに加えてせっこうを用いており(摘記(b1))、ここで「せっこう」とは「水和反応による土壌中の水の固定化とその水硬性により、含水土壌の固化を促進すると考えられ、二水物以外であれば履歴に関係なく使用することが出来る。例えば、半水せっこう、無水せっこう、又はこれらの混合物を何等問題無く使用出来る」(摘記(b3))と記載されているから、これは明らかに吸水作用を意図しており、さらに、同刊行物2に、ゼオライトのような吸水材が用いられる旨(摘記(b2)、(b5))、吸水材を用いるとなお良い旨(摘記(b4))、記載されており、吸収材と吸収剤は技術的に同じ意味であるから、土壌固化剤において、刊行物1、2に記載された「せっこう」の成分である硫酸カルシウムや、刊行物2に記載されたゼオライト吸水剤を用いることは、当業者が普通に試みる範囲のものと認められる。
したがって、この相違点も、刊行物1、2に記載されたものから、当業者が容易に導けるところである。

補正後発明1の効果について
補正後発明1の効果は、本願特許明細書の段落【0080】に【発明の効果】として記載されているように、「請求項1記載の発明は、・・・なので、前記酸化マグネシウムと酸性固化助剤が不良地盤や軟弱地盤等の土壌内に注入されると前記土壌中に含有する水分と結合して固化せしめ、前記不良地盤や軟弱地盤を強度の大きい良好な地盤にすることができた。」というものであるところ、刊行物1に記載された発明においても、(a8)に摘記したように、「土壌と混合して固化せしめることが出来、固化した土壌のpH値を水質基準の上限8.6を下回るようにすることが出来る」と記載され、さらに刊行物2に記載された発明においても、(b6)に摘記したように「改良後土壌の材令7日後の一軸圧縮強度は0.5kgf/cm2以上と歩行可能な強度を有している」というものであり、補正後発明1の効果もこれらの刊行物に記載された効果と同種のものである。
また、補正後発明1の実施例において用いた固化剤は、「本発明の固化剤」とされるのみ(特許明細書の段落【0033】等)で具体的組成は明らかにされておらず、唯一同段落【0064】に「上記のように混合した固化剤は以下のとおりであった。 酸化マグネシウム 50% 過リン酸石灰 25% 硫酸第一鉄 25%」と組成が記載されているが、これは吸水剤を用いていないため補正後発明1の実施例とは認められず、本願特許明細書の記載から補正後発明1の効果がどのように優れるものであるのか、確認できない。
したがって、補正後発明1の効果は、刊行物1、2に記載されたものから当業者が予測しうる範囲のものと認められる。

以上のとおりであるから、補正後発明1は、刊行物1、2に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

(4)審尋について

補正後発明1は独立して特許を受けることができないものである、という旨の前置報告書の内容を請求人に示し、これについての意見を求める審尋を通知したところ、回答書において、請求人は新たに補正案を示しつつ、その補正案についての見解を述べるのみであって、当該補正後発明1についての見解は特に示されなかった。
請求人は、現時点までに何度か補正の機会を得ており、このような状況において、当該審尋は新たに補正を認めるものではなく、審判請求時の補正による補正後の発明について再度請求人の意見を問うものである。
したがって、補正後発明1について何ら意見を述べていない以上、採用するべき内容をここに見出すことはできない。
なお、仮に回答書に示される如き補正をして「地盤改良方法」とした場合であっても、上記刊行物1、2に記載された発明に基づいて容易になしえたものである、という当審の見解に変わりはないことを付言しておく。

(5)むすび

以上のとおりであるから、補正後発明1は、本願出願前に国内で頒布された刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定によって、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。
よって、前記補正は、特許法第17条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定に違反するものである。

3.本件発明

(1)本件発明

平成16年1月22日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本件の請求項1?10に係る発明は、平成15年9月8日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?10に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1に係る発明(以下、「本件発明1」という。)は、以下のとおりである。

「【請求項1】 酸化マグネシウム100重量部に、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、塩化第二鉄、酸性硫酸ナトリウム、スルファミン酸、リン酸、水溶液のPH値が7以下のリン化合物の中、単独あるいは二種以上の10?100重量部の酸性固化助剤と、活性炭、活性白土、セピオライト、ケイソー土、ゼオライト、シリカヒームのポーラスな無機鉱物、グアガム、硫酸カルシウム、スラグの中、単独又は二種以上の吸水剤とを混合して使用するものであることを特徴とする土壌中性固化剤。」

(2)刊行物及びその記載事項

原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1、2、及びその記載事項は、上記2.(2)に示したとおりである。

(3)対比・判断

本件発明1は、上記したとおりであって、上記2.(1)で示した補正後発明1を包含するものであるところ、補正後発明1が、本願出願前に国内で頒布された刊行物1、2に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであることは、上記2.(5)で示したとおりであるから、これを包含する本件発明1も、同様の理由により、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

(4)むすび

以上のとおりであるから、本件発明1は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
請求項2?10に係る発明については検討するまでもなく、本願は、拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-11-25 
結審通知日 2005-12-06 
審決日 2005-12-20 
出願番号 特願2001-212678(P2001-212678)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (C09K)
P 1 8・ 121- Z (C09K)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 藤原 浩子  
特許庁審判長 西川 和子
特許庁審判官 井上 彌一
鈴木 紀子
発明の名称 土壌中性固化剤及び地盤等の改良工法並びに重金属溶出防止方法  
代理人 庄司 建治  
代理人 庄司 建治  

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