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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200580341 審決 特許
無効200680012 審決 特許
無効200680029 審決 特許
無効200680186 審決 特許
無効200680043 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G02B
審判 全部無効 2項進歩性  G02B
管理番号 1161219
審判番号 無効2006-80197  
総通号数 93 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 2006-10-06 
確定日 2007-06-28 
事件の表示 上記当事者間の特許第2512408号発明「偏光性の優れた偏光フイルムの製造法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第2512408号の請求項1に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1.手続の経緯
平成 2年12月13日 特許出願(特願平2-417681号)
平成 8年 2月20日 特許査定
平成 8年 4月16日 設定登録(特許第2512408号)
平成18年10月 6日 特許無効審判請求(無効2006-80917号)
平成18年12月22日 答弁書提出
平成19年 3月19日 口頭審理陳述要領書提出(請求人)
平成19年 3月19日 口頭審理陳述要領書提出(被請求人)
平成19年 3月19日 口頭審理
平成19年 3月30日 上申書提出(被請求人)
平成19年 4月20日 上申書提出(請求人)

第2.請求人の主張の概要及び提出した証拠
1.請求人の主張の概要
(1)無効理由1
平成5年12月24日付け手続補正書による明細書の補正は明細書の要旨を変更するものであるから、本件特許の出願日は当該手続補正書が受理された平成5年12月24日とすべきところ、本件発明は、出願前に頒布された刊行物である本件特許の公開公報(特開平4-215603号公報)に記載されているから、特許法第29条第1項第3号に規定する発明に該当するものであり、無効とされるべきである。

(2)無効理由2
本件発明は、甲第1号証から甲第7号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、無効とされるべきである。

(3)無効理由3
本件発明は、甲第3号証若しくは甲第4号証と甲第7号証との組み合わせ、甲第4号証単独、又は甲第3号証と甲第4号証との組み合わせから、当業者が容易に発明をすることができた発明であるから、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、無効とされるべきである。

(4)無効理由4
本件特許の請求項1は、ホウ素化合物処理中における延伸段階数を2段階に限定しているのか、3段階以上のものも含むのかが明らかでなく、発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないから、特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしておらず、無効とされるべきである。

(5)無効理由5
本件特許の請求項1は、原反(未延伸)フイルムに対して延伸処理を施す方法に限定されるのか、ホウ素化合物処理に先立ち予め延伸されたフイルムに対して延伸処理を施す方法をも含むのかが明らかでなく、発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないから、特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしておらず、無効とされるべきである。

(6)無効理由6
本件の発明の詳細な説明の記載からすると、2段目の延伸倍率が1段目の延伸倍率より低いことが、発明の必須の構成要件になると理解されるのに対し、本件特許の請求項1にはこの構成要件が記載されていないため、本件発明と本件の発明の詳細な説明の記載との間には齟齬があり、特許法第36条第5項第1号または第2号に規定する要件を満たしておらず、無効とされるべきである。

(7)無効理由7
本件発明の目的を達成するためには、PVAフイルムの状態、ヨウ素染色条件及び延伸条件の特定も必須の構成要件になるべきものであり、これらを特定する記載がない本件特許の請求項1は、発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないから、特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしておらず、無効とされるべきである。

(8)無効理由8
本件特許の請求項1は、いわゆるパラメータ特許事件判決で示された基準を充足していないため、発明の詳細な説明の記載がいわゆるサポート要件を満たしておらず、特許法第36条第5項第1号に規定する要件に違反し、無効とされるべきである。

2.証拠方法
(1)甲第1号証: 特開平1-105204号公報
(2)甲第2号証: 特開平1-227101号公報
(3)甲第3号証: 特開平2-253204号公報
(4)甲第4号証: 特開昭61-175602号公報
(5)甲第5号証: 特開昭52-93482号公報
(6)甲第6号証: 特開昭60-257220号公報
(7)甲第7号証: 特開昭64-84203号公報
(8)甲第8号証: 平成17年11月11日知的財産高等裁判所判決(平成17年(行ケ)第10024号)
(9)甲第9号証: 平成5年1月27日東京高等裁判所判決(平成元年(行ケ)第216号)
(10)甲第10号証: 平成4年5月21日東京高等裁判所判決(平成2年(行ケ)第119号)
(11)甲第11号証: 本件意見書(平成5年12月24日提出)
(12)甲第12号証: 本件手続補正書(平成5年12月24日提出)

第3.被請求人の主張の概要
(1)無効理由1について
平成5年12月24日付け手続補正書による明細書の補正においては、特許請求の範囲は変更されておらず、単に対照例の誤記を補正しただけのものであり、この補正は発明の要旨には全く影響のない部分である。
特許請求の範囲の記載に続いて対照例の記載を見れば、対照例3の「4.2倍の延伸」を「5.0倍の延伸」に補正することは、明らかな誤記の訂正と当業者に認められる事項であるから、その補正によっては特許請求の範囲に記載した技術的事項は何ら実質的な変化がない。

(2)無効理由2について
甲第3号証から甲第6号証には、「多段式のロール延伸」について記載されているが、いずれの証拠にも、ホウ素化合物処理中に2段延伸することについては記載されていない。したがって、甲第1号証から甲第7号証に記載された事項を併せ考えても、本件発明は当業者が容易に想到し得たものではない。
発明の効果に関して、本件発明の実施例1と対照例1とを比較すれば、ホウ酸溶液中での2段延伸を行った実施例1の偏光度(99.1%)が1段延伸の対照例1の偏光度(96.0%)に対して相対的に優位性のある結果となっていることは明らかである。

(3)無効理由3について
甲第3号証及び甲第4号証には、「多段式のロール延伸」について記載されているが、いずれの証拠にも、ホウ素化合物処理中に2段延伸することについては記載されていない。したがって、甲第3号証及び甲第4号証に記載された事項を併せ考えても、本件発明は当業者が容易に想到し得たものではない。
また、甲第3号証及び甲第7号証における実施例に挙げられたホウ酸工程の延伸は、いずれも6倍であり、本件発明で規定する最初の工程の延伸倍率4.5倍以下を大幅に超えた方法である。

(4)無効理由4について
本件発明は、ホウ素化合物処理工程中でフイルムを多段階延伸するのが特徴であると本件明細書には明確に記載されている。してみると、本件特許の請求項1は、ホウ素化合物処理中の延伸倍率の上限を設け、かつ、その延伸を多段階で実施するという技術的事項を必須の要件として規定しているから、請求人の主張するような明細書の瑕疵はない。

(5)無効理由5について
本件特許の請求項1は、製膜されたポリビニルアルコール系樹脂フイルム(無延伸フイルム)を出発原料とし、各工程を経て最終的に偏光フイルムを製造する際のホウ素化合物処理工程における延伸条件を規定していることは明らかである。

(6)無効理由6について
本件明細書に記載された延伸倍率の相対条件値は、同明細書全体から考えれば、「好ましくは必要である」との意味であることは明らかであり、特許請求の範囲の記載と矛盾するものではない。また、本件発明は、各段の延伸倍率の相対値に特徴があるものではなく、その延伸倍率の上限値、すなわち延伸倍率の絶対値を規定することに技術的意義を有するものである。

(7)無効理由7について
PVAフイルムの状態、ヨウ素染色条件及び延伸条件等は、本件明細書の記載及び当業者の技術常識に照らせば、本件発明の目的を達成する範囲内で適宜設定できるものであり、いずれも当業者によって自明な事項である。

(8)無効理由8について
本件はパラメータ特許事件判決とは事実関係が異なるものであり、本件においては、本件の技術的課題を解決するため、特定の技術的構成を採用すれば所期の効果が達成されることは、当業者が出願時の技術常識に照らし明確に記載されていることを認識できるものである。

第4.当審の判断
本件では、補正の要件、明細書の記載不備、進歩性の順に判断することが妥当と考えられるので、無効理由1、4?8、2、3の順番で検討する。

I.無効理由1(要旨変更)について
(1)本件補正の内容
平成5年5月24日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、発明の詳細な説明中の対照例3について、「1段で4.2倍の延伸を行った」という記載を「1段で5.0倍の延伸を行った」と補正したものである。

(2)出願当初の明細書の記載
本件補正に関連する事項として、出願当初の明細書には以下のような記載がある。

(ア)【請求項1】
「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色後ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中でまず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸することを特徴とする偏光性の優れた偏光フイルムの製造法。」

(イ)【0011】
「本発明ではかかる処理工程中でフイルムを2段階延伸するのが特徴である。まず第1段階では4.5倍以下、好ましくは1.1?4.5倍の範囲に一軸延伸し、…」

(ウ)【0021】
【表1】において、対照例3では「切断が著しい」との記載。

(3)判断
(ア)上記記載によれば、特許請求の範囲に記載された「該処理工程中でまず4.5倍以下に一軸延伸し」という構成要件で定められる技術的範囲の中に対照例3が含まれることになるから、出願当初の明細書に誤記があったことは、当業者には明らかであったといえる。

(イ)また、本件補正により、本件特許の技術的事項に文言上の変更がないことは明らかである。
さらに、後述の「第4.当審の判断」の「II.無効理由4から7まで(記載要件1)について」、「III.無効理由8(記載要件2)について」及び「IV.無効理由2及び3(進歩性)について」から明らかなように、対照例3に関する記載は、本件特許についての記載要件や進歩性などに影響を与えるものではない。
してみれば、本件補正により、特許請求の範囲に記載した技術的事項には実質的に変化はないものといえる。

(ウ)なお、請求人は、甲第10号証(平成4年5月21日東京高等裁判所判決(平成2年(行ケ)第119号)を引用し、補正前の内容が補正後の内容の誤記であったことが当初明細書等の記載から自明でない場合、そのような補正は許されない旨の主張をしている。
しかし、同判決においては、特許請求の範囲に記載した技術的事項の解釈に関連して補正がなされたものであり、本件とは事案を異にするものである。

(4)小括
してみれば、本件補正は明細書の要旨を変更する補正ではないことから、本件について適用される平成5年法律第26号による改正前の特許法(以下、「改正前特許法」という。)第40条に該当せず、本件特許出願の出願日は繰り下がらないので、本件特許に係る発明は本件特許の公開公報に記載された発明と同一とすることはできず、無効理由1には理由がない。

II.無効理由4から7まで(記載要件1)について
まず、無効理由7について検討する。

1.無効理由7について
(1)請求項1の記載
本件特許第2512408号の請求項1には、以下の事項が記載されている。
「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色後ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中でまず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸することを特徴とする偏光性の優れた偏光フイルムの製造法。」

(2)本件発明の目的
本件発明の目的に関する事項として、特許明細書には以下のような記載がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のポリビニルアルコール系偏光フイルムの場合、ヨウ素染色品の方が偏光性能は良好であるので実用化されているが、今時の高品位製品の要請は大きく、より高度の偏光性能をもつフイルムが必要とされるのが実情である。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はかかる問題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色したのち、次いでホウ素化合物で処理することにより偏光フイルムを製造するに当たり、上記の処理工程においてまず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸する場合、目的が達成できることを見いだし本発明を完成するに到った。
【0014】
【作用】本発明の偏光フイルムはその偏光度が極めて高く、かかる特性を利用して液晶表示体の用途に用いられ、特に車両用途、各種工業計器類、家庭用電化製品の表示等に有用である。
【0024】
【発明の効果】本発明ではポリビニルアルコール系樹脂を使用し、かつ該樹脂フイルムをホウ素化合物で処理する工程で2段階にわたって一軸延伸することによって、偏光度の優れた偏光フイルムが得られる。

以上の記載から、本件発明の目的は、偏光度の優れたポリビニルアルコール系偏光フイルムを得ることであると認められる。

(3)判断
しかし、ポリビニルアルコール系フイルムの偏光度に影響を与える光学的特性や物理的特性は、ホウ素化合物処理中での延伸倍率以外にも、例えば、ポリビニルアルコール系フイルムの平均ケン化度・平均重合度・原反フイルムの膜厚、ヨウ素染色処理の条件(例えば、ヨウ素の濃度・染色時間)、ホウ素化合物処理の条件(例えば、ホウ素の濃度・染色時間)などの各種条件に、大きく依存するものであることは技術常識というべきである。
このことは、本件発明の対照例3において、ホウ素化合物処理中に1段で5.0倍の延伸を行った場合、切断が著しいと述べられているのに対して(本件明細書【0020】、【0021】)、例えば、甲第3号証においては、同対照例3とは平均ケン化度・平均重合度の異なるポリビニルアルコールを用いた場合、ホウ素化合物処理中で6倍の延伸を行った場合にも高偏光度を有するポリビニルアルコール系偏光フイルムが得られていること(実施例1、2、4、5)からも裏付けられる。
結局、本件特許の請求項1の記載からのみでは、本件発明の目的を達成することはできないと判断される。

(4)小括
したがって、本件特許の請求項1は、その目的を達成するための必須の構成要件となるべき発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないから、改正前特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.無効理由6について
次に、無効理由6について検討する。

(1)特許明細書の記載
本件の発明の詳細な説明には、第1段階と第2段階の一軸延伸倍率に関して、以下の事項が記載されている。
【0011】本発明ではかかる処理工程中でフイルムを2段階延伸するのが特徴である。まず第1段階では4.5倍以下、好ましくは1.1?4.5倍の範囲に一軸延伸し、ついで第2段階では2倍以下、好ましくは1.1?2倍に一軸延伸する。本発明では第2段階の延伸倍率を第1段階の延伸倍率よりも小さくすることも必要である。

また、本件の各実施例1から3において、第2段階の延伸倍率は第1段階の延伸倍率よりもすべて小さく設定されている。

(2)判断
上記【0011】の「本発明では第2段階の延伸倍率を第1段階の延伸倍率よりも小さくすることも必要である。」との記載からは、本件発明においては、第2段階の延伸倍率を第1段階の延伸倍率よりも小さくすることが発明の必須の構成要件であることは明らかであり、この条件が任意のものであるということはできない。

(3)小括
したがって、本件特許の請求項1は、その目的を達成するための必須の構成要件となるべき発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないから、改正前特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしていない。

3.その他の無効理由(無効理由4及び5)について
(1)無効理由4について
(ア)本件の請求項1には、「1.無効理由7について (1)請求項1の記載」の項で摘記したとおり、一軸延伸に関して、「ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中でまず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸する」と記載されている。

請求項1の上記記載によれば、ホウ素化合物処理中における一軸延伸については、4.5倍以下の一軸延伸と2倍以下の一軸延伸との工程で完結していると解することができ、ホウ素化合物処理中で更に一軸延伸するとは理解し難い。
この点は、実施例がすべて2段階の一軸延伸のものであることからも裏付けられる。

(イ)したがって、無効理由4に関しては、請求項1には発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないとはいえない。

(2)無効理由5について
(ア)本件の請求項1には、「1.無効理由7について (1)請求項1の記載」の項で摘記したとおり、「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色後ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造する」と記載されている。

請求項1の上記記載によれば、「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し」と「ヨウ素染色後」と「ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造」とは一連の工程であると解することができ、ホウ素化合物処理の前に予め延伸されたフイルムに対して延伸処理を施すものは含まれないというべきである。

(イ)したがって、無効理由5に関しては、請求項1には発明の構成に欠くことができない事項が記載されていないとはいえない。

(3)小括
したがって、無効理由4及び5に関しては、本件特許の請求項1は、改正前特許法第36条第5項第1号または第2号の要件を満たしていないとはいえない。

4.結論
以上「1.無効理由7について」及び「2.無効理由6について」で述べたとおり、請求項1の記載は改正前特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たしていないから、本件発明についての特許は特許法第123条第1項第4号に該当し無効とすべきものである。

III.無効理由8(記載要件2)について
(1)本件特許の請求項1には、ホウ素化合物処理中における第1段階の延伸倍率と第2段階の延伸倍率の数値範囲が記載されており、それに対して、本件の発明の詳細な説明には、その数値範囲内に含まれる3つの実施例と、その数値範囲外の3つの対照例とが開示されている。

したがって、請求項1の記載がいわゆるサポート要件を満たしていないとはいえない。

(2)なお、請求人が引用したいわゆる「パラメータ特許事件判決(平成17年11月11日知的財産高等裁判所判決(平成17年(行ケ)第10024号))」について付言すると、同事件においては、熱水中での完溶温度(X)と平衡膨潤度(Y)という2つのパラメータについて、2つの実施例と2つの比較例のみに基づいて、XY平面上における無数の直線又は曲線の中から特定の傾斜を有する一の直線を選択し、それを境界として特許発明を規定したものであり、本件とは事案を異にするものである。

(3)小括
したがって、無効理由8については、本件特許の請求項1は改正前特許法第36条第5項第1号の要件を満たしていないとはいえない。

IV.無効理由2及び3(進歩性)について
上記「II.無効理由4から7まで(記載要件1)について」で述べたとおり、本件発明についての特許は無効とすべきものであるが、念のため進歩性についても検討する。
まず、無効理由3について検討する。

1.本件発明
本件特許の請求項1に記載された発明(以下、「本件発明」という。)は、次のとおりである。

「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色後ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中でまず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸することを特徴とする偏光性の優れた偏光フイルムの製造法。」

2.甲号証の記載内容
無効理由3の証拠方法として挙げられた甲第3号証、甲第4号証及び甲第7号証には以下の事項が記載されている。

(1)甲第3号証について
甲第3号証(特開平2-253204号公報)には、以下(ア)から(ウ)の事項が記載されている。

(ア)[産業上の利用分野]
本発明は耐久性に優れ且つ高偏光度を有する偏光フイルムの製造法に関する。
(第1頁左欄第17行?第19行)

(イ)実施例1
平均重合度3800、平均ケン化度99.5モル%のポリビニルアルコールを水に溶解し、5.0重量%濃度の水溶液を得た。該液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延後、乾燥して膜厚60μのフイルムを得た。このフイルムをl0cm巾に切断しチャックに装着した。
該フイルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ50g/lよりなる水溶液中に30℃にて120秒浸漬し、ついでホウ酸60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行った。最後に室温で24時間乾燥した。得られたフイルムの膜厚は25μ、巾は5cmでフイルム中の減少率(以下単に減少率と略記する)は50%であった。該フイルムの両面にポリビニルアルコール水溶液を接着剤として用いて膜厚80μのトリアセデルセルロースを貼着し50℃で乾燥して偏光板を得た。この偏光板の単体透過率は43.05%、偏光度は99.89%であった。更にこのフイルムを60℃、相対湿度90%の雰囲気中に20日間放置した後同様の測定を行ったところ単体透過率は43.08%、偏光度は99.43%であった。
又、80℃でドライ雰囲気下で20日放置して、耐熱テストを行ったところ、単体透過率は43.05%、偏光度は99.87%であった。
対照例1
平均重合度1700、平均ケン化度99.8モル%のポリビニルアルコールを用いて実施例1と同一の実験を行った。
製造直後の偏光板の単体透過率は43.19%、偏光度は99.14%であり、60℃、相対湿度90%、放置日数20日間後の単体透過率は44.83%、偏光度は95.89%であった。
耐熱テスト後の単体透過率は44.82%、偏光度は95.87%であった。
対照例2
フイルム中の減少率を70%に変更した以外は実施例1と同じ実験をした。製造直後の単体透過率は43.26%、偏光度は99.36%、60℃、相対湿度90%、放置日数20日間後の単体透過率は44.88%、偏光度は97.66%であった。耐熱テスト後の単体透過率は44.87%、偏光度は97.64%であった。
実施例2
平均重合度4500、平均ケン度99.3モル%のポリビニルアルコールを用いた以外は実施例1と同一の実験を行った。製造直後の偏光板の単体透過率は44.05%、偏光度99.78%であり、60℃、相対湿度90%、放置日数20日間後の単体透過率は44.88%、偏光度は97.45%であった。耐熱テスト後の単体透過率は44.05%、偏光度は99.76%であった。
実施例3
実施例1において流延して得られた膜厚60μのフイルムをつづいて110℃にて一軸方向に4倍延伸した。フイルムの巾の減少率は70%であった。延伸フイルムをチャックに装着し実施例1と同じ組成のヨウ素液、ホウ酸液中でそれぞれ240秒、5分間処理しつつ、更に1.5倍の再延伸を行った。得られた偏光フイルムの巾の減少率は52%であった。以下実施例1と同様にして偏光板を製造した。該偏光板の製造直後の単体透過率は44.17%、偏光度は99.35%、60℃、相対湿度90%、放置日数20日間後の単体透過率は45.50%、偏光度は96.04%であった。耐熱テスト、後の単体透過率は44.17%、偏光度は99.34%であった。
実施例4?5
実施例1においてフイルムの巾の減少率を46%(6.5倍延伸)[実施例4]及び53%(5.4倍延伸)[実施例5]に変更した以外は同じ実験を行った。結果は次のとうりであった。
実施例4 実施例5
単体透過率 偏光度 単体透過率 偏光度
製造直後 43.14% 99.89% 43.24% 99.23%
耐久テスト後 43.74% 99.45% 44.53% 98.74%
耐熱テスト後 43.14% 99.87% 43.24% 99.22%
(第3頁右上欄第12行?第4頁右上欄第5行)

(ウ)いずれの手段を実施するにしても、本発明では延伸過程において延伸後のフイルム中が延伸前のフイルム中の60%以下、好ましくは40?55%になるように一軸延伸しなければならない。このようにフイルムの巾方向の長さの減少率を、かかる特定の範囲に規定することによって偏光性能と耐久性の向上が同時に達成できるのである。従来ポリビニルアルコールフィルムの一軸延伸では、むしろ生産性の観点からフイルムの巾方向の収縮を出来る限り防止しようとするのが普通であるが、本発明ではかかる従来の技術とは逆に巾方向の収縮を特定の範囲にコントロールする点に、大きな特徴が存在するのである。かかる範囲に延伸するにはロール延伸、テンター延伸等が任意に実施されるが、通常は前者が行われる。ロール延伸は一段式、多段式のいずれも実施可能である。収縮を60%以下にするためには延伸ロール間の距離をかなり長く設定する等の工夫がされる。延伸と染色は別々に行っても同時に行っても良い。別々に行なう場合、延伸と染色の順序も任意である。延伸は一軸方向に4倍以上好ましくは6倍以上延伸することが望ましい。延伸時の温度条件は50?130℃から選ぶのが普通である。
(第2頁左下欄第7行?右下欄第6行)

したがって、甲第3号証には、
「ポリビニルアルコールを水に溶解し、5.0重量%濃度の水溶液を得て、該液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延後、乾燥して膜厚60μのフイルムを得る工程と、
該フイルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ50g/lよりなる水溶液中に30℃にて120秒浸漬する工程と、
ついでホウ酸60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行う工程と、
からなる高偏光度を有する偏光フイルムの製造法。」
(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

(2)甲第4号証について
甲第4号証(特開昭61-175602号公報)には、次の事項が記載されている。

(ア)本発明の目的は改善された可視域偏光素子を提供することである。
さらに、本発明の目的は非常に高い消光特性ばかりでなく高い透過率特性を有するかかる要素を提供することである。
さらに、本発明の目的は改善された偏光子材料の製造方法を提供することである。
(第2頁右上欄第5行から第11行)

(イ)着色シートはゴム被覆固定曲りロール42のまわりをまわってホウ酸エステル化用溶液に入る。ロール36および38によって形成される入り口ニップと駆動ニップロール44および46によって形成される出口ニップは必要な表面速度の例えば約40?45%の増大に適するよう設定される。トラッキングロール48および50は対状に取付けられており、同様にトラッキングロール52および54があり、そしてウェブに延伸を強制するように大きさが決められている。ロール50はロール48より大きい直径を有し、そしてロール52はロール54より大きい直径を有する。
(第4頁左上欄第10行から右上欄第1行)

(3)甲第7号証について
甲第7号証(特開昭64-84203号公報)には、次の事項が記載されている。

(ア)[産業上の利用分野]
本発明は耐久性に優れ且つ高偏光度を有する偏光フイルム及びその製造法に関する。
(第1頁右欄第2行?第4行)

(イ)該ポリビニルアルコールフィルムは一軸延伸されているが、その倍率は3.5?10倍、好ましくは4.5?7倍である。
かかる延伸倍率は最終的に上記の範囲になる様に設定されれば良く、延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の段階で多段階に実施すれば良い。
(第2頁右上欄第20行?左下欄第5行)

3.対比
(1)本件発明と引用発明とを対比する。

(a)引用発明の「ポリビニルアルコールを水に溶解し、5.0重量%濃度の水溶液を得て、該液をポリエチレンテレフタレートフィルム上に流延後、乾燥して膜厚60μのフイルムを得る工程」は、本件特許明細書に記載された実施例1における製膜工程と何ら相違するところはないことから、本件発明の「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し」に相当する。

(b)引用発明の「該フイルムをヨウ素0.2g/l、ヨウ化カリ50g/lよりなる水溶液中に30℃にて120秒浸漬する工程」は、上記実施例1における染色工程と何ら相違するところはないことから、本件発明の「ヨウ素染色」に相当する。

(c)引用発明の「ついでホウ酸60g/l、ヨウ化カリ30g/lの組成の水溶液に浸漬すると共に、同時に6倍に一軸延伸しつつ5分間にわたってホウ酸処理を行う工程」は、6倍の一軸延伸をしている点を除き、上記実施例1におけるホウ素化合物処理工程と相違するところはないことから、本件発明の「ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中で一軸延伸する」に相当する。

(d)引用発明の「高偏光度を有する偏光フイルム」が本件発明の「偏光性の優れた偏光フイルム」に相当することは明らかである。

(2)してみれば、本件発明と引用発明とは、「ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを製膜し、ヨウ素染色後ホウ素化合物で処理して偏光フイルムを製造するに当たり、該処理工程中で一軸延伸することを特徴とする偏光性の優れた偏光フイルムの製造法。」
である点で一致し、

[相違点1]
ホウ素処理工程中での一軸延伸が、本件発明では、まず4.5倍以下に一軸延伸し、続いて2倍以下に一軸延伸するものであるのに対して、引用発明では、6倍に一軸延伸するものである点、

において両者は相違する。

4.判断
[相違点1]について
(1)一軸延伸を2段階で行う点について
甲第7号証には、ポリビニルアルコール系樹脂フイルムを一軸延伸するに当たり、「延伸操作は一段階のみならず、製造工程の任意の段階で多段階に実施すれば良い。」と記載されている(上記「2.甲号証の記載内容(3)甲第7号証について(イ)」より)。
また、ポリマーからなるフイルムを多段階に一軸延伸する際には、同一工程中で各段階の一軸延伸を続けて行うことは周知の事項であると認められる(例えば、甲第5号証の第2頁右下欄第8行から第3頁左上欄第19行、第2図を参照)。
上記周知の事項を考慮して甲第7号証の記載を解釈すると、甲第7号証には一工程中で多段階に延伸する点が開示されているといえる。
そして、甲第7号証には、多段階の一軸延伸をホウ素化合物処理の工程で行うことは不適当であると解すべき記載もなく、ホウ素化合物処理の工程で多段階の一軸延伸を行うことに、何らの阻害要因があるとすることもできない。
また、甲第4号証の上記「2.甲号証の記載内容(2)甲第4号証について (イ)」の記載事項から、ホウ酸エステル化用溶液中のロールの大きさは、周速を変えて強制的に延伸させるものと理解され、大きさの異なるロール48、50および52、54が対状に取付けられていることから、着色シートはホウ酸エステル化用溶液中で2段階で延伸させるものと理解される。してみれば、甲第4号証にもホウ素化合物処理の工程で2段階の延伸を行うことが開示されている。

してみれば、ホウ素化合物処理の工程で2段階の一軸延伸を行うことは、当業者であれば容易に想到できたといえる。

(2)次に、第1段階及び第2段階の一軸延伸倍率の数値限定について
本件発明では、第1段階の一軸延伸の倍率を4.5倍以下と規定しているが、これは、本件の発明の詳細な説明によれば、特定の態様でホウ素化合物処理中で一軸延伸を行う場合に、フイルムが切断されないようにするための条件であると解される。
しかし、一軸延伸を行う際にフイルムが切断されないようにすることは当然の事項であり、また、フイルムが切断される臨界点となる倍率が、例えば、フイルムの平均ケン化率・平均重合度・膜厚や他のホウ素化合物処理の条件(例えば、ホウ素の濃度・染色時間)などの各種条件に、大きく依存することは技術常識というべきである。
また、本件発明において、第2段階の一軸延伸を2倍以下と規定した点については、被請求人は、平成19年3月19日の口頭審理において、フイルムに付着したホウ素錯体が崩れないようにするためであるとの主張をしたが、そのような技術的事項は本件特許明細書には全く記載されていない事項であるため、その主張を採用することはできない。
してみれば、本件発明における延伸倍率の上限値の数値には臨界的意義を認めることはできない。

(3)本件発明の作用効果について
本件特許の実施例1から3((a)から(c))と、本件発明における対照例1から3、甲第3号証における実施例1から5、対照例1及び2((d)から(m))とについて、ホウ酸処理中における一軸延伸工程と、得られた偏光フイルムの単体透過率・偏光度との関係を当審でまとめてみると以下のとおりとなった(なお、ポリビニルアルコールの平均重合度、平均ケン度などは、条件の異なる例もある。)。
ホウ素化合物処理における
一軸延伸の倍率 単体透過率(%) 偏光度(%)
(a)本件 実施例1 2.2倍→1.3倍 43.05 99.1
(b)本件 実施例2 2.2倍→1.3倍 43.0 99.3
(c)本件 実施例3 3.2倍→1.3倍 44.3 99.2
(d)本件 対照例1 2.2倍 43.0 96.0
(e)本件 対照例2 1.3倍→2.3倍 43.2 98.5
(f)本件 対照例3 5.0倍 切断が著しい
(g)甲第3号証 実施例1 6倍 43.05 99.89
(h)甲第3号証 対照例1 6倍 43.19 99.14
(i)甲第3号証 対照例2 6倍 43.26 99.36
(j)甲第3号証 実施例2 6倍 44.05 99.78
(k)甲第3号証 実施例3(1.5倍の再延伸)44.17 99.35
(l)甲第3号証 実施例4 6倍 43.14 99.89
(m)甲第3号証 実施例5 6倍 43.24 99.23

そして、この結果は以下のグラフのように示すことができる(なお、「●」が(a)から(c)、「▲」が(d)及び(e)、「■」が(g)から(m)である。)。



上記の結果から、一軸延伸を2段階とした点について、また、第1段階の一軸延伸の倍率を4.5倍以下とし、第2段階のそれを2倍以下とした点について、偏光フイルムの単体透過率や偏光度その他の特性に関して、本件発明は甲第3号証に記載された実施例1から5、対照例1及び2におけるもの、すなわち前記「(g)」から「(m)」項の従来技術より優れた作用効果を何ら認めることはできない。

(4)なお、被請求人は、平成19年3月30日付けの上申書に添付した、実験報告書において、ホウ素化合物処理中で2.2倍の一軸延伸と続いて1.3倍の一軸延伸(全延伸倍率約2.9倍))を行った「実験1」と、ホウ素化合物処理中で2.9倍の一軸延伸を行った「実験2」とから得られた偏光板について、単体透過率、偏光度、二色比の測定結果を提示した。

その結果は次のとおりである。
単体透過率(%) 偏光度(%) 二色比
実験1(本発明) 43.2 99.3 38.75
実験2(比較) 43.0 98.6 32.39

そして、被請求人は、この結果に基づき、ホウ素化合物処理中における略同一の延伸倍率を得る場合、2段階による延伸を施した偏光フイルムの方が、1段階による延伸を施したものより、光学特性に優れるという効果を奏するとの主張をしている。

しかし、そのような効果は本件明細書に記載されていないから、事後的に提出された上記実験報告書によって、本件発明が顕著な作用効果を有する旨の主張をすることは許されない。

なお、上記実験報告書は、本件発明における一軸延伸の特定の倍率の実施例とその比較例における単体透過率及び偏光度を示したものにすぎないことから、本件発明で規定された一軸延伸の倍率の全範囲にわたって顕著な作用効果を有するとは認めることはできず、さらに、上記実験報告書は本件発明が上記(3)で示された従来技術より優れた作用効果を有することを示すものでもない。

(5)してみれば、相違点1に係る本件発明の構成要件は、甲第3号証、甲第4号証及び甲第7号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に想到することができたといえる。

(6)なお、請求人は、平成19年4月20日付けの上申書において、甲第16号証(特開昭50-121368号公報)及び甲第17号証(特開平2-164519号公報)を添付し、同号証では「多段階延伸」は同一工程内での多段階延伸の意味で用いられていることから、甲第3号証における延伸工程においても多段階延伸を適用することは当業者であれば容易に想起できた旨の主張をしている。

しかし、相違点1に係る本件発明の構成要件は、上記(1)から(5)のとおり、上記主張について検討するまでもなく、甲第3号証、甲第4号証及び甲第7号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものである。

5.小括
そうすると、本件発明は、甲第3号証、甲第4号証及び甲第7号証に記載された発明並びに周知技術に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるから、無効理由2について検討するまでもなく、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

第5.むすび
以上のとおりであるから、本件発明についての特許は、改正前特許法第36条第5項第2号に規定する要件を満たさないから、特許法第123条第1項第4号に該当し、無効とすべきものである。
また、本件発明についての特許は、特許法第29条第2項に規定する要件を満たさないから、同法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第162条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-04-16 
結審通知日 2007-04-23 
審決日 2007-05-17 
出願番号 特願平2-417681
審決分類 P 1 113・ 534- Z (G02B)
P 1 113・ 121- Z (G02B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大渕 統正福島 浩司  
特許庁審判長 末政 清滋
特許庁審判官 濱田 聖司
江塚 政弘
登録日 1996-04-16 
登録番号 特許第2512408号(P2512408)
発明の名称 偏光性の優れた偏光フイルムの製造法  
代理人 花田 吉秋  

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