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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
審判 査定不服 特36条4項詳細な説明の記載不備 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06Q
管理番号 1169263
審判番号 不服2007-5342  
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-02-20 
確定日 2007-12-10 
事件の表示 特願2005-157874「功績認定システム」拒絶査定不服審判事件〔平成18年12月 7日出願公開、特開2006-331332〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成17年5月30日の出願であって、同年8月29日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、同年10月28日付けで手続補正がなされたが、平成19年1月12日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年2月20日に拒絶査定に対する審判請求がなされ、さらに、当審において同年6月25日付けで拒絶理由が通知され、これに対して、同年8月15日付けで意見書が提出されたものである。

2.本願発明について
本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成17年10月28日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「インターネット上の認定協会で、改善名誉賞や慰労金を与えるサービス方法において、撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名と研究した内容、ポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイント、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名と研究された内容がインターネットを介して功績認定サーバーに入力されるステップ、功績認定サーバーが撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名に基づいて改善者リスト記憶手段に記憶された改善者の電子メールアドレスを取得するステップ、功績認定サーバーが撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名に基づいて慰労者リスト記憶手段に記憶された慰労者の電子メールアドレスを取得するステップ、功績認定サーバーが撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名に基づいて改善者リスト記憶手段に研究した内容を更新するステップ、功績認定サーバーが撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名に基づいて慰労者リスト記憶手段に研究された内容を更新するステップ、功績認定サーバーがポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイントを乗算して算出したポイント量を、改善者リスト記憶手段に記憶された研究した内容に基づいた改善ポイントに加算更新するステップ、功績認定サーバーが前記算出したポイント量を、慰労者リスト記憶手段に記憶された研究された内容に基づいた慰労ポイントに加算更新するステップ、功績認定サーバーが、改善名誉賞名と改善ポイントが対応付けて記憶された改善名誉賞リスト記憶手段から、加算更新後の改善者のポイントの範囲内の改善ポイントを有する改善名誉賞名を検索して改善名誉賞リストのファイルを作成し、当該改善名誉賞リストのファイルを改善者の電子メールの添付ファイルとして改善者に送付するステップ、功績認定サーバーが、慰労金と慰労ポイントが対応付けて記憶された慰労金リスト記憶手段から、加算更新後の慰労者のポイントの範囲内の慰労ポイントを有する慰労金を検索して慰労金リストのファイルを作成し、当該慰労金リストのファイルを慰労者の電子メールの添付ファイルとして慰労者に送付するステップを含むことを特徴とする功績認定システムのサービス方法。」

3.当審において通知した拒絶理由の概要
(3-1)理由1
当審において通知した拒絶理由のうち、理由1は、「この出願は、発明の詳細な説明の記載について下記の点で、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていない。」というものであり、その概要は以下のとおりである。

「(A)・・・(中略)・・・
してみると、当業者が、明細書及び図面に記載した事項と出願時の技術常識とに基づき、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取れることを前提としている「功労認定システムのサービス方法」を実施できる程度に、発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。

(B)(略)

よって、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。」

(3-2)理由2
当審において通知した拒絶理由のうち、理由2は、「この出願は、特許請求の範囲の記載が下記の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。」というものであり、その概要は以下のとおりである。

「(A)請求項1には、「ポイント査定期間」と記載されているが、「ポイント査定期間」は一般的に使用される用語ではないから、請求項1の記載では、「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではない。
また、明細書には、「そして、特許効果期間が180日であったとする。」(段落番号【0008】。)と記載されているが、「特許効果期間」も一般的に使用される用語ではなく、どのような情報を意味するのか明確ではないから、明細書及び図面の記載を参酌したとしても、請求項1に記載された「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではない。

(B)(略)

(C)(略)

よって、本願発明は明確でない。」

(3-3)理由3
当審において通知した拒絶理由のうち、理由3は、「この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前日本国内において頒布された下記の刊行物に記載された発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。」というものであり、刊行物として特開2004-310193号公報、特開2003-99855号公報、特開2003-178171号公報及び特開2004-5326号公報を引用したものである。

4.当審の判断
(4-1)理由1について
請求項1には、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側」及び「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側」と記載されている。また、明細書には、
「【0004】
したがって、本発明が解決しようとする課題は、撮影する側、人間の脳波をコンピュータで解析する研究をする側と撮影される側、人間の脳波をコンピュータで解析される側の両方の功績をたたえるビジネスモデル方法を構築して、それをソフトウェアとハードウェア資源とが協働した具体的な手段で実現して、安全と発展に役立てることを課題とする。」
及び
「【0008】
・・・(中略)・・・
まず、撮影される側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析される側のA氏が頭の中で考えたものが以下のとおりであったとする。
「記事保存方法で、ユーザが、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成される記事保存方法。」
撮影する側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析する側のB氏は、撮影される側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析される側のA氏の頭の中で考えた上記を人間の脳波を解析する図10の脳波解析サーバー10でA氏の頭の中で考えた上記内容を図10の脳波解析サーバー端末11に表示させ、それを
「受信手段が、通信ネットワークを介して配信される記事を受信するステップ、表示手段が、受信した記事を表示するステップ、記事保存判断手段が、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成されるネットワーク配信記事保存方法。」
と改善して特許申請して、特許取得したとする。」
と記載されている。
これらの記載事項を考慮すると、本願発明は、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取れることを前提としたものであるから、本願発明を実施するためには、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることができる装置又は方法が必須であるといえる。

しかし、明細書及び図面には、撮影するための装置又は人間の脳波を解析する装置の構成に関して、脳波解析サーバー10及び脳波解析サーバー端末11と記載されているものの、脳波解析サーバー10及び脳波解析サーバー端末11の具体的な構成、他人が頭の中で考えた内容を読み取るための具体的な処理については記載されていない。また、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取るための装置又は方法が、本願出願時の技術常識であったともいえない。

してみると、当業者が、明細書及び図面に記載した事項と出願時の技術常識とに基づき、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取れることを前提としている「功績認定システムのサービス方法」を実施できる程度に、発明の詳細な説明が記載されているとはいえない。

よって、他の点について検討するまでもなく、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものでない。

なお、請求人は、平成19年8月15日付けの意見書において、「まず、今回の請求項1の範囲はあくまで「功績認定システム」の範疇であって、脳波解析サーバーが請求項1に関係するのは、人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名、研究した内容、ポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイント及び人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名と研究された内容としてのデータ、つまりインターネットを介して功績認定サーバーに入力されるステップのデータである。そのデータについては、明細書に、

撮影する側や人間の脳波をコンピュータで解析する側の氏名「B」と研究した内容「ネットワーク配信記事保存方法」、ポイント査定期間「180日」、重要度ポイント「3」、難易度ポイント「2」、評価ポイント「3」、撮影される側や人間の脳波をコンピュータで解析される側の氏名「A」と研究された内容「記事保存方法」をインターネット3を介して功績認定サーバー1に入力される。

とあり、「」でデータが明確に記載されている。
明細書及び図面の脳波解析サーバーの説明は、いわば「」のデータの由来の補足説明であり、直接的にそのまま脳波解析サーバーから功績認定サーバーにデータが取り込まれることをいっているのではない。
また、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取れることというのは審判官の説明の順番に問題があり、読み取れることの後に改善して特許申請というのが明細書の正しい説明である。
それらから考慮すると、明細書に
・・・(中略)・・・
まず、撮影される側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析される側のA氏が頭の中で考えたものが以下のとおりであったとする。
「記事保存方法で、ユーザが、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成される記事保存方法。」
撮影する側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析する側のB氏は、撮影される側や人間の脳波を図10の脳波解析サーバー10で解析される側のA氏の頭の中で
考えた上記を人間の脳波を解析する図10の脳波解析サーバー10でA氏の頭の中で考えた上記内容を図10の脳波解析サーバー端末11に表示させ、それを
「受信手段が、通信ネットワークを介して配信される記事を受信するステップ、表示手段が、受信した記事を表示するステップ、記事保存判断手段が、該記事の文章中に所定のキーワードが存在するか否かを判断し、存在した場合に保存指令を記事保存実行手段に与えるステップ、前記記事保存実行手段が、保存指令が与えられた記事を記事記憶手段に記憶するステップから構成されるネットワーク配信記事保存方法。」
と改善して特許申請して、特許取得したとする。
・・・(以下略)・・・
とあり、「」のデータが、インターネット3を介して功績認定サーバーに入力されることさえできれば要約してどこかで手が加えられたものであることにも問題はない。
そうなると、明細書及び図面の脳波解析サーバーの説明は、「」のデータの由来の補足説明として出願時の技術常識を今回の出願用に説明したものであることさえ証明できればよいことになる。」と主張している。

しかし、請求項1には、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名と研究した内容」、「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名と研究された内容」と記載されており、功績認定サーバーに入力され、その後のステップで用いられる「氏名」、「研究した内容」及び「研究された内容」は、誰のものでもよいというわけではなく、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側」、「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側」のものに限られているから、「功績認定システムのサービス方法」を実施するためには、前記功績認定サーバーに入力して用いることが可能な情報として、一般的な「氏名」、「研究した内容」及び「研究された内容」という情報ではなく、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名と研究した内容」及び「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名と研究された内容」という情報が存在することが必要となる。
また、本願発明において、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側」とは、撮影すること又は人間の脳波を脳波解析サーバーで解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取った人のことであり、「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側」とは、撮影されること又は人間の脳波を脳波解析サーバーで解析されることで、自分が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取られた人のことである。そうすると、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の氏名と研究した内容」及び「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の氏名と研究された内容」を功績認定サーバーに入力して用いることが可能な情報として存在させるためには、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に読み取ることができる装置又は方法が存在している必要がある。
してみると、「功績認定システムのサービス方法」を実施するためには、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることができる装置又は方法が必須であるといえる。
したがって、請求項1に、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を読み取る処理そのもの、又は、直接的にそのまま脳波解析サーバーから功績認定サーバーにデータが取り込まれる処理そのものが記載されていないとしても、「功績認定サーバーのサービス方法」を実施するためには、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることができる装置又は方法が必須であるから、出願人の上記主張を採用することはできない。

また、請求人は上記意見書において、特許出願2004-59104(以下「請求人提示情報1」という。)により、「2004年3月3日時点には、脳波情報のサーバーとクライアントのやりとりが行われていたことが証明できる。」と主張し、http://www.mypress.jp/v2_writers/miyu_desu/story/?story_id=715963(以下「請求人提示情報2」という。なお、このURLをウェブブラウザに入力しても、「エラー:記事ID(715963)が無効です。」と表示されること、及び、請求人が引用している内容を考慮すると、このURLは、http://www.mypress.jp/v2_writers/miyu_desu/story/?story_id=715693の誤記であると認められる。)により、「このことによって、ニューロンを利用した脳活動を読む装置の他に、直接ニューロンに触れずに脳活動を読む装置も構築され、脳の外部に設置する伝導性の頭蓋ねじの特許を取ったことも証明されている。」と主張するとともに、「つまり、明細書及び図面の脳波解析サーバーの説明は、「」のデータの由来の補足説明として出願時の技術常識を今回の出願用に説明したものであることが証明され、肝腎の「」のデータについては明細書の中に明確に記載されている。
また、審判官との面談でも説明したとおり、この前までに相談した審査官や相談員から、「入力される内容が簡単にしか書いてなくても功績認定サーバでの処理結果がきちんと出れば入力のことで拒絶されることはない」との確認の説明を何回か受けていることも考慮されるべきである。
これらを合わせて考慮すれば、理由1(A)の拒絶理由は解消されるはずである。」と主張している。

しかし、請求人提示情報1には、脳波を測定して、精神状態を制御することは記載されているが、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることが記載されているとはいえない。
また、請求人提示情報2には、コンピューターを使った電子メールのチェックやゲームを行う事が可能になり、話をしながらテレビを切り替えたりする事も出来るようになっていると記載されている程度であって、しかも、電極を持つチップを埋め込むのが脳内の運動領域であると記載されているから、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることが記載されているとはいえない。そもそも、本願発明で、人間の脳波を解析するために、解析される人の脳内にチップを埋め込む手術を行ったり、解析される人がトレーニングを受けることを想定していないことは明らかである。
さらに、請求人提示情報2には、直接ニューロンに触れずに脳活動を読む装置が構築され、脳の外部に設置する伝導性の頭蓋ねじの特許を取ったことは記載されているが、「BrainGateの創造者達は、そのような技術が脳活動の一般的なイメージを与えるだけなので、より直接のアプローチが、より多数のより特定の信号を翻訳する事を可能にする、と主張しています。」と記載されているように、この装置は、脳活動の一般的なイメージを与えるだけであるから、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることが記載されているとはいえない。
そうすると、請求人提示情報1及び請求人提示情報2には、撮影すること又は人間の脳波を解析することで、他人が頭の中で考えた内容を、改善して特許申請できる程度に詳細に読み取ることが記載されていないから、出願人の上記主張を採用することはできない。
なお、審査官や相談員からの説明は、当審において通知した拒絶理由の理由1についての判断の結論に影響するものではない。

(4-2)理由2について
請求項1には、「ポイント査定期間」と記載されているが、「ポイント査定期間」は一般的に使用される用語ではないから、請求項1の記載では、「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではない。
また、明細書には、「そして、特許効果期間が180日であったとする。」(段落番号【0008】。)と記載されているが、「特許効果期間」も一般的に使用される用語ではなく、どのような情報を意味するのか明確ではないから、明細書及び図面の記載を参酌したとしても、請求項1に記載された「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではない。
したがって、他の点について検討するまでもなく、本願発明は明確でない。

なお、請求人は、平成19年8月15日付けの意見書において、「明細書では「ポイント査定期間」、「特許査定期間」とも180日ということは明確にわかり、請求項1の「ポイント査定期間」も期間の情報ということも明確にわかる。」と主張している。(明細書には、「特許査定期間」と記載されておらず、「特許効果期間」と記載されているので、上記意見書に記載された「特許査定期間」は、「特許効果期間」の誤記と認められる。)

しかし、日数に関する期間の情報には、様々な情報があるから、日数に関する期間の情報であることが分かったとしても、「ポイント査定期間」、「特許効果期間」と記載しただけでは、これらが、日数に関するどのような期間を意味しているのか特定することはできないから、結局、「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではなく、請求人のこの主張を採用することはできない。

また、請求人は、上記意見書において、「そうなると、同じ180日から「ポイント査定期間」と「特許査定期間」の対応づけが可能であるかが焦点となる。これは、特許庁が今回が私に提出した拒絶理由通知書の中に、「・・・この通知の発送の日から60日以内に意見を提出して下さい。」とあり、注意の中に「本通知に対する指定期間は、次に該当する場合は延長することができます。」、「上記の場合に該当しかつ応答期間の延長を希望する場合は、期間延長請求書の提出をお願いします。」とある。特許庁の公式文書では、同じ60日から「指定期間」と「応答期間」を対応づけるような説明のしかたも許容していて、これでも60日から派生した期間を説明していることが明確にわかる。これによって、明細書の同じ180日から「ポイント査定期間」と「特許査定期間」の対応づけるような説明のしかたも許容できる話であり、これも180日から派生した期間を説明していることが明確にわかる。
これらを合わせて考慮すれば、請求項1の「ポイント査定期間」は今回の場合は「180日」という期間の情報ということが明確にわかるため、理由2(A)の拒絶理由は解消されるはずである。」と主張している。

しかし、明細書の同じ180日から「ポイント査定期間」と「特許効果期間」の対応づけが可能であったとしても、既に述べたように、「ポイント査定期間」及び「特許効果期間」が、日数に関するどのような期間を意味しているのか特定することはできないから、結局、「ポイント査定期間」が、どのような情報を意味するのか明確ではなく、請求人のこの主張を採用することはできない。

(4-3)理由3について
上記「(4-1)」及び「(4-2)」で検討したとおり、本願発明は、特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないが、仮に、撮影すること又は脳波を解析することで他人が頭の中で考えた内容を読み取ることが本願出願時に技術常識であり、本願発明が、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たすものであるとし、かつ、ポイント査定期間がどのような情報を意味するのか明確であり、本願発明が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たすものであるとして、特許法第29条第2項の規定を満たすものであるか否かについて、以下に検討する。

(4-3-1)引用例
(4-3-1-1)引用例1
当審において通知した拒絶理由で引用された、特開2004-310193号公報(以下「引用例1」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(ア)「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は提案管理システム、提案管理方法および提案管理用プログラムに関わり、特に製造工程の改善提案、実用新案,発明,意匠等の知的財産等の提案に係わる提案管理システム、提案管理方法および提案管理用プログラムに関する。」

(イ)「【0010】
本発明の提案管理方法は、提案提出用書面又は提案内容を記載した書面を表示し、提案者又は提案に係わる関係者が提案に関する情報入力を行う端末と、該端末とネットワークを介して接続されたサーバと、該サーバによって管理されるデータベースと、を有する提案管理システムの提案管理方法であって、
前記サーバにより、前記端末から提案者又は関係者により提案に関する情報入力がされる毎に、前記提案者又は関係者に対して貢献度ポイントを付与し、該貢献度ポイントを前記データベースに登録するものである。」

(ウ)「【0014】
図1は本発明による提案管理システムを示すブロック図である。図1において、発明者端末11は提案書を作成する発明者の端末、協力者端末12は共同発明者や、提案書の回覧者等の協力者の端末、上司端末13は出願の承認を行う上司や特許責任者の端末、特許部端末14は特許担当部門の端末、社外端末15は出願書類を作成する特許事務所や発明の貢献度ポイントの補正を行う発明評価者等の端末であり、各端末11?15はネットワーク16を介してサーバ10に接続されている。
【0015】
サーバ10は全社サーバ17、グループウエアサーバ18、特許サーバ19、ナレッジサーバ20の4つのサーバから構成される。
【0016】
全社サーバ17は社員ID、氏名、所属部、役職、上司ID等の全社員に関するデータを管理し、各端末からのアクセスによりこれらのデータを記録する社員データベース21を検索し、検索されたデータをアクセスされた端末に送信する。
【0017】
グループウエアサーバ18は、あらかじめ提案の承認ルートをGUIで設定する機能や、そのルートに応じて稟議ワークフローを配信したりするワークフローエンジンを有し、これに加えてワークフローでの作業の流れ中に、作業者に任意の貢献度ポイントを与えたり、一定の貢献度ポイントを自動加算したりするポイント蓄積機能を有する。また、ワークフローデータベース22に記録された、ワークフローID、ワークフロー名、ワークフロールートID、申請者ID、申請日時、現在の作業者ID、作業者IDの履歴、作業状態等のデータを管理する。
【0018】
特許サーバ19は、特許管理データベース23と特許申請データベース24を管理する。特許申請データベース24には社内受付番号、ワークフローID、申請概要、申請者ID、申請者貢献度ポイント、関係作業者ID、関係作業者貢献度ポイント、コメント等のデータが記録される。特許管理データベース23には出願番号、公開番号、出願日、公開日、申請者ID、社内受付番号、発明概要、審査状態等のデータが記録される。」

(エ)「【0020】
・・・(中略)・・・
(1) まず、グループウエアサーバ18のワークフローシステムを使って、発明者が発明の提案を起票する。実験者等の発明協力者(共同発明者)がいる場合は協力者の氏名と貢献度ポイント(寄与率)を指定する。貢献度(合計貢献度ポイントに対するその貢献度ポイントの比率(%))は発明者と協力者とで一定の持ち分があり、以降のポイント蓄積と併用して決定される。
【0021】
ここで、発明者A(特許太郎),B(神戸素太),C(関西花子)の三人によって共同で「aとbとcとで装置を構成することで、装置の応答特性を向上させることができる。」という発明がされ、発明者Aが図7に示すような特許申請を行ったとする。
・・・(中略)・・・
【0023】
ステップS1において、発明者端末11からサーバ10のグループウエアサーバ18にアクセスされ、特許申請/発明提案画面が表示される。
【0024】
特許申請/発明提案書には、全社サーバ17から引き出された氏名、社員番号等の個人コードが自動的に記載される。発明者Aは課題、解決手段等の発明を説明する内容を入力する。また、発明者Aは、共同提案者B,Cの氏名、社員番号等を入力し、発明の貢献度ポイント(1P?5P)を選択し、特許申請/発明提案に関する後述する稟議ワークフローを回覧したい対象者がいる場合は対象者を指定する。ここでは、回覧者D,Eとして大阪次郎、広島紅葉を入力する。特許申請/発明提案の登録日時は入力終了後に自動登録される。
【0025】
なお、発明者Aが特許申請/発明提案のワークフローに情報を入力する場合、全社サーバ17にアクセスし、社員ID,氏名,所属部,役職,上司ID等が登録されたデータベース21から共同提案者や回覧者の社員ID等のデータを検索して、特許申請/発明提案画面に表示してもよい。
【0026】
ステップS2において、発明者にはサーバ10(グループウエアサーバ18)により貢献度ポイントが与えられ、ワークフローとしての作業履歴はデータベース22に登録され、貢献度ポイントはデータベース24に登録される。その貢献度ポイントは、10ポイント(10P)とし、提案書作成者たる発明者Aの貢献度ポイントを5P(50%の寄与)、発明者B,Cの貢献度ポイントをそれぞれ、2P(20%の寄与),3P(30%の寄与)とする。貢献度ポイントは全ての発明に対して一律に一定のポイント(ここでは、10P)を与えられるものとし、提案書作成者たる発明者Aの50%の寄与(5P)は確定させ、残りの5Pの中で発明者B,Cの寄与率を決定する。図3の右側の表示画面は貢献度ポイントが付与されたものを示す。
(2) 次にステップS3において、グループウエアサーバ18は共同発明者B,Cと回覧者D,Eに図4(A)に示すような稟議ワークフロー(稟議WF)を送付する。締め切り日までに共同発明者B(神戸素太)とC(関西花子)、回覧者D(大阪次郎)とE(広島紅葉)が査閲・承認を行う。提案内容に対してはコメントを入力することができ、ここでは、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)がコメントを入力したとする。
【0027】
たとえば、回覧者D(大阪次郎)が図8に示すように「a,b及びcで構成される装置にdを加えると応答特性が飛躍的に向上する。また、bはb′にしても同様な特性が得られる。」とのコメントを行い、回覧者E(広島紅葉)が図9に示すように「a,b及びcで構成される装置にさらにeを加えるとより操作が容易になる。」とコメントしたものとする。
・・・(中略)・・・
【0029】
提案内容に対する査閲・承認の履歴、コメント内容はワークフローデータベースに登録され、発明者端末に送られる(ステップS5)。
(3) 次に発明者Aは、戻された稟議WFに記載された回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)のコメントを見て、図5に示すように、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)のコメントを参考に、提案書の内容を更新する。発明者Aは、2つのコメントをした回覧者D(大阪次郎)に対して、さらに貢献度ポイント1Pを追加して貢献度ポイントを2Pとする。
【0030】
ステップS6において、サーバ10(グループウエアサーバ18)は、発明者Aには貢献度ポイント5P、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)にはコメントによる貢献度により発明者Aが設定した貢献度ポイント2P,1Pをそれぞれ与える。
【0031】
更新された提案内容や貢献度ポイント等は、ワークフローとしての作業履歴はデータベース22に登録され、貢献度ポイントはデータベース24に登録される。
・・・(中略)・・・
【0035】
特許出願に係わる申請者(発明者)や関係者の貢献度ポイントやコメントは特許申請データベース24に登録され、出願後の出願番号,公開番号,発明概要等は特許管理データベース23に登録される。出願不可と判断された場合は、ステップS5にもどされる。
【0036】
なお、ワークフローの処理の過程で蓄積された貢献ポイント数を最終的な査閲を行う関係者が行うものとしたが、第三者(中立な立場で、貢献内容を公平にチェックできる者、例えば、社内の特許担当者と、企業で契約された社外の発明評価者)の立場がデータベースに保存された履歴を参考に発明の内容や作業の程度に応じて貢献度ポイントを補正してもよい。
・・・(中略)・・・
【0037】
以上、発明の起案(提案書類作成)から出願までを管理するシステムや方法について説明した。そして出願後に、貢献度ポイントに応じて、発明の報奨金等を発明関係者に支払うことができる。」

(オ)「【0052】
・・・(中略)・・・
(10) 最終的に、貢献度ポイントに応じて、特許の補償金、報奨金が発明関係者に支払われる。
【0053】
以上の手順により発明に係わった関係者の貢献度ポイントを蓄積することができるが、貢献度ポイントの付与ルールや、ポイント付与対象者の範囲(例えば特許担当者や社外の発明評価者に貢献度ポイントを付与するか否かの扱い)などは、適宜定めることができる。
【0054】
・・・(中略)・・・したがって、発明の重要度に応じて、発明間で貢献度ポイントの重み付けを行うことが好ましい。例えば、基本発明の場合は貢献度ポイントをn倍(n>1;nは自然数,小数等の数、例えば1.5や2)にすることで、貢献度ポイントの合計値により発明の重要度の評価を行うこともできる。出願時までに発明の重要度の判断が困難な場合には、設定登録後の発明によるロイヤリティ額等によりその利益に応じた重み付けを行ってもよい。」

上記摘記事項(ウ)に「特許サーバ19は、特許管理データベース23と特許申請データベース24を管理する。特許申請データベース24には社内受付番号、ワークフローID、申請概要、申請者ID、申請者貢献度ポイント、関係作業者ID、関係作業者貢献度ポイント、コメント等のデータが記録される。」(段落番号【0018】。)と記載され、上記摘記事項(エ)に「特許出願に係わる申請者(発明者)や関係者の貢献度ポイントやコメントは特許申請データベース24に登録され」(段落番号【0035】。)と記載されているように、特許サーバにより管理されている特許申請データベースに、関係作業者(回覧者)の関係作業者ID、コメント、関係作業者貢献度ポイント、並びに、申請者(発明者)の申請者ID、申請概要、申請者貢献度ポイントが記録されている。
ここで、上記摘記事項(エ)に「発明者Aは課題、解決手段等の発明を説明する内容を入力する。また、発明者Aは、共同提案者B,Cの氏名、社員番号等を入力し、発明の貢献度ポイント(1P?5P)を選択し、特許申請/発明提案に関する後述する稟議ワークフローを回覧したい対象者がいる場合は対象者を指定する。」(段落番号【0024】。)、「ステップS2において、発明者にはサーバ10(グループウエアサーバ18)により貢献度ポイントが与えられ、・・・(中略)・・・、貢献度ポイントはデータベース24に登録される。」(段落番号【0026】の最初の箇所。)、「ここでは、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)がコメントを入力したとする。」(段落番号【0026】の最後の箇所。)及び「ステップS6において、サーバ10(グループウエアサーバ18)は、発明者Aには貢献度ポイント5P、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)にはコメントによる貢献度により発明者Aが設定した貢献度ポイント2P,1Pをそれぞれ与える。」(段落番号【0030】。)と記載されているように、特許申請データベースに記録されている情報は、申請者(発明者)が使用する発明者端末、関係作業者(回覧者)が使用する協力者端末又はグループウエアサーバから入力されている。
そして、上記摘記事項(ウ)の段落番号【0014】【0015】及び図1の記載事項からすると、特許サーバは、発明者端末、協力者端末又はグループウエアサーバとネットワークを介して接続されているから、技術常識に照らしてみれば、関係作業者の関係作業者IDとコメント、関係作業者に付与された貢献度ポイント、申請者の申請者IDと申請概要、申請者に付与された貢献度ポイントがネットワークを介して特許サーバに入力されているのは明らかである。

また、上記摘記事項(ウ)に「特許サーバ19は、特許管理データベース23と特許申請データベース24を管理する。特許申請データベース24には・・・(中略)・・・、申請概要、・・・(中略)・・・、コメント等のデータが記録される。」(段落番号【0018】。)と記載されているから、技術常識に照らしてみれば、特許サーバが、特許申請データベースにコメントを更新するとともに、特許申請データベースに申請概要を更新することは明らかである。

また、上記摘記事項(エ)に、「その貢献度ポイントは、10ポイント(10P)とし、提案書作成者たる発明者Aの貢献度ポイントを5P(50%の寄与)、発明者B,Cの貢献度ポイントをそれぞれ、2P(20%の寄与),3P(30%の寄与)とする。」(段落番号【0026】。)及び「ステップS6において、サーバ10(グループウエアサーバ18)は、発明者Aには貢献度ポイント5P、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)にはコメントによる貢献度により発明者Aが設定した貢献度ポイント2P,1Pをそれぞれ与える。」(段落番号【0030】。)と記載されているように、関係作業者貢献度ポイントや申請者貢献度ポイントは、コメントや申請概要に基づいて付与されている。
そして、上記摘記事項(オ)に「以上の手順により発明に係わった関係者の貢献度ポイントを蓄積することができる」(段落番号【0053】。)と記載されており、貢献度ポイントを「蓄積」するということは、貢献度ポイントを「加算更新」することであるから、技術常識に照らしてみれば、特許サーバが、関係作業者に付与された貢献度ポイントを、特許申請データベースに記録されたコメントに基づいた関係作業者貢献度ポイントに加算更新するとともに、特許申請データベースに記録された申請概要に基づいた申請者貢献度ポイントに加算更新することは明らかである。

これらの記載事項及び図面の内容を総合すると、引用例1には、
「補償金や報奨金を支払うために利用される提案管理方法であって、
関係作業者の関係作業者IDとコメント、関係作業者に付与された貢献度ポイント、申請者の申請者IDと申請概要、申請者に付与された貢献度ポイントがネットワークを介して特許サーバに入力されるステップ、
特許サーバが、特許申請データベースにコメントを更新するステップ、
特許サーバが、特許申請データベースに申請概要を更新するステップ、
特許サーバが、関係作業者に付与された関係作業者貢献度ポイントを、特許申請データベースに記録されたコメントに基づいた関係作業者貢献度ポイントに加算更新するステップ、
特許サーバが、申請者に付与された申請者貢献度ポイントを、特許申請データベースに記録された申請概要に基づいた申請者貢献度ポイントに加算更新するステップを含むことを特徴とする提案管理システムの提案管理方法。」
との発明(以下「引用例1発明」という。)が開示されていると認めることができる。

(4-3-1-2)引用例2
当審において通知した拒絶理由で引用された、特開2003-99855号公報(以下「引用例2」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(カ)「【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形態1に係る会員カード装置の構成を示した図である。本実施の形態における会員カード装置は、POS端末を利用して実現されている。また、本実施の形態における店舗は、個々の顧客にランク付けを行って、各商品毎に、当該ランクに応じた会員サービスを展開している店舗を想定している。」

(キ)「【0028】7は、ランクマスタであり、顧客にランク付けを行う際の基準が格納されている。例えば、所定の期間内の累計買上金額によってランクを決定する場合には、
¥50,000<(1ケ月の累計買上金額) → ランクA
¥20,000<(1ケ月の累計買上金額) → ランクB
¥10,000<(1ケ月の累計買上金額) → ランクC
というような基準がランクマスタ7に格納されている。
また、所定の期間内の購買回数によってランクを決定する場合には、
20回<(1ケ月の購買回数) → ランクA
10回<(1ケ月の購買回数) → ランクB
5回<(1ケ月の購買回数) → ランクC
というような基準がランクマスタ7に格納されている。」

(4-3-1-3)引用例3
当審において通知した拒絶理由で引用された、特開2003-178171号公報(以下「引用例3」という。)には、図面とともに、以下の記載がある。

(ク)「【0033】そして、チェッカー8による評価が高い採点者5’には褒賞としてのポイントを与える。また、採点者5’の採点件数に応じてポイントを与えたり、その他の功労に対して一定の基準の基でポイントを与えるようにしてもよい。
【0034】また、前記チェッカー8による評価は、半年毎にまとめられて総合評価として採点者5’にフィードバックする。この評価や、前記ポイントは管理者2のもとで集計され、褒賞制度で一定基準以上のポイントを獲得した採点者5’を表彰するようにしてもよい。そして、前述のように、採点者5’による処理件数や前記ポイントに応じて採点料金その他の支払金額が決定され、管理者2から採点者5’に支払われる(ステップ309)。」

(4-3-1-4)引用例4
当審において通知した拒絶理由で引用された、特開2004-5326号公報(以下「引用例4」という)には、図面とともに、以下の記載がある。

(ケ)「【0020】研究者4の公開論文数でダウンロード回数を除し、定期的に評価値を算出し研究者4にメールで通知する。」

(4-3-2)対比
本願発明と引用例1発明とを対比すると、引用例1発明の「関係作業者(回覧者)」は、他人(申請者)が考えた提案内容(申請概要)を読んで、この提案内容を改良するコメントを考える人のことであるから、引用例1発明の「関係作業者(回覧者)」と、本願発明の「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側」とは、以下の相違点があるものの、「他人が考えた内容を読む側」という概念で共通する。
また、引用例1の「関係作業者ID」は、関係作業者を識別するための情報であるから、引用例1発明の「関係作業者ID」と、本願発明の「(撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の)氏名」とは、以下の相違点があるものの、「(他人が考えた内容を読む側の)識別情報」という概念で共通する。
また、引用例1発明の「コメント」は、他人が考えた提案内容を、関係作業者が改良したものであるから、本願発明の「研究した内容」に相当する。
また、引用例1発明の「申請者」は、関係作業者(回覧者)により、自分が考えた提案内容が読まれて、提案内容が改良される人のことであるから、引用例1発明の「申請者」と、本願発明の「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側」とは、以下の相違点があるものの、「自分が考えた内容を読まれる側」という概念で共通する。
また、引用例1の「申請者ID」は、申請者を識別するための情報であるから、引用例1発明の「申請者ID」と、本願発明の「(撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の)氏名」とは、以下の相違点があるものの、「(自分が考えた内容を読まれる側の)識別情報」という概念で共通する。
また、引用例1発明の「申請概要」は、申請者が考え、関係作業者により改良されるものであるから、本願発明の「研究された内容」に相当する。
また、引用例1発明の「ネットワーク」と、本願発明の「インターネット」とは、以下の相違点があるものの、「コンピュータネットワーク」という概念で共通する。
また、引用例1発明の「特許サーバ」は、ネットワークを介してデータが入力され、特許申請データベースに記憶されているコメント、申請概要、関係作業者貢献度ポイント及び申請者貢献度ポイントを更新しており、これらの貢献度ポイントは、関係作業者及び申請者に支払われる補償金や報奨金を決定するために利用されているから、引用例1発明の「特許サーバ」と、本願発明の「功績認定サーバー」とは、以下の相違点があるものの、「功績管理サーバー」という概念で共通する。
また、引用例1発明の関係作業者(回覧者)は、提案内容を改良するコメントを考える人のことであるから、この点では、本願発明の改善者と変わるものではない。同様に、引用例1発明の申請者(発明者)は、関係作業者により改良される提案内容をもともと考えた人のことであるから、この点では、本願発明の慰労者と変わるものではない。そして、引用例1発明の「特許申請データベース」は、関係作業者ID、コメント、関係作業者貢献度ポイント、申請者ID、申請概要、申請者貢献度ポイントを記録しているから、引用例1発明の「特許申請データベース」と、本願発明の「改善者リスト記憶手段」及び「慰労者リスト記憶手段」とは、以下の相違点があるものの、「改善者・慰労者情報記憶手段」という概念で共通する。
また、引用例1発明の「関係作業者に付与された貢献度ポイント」、「申請者に付与された貢献度ポイント」は、関係作業者、申請者が新たに取得し、関係作業者貢献度ポイント、申請者貢献度ポイントに加算更新される貢献度ポイントのことであり、本願発明の「算出されたポイント量」も、改善者、慰労者が新たに取得し、改善ポイント、慰労ポイントに加算更新されるポイント量のことであるから、既に検討した事項を踏まえれば、引用例1発明の「関係作業者に付与された貢献度ポイント」、「申請者に付与された貢献度ポイント」と、本願発明の「(改善ポイントに加算更新される)算出したポイント量」、「(慰労ポイントに加算更新される)算出したポイント量」とは、以下の相違点があるものの、それぞれ、「改善者が新たに取得したポイント」、「慰労者が新たに取得したポイント」という概念で共通する。
また、引用例1発明の「関係作業者貢献度ポイント」は、コメント(他人が考えた提案内容を改良したもの)に基づいて加算更新されている関係作業者の貢献度ポイントであり、「申請者貢献度ポイント」は、申請概要に基づいて加算更新されている申請者の貢献度ポイントであって、これらの貢献度ポイントは、関係作業者及び申請者に支払われる補償金や報奨金を決定するために利用されているから、既に検討した事項を踏まえれば、引用例1発明の「関係作業者貢献度ポイント」、「申請者貢献度ポイント」は、それぞれ、本願発明の「改善ポイント」、「慰労ポイント」に相当する。

そうすると、本願発明と引用例1発明とは、
「他人が考えた内容を読む側の識別情報と研究した内容、自分が考えた内容を読まれる側の識別情報と研究された内容がコンピュータネットワークを介して功績管理サーバーに入力されるステップ、
功績管理サーバーが、改善者・慰労者情報記憶手段に研究した内容を更新するステップ、
功績管理サーバーが、改善者・慰労者情報記憶手段に研究された内容を更新するステップ、
功績管理サーバーが、改善者が新たに取得したポイントを、改善者・慰労者情報記憶手段に記録された研究した内容に基づいた改善ポイントに加算更新するステップ、
功績管理サーバーが、慰労者が新たに取得したポイントを、改善者・慰労者情報記憶手段に記録された研究された内容に基づいた慰労ポイントに加算更新するステップを含むことを特徴とする方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
本願発明は、「インターネット上の認定協会で、改善名誉賞や慰労金を与えるサービス方法」であるとともに、功績管理サーバーが、「インターネット」を介して情報が入力される「功績認定サーバー」であるのに対して、引用例1発明は、補償金や報奨金を支払うために利用される提案管理方法であるとともに、功績管理サーバーが、ネットワークを介して情報が入力される特許サーバである点。

[相違点2]
他人が考えた内容を読む側、自分が考えた内容を読まれる側が、本願発明では、「撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側」、「撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側」であるのに対して、引用例1発明では、関係作業者、申請者である点。

[相違点3]
本願発明では、識別情報として「氏名」が功績認定サーバーに入力されていて、改善者・慰労者情報記憶手段が、「氏名」を識別情報として用いる「改善者リスト記憶手段」及び「慰労者リスト記憶手段」により構成されているのに対して、引用例1発明では、識別情報としてIDが特許サーバに入力されていて、改善者・慰労者情報記憶手段が、IDを識別情報として用いている特許申請データベースにより構成されている点。

[相違点4]
本願発明では、「ポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイント」が功績認定サーバーに入力されていて、改善者が新たに取得したポイント及び慰労者が新たに取得したポイントが、両方とも、功績認定サーバーが「ポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイントを乗算して算出したポイント量」であるのに対して、引用例1発明では、関係作業者に付与された貢献度ポイント及び申請者に付与された貢献度ポイントが特許サーバに入力されていて、改善者が新たに取得したポイント、慰労者が新たに取得したポイントが、それぞれ、関係作業者に付与された貢献度ポイント、申請者に付与された貢献度ポイントである点。

[相違点5]
本願発明では、功績認定サーバが、氏名に基づいて、改善者リスト記憶手段に記憶された「改善者の電子メールアドレス」及び慰労者リスト記憶手段に記憶された「慰労者の電子メールアドレス」を「取得」し、改善名誉賞名と改善ポイントが対応付けて記憶された「改善名誉賞リスト記憶手段」から、加算更新後の改善者のポイントの範囲内の改善ポイントを有する「改善名誉賞名を検索」して「改善名誉賞リストのファイルを作成」し、当該改善名誉賞リストのファイルを改善者の「電子メールの添付ファイルとして改善者に送付」し、慰労金と慰労ポイントが対応付けて記憶された「慰労金リスト記憶手段」から、加算更新後の慰労者のポイントの範囲内の慰労ポイントを有する「慰労金を検索」して「慰労金リストのファイルを作成」し、当該慰労金リストのファイルを慰労者の「電子メールの添付ファイルとして慰労者に送付」しているのに対して、引用例1発明では、補償金や報奨金の内容を表す情報を作成し、作成した情報を関係作業者、申請者に知らせるのか否かが明らかではない点。

(4-3-3)判断
上記相違点について検討する。

[相違点1]について
上記摘記事項(エ)に「第三者(中立な立場で、貢献内容を公平にチェックできる者、例えば、社内の特許担当者と、企業で契約された社外の発明評価者)の立場がデータベースに保存された履歴を参考に発明の内容や作業の程度に応じて貢献度ポイントを補正してもよい。」(段落番号【0036】。)と記載されているように、引用例1には、関係作業者(改善者)及び申請者(慰労者)に対して与える補償金や報奨金(特典)を決定するために行われる処理の一部を外部に委託することが示唆されているといえる。
ここで、発明を評価して発明者等に与える賞を決定する第三者機関が存在すること、多くの組織で業務の外部委託が行われていること、及び、外部システムと接続するのにインターネットを利用するのが普通に行われていることを考慮すると、引用例1発明において、改善者及び慰労者のポイントを管理し、改善者及び慰労者に与える特典を決定する処理を、外部委託して、インターネットで接続された外部機関のシステムで実行するようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。
このとき、改善者及び慰労者に与える特典をどのようなものとするかは、当業者が適宜選択しうるものであって、技術的に格別の特徴を有するものではないから、引用例1発明において、改善者に与えるのを改善名誉賞とし、慰労者に与えるのを慰労金とすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
してみると、引用例1発明において、インターネット上の認定協会で、改善名誉賞や慰労金を与えるサービス方法とするとともに、功績管理サーバーを、インターネットを介して情報が入力される功績認定サーバーとすることは、当業者が容易に想到できたことである。
即ち、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、本願発明の相違点1に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点2]について
本願発明において、功績認定サーバーに入力される、撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側の情報、及び、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側の情報は、氏名、研究した内容、研究された内容、各種ポイント等であって、これらの情報自体は、撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側、及び、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側という前提があることによって特有な内容となるわけではないから、功績認定サーバーに誰の情報が入力されたとしても、氏名、研究した内容、研究された内容、各種ポイント等が入力されていれば、功績認定サーバーで実行される処理自体に何ら差異が生じるものではない。
そうすると、功績認定サーバーに誰の情報を入力するかは、システムを操作するときに適宜選択しうるものであって、技術的に格別の特徴が有るとはいえず、撮影すること又は脳波を解析することで他人が頭の中で考えた内容を読み取ることが技術常識であるとしているから、引用例1発明において、功績認定サーバーにその情報が入力される、他人が考えた内容を読む側、自分が考えた内容を読まれる側を、撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側とすることは、当業者が適宜なし得る事項である。
即ち、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、本願発明の相違点2に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点3]について
個人に関する情報を情報を記録・管理する場合、各個人の氏名やIDを識別情報として用いることは、普通に行われていることである。また、引用例1発明では、改善者・慰労者情報記憶手段に、改善者に関する情報及び慰労者に関する情報が記憶されており、一般に、情報をどのような単位でとりまとめて記録・管理するかは、当業者が適宜選択しうるものであるといえるから、引用例1発明において、改善者に関する情報と慰労者に関する情報とを別々に記録・管理して、改善者・慰労者情報記憶手段を、氏名を識別情報として用いる改善者リスト記憶手段及び慰労者リスト記憶手段で構成し、それに伴い、識別情報として氏名を功績認定サーバーに入力するようにすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
即ち、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、本願発明の相違点3に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点4]について
上記摘記事項(オ)に「したがって、発明の重要度に応じて、発明間で貢献度ポイントの重み付けを行うことが好ましい。例えば、基本発明の場合は貢献度ポイントをn倍(n>1;nは自然数,小数等の数、例えば1.5や2)にすることで、貢献度ポイントの合計値により発明の重要度の評価を行うこともできる。出願時までに発明の重要度の判断が困難な場合には、設定登録後の発明によるロイヤリティ額等によりその利益に応じた重み付けを行ってもよい。」(段落番号【0054】。)と記載されているように、改善者及び慰労者が取得するポイントは、所定の数値が乗算されて算出されたものである。
また、上記摘記事項(オ)に「貢献度ポイントの付与ルールや、ポイント付与対象者の範囲(例えば特許担当者や社外の発明評価者に貢献度ポイントを付与するか否かの扱い)などは、適宜定めることができる。」(段落番号【0053】。)と記載されているように、引用例1発明で、改善者及び慰労者のポイントを、どのような規則で決めるかは、当業者が適宜選択しうるものであるから、引用例1発明において、改善者が新たに取得したポイント及び慰労者が新たに取得したポイントを、両方とも、功績認定サーバーがポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイントを乗算して算出したポイント量とし、それに伴い、ポイント査定期間、重要度ポイント、難易度ポイント、評価ポイントを功績認定サーバーに入力するようにすることは、当業者が適宜なし得る設計的事項である。
即ち、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、本願発明の相違点4に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

[相違点5]について
評価対象が有している評価値に基づき評価対象をランク分けし、評価対象に対してランクに応じた特典を与えることは、例えば引用例2、引用例3に開示されているように周知の技術である。また、登録されている評価対象者に対して、評価に関する情報を電子メールで通知する技術も、例えば引用例4に開示されているように周知の技術である。
そして、個人に関する情報として連絡先(電子メールアドレス等)を記憶しておき、記録されている情報から氏名に基づいて連絡先を取得すること、様々な情報を電子メールの添付ファイルとして送付することが、ともに普通に行われていることを考慮すると、引用例1発明で、改善名誉賞や慰労金を与えるようにした場合、上記周知の技術を採用して、改善名誉賞名と改善ポイントを対応付けて記憶する改善名誉賞リスト記憶手段、慰労金と慰労ポイントを対応付けて記憶する慰労金リスト記憶手段を設け、改善者リスト記憶手段、慰労者リスト記憶手段に、改善者、慰労者のメールアドレスを記憶するとともに、功績認定サーバが、氏名に基づいて、改善者リスト記憶手段に記憶された改善者の電子メールアドレス及び慰労者リスト記憶手段に記憶された慰労者の電子メールアドレスを取得し、改善名誉賞名と改善ポイントが対応付けて記憶された改善名誉賞リスト記憶手段から、加算更新後の改善者のポイントの範囲内の改善ポイントを有する改善名誉賞名を検索して改善名誉賞リストのファイルを作成し、当該改善名誉賞リストのファイルを改善者の電子メールの添付ファイルとして改善者に送付し、慰労金と慰労ポイントが対応付けて記憶された慰労金リスト記憶手段から、加算更新後の慰労者のポイントの範囲内の慰労ポイントを有する慰労金を検索して慰労金リストのファイルを作成し、当該慰労金リストのファイルを慰労者の電子メールの添付ファイルとして慰労者に送付するようにすることは、当業者が容易に想到できたことである。
即ち、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、本願発明の相違点5に係る構成を得ることは、当業者が容易になし得たことである。

そして、本願発明の作用効果も、引用例1発明及び周知の技術から当業者が予測できる範囲のものである。

したがって、本願発明は、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、請求人は、平成19年8月15日付けの意見書において、「審判官が示した引用例1は、「申請者」と「関係作業者」の共同作業者の意味合いが強く、時間的相違は少ない。引用例1の【0010】には、「前期サーバにより、前期端末から提案者又は関係者により提案に関する情報入力がされる毎に、前期提案者又は関係者に対して貢献度ポイントを付与し、貢献度ポイントを付与し、該貢献度ポイントを前記データベースに登録するものである。」とある。引用例1の【0010】には、「又は」とあるので、本来「申請者」は、請求項1の「改善者」の意味合いで捉えるべきである。それにもかかわらず、審判官は「申請者」について、無理に「関係作業者」の「慰労者」の意味合いでとらえて、【0010】の「又は」とは無理に矛盾した回答をしている。
審判官が無理に矛盾した回答をしているので、これを理由に特許法第29条第2項の規定の指摘はなりたたないというのがまず最初の意見である。」と主張している。

しかし、上記摘記事項(エ)には、「発明者Aは課題、解決手段等の発明を説明する内容を入力する。また、発明者Aは、共同提案者B,Cの氏名、社員番号等を入力し、発明の貢献度ポイント(1P?5P)を選択し、特許申請/発明提案に関する後述する稟議ワークフローを回覧したい対象者がいる場合は対象者を指定する。ここでは、回覧者D,Eとして大阪次郎、広島紅葉を入力する。」(段落番号【0024】。)、「次にステップS3において、グループウエアサーバ18は共同発明者B,Cと回覧者D,Eに図4(A)に示すような稟議ワークフロー(稟議WF)を送付する。」(段落番号【0026】。)及び「たとえば、回覧者D(大阪次郎)が図8に示すように「a,b及びcで構成される装置にdを加えると応答特性が飛躍的に向上する。また、bはb′にしても同様な特性が得られる。」とのコメントを行い、回覧者E(広島紅葉)が図9に示すように「a,b及びcで構成される装置にさらにeを加えるとより操作が容易になる。」とコメントしたものとする。」(段落番号【0027】。)と記載されている。これらの記載事項からすると、引用例1発明において、申請者(発明者)が、もともとの提案内容を考え、関係作業者(回覧者)が、申請者が考えた提案内容を読んで、この提案内容を改良するコメントを考えていることは明らかである。
一方、本願発明において、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側のA氏(慰労者)が、頭の中でもともとの内容を考え、撮影する側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析する側のB氏(改善者)が、撮影される側や人間の脳波を脳波解析サーバーで解析される側のA氏(慰労者)の頭の中で考えた内容を脳波解析サーバー端末に表示させ、それを改善している。
してみると、引用例1発明の関係作業者(回覧者)と、本願発明の改善者とは、他人が考えた内容を読んで、この内容を改善する者である点で共通するから、引用例1発明の関係作業者(回覧者)は、本願発明の改善者に対応しているといえる。また、引用例1発明の申請者(発明者)と、本願発明の慰労者とは、もともとの内容を考え、自分が考えた内容を読まれる者である点で共通するから、引用例1発明の申請者(発明者)は、本願発明の慰労者に対応しているといえる。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

また、請求人は、上記意見書において、2007年7月18日にキーワード検索を実施した結果を述べるとともに、「本出願は「改善者」と「慰労者」の両方の功績をたたえることを最大のポイントとしており、検索結果からして両方の功績という両面からみるという点から、新規性進歩性は多いにあると言える。」と主張している。

しかし、請求人がキーワード検索を実施した結果は、当審において通知した拒絶理由の理由3についての判断の結果に影響するものではない。さらに、上記摘記事項(エ)に、「ステップS6において、サーバ10(グループウエアサーバ18)は、発明者Aには貢献度ポイント5P、回覧者D(大阪次郎)、E(広島紅葉)にはコメントによる貢献度により発明者Aが設定した貢献度ポイント2P,1Pをそれぞれ与える。」(段落番号【0030】)と記載されていることからすると、引用例1発明でも、関係作業者(回覧者)及び申請者(発明者)の両方を評価していることは明らかである。
したがって、請求人の上記主張を採用することはできない。

また、請求人は、上記意見書の理由1(A)に対する主張の最後で、「なお、新規性進歩性については、これまでの平成17年10月28日付けの意見書、平成19年2月20日付けの中での他の要素も含めて文章及び表で立証されていること、及び後述する拒絶理由3の意見の説明によって、問題ないものと考えている。」と主張している。

しかし、平成17年10月28日付けの意見書、平成19年2月20日付けの審判請求書は、当審において平成19年6月25日付けで通知した拒絶理由に対して主張するものではないから、それらにおける主張は、当審において通知した拒絶理由の理由3についての判断の結果に影響するものではない。
したがって、既に検討した事項を踏まえると、請求人の上記主張を採用することはできない。

5.むすび
以上のとおり、この出願の発明の詳細な説明は、当業者が本願発明を実施することができる程度に明確かつ十分に記載されたものではなく、特許法第36条第4項第1号に規定する要件を満たしていないから、この出願に係る発明は、特許を受けることができない。
また、本願発明は明確ではなく、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていないから、この出願に係る発明は、特許を受けることができない。
さらに、仮に、本願発明が、特許法第36条第4項第1号及び特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていたとしても、本願発明は、引用例1発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-09-28 
結審通知日 2007-10-09 
審決日 2007-10-23 
出願番号 特願2005-157874(P2005-157874)
審決分類 P 1 8・ 536- WZ (G06Q)
P 1 8・ 537- WZ (G06Q)
P 1 8・ 121- WZ (G06Q)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 唐橋 拓史  
特許庁審判長 赤穂 隆雄
特許庁審判官 坂庭 剛史
久保田 昌晴
発明の名称 功績認定システム  
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