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審決分類 審判 査定不服 4項3号特許請求の範囲における誤記の訂正 取り消して特許、登録 B29C
審判 査定不服 4項4号特許請求の範囲における明りょうでない記載の釈明 取り消して特許、登録 B29C
審判 査定不服 4号2号請求項の限定的減縮 取り消して特許、登録 B29C
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B29C
審判 査定不服 4項1号請求項の削除 取り消して特許、登録 B29C
管理番号 1166510
審判番号 不服2002-6379  
総通号数 96 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2007-12-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2002-04-12 
確定日 2007-11-14 
事件の表示 平成 8年特許願第 79054号「3次元物体の製造方法および装置」拒絶査定不服審判事件〔平成 8年10月29日出願公開、特開平 8-281807、請求項の数(17)〕についてした平成17年12月6日付けの審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決〔平成18年(行ヶ)第10174号、平成19年9月26日言渡〕があったので、更に審理の結果、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成8年4月1日(パリ条約による優先権主張1995年3月30日、ドイツ国)の特許出願であって、平成13年7月3日付けで拒絶理由通知がなされ、同年9月5日に意見書及び手続補正書が提出されたが、平成14年1月11日付けで拒絶査定がされ、これに対して、同年4月12日に拒絶査定に対する審判請求がされ、同年5月8日付けで明細書についての手続補正書及び審判請求書についての手続補正書が提出され、同年7月3日付けで前置報告がなされ、同年8月8日に上申書が提出されたところ、平成17年12月6日付けで「本件審判の請求は成り立たない。」との審決がなされた。
そして、当該審決に対して審決取消しの訴えが提起され、知的財産高等裁判所において平成18年(行ヶ)第10174号事件として審理がなされ、審決取消しの判決(平成19年9月26日言渡)がなされたものである。

2.平成14年5月8日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成14年5月8日付けの手続補正を却下する。

[理 由]
(1)補正の内容
平成14年5月8日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)は、特許請求の範囲の請求項11について、
「【請求項11】 材料粉末からなる複数の層を順次連続して固化することにより3次元物体を製造する方法において、
上記材料粉末が固化される際に接着する物質からなる安定した基板を形成するステップと、
上記基板を上記物体の支持手段に除去可能に固定するステップと、
上記材料粉末の層を上記基板上に供給するステップと、
電磁あるいは粒子放射の照射により上記対象物体の横断面に相当するポイントで上記材料粉末を固化するステップと、
上記物体を完成するために供給および固化のステップを繰り返すステップとを有することを特徴とする3次元物体を製造する方法。」を、
「【請求項11】 材料粉末からなる複数の層を順次連続して固化することにより3次元物体を製造する方法において、
上記材料粉末が固化される際に接着する物質からなる安定した基板を形成するステップと、
上記基板を上記物体の支持手段に除去可能に固定するステップと、
上記材料粉末の層を上記基板上に供給するステップと、
電磁あるいは粒子放射の照射により上記対象物体の横断面に相当するポイントで上記材料粉末を固化するステップと、
上記物体を完成するために供給および固化のステップを繰り返すステップと、
前記安定した基板を上記物体に付属させるステップとを有することを特徴とする3次元物体を製造する方法。」とする補正(以下、「補正事項a」という。)を含むものである。

(2)補正の目的について
補正事項aは、請求項11に係る「3次元物体を製造する方法」の発明を特定するために必要な事項について、補正前の請求項11が、「上記材料粉末が固化される際に接着する物質からなる安定した基板を形成するステップ」、「上記基板を上記物体の支持手段に除去可能に固定するステップ」、「上記材料粉末の層を上記基板上に供給するステップ」、「電磁あるいは粒子放射の照射により上記対象物体の横断面に相当するポイントで上記材料粉末を固化するステップ」、及び、「上記物体を完成するために供給および固化のステップを繰り返すステップ」を有するものであったところ、更に、「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」を追加するものである。 しかしながら、追加する「前記安定した基板を上記物体に付属させるステップ」は、発明を特定するために必要な事項であるその他のステップのいずれかを、例えば、概念的により下位の事項とすることなどによって、限定するものには当たらない。
したがって、補正事項aは、発明を特定するために必要な事項を「追加」することから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものではあるものの、請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を「限定」するものではないから、特許法第17条の2第4項第2号に掲げる「特許請求の範囲の減縮(第36条第5項の規定により請求項に記載した発明を特定するために必要な事項を限定するものであつて、その補正前の当該請求項に記載された発明とその補正後の当該請求項に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるものに限る。)」を目的とするものであるとは認められない。
また、補正事項aは、特許法第17条の2第4項に掲げる、請求項の削除、誤記の訂正、及び明りようでない記載の釈明の何れの事項をも、その目的とするものでもない。

(3)まとめ
したがって補正事項aを含む本件補正は、特許法第17条の2第4項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により、却下すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

3.本願発明について
上記のとおり平成14年5月8日付けの手続補正は却下された。
本願の請求項1?17に係る発明は、平成13年9月5日付け手続補正により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1?17に記載された事項により特定されるとおりのものであると認める。
そして、本願については、原査定の拒絶理由を検討してもその理由によって拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2005-11-16 
結審通知日 2005-11-24 
審決日 2007-10-31 
出願番号 特願平8-79054
審決分類 P 1 8・ 573- WY (B29C)
P 1 8・ 121- WY (B29C)
P 1 8・ 572- WY (B29C)
P 1 8・ 574- WY (B29C)
P 1 8・ 571- WY (B29C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 中村 浩  
特許庁審判長 井出 隆一
特許庁審判官 宮坂 初男
福井 美穂
高原 慎太郎
一色 由美子
発明の名称 3次元物体の製造方法および装置  
代理人 池田 憲保  

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