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審決分類 審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する H04Q
審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H04Q
審判 訂正 2項進歩性 訂正する H04Q
管理番号 1154127
審判番号 訂正2002-39123  
総通号数 89 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-05-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-05-17 
確定日 2007-02-22 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2816349号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2816349号に係る明細書及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1.手続の経緯
1.本件特許第2816349号の発明についての出願は、昭和61年2月26日(パリ条約による優先権主張1985年3月20日、米国)にされ、特許請求の範囲第1項、第4項に係る発明は、平成10年8月21日にその特許権の設定登録がされた。

2.本件の特許請求の範囲第1項、第4項に係る発明に対して、松尾義志美より特許異議の申立て(平成11年異議71645号)があり、平成12年11月22日付けで訂正請求がなされた後、平成13年10月23日付けで「特許第2816349号の特許請求の範囲第1項、第4項に記載された発明についての特許を取り消す。」との異議の決定がなされた。

3.上記異議の決定に対して、平成14年3月8日付けで「特許庁が平成13年10月23日に特許第2816349号に対する同庁平成11年異議71645号事件についてした取消決定を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求める訴え(平成14年(行ケ)112号、その後、平成17年(行ケ)第10173号に番号変更された。)が提起された。

4.平成14年5月17日付けで、願書に添付した明細書の特許請求の範囲について訂正を求める審判の請求(訂正2002-39123号)がなされ、当該審判の請求に対し、平成14年8月30日付けで訂正拒絶の理由が通知され、平成15年3月24日付けで、「本件審判の請求は、成り立たない。」旨の審決がなされた。

5.上記審決に対して、平成15年7月4日付けで「特許庁が訂正2002-39123号事件について平成15年3月24日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求める訴え(平成15年(行ケ)第291号)が提起され、平成16年12月9日に「特許庁が訂正2002-39123号事件について平成15年3月24日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決(以下、第1次高裁判決という。)の言渡しがあり、この判決は確定した。

6.上記、第1次高裁判決の確定をうけて、上記訂正を求める審判の請求に対する審理が再開され、平成17年2月4日付けで訂正拒絶の理由が通知され、平成17年8月5日付けで、「本件審判の請求は、成り立たない。」旨の審決(以下、この審決を「前審決」という。)がなされた。

7.上記審決に対して、平成17年12月12日付けで「特許庁が訂正2002-39123号事件について平成17年8月5日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決を求める訴え(平成17年(行ケ)第10837号)が提起され、平成18年11月9日に「特許庁が訂正2002-39123号事件について平成17年8月5日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決(以下、第2次高裁判決という。)の言渡しがあった。

第2.請求の趣旨
本件審判の請求の趣旨は、特許第2816349号発明の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり、登録時の特許請求の範囲の第1項及び第4項を訂正するとともに第2項及び第5項を削除し、第3項、第4項及び第6項を第2項、第3項及び第4項にそれぞれ項番変更するというものである(本件明細書のうち、特許請求の範囲以外の部分に訂正はない。)。(以下、この訂正を「本件訂正」という。)
本件訂正後の特許請求の範囲の記載は次のとおりである。

<本件訂正後の特許請求の範囲>(下線部は、本件訂正による訂正箇所を示す。)
「1.公衆通信用電話網の局用交換機から局線(14)経由で並行して受けた複数の情報信号を複数の無線周波数(RF)チャンネル経由で基地局から複数の移動加入者局、すなわち各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの任意の一つで受信できる複数の移動加入者局に並行して送信するために基地局で信号処理するディジタル電話システムであって、前記基地局が、
前記局線(14)からの受信情報信号をディジタル信号サンプルとして扱う交換手段(15)と、
各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つに関連づけられて動作し、前記交換手段(15)から受けた前記ディジタル信号サンプルを圧縮して多数の個別の圧縮信号を供給する各々が複数の圧縮手段(16)を内蔵する複数の信号圧縮手段(17)と、
前記複数の信号圧縮手段(17)の各々に接続され、その信号圧縮手段(17)からの前記圧縮信号をそれら圧縮信号の各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの前記選択された一つにそれぞれ対応の送信チャンネル・ビット・ストリームの中の逐次的時間スロット位置を占めるように送信チャンネル・ビット・ストリームの形に逐次組み上げるチャンネル制御手段(18)と、
前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用送信チャンネル信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)と、
前記交換手段(15)に含まれ前記受信情報信号を前記信号圧縮手段(17)内の信号圧縮手段(16)にそれぞれ接続する切換手段(25)と、
前記局線(14)に結合可能であり前記局線のある一つ経由の呼接続要求信号に応答して前記圧縮手段(16)のどの一つをその呼接続要求信号対応の前記受信情報信号に関連づけるかと前記送信チャンネル・ビット・ストリーム中のどの時間スロットをその受信情報信号に用いるかとを表すスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、どの時間スロットとどの無線周波数とが割当てずみであるかを示すメモリを維持し呼接続要求に応答してそのメモリを調べ他の局線に未割当ての圧縮手段(16)およびそれと対応の時間スロットへの接続をもたらす前記チャンネル制御手段(18)、すなわち前記スロット割当て信号対応の周波数で動作する前記チャンネル制御手段(18)への接続を形成するスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記スロット割当て信号を前記交換手段(15)に供給するとともに、そのスロット割当て信号対応の割当て時間スロットおよび無線周波数を表す信号を前記チャンネル制御手段(18)および前記送信手段(21)経由で前記呼接続要求の宛先加入者局に伝達しその宛先加入者局による所要の時間スロットおよび無線周波数の設定に備える遠隔接続中央処理ユニット(20)と、
前記遠隔接続中央処理ユニット(20)に接続され前記スロット割当て信号に応答してそのスロット割当て信号の指示する前記圧縮手段(16)への接続を前記切換手段(25)に形成させる呼切換処理手段(24)と
を含むことを特徴とするディジタル電話システム。

2.前記送信チャンネル・ビット・ストリームにおける前記時間スロットが一定または可変のスロット長のシステムフレームに組上げ可能である請求項1記載のディジタル電話システム。

3.公衆通信用電話網の局用交換機から局線(14)経由で並行して受けた複数の情報信号を複数の無線周波数(RF)チャンネル経由で基地局から複数の移動加入者局、すなわち各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの任意の一つで受信できる複数の移動加入者局に並行して送信するために基地局で信号処理するディジタル電話システムであって、前記基地局が、
前記局線(14)からの受信情報信号をディジタル信号サンプルとして扱う交換手段(15)と、
複数の送信チャンネル回路であって、前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの互いに異なる一つに各々が割り当てられ、前記交換手段(15)からそれぞれ受けた前記ディジタル信号サンプルを圧縮して多数の個別の圧縮信号を生ずる複数の圧縮手段(16)内蔵の信号圧縮手段(17)と、前記圧縮手段(16)に接続され前記圧縮信号をそれら圧縮信号の各々が送信チャンネル・ビット・ストリーム内逐次的時間スロット位置を占めるように送信チャンネル・ビット・ストリームの形に逐次組み上げるチャンネル制御手段(18)と、前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して被変調副搬送波を生ずる変調手段(19)とを各々が有する複数の送信チャンネル回路と、
前記被変調副搬送波に応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用被変調信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)と、
前記交換手段(15)に含まれ前記受信情報信号を前記圧縮手段(16)にそれぞれ接続する切換手段(25)と、
前記局線(14)に結合可能であり前記局線のある一つ経由の呼接続要求信号に応答して前記送信チャンネル回路のどの一つおよびどの時間スロット位置およびその送信チャンネル回路中の前記圧縮手段(16)のどの一つに前記呼接続要求信号対応の前記受信情報信号を関連づけるべきかを表すスロット割当て信号、すなわちその情報信号に周波数と時間スロット位置とを割り当てるスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記周波数の各々についてどの時間スロットが割当てずみであるかを示すメモリを維持し呼接続要求に応答してそのメモリを調べ他の局線に未割当ての時間スロットを含む前記送信チャンネル回路のある一つとそれら未割当ての時間スロットの一つと前記送信チャンネル回路中の信号圧縮手段であって他の局線に未割当ての信号圧縮手段とへの接続を形成するスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記スロット割当て信号を前記交換手段(15)に供給し、そのスロット割当て信号対応の割当て時間スロットおよび無線周波数を表す信号を前記チャンネル制御手段(18)および前記送信手段(21)経由で前記呼接続要求の宛先加入者局に伝達しその宛先加入者局による所要の時間スロットおよび無線周波数の設定に備える遠隔接続中央処理ユニット(20)と、
前記遠隔接続中央処理ユニット(20)に接続され前記スロット割当て信号に応答してそのスロット割当て信号の指示する前記圧縮手段(16)への接続を前記切換手段(25)に形成させる呼切換処理手段(24)と
を含むことを特徴とするディジタル電話システム。

4.前記送信チャンネル・ビット・ストリームにおける前記時間スロットが一定または可変の時間スロット長のシステムフレームに組上げ可能である請求項3記載のディジタル電話システム。」

(以下、上記第1項の発明を「本件訂正第1発明」、第3項の発明を「本件訂正第2発明」という。)

第3.訂正拒絶の理由の概要
当審が平成17年2月4日付けで通知した訂正拒絶の理由は、次のA及びBの理由で、本件訂正は認められないとするものである。
A.本件訂正明細書の特許請求の範囲第1項の記載をみると、本件訂正第1発明は、「前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用送信チャンネル信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」を構成要件としており、また、本件訂正明細書の特許請求の範囲第3項の記載をみると、本件訂正第2発明は、「前記被変調副搬送波に応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用被変調信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」を構成要件としているが、これらに係る事項については、願書に添付した明細書又は図面には記載されておらず、本件訂正第1発明、及び本件訂正第2発明は新規事項を含むものであり、本件訂正は、平成6年改正前特許法の第126条第1項ただし書きの規定に適合しない。
B.本件訂正明細書の特許請求の範囲第1項に記載された発明(本件訂正第1発明)及び特許請求の範囲第3項に記載された発明(本件訂正第2発明)は、それぞれ刊行物1(「電子通信学会論文誌(J64-B)第9号」(昭和56年9月25日 社団法人電子通信学会発行 第1016頁?第1023頁「TD-FDMA移動通信方式の検討」)記載の発明及び刊行物2(特開昭54-60806号公報)記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものであるから、本件訂正は、平成六年法改正前の特許法第126条第3項の規定に違反する。

第4.当審の判断
1.訂正拒絶の理由の検討
先ず、上記第1次高裁判決及び第2次高裁判決の拘束力を受けて上記平成17年2月4日付けで通知した上記訂正拒絶の理由A及びBについて以下に検討する。
(1)上記理由Aについて
本件の訂正前明細書(なお、訂正明細書の記載は、特許請求の範囲の記載を除き、訂正前明細書の記載と同じである。)には、
(ア)「基地局は、チャンネルが選択自由である周波数帯域454?460MHzバンド内のFCC25KHz間隔の周波数チャンネルのいずれかのチャンネル又はすべてのチャンネルによる送信及び受信が可能である。各々の音声チャンネルに対するチャンネル周波数の選択は一度に1チャンネルずつ基地局によって自動的に行われるが、基地局に備えてある操作員制御卓のインタフェースによってオーバライドすることができる。」(本件の特許公報:5頁10欄6行?13行、本件の訂正明細書:11頁19行?24行)
(イ)「モデム19の送信チャンネル出力は変調されたIF信号である。この信号はRF/IF処理装置(RFU)21に供給され、この装置21はIF信号を450MHz範囲のRF UHF信号に変換する。モデム19及びRFU21に対する制御信号は、RPU20の全面的制御下で作動している対応するCCU18によって供給されている。UHF信号はRFU21の電力増幅によって増幅され、戸外同報通信のためアンテナ・インタフェース装置22を経て送信アンテナ23に送られる。
基地局の受信機能は本質的に送信機能の逆である。各RFU21、モデム19、CCU18、VCU17、及びPBX15はもともと全二重である。」(本件の特許公報:6頁11欄49行?12欄10行、本件の訂正明細書:13頁28行?14頁6行)
(ウ)「RF装置は全システムで使用されている互いに異なる周波数で動作するようにCCU制御機能によってプログラムされている」(本件の特許公報:53頁106欄14行?16行、本件の訂正明細書:108頁9行?11行)
(エ)「基地局は普通の場合、正常運用時には動作周波数や送信電力レベルを変更しない。送信及び受信部は、26チャンネルの各々に完全同調可能である。」(本件の特許公報:54頁107欄1行?3行、本件の訂正明細書:109頁5行?6行)
という記載があり、これら(ア)?(エ)の記載によれば、基地局に複数の送信手段(21)があること、それらの各送信手段が各々周波数切換可能なものであること、周波数切換は基地局による選択に応じてなされるものであることは、いずれも訂正前明細書に記載した事項の範囲内のものと認められる。
よって、上記本件訂正第1発明の構成要件である「前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用送信チャンネル信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」及び本件訂正第2発明の構成要件である「前記被変調副搬送波に応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用被変調信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」はいずれも訂正前明細書に記載した事項の範囲内のものであって新規事項ではない。

(2)上記理由Bについて
(2-1)引用刊行物の記載内容
(上記刊行物1の記載内容)
上記刊行物1は、「TD-FDMA移動通信方式に関する検討」に関する論文であり、次のように記載されている。
「あらまし」には、
A.「移動通信において、・・・。しかし、SCPC-FDMAは基地局送受信機台数の増加、高安定度の局部発振器の必要性などの幾つかの問題点を有する。
本論文は、これらの問題点を解決する一つの方法として、時分割マルチプルアクセス(TDMA)技術の導入を提案したものである。TDMA移動通信方式の基本構成および主要設計諸元について述べ、フレーム、情報部最適ビット長、多重度、回線制御法および装置構成を示すと共に、TDMA技術を用いた移動通信方式実現の可能性を明らかにしている。基地局から移動機への回線はTDMモード、移動機から基地局への回線はTDMAモードとなり32kbit/sの符号化を用いる場合、信号伝送速度160kbit/s、多重度4、情報部ビット長96bitの伝送形式が適し、大容量方式を構成するにはTDMAとFDMAを組み合せたTD-FDMA方式とする必要があることを示している。」(なお、「・・・」は文章の省略箇所を示す。以下同様。)と記載され、
「1.まえがき」には、
B.「・・・従来の移動通信においては、アナログFMのSingle Channel Per Carrier(SCPC)を用いた周波数分割マルチプルアクセス(Frequency division multiple access:FDMA)が広く用いられてきたが、大容量の移動通信方式を実現する場合の技術としてこれを用いると、使用する搬送波が多数であること、及び伝送帯域幅が搬送波周波数に比し狭いことに起因する幾つかの問題点が派生する。
本論文は、これらの問題点を解決する一つの方法として時分割マルチプルアクセス(Time division multiple access:TDMA)技術の導入の可能性を検討したものである。まず、TDMA技術提案の背景を示している。次に、TDMA技術を用いる場合考慮すべき移動伝搬路の特徴を整理したうえで、TDMA移動通信方式の基本構成を示している。更に、フレーム構成、回線制御技術など方式設計上の主要項目について検討し、大容量方式実現のためには、TDMAとFDMAを組み合わせたTD-FDMA方式とする必要があること、及び、その実現の可能性を示している。最後に、TD-FDMA移動通信方式の方式構成例を示している。」と記載され、
「2.TDMA技術提案の背景」 の「2.1 SCPC-FDMAの問題点」 には、
C.「(1)基地局設備費の増加
移動通信システムの経済性は、主として移動機価格に依存するため、従来、基地局装置の価格には注意が払われていなかった。しかし、SCPC-FDMAでは、一つの無線チャネルに対して1対の送受信機を設置しなければならないため、トラヒック密度の高い地域の基地局には、多くの送受信機と大形の送受信共用器と広いフロアスペースとを必要とし、基地局設備費が高額となる。」、
「(4)回線制御装置の大形化
ダイヤル信号の伝送および通話中チャネル切換、切断などの制御は通話チャネルにおいて行う。このため、基地局では回線対応(送受信機対応)に制御信号用のインタフェース回路を必要とする。更に、移動機が制御信号を任意の時刻に送出するため、基地局では常時回線を監視しなければならない。これらの理由により、回線数の増加に伴い回線制御装置は大形になる。」と記載され、
「2.2 TDMA技術の導入による利点」には、
D.「(1)基地局装置の小形経済化
多重化により、基地局の送受信機台数は大幅に減少し、搬送波段での多重化装置(送受共用器を含む)の小形化が可能なことから、基地局装置の経済化、および小形化が図れる。なお、ベースバンド段での多重化装置を必要とするが、これはLSI化が可能であり、大きな負担にはならない。」、
「(4)回線制御装置の小形化、制御の柔軟性の増加
一搬送波すなわち一対の送受信機で複数の回線を伝送しているので、制御信号用インタフェース回路は、SCPCに比し少ない。又、移動機の制御信号の送出時刻を指定しているので、基地局では各回線の制御を時分割的に処理でき、制御能力はSCPCに比し高い。1搬送波で回線制御信号と音声信号を同時に伝送可能であり、通話時にもチャネル指定信号、送信出力制御信号などを伝送できるため、回線制御の柔軟性が増す。
以上示したように、TDMA技術の導入により、SCPC-FDMAの問題点の多くが解決される。」と記載され、
「3.TDMA移動通信方式の構成」には、
E.「本章では、TDMA技術を用いた陸上移動通信方式を実現する場合に考慮すべき信号伝送上の伝搬路特性を整理したうえで、TDMA移動通信方式の基本構成を示す。」と記載され、
「3.2 回線構成」には、
F.「公衆通信では、加入者線がいったん交換局に集中し各加入者間に回線を設定する。公衆移動通信においても同様に、各移動機は基地局との間に回線を設定する。
回線の設定および移動機の制御は基地局が行う。すなわち、基地局がマルチプルアクセスの指示を行う制御局、移動機が従局となる。
同時送受話の公衆移動通信では、使用周波数帯域を基地局から移動機への回線(下り回線)に用いる帯域と、移動機から基地局への回線(上り回線)に用いる帯域に分離し、両回線の周波数間隔を一定とする2周波方式が用いられる。
下り回線においては、基地局において固定加入者からの有線信号を集中待ち受け制御することが可能であり、信号の多重化は容易であり、且つ、全移動機に同時に指示を行えるので、移動機は指定されたタイムスロットのみゲート選択することにより自分の信号を受信できる。従って、下り回線はTDMモード(放送モード)となる。
一方、上り回線においては、多数の移動機が一つの搬送波を時間的にオーバラップしないようにバースト状の信号を送信するTDMAモードとなる。」と記載され、
「3.3 同期系」には、
G.「下り回線では、無線基地局において一つの無線搬送波源により発生された搬送波をベースバンドパルス段において1列のパルス列として時分割多重した信号で変調して送出し、各移動機でこれを受信し、ゲート選択するという方法が採られる。従って、各移動機は搬送波、フレーム及びクロックのいずれについても基地局に従属した位相同期系を構成することができる。
上り回線では、各移動機の送信搬送波源およびクロック源は相互に非同期の関係にあり、且つ、各移動機と基地局の距離、すなわち伝搬遅延時間がばらつくため基地局受信機入力点で、各移動機からの搬送波およびクロックを相互同期状態にするのは非常に困難であるのでクロック非同期とせざるを得ない。
・・・
クロック同期回路に関しては、図2に示す構成のような、1フレーム前のバースト信号から同期情報を抽出し再生する形式のサンプルホールド形のクロック同期回路が有効である。
・・・
TDMA方式では基地局受信機において隣接バースト信号が時間的にオーバラップしないように、下り回線でバースト信号の送出時刻を指示しなければならない。前述のようにクロック非同期で、且つ基地局と移動機間の伝搬遅延時間にばらつきがあるため、バースト信号の時間的オーバラップを避けるためには、バースト信号間にガードタイムを設ける必要がある。・・・」と記載され、
「4.方式設計」の「4.1 フレーム構成」には、
H.「(1)下り回線
移動機の呼出し信号、チャネル指定信号などの各移動機に共通の回線制御信号を音声と一緒に伝送することが必要となる下り回線は、これらの制御信号用のタイムスロット(control word)の繰返単位を1フレームとするのが適すると考えられる。
・・・
ベースバンド段における各通話チャネルとの対応を簡潔にするという点から、図3に示すようなサブフレーム単位の構成が適すると考えられる。
(2)上り回線
・・・通常は図3に示すように、情報部の先頭に搬送波再生用ビット、クロック同期用ビット及び、サブフレーム検出用ユニークワード(unique word)とで構成されるプリアンブル(preamble)を付加し、一つのサブフレームを構成しバースト信号として指定されたタイムスロットに送出する。・・・」
「4.2.2 多重化に伴う遅延
・・・多重化は音声符号器の出力を一度メモリに読み込んで、高速のクロックで読み出す方法を採るので、・・・。
伝送帯域の狭帯域化のために、音声符号化速度は低い方が望ましいが、音声符号化技術の現状からは、公衆通信としての品質確保が可能な符号化速度の限界は、ADM(適応デルタ変調)を採用するとして32kbit/s程度、APC(適応予測符号化)などの新技術を採用するとして16kbit/sと考えられる。
以上示した検討の結果、品質および周波数有効利用の点で、ADMを採用する場合は符号化速度32kbit/s、情報部ビット数は約100bit、フレーム使用効率80%、APCを採用する場合は符号化速度16kbit/s、情報部ビット数は約50bit、フレーム使用効率66%とするのが妥当である。」と記載され、
「4.3 最適多重度」には、
I.「多重度を決定するパラメータは、1搬送波当りの信号伝送速度である。・・・。・・・32kbit/sの符号化の場合は4チャネル多重/1波、16kbit/sの場合は8チャネル多重/1波が妥当な値と考えられる。
以上示したように多重度が4?8チャネル/1波であるので、大容量システムを構成するには多数の搬送波を用い搬送波周波数とタイムスロットの両者の指定を行うTime and Frequency Division Multiple Access(TD-FDMA)とする必要がある。」と記載され、
「4.4無線回線制御」には、
J.「小無線ゾーン構成を用いる移動通信方式では、「発呼」「着呼」および「終話」という三つの基本制御機能のほかに「一斉呼出し」「位置登録」「通話中チャネル切換」という複雑な制御機能が必要となる。
これらの制御を行うためには、通常制御信号を伝送する回線制御専用のチャネルが設置される。以下制御チャネルの設置法について示す。
着呼の際は、ページングチャネル(P-ch)、発呼の際は、アクセスチャネル(A-ch)を用いて通話チャネル(V-ch)の設定を行う。
TD-FDMA方式においてV-chを指定するためには、搬送波周波数とタイムスロットの両者を指定する必要がある。簡易な指定法の一つとしては、各搬送波ごとにシステムを群分割して各搬送波ごとに固有のP-chとA-chを設置しタイムスロットのみを指定する方法もあるが、この方法では分割により一つの群における指定可能なV-ch数が減少(例えば8チャネル)するため、V-chの使用効率が低下する。従って、搬送波周波数とタイムスロットを効率よく指定する方法を採用する必要がある。このためには、P-chとA-chが任意の搬送波とタイムスロットを指定可能な構成とする必要がある。
P-ch及びA-chの設置法としては、図5に示すように(i)制御チャネル専用の搬送波を設ける方法、(ii)制御チャネル専用のタイムスロットを設ける方法、(iii)V-chを制御信号の伝送に用いる方法がある。各設置方法を比較するに当っての要因は、制御効率および周波数利用率(フレーム利用率)である。
P-chについては、V-chを利用する方法は周波数利用率の点では優れているが、移動機は待ち受け時に空V-chを順次渡り歩くため、搬送波の切換ひん度が多く、制御不能時間(搬送波切換時間、クロック同期に要する時間、フレーム同期に要する時間)が増加し、制御効率が大幅に劣化する。一方、制御専用搬送波および制御専用タイムスロットを設ける方法は周波数利用率は若干劣るが、V-chが多い場合は無視できるオーダとなる。移動機が待ち受けを行うチャネルが固定しているため制御効率は(iii)の方法に比し格段に高い。制御効率は接続品質に結びつくものであり、P-chに関しては(i)もしくは(ii)の制御専用のチャネルを設ける方法が適する。
A-chに関して、空V-chを利用する方法は周波数利用率の点で優れ、制御効率の点でも問題はないが、この場合は全移動機に空V-chを基地局から常時報知する必要があること、及び基地局受信系では全V-ch対応に制御信号(発呼信号)の受信装置を設置する必要があることなど基地局の制御系装置の負担が大きくなる欠点を有する。P-chとの統一性の点からも、A-chに関しても制御専用のタイムスロットを設ける方法が適する。 ・・・
TD-FDMA方式では、図6に示すように下りのV-chには制御信号を付加することが可能であり、通話に何ら影響を与えることなく、通話中チャネル切換信号および、送信出力制御信号を伝送することが可能である。
以上示したように、TD-FDMA方式ではA-ch、P-chの両者を同一搬送波で伝送可能であり、別搬送波でA-ch、P-chを伝送するFDMA方式に比べ、接続制御は簡易化される。更に、V-ch設定後も下り回線で制御信号を伝送可能であり、通話中チャネル切換、送信出力制御など、通話中の制御も容易に行える。」と記載され、
「4.5 方式および装置構成例」には、
K.「(1)方式構成例
前節までにおける検討結果に基づき想定した方式構成例の主要諸元を示す。
信号伝送速度 160kbit/s
多重度 4
情報部のビット数 96bit
音声の符号化形式 ADM、32kbit/s
変復調形式 G-MSK遅延検波
・・・
(2)装置構成例
基地局の構成例を図7に示す。交換機と制御装置(CPU)との間には制御線を設け、回線制御および多重化の指示はすべてCPUで行う。送信系では、CPUからの指示によりMultiplexerで信号速度変換(32kbit/s→160kbit/s)多重化を行い、制御信号を付加してフレームを構成する。受信系では、Demultiplexerで信号速度の変換(160kbit/s→32kbit/sを行うと共に、制御信号を検出・分離する。信号速度の変換にはシフトレジスタを2個用いる方法もあるが、FIFO(First In First Out)を用いるのが回路の簡易性の点で適する。・・・。
一方、移動機では、ダイバーシチの形式は回路の簡易なアンテナ切換形とし、切換時に発生する雑音の通話への影響を避けるため、切換は指定されたタイムスロット以外の情報部を受信している時刻に行う。受信系では、指定タイムスロットの情報部のみ信号速度の変換を行い、復号器で音声へ変換する。送信系では音声を符号化した後信号変換を行い、制御部で発生したプリアンブルを付加し、指定のタイムスロットにバースト信号として送信する。以上示した構成の移動機、基地局ともにフェージングシュミレータを用いた室内実験では良好に動作することを確認した。」と記載され、
「むすび」には、
L.「本論文では、TDMA技術を用いた移動通信方式を提案し、TDMA技術の導入により基地局装置の小形、経済化および送受信機の局部発振器の所要周波数安定度の軽減が可能であることを示した。更に、TDMA移動通信方式の基本構成およびフレーム構成、情報最適ビット長、多重度、回線制御法、装置構成などの主要設計諸元を明らかにし、TDMA技術を用いた移動通信方式実現の可能性を示した。下り回線はTDMモード、上り回線はTDMAモードとし、32kbit/sの符号化を用いる場合は、信号伝送速度160kbit/s、多重度4、情報部96bitの伝送方式が適する。従って、大容量方式を構成するにはTDMAとFDMAを組み合わせたTD-FDMA方式とする必要がある。
・・・
TDMA技術の導入によりSCPCにおける問題点の幾つかが解決される・・・」
と記載されている。

また、図7の基地局構成例には、上記Kに加えて、
M.交換機から信号入力を、ハイブリッド回路、Coder/Decoder、Multiplexer、Modulator、Tx(送信機)、複数のANT(アンテナ。そのうちの一つは送受信兼用)を介して、移動機に送信し、また、移動機から複数のアンテナを介して受信機に入力された信号を、Demodulator、Demultiplexer、Coder/Decoder、ハイブリッド回路、交換機を介して出力するようにしており、また、Multiplexer、Modulator、Tx(送信機)、Rx(受信機)、Demodulator、Demultiplexerからなる構成が複数セット設けられていること、
N.交換機を介して制御信号が制御装置(CPU)に入来すると、CPUは、交換機及びMultiplexer、Demultiplexerに対し、回線制御および多重化の指示を行うこと(指示の方向は、CPUから交換機に向いた矢印及びCPUからMultiplexer、Demultiplexerに向いた矢印で示されている。)、
O.TD-FDMAの基地局は複数のCoder/Decoder(図7には、Coder/Decoderが1つのブロックとして描かれているが、上記Nで述べた複数のセットのそれぞれにCoder/Decoderから出力されている(あるいは入力されている)ことからすると、Coder/Decoderは複数の個別回路からなるものを備えていること、がそれぞれ記載されている。

(上記刊行物2の記載内容)
上記刊行物2には、次のように記載されている。
「本発明は、1周波数帯を複数端末で同時に使用可能とするもので、従来の方式に比し端末装置はその多重度分だけ多く使用できる。例えば多重度を24倍とすれば現在用いられている周波数帯数×24倍の端末を同時に制御し得るものである。この多重化技術は時分割技術を無線回路に応用することにより可能としたものである。」(第1頁右下欄第9行?第15行)、
「本発明による方式は主として端末装置と親局装置から構成されている。かかる端末装置は送信機、受信機及び通話又は情報送受回路から成る他に、親局から送られてくる使用可能周波数帯及びタイムスロット番号を受け送信機を該周波数及びタイムスロットに設定し、且つ親局から送られてくる受信周波数帯及びタイムスロット番号を受け受信機を該周波数帯及びタイムスロットに設定する機能を有する。又親局から常時送られてくるタイミング同期信号を受け送受信パルス等の制御を行なう。」(第1頁右下欄第16行?第2頁左上欄第6行)、
「通話又は情報等の授受を行なう場合は第4図による周波数帯、例えばf1周波数帯内のタイムスロットt1で端末装置側から情報を送り、親局装置側からはf2、t2の周波数帯及びタイムスロットで送られて来る。即ち時分割手法により多重度を図っているものである。」(第2頁左下欄第5行?第10行)
「第5図は本発明による端末装置の一実施例のブロック図である。・・・各周波数帯は時分割変調を受けているが之等に必要とする同期信号は全て親局から送り全体の同期をとる方式をこの例では示している。・・・14-7は周波数発生部分で発振器14-8にて発生した基本周波数通信又は分周等を行い全体で用いられる全周波数帯を発生し、且つリード14-16にて指定された1周波数帯を出力する側へ送出する。14-9はリード14-18を通してタイムスロット番号を受け指定されたタイムスロットを出力へ送る。14-10は受信機6で受けた受信電波出力をリード14-17で指定された周波数帯のみ14-15の出力ゲイトへ送出する。14-11は14-19リードにより受信電波のタイムスロット番号を受けゲート回路14-15にて該タイムスロット時のみ受信電波出力をアンプ14-2へ送出する制御を行う。14-12は制御回路14の内部を制御する中央処理装置でFSにて受けた使用周波数帯及びタイムスロット指定(送信、受信用)を受け、又FPで受けている同期信号を用いて各送信、受信回路のタイムスロット、周波数制御を行う。14-20は同期用パルスの供給リードを示す。」(第2頁左下欄第11行?第3頁左上欄第7行)、

「第6図は本発明による親局装置の主要部分のブロック回路図で、15は親局装置内の周波数、タイムスロット制御回路を示す。図中15-1は受信電波から各タイムスロットを拾い出し並列に配列する展開回路、15-2は15-1とは逆に並列に到来する送出電波を各タイムスロットに割り当て同一周波数帯に直列にパルス列とする多重化回路を示している。15-3、15-5は端末側で使用する周波数とタイムスロットを指定する電波FSのアンテナ及び送信機を示す。15-4、15-6は同期用信号送出電波のアンテナ及び送信機を示す。15-7は制御回路15の中央処理装置でメモリ15-8内に各周波数帯及びタイムスロット使用状況をファイルしておき刻々変る各周波数帯及びタイムスロットの使用状況から現在用いられている周波数帯及びタイムスロット番号の指定、端末装置から到来する電波の復調並びに並列変換制御、及び15-2による多重化制御等を行うと同時に端末側から発信の場合は着信側の選択信号を受け交換装置11を経て接続を延長する制御を行う。」(第3頁左上欄第8行?右上欄第8行)

(2-2)本件訂正第1発明について
(対比・検討)
本件訂正第1発明と上記刊行物1記載の発明である移動通信システムとを対比すると、
本件訂正第1発明は、「前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用送信チャンネル信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」という構成要件を備えており、基地局に複数の送信手段(21)があり、それらの各送信手段が各々周波数切換可能なものであり、周波数切換は基地局による選択に応じてなされるものであるのに対して、刊行物1には、基地局の送信機「Tx.」が周波数変更可能な構成をもった送信機であるとの記載はないし、また基地局の送信機「Tx.」の周波数を切り換えて使用することの記載もないので、本件訂正第1発明と刊行物1記載の発明とは、その基地局に備えられている複数の送信手段(送信機)が周波数切換可能な送信手段(送信機)であるかどうかという点で相違している。
この相違点について検討すると、上記刊行物2、及び前審決において、送信周波数を切換えることが本件出願前普通に知られていた周知技術であることを示すために引用した刊行物(特開昭55-147842号公報)には、基地局に相当する親局の送信機の周波数を切り換えることは記載も示唆もないから、刊行物2の技術、及び上記周知技術を引用発明に適用しても、基地局の送信機を周波数切換可能とすることが容易想到であるとはいえない。
以上のとおりであるから、本件訂正第1発明は、上記刊行物1乃至2記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

(2-3)本件訂正第2発明について
本件訂正第2発明は、「前記被変調副搬送波に応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用被変調信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)」を構成要件と備えているものであり、本件訂正第1発明と、基地局に複数の送信手段(21)があり、それらの各送信手段が各々周波数切換可能なものであり、周波数切換は基地局による選択に応じてなされるものである点において同じであり、上記(2-2)において検討した本件訂正第1発明と同様に上記刊行物1乃至2記載の発明に基づき、周知技術を参酌して、当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

2.本件訂正の適否について
(1)訂正の内容
本件訂正の審判請求における訂正事項は、上記、第2.請求の趣旨の<本件訂正後の特許請求の範囲>において、下線部で示された事項である(本件明細書のうち、特許請求の範囲以外の部分に訂正はない。請求人が平成14年5月17日付けで提出した審判請求書第2?6頁に示された、6.請求の理由-(4)訂正事項、を参照。)。

(2)訂正の目的、新規事項追加の有無、拡張・変更の有無の各要件についての判断
上記訂正後の特許請求の範囲において下線部で示された各訂正事項は、請求項1及び請求項4における構成要件を明確化すると共に限定するものであるから、特許請求の範囲の減縮ないし明りょうでない記載の釈明を目的とするものである。
平成17年2月4日付け訂正拒絶の理由における新規事項の追加に係る理由Aについては、上記で検討したとおりであり、かつ、他の訂正事項についても本件特許時の明細書に記載されているものであるので、本件訂正は、本件特許明細書又は図面に記載された事項の範囲内において構成を付加するものであるから新規事項の追加にも該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものでもない。

(3)独立特許要件についての判断
平成17年2月4日付け訂正拒絶の理由における独立特許要件に係る理由Bについては、上記で検討したとおりであり、他に訂正後における特許請求の範囲の請求項1及び4に係る発明について拒絶をすべき理由を発見しないから、請求項1及び4に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明とはいえない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件の訂正審判の請求は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされた同法[第1条の規定]による改正前の特許法第126条第1項ないし第3項の規定に適合するものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
多重音声及び/又はデータ信号通信を単一又は複数チャンネルにより同時に行うための加入者RF電話システム
(57)【特許請求の範囲】
1.公衆通信用電話網の局用交換機から局線(14)経由で並行して受けた複数の情報信号を複数の無線周波数(RF)チャンネル経由で基地局から複数の移動加入者局、すなわち各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの任意の一つで受信できる複数の移動加入者局に並行して送信するために基地局で信号処理するディジタル電話システムであって、前記基地局が、
前記局線(14)からの受信情報信号をディジタル信号サンプルとして扱う交換手段(15)と、
各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つに関連づけられて動作し、前記交換手段(15)から受けた前記ディジタル信号サンプルを圧縮して多数の個別の圧縮信号を供給する各々が複数の圧縮手段(16)を内蔵する複数の信号圧縮手段(17)と、
前記複数の信号圧縮手段(17)の各々に接続され、その信号圧縮手段(17)からの前記圧縮信号をそれら圧縮信号の各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの前記選択された一つにそれぞれ対応の送信チャンネル・ビット・ストリームの中の逐次的時間スロット位置を占めるように送信チャンネル・ビット・ストリームの形に逐次組み上げるチャンネル制御手段(18)と、
前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用送信チャンネル信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)と、
前記交換手段(15)に含まれ前記受信情報信号を前記信号圧縮手段(17)内の信号圧縮手段(16)にそれぞれ接続する切換手段(25)と、
前記局線(14)に結合可能であり前記局線のある一つ経由の呼接続要求信号に応答して前記圧縮手段(16)のどの一つをその呼接続要求信号対応の前記受信情報信号に関連づけるかと前記送信チャンネル・ビット・ストリーム中のどの時間スロットをその受信情報信号に用いるかとを表すスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、どの時間スロットとどの無線周波数とが割当てずみであるかを示すメモリを維持し呼接続要求に応答してそのメモリを調べ他の局線に未割当ての圧縮手段(16)およびそれと対応の時間スロットへの接続をもたらす前記チャンネル制御手段(18)、すなわち前記スロット割当て信号対応の周波数で動作する前記チャンネル制御手段(18)への接続を形成するスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記スロット割当て信号を前記交換手段(15)に供給するとともに、そのスロット割当て信号対応の割当て時間スロットおよび無線周波数を表す信号を前記チャンネル制御手段(18)および前記送信手段(21)経由で前記呼接続要求の宛先加入者局に伝達しその宛先加入者局による所要の時間スロットおよび無線周波数の設定に備える遠隔接続中央処理ユニット(20)と、
前記遠隔接続中央処理ユニット(20)に接続され前記スロット割当て信号に応答してそのスロット割当て信号の指示する前記圧縮手段(16)への接続を前記切換手段(25)に形成させる呼切換処理手段(24)と
を含むことを特徴とするディジタル電話システム。
2.前記送信チャンネル・ビット・ストリームにおける前記時間スロットが一定または可変のスロット長のシステムフレームに組上げ可能である請求項1記載のディジタル電話システム。
3.公衆通信用電話網の局用交換機から局線(14)経由で並行して受けた複数の情報信号を複数の無線周波数(RF)チャンネル経由で基地局から複数の移動加入者局、すなわち各々が前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの任意の一つで受信できる複数の移動加入者局に並行して送信するために基地局で信号処理するディジタル電話システムであって、前記基地局が、
前記局線(14)からの受信情報信号をディジタル信号サンプルとして扱う交換手段(15)と、
複数の送信チャンネル回路であって、前記複数の無線周波数(RF)チャンネルの互いに異なる一つに各々が割り当てられ、前記交換手段(15)からそれぞれ受けた前記ディジタル信号サンプルを圧縮して多数の個別の圧縮信号を生ずる複数の圧縮手段(16)内蔵の信号圧縮手段(17)と、前記圧縮手段(16)に接続され前記圧縮信号をそれら圧縮信号の各々が送信チャンネル・ビット・ストリーム内逐次的時間スロット位置を占めるように送信チャンネル・ビット・ストリームの形に逐次組み上げるチャンネル制御手段(18)と、前記送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して被変調副搬送波を生ずる変調手段(19)とを各々が有する複数の送信チャンネル回路と、
前記被変調副搬送波に応答して前記複数の無線周波数(RF)チャンネルのうちの選択された一つ経由の前記加入者局への送信用被変調信号を各々が発生する複数の周波数切換可能な送信手段(21)であって、前記基地局により選択された前記複数の無線周波数(RF)の任意の一つでそれぞれ送信できる複数の周波数切換可能な送信手段(21)と、
前記交換手段(15)に含まれ前記受信情報信号を前記圧縮手段(16)にそれぞれ接続する切換手段(25)と、
前記局線(14)に結合可能であり前記局線のある一つ経由の呼接続要求信号に応答して前記送信チャンネル回路のどの一つおよびどの時間スロット位置およびその送信チャンネル回路中の前記圧縮手段(16)のどの一つに前記呼接続要求信号対応の前記受信情報信号を関連づけるべきかを表すスロット割当て信号、すなわちその情報信号に周波数と時間スロット位置とを割り当てるスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記周波数の各々についてどの時間スロットが割当てずみであるかを示すメモリを維持し呼接続要求に応答してそのメモリを調べ他の局線に未割当ての時間スロットを含む前記送信チャンネル回路のある一つとそれら未割当ての時間スロットの一つと前記送信チャンネル回路中の信号圧縮手段であって他の局線に未割当ての信号圧縮手段とへの接続を形成するスロット割当て信号を発生する遠隔接続中央処理ユニット(20)であって、前記スロット割当て信号を前記交換手段(15)に供給し、そのスロット割当て信号対応の割当て時間スロットおよび無線周波数を表す信号を前記チャンネル制御手段(18)および前記送信手段(21)経由で前記呼接続要求の宛先加入者局に伝達しその宛先加入者局による所要の時間スロットおよび無線周波数の設定に備える遠隔接続中央処理ユニット(20)と、
前記遠隔接続中央処理ユニット(20)に接続され前記スロット割当て信号に応答してそのスロット割当て信号の指示する前記圧縮手段(16)への接続を前記切換手段(25)に形成させる呼切換処理手段(24)と
を含むことを特徴とするディジタル電話システム。
4.前記送信チャンネル・ビット・ストリームにおける前記時間スロットが一定または可変の時間スロット長のシステムフレームに組上げ可能である請求項3記載のディジタル電話システム。
【発明の詳細な説明】
発明の背景
本発明は一般的に通信システムに係り、特に多重情報信号を1つ又はそれ以上の無線周波数(RF)チャンネルを通して同時に提供するための加入者局ディジタル電話システムに関する。
発明の概要
本発明は、基地局と複数の加入者局との間のディジタル時分割回路を使用して多重情報信号を無線伝送するためのシステムを提供する。これらの加入者局は固定式でも移動式でも構わない。時分割回路の数は信号の伝送品質によって決定される。基地局はアナログ及び/又はディジタルでありうる外部情報ネットワークと相互結合されている。情報信号は音声、データ、ファクシミリ、ビデオ、コンピュータ、及び計測信号で構成されているグループから選択される。
移動加入者局は選択的に比較的はやくまた比較的おそく移動することができる。
システムに適用される信号の変調レベル及び電力は、システムにおける信号エラー検出に基づいて調整される。
システムは、信号フェーディングに拘わらず比較的強い信号の受信をもたらすため、相互に選択的に間隔を置いて配置された複数のアンテナを使用することによる空間ダイバシティを具備している。
基地局は複数のRFチャンネル対を通して動作する。各々のチャンネル対の動作は、与えられた無線周波数(RF)チャンネルによる異なる加入者局に対する同時伝送のための電話会社の幹線を通して同時に受信された与えられた複数の情報信号を処理するための送信チャンネル回路と幹線を通して伝送のため情報信号を提供するため異なる加入者局から与えられたRFチャンネルによって同時に受信された複数の信号を処理するための受信チャンネル回路との組合せによって実現されている。
幹線を通して受信された情報信号をディジタル信号サンプルに変換するため、個別の変換装置が幹線の各々にそれぞれ接続されている。
送信チャンネル回路は、変換装置の個別装置からそれぞれ導出されたディジタル信号サンプルを同時に圧縮して与えられた数の個別の圧縮信号を提供するための前記与えられた複数の個別信号圧縮装置、それぞれの圧縮信号の各々は個別圧縮装置の予め定められた装置と関連している送信チャンネル・ビット・ストリーム内の繰り返し順序スロット位置を占有する前記圧縮信号を逐次的に単一送信チャンネル・ビット・ストリームに組合わせるための圧縮装置に接続されたチャンネル制御装置、及び送信チャンネル・ビット・ストリームに応答して予め定められたRFチャンネルを通して伝送するため送信チャンネル信号を提供するための装置を具備している。
交換機はそれぞれの個別変換装置を個別の圧縮装置のうちの指示されたものに結合する。
遠隔プロセッサ装置は幹線に結合していて幹線の1つを通して受信された入力呼出し要求信号に応答し、交換機が個別圧縮装置のうちのいずれの1つを1つの幹線に接続されている個別変換装置の1つの接続することになっているかを指示するスロット割当て信号を提供し、これにより、交換機によってそのように接続されている個別圧縮装置の1つに関連している送信チャンネル・ビット・ストリーム内のスロットを1つの幹線に割当てる。この遠隔接続プロセッサはメモリを維持し、このメモリのスロットは入力呼出し要求の受信に際し遠隔接続プロセッサがこのメモリを調べ、他の幹線に割当てられていないスロットの1つに関連している圧縮装置に対する接続を生じせしめるスロット割当て信号を提供するように割当てられている。
呼出しプロセッサは遠隔接続プロセッサに接続していてスロット割当て信号に応答し、交換機にスロット割当て信号によって指示された接続を完結せしめる。
受信チャンネル回路は、受信チャンネル信号を受信しかつその受信チャンネル信号を処理し異なるそれぞれの繰返し順序スロット位置における個別圧縮信号を含む受信チャンネル・ビット・ストリームをもたらす受信機装置、各々が受信チャンネル・ビット・ストリーム内の異なるスロット位置に関連していて受信チャンネル・ビット・ストリームの前記関連したそれぞれのスロット位置に含まれている個別の圧縮信号からディジタル信号サンプルを再構築するための与えられた複数の個別信号合成装置、及び個別圧縮信号を受信チャンネル・ビット・ストリームから分離しかつ分離された信号をその信号が導出されたそれぞれのタイム・スロットに関連している個別合成装置に分配するための制御装置を具備する。
個別再変換装置は幹線の各々にそれぞれ接続していてそれぞれの幹線を通して伝送するためディジタル信号サンプルを情報信号に再変換する。これらの個別再変換手段の各々は個別変換手段の1つと関連していてさらに関連個別変換手段とともに幹線のうちの共通幹線に接続している。
交換機はそれぞれの個別再変換装置を個別合成装置の指示されたものに結合させる。
遠隔接続プロセッサは1つの幹線を通して受信された入力呼出し要求信号に応答し、交換機が個別合成装置のいずれの1つを1つの幹線に接続されている個別再変換装置の1つに接続することになっているかを指示するためスロット割当て信号を提供し、これによって、交換機手段によってそのように接続されている個別合成装置の1つに関連している受信チャンネル・ビット・ストリーム内のスロットを1つの幹線に割当てる。遠隔接続プロセッサはメモリを維持し、このメモリの受信チャンネル・ビット・ストリーム内のスロットは入力呼出し要求の受信に際しこの遠隔接続プロセッサがこのメモリを調べそして他の幹線に割当てられていないスロットの1つに関連している合成装置に対する接続を生じせしめるためのスロット割当て信号を呼び出しプロセッサに提供するように割当てられている。
本発明のシステムは最新のディジタル及び大規模集積電子技術を駆使し、低価格、信頼性、高品質の通信施設を多方面の市場に出している。ひとつの好ましい実施例においては、固定基地局を1局中央的に配置し地理的近傍地域に設置した多数の加入者局との通信を行っている。この中央基地局は入力電話幹線に接続している私設局内交換設備(PBX)を通して公衆交換電話会社(Telco)ネットワークの中央局に接続することができる。システム内の加入者局は現実的に固定局基準の可搬式又は移動式のいずれでもよく、また比較的おそい又は比較的はやい移動でも動作可能である。加入者局はUHF無線チャンネルを経て基地局と、そして標準2線DTMF押しボタン電話機器又はRS-232C又は非標準電話局(例えば4線)を経てユーザと通信する。本システムは現存する配線式地域加入者ループに取って代わり又は配線接続が実行不能であるか又は経済的でない地域に良質の電話サービスを提供する。
本発明のシステムのひとつの特徴は、与えられたネットワーク内の周波数の同時多重使用を可能ならしめるため、時分割多重アクセス(TDMA)を使用する能力である。すべての可能な数の高品質音声回路が与えられた周波数チャンネル(25KHzチャンネル間隔)で同時に動作することができる。4つのこのような回路を説明目的で使用している。このことは、与えられた1つの周波数に関して一度に1回線の通話しか提供できない現存しているアナログ無線電話システムに対してスペクトル的及び経済的両面の利点を与えるものである。
低価格の固定、移動、及び可搬サービスをなし遂げている特徴は、スペクトル的に効果を生じるディジタル変調技術を兼備した低速度ディジタル音声コーディング(16Kbps)を使用していることである。例えば、14.6Kbps音声コーディング技術と16レベルDPSK変調との組合せ使用により、4つの同時全二重通話を全スペクトル内、特に400?500MHz及び800?950MHzセグメント内で25MHzの周波数間隔で配置した単一20KHzBW(帯域幅)チャンネル対で支援可能にしている。この組合せにより少なくとも20kmの距離にわたり良質の通話をもたらしている。
有線サービスと競争するには、与えられた数の25KHzチャンネル対で同時に支援可能であるよりもはるかに大きい加入者母集団を収容しなければならない。たとえば、12チャンネル対のシステムが47の同時呼出しを支援したとすると合計オフフック+オンフック加入者母集団数は500となる(所望ピーク・アワー・ブロッキング公算による最大制約の場合)。従って、合理的な呼出し接続遅延を提供している加入者呼出し制御構成も本発明の重要な利点である。
本発明の上記以外の特徴は、好ましい実施例の説明に関連して記載されている。
本明細書に使用の頭字語
A/D アナログ・ディジタル・コンバータ
ADPCM 適応差分パルス・コード変調
AGC 自動利得制御
AM 振幅変調
BCC ベースバンド制御チャンネル
BPSK 2進位相シフト・キーイング変調
BW 帯域幅
CCU チャンネル制御装置
CODEC 符復号器
DEMOD 復調器(モデムの受信部)
D/A ディジタル・アナログ・コンバータ
dB デシベル
DID 直接内部ダイアル
DMA 直接メモリ・アクセス
DPSK 差分位相シフト・キーイング変調
DTMF 二重音調複数周波数信号スキーム
ECL エミッタ結合型論理
FCC 米国連邦通信委員会
FIFO 先入れ先出し記憶装置
FIR 有限インパルス・レスポンス・フィルタ
Hz ヘルツ(サイクル/秒)
I 同相
IF 中間周波数
Kbps キロビット/秒
KHz キロヘルツ
Km キロメートル
LSB 最下位のビット
MDPSK マルチ・フェーズ差分位相シフト・キーイング変調
MHz メガヘルツ
MODEM モデム(統合変調・復調器)
MPM メッセージ処理モジュール
ms ミリ秒
OCXO 炉制御クリスタル発振器
PBX 私設局内交換設備
PCM パルス符号変調
PSN 公衆交換ネットワーク
PSTN 公衆交換電話ネットワーク又は他の通信業者(Telco等)
Q 直角位相
QPSK 直角位相シフト・キーイング変調
RBTG 呼出し音発生器
RAM 直接アクセス記憶装置
RCC 無線制御チャンネル
RELP 残留励起直線予測
RF 無線周波数
RFU 無線周波数装置
RPU 遠隔接続プロセッサ装置
ROM 固定記憶装置
RX 受信
SHF 超短波周波数(3,000?30,000MHz)
SIN 加入者識別番号
SLIC 加入者ループ・インタフェース回路
STIMU システム・タイミング装置
STU 加入者局電話機インタフェース装置
SUBTU 加入者タイミング装置
TDM 時分割多重処理
TDMA 時分割多重アクセス
Telco 電話会社
TX 送信
UHF 極超短波周波数
UTX-250 処理及びインタフェース機能を有する交換機、PBXが妥当であるが必ずしもPBXであることを要しない
UW ユニーク・ワード
VCU 音声符復号装置
VCXO 電圧制御クリスタル発振器
VHF 超短波周波数(30?350MHz)
発明の構成
本発明において、実施例に特別のバンド(たとえば、454?460MHz)を使用している場合は、本発明は少なくとも全VHF、UHF、およびSHF帯域に同様に適用可能である。
第1図によれば、本発明のシステムは加入者局(S)10と基地局11との間にUHF無線を使用して加入回線電話サービスを提供する。基地局11は、無線を基本とする加入者局10間に直接通話接続を提供するとともに電話会社(Telco)電話局12に接続していてシステム外の地点との間の通話に対応する。
たとえば、図示のシステムは454MHz?460MHzバンド内の通信事業者(common carrier)周波数チャンネル対で運用している。この特別の周波数セットは26個の指定チャンネルを含んでいる。これらのチャンネルは許可帯域幅20KHzで周波数間隔は25KHzである。送信チャンネルと受信チャンネルとの間の周波数間隔は、基地局伝送に割当てられた2つの周波数のうち低い方の周波数を中心周波数として5MHzである。前述のとおり、このシステムは他のUHFチャンネル対によっても運用可能である。
基地局から加入者局への伝送(送信チャンネル)のモードは時分割多重方式(TDM)による。加入者局から基地局への伝送(受信チャンネル)は時分割多重呼出し多元接続方式(TDMA)方式による。
すべてのシステムは47CFR FCC Parts21、22、及び90、並びにその他の関連規則に合致するように設計してある。
基地局11と加入者局10との間の通信は、454?460MHzバンド内の周波数間隔25KHzの全二重チャンネルによる濾波(filtered)多相差分位相シフト・キーイング(multiphase differential phase shift keying)(MDPSK)変調によってディジタル的に達成され、これによりFCC規則第21、22、及び90項(すなわち、21.105、22.105、及び90.209)に規定されたごとき20KHz帯域幅の要求事項を満たしている。このシステムは、VHF、UHF、及びSHFスペクトルのすべての可能な部分内の他の帯域幅及び周波数間隔でも使用可能である。
各25KHz FCCチャンネルについてのシンボル・レートは、各方向において16キロ・シンボル/秒である。音声伝送は、16レベルのPSK変調及び14.6Kbpsのコーディング・レートの音声ディジタル化によって達成される。選択的に、変調は2-レベル(BSKP)又は4-レベル(QPSK)を適用することができる。異なる変調レベルの混用が同一チャンネルで同時に可能である。時分割多重化により、このシステムは14.6Kbpsの場合2の乗数位相ごとに1通話(4位相で2通話、16位相で4通話等)又は低レートの場合は目的に応じてそれ以上の通話を提供する。これはもちろん一例にすぎず、下記の表に示すようにモデム・ビット/シンボル即ち位相と符復号器レートのいろいろな組合せが使用できる。

基地局は、チャンネルが選択自由である周波数帯域454?460MHzバンド内のFCC25KHz間隔の周波数チャンネルのいずれかのチャンネル又はすべてのチャンネルによる送信及び受信が可能である。各々の音声チャンネルに対するチャンネル周波数の選択は一度に1チャンネルずつ基地局によって自動的に行われるが、基地局に備えてある操作員制御卓のインタフェースによってオーバライドすることができる。
基地局は各周波数チャンネル毎に、典型的に、100ワットの送信電力出力を有することが可能である。
基地局は加入者局に対して変調制御、並びにタイム・スロット及び周波数チャンネル割当てを実施する。この外、逐次的タイム・スロット差及び隣接チャンネル干渉の最小化の目的で、基地局は加入者に対して適応電力制御を実施する。
選択したチャンネルに関してのTelco(電話会社)トランク・ラインとTDMスロットとの間の切換えは、好ましくはディジタル・スイッチを使用して基地局によって行われる。ただし、このディジタル・スイッチはアナログ・スイッチで置換可能である。
基地局は受信チャンネルに関して三重空間ダイバシティ能力を付与する。
加入者局は3ブランチ・ダイバシティで運用することができる。送信電力は典型的な場合0.1?25ワットの間で調整可能であるが、これ以外の電力範囲においても調整可能である。加入者局を通しての音声通信はリアル・タイム全二重で感知できる限り、RFシステムは適切な時分割多重タイミング法を利用することによって半二重で作動する。
加入者局は音声通信のためいかなる電話器械とも結合する、即ち電話機はこのシステム内に組み込むことができる。さらに、RS-232C標準25ピン接続のようなデータ接続が加入者間の9600ボー・レート・データ伝送用に用意されている。基地局及び加入者は、内部外部電源を問わずあらゆる可能な電源から作動電力を得ることができる。
第2図は2対の送・受信周波数チャンネルの同時運用を支援する基地局のひとつの実施例のブロック図である。各々のチャンネルは最大4電話接続を同時に処理することができる。好ましい実施例の場合は、多くの送信受信チャンネル対があり、各チャンネルには数個のタイム・スロットがある。
数個の使用可能タイム・スロットのうちのひとつは無線制御チャンネル(RCC)のために必要である。
PSTNと加入者局との間の接続は、基地局に内在する私設局内交換設備(PBX)内に確立され維持されている。PBX15はUTX-250型システムであり、ユナイテッド・テクノロジーズ・ビルディング・システム・グループが開発した既製品である。一般的なPBXシステムの現存する機能の多くは、本発明のシステムに必要とするTelcoインタフェースに利用できる。PBX15はさらにPSTNへの/からの音声情報を64Kbps μ-law圧縮パルス符号変調(PCM)ディジタル・サンプルに変換する。この点から先は、加入者電話機へ接続しているインタフェース回路まで、又は加入者送信機及び受信機の状況が許す限り、音声情報は基地局及び加入者局を通してディジタル形式で処理される。
PBX15からのディジタル音声情報は次に音声情報レートを64Kbpsから約14.6Kbps又はこれ以下に減少させる符復号器16として知られている音声圧縮システムによって処理される。この符復号器16は残留励起線型予測(RELP)アルゴリズム又はSBCエンコーダ・デコーダのいずれかを使用してこの音声レート圧縮を実施している。典型的な場合、4個の符復号器16が単一音声符復号器(VCU)17に属していて、各周波数チャンネルの4個又はそれ以上のタイム・スロットに対する音声圧縮を行っている。各々の基地局のVCU17は、各チャンネル対の送信チャンネル及び受信チャンネルの両方に対する4つ又はこれ以上の全二重接続を処理することができる。PBX15による接続状態により、いずれの音声呼出しがいずれのVCU17及び選択されたVCU17のいずれの符復号器16で処理されるかが決定される。各VCU17の回路は、基地局内の特定の周波数及びスロット割当てについての音声呼出しは常時同一のVCU符復号器16によって処理されるようにハードウェアで詳細に計画されている。
各VCU17はチャンネル制御装置(CCU)18に接続している。このCCU18はTDMA機能を制御するとともに、リンク・レベル・プロトコル・プロセッサとしても機能している。各CCU18は対応するVCU17の符復号器16の送信チャンネル出力を取り出し、データを正しいタイム・スロット及び正しい形式でモデム装置19に伝送する。各CCU18は、リモート・コントロール・プロセッサ装置RPU20により制御されるところにより、同報通信に使用するための変調レベル(例えば、2、4、又は16レベルPSK変調)を決定する。各CCU18は、無線制御チャンネル(RCC)タイム・スロットを通しかつ音声チャンネルのオーバヘッド制御ビットの間、加入者局への通信のための制御情報の処理も実施する。各チャンネル対は直列接続のVCU17、CCU18及びモデム19の組合せを有している。
各CCU18からの正しく形式化された送信データは対応モデム19に16kシンボル/秒のレートで伝送される。各モデム19はこれらの同期シンボルを取り出し、これらをグレイ(Gray)符号化マルチ・レベル・フェーズ・キード(PSK)フォーマットに変換する。モデム19の送信チャンネル出力は変調されたIF信号である。この信号はRF/IF処理装置(RFU)21に供給され、この装置21はIF信号を450MHz範囲のRF UHF信号に変換する。モデム19及びRFU21に対する制御信号は、RPU20の全面的制御下で作動している対応するCCU18によって供給されている。UHF信号はRFU21の電力増幅器によって増幅され、戸外同報通信のためアンテナ・インタフェース装置22を経て送信アンテナ23に送られる。
基地局の受信機能は本質的に送信機能の逆である。各RFU21、モデム19、CCU18、VCU17、及びPBX15はもともと全二重である。
リモート・コントロール・プロセッサ装置(RPU)20は、接続データ及び制御メッセージをCCUに伝達する中央制御処理装置である。RPU20は、呼出しのセットアップ、解除、及び維持のための複雑なシステム管理機能及び制御機能を行う68000型マイクロプロセッサに基づく汎用コンピュータを含んでいる。RPU20はさらに、符復号器16とTelcoトランク・ラインとの間のPBX15のスイッチ・マトリックス25で果たしている。相互接続を制御するためPBX15内の呼出し処理装置24と交信する。
各々の加入者局は比較的に小型な装置でシステム内の各使用者の敷地にある。加入者局は、使用者の標準電話機セット及び/又はデータ端末即ち一体化音響送信機/受信機をUHF無線チャンネルを通して基地局に接続している。加入者局の機能は基地局の機能に酷似している。しかし、基地局がひとつ又はそれ以上の周波数チャンネルに関して同時に作動し各々のチャンネルがいくつかの音声回路を支援する能力を提供するのに対して、加入者局は通常の場合一度にただひとつの周波数に関して作動する。
第3図は加入者局のブロック図である。機能的区分は基地局(第2図)の区分とよく似ている。使用者インタフェース機能は、加入者局内の加入者電話インタフェース装置(STU)によって行われている。基地局内の関連機能はPBXモジュールによって行われる。加入者局のSTUは、基地局のRPU機能と全く同様に、加入者局のすべての制御機能をも実施する。全体的なシステム制御体系において加入者局はマスタ基地局に対してスレーブとして働いている。STUは外部機器とインタフェースすることができ即ち音響的に送信受信を行うことができる。
加入者局を通してのデータの流れを追ってみると、使用者の音声即ちデータ情報はまず加入者端末装置(STU)27で処理される。使用者の電話機からの音声信号入力はVCU28内で受信されかつディジタル化される。ディジタル化音声信号の型は、基地局内のPBX15で使用の型と同一のものである。加入者局は、第2図に関して基地局体系の説明で上述した同様の装置と同一の機能を行うVCU28、CCU29、モデム30a、及びRFU31aを有する。加入者局の作動で一つの異なる点は、その作動は通常の場合一度にただひとつの音声チャンネルに限定されていることである。加入者局は本質的に半二重モードで作動し、TDMAフレームの一部分を送信しかつTDMフレームの別の部分を受信する。45msecのフレーム・サイズの場合加入者局の半二重特性は使用者に対してトランスペアレント(transparent)であり、この使用者は相手からの連続音声入力を呼出し接続の他端で聞くことができる。モデム30aはもとより、STU27及びVCU28は、1回線以上の加入者通話を可能ならしめるために二重化することができる。
加入者局の半二重運用により利用可能な加入者局のハードウェアを一層有効に使用することができる。加入者局のVCC及びCCUは、少なくとも音声データのハンドリングに関する限り、基地局と本質的に同じような方法で機能する。しかし、モデム30aはモデムの受信又は送信部分が、同時にではないが、使用できるように半二重モードで作動するべくセット・アップされている。この場合の直接的な節約はRFU31aが単に半二重モードで作動することを必要とすることである。このことはRF電力増幅器が時間的に半分しか働かないという点で電力を節約する。また、RF送信アンテナ32aは、RFアンテナ・スイッチ機能を使用し、フレームの受信部分の間、第2受信アンテナとして働くべく切り換えることができる。さらに、送受切換器を全然必要としない。
各々の加入者局はさらに、3個のモデムとダイバシティ・コンバイナ回路33を含むダイバシティ・ネットワークを有している。このダイバシティ・コンバイナ回路33は3個のモデム30a、30b、30cの復調器の各々からの復調された受信情報を集めかつ3つのストリームを組み合わせて処理のためCCU29に送出される単一の”最良推測(best-guess)”シンボル・ストリームを形成する。3個のモデム30a、30b、30cの復調回路即ち復調器は別個のRX RFU31a、31b、31cに接続され、これによって別個のアンテナ32a、32b、32cに接続されている。
基地局においては、3本の受信アンテナ即ち34a、34b、34cが相互に適切な間隔をもって配置され、ダイバシティ・ネットワークで処理されるべき未相関空間ダイバーシティ信号をもたらしている。ダイバシティ・ネットワークの動作はCCU機能に対してトランスペアレントであり、このためダイバシティ機能を必要としない場合は常時単一モデム機能で置換することができる。
基地局はさらに、各々の送信受信チャンネル対に対する空間ダイバシティ・ネットワークを有している。このダイバシティ・ネットワークは図示してないが、第2図の基地局の図は、単一送信受信チャンネル対に対するダイバシティ・ネットワークの接続を示している第3図の加入者局の図に示すものと同一である。従って、基地局内の各々の送信受信チャンネル対は第3図に示すようにダイバシティ・コンバイナ回路に接続されている3個の復調器と1個のモデムとを実際に包含している。
基地局と加入者局との間のタイミング同期を正確にとることは、全システム的に重大なことである。全システムに対するマスタ・タイミング・ベースは基地局によって作られる。ある特定のシステム内のすべての加入者装置は、周波数、シンボル・タイミング、及びフレーム・タイミングに関して、このタイム・ベースに同期しなければならない。
基地局は、80.000MHzの極度に正確なタイミング基準クロック信号を生成するシステム・タイミング装置(STIMU)を包含している。この80MHzの基準クロック信号は16KHzのクロック信号及び22.222Hz(持続時間45msec)のフレーム・ストローブ・マーカ信号を生成するために周波数逓降される。すべての基地局送信タイミングはこれらの3つの同期マスタ基準信号から発生する。80MHzのクロック信号は正確なIF周波数基準及びRF周波数基準としてモデム19及びRFU21が使用している。16KHzのクロック信号はすべての基地局周波数による伝送に対するシンボル・レート・タイミングを供給する。45msecのマーカ信号は、新しいフレーム内の最初のシンボルを付与するために使用される。このマーカ信号は1シンボル・タイム(62.5μsec、1/16000Hzに等しい)の期間だけアクティブである。基地局内の周波数チャンネルはすべて、伝送に際して同一時間基準を使用する。3つのタイミング信号(80MHz、16KHz、及びフレーム開始{SOF}マーカ)は基地局内の各モデム19に供給される。モデム19は、同一の直列接続送信受信チャンネル対内のCCU18及びRFU21に適切なクロック信号を分配する。CCU18はこの16KHz及びSOFマーカを使用して当該周波数についての現フレーム構造に従って音声の伝送のタイミングをとりかつシンボルを制御する。
基地局内の受信タイミングは、基地局の送信タイミングと原則的に同一である。即ち、SOFマーカとシンボル・クロック信号は送信信号と受信信号との間で正確に並んでいなければならない。しかし、完全なタイミング同期は加入者局の伝送から期待できないので、基地局のモデム19の受信タイミングは加入者局からの入力シンボルに整合しなければならない。これは基地局モデム19の受信機能のサンプリング期間が加入者局から受信中のシンボルについて最良予測をもたらすために必要である。モデム19の受信機能にインタフェースしているCCU18内の小弾性バッファはこのわずかなタイミング・スキューを補償している。
全システム内の加入者局はその時間基準を基地局のマスタ・タイム・ベースに同期させている。この同期は、加入者局が基地局からのRCCメッセージを使用することによって基地局時間基準を最初に取得する多段階手順によって達成される。この手順は以下に説明してある。
いったん加入者局が基地局から時間基準を最初に捕捉完了すると、加入者局モデム30a、30b、30cの復調器内のトラッキング・アルゴリズムが加入者局の受信タイミングを正確に保持する。加入者局は、加入者局の位置に起因する伝送往復遅延を相殺するための小時間量だけ自己の伝送を基地局に対して進める。この方法による結果、基地局が受信中であるすべての加入者局からの伝送は相互に正しい位相関係にあることになる。
システム・タイミング装置(STIMU)35は、基地局内のすべての伝送に対して時間基準を付与する。STIMU35は、80MHzの固定周波数で動作する高精度(3×10-9)のオーブナイズド(overnized)・クリスタル振動子を有する。この基本クロック周波数はSTIMU35内で5000で分周され16KHzのシンボル・クロック信号を形成し、さらに720で分周されフレーム開始(SOF)マーカ信号を形成する。これらの3つの時間基準は記憶(buffer)されかつ基地局モデムの各々に供給される。
加入者タイミング装置(SUBTU)(第3図に図示せず)は加入者局に対して80MHzクロック信号、16KHzシンボル・タイミング信号、及び持続時間45msecのフレーム・マーカ信号を供給する。これらの信号は、16KHzクロック信号が加入者局において受信シンボル・タイミングとして使用されていることを除き、基地局STIMU内の信号と同じである。16KHzクロック信号は基地局内の送信タイミングとして使用されている。加入者局内の送信タイミングは加入者局の受信タイミングを遅延させた型で与えられる。この遅延の遅延量は可変であり、基地局と加入者局との間で実施される配置計算によって決定される。
加入者局に対するタイミング基準信号は、公称80MHzの周波数で動作している電圧制御クリスタル振動子(VCXO)によって供給されている。実際の周波数は、加入者RF装置入力点で受信された際の基地局のタイミング基準に周波数ロックされるように加入者局モデムによって調整される。
プロトコル
下記のプロトコルは、送信フレーム構造はもとより、システム内のシステム制御、衝突回避、及び呼出し発信に対する諸手順を規定する。システムの構成に関しては、特記する場合を除き、図2に関連して上述した基地局の構成を参照のこと。
このシステムは、25KHz間隔かつチャンネルごとにいくつかの同時回線を有する450MHzスペクトル領域内の20KHz BW(バンド幅)の全二重チャンネルを使用している。各々の全二重チャンネルは、5MHzだけ隔離している受信及び送信周波数で構成されている。各チャンネルの低い方の周波数は伝送のために基地局に割り当てられ、フォワード周波数と呼ばれている。リバース周波数と呼ばれている各チャンネルの高い方の周波数は、伝送のために加入者局に割り当てられている。従って、基地局はフォワード周波数で送信し、リバース周波数で受信する。加入者局に対してはこの反対である。
単一周波数で数チャンネルを伝送するスペクトル的に効果的な方法をもたらすシステムの能力は、主としてモデムの働きに依存するものである。モデム19は、16kシンボル/秒のレートにおいて16-フェーズDPSKモードで動作する場合3.2ビット/Hzの効率を得るような方法で動作しなければならない。
モデム19は厳密にいえば、CCU18からの1、2、4個又はそれ以上のビット・シンボルを、伝送のための位相変調IF搬送波に変換し、受信側においてはこのプロセスを逆にするメカニズムである。フレーム・タイミング及びモード選択に関する制御はすべてCCU18によって行われる。CCU18とモデム19との間のインタフェースは、2つの4ビット単方向性同期(16kシンボル/秒)データ・バス(Tx及びRx)で構成することができる。さらに、8ビット・ステータス/コントロール・バスは制御情報をモデムに提供しかつモデムからのステータスをCCU18に報告する。モデム19はさらにCCU18にマスタ16KHzシンボル・クロック信号を与える。基地局においては、このクロック信号はシステム・タイミング装置35内のマスタ発振器から受信され、全基地局(従って全システム)はこの信号に同期している。加入者局においては、このクロックは基地局から受信された入力シンボルから引き出される。従って、すべての伝送は基地局の時間基準に関連づけされている。加入者局のモデム動作の主要機能は、受信されたシンボルからタイミングをデコードすることにより区域内加入者クロック信号を基地局時間基準に同期させることである。
モデムの送信機変調部はFIRディジタル・フィルタを使用し、RF搬送波を変調するために使用される波形を表しているディジタル信号を生成する。この結果のディジタル・ストリームはアナログ形式に変換されかつ20.2MHzのIF送信周波数に混合される。この信号は伝送前の濾過、RFへの再変換、及び増幅を受けるためRFUに送出される。
モデムの受信機復調部は、20MHzの受信IF周波数でRFU21からのIF受信信号を取り込む。この信号はベースバンドに周波数減変換(down-convert)され、さらにA/Dコンバータ機能でディジタル化される。この結果のディジタル・サンプルは、マイクロプロセッサに基礎を置いた信号処理装置によって処理される。この機能は入力サンプルに対して濾波等化及び同期アルゴリズムを実行しさらにPSK信号を復調して16kシンボル/秒のシンボル・ストリームをもたらす。この信号処理装置はさらに自己調整(self-training)モードでも機能するが、このモードは受信ストリームに使用されているアナログ・フィルタが不完全であることを処理装置に知らせるために使用する。いったん信号処理装置が調整されると、復調器のディジタル等化プロセスはアナログ・フィルタ構成品の上記の不完全を是正するため入力サンプルを補償する。この技術は低価格、低公差のアナログ構成の使用を可能ならしめるとともに微弱信号又は雑音性信号を復調する能力を全システムに付加している。
モデムで復調されたシンボルは、受信機能の間CCU18へシンボル・レートで出力される。モデム19はこのシンボル・ストリームに関連したタイミングを供給する。基地局及び加入者局とも、入力受信信号から受信機タイミングを引き出す。
モデムの機能及び性能特性についてのさらに詳しい説明及び仕様は第25図に関連して以下に記載してある。
加入者ごとの基本TDM/TDMAチャンネルは各通話に専用の各方向に合計16Kbpsを提供する。このチャンネルの容量については、各方向に1.43Kbpsが制御オーバヘッド及び復調プリアンブルのため必要である。従ってVCUは14.57Kbps固定データ・レートで作動する。これはモデム・フレーム期間の1/2即ち22.5msecと定義されている”符復号器フレーム期間につき328ビット”に相当する。
チャンネルごとに多数の通話を収容するため、各チャンネルは時分割多重化(TDM)技術によって”スロット”に分割されている。これらのスロットはシステム・フレーム形式を指定する。システム・フレームの長さは所定の一定数のシンボルで構成されている。システム・フレーム持続時間は、各バーストの開始時にモデム19が必要とする音声コード化レート及び取得シンボル数を考慮して最適化されている。システム・フレーム内のスロットの数はチャンネルの変調レベルに依存する。例えば、チャンネルの変調レベルがQPSKであるとすると、システム・フレームは1フレームにつき2スロットで構成されている。チャンネルの変調レベルを増大することにより、シンボルごとにコード化された情報のビット数は増加する、従ってチャンネルのデータ・レートは増加する。16レベルのDPSKにおいてはシステム・フレームは4つのスロットに分かれ、この各々が1つの通話に対する音声データ・レートを取り扱う。変調レベルが高くなった場合でもモデム同期に必要とするシンボル・タイム数は一定であることに注目することが重要である。
システム・フレームの形式は、加入者局のモデム29が全二重方式(即ち、同時に送信と受信とを実行する)で働かないことを保証する。このため、リバース及びフォワード周波数に関するスロットは時間的に少なくとも1スロット時間だけオフセットしている。
このシステムのシステム・フレームは持続時間45msecに固定してある。シンボル伝送レートは16kシンボル/秒に固定してある。各シンボルは等しい時間量の間即ち1/16000秒(62.5μsec)の間伝送される。この結果、1フレームごとに720シンボルの固定レートになり、これらのシンボルにはシステム・フレーム開始から0?719までの番号が付与されている。これら720個のシンボルは変調レート2、4、又は16位相に対応して、各々1、2、又は4情報ビットで構成できる。
システム・フレーム時間(45msec)はさらに、フレームを構成するスロットに対する変調形式に依存して2個又は4個の時分割スロットに分割される。各スロットは以下の3種類のスロット・タイプのいずれか1つをとることができる、(1)無線制御チャンネル(RCC)、(2)4-ary音声チャンネル、及び(3)16-ary音声チャンネル。RCCは常時2進(2位相)変調モードで伝送される。RCC及び16-ary音声チャンネル・スロットは各々、伝送のため180個のシンボル即ちシステム・フレーム期間の1/4を必要とする。16-ary音声チャンネルはシンボルごとに4情報ビット(即ち24=16位相)を伝送するので、16-ary音声チャンネルはフレームごとに720情報ビットを伝送する。これは16Kbpsのビット・レートに等しくするものである。これらのビットのいくつかはモデム・オーバヘッド及び制御目的に使用され、この結果14.57Kbpsの音声ビット・レートをもたらす。4-ary音声チャンネル・スロットは伝送のため、システム・フレーム期間の1/2に等しい360シンボルを必要とする。このスロット・タイプの各々のシンボルは4つの差分位相の1つで構成され、シンボルごとに2個のビット(2=4位相)が伝送される。結果としてのビット・レートは、16-ary音声チャンネルの場合と同じく16Kbpsとなる。同数のビット(シンボルではない)がモデム・オーバヘッド及び制御目的のため予約され、音声情報レートは16-ary音声チャンネル・スロット・タイプの場合と同様に14.57Kbpsである。
いかなる周波数チャンネルのシステム・フレームも、下記の5項目の制約条件の範囲でこれら3つのスロット・タイプの任意の組合せで構成することができる。
1.最大シンボル数(720)が各システム・フレームで伝送されること。これを達成するため3つのスロット・タイプの組合せを与えられた周波数に関して共用することができる。基地局のフレーム伝送において全チャンネル容量が充填されない場合は(例えば、1フレームに720個以下のシンボルを伝送する)、720シンボルのフレーム容量を充填するためナル・シンボル(null symbol)を挿入すること。ナル・シンボルとは伝送エネルギー(transmitted energy)を有しないシンボルである。
2.多周波数基地局の1つの周波数のみがRCCスロット・タイプを有すること。1つのRCCのみが全システムにおいて常時動作可能であること。RCCが動作すべき周波数はシステム初期化パラメータによって設定されかつ何れかの理由で当該周波数チャンネルが使用不能になった場合にのみ変更されること。RCC・スロットは常にシステム・フレームの最初の180シンボルに割り当てられること(スロット0と称す)。
3.基地局周波数はある一定の伝送モードで動作できること。加入者局は全フレーム時間の1/2を超えない時間で伝送すること。加入者局は、通話を行う場合、RCC又は16-ary音声チャンネル・モードの動作時はフレームの25%の時間に限り伝送すること。加入者局は、4-ary音声チャンネル・モードの動作時はフレームの50%の時間に限り伝送するものとする。加入者局は、1つの通話を行うときはいずれのフレーム間の1つのスロットで伝送のみ可能であること。
4.すべての4-ary音声チャンネルは、シンボル番号0又は360で伝送を開始しなければならない。即ち、フレームの前半又は後半は4-ary音声チャンネルを含むことができる。
5.フォワード及びリバース周波数との間の伝送は、与えられたスロットのリバース・メッセージがフォワード周波数メッセージの伝送の180シンボル後に伝送を開始するように割り当てられること。これは、加入者局がフォワード周波数で同時受信中にリバース周波数で送信するという要求条件の発生を防止する。
4つの音声呼出しまでの上記の制約条件は、すべての4つの呼出しが14.4Kbps符復号器の範囲で動作時に16-ary音声チャンネル形式で構成されていれば、単一周波数で処理できる。
システム・フレーム内のスロットは、フレーム構造の位置によって番号付けされている。番号付け方式は一連番号式である必要はない。フレーム内の1つ又はそれ以上のスロットが4-ary音声チャンネル・スロット・タイプで構成されている場合は、番号付け方式はより長い4-aryスロットに含まれる2番目のスロット期間を”スキップ(skip)”する。リバース周波数(即ち、加入者)伝送に対するスロット番号付けは、基地局(フォワード周波数)の伝送の番号付けと互い違いになっている。従って、フォワード周波数のスロット2で情報を受信する加入者は、時間的に1/2フレームだけオフセットしているリバース周波数のスロット2で送信する。第1表から第5表は可能なフレーム形式及び各スロットに関連する番号付けを図示している。




各スロット・シンボルの説明については、第2-1図?第6-3図を参照のこと。

第3表により、180シンボル・16-ary音声チャンネルのスロット・タイプを説明する。このスロット・タイプの最初の8個のシンボルはフィルタ・スタートアップ(FILTER STARTUP)ビットと呼ぶ。すべてのスロット・タイプの初めに含まれているフィルタ・スタートアップ期間は全然エネルギーが伝送されない時間であり、モデム19の受信部に新しいスロットに備えてそのフィルタをパージ(purge)させる時間である。
フィルタ・スタートアップに続いている期間はビット同期(BIT SYNC)期間である。この時間に、交流BPSK信号をシミュレートする復調16-aryパターンが伝送される。モデム19の受信部はこのフィールドを使用し、モデム19の送信部の位相基準を確立する。
次に、12ビットのコードワードを使用し、加入者局と基地局との間の同期を決定しかつ制御及びステータス情報の交換を行う。コード・ワードは接続、リンクの質、及び電力とタイミング調整の現在状態を交換するために使用される。各々の制御ワードは、単一誤り訂正及び二重誤り検出を可能にするハミング・コードを使用し、10ビットにコード化される。CCU18は、適切に又は不適切に受信された連続コード・ワードの数を探知することによって同期の利得及び損失を決定する。またCCU18は同期変化を基地局のRPU20に送る。加入者局においては、CCU29は同期変化をSTU27に送る。
ハミング・コードは、情報の5ビットに5個のパリティ・ビットを付加して10ビット・コードを生成する。各パリティ・ビットは、パリティ・ビットで表されているビットを含むコード・ワード内の位置におけるすべてのビットについてモジュロー-2加算(modulo-two addition)を実行することによって計算される。1個のビットのみを(前記のビットによって表された位置)におきワード内の位置にパリティ・ビットを配置しかつデータ・ビットを他の位置に置くことによって、すべてのパリティ・ビットを伴うすべてのデータ・ビットが連続化された状態でコード・ワードは送出されるが、このコードは下記のとおり視覚化することができる。

コード・ワードが受信されると、パリティ・ビットは受信データ・ビットから計算されかつ受信パリティ・ビットと比較される。計算された全パリティ・ビットが受信全ビットと異なる場合は、計算されたパリティ・ビットは受信ビットと排他的論理和ゲートされ、ビットのアドレスが誤りであることを示す。計算及び受信全ビットは共に等しく他の4個のビットが等しくない場合は、2つのエラーが検出されている。すべてのパリティ・ビットが同一であれば、データは正しく受信されている。
その他のスロットは各々328個の情報ビットを包含する2つの音声符復号パケットを有している。
第2表は4-ary音声チャンネル用のシンボル構造を示している。この構造は16-ary音声チャンネルの構造とほとんど同じである。いくつかのシンボル割付けがスロットごとにオーバヘッド目的のために必要とする固定シンボル数に依存している一方、他のビット割付けは固定ビット数に対してなされている点に差異がある。
無線制御チャンネル(RCC)は、加入者局が基地局からシステム・タイミングを最初に取得しかつ基地局と加入者局との間のアウト・オブ・バンド通報(out-of-band signalling)を発生するための根拠を与える二重目的で働いている。
無線制御チャンネル・スロットの形式は、次の示すフィールドを除き、フォワード及びリバース・チャンネルとも同一である。基地局(フォワード・チャンネル)によって伝送された制御スロットの最初の8個のシンボルは、その期間にエネルギーが全然伝送されない期間である振幅変調ギャップ(”AMホール”)を有している。このギャップは、制御チャンネルを独特な方法で識別するため加入者局によって使用されている。リバース・チャンネル制御スロットの始端と終端とに、加入者局がそのタイミングから若干シンボルだけ外れても支障ないように若干の余分シンボルがある。
すべてのスロットは、モデムに新しいスロットの受信に備えてその受信フィルタのパージを可能ならしめるフィルタ・スタート・アップ・フィールドを形成している”null”伝送の8個のシンボルを有している。このスロットの次のフィールドは固定ビットの同期パターンである。伝送されたパターンは交番BPSK信号である。受信モデムはこのフィールドを使用して送信モデムに対する位相基準及び周波数ロックを確立する。
CCU18は、入力RCCメッセージを識別するため、8シンボルのシーケンスであるユニーク・ワード(UW)を絶え間なく探索する。基地局のCCU18は、すべてのRCCスロット内の有効RCCメッセージを徹底的にチェックしなければならない。CCU18は、マスタ・システム・タイミングに基づいて、名目UW記憶位置について±3シンボルのウィンドのユニーク・ワードを走査することによってこのタスクを実行する。探索アルゴリズムは名目UW位置で始動し、(1)UWパターンを見出しかつ(2)正しいRCCチェックサムを確認するまで左右に1シンボルだけシフトする。この探索は(1)及び(2)が満たされるか又はすべての可能性がなくなった場合直ちに終結する。シフト情報、RCCメッセージ、及び電力情報は、探索成功に続いてRPU20に送られる。
加入者局のCCU29はRCCデータの受信時、2つのモード即ちフレーム・サーチ及びモニタ・モードのいずれかをとりうる。フレーム・サーチ・モードは入力RCCデータから受信フレーム・タイミングを取得するために使用され、RCC同期が失われると自動的に呼び出される。モニタ・モードは受信フレーム同期が捕捉されたときに入るモードである。
フレーム・サーチ・モードにあるときは、加入者局のCCU29は、RCCスロットを加入者局が受信した直後に有効RCCメッセージを全数的にチェックしなければならない。基地局のCCU18と同様に、CCU29はモデムAMホール検出から引き出されたタイミングに基づいて、名目UW記憶位置について±3シンボルのウィンド内のユニーク・ワードを走査することによってこのタスクを実行している。探索アルゴリズムは名目UW位置で始動し、(1)UWパターンを見出しかつ(2)正しいRCCチェックサムを確認するまで左右に1シンボルだけシフトする。この探索は(1)及び(2)が満たされるか又はすべての可能性がなくなった場合終結する。成功した探索結果からのシフト情報は、CCU発生の受信フレーム指示マーカの調整に使用する。取得動作は、UWがその名目位置にあり3つの連続フレームに対して上記(1)及び(2)が満たされたときに終結する。STU27はフレーム指示の取得が発生するとこの取得通報を受ける。フレーム・サーチ・モードの間は、RCCメッセージはSTU27には送達されない。
フレーム指示の取得が完了すると、加入者局のCCU29はモニタ・モードに入る。偽りのUW取得の可能性を回避するため、名目UW位置のみをチェックする。5つの連続フレームに対してUWが検出されない場合は、そのチャンネルは同期外れを宣言され、フレーム・サーチ・モードに入る(この状態は滅多に起こるべきでなく、このシステム性能は不良である)。STU27はこの同期外れ状態(out-of-sync)を知らせる。モニタ・モードの間、正しいチェックサム及び加入者ID番号(SID)を含むRCCメッセージがSTU27に送られる。
スロットの残りは基地局と加入者局との間の情報交換に使用する。データ部は12個のバイトで構成されている。データの最初の8ビットは、システムのステータス衝突、検出及び予約情報に関する情報を転送するリンク・フィールドを含んでいる。
リンク・レベル・プロトコルの目的は、無線制御チャンネルに関する誤りメッセージの検出である。リンク・プロトコルはさらにRCCスロットについての回線争奪を解消する。
リンク・フィールドは、”遊び伝送(idle transmission)”、”システム話中(system busy)”、”衝突(collision)”、”伝送検出(transmission detected)”、及び”スロット予約(slot reservation)”ビットを有している。これらのビットは基地局のCCU18によって設定され、加入者局のCCU29によって読み取られる。
遊び伝送ビットは、基地局によって設定され遊びメッセージが伝送されたことを示す。加入者装置がこのビットが設定されているスロットを受信すると、加入者装置は通常の同期及び誤りチェックを実行するが、当該メッセージがエラーなく受信された場合はメッセージをそれぞれのRPU20又はSTU27に送達しない。
システム話中ビットは、音声チャンネルがすべて割付けずみであり新しい呼出し要求の自粛を(ある所定時間)示すものである。
衝突ビットは、同一制御スロット内で送信を試みている2つ又はこれ以上の加入者局が関係する回線争奪を解消させる。
伝送検出ビットは、基地局がリバース制御チャンネルによる伝送を検出したことを示す。
スロット予約ビットは、リバース制御チャンネルに次のスロットを予約する。
データ部の残りは、呼出しセット・アップ及び分解手続時のアドレス指定及び情報交換に使用する。データ部に続いて、スロットのユニーク・ワードとデータ部についての16ビットの巡回冗長検査(CRC)ビットがある。CRCはRCCメッセージの伝送時に発生するエラー検出のため使用する。CRCアルゴリズムは、定義ずみビット・シーケンスによるデータのブロックの除算とデータ・ブロックの一部としてのこの除算の剰余の伝送とを含む。CRC生成の多項式は下記の形で与えられる。
P(X)=1+X5+X12+X16 (式1)
CRCが受信されたメッセージについて確認検査を実行する場合は、このメッセージは基地局においてCCU18からRPU21に送達されず又は加入者局においてCCU29によってSTU27に送達されない。
加入者局が最初に電源を入れかつオン・ライン状態になった場合は、加入者局は基地局からの基準化されたシステム・タイミング及び同期を取得しなければならない。この取得は、無線制御チャンネル(RCC)による伝送変換及び音声チャンネルによる洗練(refinement)を介して達成される。システム取得に至るイベントは下記のとおりである。
1.加入者局において電力が最初に印加されると、システムは初期化を行いかつ加入者局のCCU29はRCC捕捉へ導く加入者局のモデム30a、30b、30cの復調器に一連のコマンドを与える。
2.各モデム30a、30b、30cの復調器はまずその調整モードに設定される。この期間に、モデムはその受信機ディジタル・フィルタを受信アナログ・フィルタの特性に調整する。アナログ・フィルタは、時間及び温度変動によって特性変化を起こすことがある。各モデムは、これらの特性変化を補償するために調整モードの間にそのディジタルフィルタ係数を自動的に調整する。調整シーケンスが完了したモデム30a、30b、30cの復調器からのステータスをCCU29が受信したあと、CCUは受信周波数を既定RCC周波数に設定する。このあとCCUはモデムに指令を発し、RCC周波数を取得せしめかつAMホールと呼ばれるRCCの特性振幅変調”ギャップ(gap)”を探索せしめる。AMホールとは、基地局からのRCC伝送の開始時にエネルギーが全然伝送されない持続時間16シンボルの期間である。他のすべての伝送されたスロット・タイプは、8シンボルの”ナル(null)”のみの伝送を含む。スロット・バーストの開始時におけるナル情報の特別の(extra)8個のシンボルは、当該バーストを特別な方法でRCCとして識別する。
3.モデム30a、30b、30cの復調器の第1の機能は、粗周波数取得(coarse frequency acquisition)を実行することである。受信信号はディジタル式フェーズ・ロック・ループで処理され、加入者局VCXOは基地局の送信周波数に調整される。周波数の取得後、モデムはAMホールの探索を開始する。モデムは振幅をほとんど有しない又は全然有しないシンボル列を探索する。この列をいくつかのフレームに対して検出すると、モデムは”AMストローブ”をアサート(assert)しCCUフレーム・タイミング回路を初期化する。AMホール列が検出されない場合は、モデムはRCCの取得が不成功であったというステータスをCCUに返す。これにより、CCUは同一方法でRCC周波数を探索する。
4.AMホールの検出後、モデム30a、30b、30cの復調器は、精周波数取得(refined frequency acquisition)及び初期ビット調整を実施する。RCC制御スロットの最初の60個のシンボルは、基地局の位相(ビット・タイミング)にロックするためモデムが使用する固定ビット同期パターンである。この点で、加入者局におけるRXクロックはシンボル・クロックとして有用である。
5.加入者局のCCU29は、モデムからAMストローブにより粗シンボル・タイミング調整を受信完了している。周波数取得及びビット同期のあと、CCUはモデムが受信したデータを検査しかつRCCユニーク・ワードを探索する。このユニーク・ワードは、フレームに対する絶対シンボル・カウント基準を与える。これにより、CCUはそのシンボル・カウンタを調整してこれらカウンタをこの基準に整列(align)させる。加入者局はこの時点で整列がとれかつ基地局伝送システム・タイミング(周波数及びシンボル・タイミングとも)にロックする。
6.システム・タイミング取得の残余の部分は、基地局と加入者局との間の距離遅延を決定する。この遅延はシステムにおいて0?1.2シンボル時間(片道)の範囲をとることができる。呼出しのセット・アップ時、加入者局はRCCを通して基地局にメッセージを送る。
7.基地局のモデム19は、新しい加入者局のバースト(bursting in:とび込み)入力を常時探索している。これらのバーストは基地局マスタ基準フレーム開始から0?3シンボルだけ遅延できる。各スロットの間、基地局のモデム30a、30b、30cの復調器は、リバースRCCスロットによる伝送を探索する。タイミングおよび位相情報はすべてスロットの最初の部分(プリアンブル)の間に引き出さなければならない、さもなければ当該スロットおよびその情報は失われる。インバウンド(inbound)制御スロット受信時は、この機会は1回しかない。インバウンド制御スロットは以下に説明するRCCのAloha待ち行列スキームによって受信されるので、システム取得に導くイベントのこの箇条化した説明を続いて参照されたい。
8.各スロットの期間中に、基地局モデム19は、当該スロットの最初の60個のシンボル期間中に高速AGC調整及びビット・タイミング推定を実行する。受信部クロック信号は加入者局の距離遅延を補償するために調整される。受信データは次に基地局のCCU18に引き渡される。CCU18はストリーム中のユニーク・ワードの記憶位置を検出しかつ基地局と加入者局との間の整数部距離遅延を定める。モデム19は、加入者局のTX電力調整の決定のため、AGC情報をCCU18に引き渡す。モデム19はさらにリンク品質及び小数部時間情報をCCU18に供給する。リンク品質は衝突発生の存否を決定するために使用される。リンク品質の測定結果が悪い場合は、RCCスロットについて1局を越える加入者による同時伝送におそらく起因して信号の質が不良であったことを示している。微小時間推定値は、基地局と加入者局との間の小数部距離遅延についてモデム19が計算した値である。
9.この電力及び距離遅延情報はCCU18によって処理されPRU20に送られる。RPU20はこの情報をRCC形式に形式化し、この情報をRCC制御スロットにより加入者局に伝達する。加入者局のCCU18はこの情報をデコードし、モデム19及びCCU18の両方の送信電力及び距離遅延カウンタに所要の調整を行う。CCU18は自己の整数部TXシンボル・フレーム・カウンタを更新しかつモデムのTXクロック小数部遅延カウンタを更新する。
10.加入者局に対する呼出し接続時に、基地局RPU20はその音声呼出しに対する周波数及びスロット割当てを行う。この情報はRCCにより伝達され、加入者局のCCU29はRX周波を調整しかつモデムに指令を発し音声スロットの検出を開始させる。AGC、タイミング及び周波数情報はRCC動作から音声チャンネル動作へ進んでゆく。このことは、システム内のすべての周波数は基地局内の同一フレーム・タイミング基準に同期しているので可能である。
11.加入者局のタイミングを正確に設定するため、各音声接続の開始時に精密プロシージャを実施する。精密フェーズ時は、音声チャンネルによる通信は制御チャンネルと同様で、変調レベルはBPSKでありメッセージはRCC形式であるが、基地局において”AM”ホールは生成されない、即ちこれらの新しいRCCメッセージはCCU18とCCU29の間のみで交換される。モデム19は基地局においては精密モードに、加入者局においてはアウトバウンド(outbound)基地局から外向きの制御モードに設定される。加入者局のCCU29はこの精密フェーズの間にメッセージを生成するが、このメッセージの大部分は固定ビット・パターンでこのパターンに続き基地局から受信した以前のメッセージの受領諾否を示す可変部分がある。基地局のモデム19は、タイミング及び電力調整を、受信された各スロットからCCU18に伝達する。電力調整は連続的に加入者局に送出される。精密モードの継続か又は完了を示すタイミング調整及び制御情報は、算定期間の後送出される。基地局のCCU18は30フレームに対するモデム19からのタイミング調整を収集し、平均値を算出し、この調整値を加入者局CCU29に送る。さらに30フレームの精密動作が基地局CCU18によって実行され、その結果は再び加入者局CCU29に送られる。モデム19から受領される調整の変化が例えば1%のごとき合格範囲内になるか又は精密期間がその最大時間限度を費やしてしまうと、精密フェーズは基地局CCU18によって終結させられ、音声接続が始動する。
呼出しのセットアップ及び解除時、加入者局はリバースRCCスロットによりメッセージを送ることにより基地局と交信する。RCCへのアクセスを試みる加入者局の通信属性は現実に確率的なものとして特性づけられる。加入者局が基地局にメッセージの送信を望む場合、多くの加入者局が同一のスロットでの送信を試みる公算があるので、いずれの加入者局に送信を許可するかを何らかの形の制御メカニズムで裁定しなければならない。スロット化アロハ(Aloha)・スキームは、RCCチャンネルに関し比較的まれな直接アクセスを要する大加入者母集団の場合に好適である。
スロット化アロハ・スキームは、他の加入者局が同一制御スロットで送信を試みているか否かに全く無関係に、加入者局に対して指定されたRCCスロットによるメッセージの送信を可能ならしめるものである。送信行為を無統制にしておくと異なる加入者局からのメッセージが同時に伝送される結果を招き衝突が起こる。この衝突現象に対処するため、このスキームは基地局が加入者局のメッセージを正しく受信した後基地局が肯定応答(ACK)を送達することを必要としている。ACKが伝送及び各方向における遅延処理(約1-2フレーム時間)に要する最大割当て時間以内に受信されない場合は、加入者局は当該メッセージを再送しなければならない。再送は加入者局におけるACK受信に際してのエラーによって起きる公算がある。一般的に、加入者局は障害の原因を知ることができない。このため、以前の衝突に巻き込まれた他の送信者との再衝突を回避するため再送を実施するに先立って、加入者局はランダム遅延を選択する。
アロハ(Aloha)・スキームにおいて面倒なことが起こるがこれはランダム再送遅延が十分長くないとチャンネルが不安定になることである。この事態が偶発すると、そのチャンネルは再送によって障害となりスループットはゼロに落ち込む。バックオフ(backoff)技術は、連続する再送に関する各加入局の平均ランダム化再送遅延を増加させることによってこの問題を最小化している。
衝突再送及びアクセス遅延に対する安定化制御の複雑性は、遅延が幾何学的に分散してあることである。大きい遅延変化を回避するため、チャンネルを36%よりかなり低い利用率で運用することが必要である。
特に、20%を越えない利用率であると、衝突による1回を越える再送の必要性は起こり得ない。45msecに対し、たとえば8フレームのランダム遅延を使用すると、1つの再送についての合計平均遅延は450msecとなる(すなわち、平均的にこの遅延が含むものは:本来の伝送の1フレーム遅延、さらに肯定応答に1フレーム遅延、さらに8フレームのランダム遅延)。
利用率が20%を越えないことを保証するため、加入者ごとの呼出し要求間の平均時間をT、全加入者数をN、及び36%を越えない値に対するフレーム時間をFとすると、利用率はNF/Tで与えられることを考慮しなければならない。F=45msec、N=1000加入者、及びT=30minutesとすると、利用率は1.5%となる。
従って、最大利用率値20%に対しては、各々が平均1/2分ごとに呼出しを行う1000加入者母集団は、再送1回を必要とする場合のアクセス遅延を約45ms及び平均アクセス時間を約70?80msとし45msフレーム時間でサポートすることができる。はるかに低い平均遅延に対する代償は、20%又はそれ以下の利用率の場合2回の再送時間すなわち1秒を超過しない遅延変化の増加である。
Alohaスキームによる処理方法は、制御チャンネルに関して比較的まれにランダム・アクセスを必要とする大加入者母集団を有するシステムに好適と思われるとともに1秒を超えないセットアップ遅延を設計目標を期待母集団パラメータに対して達成させるものである。これに対して、ポーリング及び固定TDMA技術(手法)によっては好ましい遅延が得られない。
呼出し確立設定、呼出し解除、及びスロット接続を含む呼出し処理の全段階には、制御チャンネル及び/又は音声スロットの制御部分を通しての情報交換を必要とする。呼出し処理のそれぞれの段階において加入者局及び基地局で行われる処理について以下に説明する。
加入者局の加入者識別番号(SIN)及びダイアル数字は、加入者局が呼出しを行うたびに基地局への呼出し要求(CALL REQUEST)に使用しなければならない2つの呼制御項目である。加入者局対加入者局の呼出しの場合は、使用者は当該番号を加入者局の記憶装置内のレジスタにダイアルする。使用者は送信キーを押すことによりすなわちタイム・アウト(time-out)を与えることにより基地局との通信を開始する。使用されている無線チャンネルに限り当該番号は加入者局内で完全に組み立てられ記憶される。従って加入者は貴重な無線制御チャンネル(RCC)帯域幅すなわち時間を途絶させることなくスロー・レート(slow rate)でダイアルすることができる。
2つの加入者局の間の接続を確立するために加入者局と基地局とによって生成されるメッセージのシーケンスが第4図に示してある。制御チャンネル・リンク・レベル・プロトコルは、チャンネルの諸エラーに起因する種々なエラー状態をチェックするために使用する。さらに、リバース制御周波数によって基地局が受信したメッセージは、フォワード制御周波数による次の制御スロットで自動的に肯定応答が行われる。以下の節では、2つの加入者局間の呼出し確立に関するメッセージ交換について概説している。
基地局が加入者局Aから制御チャンネルによる呼出し要求(CALL REQUEST)メッセージを受信すると、基地局は受信したSINをチェックしてエラーの有無を調べる。SINにエラーがある場合は、そのメッセージは捨てられる。有効なSINがない場合は、基地局はメッセージの発信者を知ることができない。ダイアルされた数字が正しくないか又は不完全である場合は、基地局は、問題を指摘したステータス情報を付し要求加入者局Aに対してフォワード制御チャンネルによりクリア・インディケーション(CLEAR INDICATION)メッセージを送出する。
発信の試みが正しいものでありかつそれが可能になると(すなわち、宛先装置が話し中でない)、音声チャンネルが発信加入者局Aに対して割り当てられかつ基地局は宛先加入者局Bに対してフォワード制御周波数によりインカミング・コール・メッセージの形でPAGEを送る。宛先加入者局Bが2回の試みの後呼出し受入れ(CALL ACCEPTED)メッセージをもってPAGEに返答しないか又はクリア・リクエスト(CLEAR-REQUEST)メッセージによって話中状態表示を戻した場合は、基地局は話中のステータス情報(すなわち、宛先装置オフ・フック)又は宛先加入者局がページに返答していないことを内容とし発信加入者局Aに対してクリア・インディケーション・メッセージを送信する。
宛先加入者局Bがインカミング・コールを受け取ると、呼出し受入れ信メッセージが基地局に返送され音声チャンネルが割り付けられる。音声チャンネル同期が確立されると、宛先加入者局Bは当該宛先加入者局Bで聞こえる可聴呼出し音を発生するとともに加入者局Aに対し音声チャンネルを通してリング・バック(RING BACK)音を発生する。
宛先加入者局Bがオフ・フック(off hook)になると、音声スロットの制御部分がシンク・リング(sync-ring)表示からシンク・オフフック(sync-offhook)表示に変化しかつ2つの加入者局の間に基地局を経て音声チャンネルを通じて呼出しプログレス(CALL PROGRESS)メッセージが与えられる。宛先加入者局Bはこの時点で可聴呼出し音を終結させかつ音声チャンネルからリング・バック音を切る。ここで通話回路が完成しかつ音声/データ交換が開始できる。
外部の電話に対する呼出し設定は、他の加入者局への呼出しと同一方法で行われる。加入者局は単に所望の数字をダイアルしかつ送信ボタンを押すか又はタイム・アウトを待てばよい。このことにより無線要求メッセージを基地局に対して発生する。基地局は他の加入者局を呼び出すか又は外部幹線を捕捉するかを決定する。この場合は、外部幹線が捕捉され、ダイアルされた数字が幹線にパルス発信(out-pulse)される。この数字がパルス発信されている間に、発信加入者局に対して音声周波数が割り付けられる。加入者局が呼出し接続(CALL-CONNECT)メッセージを受信すると、この加入者局は周波数を変え自局に割り当てられた音声チャンネルに同期させる。音声チャンネルが使用可能状態になると、加入者局の送受話器はローカル・サイレンス(local silence)から切り離されて外部幹線に接続される。この時点からは、宛先Telco中央局はすべての呼出しプログレス音を発生する。
到来外部呼出しは幹線を基地局に捕捉する。発信中央局は、宛先加入者局のSINの独特の数字を識別する2?5個の数字を直接内部ダイアル(DID)幹線を通して基地局に送る。ダイアルされた加入者局が話中でない場合は、基地局は適切な加入者局に対してRCCを通してページ・メッセージ(PAGE MESSAGE)を送る。ここで3つの可能な状況が起こる。第1に、加入者局が到来呼び出しを受け取り、処理が下記のとおり進行する。第2に、応答が受信されない。この場合は、基地局は呼出し処理を2回再試行する。基地局が加入者装置からの応答がない状態で再試行回数を終了した場合は、リング・バック音が発信装置内に発生する。第3の状態は、加入者局がダイアル中(すなわち、オフ・フック)でありかつ制御チャンネルにクリア要求(CLEAR-REQEUST)メッセージを戻し中である状態である。この場合は、話中音が発呼加入者局に戻される。
PAGE要求が成功した場合は、音声チャンネルが割り当てられ、外部呼出し音が宛先加入者局の送受話器で発生する一方、可聴リング・バック(RING BACK)音が加入者局から発呼者に対して発生される。宛先加入者局が呼出しに応答した場合(すなわち、基地局がオン・フックからオフ・フックへの切換えを検出)は、外部呼出し音およびチャンネル・リング・バック・メッセージが除去される。この時点で、音声チャンネルが通話使用可能になる。
正常な呼出し終了は、加入者がオン・フックすることによって始まる。基地局は音声チャンネルの制御部分を通してオフ・フックからオン・フックへの切換えを検出する。この切換えを検出すると、基地局は音声チャンネルの割付けを解除する。このチャンネルは、加入者局が当該チャンネルに関しての同期を失ったことを基地局が確認するまで、再使用できない。切り離し処理中の呼出しが他の加入者に対するものである場合は、オン・フック表示が音声チャンネルの制御部分によって第1の加入者局に送られる。諸加入者局はRCCの伝送に再同期をとりクリア要求(CLEAR-REQUEST)メッセージを基地局に送る。
呼出しの終了は、基地局が加入者局との無線接触を失ってから5秒後に起こる。
音声接続は宛先受信機におけるフェージング又はチャンネル干渉に起因して”消失”することが起こりうる。接続が障害に会っているか否かを決定するために、加入者局および基地局において以下の状態をチェックする。すなわち、加入者又は基地局受信機から戻されたリンク品質値が連続受信に関して所定の閾値以下であるか否か、ワード同期がいくつかの連続伝送に関して検出されたか否かをチェックする。
基地局発信メッセージはすべての活加入者局に同報通信される。これらのメッセージは無線制御チャンネルを通して基地局によって伝送される。同報通信メッセージの目的は、すべての活加入者局にシステムの運用変更(すなわち、RCCの周波数変更、又は自己試験モード移行するためのモデムに対するコマンドの変更等)を通知することにある。これらのメッセージについては加入者局は肯定応答を発しない。
遠隔制御処理(プロセッサ)装置
RPUは基地局体系内の制御コンピュータとして機能している。すなわち、RPUは第2図に示すように無線装置と交信するCCU18、およびPBX15とインタフェースをとる。
RPU20は無線呼処理に関しての所要機能を調整する。RPU20は接続および切り離しを行うため加入者局、PBX15、及びCCU18とメッセージを交換する。この呼処理機能に含まれるものとして、無線チャンネルの割付け及び割付け解除がある。RPU20はさらにシステムの現在状態を表すデータベースを維持する。このデータベースは、システム内の装置、加入者局、接続、及び無線チャンネルの状態の情報を含んでいる。
呼出し確立は、外線から受信した呼出しに関してPBX呼出し処理装置24から又は外部電話又は他の加入者に宛てた呼出しに関して加入者からRPUがメッセージを受信した時点から始まる。加入者からの通信は基地局のCCU18を経て無線制御チャンネル(RCC)を通して入ってくる。RPU20は接続を確立すべく、音声チャンネルを割り付けるとともに加入者局、PBX15、及びCCU18とメッセージを交換する。
切り離しは、電話機が切れたことを示すメッセージをPBX15又は加入者から受信したとき又は無線チャンネルを通して同期が失われたことを示すメッセージをCCU18から受信したときに始まる。RPUはCCU18及びPBX15に切り離しを通告し、RCCは割付け解除される。
RPUのソフトウェアは下記の機能を実行する。
1.呼出しのセットアップ、呼出しの解除、及びチャンネル割付けを制御する加入者、CCU、及びPBXのメッセージを処理すること。
2.読み書きシステム・データベースを初期化しかつ維持すること。
3.システム問い合わせ及び手動システム制御を可能にするシステム制御卓を支援すること。
4.9600ボー非同期直列インタフェースを通してベースバンド制御チャンネル(BCC)通信プロトコルを支援することによりBBCインタフェースを取り扱うこと。
5.PBXメッセージ・プロトコルを支援することによりPBXインタフェースを取り扱うこと。
及び
6.診断及び原始ビリング・データを供給するトランザクション・ログを保存すること。
RPUソフトウェアは、PBX呼出し処理装置24への1つの直列インタフェースを支援する。このソフトウェアはさらに、基地局構成内のCCU18の各々への直列インタフェースを支援する。
RPUハードウェアは、モトローラ・モデル(Motorola Model)68000に基礎を置いた汎用コンピュータを含む。この機械は1Mバイトの直接アクセス記憶装置(ROM)と10Mバイトの不揮発性ハード・ディスク記憶装置とによって構成されている。I/Oはシステム制御卓と、8つの同期直列データ・インタフェースとによって構成されている。
第5図に示すごとく、RPUソフトウェア・パッケージは、スケジューラ・モジュール40、BCCインタフェース・モジュール41a、41b、・・・41n、PBXインタフェース・モジュール42、制御卓モジュール43、ロガー・モジュール44、メッセージ処理モジュール(MPM)45、及びデータベース・モジュール46によって構成されているシステムをシミュレートする。
データベース・モジュール46を除き、すべてのモジュールはスケジューラ・モジュール40から呼び出されて動作する。これらのモジュールはメイルボックスのシステムを通して相互に交信する。データベース・モジュール46は、データベース内の情報にアクセスするためのサブルーチンの収集に基礎をおいている。
スケジューラ・モジュール40は、RPUソフトウェアに対するメインライン・コード(main line code)を提供する。このモジュール40はすべての他のモジュールに対するスケジューリング及び起動に重要な役割を有する。このモジュール40はさらに、プロセス内及びプロセス間通信を可能ならしめるイベント・タイマ及びメイルボックスの維持に重要な役割を有する。
BCCインタフェース・モジュール41a、・・・41nは、直列同期インタフェース及びリンク・レベル・プロトコルを支援する。これらのモジュールはさらにCCU18との通信の状態をモニタする。
PBXインタフェース・モジュール42は、PBX呼出し処理装置24に対する直列同期インタフェースを支援する。
制御卓モジュール43は、システム・ステータス問い合わせと更新とRPU20とシステムの他の装置との間のメッセージ交換を可能ならしめるシステム操作員インタフェースを提供する。
ロガー・モジュール44は、診断及びシステム解析の目的のための原始トランザクション情報を提供する。
メッセージ処理モジュール46は、すべての受信されたRCC、BCC、及びPBXメッセージの処理を行う。このモジュール46はさらに、PBX15が実施しないすべての加入者呼出しセットアップ及び解除を実施するとともに無線チャンネルの割付けを行う。このモジュールは上記の外、CCU18の状態をモニタするバックグラウンド・タスクを含む。
データベース・モジュール46は、呼出し処理のために必要とするデータ構造のすべてに対するコンシステント・インタフェース(consistent interface)を提供する。このモジュール46は、無線チャンネルを割り当てる周波数割付けタスクを含む。
RPUデータベースは、すべての加入者局の情報及びすべての無線チャンネルの状態を含むシステム構成を記述している構造を有する。これらの構造は下記のとおりである。
RPUデータベースは、システム内の各CCU18に関するベースバンド制御チャンネル(BCC)データ構造を含む。
加入者識別テーブル(SINテーブル)は、すべての有効加入者の分類リストを含む。このリストは加入者有効性確認を容易ならしめるように分類されている。SINテーブルは、システム内の加入者ごとに1エントリとなっている。
RPUソフトウェアは、加入者装置呼出し処理の一部を実施する。この処理はメッセージ処理モジュールで行われる。呼出し処理はMPM45、PBXモジュール42、及びすべてのBCCモジュール41との間のメッセージ交換によって達成される。
加入者局からの電話呼出しの起動
本節は加入者発動の電話呼出しに対する正常呼出しセットアップ・プロシージアについて概説している。加入者(”発呼加入者”)は、オフ・フックを行い、有効電話番号(”宛先”の電話番号)をダイアルし、そして送信ボタンを押し又はタイム・アウトを待つ。発信加入者局は、基地局に対して制御チャンネルを通して呼出し要求(CALL REQUEST)メッセージを送る。RPU BCCモジュール41は無線要求(RADIO REQUEST)メッセージを受信し、これをMPM45に送達する。MPM45はダイアルされた数字についてある簡単な有効性確認を実施し、無線要求メッセージをPBXモジュール42に送り、このモジュール42はこのメッセージをPBX制御処理装置24に送達する。PBX呼出し処理装置24は、ダイアルされた数字の有効性確認を行いかつプレイス・コール(PLACE CALL)メッセージをRPU20に返す。MPM45は発信加入者局に対して音声スロットを割り当てる。MPM45は、発信加入者局が割当てを受けた音声スロットを有するCCU18に対してチャンネル変更(CHANGE CHANNEL)コマンドを発生する。MPM45は、発呼加入者局に対して呼出し接続(CALL CONNECT)コマンドを発生し、このコマンドは発呼加入者局に対して音声周波数及びスロットを割り当てる。MPM45はPBX呼出し処理装置24に対して割付け(ALLOCATE)メッセージを発生し、このメッセージはPBX呼出し処理装置24に対してメッセージ・チャンネルを割り付けるように通告する。この時点で、発信加入者局は完全にセットアップされている。すなわち、”宛先”に対するPBXスイッチ・マトリックス25を通しての接続待ちの状態である。”宛先”は他の加入者局であろうと又はTelco幹線14によってアクセスされなければならない電話であろうと、それは構わない。
加入者局の呼出しの受信
本節は加入者局への到来呼出しの処理について概説する。PBX呼出し処理装置24は、電話呼出しが加入者局宛のものであることを決定する。PBX呼出し処理装置24は、インカミング・コール(INCOMING CALL)メッセージを発生する。このメッセージはこの到来呼出しの種類(nature)とくにこの呼出しが外部幹線14から来たものか又は他の加入者局から来たものであるかについての情報を含んでいる。RPU PBXモジュール42は、PBX呼出し処理装置24からPBXメッセージを受信し、このメッセージをMPM45に送達する。この呼出しが他の加入者局から到来している場合は、MPM45は”発信”及び”宛先”両加入者局の加入者対加入者インデックスを設定しかつ関連CCUs18に対して内部モードに入るように指令する。MPM45は、インカミング・コール・メッセージで指定されている加入者局に対して指名(PAGE)メッセージを発生する。指名該当の加入者局は呼出し受入れメッセージを以て応答する。MPM45は、不適切なCCU18に対してはチャンネル変更メッセージ、適切な加入者局に対しては呼出し接続メッセージを発生することにより呼出し受入れメッセージに応答する。MPM45は続いてPBX呼出し処理装置24に対して割付けメッセージを発生し、このPBX呼出し処理装置24はPBXスイッチ・マトリックス25に到来呼出しに対する確定的な接続を完了させる。
ドロップ・アウトの回復
本節は通信進行中のチャンネル・フェードに対するRPU20の応答について概説する。減衰する音声チャンネルを司っているCCU18はそのチャンネルが同期を失うのを見つける。CCU18は無同期(NO-SYNC)イベント・メッセージを発生する。BCCモジュール41はこのイベント・メッセージを受信し、このメッセージをMPM45に送達する。MPM45はPBX呼処理装置24に対してオンフック(ONHOOK)メッセージを送り、加入者をアイドル状態に又チャンネルをオン・フック状態に設定する。
到来BCCメッセージの処理
BCCメッセージは、9600ボー非同期インタフェースによってCCU18からRPU20に送られる。特定のCCUインタフェースを司るBCCモジュール41はメッセージを読み取り、リンク・レベル情報ビットをチェックして到来メッセージの完全性を検査する。BCCモジュール41がそのメッセージは受入れ可能なものであると判断した場合は、適切な肯定応答が送信CCU18に返信される。メッセージが受け入れ可能でない場合は、再試行か又は否定応答が返信される。ここでBCCモジュール41はMPM45に対してメッセージを送る。このメッセージは、スケジューラ・モジュール40によって提供されてメイルボックスを利用するメッセージ処理メイルボックス348に投入される(第6図参照)。
CCU18からの入力がなくなり、CCUへの出力メッセージを入れているBCCメイルボックスが空になると、BCCモジュール41は”ブロック(block)”し、制御はスケジューラ・モジュール40に移る。
スケジューラ・モジュール40は、連続(round-robin)スケジュール内の次のモジュールを起動し、このモジュールはそれがブロックするまで動作する。スケジューラ・モジュールはこの後、次々にモジュールを起動する。しばらく後の時点で、スケジューラ・モジュールはMPM45を起動する。
MPM45はそのメイルボックス48内の待ち行列をなしているすべての他のメッセージとともにBCCメッセージを読み取る。このような処理はデータベースに対する変更及び新規メッセージの生成を含むことができる。第6図は到来メッセージのデータ経路を図示している。
出力BCCメッセージの生成
第6図はさらに出力BCCメッセージのデータ経路を図示している。出力BCCメッセージは、ある特定のイベントに応答してMPM45によって生成される。このメッセージはMPM45内で構成され、宛先CCU18を司るBCCモジュールへ送られる。このメッセージの後、他の必要メッセージがすべて送出され、かつMPMのメイルボックス48内にほかのメッセージがない場合は、MPMは“ブロック”し、制御はスケジューラ・モジュールに返される。
BCCモジュールはそのメイルボックス49からのメッセージを読み取り、出力メッセージに適切なリンク・レベル・ビットを付加する。BCCモジュールは次にこのメッセージをCCU18への直列データ・ポートへ送出する。
RCCメッセージの処理
RCCメッセージはBCCメッセージのタイプであるので、到来RCCメッセージは到来BCCメッセージと全く同様に処理される。また、出力RCCメッセージは、出力BCCメッセージと同様な方法で生成されかつ伝送される。
到来PBXメッセージの処理
PBXメッセージはPBX呼出し処理装置24から受信される。このメッセージは9600ボー非同期インタフェースを通してRPU20へ送られる。第7図によると、RPU PBXモジュール42はPBXメッセージを読み取り、それをMPMメイルボックス48に送る。到来文字がそれ以上なくかつ出力PBXメッセージを保持しているPBXメイルボックス50が空になると、RPU PBXモジュール42は”ブロック”し、制御はスケジューラ・モジュール40に返される。
MPM45はそのメイルボックス48内に待ち行列をなしているすべての他のメッセージとともにPBXメッセージを読み取る。PBXメッセージは、メッセージのタイプ及びメッセージ内に指定されている加入者の現在状態に基づいて処理される。この処理は、データベースに対する変更、加入者の状態の変化、及び新規メッセージの生成を含むことができる。第7図は到来PBXメッセージのデータ経路を図示している。
出力PBXメッセージの生成
再び第7図によると、出力PBXメッセージはあるイベントに応答してMPM45によって生成される。このメッセージはMPM45内で構成され、PBXモジュール42に送られる。このメッセージの後、及びすべての他の必要メッセージが送出されかつMPMメイルボックス48内にメッセージがなくなると、MPM45は”ブロック”し、制御はスケジューラ・モジュール40に返される。
スケジューラ・モジュール40は、RPU PBXモジュール42が起動されるまで連続スケジュール内の他のモジュールの起動を続ける。
RPU PBXモジュール42は、そのメイルボックス50からのPBXメッセージを読み取り、メッセージをPBX呼出し処理装置24への直列データ・ポートに送出する。
ロガー・メッセージの生成
RPUソフトウェア・パッケージのモジュールの各々の関連ポイントにおいて、関連情報を含んだメッセージがロガー・モジュール44に投函される。この情報は時間標示され、ファイルに出力される。第8図は、ロガー・データ経路を図示している。
制御卓入力/出力モジュール
制御卓モジュール43の入力部は、コマンド有効性確認とともにコマンドプロンプト及び認識を提供する。有効制御卓コマンドは、RPUデータベースを問い合わせかつ更新する能力を有するとともにメッセージをRPUモジュールに送る。制御卓表示コマンドから生じる出力は、制御卓ポートに直接出力される。
スケジューラ・モジュール
スケジューラ・モジュール40は特殊システム・モジュールと考えることができ、このモジュール40は他のすべてのRPUモジュールのスケジューリングに重要な役割を有する。スケジューラ・モジュール40の主要役割は、実行されるべき次のモジュールを選択することと内部及び相互通信を提供することである。
すべての各種RPUモジュールは実際に別個のモジュールであると考えられるが、すべてのモジュールはレグルス(Regulus)オペレーティング・システムの一応用プロセスである。他のRPUモジュールの連続ディスパッチを実施するのはスケジューラ・モジュール40である。スケジューラ・モジュール40は、スタートアップ時に擬似モジュールの各々に対してスタック・スペースの固定部分を割り付けることにより擬似RPUモジュールの各々に対するスタックを管理する。各モジュールが実行されるべくスケジュールされる直前に、スタック・ポインタは正しいモジュールを選ぶため適切なスタック・アドレスを指示するべくスケジューラ・モジュールによって変えられる。RPU20のメモリ・マップが図9に示してある。
各RPUモジュールはブロックするまで実行する。ひとつのモジュールがブロックすると、次のモジュールのスケジュールさせかつ実行させるスケジューラに制御を返す。モジュールはいくつかの方法すなわち、ひとつのイベントが保留になるまでモジュールをブロックさせるGETEVENT()を呼び出すこと又は数秒の間ブロックするWAIT()を呼び出すこと又は一巡の連続スケジューリング・ループの間ブロックするBLOCK()を呼び出すことによりブロックすることができる。
スケジューラ・モジュール40が実施する他の主要機能は、モジュールとモジュールとの間のモジュール間通信である。モジュール間でメッセージを送受信するための手段としてメイルボックスが使用される。各モジュールはMAILREAD()呼出しを使用することによりそのモジュールのメイルボックス内のメイルをチェックすることができる。さらに、モジュールはMAILSEND()呼出しを使用することによって他のモジュールに対してメイルを送ることができる。スケジューラ・モジュールはスケジューリング・ループ内にあるモジュールの各々に対して別々のメイルボックスを維持する。ひとつのモジュールが他のモジュールにメッセージを送ると、このメッセージは宛先のメイルボックスにコピーされる。後刻、実行順番が宛先になったとき、スケジューラ・モジュールはそのメイルボックスをチェックしてメイルボックスにメッセージがあるか否か判断する。メッセージがある場合は、スケジューラ・モジュール40は、そのモジュールがGETEVENT()によってブロックされている場合、モジュールのブロックを解除させるイベント・タイプMAILを生成し、これにより実行すべくスケジュールされる。
イベント・リストもスケジューリング・ループ内の各モジュールに対してスケジューラ・モジュールによって維持されている。イベントはメイル又はタイマ・イベントで構成することができる。メイル・イベントは、メッセージが現在実行中のモジュールに対して保留であるとスケジューラ・モジュールが判断した場合に生成される。モジュールは、イベントが生成されるまでの待ち秒数をおいてPUTEVENT()を呼び出すことにより、タイマ・イベントをイベント・リストにのせることができる。スケジューラ・モジュール40は、タイマ時間切れを探索する連続スケジューリングループを通して一巡ごとにモジュールのイベント・リストをチェックする。タイマ時間切れが検出されると、適切なモジュールが実行すべくスケジュールされ、GETEVENT()呼出しを通してイベントがモジュールに返される。
スケジューラ・モジュール40は、CCU18とRPU20との間及びPBX15とRPU20との間のRS-232インタフェースの初期化に使用されるルーチンを有している。RS-232インタフェースに対して排他的ソフトウェア制御をとるこれらのルーチンは、レグルスオペレーティング・システムによる制御シーケンスの通常処理を終了させる。他のルーチンはI/Oバッファを一掃及びターミナル入力と出力の読み書きに使用される。スケジューラ・モジュール40はすべてのRPUモジュールのためのシステム・タイムのトラックを保持する。
BCCインタフェース・モジュール
各BCCモジュール41は、CCU18とRPU20の他のソフトウェア・モジュールとの間のインタフェースを提供する。CCU18とRPU20との間の交換メッセージは、非同期通信リンクを通して伝送される可変長2進データによって構成されている。BCCモジュール41は、エラー検出、メッセージ順序付け、及びメッセージ肯定応答を含む通信リンクを通してのメッセージ完全性を提供する重要な役割を有する。
CCU18とRPU20の間のハードウェア・インタフェースは、9600ボーRS-232非同期インタフェースで構成されている。
このモジュール41への入力は、CCUから又はその他のRPUソフトウェア・モジュールから受信されたメッセージを含んでいる。メッセージはこのモジュールからRS-232インタフェースを経てCCUへ又は適切なメイルボックスを経て他のRPUソフトウェアに出力される。
このモジュール41の目的は、RPU20とCCU18との間のメッセージ通信量を処理することである。このモジュール41はCCU18から受信されたメッセージを連続的にチェックし、これらのメッセージを適切なRPUソフトウェア・モジュールに経路づけする。同様に、このモジュールはCCU18に宛てられている他のRPUソフトウェア・モジュールからのメッセージを連続的にチェックしている。特異なメッセージ(すなわち、否定応答されたもの)を各方向に1つに制限するためにオルタネーティング・ビット・プロトコルを利用している。シーケンス及び肯定応答ビットは、この機能を達成するため必要な流れ制御として働いている。このプロトコルについては以下の節で詳細に説明してある。
以下の説明においては、メッセージを処理できる側の構成要素を“主側(we)”又は“主側に(us)”と呼び、他の構成要素を“相手側(they)”又は“相手側に(them)”と呼ぶことにする。このプロトコルは、メッセージの受信に際してとるべきアクションを示すことによって説明することができる。単に4つのアクションがあり、これらは2つの条件に依存している。これらの条件は受信メッセージのシーケンス及び肯定応答ビットを期待ビットと比較することによって決定される。
到着メッセージについて、ACKビットはもしそれが主側が最後に送信したメッセージのSEQビットと同一であれば期待通りである。同様に、SEQビットはもしそれが最後に受信したメッセージのSEQビットと異なれば期待通りである。換言すれば、期待条件とは到来メッセージが主側の最後のメッセージに肯定応答し又主側も新到着が新メッセージと期待していることである。
メッセージの受信に際してとられるアクションは、上記条件によってもたらされる4つの組合せに要約される。
1.ACK[期待]、SEQ[期待]。主側の最終送信メッセージが肯定応答されたものとしてマーク(主側の新メッセージ送信を可能にする)。新しく到着したメッセージを処理する(それを主側が送る次のメッセージで肯定応答する)。
2.ACK[期待]、SEQ[非期待]。主側の最終送信メッセージが肯定応答されたものとしてマーク(主側の新メッセージ送信を可能にする)。新しく到着したメッセージを捨てる(肯定応答しない)。
3.ACK[非期待]、SEQ[期待]。主側が肯定応答未完了のメッセージを送信している場合は、そのメッセージを再送する。主側がそのようなメッセージを有していない場合は、何か不具合が宛先に発生しているので主側は下記によりリセットする。新しく到着したメッセージを処理する。
4.ACK[非期待]、SEQ[非期待]。主側の最終メッセージが宛先において受信されていない。そのメッセージを再送する。新しく到着したメッセージを捨てる。
ResetビットはSEQ及びACKビットをリセットするために使用される。主側がResetビットをオンにした状態でメッセージを受信すると、そのメッセージはそのSEQビットに無関係に新しいメッセージとして受け入れられるべきであり、又そのメッセージは肯定応答されるべきである。さらに、受信メッセージのACKビットは相手側が主側から受信した最終メッセージのSEQビットを反映している。主側は次のメッセージ送信前にこのビットをトグル(toggle)すべきである。一例として、ACK/SEQ数字が“4”(Reset=1、ACK=0、SEQ=0)であるメッセージを主側が受信すると、応答のACK/SEQ数字は“1”(Reset=0、ACK=0、SEQ=1)であるべきである。プロトコルがステップから出ていると思われるときは、いずれかの側がリセットを実施することができる。
主側が相手側からメッセージを受信し、保留中の新しいメッセージがなく又は標準応答が直ちに到来しない場合は、主側は特殊ACKメッセージを送出することによりそのメッセージを肯定応答するものとする。ACKビットは受信メッセージを肯定応答するが、SEQビットは主側が送った最終メッセージから変わらない。このことにより相手側は肯定応答を処理しかつ新しく到着したメッセージを捨てる。このメッセージの内容はナル(null)メッセージである。しかし、このメッセージは捨てられるので、このメッセージの内容は無関係であるべきである。
PBXインタフェース・モジュール
PBXモジュール42は、UTX-250 PBX呼出し処理装置24とRPU20の他のソフトウェア・モジュールとの間のインタフェースを提供する。この2つの装置(machine)との間で交換されたメッセージは、ASCII文字向きメッセージ交換を構成する。ASCII文字は、ここでは7又は8ビットのASCIIであると定義されている。PBX呼出し処理装置24及びRPU20の両者とも奇数パリティ、偶数パリティ、又はノー・パリティで文字を受け入れる能力を有しなければならない。メッセージの本文は、可変長ストリング又は印刷可能文字で構成されている。
PBX呼出し処理装置24とRPU20との間のハードウェア・インタフェースは、9600ボーRS-232非同期インタフェースで構成されている。
PBXモジュール42は、PBX呼出し処理装置24又は他のRPUソフトウェア・モジュールから受信したメッセージを含んでいる。メッセージはこのモジュールからPBX呼出し処理装置24又は適切なメイルボックスを経て他のRPUソフトウェア・モジュールのいずれかに出力される。
PBXモジュール42の目的は、RPU20とPBX呼出し処理装置24との間のメッセージ交通量を処理することである。このモジュールは、PBX呼出し処理装置24から受信したメッセージを連続的にチェックし、これらのメッセージを適切なRPUソフトウェア・モジュールに経路づけする。同様に、このモジュールは、PBX呼出し処理装置24に宛てた他のRPUソフトウェア・モジュールからのメッセージを連続的にチェックしている。
PBX呼出し処理装置24から受信されたすべての文字は、メッセージの始めを示す不等号より大>又はメッセージの終わりを示す復帰文字と等しいか否かをチェックされる。このモジュールは全二重メッセージ交通量を取り扱う能力を有する。
制御卓モジュール
制御卓モジュールはRPU20の現在状態を把握するための操作員の窓である。制御卓は、加入者及び無線チャンネルの現在状態、更新接続及びチャンネル状態、並びにPBX15及びCCU18に対する送信メッセージに関する情報を表示する能力を提供する。制御卓は端末からの入力ストリームを処理し、所望のコマンドを実行する。
制御卓モジュール43は、基地局操作員用端末に対するインタフェースを提供する。制御卓モジュール43は端末からの入力を処理し、コマンドを実行する。データはデータベースから検索されかつデータベースに書き込まれ、表示データは端末スクリーンに出力され、さらにメッセージは他のモジュールに送出される。このモジュールに対するインタフェースは下記の事項を含む。
(1)文字は操作員用キーボードから入力される。
(2)文字は操作員用スクリーンに出力される。
(3)データはデータベースから検索され、データベースに書き込まれる。
(4)メッセージは、PBX、BCC、及びメッセージ処理モジュールに送出される。
パーザ・ルーチン(a set of parser routines)は、操作員用キーボードから文字を入力する。データ入力刺激は各コマンド・ラインの始めに表示され、データは記憶され、編集文字は処理され、入力は表示装置に表示(echo)され、データはトークン(token)内に区切られる。各コマンド内のすべての可能なコマンド及び有効トークンを記述しているデータ構造(a set of data structures)をパーザに与えることにより、パーザは入力されてデータについて認識を行い、疑問符に応答し、データ入力のためのガイド・ワードを表示する。各トークンは期待されているデータのタイプであるか否かをチェックされ、キーワードは受入れ可能なentiresのリストに整合され、ナンバーは整数に変換される。コマンド・ラインの入力が完了するとさらに確認(verification)が行われ、ナンバーは範囲内にあるか否かをチェックされ、コマンドの実行前に若干のコマンドを使用してシステムの状態がチェックされる。
コマンドは3つのカテゴリに分類される、すなわち、1)データベースからの情報を表示するコマンド、2)データベースを更新するコマンド、及び3)メッセージを送信するコマンド。情報は、加入者、接続、CCU、及びチャンネルの各状態について表示可能である。すべての表示コマンドは、情報のデータベースからの検索及び形式化されたデータの操作員用表示装置への出力を要求する。更新コマンドは、加入者を特定チャンネルに強制接続させる能力及びチャンネルを使用可能又は使用禁止にする能力を有する。更新コマンドは、周波数割付けアルゴリズムの試験に使用する。すべての更新コマンドはデータベースへの書込みを行う。
PBX、BCC及びRCCメッセージは、制御卓モジュール43からシステム内の種々の他のモジュールに送達することができる。SENDMSGコマンドはメッセージに必要なすべての情報を取得すべく操作員を刺激し、当該メッセージは形式化されかつ指定されたモジュールに送られる。PBXメッセージは、このメッセージをPBX呼出し処理装置42に送出するRPU PBXモジュール42に送られる。BCC及びRCCメッセージはRPU20からBCCモジュール41を経由してCCU18に送られ、このBCCモジュール41はリンク・レベル・プロトコル・ビットを出力メッセージ(outgoing message)に付加する。CCU18からの入力はシミュレートされBCC及びRCC両メッセージを含みメッセージはMPM46に送られる。
ロガー・モジュール
ロガー・モジュール44は、RPUイベント又はメッセージのロギングに重要な役割を有する。ロガー・モジュール44は、3つのディスク・ファイルすなわち、ビリング情報に類似している情報を含むトランザクション・ログ、エラー・メッセージで構成されているエラー・ログ、及びシステム・ウォーニング・メッセージで構成されているメッセージ・ログの維持を行う。
ロガー・モジュール44は、他のRPUモジュールから呼び出される一式のサブルーチンで構成されている。各サブルーチンは、メッセージに対する時間標示及び適切なディスク・ファイルに対するメッセージの書込みの役割を有している。各サブルーチンは、メッセージがログされるべきか否かを判断するグローバル・フラッグを有している。このフラッグのセット及びリセットは、制御卓コマンドを使用して行う。
メッセージ処理モジュール(MPM)
MPM45は、PBX15と加入者局との間の高水準呼出し処理機能を実施する、すなわち加入者電話機及び外部電話機の両者に対するぺージの開始、音声チャンネルの割付け、及び呼プログレス音の制御のごとき呼出し処理機能に関する役割を果たしている。MPM45はさらに、自己がCCU18から受信するステータス・メッセージを処理する。たとえば、リンク品質又は加入者フック・ステータスで構成されているチャンネル・ステータス情報はMPM45によって処理される。
MPM45は、PBX及びBCCメッセージがメッセージ処理ステート・マシンに対してのトークンとして使用されるステート・マシンとして構成されている。MPM45は、データベースの更新、必要応答の出力、次いで次の状態への推移を実施することによってトークンを処理する。
MPM45は、スケジューリング・モジュール40によって維持されているシステム・メイルボックスを使用して他のRPUモジュールに対するメッセージの送受を行う。又、MPM45はデータベース・モジュール内のサブルーチンを利用し、データベース内の状態情報の検索又は更新を行う。
前述のとおり、MPM45はステート・マシンとして構成されている。ある処理の実施を強制するトークンは、メッセージ又はタイムアウトで構成されている。MPM45は、トークンの種類(すなわち、タイマ、RCCメッセージ、PBXメッセージ等)及びトークンによって影響を受ける加入者局又はチャンネルを判断する。MPM45は、適切なメッセージ応答を生成しかつ次の状態に推移させることによってトークンを処理する。
MPM45は、実際的に2つの状態テーブルで構成されている。第1図に示してあるRCCステート・マシンは、PBX呼出し処理装置24からのメッセージ又は加入者局からのメッセージを処理するために使用する。第11図に示すチャンネルステート・マシンは、CCU18から受信したメッセージを処理するために使用する。
初期状態においては、すべての加入者局はRCCアイドル・ステートにあり又すべてのチャンネルはセットアップ又は進行中の接続が全然ないことを示すチャンネル・アイドル・ステートにある。
典型的な外部から加入者への呼出しに対する状態の変化は以下の通りである。外部呼出しメッセージはPBX呼出し処理装置24から受信され、このメッセージは当該呼出しの宛先加入者局の電話番号を含んでいる。PAGEメッセージが当該加入者局に送出され、この加入者局のステートがPAGEに設定される。CALL ACCEPTメッセージが当該加入者局から受信され、この加入者局のステートがACTIVEに設定される。この時点で、チャンネルが割り当てられPBX呼出し処理装置24、CCU18、及び加入者局はチャンネル割当ての通告を受ける。当該チャンネルは、RING SYNC-WAITステートに設定される(第11図)。CCU18が同期の捕捉を表示すると、チャンネルのステートはSYNC RINGに設定される。最終的に、CCU18が加入者局のオフフック完了を標示すると、チャンネルはSYNC OFFHOOKステートに設定される。SYNC OFFHOOKステートは、音声接続の確立を表示するものである。
加入者から加入者に対する呼出しは、発呼加入者局から受信される呼要求メッセージにより始まる。受信加入者局はDIALステートに設定され、無線要求メッセージがPBX呼処理装置24に送られる。PBX呼出し処理装置24は、発信加入者局に対してPLACE CALLメッセージを、宛先加入者局に対してはインカミング・コール・メッセージを返す。このプレイス・コール・メッセージに応答して、チャンネルが割り当てられ、PBX呼出し処理装置24、CCU18、及び発信加入者局はこのチャンネル割付けの通告を受ける。発信加入者局のチャンネル・ステートは、当該チャンネルが同期化されるまでオフ・フックSYNC WAITに設定される。基地局のCCU18が発呼加入者局からの伝送を検出すると、このCCU18はSYNCオフ・フックチャンネル・イベント・メッセージを生成する。RPU20は、当該チャンネルのステートをSYNCオフ・フックステートに変化させることによってこのチャンネル・イベント・メッセージを処理する。宛先加入者局に対する到来呼出しメッセージも、上述の外部呼出しメッセージと同様な方法で処理される。さらに、当該接続に関係のあるチャンネルはすべて、両加入者局が同期状態になった時点で内部モードに設定される。
接続解除は、接続関連パーティの一方がオン・フックしたときに始まる。システム外の電話機が電話を切ると(hang up)、MPM45はPBX呼出し処理装置24からオン・フックメッセージを受信する。加入者局がオン・フック状態になると、CCU18は加入者局がオン・フック状態になったことを示すメッセージを送出する。いずれの場合も、他方のパーティは接続が解除されたことを通告され、チャンネルはディスコネクト(DISCONNECT)ステートに設定され、加入者局はティアダウン(TEARDOWN)ステートに設定される。CCU18が同期が失われていることを表示すると、チャンネル及び加入者局はアイドル・ステートに戻される。
バックグラウンド・タスク
バックグラウンド・タスクは、MPM45によって実施される。バックグラウンド・タスクは、コールド再開始又はウォーム再開始の後最初にCCU18と交信する。又、システムが動作状態になると、バックグラウンド・タスクは、データベースを最新に保ちかつRCCの割当てを確保するためCCU18をモニタする。
CCU18及びBCCモジュール41の両者によって生成されたBCCメッセージは、BCCモジュール41から受信される。これらのメッセージはBCCモジュール41を経てCCU18に送られる。
データはデータベースに書き込まれ、データベースから検索される。
初期状態においては、RPU20がシステムの現在ステートを判断できるように、ベースバンド・クェリイ(BASEBAND QUERY)メッセージがすべてのCCU18に送られる。ベースバンド・イベント又はレスポンス・メッセージから受信されたすべての情報はRPUデータベースに記憶される。RPU20が、CCU18にレディ状態でありリセット状態でない(すなわち、CCU18は正しくパワー・アップしていない)ことを示すベースバンド・イベント・メッセージを受信すると、CCU20に割り当てられた周波数は割当て済みとマークされる。そこでCCU18は、データベースを現在システム・ステートに更新するべくチャンネルクェリー(CHANNEL QUERY)メッセージの送付を受ける。CCUの初期化は、各CCU18がすべての特異な問い合わせメッセージに応答完了するか又は当該CCU18がダウンしていると判断されるごとに実施される。この時点において、レディ状態でありリセット状態(すなわち、CCUが正しくパワー・アップしている)にあると標示された各CCU18には周波数が割り当てられる。CCU18に制御チャンネルが未だに割り当てられていない場合は、RPU20は制御チャンネルの割当てを試みる。RPU20が最初に試みることは、加入者局がまずRCCの捜索対象としている第1の周波数に関するCCU18に制御チャンネルを割り当てることである。次の試みとしては未使用のスロット0を有するいずれかのCCU18を対象とし、最後の試みとしてはスロット0に関して接続を有するCCU18を対象とする。すべての使用中のCCU18がすでにスロット0に関して接続を有している場合は、スロット0に関しての接続の1つが接続解除になり制御チャンネルがそのスロットに割り当てられる。
いったんRPU20がすべてのCCU18と通信状態になると、CCU18のステートはCCU18又はBCCモジュール41から受信されたステータス・メッセージによってモニタされる。BCCモジュール41は、各CCU18に対する通信経路を絶えずモニタしている。CCU18は、CCU18がレディ状態でないことを示すベースバンド・イベント・メッセージが受信された場合は、動作していないものと考えられる。この場合は、CCU18はデータベース内の非レディ状態とマークされる。さらに、すべての接続は解除され、すべてのチャンネルは既定ステートに戻され、CCU18に割り当てられた周波数は割当て解除になる。当該CCU18が制御チャンネルを有していた場合は、新しい制御チャンネルが割り当てられる。
CCU18がレディ状態にありかつリセットされていることを示すベースバンド・イベント・メッセージが受信されると、そのCCU18は周波数が割り当てられる。制御チャンネルが現在CCU18に割り当てられていない場合は、リセットされているCCUのスロット0に制御チャンネルが割り当てられる。
CCU18がRPU20との通信を失ったことを示すベースバンド・イベント・メッセージが受信されると、チャンネル・クェリーメッセージ(すなわち、4つのチャンネルごとに1メッセージ)がそのCCU18に送られ、RPUデータベースをCCUのチャンネルの各々の現在ステートで更新する。各チャンネル・クェリーメッセージの受信に応答して、現在チャンネル・ステートと接続情報がデータベース内で更新される。チャンネルがシンク・ウェイト(SYNC WAIT)ステートにある場合は、加入者は最早接続に関係していないと見なされその接続は解除される。
最初に、CCU18は初期ステートについて、RPU20から問い合わせを受ける。CCU18は立上げを行うたびに又はステート変化を行うごとにイベント・メッセージを送る。メッセージを交換することにより、RPUのデータベースをシステムの現在状態に維持することができる。
データベース・モジュール
データベース・モジュール46は、データベースのアクセスに必要なデータベース・インタフェース・ルーチンを有している。これらのルーチンは、データベース内の情報に対するアクセスを必要とするすべてのモジュールのためデータベースへの簡潔なシングル・スレッド・インタフェースを付与する。このアクセス・ルーチンの大部分は、SINテーブル及びBCCテーブルに関係している。これらのテーブル内のすべてのフィールドに対するアクセスは、このアクセス・ルーチンによって提供されている。
データベース・モジュールはさらに、スタートアップ時のデータベースの初期化に重要な役割を果たしている。すべての有効フィールドは、このデータベース・モジュールの初期化部分によって適切な値に初期化される。
データベース・モジュールはさらに、下記のものを提供する。
(1)TTY初期化を支援する諸ルーチン。
(2)加入者がSINテーブルを探索するための2進探索ルーチン。
(3)周波数-CCUマッピングを支援するための諸ルーチン及び諸テーブル。
(4)診断表示情報の制御。及び
(5)周波数割付け。
データベース・モジュール46は、他のモジュールによるデータベースに対するアクセスを制御下で行わしめるルーチンの集合である。すべてのアクセスに対してデータ・ベース・ルーチンによりチャンネル付与することにより、データベースは外部モジュールから実質的に見えなくなる。このことにより、他のいずれのモジュールに対しても更新を要求することなくデータベースの変更を可能にする。データベースに変更が生じた場合は、データベースの変更した部分に対するインタフェース・ルーチンのみの変更が必要である。
周波数割付けタスク
RPU20が実施する周波数割付けタスクは、音声チャンネルを必要とする加入者局に対して適切な周波数及びスロットを選択する。選択アルゴリズムは、呼出しの種類(すなわち、内部呼出し又は外部呼出し)及び変調レベル(すなわち、16-ary又は4-ary)を考慮に入れる。周波数割付けタスクはデータベース46と機能的に無関係であるが、データベース内のデータ構造と密接な関係がある。この理由により、この機能は技術的にはデータベース・モジュール46内のルーチンではあるが、データベース・モジュールと分離して説明してある。
周波数割付けタスクは、呼出しのセットアップ時MPMによって使用されている。このタスクは、データベース・モジュール内のデータ構造の広範囲利用を提供している。
すべての周波数割付けリクェストはすべて二つのカテゴリの一つに該当する。第1のカテゴリは外部ソース・カテゴリ(External-source category)であり、第2のカテゴリは内部宛先カテゴリ(Internal-destination category)である。内部宛先カテゴリは内部呼出しの外来部分(すなわち、宛先)をカバーする。外部ソース・カテゴリは、到来呼出し又は出力呼出し又は内部呼出しの発信元に関係なく外部呼出しを含み他のすべての場合をカバーする。
周波数割付けタスクへの入力は、チャンネルを要求している加入者局のSINテーブルへのインデックスと発信加入者局のSINテーブルへのインデックスとにより構成されている。発信加入者局のインデックスは、チャンネルが内部宛先呼出しに対してセットアップ中の時に有効となるのみである。この時間以外のすべての時間においては、発呼加入者局のインデックスは前もって定義されている違法インデックスでDB NULLと定義されている。これらのインデックスは、適切なチャンネル(すなわち、周波数及びスロット)の割付けに必要とするすべての情報に対するアクセスを提供する。
周波数とスロットの組合せがうまく割り付けられると、周波数割付けルーチンはTRUEを返す。この割付けが不成功の場合は、FALSEを返す。割付けが完了すると、周波数割付けを要求している加入者局のSINテーブルに選択された周波数とスロットが投入される。
各周波数は4つのTDMスロットに分割されている。RPUのデータベースは、各位置における使用可能なスロット数のカウントを維持している。割当て要求が外部ソース・カテゴリに該当する場合は、スロットは最大の空きカウント数を有するスロット位置から選択される。一旦スロット位置が選択されると、そのスロットが使用可能な最初の周波数が選択される。実際には、要求がこのカテゴリに該当する場合は、いずれのスロットが選択されても構わない。しかし、本発明の手法はすべてのスロットに対して平等にシステムの負荷を分配する傾向にあり、さらに重要なことは内部呼出しに係わる両パーティに対する最適スロット割当ての確率を増加させるものである。加入者対加入者呼出しに対する最適スロット割当ては各加入者に対する基地局送信スロットを異なる周波数に関し同一スロットに設けることによって得られることがシステム・タイミングの計算によって示されることからも明らかである。加入者対加入者呼出しの発信者を最も可能性が高いスロット位置に割り当てることによって、宛先加入者局が異なる周波数に関しての同一スロット位置に割付け可能になるときが来た場合に、確率がより大きくなる。たとえば、位置No.2が最も可能性が高い位置であれば、それが割り付けられる。宛先加入者局の割付け要求が処理されると、位置No.2の他のスロットが選択される可能性が高く、このようにして最適のスロット対スロット割当てが可能になる。
割付け要求が内部宛先カテゴリに該当する場合は、割り当てられるべきスロットは選択テーブルから選ばれる。選択テーブルは、宛先加入者に対するスロット位置割当てを最も可能性の高いものから最も可能性の低いものの順に収録している。この順序は、発信加入者のスロット割当てに基礎をおいている。ここまでのところ、変調の形式については言及していない。この理由は、基本的な割付け規則は、一つの重要な例外を除き、4-aryと16-aryスロット選択とで異なる点がないからである。すなわち、スロット0又はスロット2のみを4-ary形式の接続に割り付けることができる。この例外及び2つの加入者局が異なる変調形式に設定可能であることにより、あらゆる可能な呼出し組合せを網羅するために合計4つの独特な選択テーブルが必要である。この4つのテーブルは以下の通りである。

各テーブルの各列にはその列に関連した定格が記載してある。この定格は特定スロットの好ましい値を示している。最も好ましいスロットは定格1であり、次に定格2、3となる。2つ又はそれ以上の選択テーブルの列が同一の好ましい値を有している場合は、それは同一の定格数字をとりこれに英字が続く。たとえば、3つの列がそれぞれ定格2a、2b、2cであるとすると、これらの列は同一の好ましい値を有し、その順序(a、b、c)は任意的なものとなる。



周波数割付けタスクは2つの入力を有する。これらの入力は適当な周波数及びスロット選択のために必要とする決定的な情報に対するアクセスを提供する。
第1の入力は、チャンネルを要求している加入者局のSINテーブルへの入力である。このインデックスにより、周波数割付けタスクは要求加入者局の既定変調形式を判断することができる。このインデックスはさらに、当該ルーチンに対してその選択アルゴリズムの結果(たとえば、周波数番号及びスロット番号)の投入先を指示する。
周波数割付けタスクへの第2の入力は、周波数・スロット要求のカテゴリを表示している。この第2の入力の値はSINテーブルへのインデックス、又は先に定義された違法値DB NULLのいずれかである。有効なインデックスが受信されると、当該周波数割当て要求は加入者局対加入者局呼出しの宛先側であると識別されかつ選択テーブルが使用されなければならない。DB NULLが受信されると、当該要求は外部ソース・カテゴリに該当するものと判断されかつ“最大可能性のスロット位置”アルゴリズムを使用することになる。
周波数・スロット組合せがうまく割り付けられると周波数割付けタスクはTRUEを返し、割付け不能の場合はFALSEを返す。このタスクはさらに、一方の所望側を有効化する。割付けが成功すると、SINテーブルのベースバンド及びスロット・フィールドは当該要求加入者局のために書き込まれる。
周波数割付けアルゴリズムは、2つの段階に分けることができる。分類段階と呼ばれる第1の段階は、割付け要求のカテゴリを判断する。選択段階と呼ばれる第2の段階は、割付け要求カテゴリによって決定された適切なアルゴリズムを使用して周波数・スロット組合せを見出しかつ割り付ける。
分類段階はまず自動周波数選択を実施すべきか否かを判断する。要求加入者局が手動モードに設定されていると、指定された手動変調レベル値、手動周波数値、及び手動スロット値が、割り付けるべき周波数・スロット・変調を指定する。指定された周波数・スロットが使用可能であれば、これらの周波数・スロットが要求加入者局に割り当てられる。指定された周波数・スロットが使用不能であれば、ルーチンによりFALSE値が返される。要求加入者局が自動モードに設定されていると、さらに分類が必要となる。
自動選択を行うべく決定した後、周波数割付けアルゴリズムは要求カテゴリを判断する。要求カテゴリは以下の通りである。すなわち、宛先加入者局が外部電話機から呼び出されている場合は、“外部・イン(External-In)”を使用し、発信加入者局が外部電話機を呼び出している場合は“外部・アウト(External-Out)”を使用し、発信加入者局が他の加入者局を呼び出している場合は“内部・アウト(Internal-Out)”を使用し、宛先加入者局が他の加入者局から呼び出されている場合は“内部・イン(Internal-In)”を使用する。当該要求が外部・イン、外部・アウト、又は内部・アウトである場合は、スロット位置は最も可能性のある位置を探索することによって選択される。一旦位置が選択されると、所望の位置の空きスロット(又は4-ary要求の場合は隣接スロット対)が発見されるまで、すべての周波数が逐次的に探索される。この時点で、ルーチンは適切な値をSINテーブルに投入しTRUE値を返して退去する。当該要求が最後のカテゴリ(内部・イン)に該当する場合は、さらに情報が必要となる。
内部・イン形式の要求が発生すると、さらに2個の情報ビットが必要となる。発信加入者局のスロット割当てと変調形式(4-aryか16-ary)が抽出されなければならない。これが完了すると、発信加入者局と宛先加入者局との変調形式に基づいて適切な選択テーブルが決定される。テーブルの選択が完了すると、発信加入者局のスロット割当てを使用して、使用する適切な選択テーブル列を決定する。選択された列の各逐次要素は、同じ程度の好ましいスロット割当て又は若干劣るスロット割当てを有している。最も好ましい位置から始めすべてのスロット位置がつきるまで、このリストを調べ使用可能なスロットを発見する。各スロット位置(4-ary接続に対してはスロット対)について、実際のスロット(又はスロット対)が発見されるまで各周波数の逐次探索を実施する。導出(derived)周波数値及びスロット値は適切なSINテーブル記述項に入力されず、当該ルーチンが退去し、値TRUEを返す。
“スロット・カウント”アレイは、各スロット位置ごとに使用可能スロット数のトラックを保持する。これらのカウントはデータベース・モジュールによって維持され、周波数割付けタスクによって引用される。
SINテーブルは、システムによって認識された加入者局の各々についての関連情報を含んでいる。SINテーブルに対しては下記のアクセスが行われる。
変調レベル(読出し):周波数を要求している加入者局の変調レベルは、内部呼出しセットアップ時、発信加入者局の変調レベルとともにこのテーブルから抽出される。
スロット番号(読出し):内部呼出しセットアップ中の発信加入者局のスロット割当てが抽出されなければならない。
スロット番号(書込み):チャンネルを要求している加入者局のスロット割当てがここに投入される。
ベースバンド・インデックス:チャンネルを要求している加入者局の周波数割当てがここに格納される。
BCCテーブルは、使用可能周波数・スロット組合せの探索のため周波数割付けルーチンによって使用される。BCCテーブルに対して下記のアクセスが行われる。
チャンネル・ステート(読出し):チャンネルのステートは、そのチャンネルの使用可能性を決定するためチェックされる。
チャンネル・ステータス(読出し):チャンネル・ステータスは、指定されたチャンネルが音声チャンネルであることを確認するためチェックされる。
チャンネル・ステート(書込み):チャンネル・ステートは、指定されたチャンネルが割付けのため選択された場合変更される。
チャンネル・コントロール(書込み):要求加入者局の変調形式は、チャンネル制御バイトに書き込まれる。
SIN・インデックス:選択されたチャンネルから要求加入者局へのリンクを確立する。
周波数割付けルーチンは直接データベースにアクセスする。このことは、迅速性及び効率性を考慮した場合に必要である。可能である限り、データベース・インタフェース・ルーチンは、周波数割付けルーチンからデータベースに対するアクセスのため使用される。
加入者電話機インタフェース装置(STU)
STUはその基本動作モードにおいて、標準電話機セットからインタフェースされた2線式アナログ信号を63Kbps PCMコード化ディジタル・サンプルに変換する。第12図によると、STUは回線37を通して500型押しボタン電話機セットに直結している加入者回線インタフェース回路(SLIC)53を含んでいる。SLIC53は電話機の作動のための正しい電圧及びインピーダンス特性を提供する。さらに、SLIC53は電話機セットに対して“呼出し音(ring)”電流を印加せしめ、又“オンフック/オフフック”検出を行う。ライン54のSLIC53の信号出力は、アナログ音声周波数(VF)送信及び受信信号である。これらの信号は、PCM符復号器55によってPCMサンプルに逐次変換される。PCM符復号器55はμ-255圧縮アルゴリズムを使用し、音声信号を8KHzレートの8ビット・サンプルにディジタル化する。PCM符復号器55は性格的には全二重である。ディジタル化された音声サンプルは次に“モード選択”マルチプレクサ(MUX)57へのライン56に供給される。MUXの動作モードは、送信及び受信FIFO59によってMUX57とインタフェースしている加入者制御装置SCU58によって決定される。SCU58は本質的にModel8031マイクロコントローラを含んでいる。このSCUはCCU29に結合している。RS-232インタフェース回路を通してさらにSLIC53の動作を制御する。
STUは3種類の異なるモードのいずれかで本質的に動作する。第1のモード、すなわち最も基本的なモードは音声モードである。このモードにおいては、PCM符復号器55からの音声サンプルはモード選択MUX57及びVCU励振/受信(driver/receiver)回路61を通してVCU28に転送され、このVCU28においてさらに処理されてビット・レートが64Kbpsから14.6Kbpsに減少し、基地局への伝送のため送出される。
第2の動作モードはデータ・モードである。このモードにおいては、VCU28への/からの64Kbpsストリームは音声情報には関係なく、基地局の伝達される情報は最大14.6Kbpsのチャンネル・データ伝送レートで伝送される外部データ源からの再形式化されたデータ・ストリームである。このSTUはさらに、最大伝送速度9600ボーで動作する標準非同期RS-232インタフェースを使用してライン63を通してデータ装置(たとえば、端末装置)の接続を可能にするRS-232データ・ポート62を含んでいる。STUはRS-232データ・ポート62からのデータを同期させるためのUARTとタイマ回路64を含む。VCU28は、同期化されたデータが14.6Kbpsのチャンネル制限を通過できるように同期化されたデータをパケット化する。全二重データ伝送はこのモードで支援される。
第3のSTUモードは呼出しセットアップ・モードである。このモードにおいては、STU27からモード選択MUX57を経てVCU28へのデータ伝達は行われない。しかし、呼出し音(ring back tone)発生回路65はモード選択MUX57に接続される。この回路は、話中音やエラー音のごとき呼出し設定手順に使用される音をディジタル的に合成する。呼出し設定時、使用者によってダイアルされたDTMF数字はDTMF検出回路66によって検出され、そしてSCU58によって処理され呼出しを設定する。呼出し音発生回路65は、使用者のヘッド・セットに適切な信号音を返す。呼出し音発生器67はSLIC53に接続されている。タイミング発生器68は、PCM符復号器55、VCU励振/受信回路61、及び呼出し音発生回路65にタイミング信号を供給する。一旦呼出し設定が完了すると、STUは基地局との通信を行うため音声モード又はデータ・モードのいずれかに切り替わる。
STUの他の必要条件は、遠隔接続からの非所望エコー信号の除去に備えることである。音声信号が基地局と加入者局との間を往復する遅延は、優に100msecを超えるであろう。いずれかの端部におけるインピーダンス不整合に起因するすべての反射信号は、不快なエコー・リターン(echo return)の発生を招く。この問題は、PBX機能内のエコー除去システムにより基地局内で処理されている。STUは加入者局におけるエコー除去に備えなければならない。少なくとも40dBのエコー減衰がこのエコー除去から得られるように期待されている。しかし、関心のある反射はSTUのSLIC53と区域内電話機セット自身との間にあるので、除去するエコー遅延は非常に少量のものである。この距離は典型的に1フィートの数十分の一にすぎず、遅延は本質的にゼロである。
SCU内の8031マイクロコントローラ58は、基地局内のRPU20及びPBX呼出し処理装置24の機能を行う。このマイクロコントローラ58は無線制御チャンネル(RCC)に送出したメッセージにより基地局のRPU20と交信するとともにSTU27のすべての個々の機能を制御する。SCTUはさらに、ベースバンド制御チャンネル(BCC)を通して加入者局のCCU29と交信する。CCU29に対するRS-232インタフェースは9600ボーで動作し、加入者局内のCCU29とSTU27との間の制御情報の伝達に使用されている。
音声符復号装置(VCU)
音声符復号装置(VCU)は、4つの全二重のRELP音声圧縮システムの役割を果たしている。VCUの設計は、基地局及び加入者局とも同一である。加入者局においては、全機能の1/4のみ(すなわち、4つのチャンネルのうちの1つのチャンネルのみ)が使用されている。加入者局内のSTU27へのインタフェースは、基地局VCU17のインタフェースの4つのPBXチャンネルの各々によって使用されているインタフェースと同一である。VCU17、28はRELP音声アルゴリズムを実施するため全ディジタル・スキームを使用しているが、このことは[アメリカ合衆国特許出願第667,466号、発明の名称“RELP Vocoder Implemented in Digital Signal Processor”、出願日1984年11月2日、発明者Philip J.Wilson]に記述してあり、その出願明細書の開示事項を関連文書として本明細書に組み入れる。選択的に、サブバンド符復号器を使用することができる。処理されたデータは、CCUソフトウェアによって制御されている共通並列バス・インタフェースに接続のCCU18及び29に供給される。CCU18及び29は、CCU18及び29内の動作モード及び構成を判断するための制御信号をVCU17及び28に送る。VCU17及び28に関係する動作モード、機能説明及び実動化を以下に説明する。
PBX15とVCU17との間のインタフェースは第13図に示すとおりである。STU27とVCU28との間のインタフェースは第14図に示すとおりである。STU27インタフェースは、STU27はただ1つの全二重音声チャンネル動作を提供するという点でPBX15インタフェースのサブセットである。PBXインタフェースとSTUインタフェースのタイミング関係は同一でありこれらは第15図に示すとおりである。第10表は第15図において使用されているシンボルが表す特性を示している。

第13図によると、PBX SDAT0、同1、同2、同3のライン70、71、72、73は、基地局内のPBX15からVCU17にデータ信号を搬送する。加入者局においては、データ信号はSTU SDAT0ライン74によりSTU27からVCU28に搬送される(第14図)。8ビットのμ-255圧縮直列データは、256KHzのクロック・レートでPBX/STU GATE0またはPBXGATE1・・・3のアクティブ部分の間に音声符復号器に送られる。データは256KHzクロックの立上がり縁でVCU17及び28にクロック・インされる。
VCU SDAT0、同1、同2、同3のライン75、76、77、78は基地局内のVCUからPBX15にデータ信号を搬送する。VCU SDAT0のライン29は、加入者局内のVCU28からSTU27にデータを搬送する。8ビットのμ-255圧縮直列データは、256KHzのクロック・レートでPBX/STU GATE0またはPBX GATE1・・・3のアクティブ・ハイ部分の間に音声符復号器からPBX15又はSTU27に送られる。データは256KHzクロックの立上がり縁でVCU17及び28からクロック・アウトされる。
PBX GATE0、同1、同2、同3のライン80、81、82、83は、基地局内のPBX15からVCU17へゲート信号を搬送する。STU GATE0のライン84は、加入者局内のSTU27からVCU28にゲート信号を搬送する。ゲート信号は、PBX/STU SDAT0、PBX SDAT1・・・3及びVCD SDAT0・・・3の転送を可能にするため使用されるアクティブ・ハイ信号である。このゲート信号は、125マイクロ秒ごとの8連続クロック期間の間アクティブになる。
PBX CLK0、同1、同2、同3のライン85、86、87、88は、基地局内のPBX15からVCU17へ256KHzのクロック信号を搬送する。STU CLK0のライン89は、加入者局内のSTU27からVCU28に256KHzのクロック信号を搬送する。256KHzのクロック信号は、PBX/STU SDAT0及びPBX SDAT1・・・3信号をVCU17及び28に、さらにSDAT0・・・3信号をPBX15又はSTU27にクロック調整する(clock)ために使用される。しかし、これらのクロックはVCU17、VCU28、CCU18、CCU29、又はモデム19、30内で発生したいずれのクロックとも同期していない。
基地局においては、PBX-VCUインタフェースは同期64Kbps直列データの4つのチャンネルを8ビットの並列データに変換し、この並列データは8KHzのサンプリング・レートの4個の送信音声符復号器16に対して使用可能状態におかれる。加入者局においては、ただ1つのチャンネル(チャンネル0)がSTU-VCUインタフェースによって変換される。必要とするクロック及びゲートは、PBX15及びSTU27によって供給される。
PBX-VCUインタフェース及びSTU-VCUインタフェースはさらに、受信音声符復号器に対して相補機能を果たす。基地局においては、4個の符復号器チャンネルから受信した8ビットの並列データは、PBX15への逆伝送のため4つの64Kbps同期直列チャンネルに変換される。加入者局においては、1つの音声チャンネルが変換されSTU27に逆送出される。
VCU17、28とCCU18、29との間のハードウェア・インタフェースは第16図に示してある。VCUとCCUとの間の送信及び受信チャンネルのタイミング関係は、第17図、第18図にそれぞれ示してある。第11表、第12表は、第17図、第18図に使用されているシンボルが表す特性をそれぞれ示している。
第17図、第18図は、第19A図及び第19B図に示すV-CBTPの間に発生するイベントを詳しく図説している。ここのインタフェース信号の定義は以下の節に記載してある。


第19A図及び第19B図は、16レベル位相シフト・キーイング(PSK)変調のため、VCU17、28とCCU18、29との間で転送される種々の送信及び受信通話ブロックの間のタイミング関係を示している。第19A図の最上部は、すべての転送の基準となるシステム・フレーム・タイミングである。このフレーム・タイミングは第19B図にもあてはまる。1つのモデム・フレームは長さが45ミリ秒でかつ4つの音声スロット(すなわちチャンネル)を含んでいる。各音声スロットは、通話データの2つのシステム音声ブロック期間(SVBP)で構成されていて、この各々のシステム音声ブロック期間は82個のシンボル(5.125msecを要する)とフレーム・タイムの1.0msecを要する16個の追加オーバヘッド・データ・シンボルを有する。
送信チャンネルについては、処理済み通話の1ブロック328ビット(41バイト)は、音声符復号ブロック転送期間(VCBTP)における各SVBPの開始に先立ち、VCU17、28からCCU18、29に転送される。処理済み通話ブロックに関連しているVCUの64Kbps入力データ・ストリームは、長さ22.5msecの音声符復号ブロック期間(VCBPs)に区分した状態で示してある。第19A図の送信チャンネル0を見ると、VCBPsのOA1とOB1の未処理VC入力データは、VCBTPsのOA1とOB1の処理済みデータに関連している。又、チャンネル0及びチャンネル2のVCBPsは、チャンネル1及びチャンネル3のVCBPsからのVCBP(すなわち、11.25msec)の1/2だけずれている(staggered)。
受信チャンネルについては(第19B図)、処理済み通話の1ブロック328ビット(41バイト)は、VCBTPの期間における各SVBPの終わりに、CCU18、29からVCU17、28に転送される。送信チャンネルの場合と同様に、VCBTPに対するVCBPのタイム・スキュー(time skew)はインプリメンテーションに依存し(implementation dependent)、1つのVCBPの(最大)オフセットは第19B図に示してある。第19A図、第19B図を参照すると、音声符復号器の入力データと出力データとの関係が理解できる。受信チャンネル0に関しては、VCBTPのOA10及びOB10期間中に転送された圧縮通話データは、VCBPSのOA10及びOB10期間内の処理済み伸長データ・ストリームと関連している。
TCADDRライン90は、CCU18、29からVCU17、28にチャンネル・アドレス信号を搬送する。これらの3本のアドレス・ラインは、現在の送信チャンネル・アドレスを選択するために使用されている。
TCADATAバス91は、VCU17、28とCCU18、29との間の送信チャンネル・データ信号の搬送を行う。
TCDAVライン92は、VCU17、28からCCU18、29に送信チャンネル・データ使用可能信号(transmit channel data available signal)を搬送する。TCDAV/信号は、TCDATAレジスタ内にデータ・バイトが使用可能であることをCCU18、29に示す。TCDAV信号は、TCDACK信号が起動されるまでロー・レベルを保ち続ける。
TCDACKライン93は、CCU18、29からVCU17、28に送信チャンネル・データ肯定応答信号(transmit channel data acknowledge signal)を搬送する。TCDACK/信号は、データをTCDATAバスにゲートしかつTCDAV/をリセットする。
TCSCWRライン94は、CCU18、29からVCU17、28に送信チャンネル・ステータス/制御書込み信号(transmit channel status/control write signal)を搬送する。TCSCWR信号は、TCADDRラインによって決められた適切な送信チャンネル制御レジスタに対し音声符復号器制御ワードの書込みを行う。データは、TCSCWR信号の立上り縁でレジスタにラッチされる。
TCSCRDライン95は、CCU18、29からVCU17、28に送信チャンネル・ステータス/制御読出し信号(transmit channel status/control read signal)を搬送する。TCSCRD信号は、TCADDRラインによって指定された音声符復号器ステータス・レジスタからTCDATAバスにステータス・バイトをゲートする。
BLOCKRQライン96は、CCU18、29からVCU17、28にブロック要求信号(block request signal)を搬送する。BLOCKRQ信号は、TCDATAバスを通して音声符復号器(TCADDRラインによって指定)からCCU18、29に対しての41バイト・ブロックのデータ転送を開始させる。BLOCKRQはVCBPタイミングを起動するため音声符復号器によって使用される。
TCVCRSTライン97は、CCU18、29からVCU17、28に送信チャンネル音声符復号器リセット信号(transmit channel voice codec reset signal)を搬送する。TCADDRラインによって指定された送信音声符復号器がリセットされる。
RCADDRライン98は、CCU18、29からVCU17、28に受信チャンネル・アドレス信号(receive channel address signal)を搬送する。これらのアドレス・ラインは、以下のとおり現在の受信チャンネル・アドレスを選択するため使用される。
RCDATAバス98は、CCU18、29とVCU17、28との間で受信チャンネル・データ信号を搬送する。
RCDAVライン100は、CCU18、29からVCU17、28に受信チャンネル・データ使用可能信号(receive channel data available signal)を搬送する。RCDAV信号は、RCADDRラインによって指定された音声符復号器に対して、RCDATAレジスタ内にデータ・バイトが使用可能であることを示す。RCDAV信号は、RCDATAバス及びRCDATAレジスタに対してデータをゲートし、さらにRCDACKラインをリセットする。
RCDACKライン101は、VCU17、28からCCU18、29に受信チャンネル・データ肯定応答信号(receive channel data acknowledge signal)を搬送する。RCDACK信号は、RCDATAレジスタからのデータの読出しが完了したこと及び他のバイトをCCU18、29から転送してもよいことをCCU18、29に示す。
RCSCWRライン102は、CCU18、29からVCU17、28に受信チャンネル・ステータス/制御書込み信号(receive channel status/control write signal)を搬送する。RCSCWR信号は、RCADDRラインによって決められた適切な音声符復号器制御レジスタに制御ワードの書込みを行う。データは、RCSCWR信号の立上り縁でレジスタにラッチされる。
RCSCRDライン103は、VCU17、28からCCU18、29にチャンネル・ステータス/制御読出し信号(channel status/control read signal)を搬送する。RCSCRD信号は、RCADDRラインによって指定されたステータス・レジスタからRCDATAバスに音声符復号器ステータス・ワードをゲートする。
BLOCKRDYライン104は、CCU18、29からVCU17、28にブロック・レディ信号(block ready signal)を搬送する。BLOCKRDY信号は、CCU18、29からRCADDRラインによって指定された音声符復号器に対する41バイト・ブロックのデータ転送を開始させる。BLOCKRDY信号はVCBPタイミングを起動するため音声符復号器によって使用される。CCU18、29は、BLOCKRDY信号の立上り縁に先立ってRCDATAレジスタ内に使用可能なデータ・バイトを有することが必要である。
RCVCRSTライン105は、CCU18、29からVCU17、28に受信チャンネル音声符復号器リセット信号(receive channel voice codec reset signal)を搬送する。RCADDRラインによって指定された音声符復号器がRCVCRST信号によってリセットされる。
受信チャンネルVCUハードウェアは、第20A図に示すようにVCBTPの期間にCCU18、29から、41バイト・ブロックの入力データを受信する。現在の動作モードに基づくデータ処理後、PBX(STU)インタフェース・モジュールに対して8KHzレートで8ビットのμ-law圧縮データが転送される。CCU18、29の入力/出力要求を簡単にするため、データ緩衝がVCU17、28内で実施される。第18図に示すようにVCBTPの始めにおいて各受信チャンネルに対し1組の制御及びステータス・ポートを経由してVCU17、28とCCU18、29との間に制御情報が授受される。以下の動作モードが受信符復号器によって支援されている。
外部モードにおいては、通話帯域幅伸長は入力データ・レート14.6Kbps(毎22.5msecごとに328ビット)及び出力データ・レート64Kbpsで行われる。通話データはDTMF音を含むこともできる。
内部モードにおいては、以前に圧縮された14.6Kbpsの通話データは、CCU18、29からVCU17、28を経てPBX15又はSTU27に送られる。PBX15又はSTU27は64Kbpsデータを期待しているので、データ・ストリームの埋込み操作(padding)が起こらなければならない。出力(64Kbps)データは、通話データがCCU18、29から使用可能になるまで、アイドル・バイト(FF、16進)・パターンで構成されている。同期バイト(55、16進)が出力され、これに41個の以前に処理されたデータ・バイトが続き、この期にアイドル・バイト・パターンが続く。第20A図は16PSK変調の入力及び出力データ・タイミング及び内容の一例を示している。
沈黙モードにおいては、CCU18、29からの通話データ入力ブロックは消費されるが使用されない。PBX15又はSTU27への出力アイドル・バイト・パターン(FF、16進)はラインの沈黙を保証するために維持される。
待機モードにおいては、連続的なバードウェア診断ルーチンが実行されかつ結果のステータスがステータス・レジスタに格納される。CCU18、29へのブロック転送は、VCBTPAに対応するブロック要求によって動作モードが切り換えられるまで、起こらない。新しい制御ワード(及び動作モード)が音声符復号器によって読み出されかつ診断ステータス情報がCCU18、29に対して送達される。
送信チャンネルVCUハードウェアは、PBX/STUインタフェースから8ビットのμ-law圧縮PCM(8KHzサンプリング・レート)を受信する。現在の動作モードに基づくデータ処理の後、第19A図に示すように音声符復号器ブロック転送期間(VCBTP)中に41バイト・ブロックでCCU18、29に対して出力データが転送される。CCU18、29の入力/出力要求を簡単にするため、データ緩衝がVCU17、28内で実施される。第17図に示すようにVCBTPの始めにおいて各送信チャンネルに対し1組の制御及びステータス・ポートを経由してVCU17、28とCCU18、29との間に制御情報が授受される。以下の動作モードが送信符復号器によって支援されている。
外部モードにおいては、通話帯域帯圧縮は出力データ・レート14.6Kbps(毎22.5msecごとに328ビット)で行われる。処理された通話データは、CCU18、29に対して41バイト・ブロックで転送される。通話データは二重音調複数周波数(Dual-Tone-Multi-Frequency(DYMF))音を含むこともできる。
内部モードにおいては、以前に処理された通話データは、PBX15又はSTU27からVCU17、28を通過しそしてCCU18、29に送られる。64Kbpsの入力データ・ストリームは、次の同期バイトの発生まで、アイドル・バイト・パターン(FF、16進)、1個の同期バイト(55、16進)、41個の以前に処理された圧縮通話データ・バイト、及び追加アイドル・バイトで構成されている。音声符復号器は、バイト境界に発生する同期バイトを求めて入力データをモニタし、41バイトの通話データを緩衝する。通話ブロックは、上述のように次のVCBTPの期間にCCU18、29に転送される。第20B図は、16-PSK変調の入力・出力データ・タイミング及び内容の一例を示している。出力チャンネルのセグメント1は同期バイトで、セグメント2は処理済み通話バイトである。斜線で示してセグメントは、アイドル・バイト・パターンを示している。同期及び通話データ・バイトは、VCBP境界を横切っては発生しないことに注目されたい。
沈黙モードにおいては、PBX15又はSTU27からの入力通話データは消費されるが使用されない。CCUへの41バイトの出力通話データは沈黙音声パターンを含んでいる。
待機モードにおいては、連続的なハードウェア診断ルーチンが実行されかつ結果のステータスがステータス・レジスタに格納される。CCU18、29へのブロック転送は、VCBTPAに対応するブロック要求によって動作モードが切り換えられるまで起こらない。新しい制御ワード(及び動作モード)がVCU17、28によって読み出されかつ診断ステータス情報がCCU18、29に送達される。
符復号器フレームはRELPアルゴリズムのインプリメンテーション要求に基づいて定義されるが、このフレームは音声コード化ブロック期間(VCBP)の整数約数、すなわち22.5msecでなければならない。
PBX15及びSTU27は内部システム・タイミングと非同期動作している事実から、データのオーバラン及びアンダランを検出、報告、及び補償する手段がVCU17、28内に組み込まれなければならない。この条件は毎5,000VCBPごとに約1回起こる。オーバラン及びアンダランの検出はインプリメンテーションに依存するので、このようなエラーの報告はステータス・ワードで与えられる。データ・アンダフローは所要の都度最終通話を繰り返すことによって補償することができ、オーバフローは所要の都度通話サンプル(speech sample(s))を無視することによって処理することができる。
いずれか1つの(又はすべての)符復号器がリセットされた後、たとえば第19A図に示すように、VCBTPAはCCU18、29から転送された最初のブロックとなる。
チャンネル制御装置(CCU)
チャンネル制御装置(CCU)は、加入者局及び基地局の両者において類似した機能を実行する。CCU機能のため両局で使用されているハードウェアは実際に同一である。加入者局のソフトウェアは基地局のソフトウェアと僅かに異なっている。CCUは、時分割伝送チャンネルの動作に関連する情報の形式化及びタイミングに関する多くの機能を行う。CCUに対する基本的な入力は、4つのソース(source)から供給される。第1に、伝送されるべき現実のディジタル化されたサンプルがある。これらのサンプルは、VCU17、28からCCU18、29に伝送される(第2、3図)。このデータはSTU内のRS-232データ・ポート10からのコード化音声サンプル又はデータ・サンプルでありうる(第12図)。いずれの場合も、ディジタル・チャンネルは16Kbpsで動作する。4つのチャンネルは、すべての4つの16レベルのPSK伝送チャンネルが動作状態にある基地局で動作している場合CCU18によって同時並行的に処理されることができる。加入者局CCU29はただ1つのストリームに関して動作するが、そのストリームはTDMAフレーム指示スキームに関連している4つのスロット位置のいずれに存在していても構わない。CCUに対する第2の入力は、STU27(加入者局内の)又はRPU20(基地局内の)からベースバンド制御チャンネル(BCC)を経由して供給される。この第2の入力は、動作モード、ステータス、及び制御情報に関係する制御メッセージを供給する。CCU18、29からのBCCメッセージの多くは、CCU18、29が受信した無線制御チャンネル(RCC)メッセージである。CCU18、29は、RCCメッセージからの制御情報をSTU27又はRPU20に送達し、これに応じて、RPU20又はSTU27から制御メッセージを受信する。これにより、CCU18、29がVCU17、28からのデータに対して行うべき処置を決定する。第3の入力ソースは、モデム19、30aからのタイミング及びステータス情報を供給する。モデム19は、VCU-CCU-モデム・チェーンで使用されているマスタ・クロック信号を供給する。さらに、モデム19、30aは、そのビット・トラッキング同期の正確度、RF AGCレベルの設定、及び十分に信頼できる通信が当該チャンネルを通して行われているか否かを判断するためCCU18、29によって使用されている”状態(goodness)”インジケータに関するステータスを提供する。CCU18、29は、送信電力レベル、AGCレベル、及びタイミング/レンジング計算を変えるコマンドにより、瞬時モデム19、30a動作の”精密同調(fine-tuning)”の制御を試みる。モデム伝送の品質レベル測定値はRPU20又はSTU27に報告される。第4の入力ソースは、各々最大4ビット(変調レベルに依存する)のシンボルとして受信された実際のモデム・データである。これらのシンボルは緩衝され、ディマルチプレックスされ(demultiplexed)、そしてでコーディングのためVCU17、28受信回路に出力される。
第21図はCCUのブロック図である。CCUの体系(architecture)は本質的に、インテリジェント・マイクロプロセッサ・コントローラを有する2つの一方向直接メモリ・アクセス(DMA)データ・チャンネルである。DMAチャンネルの機能は、VCUからモデムに又はモデムからVCUにデータを転送することである。VCUへのCCUインタフェースは、2つの並列DMAバス、すなわち送信チャンネル(VCU→CCU→モデム)のためのTXバス107及び受信チャンネル(モデム→CCU→VCU)のためのRXバス108を有する。VCUの送信回路によって処理されたデータは、CCUがDMA転送を要求するまでVCUメモリ内に格納されている。各ブロック転送期間に、41個のバイトがCCUに転送される。これらのブロックの2つは、TDMAフレームごとにアクティブ音声チャンネル(基地局においては最大4音声チャンネル)によって伝送される。CCUはこれらの送信バイトを送信音声符復号器インタフェース・モジュール(TVCIM)109を通して受信しかつこれらを送信メモリ・モジュール(TMM)110に格納する。当該チャンネルの特定の動作モードに依存して、マイクロコントローラ・モジュール(MCM)内に含まれているCCUプロセッサは、コード化された音声バイトに対して制御/同期見出しを付加し、これにより送信モデム・インタフェース・モジュール112を経由してモデムに伝送するための完全音声パケットの形式化を行う。MCM111はフレーム・タイミング情報を維持しかつ正しい時間にモデムにデータを転送する。送信データはモデムに転送される前に、MCM111によって、CCUによって使用された8-ビットのバイト形式から、当該スロットの変調レベルに依存して、シンボルごとに1、2、又は4ビットを含む形式に変換される。
反転処理はモデムからの受信データに対して実施される。モデムからのデータは、受信モデム・インタフェース・モジュール(RMIM)114によって受信されかつ受信メモリ・モジュール(RMM)115に格納される。このデータは次に、モデムによって使用される1、2、又は4ビット/シンボル形式からCCU及び他のすべてのベースバンド処理によって内部的に使用される8-ビットのバイト形式に変換される。オーバヘッド及び制御ビットは、モデムによってフレーム・タイミング・モジュール(FTM)に与えられたフレーム・タイミングについてのMCM111の承知内容(knowledge)及びシンボル・ストリーム内の種々のコード・ワードをMCM111自体が識別した結果に基づいて、RXバス108の入力データ・ストリームからMCM111によって除去される、変換されたデータは、受信音声符復号器インタフェース・モジュール(RVCIM)117を通してVCUに供給される。
CCUはさらに、基地局及び加入者局における無線制御チャンネル(RCC)伝送に対するリンク・レベルの制御を提供する。基地局においては、RCCチャンネルの処理としてRPUによってただ1つのCCUが構成される。このCCUは、基地局のRPUから加入者局のSTUコントローラへのメッセージの受信及び形式化を制御する。CCUのこの制御機能は、無線リンク全般にわたる伝送に備えてのRCC情報の形式化及びパケット化はもとよりRCCメッセージの検出及びエラー制御を含む。CCUはさらに、基地局における入力RCCに関する衝突を検出する。CCUは初期取得操作(initial acquisition effort)を実施中の加入者局のための電力及びレンジング計算を制御する。取得のためのプロトコル及び他のRCC機能は上述のとおりである。
第22図はCCUのソフトウェア的(software-implemented)機能体系を示している。CCUは3つの別個のデータ経路、すなわち送信バスTX107、受信バスRX108、及びマイクロコントローラ・ローカル・バス119を有する。マイクロコントローラ111はメモリ・アクセス(DMA)コントローラ120とTXバス107を共用しかつディレクタDMAコントローラ(director DMA controller)とRXバス108を共用している。マイクロコントローラ111はこれらのリモート・バスを使用してDMAコントローラ周辺装置、制御/ステータス・レジスタ122を制御するとともに送信バッファ・メモリ110及び受信バッファ・メモリ115をアクセスする。マイクロコントローラ・ローカル・バス119の枝線にある制御及びステータス・レジスタ122は、RFU、モデム、及びCCUハードウェアに対するインタフェースを提供する。RPUとCCUとの間のRS-232Cリンク123は、マイクロコントローラ・チップ111のUARTによって支援されている。加入者局においては、RPUはSTUが取って代わるがインタフェースはそのままである。
マイクロコントローラ111は、3つの物理的に分離しているRAM記憶領域、すなわち、ローカルRAM、送信バッファ、及び受信バッファにアクセスを有している。ローカルRAMはさらにオンチップRAMとオフチップRAMに分けることができる。送信バッファと受信バッファとは、それぞれのDMAコントローラがアイドル状態にあるとき、マイクロコントローラによるアクセスのみが可能である。
送信バッファ110は多くの異なるセグメントに分割されている。各セグメントは、チャンネルにより伝送可能状態にある音声又はRCCパケットのスケルトンを有する。プリアンブル及びユニーク・ワード(RCCのみ)はCCUのリセット後マイクロコントローラ111によって初期化される定数である。コード・ワード(音声のみ)、音声データ、及びRCCデータは、モデム19、30aに対するDMA伝送の直前に、マイクロコントローラによって送信バッファ110に書き込まれる。RCC“ナルACK”は高い周波数で送られた固定メッセージであるので、個別構成要素として送信バッファ110に格納される。
受信バッファ115は多くの異なるセグメントに分割されている。1つのセグメントは音声データの記憶用であり、このデータはVCUブロック基準で記憶されかつ伝送される。RCCデータは長時間にわたっての保持を可能にするため音声データと別に記憶される。必要であれば、マイクロコントローラ111は受信バッファ115内に2フレームのRCCヒストリを維持することができ、RCCコピー・タスク(バッファからローカルRAMへ)の時間的微妙性を軽減している。
ローカルRAMはマイクロコントローラ111によって使用される作業用変数を含んでいる。ここに記憶されている1つの重要なデータ構造は、CCUとRPUとの間のベースバンド制御チャンネル(BCC)を支援する。ローカルRAMの1つのレジスタ・バンクは、RS-232C割込み処理ルーチン(interrupt handler)に基本待ち行列情報を提供するために割り当てられる。このバンク内のポインタ及びレングス・フィールドは、アクティブな送信データ・ブロック(TXDB)を定義しこのブロックからデータが読み出されかつ伝送される。TXDBは待ち行列中の次のTXDBに対するレングス及びポインタ情報を含み、これによりリンクされたリストを形成する。受信側においては、入力データ・バイトを記憶するため循環バッファを使用している。完全なメッセージが受信されると、割込み処理ルーチンは直列コードをフラッグ立てしてそのメッセージの割込みを行う。
マイクロコントローラ111はそのローカル・バス119を使用して、モデム、RFU、及びCCU制御・ステータス・レジスタ122にアクセスする。このバスはさらに、分離論理回路124及び同125を通してそれぞれTXバス107及びRXバス108に対するアクセスを提供する。回線争奪を回避するため、リモート・バス107、108はそれぞれのDMAコントローラ120又は121がアイドル状態にあるとき、マイクロコントローラ111によるアクセスのみが行われる。
CCUとRPUは、ベースバンド制御チャンネル(BCC)と呼ばれる全二重RS-232Cインタフェースを通してのリンク123により通信を行う。非同期文字は8ビットの2進数でありかつ9600ボーで伝送される。1つのスタート・ビットと1つのストップ・ビットをデータ・バイト・フレーム指示のために使用している。メッセージは、ユニーク・バイトのメッセージ内発生を回避するために使用されているバイト・スタッフィング(byte stuffing)を有するユニーク・バイトによって終了せしめられる。オルタネーティング・ビット・プロトコル及び8ビット・チェックサムがリンクの完全性を補償するため使用されている。
2つの外部割込みがマイクロコントローラによって支援されている。一方は送信DMAコントローラ120によって生成され、他方は受信DMAコントローラ121によって生成される。これらの割込みは、それぞれのコントローラ120、121がそのブロック転送を完了したときに発生し、これによってそのバスの制御をマイクロコントローラ11に解放する。
BCCインタフェースは、内部割込みによって制御(driven)される。ソフトウェアはバイトの受信又は送信に際して割込みを受ける。
基地局においては、CCUマイクロコントローラ111は、自己に割り当てられているVCU17、28、CCU18、29、モデム19、30a、及びRFU20、31aを含む4つのチャンネル・データ経路全体を制御し監視する役割を有する。加入者局においては、マイクロコントローラ111は同一ハードウェアを制御しかつ監視するが、ただ1つのデータ経路のみを支援する。CCUは帰するところRPU(基地局の場合)又はSTU(加入者局の場合)によって制御される。
CCUはVCUに動作モード情報を提供する。モードの切換えは、システム・スロット境界においてのみ発生する。通話圧縮動作の間、CCUはさらにVCUに対し、システム・スロット内のVCUブロック(システム・スロットごとに2つのVCUブロックがある)の位置に関する情報を提供する。VCUアドレス指定は、データ転送に先立ちCCUによって確立され、これによりMUX/DEMUXタスクを完了する。VCUステータスは各ブロック転送の後CCUによって読み出され、適切な統計がCCUによって維持される。CCUはさらに、VCUハード・リセット及び/又はVCUを起動することができる。
マイクロコントローラ111は、現在の変調レベルをRXバス108のシンボル・バイト・コンバータ126及びTXバス107のバイト・シンボル・コンバータ127に提供する。
モデムは、受信中のデータのタイプ、すなわちそのデータの受信に使用される異なる取得手続によってRCCか又は音声であるかに関する情報を与えられる。モデムはCCUに対しスロットごとに分数クロック・オフセット、AGCレベル、及びリンク品質値を提供する。CCU周波数割当ては、RPU又はSTUによって行われる。CCUは、モデム・ハード・リセット、自己試験又は受信側調整モード(training mode)の起動を制御する。
CCUは、送信バス107及び受信バス108を経由して全二重データ流れを処理する。ある与えられたスロット時間中に、VCUにおいて発信の送信音声データは送信DMAコントローラ121を経由して送信バッファ110にブロック転送される。各ブロックは長さが1VCUブロックであるので、各音声チャンネルに対して2回のこのような転送が必要とする。CCUは当該転送に先立ち、VCUに対して適切なチャンネル・アドレスを付与し、これにより多重化動作を達している。
送信バッファ110に記憶されているプリアンブル及びコード・ワードは、各スロットの始めにVCUデータに先立って送出される。送信DMAがデータを送信バッファからリクロッキングFIFOストック128に転送する一方、モデムは必要の都度FIFOストック128からデータを受信する。バイト・シンボル変換はこの転送の間にバイト・シンボル・コンバータ127によって達成される。送信DMA周辺装置の制御は、音声パケット・コード・ワードの生成及び挿入とともに、マイクロコントローラによって処理される。
受信データ流れは、送信側のそれと全くの左右対称的になる。データはモデム19、30aから出現するたびにリクロッキングFIFOスタック129に書き込まれる。受信DMAコントローラ121は、必要の都度データをFIFOスタック129から受信バッファ115に移す。シンボル・バイト変換はシンボル・バイト・コンバータ126によって達成され、フレーム・タイミングはクロック回路130によって達成される。バイト境界アライメントは、一旦チャンネルが同期状態になったときに自動的に発生する。一旦完全なVCUブロックが受信されると、このブロックは適切なVCUにDMAブロック転送される。受信DMAコントローラの制御は、マイクロコントローラ111により処理される。
コード・ワードの検出は、すべてのスロットごとに実施される。マイクロコントローラ111は、当該コード・ワードをローカルRAMに複写登録しかつ有効コード・ワードのリストと比較することにより、このタスクを実施する。各スロット期間に、モデム19、30aは少数シンボル・オフセット及びAGC値を提供する。これらはマイクロコントローラ111によって読み出されかつ適切に解読される。電力障害又は距離障害が存在する場合は、加入者局はこの障害について送信コード・ワードによって通告を受ける。
送信RCCデータは、RCCメッセージ待ち行列の内容に従ってCCUにより送信バッファ110内で合成される。RPUがCCUに対してRCCメッセージの伝送を完了すると、このメッセージは送信バッファ110内で形式化される。伝送未完の場合は、送信バッファ110内に固定的に格納されているNULL KNOWLEDGEメッセージが使用される。一旦RCCパケットが使用可能になると、RCCプリアンブル、ユニーク・ワード、及びRCCデータが所要の都度モデム19、30aに転送される。CCUは衝突検出を実施しかつこの検出結果に従って出力(outbound)RCC衝突検出ビットを設定する。
受信RCCデータ・ハンドラは2つのモード、すなわち“フレーム探索”モード及び“モニタ”モードを有する。フレーム探索モードにおいては、RCCチャンネルは同期外れの状態にあると考えられる。すべての入力RCCメッセージは、ユニーク・ワード検出アルゴリズムを使用して同期化されなければならない。モニタ・モードにおいては、RCCチャンネルは同期状態にあり、ユニーク・ワード探索アルゴリズムは呼び出されない。加入者局の不意の異常タイミングによる飛び込みが予想されるので、基地局は常時フレーム探索モードにある、加入者局においては、その局がRCC同期を捕捉している場合を除き、RCCデータ・ハンドラはモニタ・モードにある。
フレーム探索モードにおいては、ユニーク・ワード(UW)の検出は毎RCCスロット期間の後実施される。マイクロコントローラ111は、“名目(nominal)”ユニーク・ワード記憶位置についてウィンドウ内のユニーク・ワードを走査することによってこのタスクを実施する。ユニーク・ワードの検出が成功すると、CCUにシンボル・タイミング情報が与えられる。
受信RCCデータは、モデム19、30aから受信バッファ115にDMA転送される。この転送が完了すると、RCCデータはその処理のためローカル・マイクロコントローラRAMにコピーされる。受信RCCパケットはCCUによって濾波される。RCCパケットは、ユニーク・ワードが検出されかつCRCが正しい場合にのみ、RPUに送達される。
RCCの動作中、対応するVCUチャンネルは待機状態におかれる。送信データ経路107及び受信データ経路108とも、このチャンネル期間中はVCUとCCUとの間にデータ転送は行われない。
ソフトウェアはIntel8031マイクロコントローラ111で実行する。プログラム記憶装置はマイクロコントローラ・ローカル・バスの外部EPROMによって提供される。ソフトウェアはリアルタイムでDMAサービス要求に応じ、データ流れを損失することなく両方向に最大64Kbpsのデータ流れを維持する必要がある。モデム・インタフェースのスタック128及び129によるFIFOバッファリングは、マイクロコントローラ111がDMAブロック転送及びシステム制御機能を実施するための所要スラック・タイム(slack time)を提供する。
ソフトウェアは5つの個別モジュール、すなわち、スーパバイザ、データ転送、BCCトランシーバ、BMM制御、及びユーティリティの諸モジュールに分類される。各モジュールは、割込み及びエラー条件を除き、ただ1つの入口及び出口点を有するように設計されている。この外ユーティリティ・モジュールに対する例外があり、このモジュールは他のモジュールから直接アクセスされるユーティリティ・ルーチンに分類される。一般に、モジュール相互間通信は個別のデータ・セグメント内で定義されている大域的変数を使用することにより行われている。
スーパバイザ・モジュールは、初期化機能を有し、全体的プログラム制御を維持し、かつ基本自己試験機能を実施する。
データ転送モジュールは、音声及びRCCの両者に対するTXバス107及びRXバス108によるデータ転送制御を支援し、音声データ及びRCCデータの両者に関するすべての変調レベルに対する同期ワードの検出を実施し、さらにCCUとRPUとの間の(CCU-RPU)RS-232通信リンク123を支援する。
BCCトランシーバ・モジュールは、BCCトランシーバ機能(transceiver duty)を果たし、BCC待ち行列を処理し、送信BCCメッセージを形式化し、受信BCCデータを処理し、さらにBCCを経由してCCUに対するRCCデータの出し入れを行う。
BBM制御モジュールは、レジスタを経由してRFU、モデム、VCU、及びCCUハードウェアを制御し、これらの装置からのステータス情報(たとえば、モデムAGC、リンク品質、及びシンボルあいまいさ)を読み出しかつ解読し、受信音声チャンネル内の埋め込まれている(embedded)コード・ワードをデコードし、送信音声チャンネルに対しコード・ワードを形式化し、リアルタイム・ソフトウェア/ハードウェア・タイマを維持し、さらにオンライン自己試験を実施する。
ユティリティ・モジュールは、他のモジュールによってアクセスされた種々のユティリティ・ルーチンを実行する。
CCUソフトウェアは、本質的に同時並行して動作する4つの個別プロセスに分類される。すなわち、BCCデータ、TX DMA、及びRX DMAプロセスに分類され、これらのプロセスは特定のイベントがアテンションを要求した場合にのみ割込み駆動されかつ呼び出される。イベント駆動のこれら3つのプロセスはすべてデータ転送モジュール内になる。すべてのモジュール間に分散している残りのプロセスは、他の3つのプロセスを初期化し、制御し、かつモニタするバックグラウンド・プロセスである。
BCCメッセージがRPU(又は加入者局STU)から着信する都度BCCデータ・プロセスによって受信されかつ記憶される。一旦完全なメッセージが受信されると、BCCデータ・プロセスはメイルボックスを経由してバックグラウンド・プロセスに通告する。バックグラウンド・プロセスはその主ループの間このメイルボックスをポールしているので、新しいメッセージをすべて検出している。メッセージはバックグラウンド・プロセスによって解読され、適切なアクションがとられる。応答はすべてバックグラウンド・プロセスによりBCCメッセージ待ち行列に書き込まれ、BCCデータ・プロセスは滞りなく通告を受ける。
BCCメッセージは、CCUデータ・チャンネルの再構成を開始させることができる。必要とする制御情報は、適切な時間にモデム19、30a及びVCU17、28に書き込まれる。モデムは各スロット境界の新制御ワードに関して動作する。VCUはスロット境界の最初のVCUブロック転送でモード切換が起こることを期待している。バックグラウンド・プロセスは、正しい制御タイミングが維持されていることを確かめる役割を有している。
ステータス収集は、バックグラウンド、TX DMA、及びRX DMAプロセスによって行われる。後者2つのプロセスは、VCUのTX及びRX側からそれぞれステータス・ワードを収集する。このことは、これらのステータス・レジスタは制限されている期間のみアイドル状態にあるTXバス107及びRXバス108を経由してアクセス可能となるのみであるので、必要である。バックグラウンド・プロセスは、ローカル・バス119の局レジスタ122を経由して直接的にモデム19、30aからステータス情報を収集する。収集が完了すると、すべてのステータス情報はバックグラウンド・プロセスによって照合されかつ特定のステータス・バリアブル(status variables)に格納される。RPUから受信されたステータス要求は、このステータス・ヒストリ(status history)に基づいてバックグラウンド・プロセスによって処理される。
AGC値及び階乗ビット・オフセットのごときいくつかのステータス情報は、CCUの動作を必要とすることがある。ステータス・ヒストリとして格納されることは別として、これらのデータは加入者局の出力及び距離障害の是正に使用される。RCCメッセージの場合は、電力及び距離情報はRCCの一部としてのRPUに直接送られる。バックグラウンド・プロセスは、RCC、AGC、及び距離データを含んでいるBCCメッセージを形式化することによりこの機能を実施する。パケットが使用可能になると、そのパケットは送信BCC待ち行列に配置され、BCCデータ・プロセスは通告を受ける。音声チャンネルに関しては、このステータス情報は出力音声パケットに埋め込まれているコード・ワードの形式化に使用される。バックグラウンド・プロセスはこの形式化機能を実施しかつ音声チャンネルを通してコード・ワードの伝送を制御する。すべてのコード・ワードは1行5フレームで伝送されなければならない。これにより5:1の冗長コーディングを得る。TX DMAプロセスは、バックグラウンド・プロセスによって選択されたコード・ワードを自動的に送信する。
バックグラウンド・プロセスはさらにソフトウェア・ハードウェアのリアル・タイム・クロックを維持する。これは8031タイマの1つをポールしかつオーバフローをカウントすることにより達成される。リアル・タイム・クロック機能は、ソフトウェア・タイムアウト及び他の時間従属イベントに対する時間基準を提供する。バックグラウンド・プロセスは、CCUハードウェア・エラー・インジケータをポールしかつデータ転送イベントがシステム・フレーム内の起こるべきところで起きているか否かをチェックすることによって、システム・タイミングが維持されていることを確認するためのチェックを行う。システム・フレーム指示情報は、16KHzクロック130に接続されているシステム・フレーム開始ステータス・ライン及びタイマを通して供給される。データ同期はバックグラウンド・プロセスによって行われる。
BCCデータ・プロセスは、ポートの送信及び受信の両方向に発生し得るRS-232の割込みに応答する。このプロセスは単に送信側に別のバイトを出力するか又は入力側に別のバイトを入力する。受信側のメッセージの終わり区切り記号(end-of-message delimiters)によりBCCデータ・ルーチンはバックグラウンド・プロセスに通告を行う。
TX DMAプロセス及びRX DMAプロセスは、送信呼び受信DMAチャンネルを処理する。
以下にソフトウェアによって制御されるデータ転送機能を段階的に説明する。データ転送プロセス内のイベントはDMAコントローラ割込みによってマークされる。この割込みはDMAコントローラが割り当てられたブロック転送を完了した後に発生する。各ウォーク・スルー(walk-through)は、各スロット・データ転送の初めに開始する。本節の説明を読む場合に第23図及び第24図を参照すると分かり易いであろう。第23図はCCUの送信バスにRCC及び16PSK音声データを転送するためのタイミング図である。第24図は、CCUの受信バスにRCC及び16PSKデータを転送するためのタイミング図である。第13表及び第14表は、第23図及び第24図にそれぞれ示したシンボルの特性を記載したものである。


送信機能-RCC
1.“TX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、前のスロットの処理が完了したこと及び次のスロットの処理が開始可能であることを知らせるものである。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.制御チャンネル及び変調切換情報を書き出す。この情報はモデム19、30a及びバイト・シンボル・コンバータ127が必要とする。
b.送信バッファ110内のすべての保留RPU RCCメッセージを形式化する。保留メッセージがない場合はナル肯定応答メッセージを生成し送出する。
c.RCCプリアンブル・ユニーク・ワード、及びRCCデータ・ブロックを示し送信バッファ110からモデム19、30aに対するDMA転送を初期化し可能にする。
d.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
送信機能-音声
1.“TX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、前のスロットの処理が完了したこと及び次のスロットの処理が開始可能であることを知らせるものである。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.次のスロットの音声チャンネル及び変調切換情報を書き出す。この情報はモデム19、30a及びバイト・シンボル・コンバータ127が必要とする。
b.VCUポート・アドレスを選択しかつVCUから送信バッファ110へのDMA転送を可能にする。
c.VCU制御ワードを書き込む。
d.VCUに割込みをかけ転送を開始させる。
e.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
2.“TX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、VCUから送信バッファへの転送が完了したことを知らせる。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.VCUステータス・ワードを読む。
b.コード・ワードを送信バッファ110に書き込む。
c.音声プリアンブル・コード・ワード、及び音声データ・ブロックを示し、送信バッファ110からモデム19、30aへのDMA転送を初期化し可能にする。
d.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
3.“TX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、送信バッファ110からモデム19、30aへの前半のスロット転送が完了したことを知らせる。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.VCUポート・アドレスを選択しかつVCUから送信バッファへのDMA転送を可能にする。
b.VCU制御ワードを書き込む。
c.VCUに割込みをかけ転送を開始させる。
d.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
4.“TX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、VCU-送信バッファ転送が完了したことを知らせる。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.VCUステータス・ワードを読む。
b.送信バッファからモデムへの転送を行うためDMAコントローラ120を初期化し使用可能にする。
c.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
受信機能-RCC
1.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、前のスロットの処理が完了したこと及び次のスロットの処理が開始可能であることを知らせるものである。RX DMAプロモスが呼び出される。
a.BPSK変調に対してセットアップする。この情報はシンボル・バイト・コンバータ126が必要とする。モデム19、30aはこの時点でこの情報をすでに受信しているはずである。
b.RCCメッセージに対するモデム19、30aから送信バッファ115へのDMA転送を初期化し可能にする。
c.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。AGC計算及びビット同期あいまいさ処理操作はこの時点で行われるべきである。
2.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。この割込みは、モデム19、30aから受信バッファ115へのRCC転送が完了したことを知らせるものである。RX DMAプロセスが呼び出される。
a.RCCをローカルRAMに転記する。
b.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。ユニーク・ワードが検出されかつチェックサムが正しい場合は、受信したRCCをRPUに送出する準備をする。
受信機能-音声
1.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、前のスロットの処理が完了したこと及び次のスロットの処理が開始可能であることを知らせるものである。RX DMAプロセスが呼び出される。
a.正しい変調をもって音声データに対してセットアップする。この情報はシンボル・バイト・コンバータ126が必要とする。モデムはこの時点でこの情報をすでに受信しているはずである。
b.音声データの前半のスロットに対するモデム19、30aから受信バッファへのDMA転送を初期化し開始可能にする。
c.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。AGC計算、ビット同期あいまいさ及びコード・ワード処理操作はこの時点で行われるべきである。
2.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、モデム19、30aから受信バッファ115への前半のスロット転送が完了したことを知らせる。RX DMAプロセスが呼び出される。
a.VCUポート・アドレスを選択し、受信バッファ115からVCUへのDMA転送を可能にする。VCUに割込みをかけ転送を開始させる。
b.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
3.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、受信バッファ115からVCUへの前半のスロット転送が完了したことを知らせる。RX DMAプロセスが呼び出される。
a.後半のスロットに対するモデム-受信バッファ転送のためDMAコントローラ121を初期化し使用可能にする。
b.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
4.“RX DMA転送の終わり”の割込みを受信する。このことは、モデム19、30aから受信バッファ115への後半のスロット転送が完了したことを知らせるものである。TX DMAプロセスが呼び出される。
a.VCUポート・アドレスを選択し、受信バッファ115からVCUへのDMA転送を可能にする。VCUに割込みをかけ転送を開始させる。
b.割込みから復帰しバックグラウンド処理操作に進む。
CCUソフトウェア実行
ソフトウェア・プログラムの実行は、ハードウェアのリセットの結果として始まり、プログラム流れがスーパバイザ・モジュールで開始する。スーパバイザ・モジュールは、主サービス・ループに入るに先立ち、すべてのハードウェア及びソフトウェアの初期化処理を行う。スーパバイザ・モジュールは、ハードウェアのリセット後及びRPUからの要求の都度、ある種の基本的自己試験を実施する。主サービス・ループは順番に他のモジュールをアクセスする。スーパバイザ・モジュールの設計は、主サービス・ループが合理的な最悪状態の同期性を有することを保証しつつ、タスクが管理可能なタイム・スライスに再分されるようになされている。リアル・タイムの応答を要求するタスクは、割込みサービス・ルーチンを通して処理される。
各割込みサービス・ルーチンは、サービス要求を満足させる最小限の処理を行う。このことは可能な限りプログラム実行の直列性を維持しかつ割込待ち行列を最小に保つためである。典型的には、割込みサービス・ルーチンはインタフェースに対するデータの出入転送を行いかつアクションが実施されたことを示すブール(boolean)を設定するであろう。主サービス・ループからアクセスされたコードを逐次的に実行し、所要に応じて当該情報の処理に進む。
CCUマイクロコントローラ111は、ソフトウェアのイベントがデータの出入によって駆動される点で、データ流れ機械(data flow machine)である。正確なシステム・タイミングがこのデータ流れに対してフレームワークを与えているが、ソフトウェア・イベントはシステム・フレーム・マーカーからではなくデータの流れから直接引き出されている。この処理方法によってソフトウェアは(システム・タイミング・マーカーのごとき)“人工”イベントではなく(データI/O要求のごとき)“真実”のイベントに応答するようになっている。ソフトウェアは、前者の同期アクションをシステム・フレーム・タイミングに同期しているイベントに変換することについてハードウェアに依存している。これを達成するために、ソフトウェアはシステム・フレーム・イベントが発生する前に初期化されかつ使用可能になるものを有することを保証することが必要である。
従ってCCUソフトウェアが過大に負荷されていないうちに呼び出されイベントに応答しかつある制限された時間内にあるタスクを完了することが容易に認められる。このリアル・タイム処理は割込みにより駆動されるのでその設計には少なからぬ配慮が必要となる。マイクロコントローラに要求される4つの必然的に衝突するリアル・タイム・イベントすなわち、送信DMAサービス処理、受信DMAサービス処理、送信RS-232サービス処理、及びRS-232サービス処理がある。RS-232割込みは、1ミリ秒につき1回の最大レートで発生するので最下位の優先度を有する。ソフトウェアは、1ミリ秒時間制約が破られないように設計されている。音声及びRCCデータ処理に対する応答時間は一層微妙なもので、これらについて以下に説明する。
送信バス及び受信バスのデータ転送に対する相対的なタイミングは第23図及び第24図に示してある。この図は概略的な時間を表示しかつ最悪の場合のタイミング経過を示している。送信バス及び受信バスの時間多重化状態がこの図で明示されている。送信経路及び受信経路上に示してある濃い十字線は、それぞれのバス(ts、tRCC)に関してのマイクロコントローラの活動に対応している。この期間中は、それぞれのDMAコントローラ120、121はアイドル状態にある。DMAコントローラ・セットアップ(tVCB)間の短い時間はVCUブロック転送に対応している。この期間中は、DMAコントローラはそれぞれのVCUに専用化されている。残余の時間(tM0、tM1、tM2、tM3)に対しては、DMAコントローラ120、121はモデム・インタフェースに対するサービスに専用化されている。
モデム・インタフェースにおけるリクロッキングFIFOスタック128、129は、タイミング図に内在する基本タイミング制約を生成する。FIFOスタックは16個のシンボルを保持し、アンダーフロー(TX)又はオーバーフロー(RX)に備えて1ミリ秒の緩衝時間を提供している。この1ミリ秒の間に、CCUは送信バス107又は受信バス108を利用してVCUへの又はVCUからのブロック転送を完結させ又はRCCデータをローカルRAMに転記することができる。
パワー・アップに際し、CCUソフトウェアは初期自己試験を実施しかつVCU、モデム、及びRFUをその既定状態に設定する。マイクロコントローラ111はシステムフレーム・タイミングをモニタし、ブロック転送の実施を開始してVCUに同期を取得せしめる。一旦データ転送が開始されると、マイクロコントローラ111はDMAブロック終わり割込みを使用してシステム・タイミングを保持する。この割込みはCCUのデータ・スループットに直接結びつき、これにより16KHzシンボル・クロック130に結びつく。VCUは、ブロックの終わり割込みの結果としてマイクロコントローラ111によって生成されたDMA転送要求を暗黙的に経由して、システム・タイミングを保持する。マイクロコントローラ111はフレーム・タイミングのモニタを続け正しいシステム動作が維持されていることを保証する。
加入者局において、システムのスタートアップはやはり無線同期を必要とする。これはRCCを捜し出しそれからシステム・タイミングを引き出すことによって行われる。一旦受信タイミングが確立されると、マイクロコントローラ111は基地局との送信タイミングを確立させる。
データ転送モジュールは、CCUにおけるリアル・タイム及びバックグラウンド・データ転送イベントを支援する。データ転送は、送信データ経路、受信データ経路、送信BCC、及び受信BCCに対してサービスされる。これらのすべてのタスクは、割込みによって駆動されるイベントでリアル・タイム応答を必要とするものである。このモジュールはさらに、バックグラウンド・タスクとして同期の取得及びモニタを実施する。
送信データ経路ハンドラは、送信DMAコントローラ120がサービスを必要とする場合に呼び出される。これは典型的にはDMAブロック転送に続いて発生し、この時点でDMA周辺装置はブロック転送の終わり(end of block transfer)割込みを呼び出している。この割込みは、モデル(model)8031マイクロコントローラ111の2つの外部割込みラインの1つに受信される。当該割込みによって要求されるサービスは、データ転送の種類、すなわちRCCであるか音声であるか、及びスロット内の発生時間に依存する。
送信データ経路割込みは、各スロット期間の予測可能時間に発生する。割込み時間及び持続時間は第23図及び第24図に示してある。各々の割込み発生ごとに、マイクロコントローラ111は次のブロック転送のためにDMA周辺装置を初期化することが要求される。この操作は、割込み要求から割り込み完了まで150μs以内で実施されるべきである。RCCデータの場合は、最初のサービス要求は、DMA転送に先立って送信バッファ110内のRCCメッセージを形式化することをマイクロコントローラ111に対して要求する。この操作は900μs以内に完了しなければならない。送信経路に関する諸操作は通常短時間でありかつ高速応答を必要とするので、この割込みは最高の優先度を与えられている。
送信データ経路割込みハンドラからの唯一の出力は、VCUブロック転送の後収集されたVCUステータス・ワードである。このステータス・ワードは、BBM制御モジュール内のソフトウェアによって解析される。
受信データ経路ハンドラは、受信DMAコントローラ121がサービスを必要とする場合に呼び出される。これは典型的にはDMAブロック転送に続いて発生し、この時点でDMA周辺装置はブロック転送の終わり割込みを呼び出している。この割込みは、8031マイクロコントローラ111の2つの外部割込みラインの1つに受信される。この割込みによって要求されるサービスは、データ転送の種類、すなわちRCCであるか、及びスロット内の発生時間に依存する。
受信データ経路割込みは、各スロット期間の予測可能時間に発生する。この割込み時間及び持続時間は第23図及び第24図に示してある。各々の割込み発生ごとに、マイクロコントローラ111は次のブロック転送のためにDMAコントローラ121を初期化することを要求される。この操作は、DMAの初期化が実施されるべき唯一のタスクである場合は、割込み要求から割り込み完了まで150ミリ秒以内に実施されるべきである。RCCデータの場合は、最後のサービス要求は、DMA転送の後受信バッファ115からローカルRAMへのRCCメッセージを転記することをマイクロコントローラ111に要求する。この操作は900マイクロ秒以内に完了しなければならない。送信経路のサービス操作はこの時間に起こり得るので、受信経路割込みは送信経路の割込みよりも低い優先度を有している。受信データ経路割込みハンドラは、VCUステータス・ワードを各VCUブロック転送の後に使用可能にする。このステータス・ワードはBBM制御モジュール内のソフトウェアによって解析される。このハンドラはさらに、チャンネルからの新しいRCCメッセージを読み出し、このメッセージはBCCトランシーバ・モジュール内で解読される。
BCC受信モジュールはオン・チップRS-232UARTによって実現されている。UARTは、1つのバイトが受信又は送信されるたびにトリガされる1つの内部割込みを発生する能力がある。BCCハンドラは、2つの場合のいずれかが割込みを生じさせたかを判断するためステータス・ビットをポールし、それに応じてポートに対するサービスを始める。
ボー・レート・ゼネレータは9600ボーの名目レートにプログラムされているので、1秒につき最大1920回の割込みを生じる結果となる。各割込みはデータの喪失を避けるため、1msの期間内にサービスされなければならない。典型的な割込み周波数は低くかつ応答時間は比較的に長いので、BCCデータ割込みは低い優先度を有する。
BCCデータ転送ハンドラは、データが受信され又は送信されるごとにデータをそれぞれ待ち行列に入れ又は待ち行列から外すためにポインタを使用する。ここではバイト・スタッフィング(byte stuffing)及びメッセージの終わり挿入をみリンク・レベルの処理のみが起こる。これらのアクションは、システム・インタフェースの説明部分に記載してある。
データ処理はBCCトランシーバ・モジュールではほとんど発生しない。このモジュールの主タスクは、送信、受信及びBCCデータ経路を処理する一方、データを待ち行列に入れ又は待ち行列から外すことである。以下に記載のデータ同期の取得及びモニタはBCCトランシーバ・モジュールの主要な処理機能である。
同期ワードの検出は、シンボル・レベルにおける同期操作を含む。“同期ワード”という術語は総称的なもので、RCCにおけるユニーク・ワード及び音声チャンネルにおけるコード・ワードの両者に使用されている。ユニーク・ワード(UW)は、RCCメッセージの始めに置かれる固定8ビットのパターンである。コード・ワード(CW)は、音声チャンネルの始めに置かれる、8つの可能性のある8ビットのパターンのうちのその時点に対応する1つである。これらのワードの同期をとる役割の外、コード・ワードは接続ステータス、電力調整、及び距離調整を示すために使用されている。
基地局CCUは、すべてのスロット内の有効RCCメッセージを徹底的に捜さなければならない。CCUは、マスタ・システム・タイミングに基づいて、名目UW記憶位置について±3シンボルのウィンドウ内のユニーク・ワードを走査することによってこのタスクを実行する。探索アルゴリズムは名目UW記憶位置で始動し、(1)UWパターンを見出しかつ(2)正しいRCCチェックサムを確認するまで左右に1シンボルだけシフトする。この探索は(1)及び(2)が満たされるか又はすべての可能性がなくなった場合直ちに終結する。シフト情報、RCCメッセージ、及び電力情報は探索成功に続いてRPUに送られる。
すべての音声スロット時に、基地局CCUは受信された音声データをチェックして有効コード・ワードを捜す。音声動作時には有効シンボル同期は実施されないので、名目コード・ワード記憶位置のみをチェックする。5つの連続フレームに対してコード・ワードが検出されない場合は、当該チャンネルは同期はずれを宣言され、RPUはこの状態について通告を受ける。この時点でいずれの適切なアクションをとるかについてはRPUにかかっている。同期は5つの連続フレームのうちの3つのフレームがコード・ワードの検出に成功した後に復元されるべきものと定義されている。
加入者局のCCUは、RCCデータの受信に際して、2つのモードのうちの1つ、すなわち“フレーム探索”又は“モニタ”モードのいずれかにありうる。フレーム探索モードは入力RCCデータから受信フレーム・タイミングを取得するために使用され、受信RCC同期が失われたときに自動的に呼び出される。モニタ・モードは受信フレーム同期の取得が完了すると入るモードである。
フレーム探索モードにおいては、加入者局CCUはすべてのRCCスロット後有効RCCメッセージを徹底的に捜さなければならない。基地局CCUと同様に、加入者局CCUは、モデムのAMホール検出から引き出されたタイミングに基づいて、名目UW記憶位置について±3シンボルにわたりウィンドウ内のユニーク・ワードを走査することによって、このタスクを実行する。探索アルゴリズムは名目UW記憶位置で始動し、(1)UWパターンを見出しかつ(2)正しいRCCチェックサムを確認するまで左右に1シンボルだけシフトする。この探索は(1)及び(2)が満たされるか又はすべての可能性がなくなった場合直ちに終結する。成功した探索からのシフト情報は、CCU生成の受信フレーム指示マーカを調整するために使用される。取得操作は、UWがその名目記憶位置にある状態で3つの連続フレームに対して上記(1)及び(2)が満たされたときに終結する。STUはフレーム指示の取得が起きたとき、このフレーム指示の取得の通告を受ける。フレーム探索モード中はRCCメッセージはSTUに送達されない。
フレーム指示の取得が完了すると、加入者局CCUはモニタ・モードに入る。偽りUWの取得の可能性を避けるため、名目UW記憶位置のみをチェックする。5つの連続フレームに対してUWが検出されない場合は、当該チャンネルは同期外れを宣言され、探索モードに入る。STUはこの同期外れ状態を通告される。モニタ・モードの間、正しいチェックサム及びSIN番号を有するRCCメッセージはSTUに送達される。
すべての音声スロットの間、加入者局CCUは受信された音声データをチェックして正しいコード・ワードを捜す。音声動作時には有効シンボル同期は実施されないので、名目コード・ワード記憶位置のみをチェックする。当該チャンネルのこの方向においてすべての可能なコード・ワードを探索する。コード・ワードは加入者局の電力及び距離値の増分変化を生じさせることができる。増分距離変化は実際に少数距離値のほかシンボルの変化を生じさせることができる。5つの連続フレームに対してコード・ワードが検出されない場合は、当該チャンネルは同期外れを宣言されかつSTUはこの状態を通告される。同期は5つの連続フレームのうちの3つのフレームがコード・ワードの検出に成功した後に復元されるべきものと定義されている。
その他のCCUの検討事項
送信バッファ110とモデム19、30aとの間の送信DMA転送要求は、FIFOスタック128の全ビットから引き出されなければならない。これは、DMAブロック転送が完了している場合はFIFOスタック128は常に一杯になっていることを意味する。
モデム19、30aと受信バッファ115との間の受信DMA転送要求は、スタック129と空ビットから引き出されなければならない。これは、DMAブロック転送が完了している場合はFIFOスタック129は常に空であることを意味する。
CCUコントローラ・ソフトウェアはDMA転送を可能ならしめるゲートを提供するが、しかし外部制御はブロック転送を開始させかつ維持するためのハンドシェイキングを提供しなければならない。これはフレーム・タイミングが微妙であるモデム・インタフェースに対して重要である。
マイクロコントローラ111は、DMA転送を保留状態にする能力を有しているべきである。ソフトウェアは、この制御が用いられている場合又はDMA周辺装置がアイドル状態にある場合を除き、ブロック転送の間DMAバスの使用を試みることはない。
リクロッキングFIFOスタック128、129は周期的に自動クリア(リセット)されるべきである。
フレーム・タイミング情報はマイクロコントローラ111にとって使用可能でなければならない。この情報はマイクロコントローラの内部タイマに入力されるシンボル・クロックの形を取ることができる。
RCC又は音声パケットが同期状態でCCUによって受信された場合は、そのパケットをバイト境界にもってゆくためにシンボルをシフトさせる必要がない。これは変調レベルに関係なく適用できる。
モデム
モデムは3つの動作モードのうちの1つで動作する。基地局においては、モデムは全二重送信及び受信機能を続ける。加入者局で動作する場合は、モデムはTDMAフレームの1つの部分の間送信し、TDMAフレームの他の部分の間受信する半二重モードで動作する。第3のモードは、自己適応(self-adapting)調整モードである。1つのモデム設計がこれらのすべての機能を含ませている。モデムは制御CCUから入力するキーイング信号に応答して適切な機能を実行する。
加入者局モデム30a及び基地局モデム19は同一である。モデムのブロック図は第25図に示してある。
モデムの送信部は、TXシンボル・フィルタ132、ディジタル・アナログ・(D/A)コンバータ133、200KHzバンドバス・フィルタ134、ミキサ135、及びTX(送信機)タイミング制御回路136を含んでいる。モデムの受信部はミキサ138、アナログ・ディジタル(A/D)コンバータ139、FIFOスタック140、及びモデルTMS320マイクロプロセッサ141を含んでいる。
モデムの送信部は、CCUによって供給された情報を16-レベルPSK変調で送信する。データをDPSK、QPSK、又は16PSKとして解読することは受信側のCCUの役割である。モデムは変調レベルを知ることなく送信を行う。
モデムの送信部はハードウェアに完装されていて何ら調整を必要としない。CCUから受信されたシンボルはコード化されるとともにそれらに対応する波形は良好な干渉特性を呈しかつ振幅又は群遅延歪を受けないように波形成形される。この概念の前提として、使用周波数帯域に対する近接周波数帯域(50?100KHz内)内に強力な干渉信号(当該信号を電力密度30?40dB越えるもの)がないことを条件にしている。モデムの送信部は送信された信号が振幅又は群遅延歪を受けないように比較的広いIF濾波(100KHz)を利用しているとともにベースバンドにおいて行われたディジタル濾波によって発生したすべての高調波を取り除いている。
TXシンボル・フィルタ132は、固定係数ディジタルFIR(finite-duration impulse-response:有限持続時間インパルス応答)フィルタである。このフィルタ132は、FIRフィルタ内の6シンボル長についてサンプリング・レート“50サンプル・シンボル”を有する六極フィルタをシミュレートする。
モデムは16Kシンボル/秒のレートでそのそれぞれのCCUからシンボルを受信する。これらのシンボルは次にFIRフィルタ132へのライン143に入力するためDPSKコードに変換される。FIRアルゴリズムは、FIRフィルタへの入力前にひとつおきにシンボルが反転されることを必要とする。グレイ・コード(Gray code)をDPSKコーディングに使用する。これによって、シンボルの受信時エラーがあった場合、受信機符復号器への2つのシンボルがただ1ビットのみ誤っているという公算を確実にするものである。
FIRフィルタ312のインパルス応答は6T(T=1/16KHz)で切り捨てられている。FIRフィルタは、フィルタ内のシンボルの5Tステイ期間にすべてのシンボルが50回サンプルされるように、800KHzのレートでシンボルをオーバサンプル(oversample)している。これはサンプリング周期がT/25である場合のサンプリング・レート3T/25に相当するので、サンプルは3T/25ごとに出力される。出力は第1と第4、第2と第5、又は第3と第6のサンプル対(pairs of samples)のみが一度に重なるようにスキューしている。これらの時間長T/25のサンプルの各々は実際に2つの部分に分割されている。サンプル期間の前半に出力のI部分が計算され、サンプル期間の後半に出力のQ部分が計算される。従って、FIRフィルタ132がデータを出力する実際のレートは50×16KHz=800KHzとなる。I及びQサンプリングはサンプル期間の1/2だけ食い違っている(staggered)が、これはFIRフィルタ132によって修正される。
FIRフィルタ132におけるシンボルとインパルス応答との乗算を表す信号及びこれらの乗算の2つの加算は、ライン143で受信されたシンボルに応答してライン144の8K×8ROMによって提供される。
FIRフィルタ132は、800KHzのレートでライン144に10ビットのディジタル・サンプルを出力する。これらの値はライン145にアナログ波形を生成するためD/Aコンバータ133に供給される。この波形は送信されるべきシンボルの時分割されたI及びQ波形である。ライン145のこの分割波形は200KHz帯域フィルタ134によって濾波され次にライン146を通してミキサ135に供給される。ミキサの局部発信入力は、ライン147の20MHzのIF周波数信号である。I及びQ成分はこれによりライン148の20.2MHzのIF出力信号に周波数増変換(upconverted)される。ライン148の出力信号は20.2MHz帯域フィルタ(図示せず)に供給されそしてRFU21、31aに提供される。
D/Aコンバータ134からの所望信号は、約32KHzの帯域幅をもって200KHzに中心をおいている。200KHz波形を20MHzで乗算することにより、出力波形はIF周波数のSIN及びCOS成分でI及びQサンプルを混合する。従って、20MHz信号は出力波形を直接乗算することができ、正確な成分乗算が自動的に処理される。このため、受信機の場合のようにD/AからのI/Qサンプルを乗算するための分離式のSIN(IF)/COS(IF)生成回路を必要としない。これはさらに、ベースバンドからミキサの出力へのミキサ内のアイソレーション・フィード・スルーを除去している。
送信機FIRフィルタ132内に記憶されている出力データは、I及びQ時間値の差1/50Tに起因して発生公算のあるすべてのエラーを修正するため計算される。RFU内のIFフィルタ(第28図、第29図)はさらに、その帯域幅がIF周波数に比して比較的に狭いことから、正しい送信波形を形成するために2つの値を加算する。
モデムの受信部においては、ミキサ138は20MHz帯域フィルタ(図示せず)を経由してライン150のRFUから受信されたアナログ波形をライン151の20MHz IF信号と混合し、このアナログ信号をライン152のベースバンドに周波数減変換(down convert)する。このアナログ信号は次にA/Dコンバータ139によってライン153のディジタル信号に変換され、このディジタル信号はマイクロプロセッサ141による処理に備えてFIFOスタック140に記憶される。マイクロプロセッサ141は受信ディジタル信号の周波数及びビット・トラッキングを行うとともに、FIR濾波処理及びCCUへのライン154に供給される2進シンボル・ストリームへの信号復調を実施する。
モデムによって処理されるアナログ及びディジタル信号のほかに、多くの制御及びステータス信号がモデムに対し送受される。これらの信号は通常の場合CCUからモデムに送られる。モデムはさらに、送信電力レベル、周波数、AGC、及びダイバシティ通信のためのアンテナ切換えのごとき機能を制御するためにRFUに対して制御信号を送る。
モデムのインタフェースは、第26図及び第27図に示してある。モデムはその入力の大部分をCCUから受信する。他の入力はRFU及びタイミング装置から受信する。モデム入力は下記のとおりである。
下記のラインは記載の信号をCCU18、29からモデム19、30aに搬送する。
TX DATAライン156は、モデムによって送信されるべき4ビットのシンボル(QPSKに対し2ビット、BPSKに対し1ビット)を搬送する。MOD BUS157は、モデムに対し制御/ステータス情報を送受する双方向マイクロプロセッサ・バスである。MOD WRライン157は、ラッチMOD BUSに対する制御信号をモデムに搬送する。MOD RDライン159は、モデム・ステータス及びその他の情報をCCU18、29への伝送のためMOD BUSに投入せしめる制御信号を搬送する。MOD RESETライン160は、モデムをリセットするための制御信号を搬送する。MOD ADDライン161は、値をモデムにラッチするための異なる記憶位置に対するアドレス信号を搬送する。TX SOSライン162は、TXスロット伝送を開始させる信号を搬送する。RX SOSライン163は、RXスロットの受信を開始させる信号を搬送する。
IF RECEIVEライン165は、RFU21、31aからモデム19、30aへのIF受信周波数入力信号を搬送する。
下記のラインは、記載の信号をSTIMU35からモデム19に搬送する。80MHzライン186は、80MHz ECLクロック信号を搬送する。同様な信号が加入者局内のタイミング装置(図示せず)によってモデム30aに供給されている。16KHzライン168は、基地局で使用されるマスタTX CLK信号を搬送する。SOMFラインは、STIMUから基地局のマスタ・フレーム開始信号を搬送する。この信号はモデム内で使用されないが、CCU18、29に送達される。
下記のラインは、記載の信号をモデム19、30aからCCU18、29に搬送する。TX CLKライン171は、CCUにシンボル送信タイミングを与える16KHzクロック信号を搬送する。シンボルはこのクロックの立上り縁でモデムにクロックされる。基地局においては、すべてのスロットは同一のマスタTX CLKを有する。従って基地局からのすべての信号は同時に送出される。加入者局においては、TX CLKはCCUによって供給される情報に基づいてモデムにより小数距離遅延分だけオフセットされる。RX CLKライン172は、受信信号から引き出される16KHzクロック信号を搬送する。この信号は常時加入者局において作られているが、ただ基地局における制御スロット取得の間のみ供給される。このクロック信号は受信シンボルをCCUに対してクロック・アウトし、CCUにシンボル・タイミングを与える。RX DATAライン173は、RX CLK信号によってクロックされた4ビットの受信シンボルを搬送する。MOD SOMFライン175は、STIMUからのSOMF信号を基地局内のCCUに伝達する。AM STROBEライン176は、加入者局におけるRCCの取得時にCCUに対して粗フレーム・マーカを与えるための高-低推移(high to low transition)を搬送する。これは、マイクロプロセッサ141がAMホールの概略の位置を決定したときに起動される(pulsed)ワン・ショット・ラインである。
下記のラインは、記載の信号をモデム19、30aから各RFU21、31aに搬送する。RF RX BUS178は、モデムとRFU部との間の8ビットのバスである。このバスはAGC及び周波数選択情報をRF RX部に伝送する。モデムは送出されるAGC値を制御し、CCUに周波数選択情報を伝達する。この周波数選択情報は、MOD BUS157を通してCCUによってモデムに供給される。調整モード時、モデムはRF RX周波数選択を制御する。RF TX BUS179は、モデムとRFU TX部との間の8ビットのバスである。このバスはTX電力レベルと周波数選択情報とをRFU TX部に伝送する。モデムはこれらの情報とは無関係であるので、これらの情報は単にRFU TX部に送達される。RX80MHz REFライン180は、RFU RX部へのECL80MHz基準クロック信号を搬送する。RFU TX部へのTX EMライン182は、RF伝送を可能ならしめる信号を搬送する。RFU RX部へのRX ENライン183は、RF受信を可能ならしめる信号を搬送する。AGC WRライン184は、AGCデータをRFU RX部にラッチするための書込みストローブを搬送する。RX-FREQ WRライン185は、RFU TX部に周波数書込みのための書込みストローブを搬送する。PWR WRライン186は、電力情報をRFU TX部にラッチするための書込みストローブを搬送する。PWR RDライン187は、RFU TX部から電力情報を読み返すための読み出しストローブを搬送する。TXFREQ RDライン188は、RFU TX部から送信周波数を読み返すための読み出しストローブを搬送する。TXFREQ WRライン189は、RFU TXへの書込みストローブ周波数書込みを搬送する。IF TRANSMITライン190は、RFUへのIF周波数の送信信号を搬送する。
下記のラインは、記載された信号をモデム10からSTIMU35に搬送する。VCXO BUS192は、周波数トラッキングのための制御情報を有するSTIMU35内のVCXOへの20ビットのバスである、VCXO WRラインは、VCXO BUS192をVCXOにラッチするためのVCXO回路への書込みパルスを搬送する。同様な信号がモデム30aから加入者局のタイミング装置(図示せず)に搬送される。
基地局のモデムの動作は、固定RF周波数に割り当てられている。基地局における通信は全二重になっているので、モデムの受信機と送信機は同時に動作する。モデムはさらに制御周波数チャンネル・モデムとなるべく割り当てられる。この場合割り付けられた制御チャンネル(RCC)形式を以て情報を単に送受信する。基地局モデムからのすべての伝送は、ライン171の16KHzのマスタTX CLK信号にクロックされる。加入者局のモデムと異なり、基地局モデム19はライン171のマスタTX CLK信号とモデム19のライン172の導出(derived)RX CLK信号との間のシンボル・タイムの少数部分をCCU18に出力する。この情報は次にRCC内の加入者局に送出され、これにより加入者局は基地局で受信される信号がすべての他のスロットと同期するように自己の送信を遅延させる。
基地局モデム19はさらに、RFUがナル・エネルギー信号(null energy signal)を送信した場合(フレーム基準を確立する)RCC AMホールを与えるため制御スロット内にナル・エネルギーを送信する。RCC伝送のこのノーキャリア(no-carrier)部分は、加入者局における初期RX捕捉のため使用される。
モデム19は、4つの16PSK加入者局スロット割当てのためCCU18によって多重化された、4つの音声符復号器が基地局にある事実を承知していない。モデム19はCCU18からのビット・ストリームを受け入れ、当該伝送を全く単一の符復号器加入者局と同様に取り扱う。
加入者局モデム30a内のすべての動作は、受信された伝送から回復されたライン172の受信RX CLK信号から導出される。これは加入者局のマスタ・クロックとして働く。CCU29に対するライン171のTX CLK信号は、基地局におけるようなマスタ・クロックではない。この信号はライン172のRX CLK信号から導出され、CCU29によって選択されたところにより小数時間だけ遅延される。この遅延は基地局と加入者局との間の距離によって決定される。加入者局のCCU29は、この小数時間情報をMOD BUS157を通してモデム30aに供給する。モデム30aはみずからこの小数遅延をカウントする。CCU29は、正しいシンボル数だけ遅延されているライン162のTX SOS信号に挿入の整数シンボル遅延をカウントする。この処理は距離的に異なるすべての加入者局か基地局に到着する信号の遅延調整を行うものである。
通信は加入者局においては半二重方式である。従って、送信機がアイドル状態にある場合は、通信は禁止される。モデム30aは、能動的に送信していない場合は、受信モードに設定されているので、基地局からのバーストの到着に備えるべき受信信号の利得レベルをモニタすることができる。
加入者局モデム30aは、RCCスロットに対するAMガード・バンドを送信しない。基地局がフレームを定義するので何も必要としない。固定周波数の基地局モデム19と異なり、加入者局モデム30aはCCU29によってRFU内に選択された26の周波数のいずれによってもデータを送信又は受信できる。
モデムにはシステムのタイミングに前述の影響を及ぼす多くの遅延源がある。この遅延源には、アナログ・フィルタ遅延、伝搬遅延、FIRフィルタ処理遅延等が含まれる。これらの遅延はTXフレーム及びRXフレームを相互にスキューさせるので、このスキューに対して十分な考慮を払わなければならない。
基地局のライン162のTX SOS信号と基地局において最初に受信されたアナログ・シンボル“ピーク(peak)”との間に生じる遅延は+7.4シンボルである。従って、TXスロットとRXスロットとの間にスキューが生じる。入力位相を正しくデコードするためには、モデムは、“ピーク”の到着約3.5シンボル前にサンプリングを開始しなければならない。従って、TX SOS信号とRXサンプリングの開始との間のスキューは時間長で約4シンボルとなる。
基地局においては、RXスロットの開始はTXスロットの開始約4T後に起こる。RXスロットの開始は、受信された最初の“ピーク”を検出するべく最初のアナログ・サンプルが取り込まれる時点であると定義されている。
加入者局のクロックは、加入者局のタイミング装置(図示せず)のマスタ80MHz VCXOからすべて導出されている。このVCXOはモデム30aからのアナログ・ラインによって制御されている。これを基準として、すべての受信及び送信クロックは計算されている。モデム30aは、入力データ・ストリームから導出されたライン172の16KHz RX CLK信号をCCU29に与える。CCU29は自らの制御チャンネル内のユニーク・ワードを検出し、ユニーク・ワード及びライン172のRX CLK信号からフレーム及びスロット・マーカを決定することができる。モデムによって復号された信号からのAMホール信号は、CCU29にユニーク・ワードを捜す位置を知らせる。
すべてのスロットの受信期間中に、モデム19、30aは周波数同期取得を実施しつづいてトラッキングを続ける。加入者局においては、VCXOはD/Aコンバータを経由してマイクロプロセッサ141の直接制御下にある。マイクロプロセッサ周波数取得及びトラッキング・アルゴリズムは、同期の維持に必要なVCXOの変化を計算する。
基地局においては、STIMU35にあるOCXOは固定されていてシステムのマスタ・クロックとして働く。従って、受信に際して何ら周波数ずれは起こらない。
すべてのスロットの受信期間中に、モデム19、30aは受信されたデータ・ストリームのビット同期スクランブル(bit sync scramble)に関しビット同期を実施する。アルゴリズムは受信機内でビット・トラッキング・ループを実行している。マイクロプロセッサ141は80MHz VCXO又はOCXOの可変周波数分周器に対して制御を有する(制御スロット復調期間のみ)。ビット・トラッキング・ループ内で、マイクロプロセッサ141はビット同期をうるため周波数分周を変更する。音声チャンネルの受信時には、分周値は16KHzの0.1%のステップ・サイズを有しているが、制御スロット期間はこの値は±50%程度一層大きく変化することができる。
フレーム同期は、基地局及び加入者局において全然異なる方法で処理されている。基地局においては、マスタSOMF(モデム・フレームの開始)はモデム19を経由してライン169のタイミング装置からライン175のCCU18に伝達される。これは基地局からのすべての伝送に使用されるマスタSOMF信号である。この信号及びマスタ・システム・シンボル・クロック信号(16KHz)から、CCU18はすべてのスロット及びフレーム・タイミングを導出することができる。
加入者局においては、フレーム同期はCCU29が受信RCCデータ・ストリーム内のユニーク・ワードを検出することにより達成される。初期取得に際しては、モデム30aはワン・ショットの近似フレーム・マーカ(AM STROBE)をライン176に供給する。取得期間中、モデム30aはRCC内のAM HOLEを探索する。AM HOLEが検出される。モデム30aは数フレームの間そのホールをカウントし、つづいてAM HOLEのフレーム位置においてCCU29へのライン176にAM STROBEを供給する。CCU29は、CCUソフトウェアによって正確なフレーム・シンク(フレーム同期)に更新可能である初期フレーム・マーカ・カウンタをセット・アップ(ウィンドウ処理)するためにこのストローブ・マーカを使用する。これは又AM HOLEが検出されていてRCCが取得されていることを表す。
スロット同期は、CCU18、29の制御下にある。ライン162の信号TX SOS及びライン163の信号RX SOSは、モデム19、30aにスロットの送信又は受信を開始させるコマンドである。これらの信号はライン171のTX CLK信号及びRX CLK信号にそれぞれ同期している。
自己適応モードは、経時又は温度によって発生の可能性があるすべての受信アナログ・フィルタの特性劣化を修正する目的で受信機のディジタルFIRフィルタ係数を調整するためにモデムが入るループ・バック状態である。この解析は、送信機データをRF装置を通してループ・バックしかつ既知のパターンを受信機に受信することによって行われる。この係数は5制約条件ラグランジュ・システム(5constraint La Grangian system)によって最適化される。これらの制約条件は、(1)受信されたデータ・ストリーム、(2)0.05T遅延されたデータ・ストリーム、(3)0.05T進められたデータ・ストリーム、(4)隣接上位チャンネルからのデータ・ストリーム、及び(5)隣接下位チャンネルからのデータ・ストリームである。
調整期間に、マイクロプロセッサ141はライン143のTX FIRフィルタ131に対し、一連の32シンボル長調整パターンを供給する。これは調整モードの期間にエネーブル状態になるFIFOスタック(図示せず)を経由して行われる。進み/遅れは2つのストリームを0.05Tだけスキューさせる受信ビット・トラック回路によって達成される。
CCU18、29は、モデム19、30aを調整モードに設定し、モデムの送信部にモデム搭載のFIFOスタックからの特殊調整データの読出しを実施させる。受信部はいくつかの試験により進み/遅れをうける。処理が完了すると、モデムは係数が計算されたことを示すステータス・メッセージをCCU18、29に送出する。この時点で、CCU18、29はモデムを正常動作に設定しかつ設定パターンを書き出し、RFU21、31aに指令を発してループ・バック、戻りデータの読取り、有効性の試験を実施させることによりモデムを試験する。
モデムについては、本件アメリカ合衆国特許出願と同日に出願されたアメリカ合衆国特許出願、発明の名称「加入者RF電話システム用モデム」発明者Eric Paneth,David N.CritchlowおよびMoshe Yehushuaに一層詳しく説明してあり、その開示事項は本件の関連文書としてここに含まれるものである。
RF/IF装置及びアンテナ・インタフェース
RFUサブシステムは、基地局及び加入者局の両者において、モデムとアンテナとの間に通信チャンネル・リンクを提供する。線形振幅及び周波数変換機構としてのRFU機能は、チャンネル・データ及び変調特性に対してトランスペアレントである。
加入者局用のアンテナ・インタフェース回路は第28図に示してある。RFU制御論理回路192は、アンテナ・インタフェース回路によって送信機アンテナ32と3本の受信機アンテナ32a、32b、32cに結合している。このRFU制御論理回路192はさらにモデム30aの送信部とモデム30a、30b、20cの受信部にインタフェースしている。実際に、32と32aは同一のアンテナである。
アンテナ・インタフェースの送信部は、アップ・コンバータ及び増幅器回路193、TXシンセサイザ194、電力増幅器196、及びTX/RXモード・スイッチ197を包含している。アンテナ・インタフェースの第1の受信部RX1は、ダウン・コンバータ及び増幅器198、RXシンセサイザ199、及びスイッチ197に接続の前置増幅器200を包含している。各々の付加ダイバシティ受信部TXn(n=2、3)は、ダウン・コンバータ及び増幅器202、RXシンセサイザ203、及び前置増幅器204を包含している。
RFU制御論理回路192は、モデム30aの送信部から受信された信号に応答して、アンテナ・インタフェースの送信部に、下記の信号を供給する。すなわち、(1)TX/RXスイッチ197が送信機アンテナ32による伝送を可能ならしめるためのライン206のTXエネーブル信号、(2)アップ・コンバータ及び増幅器193へのライン207のIF入力信号、(3)ライン208さらにアップ・コンバータ及び増幅器193への電力制御信号、(4)TXシンセサイザ194へのライン209のクロック基準信号、及び(5)ライン210さらにTXシンセサイザ194へのチャンネル選択信号。TXシンセサイザ194は、所望の送信周波数とモデムIF周波数との差に等しいTX周波数選択信号をアップ・コンバータ及び増幅器193へのライン211に供給することによって、ライン210のチャンネル選択信号に応答する。
RFU制御論理回路192は、モデム30a、30b及び30cのそれぞれの受信部から受信された信号に応答して、アンテナ・インタフェース回路の受信部の各々に、下記の信号を供給する。すなわち、(1)ダウン・コンバータ及び増幅器回路198、202を受信モードで動作させるためのライン213のTXエネーブル信号、(2)ダウン・コンバータ及び増幅器回路198、202へのライン214の自動利得制御(AGC)信号、(3)RXシンセサイザ199、203へのライン216さらにRXシンセサイザ199、203へのライン215のクロック基準信号、及び(4)ライン216さらにRXシンセサイザ199、203へのチャンネル選択信号。RXシンセサイザ199、203は、所望の受信周波数とモデムIF周波数との差に等しいRX周波数選択信号をダウン・コンバータ及び増幅器回路198、202へのライン217に供給することによってライン216のチャンネル選択信号に応答する。ダウン・コンバータ及び増幅器回路198、202は、IF出力信号をそれぞれのモデム30a、30b、30cの受信部へ伝達するため、このIF出力信号をRFU制御論理回路192へのライン218に供給する。
送信部のアップ・コンバータ及び増幅器回路193は、ライン207の変調IF信号を受信し、この信号を増幅し、そして選択RFチャンネル周波数に変換する。フィルタ(図示せず)、増幅器196、197及びレベル制御回路(図示せず)の組合せは正しい出力レベルをもたらすために使用されているとともに影像及び高調波周波数における不所望信号を抑制している。送信機出力周波数は、モデムIF周波数とモデムによって供給された基準周波数からの25KHzストップにおいて合成された変換周波数との和である。
加入者局のRFUは、送信期間に受信機がイン・アクティブである半二重トランシーバとして機能する。送信機のバースト・レートは十分に高く使用者に対して全二重動作をシミュレートできる。割り当てられた周波数チャンネルは基地局RPUによって選択されたものである。
基地局のアンテナ・インタフェース回路第は第29図に示してある。RFU制御論理回路219は、アンテナ・インタフェース回路によって送信機アンテナ23、及び3本の受信アンテナ34a、34b、34cに結合されている。RFU制御論理回路219はさらにモデム19の送信部及びモデム19、19b、19cの受信部にインタフェースしている(モデム19bと19cはダイバシティ・モデムで、第2図に示してない)。
アンテナ・インタフェースの送信部は、アップ・コンバータ及び増幅器回路220、TXシンセサイザ221、電力増幅器222、高電力増幅器223、電力検出器224、及び帯域フィルタ225を包含している。アンテナ・インタフェースの第1の受信部RX1は、ダウン・コンバータ及び増幅器230、RXシンセサイザ231、前置増幅器232、及び帯域フィルタ233を包含している。各々の付加ダイバシティ受信部RXnは、ダウン・コンバータ及び増幅器234、RXシンセサイザ235、前置増幅器236、及び帯域フィルタ237を包含している。
RFU制御論理回路219は、モデム19の送信部から受信された信号に応答して、アンテナ・インタフェース回路の送信部に下記の信号を供給する。すなわち、(1)送信アンテナ23による伝送を可能にするべく送信部を作動させるためアップ・コンバータ及び増幅器220へのライン239のTX ON信号、(2)ライン240さらにアップ・コンバータ及び増幅器220へのIF入力信号、(3)TXシンセサイザ221へのライン241の基準信号、及び(4)ライン243さらにTXシンセサイザ221へのチャンネル選択信号。TXシンセサイザ221は、所望の送信周波数とモデムIF周波数との差に等しいRX周波数選択信号をアップ・コンバータ及び増幅器220へのライン243に供給することによりライン242のチャンネル選択信号に応答する。レベル制御信号は、電力検出器224からアップ・コンバータ及び増幅器220へのライン244に供給される。
RFU制御論理回路219は、モデム19、19b、19cのそれぞれの受信部から受信された信号に応答してアンテナ・インタフェース回路の受信部の各々に下記の信号を供給する。すなわち、(1)ダウン・コンバータ及び増幅器回路230、234へのライン245の自動利得制御(AGC)信号、(2)RXシンセサイザ231、235へのライン246のクロック基準信号、およびライン247、さらにRXシンセサイザ231、235へのチャンネル選択信号、および(3)ライン247上のチャンネル選択信号であってやはりRXシンセサイザ231、235への選択信号。RXシンセサイザ231、235は、所望の受信周波数とモデムIF周波数との差に等しいRX周波数選択信号をダウン・コンバータ及び増幅器回路230、234へのライン248に供給することによりライン247のチャンネル選択信号に応答する。ダウン・コンバータ及び増幅器回路230、234は、IF出力信号をそれぞれのモデム19、19b、19cの受信部に伝達するため同信号をRFU制御論理回路219へのライン249に供給する。
基地局及び加入者局のRFUは、基地局のRF出力の送信電力を増大させるために付加高電力増幅器223が使用されていることを除き同一である。いずれの局においてもRFUの基本機能は、モデムの送信部からの変調IF(20.2MHz)信号を450MHz UHFレンヂの所望RF送信周波数に変換することである。RF装置の受信側は受信450MHz UHF信号を20MHzのIF信号に周波数減変換(down-converting)するという反対の働きを行う。送信周波数と受信周波数とは相互に5MHzだけオフセットしている。RF装置は全システムで使用されている互いに異なる周波数で動作するようにCCU制御機能によってプログラムされている。一般的に、各基地局RFUはシステム初期化に際しての与えられた周波数割当てに基づいて設定され変更されないものとなっている。基地局のRFUの数は、基地局において支援されている送信及び受信周波数チャンネル対の数に一致する。加入者局のRFUは、一般に、新規電話機の接続ごとに動作周波数を変更することになる。
RFUは可変AGC及び送信電力レベル調整装置を含んでいる。AGC利得係数は、モデム内の受信部プロセッサ141の計算に基づいてモデムによって与えられる。加入者局の送信電力レベルは、RCCチャンネルで基地局から受信されたメッセージ及び他の制御パラメータに基づいてCCUによって計算される。
ひとつの周波数チャンネルのスロットがすべて使用されていない場合は、RFUはCCUによって設定されたアイドル・パターンを送信することになる。完結した周波数チャンネルが使用されない場合は、その周波数に対する送信機はモデムを通してCCUソフトウェアによって使用禁止にすることができる。
ダイバシティ・スイッチに対する切換え時間は、50マイクロ秒以下であるものとする。
3本のアンテナと3台の個別RF/IF装置が備えてある(1送信、3受信)。
基地局RFU及びアンテナ・インタフェースの多くの部分は、加入者局について上述したものと同じである。本項ではその差異点に重点を置いて説明する。
基地局のRFU及びアンテナ・インタフェース回路は、全二重で動作する。すべての送信機及び受信機は通常100%デューティ・サイクルで動作する。さらに、基地局はできうる限り高送信出力で動作させかつダイバシティを利用する低雑音指数の受信機を使用することが経済的に魅力がある。送信機は動的制御なく最大許可電力レベルで動作するようになっている。受信ダイバシティは、複数の受信アンテナ及び複数のモデムによって具現されている。
基地局は普通の場合、正常運用時には動作周波数や送信電力レベルを変更しない。送信及び受信部は、26チャンネルの各々に完全同調可能である。
基地局アンテナ・インタフェースの送信部はモデムからのライン239の変調IF INPUT信号を受信するとともに、上述した加入者局の送信部と同じようにこの信号を処理する。この信号はさらに必要とする電力レベルに増幅されかつ、共存受信機の動作周波数における雑音軽減及びスプリアス・エミッション・レベルの軽減のため、キャビティ・プリセレクタ帯域フィルタ225で濾波される。
アンテナ・インタフェースの基地局受信部は、フロント・エンドの前段に、共存又は隣接送信機によって生じる感度劣化の排除に役立つキャビティ・プリセレクタ帯域フィルタ233、237が設置されていることを除き、加入者局に関して説明したものと同一である。低雑音前置増幅器がさらに使用できるスレッショルド信号レベルを減少させるために使用されている。すべてのアンテナ23、34a、34b、34cは、他のいずれのアンテナに対しても30dBのアイソレーションを有している。送信された信号と受信された信号との間に約80dBのアイソレーションを保証するため、送信部と受信部との間にさらにアイソレーションが設けられている。帯域フィルタ、前記増幅器、及び増幅器は、適切な送信又は受信アンテナの付近に位置している。
ダイバシティ受信装置
ダイバシティ受信は、許容スレッショルド以下のチャンネル・フェード(channel fade)の発生公算を軽減するために使用されている。ダイバシティ・システムは、加入者局から基地局への経路及び基地局から加入者局への経路に対して3つの分岐ダイバシティを付加する能力を有する。基地局及び加入者局の両者におけるダイバシティ・ハードウェアは、特殊ダイバシティ組合せ回路、3個のモデムとその関連RF装置、及びアンテナを含んでいる。“モデム-RFU-アンテナ”の組合せのみが送信能力を有する。ダイバシティ組合せ回路33は第3図の加入者局システムのみに示されているが、この回路は加入者局と同じ方法で基地局にも存在し両モデム及びCCUに接続されている。
ダイバシティ受信で動作する場合は、基地局又は加入者局は、受信された信号のフェーディング特性が相互関係しないことを十分に保証できる距離だけ離れている3本の受信アンテナを使用している。これら3本のアンテナは、アンテナ・インタフェースの3つの同一受信部を通して、そのIF出力が復調を受けるため別々のモデムに流れてゆくRFU制御論理回路に信号を供給する。ダイバシティ組合せ回路33のTMS320マイクロプロセッサ(ダイバシティ・プロセッサ)は、モデムから出力をとり、単一モデムをエミュレート(emulate)する方法でシステムの他の部分に一層信頼できるデータ・ストリームを供給する。ダイバシティ組合せを行うこととCCUに対して単一モデムのごとく見せかけることの2つのタスクが、ダイバシティ・プロセッサ・ハードウェア及びソフトウェアの役割である。
ダイバシティ・プロセッサは3つのモデムから、それらモデムのデータ・シンボル、AGC値、信号+雑音、絶対値、及び位相エラー(検出位相の理想22.5度基準ベクトルからの偏差)を読み取る。復調されたシンボルの決定に使用したアルゴリズムは、最も適当な正しい答えをもってモデムを識別するため各モデムに対する信号対雑音比の多数決計算を使用している。
ダイバシティ・プロセッサーCCUインタフェース・レジスタは、ダイバシティ処理機能において使用されている、情報を伝達するために使用されている余分のレジスタは必要がないのでただ3個のアドレス・ビットのみが必要であることを除き、モデムにあるレジスタとほとんど同一である。
TMS320マイクロプロセッサのI/O能力は低くかつ処理内容のほとんどが一度に一種のI/Oレジスタですむので、そのときに必要とするレジスタ・アドレスを保持する特殊レジスタが使用される。たとえば、各モデムからのAGC値を読出し、最高値を選択し、かつその結果をそれがCCUによって読み出されうるダイバシティ・プロセッサのI/Oレジスタに書き込まれなければならない。これらのレジスタのアドレス指定は、AGCレジスタのアドレスが、それがモデム・アドレス・ラインに設定されるポートにまず書き込まれれば、最も効果的に行われる。その後は、プロセッサは正しいモデムすなわちマイクロプロセッサ・レジスタ・バンクをアドレスすることのみを要し、これによりI/O動作を高速化することができる。
加入者局のダイバシテイ・システムにおいては、各モデムは各自のタイミング装置を有し、さらにダイバシティ・システム内の3個のモデムによって使用されるタイミング信号は必ずしも同相である必要はない。これら3個のモデムのモデム・クロック信号は相互に同期していないので、各モデムからのデータシンボル出力をダイバシティ・プロセッサが読み取るまで、この出力を保持するためラッチが必要である。
ダイバシティ・プロセッサの重要な機能はCCUと3個のモデムとの間の通信を維持することである。この通信はダイバシティ・プロセッサを過負荷にしない範囲で、CCUの要求のすべてに応じるように十分迅速に実施されなければならない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のRF加入者電話システムを全般的に示すブロック図。
第2図は第1図のシステム内の基地局の好ましい実施例を表すブロック図。
第3図は第1図のシステム内の加入者局の好ましい実施例のブロック図。
第4図は2つの加入者局間の接続を確立するため両加入者局と基地局とによって生成されるメッセージの順序を示す図。
第5図は第2図の基地局内の遠隔制御プロセッサ装置(RPU)に実用されている種々のデータ処理モジュールを示す図。
第6図は第2図の基地局内のRPUによる入力及び出力BCCメッセージの処理を示す図。
第7図は第2図の基地局内のRPUによる入力及び出力PBXメッセージの処理を示す図。
第8図は第2図の基地局内のRPUによるロガー・メッセージの処理を示す図。
第9図は第2図の基地局内のRPUのマップ・メモリを示す図。
第10図は第5図に示すメッセージ処理モジュール(MPM)によるRCCの状態に関するメッセージの処理を示す図。
第11図は第5図に示すメッセージ処理MPMによるチャンネルの状態に関するメッセージの処理を示す図。
第12図は第3図の加入者局内の加入者端末インタフェース装置(STU)のブロック図。
第13図は第2図の基地局内のPBXとVCUとの間の信号インタフェースを示す図。
第14図(シート1)は第2図の加入者局内のSTUとVCUとの間の信号インタフェースを示す図。
第15図は第13図に示すPBX-VCUインタフェース信号及び図14に示すSTU-VCUインタフェース信号のタイミング関係を示す図。
第16図(シート11)は第2図の基地局及び第3図の加入者局におけるVCU及びCCUとの間の信号インタフェースを示す図。
第17図は第16図に示すVCU-CCU信号インタフェースの送信チャンネル信号に対するタイミング関係を示す図。
第18図は第16図に示すVCU-CCU信号インタフェースの受信チャンネル信号に対するタイミング関係を示す図。
第19Aおよび19B図はそれぞれ16レベルPSK変調の場合のVCUとCCUとの間に伝送される送信及び受信音声ブロックに対するタイミング関係を示す図。
第20A図は16レベルPSK変調の場合のVCUとPBX(又はSTU)との間の受信チャンネルに対する入力及び出力データのタイミング並びにその内容を示す図、
第20B図は16レベルPSK変調の場合のVCUとPBX(又はSTU)との間の送信チャンネルに対する入力及び出力データのタイミング並びにその内容を示す図。
第21図(シート5)は第2図の基地局及び第3図の加入者局の両者のCCUのブロック図。
第22図は第21図のCCUのソフトウェア配設機能体系を示す図。
第23図は第22図のCCUの送信バスによるRCC及び16レベルPSK音声データを伝送するためのタイミング図。
第24図は第23図のCCUの受信バスによるRCC及び16レベルPSK音声データを伝送するためのタイミング図。
第25図(シート3)は第2図の基地局及び第3図の加入者局のモデムのブロック図。
第26図は第2図の基地局内のCCU、モデム、及びSTU間の信号インタフェースを示す図。
第27図は第2図の基地局及び図3の加入者局のモデムとRFUとの間の信号インタフェースを示す図。
第28図は第3図の加入者局に対するアンテナ・インタフェース回路のブロック図。
第29図は第2図の基地局に対するアンテナ・インタフェース回路のブロック図である。
【符号の説明】
10 加入者局
11 基地局
12 中央局
15 私設局内交換設備
16 符復号器
17 単一音声符復号器
18 チャンネル制御装置
19 モデム
20 リモート・コントロール・プロセッサ装置
21 RF/IF処理装置
22 アンテナ・インタフェース装置
24 PBX呼出し処理装置
27 加入者局端末装置
28 音声符復号装置
29 チャンネル制御装置
30a、30b、30c モデム
32a、32b、32c RF送信アンテナ
33 ダイバシティ・コンバイナ回路
34a、34b、34c 受信アンテナ
35 システム・タイミング装置
40 スケジューラ・モジュール
41 ベースバンド制御チャンネル・モジュール
42 PBXモジュール
43 制御卓モジュール
44 ロガー・モジュール
45 メッセージ処理モジュール
46 データベース・モジュール
48 メッセージ
50 PBXメイルボックス
55 PCM符復号器
57 マルチプレクサ
58 加入者制御装置
59 送信及び受信FIFO
61 VCU励振/受信回路
65 呼出し音発生回路
66 DTMF検出回路
67 リング発生器
68 タイミング発生器
107 TXバス
108 RXバス
109 送信音声符復号器インタフェース・モジュール
110 送信メモリ・モジュール
111 マイクロコントローラ・モジュール
112 送信モデム・インタフェース・モジュール
114 受信モデム・インタフェース・モジュール
115 受信メモリ・モジュール
117 受信音声符復号器インタフェース・モジュール
119 マイクロコントローラ・ローカル・バス
120 送信DMA・コントローラ
121 受信DMA・コントローラ
122 制御/ステータス・レジスタ
123 リンク
126 シンボル・バイト・コンバータ
127 バイト・シンボル・コンバータ
128 リクロッキングFIFOスタック
129 FIFOスタック
130 クロック回路
131 TX・FIRフィルタ
132 FIRフィルタ
134 帯域フィルタ
135 ミキサ
139 A/Dコンバータ
141 マイクロプロセッサ
192 RFU制御論理回路
193 増幅器
194 シンセサイザ
196 増幅器
197 TX/RXモード・スイッチ
198 増幅器
199 RXシンセサイザ
200 前置増幅器
202 増幅器
203 シンセサイザ
204 前置増幅器
219 RFU制御論理回路
222 電力増幅器
223 高電力増幅器
224 電力検出器
225 帯域フィルタ
230 増幅器
231 シンセサイザ
232 前置増幅器
233 帯域フィルタ
234 増幅器
235 シンセサイザ
236 前置増幅器
237 帯域フィルタ
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2003-03-03 
結審通知日 2005-07-05 
審決日 2005-08-05 
出願番号 特願昭61-39331
審決分類 P 1 41・ 856- Y (H04Q)
P 1 41・ 841- Y (H04Q)
P 1 41・ 121- Y (H04Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 池田 敏行  
特許庁審判長 井関 守三
特許庁審判官 吉岡 浩
長島 孝志
赤川 誠一
橋本 正弘
登録日 1998-08-21 
登録番号 特許第2816349号(P2816349)
発明の名称 多重音声及び/又はデータ信号通信を単一又は複数チャンネルにより同時に行うための加入者RF電話システム  
代理人 内原 晋  
代理人 渡邊 隆  
代理人 船山 武  
代理人 渡邊 隆  
代理人 船山 武  
代理人 内原 晋  
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