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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1150751 |
審判番号 | 不服2002-22656 |
総通号数 | 87 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2000-05-12 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2002-11-22 |
確定日 | 2007-02-08 |
事件の表示 | 平成11年特許願第298916号「携帯用コンピュータ用平板表示装置」拒絶査定不服審判事件〔平成12年 5月12日出願公開、特開2000-132279〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1.手続の経緯・本願発明 本願は、平成11年10月20日(パリ条約による優先権主張1998年10月23日、韓国、1998年10月27日、韓国)の出願であって、平成14年2月7日付けで拒絶理由通知がなされ、平成14年7月23日付けで手続補正がなされ、平成14年8月21日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、平成14年11月22日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、平成14年12月20日付けで手続補正がなされたものである。平成14年12月20日付けの手続補正は、平成14年7月23日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?34、37、47?54を削除するものである。 本願の特許請求の範囲の請求項1に係る発明は、平成14年7月23日付けの手続補正及び平成14年12月20日付けの手続補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。(以下、「本願発明」という。) 「ハウジングに装着できる平板表示装置であって、 背面に固定部を有する第1フレームを含む背光ユニットと、 前記背光ユニットの近くに配置した平板表示パネルと、 第2フレームとを含んでおり、 前記平板表示パネルは、前記第1フレームと第2フレームの間に位置し、 前記背光ユニットの前記第1フレームは、該第1フレームの背面の固定部を通して前記ハウジングに固定されることを特徴とする平板表示装置。」 2.引用例 平成14年2月7日付けの拒絶理由通知に引用された特開平10-133181号公報(以下、引用例という。)には、図面とともに、次の記載がある。 「【0016】 【発明の実施の形態】 《アクティブ・マトリクス液晶表示装置》以下、アクティブ・マトリクス方式のカラー液晶表示装置にこの発明を適用した実施例を説明する。なお、以下説明する図面で、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り返しの説明は省略する。 【0017】《液晶表示モジュールの全体構成》図3は、液晶表示モジュールMDLの分解斜視図であり、各構成部品の具体的な構成は図1、4、5に示す。 【0018】SHDは金属板から成るシールドケース(メタルフレームとも称す)、WDは表示窓、INS1?3は絶縁シート、PCB1?3は回路基板(PCB1はドレイン側回路基板、PCB2はゲート側回路基板、PCB3はインターフェイス回路基板)、JNは回路基板PCB1?3どうしを電気的に接続するジョイナ、TCP1、TCP2はテープキャリアパッケージ、PNLは液晶表示パネル、GCはゴムクッション、ILSは遮光スペーサ、PRSはプリズムシート、SPSは拡散シート、GLBは導光板、RFSは反射シート、MCAは一体成型により形成された下側ケース(モールドケース)、LPは蛍光管、LPCはランプケーブル、GBは蛍光管LPを支持するゴムブッシュであり、図に示すような上下の配置関係で各部材が積み重ねられて液晶表示モジュールMDLが組み立てられる。 【0019】モジュールMDLは、下側ケースMCA、シールドケースSHDの2種の収納・保持部材を有する。絶縁シートINS1?3、回路基板PCB1?3、液晶表示パネルPNLを収納、固定した金属製シールドケースSHDと、蛍光管LP、導光板GLB、プリズムシートPRS等から成るバックライトBLを収納した下側ケースMCAとを合体させることにより、モジュールMDLが組み立てられる。」(第3頁左欄第43行?右欄第25行) 「【0037】《下側ケースMCA》図4は、下側ケースMCAの上面図、上側面図、後側面図、右側面図、左側面図、図5は、下側ケースMCAの下面図である。 【0038】モールド成型により形成した下側ケースMCAは、蛍光管LP、ランプケーブルLPC、導光板GLB等の保持部材、すなわち、バックライト収納ケースであり、合成樹脂で1個の型で一体成型することにより作られる。下側ケースMCAは、《シールドケースSHD》のところで詳述したように、金属製シールドケースSHDと、各固定部材と弾性体の作用により、しっかりと合体するので、モジュールMDLの耐振動衝撃性、耐熱衝撃性が向上でき、信頼性を向上できる。 【0039】下側ケースMCAの底面には、周囲の枠状部分を除く中央の部分に、該面の半分以上の面積を占める大きな開口MOが形成されている。これにより、モジュールMDLの組み立て後、液晶表示パネルPNLと、導光板GLB間のゴムクッションGCの反発力により、下側ケースMCAの底面に上面から下面に向かって垂直方向に加わる力によって、下側ケースMCAの底面がふくらむのを防止でき、最大厚みを抑えることができる。したがって、ふくらみを抑えるために、下側ケースの厚さを厚くしなくて済み、下側ケースの厚さを薄くすることができるので、モジュールMDLを薄型化、軽量化することができる。 【0040】MLCは、インターフェイス回路基板PCB3の発熱部品、本実施例では、ハイブリッドIC化した電源回路(DC-DCコンバータ)等の実装部に対応する箇所の下側ケースMCAに設けた切欠き(図6に示すコネクタCT接続用の切欠きを含む)である。このように、回路基板PCB3上の発熱部を下側ケースMCAで覆わずに、切欠きを設けておくことにより、インターフェイス回路基板PCB3の発熱部の放熱性を向上することができる。すなわち、現在、薄膜トランジタTFTを用いた液晶表示装置を高性能化し、使い易さを向上するため、多階調化、単一電源化が要求されている。これを実現するための回路は、消費電力が大きく、また、回路手段をコンパクトに実装しようとすると、高密度実装となり、発熱が問題となる。したがって、下側ケースMCAに発熱部に対応して切欠きMLCを設けることにより、回路の高密度実装性、およびコンパクト性を向上することができる。この他にも、信号源集積回路TCONが発熱部品と考えられ、この上の下側ケースMCAを切り欠いてもよい。 【0041】MH1?4は、当該モジュールMDをパソコン等の応用装置に取り付けるための4個の取付穴である。金属製シールドケースSHDにも、下側ケースMCAの取付穴MH1?4に一致する取付穴SH1?4が形成されており、ねじ等を用いて応用製品に固定、実装される。」(第5頁左欄第17行?右欄第15行) この記載から、引用例には、 「他の装置に取り付けられる液晶表示モジュールであって、 背面に取付穴を有し、バックライトを収納した下側ケースと、 前記バックライトの近くに配置した液晶表示パネルと、 シールドケースとを含んでおり、 前記液晶表示パネルは、前記下側ケースとシールドケースの間に位置し、 前記下側ケースは、該下側ケースの背面の取付穴を通して前記他の装置に固定される液晶表示モジュール。」の発明(以下「引用例発明」という。)が記載されているものと認められる。 3.対比 そこで、本願発明と引用例発明とを比較すると、引用例発明における「液晶表示モジュール」、「取付穴」、「下側ケース」、「液晶表示パネル」、及び「シールドケース」は、それぞれ本願発明の「平面表示装置」、「固定部」、「第1フレーム」、「平板表示パネル」及び「第2フレーム」に相当する。また、引用例発明では、バックライトは下側ケースに収納されるわけであるから、引用例発明のバックライトは、本願発明の「第1フレームを含む背光ユニット」から「第1フレーム」を除いたものに相当する。 したがって、両者は、 「他の装置に装着できる平板表示装置であって、 背面に固定部を有する第1フレームを含む背光ユニットと、 前記背光ユニットの近くに配置した平板表示パネルと、 第2フレームとを含んでおり、 前記平板表示パネルは、前記第1フレームと第2フレームの間に位置し、 前記背光ユニットの前記第1フレームは、該第1フレームの背面の固定部を通して前記他の装置に固定されることを特徴とする平板表示装置。」 の点で一致し、以下の点で相違している。 [相違点] 本願発明においては、平板表示装置が他の装置のハウジングに固定されるのに対して、引用例発明においては他の装置の何に固定するのか明らかでない点。 4.当審の判断 [相違点]について 平面表示装置を他の装置に固定する場合に、他の装置のハウジングに固定することは一般的に行われている慣用手段にすぎず、何ら格別のものではない。 そして、本願発明の作用効果も、引用例発明から当業者が予測できる範囲のものである。 5.むすび 以上のとおり、本願発明は、引用例に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2005-08-30 |
結審通知日 | 2005-08-31 |
審決日 | 2005-09-13 |
出願番号 | 特願平11-298916 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(G06F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 鈴木 匡明 |
特許庁審判長 |
相田 義明 |
特許庁審判官 |
竹井 文雄 治田 義孝 |
発明の名称 | 携帯用コンピュータ用平板表示装置 |
代理人 | 高橋 誠一郎 |
代理人 | 岡部 正夫 |
代理人 | 高梨 憲通 |
代理人 | 加藤 伸晃 |
代理人 | 吉澤 弘司 |
代理人 | 越智 隆夫 |
代理人 | 朝日 伸光 |
代理人 | 藤野 育男 |
代理人 | 臼井 伸一 |
代理人 | 産形 和央 |
代理人 | 本宮 照久 |