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審決分類 審判 訂正 特許請求の範囲の実質的変更 訂正しない E02D
審判 訂正 3項(134条5項)特許請求の範囲の実質的拡張 訂正しない E02D
管理番号 1152687
審判番号 訂正2005-39181  
総通号数 88 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-04-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-10-12 
確定日 2007-03-08 
事件の表示 特許第3449608号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
特許第3449608号(請求項の数3)に係る発明についての出願は、平成12年2月25日に特許出願され、平成15年7月11日にその発明について特許権の設定登録がなされ、その後、平成17年10月12日に本件審判請求がなされ、当審において、平成17年12月1日付けで、期間を指定して訂正拒絶の理由を通知したところ、これに対し、平成18年1月5日に請求人から意見書が提出されたものである。

2.訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、特許第3449608号明細書を本件訂正審判請求書に添付された全文訂正明細書(以下、「本件訂正明細書」という。)のとおり訂正することを求めるものであり、訂正事項は次のとおりのものである。
a.特許請求の範囲の「【請求項1】 地下構造物の枠体(11)の開口を閉じるための蓋体(12)がヒンジ装置(38)によって枠体に開閉可能に繋ぎ止められており、その蓋体(12)を施錠するために設けられた錠装置であって、開口を閉じることにより内外方向へ移動して蓋体(12)を施錠状態とし、外部操作によって施錠状態を解除する状態となる鉤部材(15)を枠体側に設け、その鉤部材(15)は上端に、蓋体(12)を閉じる動作に伴う内外方向への動きにより、蓋体(12)の周縁部内側に設けられている、錠止部分(27)と係合可能な鉤部(16)を有する縦長の鉤杆(17)を有し、かつ枠体の内側に設けられているガイド部(19)に案内される軸部(21、42)により上下方向へ移動可能に設けられており、解錠のために蓋体(12)が枠体(11)よりも上までガイド部(19)の範囲であげられ、その後蓋体(12)に加えられる内外方向への動きにより鉤部(16)から錠止部分(27)が外れ施錠を解除可能に、枠体側に軸支されていることを特徴とする地下構造物用錠装置。
【請求項2】 鉤部材(15)は蓋体(12)を施錠状態とする方向へ弾性手段によって付勢されている請求項1記載の地下構造物用錠装置。
【請求項3】 鉤部材(15)は上端に鉤部(16)を有する縦長の鉤杆(17)を2個左右に並結した構造を有している請求項1又は2記載の地下構造物用錠装置。」の記載を、
「【請求項1】 地下構造物の枠体(11)の開口を閉じるための蓋体(12)がヒンジ装置(38)によって枠体に開閉可能に繋ぎ止められており、その蓋体(12)を施錠するために設けられた錠装置であって、開口を閉じることにより内外方向へ移動して蓋体(12)を施錠状態とし、外部操作によって施錠状態を解除する状態となる鉤部材(15)を枠体側に設け、その鉤部材(15)は上端に、蓋体(12)を閉じる動作に伴う内外方向への動きにより、蓋体(12)の周縁部内側に設けられている、錠止部分(27)と係合可能な鉤部(16)を有する縦長の鉤杆(17)を有し、かつ枠体の内側に設けられているガイド部(19)に案内されて軸部(21、42)により上下方向へ移動可能に設けられており、解錠のために蓋体(12)が枠体(11)よりも上までガイド部(19)の範囲であげられ、その後蓋体(12)に加えられる内外方向への動きにより鉤部(16)から錠止部分(27)が外れ施錠を解除可能に、枠体側に軸支されていることを特徴とする地下構造物用錠装置。
【請求項2】 鉤部材(15)は蓋体(12)を施錠状態とする方向へ弾性手段によって付勢されている請求項1記載の地下構造物用錠装置。
【請求項3】 鉤部材(15)は上端に鉤部(16)を有する縦長の鉤杆(17)を2個左右に並結した構造を有している請求項1又は2記載の地下構造物用錠装置。」と訂正する。

b.段落【0003】の「しかし、従来の錠装置では、例えば実開昭59-116449号、同59-80549号のものがそうであるように、開錠操作用の部材を差し込むために貫通した孔を蓋体に設けている。このため雨水などが地下構造物内へ流入してしまうという問題がある。」の記載を、
「しかし、従来の錠装置では、例えば実開昭59-116449号、同59-80549号のものがそうであるように、解錠操作用の部材を差し込むために貫通した孔を蓋体に設けている。このため雨水などが地下構造物内へ流入してしまうという問題がある。」と訂正する。

c.段落【0006】の「【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するため、本発明は開口を閉じることにより内外方向へ移動して蓋体を施錠状態とし、外部操作によって施錠状態を解除する状態となる鉤部材を枠体側に設け、その鉤部材は上端に、蓋体(12)を閉じる動作に伴う内外方向への動きにより、蓋体(12)の周縁部内側に設けられている、錠止部分(27)と係合可能な鉤部を有する縦長の鉤杆を有し、かつ枠体の内側に設けられているガイド部に案内される軸部により上下方向へ移動可能に設けられており、解錠のために蓋体が枠体よりも上までガイド部の範囲であげられ、その後蓋体に加えられる内外方向への動きにより施錠を解除可能に、枠体側に軸支されているという手段を講じている。」の記載を、
「【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するため、本発明は開口を閉じることにより内外方向へ移動して蓋体を施錠状態とし、外部操作によって施錠状態を解除する状態となる鉤部材を枠体側に設け、その鉤部材は上端に、蓋体(12)を閉じる動作に伴う内外方向への動きにより、蓋体(12)の周縁部内側に設けられている、錠止部分(27)と係合可能な鉤部を有する縦長の鉤杆を有し、かつ枠体の内側に設けられているガイド部に案内されて軸部により上下方向へ移動可能に設けられており、解錠のために蓋体が枠体よりも上までガイド部の範囲であげられ、その後蓋体に加えられる内外方向への動きにより施錠を解除可能に、枠体側に軸支されているという手段を講じている。」と訂正する。

d.段落【0021】の「図7ないし図9は本発明に係る錠装置10の実施例2を示す。実施例2の錠装置10もガイド部19によって上下方向へ移動可能に設けられている錠部材15を有する点、実施例1のもの等と共通するが、軸部42は鉤部材15に設けられていて一体として上下方向へ移動可能である点で相違している。実施例2の場合、ガイド部19に形成されているガイド溝43に、鉤部材15の下端の軸部42を嵌めその溝内で上下方向へ移動可能とされる。鉤部材15やそれに作用する付勢手段26、その他の基本的構成は実施例1の場合と同様で良い。よって実施例1の符号を図7ないし図9にも援用し、詳細な説明を省略する。なお実施例2の場合、ガイド溝43は軸部42の抜け止めとなる下端部44を有する。」の記載を、
「図7ないし図9は本発明に係る錠装置10の実施例2を示す。実施例2の錠装置10もガイド部19によって上下方向へ移動可能に設けられている鉤部材15を有する点、実施例1のもの等と共通するが、軸部42は鉤部材15に設けられていて一体として上下方向へ移動可能である点で相違している。実施例2の場合、ガイド部19に形成されているガイド溝43に、鉤部材15の下端の軸部42を嵌めその溝内で上下方向へ移動可能とされる。鉤部材15やそれに作用する付勢手段26、その他の基本的構成は実施例1の場合と同様で良い。よって実施例1の符号を図7ないし図9にも援用し、詳細な説明を省略する。なお実施例2の場合、ガイド溝43は軸部42の抜け止めとなる下端部44を有する。」と訂正する。

e.【図面の簡単な説明】の「【図9】同じく施錠直前の状態の断面図。」の記載を、
「【図9】同じく解錠直前の状態の断面図。」に訂正する。

3.訂正拒絶理由
平成17年12月1日付けで通知した訂正の拒絶の理由は、「本件訂正は、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものに該当し、平成15年改正特許法第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正を認めることはできない。」というものである。

4.訂正の適否
上記「2.」の訂正の内容のうち、訂正事項a.は、請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「(鉤部材(15)は)枠体の内側に設けられているガイド部(19)に案内される軸部(21、42)により上下方向へ移動可能に設けられて」いることを「(鉤部材(15)は)枠体の内側に設けられているガイド部(19)に案内されて軸部(21、42)により上下方向へ移動可能に設けられて」いることに訂正するものである。
そして、かかる訂正により、訂正前の請求項1に記載された「軸部」はガイド部に案内されることが必須の構成であったものが、訂正後の請求項1に記載された「軸部」はガイド部に案内されないものも含むものとなっている。
したがって、上記訂正事項a.は、請求項1に記載した事項について限定した内容を省く表現にするものであり、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものに該当し、平成15年改正特許法第126条第4項の規定に違反するものである。

なお、請求人は、平成18年1月5日付け意見書の第9頁第28行?第10頁第6行において、上記訂正事項a.は、「鉤部材(15)がガイド部(19)に案内されて」の条件を明確にした誤記の訂正ないし不明瞭な記載の釈明をなすものであるから、当然に特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものではない旨主張しているが、仮に、上記訂正事項a.が誤記の訂正ないし不明瞭な記載の釈明にあたるとしても、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものは、特許法第126条第4項の要件に違反するものであるから(平成15年改正法における無効審判等の運用指針第103頁参照)、かかる請求人の主張は認められない。
また、請求人は、同意見書の第15頁第20?26行において、訂正拒絶理由通知は、「ガイド部(19)に案内される軸部(21、42)」の事項を合理的な理由もなく単に字義どおりの意味に解釈して誤って本件発明を特定するための必須の構成であるとなし、この誤った発明の要旨認定を前提として本件訂正を特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものであると判断したと主張しているが、請求項に係る発明の認定は、請求項の記載が明確である場合は、請求項の記載どおり認定するべきであり(特許・実用新案審査基準 第II部第2章新規性進歩性 1.5.1 請求項に係る発明の認定(1)ないし(4)参照)、訂正前の請求項1の記載に格別不明瞭なものはみあたらないから、請求項1の記載を字義どおりの意味に解釈することに誤りはない。
さらに、同意見書の第18頁第1?10行には、「発明の詳細な説明においては、「鉤部材15は、左右の側辺部を囲むように枠体の内側に設けられた左右のガイド部19、19によって上下方向へ移動可能に設けられている(図5参照)。」(【0014】)、「実施例2の錠装置10もガイド部19によって上下方向へ移動可能に設けられている錠部材(鉤部材の誤記)15を有する点、実施例1のもの等と共通するが、」(【0021】)と記載されており、「鉤部材15がガイド部19に案内されて上下移動する」点が構成表示として明記されているが、「軸部(21、42)がガイド部19に案内されて上下移動する」との構成表示は一切なされていない。」と記載されている。
しかしながら、発明の詳細な説明の【0021】の「実施例2の場合、ガイド部19に形成されているガイド溝43に、鉤部材15の下端の軸部42を嵌めその溝内で上下方向へ移動可能とされる。」の記載及び図8,図9からみて、発明の詳細な説明及び図面に「ガイド部(19)に案内される軸部(42)」が記載されていることは明らかである。
そして、発明の詳細な説明の実施例1及び実施例2がいずれも鉤部材がガイド部に案内されるものであるとしても、実施例2は鉤部材の下端の軸部がガイド部に案内されるのに対し、実施例1は軸部がガイド部に案内されるものではない。
そうすると、上記訂正事項a.は、軸部がガイド部に案内される構成を含む実施例2に相当する請求項1に係る発明を、軸部がガイド部に案内される構成を必須の構成としない実施例1に相当する発明に変更、または、実施例1及び実施例2の両者が含まれる発明に拡張しようとするものであるといえる。

5.むすび
以上のとおり、本件訂正は、他の訂正事項及び他の訂正要件を検討するまでもなく、平成15年改正特許法第126条第4項の規定に適合しないので、当該訂正を認めることはできない。
よって結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2006-01-19 
結審通知日 2006-01-23 
審決日 2006-02-09 
出願番号 特願2000-49847(P2000-49847)
審決分類 P 1 41・ 854- Z (E02D)
P 1 41・ 855- Z (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 深田 高義  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 佐々木 芳枝
高橋 学
登録日 2003-07-11 
登録番号 特許第3449608号(P3449608)
発明の名称 地下構造物用錠装置  
代理人 鈴木 秀雄  
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