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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  E05D
管理番号 1169542
審判番号 無効2005-80326  
総通号数 98 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-02-29 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-11-11 
確定日 2007-12-12 
事件の表示 上記当事者間の特許第3673115号発明「スライド・スイング式ドア装置」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3673115号の請求項1?9に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第3673115号に係る発明は、平成11年5月31日(優先権主張平成10年12月28日)に特許出願したものであって、平成17年4月28日にその特許の登録がなされたものであり、その後の平成17年11月11日に株式会社ユニフローより本件特許の請求項1?9に係る発明につき特許無効の審判が請求され、平成18年2月13日に被請求人より答弁書が提出され、平成18年5月22日に請求人より弁駁書が提出され、その後の平成18年12月7日に第1回口頭審理が行われ、請求人及び被請求人より、平成18年12月27日付け上申書がそれぞれ提出されたものである。

2.本件発明
本件特許の請求項1?9に係る発明(以下順に、「本件発明1」等という。)は、願書に添付された明細書及び図面(以下、「本件特許明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項1?9に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
(なお、特許請求の範囲の記載中のみならず、特許明細書の発明の詳細な説明の記載中には、「回転堅柱」(例えば、請求項1参照)と「回転竪柱」(例えば、請求項9参照)の記載表現が混在しているところ、特許明細書の記載全体から見て、「回転堅柱」は「回転竪柱」の明らかな誤記であるといえるので、特許請求の範囲の記載における「回転堅柱」は「回転竪柱」の誤記として、下記のとおり認定した。)

(本件発明1)
「建物の床面上に開口部を形成する上枠及び両縦枠から成る3方枠体に設けられるとともに、前記開口部の幅方向及び縦方向にそれぞれ所定長さを有し且つ当該開口部の前後方向に所定厚さを有する開閉用の扉体を備えたスライド・スイング式ドア装置において、
前記扉体を、前記3方枠体の一方の縦枠の前記開口部の側の側面に沿って配置され且つ前記上枠及び床面の間に回転可能に支持された回転竪柱と、前記回転竪柱に隣接して前記上枠と床面との間で回転可能に支持され且つドア閉時には前記回転竪柱の外観形状と一体化させた外観形状を有するドアパネルとで形成し、
前記回転竪柱を、当該回転竪柱の前記縦方向の上端及び下端それぞれの面の前記前後方向の中心位置であって前記幅方向で同じ位置にそれぞれ設けられた回転軸を介して前記上枠及び床面との間に回転可能に支持させる一方で、
前記回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアームと、前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アームと、前記上枠と前記ドアパネルおよび回転竪柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車とを備えたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明2)
「請求項1記載の発明において、
前記回転竪柱を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成するとともに、前記吊り車を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明3)
「請求項2記載の発明において、
前記回転竪柱と前記ドアパネルが一体化した外観形状として、当該回転竪柱及び当該ドアパネルの前記前後方向の厚さが前記所定厚さであって互いに同じであり、当該回転竪柱及び当該ドアパネルの前記縦方向の長さが前記所定長さであって互いに同じであることを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明4)
「請求項2記載の発明において、
前記パネルの前記回転竪柱に対向する側面部の一方の角部をその縦方向全体に渡って切除し、この切除部に前記回転竪柱を配置したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明5)
「請求項4記載の発明において、
前記縦枠に対して前記回転竪柱の長手方向の一部を当該回転竪柱が回動自在な状態で保持する中間ガイドを設けたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明6)
「請求項3記載の発明において、
前記回転竪柱及び前記ドアパネルの互いの対向する側面同士がドア閉時につくる隙き間を、前記縦方向にわたって前記前後方向に非直線状になる形状又は前記幅方向に対して非直交する形状に形成したことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明7)
「請求項3記載の発明において、
前記ドアパネルと前記回転竪柱との間、および、そのパネルと前記枠体の回転竪柱とは反対側の縦枠との間を同時にロックおよびアンロック可能なマグネット構造の双頭の鍵を設けたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明8)
「請求項3記載の発明において、
前記回転竪柱の上下端に前記回転吊りアーム及び前記回転下部アームを夫々固設した状態で当該回転竪柱を前記枠体及び床面に着脱自在に取り付けるピボット手段を備えたことを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」
(本件発明9)
「請求項8記載の発明において、
前記回転吊りアームと前記回転下部アームの各々両端の前記回転竪柱及び前記ドアパネルへの取り付け位置は、この回転竪柱及びドアパネルそれぞれの前記前後方向の中心位置に一致していることを特徴とするスライド・スイング式ドア装置。」

3.請求人の主張
審判請求人は、審判請求書によれば、本件発明1?9の特許を無効とする、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、本件発明1?9は、次の理由(1)?(3)及び下記の証拠から特許法第29条の2又は第29条第2項の規定に違反して特許されたものであり、その特許は無効とされるべきであると主張する。

(無効理由)
(1)本件発明1?3は、その優先権主張された出願の日前の特許出願であってその優先権主張された出願後に出願公開された出願である甲第3号証(先願)に記載された発明と同一であり、本件発明の発明者が上記先願の明細書に記載された発明の発明者と同一であるとも、また、本件発明の出願時に、その出願人が上記先願の出願人と同一であるとも認められないから、特許法第41条第2項及び同法第29条の2の規定により特許を受けることができないものである。
(2)本件発明1?6、8?9は、甲第4号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(3)本件発明7は、甲第4号証及び甲第5?7号証に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。

(証拠)
甲第1号証:特許第3673115号公報(本件特許)
甲第2号証:同上本件特許の特許原簿
甲第3号証:特願平9-220255号の願書に最初に添付された明細書及び図面
甲第4号証:特開平9-184352号公報
甲第5号証:実開昭51-102499号公報
甲第6号証:実開昭55-70564号公報(甲第4号証の従来例)
甲第7号証:特開平9-177391号公報

なお、請求人は、弁駁書により次の証拠を提出している。
甲第8号証:特開平11-336413号公報
甲第9号証:実開昭58-195769号公報

4.被請求人の主張
一方、被請求人は、答弁書及び陳述要領書によれば、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求め」(答弁の趣旨)、次のように主張する。
(1)無効理由の(1)について
本件発明のスライド・スイング式ドア装置は、「オフセットレス構造」(「回転軸を介して軸支される」ことが必須の要件である。)を採用したものであるが、甲第3号証には、このような構成が開示も示唆もされていない。
(2)無効理由の(2)、(3)について
本件発明のスライド・スイング式ドア装置は、回転竪柱がドアパネルと共に同一の外観形状の扉体を構成しているものであるが、甲第4号証に記載された折畳み回転扉は、回転支柱11がパイプ材から円筒状に形成され、薄い直方体状に形成された扉21とは別形状であって、両者の前面に段差があるものであるから、甲第4号証に記載のものから容易に発明できたものではない。

なお、被請求人は、答弁書により次の証拠を提出している。
乙第1号証:特開平11-336413号公報(甲第8号証と同じ)

5.甲第3号証?甲第9号証の記載事項
(1)甲第3号証の記載事項
本件特許の優先日前に出願され、出願後に公開された特許出願の願書に最初に添付された明細書及び図面である甲第3号証(特願平9-220255号)には、「スライド式開閉ドア装置」の発明に関して、次の事項が記載されている。
(イ)「【請求項1】 間口にドアパネルを配置し、該ドアパネルが回転しながら移動して間口を開閉することが出来るドア装置において、間口上部には上レールを設け、該上レールを移動する吊車にはドアパネルを吊設し、又間口の片側にはコ型をした枠体を旋回可能に取付けするとともに、枠体の上下アーム先端をドアパネルの上下端に軸を介して連結したことを特徴とするスライド式開閉ドア装置。」(公報第2頁第1欄の【特許請求の範囲】)
(ロ)「【0006】
【本発明が解決しようとする課題】このように間口に大きなドアや折り戸を装着するには上記のごとき問題がある。本発明が解決しようとする課題はこの問題点であって、大きな1枚ドアを用いて、スムーズに開閉操作が出来るようにしているスライド式開閉ドア装置を提供する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のスライド式開閉ドア装置は1枚の大きなドアパネルを間口に装着して開閉することが出来るように構成している。そして該間口を開く際にはスライドしながら回転して間口片側に垂直に寄せられる動きを行う。間口上部には上レールが取付けられ、ドアパネルはこの上レールに吊車を介して吊設される。吊車は上レールに沿って移動することが出来、同時にドアパネルを回転して開閉することが出来るように、該ドアパネルは吊車の吊軸を中心として回転可能としている。」
(ハ)「【0009】
【実施例】図1は本発明のスライド式開閉ドア装置を表している実施例であり、間口に取付けられて開閉することが出来る。同図の1はドアパネル、2は枠体、3は上レール、4は吊車を示しており、該上レール3は間口上部に取付けられ、吊車4はこの上レール3に載って移動することが出来る。そして吊車4には上記ドアパネル1が吊設され、ドアパネル1のほぼ中心軸上に吊車4が位置し、吊車4に対してドアパネル1は回転することが出来る。勿論、本発明は上記吊車4の取付位置をドアパネル中心軸上に限定するものではない。
【0010】そして上記吊車4の型式は特に限定するものではないが、上レール3の走行片に載って転動することが出来るローラを軸支しており、吊車本体から下方へ延びる吊軸とドアパネル1が連結している。ドアパネル1が比較的小さく軽量であるならば、水平ローラを吊軸に軸支した型式の吊車であってもよく、ドアパネル1を吊設すると共に、該ドアパネル1が回転して上レール3に沿って移動出来る吊車4であればよい。
【0011】枠体2はコ型をなし、縦材5の上下端には上アーム6と下アーム7が水平に延びている。そして上下アーム6、7先端は軸8、8を介してドアパネル1の上下端に連結し、ドアパネル1と上下アーム6、7は軸8、8を介して互いに屈曲することが出来る。ドアパネル1が完全に閉じた状態では該ドアパネル1の一部が枠体2に嵌り、図1のようにドアパネル1が回転することで枠体2から外れて間口が開かれる。
【0012】ここで、ドアパネル1は吊車4から下方へ延びている吊軸を中心として回転し、一方の枠体2は縦材5に取着している蝶番継手の軸を中心として旋回することが出来る。勿論、該蝶番を用いることなく、縦材の上下端に設ける軸を介して旋回可能に取り付けすることも出来る。そこでドアパネル1は吊車4を中心として回転すると同時に、枠体2は蝶番軸を中心として旋回し、更に吊車4は上レール3に沿って移動することが出来るように上記上下アーム6、7の旋回半径及びアーム先端軸8と吊車4間の距離はほぼ等しくなっている。
【0013】すなわち、吊車4が上レール3の縦材5側へ移動してドアパネルが開いた場合、枠体2のアーム旋回軸と吊車4間の距離を底辺とし、アーム旋回半径(枠体の旋回軸とアーム端の軸間距離)とアーム端軸-吊車間距離を両辺とする二等辺三角形を形成する長さ関係とするならば、該ドアパネル1は間口に対してほぼ垂直に位置することになる。上記アーム旋回半径とアーム軸端-吊車間距離が等しくなくても、ドアパネル1は開閉することは出来るが、該間口に対して斜めに位置して全開する。
【0014】図2は吊車4によってドアパネル1を吊設している詳細図であり、吊車4は本体9の両側にローラ10、10を軸支し、これら各ローラ10、10は上レール3の走行片11、11を転動して移動することが出来る。本体9から下方へ延びている吊軸12下端にドアパネル1が連結して吊設され、吊軸12にはガイド輪13が設けられ、上レール3の両走行片11、11の間に嵌って吊車4を正しく移動させることが出来る。ここで、吊軸12は回転することが出来、吊車4の移動方向(上レール方向)に対してドアパネル1は回転可能に吊設されていることは前記の通りである。
【0015】図3はドア装置の縦断面を表しており、上アーム6と下アーム7はドアパネル1の上下端に連結して該ドアパネル1を回転させる。該ドアパネル1は前記吊車4に吊設されているが、該吊車4から所定の距離をおいた上下アーム先端軸8、8に連結している為に安定した開閉操作が行われる。すなわちドアパネル1が独りでに揺れ動くことはなく、ドアパネル1は回転しながら上レール3に沿って移動する。ここで、下アーム7はドアパネル1の重量の一部を支えるように機能することも出来る。
【0016】下アーム7の先端には軸8bが取付けられているが、間にはスラストベアリングを介在してドアパネル1側に設けている座金14に螺合している。一方の上アーム6の先端に設けている軸8aもドアパネル1に設けている座金に螺合して取付けられ、上下アーム先端軸8a、8bはドアパネル1の上下端に止着され、該ドアパネル1が吊車を中心として回転することが出来るように、その動きをコントロールしている。
【0017】ドアパネル1が閉じた場合には該ドアパネル先端縁が間口に取付けられている縦枠の当たりに当接して正しく位置決めがなされ、一方の枠体2は蝶番の動きが規制されて位置決めされ、ドアパネル1は正しく間口を閉じることが出来る。以上述べたように、本発明のスライド式開閉ドア装置は上レールを移動する吊車にドアパネルを吊設すると共に、間口片側に旋回可能に取り付けしているコ型枠体のアームにドアパネル上下端を連結したものであって、次のような効果を得ることが出来る。」(注;下線は当審が付記した。)
(ニ)「【0018】
【発明の効果】本発明のスライド式開閉ドア装置は、上レールを移動する吊車にてドアパネルを吊設し、コ型枠体の上下アーム先端をドアパネル上下端に連結している為に、ドアパネルの表面を押圧するならば該ドアパネルは枠体の旋回と共に回転し、更に枠体の旋回によってドアパネルはスライドして間口が開かれる。従って大きなドアパネルであっても、その開閉操作に大きな力を必要とせず、例えば車椅子に乗った身体障害者であっても該ドアの開閉操作を容易に行うことが出来る。又床面にはガイド溝がない為に、ゴミがたまったり、障害になることもない。」

(2)甲第4号証(特開平9-184352号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第4号証には、「折畳み回転扉」の発明に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「【請求項1】 扉枠の一方の竪枠の前面側に埋め込むようにして並設する回転支柱と、該回転支柱の上下に付設する一対の支持アームと、該支持アームに対して回転自在に装着する扉と、該扉の開閉軌跡を規定するガイド機構とを備えてなり、前記扉は、厚さ内に配設する上下一対の連結ピンを介して前記支持アームに連結することを特徴とする折畳み回転扉。
【請求項2】 前記回転支柱は、上下一対の保持ピンを介して扉枠に装着し、前記保持ピンの少なくとも一方は、前記回転支柱に対し、圧縮ばねを介して軸方向に進退自在であることを特徴とする請求項1記載の折畳み回転扉。」(【特許請求の範囲】)
(ロ)「【0004】
【発明が解決しようとする課題】かかる従来技術によるときは、回転支柱は、一方の竪枠の前面に並設されているから、扉は、回転支柱の上下の支持アームに対し、扉の前面に突設する上下一対のブラケットを介して連結する必要があり、全体の体裁が極めて不格好になるばかりでなく、下方の支持アーム、ブラケットが通行の支障になりかねないという問題があった。
【0005】そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、回転支柱を一方の竪枠の前面に埋め込むとともに、扉の厚さ内に配設する連結ピンを介して扉を支持アームに連結することによって、扉の前面にブラケットを突設する必要がなく、全体の体裁を大きく向上させることができる折畳み回転扉を提供することにある。」
(ハ)「【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
【0016】折畳み回転扉は、回転支柱11と、回転支柱11の上下に付設する支持アーム12、12と、支持アーム12、12に対して回転自在に装着する扉21とを主要部材としてなる(図1、図2)。ただし、回転支柱11は、扉枠30の一方の竪枠31に並設されている。
【0017】扉枠30は、左右の竪枠31、32、上枠33により、門形に形成されている。扉枠30は、壁面Wに嵌め込むようにして、床面Fに立設されている。
【0018】一方の竪枠31は、扉枠30の全体幅が前面側において広く、後面側において狭くなるように、段付きに形成されている(図2、図3)。すなわち、竪枠31は、反対方向に2段に屈曲する板材31a、31bと、内面側の装飾板31cとを組み合わせて形成されており、内側の板材31bの前面側、装飾板31cの後面側は、コ字状に屈曲して閉じられている。また、板材31bの内側の前面側寄りには、パッキン材31dが付設されており、装飾板31cの前端は、外側に屈曲されている。竪枠31は、アンカボルト31eを介して壁面Wに固定されている。
【0019】他方の竪枠32の前面側には、内側に突出する戸当り部32aが形成されている(図2)。また、竪枠32は、扉枠30の全体幅が後面側においてやや広くなるように、段付きに形成されている。なお、竪枠32も、屈曲する板材を組み合わせて形成されているものとし、図示しないアンカボルトを介して壁面Wに固定されている。
【0020】上枠33は、屈曲する板材33a、33bを組み合わせることにより(図4)、扉枠30の高さが前面側において高く、後面側において低くなるように段付きに形成されている。上枠33は、アンカボルト33cを介して壁面Wに固定されている。
【0021】回転支柱11は、一方の竪枠31に対し、その前面側に埋め込むようにして並設されている(図1、図3)。すなわち、回転支柱11は、竪枠31の段部に収納可能なパイプ材からなり(図3、図5)、上下一対の保持ピン34、34と、保持ピン34、34に対応するピン受け34a、34aとを介し、竪枠31に対して回転自在に装着されている。なお、ピン受け34a、34aは、それぞれL字状に形成されており(図4)、竪枠31の板材31bの屈曲部の前面において、板材31bの上下両端に対称に取り付けられている。
【0022】回転支柱11の両端には、プラグ11a、11aが挿着されている(図5)。また、各プラグ11aには、ストップリング13aを介し、ベアリング13が組み込まれている。下方の保持ピン34は、下方のピン受け34aに対して上向きに植設されており、保持ピン34の上部は、ベアリング13に挿入されている。一方、上方の保持ピン34は、ベアリング13とともにプラグ11aに組み込まれており、ワッシャ14aを介し、プラグ11aに内蔵する圧縮ばね14によって上方に付勢されている。すなわち、上方の保持ピン34は、圧縮ばね14を介し、軸方向に進退自在となっている。
【0023】そこで、回転支柱11は、下方の保持ピン34を下方のベアリング13に挿入し、上方の保持ピン34を軸方向に押し下げ、上方のピン受け34aに対向させることにより、竪枠31に対して一挙動で装着することができる。また、このようにして装着された回転支柱11は、ベアリング13、13を介し、保持ピン34、34のまわりに左右に回転自在である。すなわち、上下の保持ピン34、34は、回転支柱11の軸心上に正しく配設されているものとする。
【0024】なお、上方の保持ピン34は、図示しない操作レバーを介して外部から押下げ操作可能にすることができ、このときの回転支柱11は、竪枠31に対して着脱自在に装着することができる。また、下方の保持ピン34も、上方の保持ピン34と同様に、軸方向に進退自在としてもよい。
【0025】支持アーム12、12は、回転支柱11の上端、下端に水平に突設されている(図1、図5)。支持アーム12、12は、それぞれ扉枠30の全幅の1/2以下の長さに設定されている。なお、上方の支持アーム12は、断面縦長の角筒材からなり(図4)、下方の支持アーム12は、平板材からなっている。
【0026】扉21は、回転支柱11側にハンドル22を有し(図1、図2)、反対側にハンドル23を有する。なお、ハンドル23は、扉21の表裏に貫通して形成されており、ハンドル23の下方には、ロック24が配設されている。扉21は、適当な芯材21aの表面に装飾板21bを付設してなり(図4)、上部には補強材21cを内装し、下部には、ベアリング25を内蔵するベアリング受け25aが配設されている。また、扉21の上端面、下端面には、それぞれ補強プレート26が付設されている。
【0027】扉21は、上下一対の連結ピン27、27を介し、支持アーム12、12に対して回転自在に装着されている。
【0028】下方の連結ピン27は、下方の支持アーム12に対し、上向きに植設されている。連結ピン27は、補強プレート26、ベアリング受け25aを下から上に貫通し、ベアリング25aに挿入されている。また、上方の連結ピン27は、上方の補強プレート26に対し、上向きに植設されている。連結ピン27の上部には、雄ねじ部が形成されており、連結ピン27は、上方の支持アーム12内のスラストベアリング28を下から上に貫通した上、ナット27aが螺合されている。ただし、スラストベアリング28は、ベアリング受け28aを介し、支持アーム12の先端部に組み込まれており(図4、図6)、支持アーム12の上面、下面には、スラストベアリング28に対応して大小の孔12a、12bが形成されている。
【0029】そこで、上方の連結ピン27は、孔12aを介してナット27aを締め込むことにより、上方の支持アーム12、スラストベアリング28を介して扉21を吊下することができ、このとき、扉21は、上下の連結ピン27、27、スラストベアリング28、ベアリング25を介し、回転自在に支持することができる。すなわち、上下の連結ピン27、27は、扉21の厚さd内において、扉21の前面寄りに一直線上に配設されている。
【0030】扉21の上端面には、ガイドローラ29a付きのガイドピン29が立設されている(図1、図7)。ガイドピン29は、補強プレート26に対して上向きに植設されており、ガイドローラ29aは、扉枠30の上枠33に付設するガイドレール35に係合している。
【0031】ガイドレール35は、下端縁を内側に折り返す主板35aと、主板35aの途中に配設する補強材35bとを組み合わせて構成されており、上枠33の板材33bに対し、下向きに付設されている。なお、ガイドレール35は、扉枠30の全幅に亘って形成されているものとし、上方の支持アーム12とともに、扉枠30の幅内にコンパクトに収納することができる(図4)。
【0032】扉21は、扉枠30と平行するようにして閉じることができる(図1、図2の実線)。このときの扉21は、上下の支持アーム12、12が扉枠30、扉21と平行になり、支持アーム12、12とともに、全体が扉枠30内に収納されている(図4)。
【0033】閉鎖状態の扉21は、回転支柱11から遠い側、すなわちハンドル23側を前方に押すことにより(図2の矢印K1 方向)、連結ピン27、27のまわりに回転し、同時に、回転支柱11が回転することによって支持アーム12、12が手前側に回転する(同図の矢印K2 方向)。扉21は、ガイドローラ29a、ガイドレール35によって、前後方向の動きが規制されており、連結ピン27、27のまわりに回転すると同時に、ガイドローラ29aがガイドレール35に沿って回転支柱11に向けて進行し(同図の矢印K3 方向)、全体として回転支柱11側に移動するからである。すなわち、扉21は、扉枠30に対して斜めに位置する半開状態を経て(同図の一点鎖線)、回転支柱11側の竪枠31の内面に接近して扉枠30に直角に開くことができる(同図の二点鎖線)。」
(ニ)「【0038】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれば、回転支柱を一方の竪枠の前面に埋め込み、回転支柱に付設する支持アームに対し、扉の厚さ内に配設する連結ピンを介して扉を回転自在に装着することによって、扉の前面にブラケットを突設する必要がなく、扉を閉じるとき、回転支柱や支持アームは、扉とともに扉枠内に完全に収納することができるから、全体の体裁を極めて良好にまとめることができるという優れた効果がある。」
(ホ)図面の図3には、回転支柱11の軸心上の位置に上方の保持ピン34が配置された態様が示されており、また、同図3の「Y矢印」方向から見た図面である図5には、上方の保持ピン34及び下方の保持ピン34が、扉枠30の左右方向の同じ位置にそれぞれ設けられている態様が示されている。

上記記載事項並びに図面に示された内容を総合すると、甲第4号証には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
(引用発明)
「壁面Wに嵌め込むようにして床面Fに立設された扉枠30が、左右の竪枠31、32、上枠33により門形に形成されているとともに、該扉枠30と平行するようにして閉じることができる扉21を備えた折畳み回転扉において、
上記扉枠30の一方の竪枠の前面側に埋め込むようにして並設され、該竪枠31に対して上下一対の保持ピン34、34を用いて回転自在に装着された回転支柱11と、該回転支柱11の上端及び下端に付設した一対の支持アーム12、12と、上下一対の連結ピン27、27を介して該支持アームに対して回転自在に装着された扉21とを備え、
上記上下一対の保持ピン34、34が、回転支柱11の軸心上の位置であって扉枠30の左右方向の同じ位置に、それぞれ設けられており、
上方の連結ピン27は、上方の支持アーム12とスラストベアリング28とを介して扉21を吊下することができ、
上記扉21は、厚さ内に配設する上下一対の連結ピンを介して支持アームに連結するとともに、該扉21の上端面には、ガイドローラ29a付きのガイドピン29が立設させ、該ガイドローラ29aを、上記扉枠30の上枠33に付設するガイドレール35に係合させることにより、該扉21が、ガイドローラ29a、ガイドレール35によって前後方向の動きが規制され、連結ピン27、27のまわりに回転すると同時に、ガイドローラ29aがガイドレール35に沿って回転支柱11に向けて進行するように扉の開閉軌跡を規定したガイド機構を備えるように構成された折畳み回転扉。」

(3)甲第5号証(実開昭51-102499号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第5号証には、「折りたたみ扉用錠」に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「内外ノブ2,3に伝導部材1_(1)を介して連動するラッチボルト4を扉5の上部に、又内側のサムターン6あるいは外側のシリンダー7に伝導部材1_(2)を介して各別に連動するデッドボルト8を扉5の下部にそれぞれ出没自在に設けて成る折りたたみ扉用錠1。」(公報第1頁実用新案登録請求の範囲)
(ロ)図面の第1図aに、折りたたみ扉を構成する左右一対の扉5、5を同程度の厚さのものとして構成したものが示されている。

(4)甲第6号証(実開昭55-70564号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第6号証(実願昭53-153227号(実開昭55-70564号公報)のマイクロフィルム参照)には、「回転折たたみ式扉」に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「本考案は外枠(1)の左右いずれかの縦枠(2)に、回転自在に支柱(3)を枢着し、同支柱(3)の上下端にそれぞれ支持杆(4)を連設し、同支持杆(4)に扉(5)を回転自在に枢着し、同扉(5)の上端に突設したガイドピン(6)を外枠(1)の上枠(7)下縁のガイド溝(8)に摺動自在に嵌入してなる回転折たたみ式扉に係るものである。なお、図中(9)は押し把手、(10)は引張り把手を示し、例えば第1図の矢印(a)の方向に倒せばロックが解除する。また左右いずれかの把手を動かせば、他方の把手も作動して錠が掛ったり、外れたりするように、両把手間は連動状態となっている。」(明細書第2頁第2?13行)

(5)甲第7号証(特開平9-177391号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第7号証には、「ドア錠」の発明に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「【請求項1】 ドア端面に取り付けられるフロントを有し、該フロントに挿入孔が設けられるケースに、ハンドル操作により回動するハブと、該ハブの回動により上記挿入孔より出没するラッチボルトが設けられるドア錠において、
上記挿入孔内に、磁性体により筒状に形成されるラッチホルダを嵌着し、ドア端面に相対するストライクに磁石を設け、上記ラッチホルダ内に挿入され先端面が上記ストライクに当接可能なラッチボルトの頭部に、上記ストライクの磁石に対して相互に吸引する磁石を設けることにより、
上記ラッチボルトの頭部は、没入時に上記ラッチホルダに吸引,保持され、突出時に上記ストライクの磁石に吸引,保持されることを特徴とするドア錠。」(第2頁第1欄【特許請求の範囲】)
(ロ)「【0028】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
(1) ラッチボルトを没入方向に付勢するばねが不要になったので、ドア錠に組み込まれるばねの数が減少した。ばねの使用数が少なくなっただけ、構造が簡単になる利点と、ドア錠の平均的な寿命が長くなる利点がある。
(2) ラッチボルトは、ばねの付勢力に拘束されることなく、突出位置と没入位置との間を自由に移動することができるので、ストライク側の磁石は、ばねの付勢力よりも大きい弾性力にする必要がない。又、ラッチボルトがストライクに衝撃的に衝突したり、衝突の衝撃力で没入方向に跳ね返る危険製もない。」)

(6)甲第8号証(特開平11-336413号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に出願され、その出願後に公開された特許出願の公開公報である甲第8号証には、「半自動式回転スライドドア」に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「【特許請求の範囲】
【請求項1】 トイレ等の出入口に装着されるドアであって、出入口の片側にはコ型アームを揺動出来るように取り付けし、このコ型アームの上下アーム先端にはドアパネルの上下端を連結し、そしてドアパネル上端に取着したスライダー又は吊車を上レールに遊嵌して該ドアパネルが回転しながらスライドして開閉する回転スライドドアにおいて、上記コ型アームは蝶番を介して取り付けすると共に該蝶番にはバネを内蔵したバネ蝶番を使用し、開口したドアパネルが独りでに閉じるようにしたことを特徴とする半自動式回転スライドドア。」
(ロ)「【0012】図2はドアパネル1を閉じた場合の縦断面図であり、(a)は吊車7が位置する箇所を、(b)は上アーム5の先端が位置する箇所をそれぞれ表している。該ドアパネル1は上桟11の幅内に収まり、上下アーム5、6の先端に取り付けされている。吊車7は垂直車輪12、12…が上レール3の走行片13、13に載って転動し、本体14から垂下している吊りボルト8にドアパネル1が連結している。
【0013】そしてドアパネル1の上端に受け板15が取着され、該受け板15から起立する連結ピン16は上アーム5の先端に形成した穴に嵌っている。この連結ピン16と下アーム6の先端に設けている支持ピンは同軸線上に位置していて、ドアパネル1はこれらを軸として回転することが出来る。」

(7)甲第9号証(実開昭58-195769号公報)の記載事項
本件特許の優先日前に頒布された刊行物である甲第9号証(実願昭57-94829号(実開昭58-195769号公報)のマイクロフィルム参照)には、「一枚扉」に関して、図面とともに、次の事項が記載されている。
(イ)「回転自在に立設した扉軸(1)の上下部に腕杆(2)(3)を固着し、該腕杆(2)(3)の他端に中央線より稍扉軸よりで扉(4)を挾持するように回転可能に軸支(5)すると共に、扉(4)の非扉軸側の上部に吊滑車(6)を設け、扉上レール(7)に係合せしめた一枚扉。」(明細書第1頁実用新案登録請求の範囲)
(ロ)「本考案は斯る欠点を除去したもので扉を扉軸の腕杆及び吊滑車の3点支持により保持し、…するものである。…(中略)…該扉軸(1)の上部及び下部には腕杆(2)(3)の他端は扉(4)の横方向中央線から稍扉軸よりに突設しているブラケット(9)に回転可能に軸支(5)し、腕杆(2)(3)により扉(4)を上下で挾持し保持している。(6)は扉軸(1)の反対側の扉上端部に設けた吊滑車であり、出入口上部に横方向に固定された扉上レール(7)に係合し扉(4)を支持している。」(明細書第2頁第3行?第3頁第2行)

6.当審の判断
(6-1)本件発明1について
(イ)対比
そこで、本件発明1と引用発明とを対比すると、
引用発明における「左右の竪枠31、32、上枠33により門形に形成され」た「壁面Wに嵌め込むようにして床面Fに立設された扉枠30」は、本件発明1における「建物の床面上に開口部を形成する上枠及び両縦枠から成る3方枠体」に、
引用発明における「扉21」と「回転支柱11」とを合わせた構成は、本件発明1における「開閉用の扉体」に、
引用発明における「扉21」は、本件発明1における「ドアパネル」に、
引用発明における「回転支柱11」は、本件発明1における「回転竪柱」に、
引用発明における「扉枠30の上枠33に付設するガイドレール35」は、本件発明1における「前記開口部の幅方向に沿って設けた」「レール」に、
引用発明における「折畳み回転扉」は、本件発明1における「スライド・スイング式ドア装置」に、それぞれ相当するといえる。
同様に、
引用発明における「扉枠30の一方の竪枠の前面側に埋め込むようにして並設され、」「回転支柱11の軸心上の位置であって扉枠30の左右方向の同じ位置に、それぞれ設けられ」た「上下一対の保持ピン34、34を用いて回転自在に装着された回転支柱11」は、本件発明1における「3方枠体の一方の縦枠の前記開口部の側の側面に沿って配置され」、その「縦方向の上端及び下端それぞれの面の前記前後方向の中心位置であって前記幅方向で同じ位置にそれぞれ設けられた回転軸を介して前記上枠及び床面との間に回転可能に支持」された「回転竪柱」に、
引用発明における「回転支柱11」の上端に付設した「支持アーム12」であって、「扉21を吊下することができ」る上方の「連結ピン27」を備えた支持アームは、本件発明1における「前記回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアーム」に、
引用発明における「回転支柱11」の下端に付設した「支持アーム12」であって、下方の「連結ピン27」を備えた支持アームは、本件発明1における「前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アーム」に、それぞれ相当するといえる。
また、引用発明における「扉21」が、扉枠30により形成された「開口部」の幅方向及び縦方向にそれぞれ所定長さを有し且つ当該「開口部」の前後方向に所定厚さを有するものであることは自明な事項である。
さらに、引用発明における「ガイドレール35」に係合する「扉21の上端面」に設けた「ガイドローラ29a」と、本件発明1における「前記ドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車」とは、共に「ドアパネルをレールに沿ってスライド自在に案内する手段」である点で共通するといえる。

してみると、両者は、
「建物の床面上に開口部を形成する上枠及び両縦枠から成る3方枠体に設けられるとともに、前記開口部の幅方向及び縦方向にそれぞれ所定長さを有し且つ当該開口部の前後方向に所定厚さを有する開閉用の扉体を備えたスライド・スイング式ドア装置において、
前記扉体を、前記3方枠体の一方の縦枠の前記開口部の側の側面に沿って配置され且つ前記上枠及び床面の間に回転可能に支持された回転竪柱と、前記回転竪柱に隣接して前記上枠と床面との間で回転可能に支持されたドアパネルとで形成し、
前記回転竪柱を、当該回転竪柱の前記縦方向の上端及び下端それぞれの面の前記前後方向の中心位置であって前記幅方向で同じ位置にそれぞれ設けられた回転軸を介して前記上枠及び床面との間に回転可能に支持させる一方で、
前記回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアームと、前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アームと、前記開口部の幅方向に沿って設けたレールと、前記ドアパネルを前記レールに沿ってスライド自在に案内する手段とを備えたスライド・スイング式ドア装置。」である点(以下、「一致点」という。)で一致し、次の点で相違するということができる。

(相違点1)
ドアパネルをレールに沿ってスライド自在に案内する手段に関して、本件発明1が「前記上枠と前記ドアパネルおよび回転竪柱との間に前記開口部の幅方向に沿って設けた吊りレールと、前記ドアパネルを前記吊りレールに沿ってスライド自在に吊持する吊り車と」を用いたものであるのに対して、引用発明が、そのような吊りレールや吊り車を用いたものではない点。
(相違点2)
「扉体」(「回転竪柱」及び「ドアパネル」)の構成に関して、本件発明1が、「扉体」を、「ドア閉時には前記回転竪柱の外観形状と一体化させた外観形状を有するドアパネルとで形成し」たものであるのに対して、引用発明は、そのような一体化させた外観形状を備えていない点。

そこで、上記相違点1及び2について、以下検討する。

(ロ)相違点1及び2の検討
(相違点1について)
例えば、甲第9号証に、引用発明の折畳み回転扉と同様の一枚扉において、扉を扉軸の腕杆及び吊滑車の3点支持により保持すること、すなわち、扉軸の反対側の扉上端部に吊滑車を設け、出入口上部に横方向に固定された扉上レールに係合させて扉を支持することが示されているように、このような扉の上部案内・支持手段として、吊り滑車や吊りレールを用いることは、従来より周知の技術であったということができる。
してみると、相違点1に係る本件発明1の構成は、引用発明のドアパネルをレールに沿ってスライド自在に案内する手段として、上記周知の技術を採用することにより、当業者が容易に想到し得たものといえる。

(相違点2について)
ところで、建物や家具等の開口部に設けられる開閉用の扉体を複数の部材で構成する際に、当該複数の部材らがドア閉時にはできる限り外観上一体のものとして視認され得るように構成することは、例を示すまでもなく、従来より周知ないし慣用の技術であったということができる。
(ちなみに、本件の特許明細書の段落【0034】には、「本実施形態に係るドア装置の扉体13は、従来から言われているドアパネルとそのドアパネルをスイング自在に支持する支柱部分とを美観的に一体化させたことを1つの特徴とする。ここで言う「一体化」は、少なくともドアパネルの厚さ(前後方向)、高さ(縦方向)などの形状を指す。これに加えて、表面色などの仕上げの調和も一体化の項目に入れてもよい。」との記載があるところ、甲第5号証の第1図aにも、折りたたみ扉を構成する左右一対の扉5、5を同程度の厚さのものとして構成したことが示されている。)
そして、甲第4号証には、【発明が解決しようとする課題】の項に、「この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、回転支柱を一方の竪枠の前面に埋め込むとともに、扉の厚さ内に配設する連結ピンを介して扉を支持アームに連結することによって、扉の前面にブラケットを突設する必要がなく、全体の体裁を大きく向上させることができる折畳み回転扉を提供することにある。」との記載があることから、引用発明における回転支柱と扉とを含む全体的な体裁を良好なものにするという技術的課題が示唆されているといえる。
してみると、相違点2に係る本件発明1の構成は、引用発明の「扉体」を構成する複数の部材であるところの「扉21」と「回転支柱11」とに、(回転支柱と扉とを含む全体的な体裁をより良好なものとするなどの目的で)上記周知ないし慣用の技術を適用することにより、当業者が容易に採用し得たものといわざるを得ない。

なお、被請求人は、本件発明の「回転竪柱31は、建物側に固定する3方枠体11が画成する開口部を開閉する扉体13の一部を成すパネル要素である」として「甲第4号証に記載の折畳み回転扉のように、開口部の開閉を扉21にのみ任せる従来構造とは全く異なる」旨を主張する(答弁書第6頁の「7.2.2」参照)。
しかしながら、本件の特許明細書には、本件発明の「回転竪柱」につき、これが扉体の一部を成す「パネル要素」であると定義したような記載は見いだせないし、却って、上記したように、本件の特許明細書の段落【0034】に「本実施形態に係るドア装置の扉体13は、従来から言われているドアパネルとそのドアパネルをスイング自在に支持する支柱部分とを美観的に一体化させた」との記載があることからして、本件発明の「回転竪柱」は、その表現とおりのドアパネルをスイング自在に支持する「支柱」であると解することができ、これを引用発明の「回転支柱11」と全く異なるものと解することはできない。

また、被請求人は、陳述要領書(第6?7頁参照)により、甲第4号証に記載の「竪枠31や上枠33がZ字状を呈している」のに対して、本件発明1の「上枠11aや縦枠11sは、直方体断面のシンプルな部材で構成され」ているので、本件発明1のスライド・スイング式ドア装置は「右開きか左開きか、或いは、外開きか打ち開きかを気にすることなく」枠体の立て付けや外開き・内開きを決定することができ、選択の自由度が増す等の優れた効果がある旨を主張する。
しかしながら、本件発明1がこのような断面形状を備えることにつき、特許請求の範囲の請求項1に規定がなく、また、本件発明のスライド・スイング式ドア装置が外開き・内開きを決定するに当たって選択の自由度を備えたものである点も、特許請求の範囲のみならず、本件の特許明細書中にも記載がないのであるから、被請求人の上記主張を採用することはできない。

(6-2)本件発明2について
(イ)対比
同様に、本件発明1を引用する発明であるところの本件発明2と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-1)」の相違点1及び2に加えて、次の相違点3で相違するといえる。

(相違点3)
本件発明2が「前記回転竪柱を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成するとともに、前記吊り車を、前記ドアパネルの少なくとも半分の荷重を保持可能な強度を持たせて形成した」ものであるのに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1及び2について)
相違点1及び2については、上記「(6-1)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点3について)
ところで、上記「(6-1)」の「(相違点1について)」で説示したところの引用発明のドアパネルをレールに沿ってスライド自在に案内する手段として、甲第9号証に示されるような吊り滑車や吊りレールを用いた周知の技術を適用するに際して、引用発明の回転支柱11と吊り滑車とがそれぞれ保持することとなる扉21(ドアパネル)の荷重の分担を、それぞれ、少なくとも半分の荷重を保持するものと設定することは極めて普通の選択であって、このような選択をすれば、両者の保持構造を、それぞれ「少なくとも半分の荷重を保持可能な」構造とすることも、当業者が当然に配慮して設計する事項であるといえる。

(6-3)本件発明3について
(イ)対比
同様に、本件発明2を引用する発明であるところの本件発明3と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-2)」の相違点1?3に加えて、次の相違点4で相違するといえる。

(相違点4)
回転竪柱とドアパネルが一体化した外観形状に関して、本件発明3が「前記回転竪柱と前記ドアパネルが一体化した外観形状として、当該回転竪柱及び当該ドアパネルの前記前後方向の厚さが前記所定厚さであって互いに同じであり、当該回転竪柱及び当該ドアパネルの前記縦方向の長さが前記所定長さであって互いに同じである」のに対して、引用発明が、そのような外観形状を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?3について)
相違点1?3については、上記「(6-2)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点4について)
上記「(6-1)」の「(相違点2について)」に記載したように、甲第5号証の第1図aに、折りたたみ扉を構成する左右一対の扉5、5を同程度の厚さのものとして構成したことが示されており、当該第1図のbには、両者の縦方向の長さを同じものとして構成したことも併せて示されている。
そうすると、上記「(相違点2について)」で説示したところの引用発明の「扉体」を構成する複数の部材であるところの「扉21」と「回転支柱11」とに、(回転支柱と扉とを含む全体的な体裁をより良好なものとするなどの目的で)上記周知ないし慣用の技術を適用するに際して、両者の厚みや長さを互いに同じものとすることは、当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-4)本件発明4について
(イ)対比
同様に、本件発明2を引用する発明であるところの本件発明4と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-2)」の相違点1?3に加えて、次の相違点5で相違するといえる。

(相違点5)
本件発明4が「前記パネルの前記回転竪柱に対向する側面部の一方の角部をその縦方向全体に渡って切除し、この切除部に前記回転竪柱を配置した」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?3について)
相違点1?3については、上記「(6-2)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点5について)
例えば、両開きドアの対向面側の間隙部分に、当該ドアの前後両側からの見通しを防止する等の目的で相互に折り重なる部分を配置するように構成することは、例を示すまでもなく、従来より周知の技術であるといえる。
そうすると、引用発明における「扉21」(ドアパネル)の側面部の一角部を削除し、この削除部に「回転支柱11」(竪柱)を配置することにより、両者がドアの前後方向で重なるように構成することも、(扉の開閉作用を妨げない範囲で)当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-5)本件発明5について
(イ)対比
同様に、本件発明4を引用する発明であるところの本件発明5と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-4)」の相違点1?3及び5に加えて、次の相違点6で相違するといえる。

(相違点6)
本件発明5が「前記縦枠に対して前記回転竪柱の長手方向の一部を当該回転竪柱が回動自在な状態で保持する中間ガイドを設けた」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?3及び5について)
相違点1?3については、上記「(6-2)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。
また、相違点5については、上記「(6-4)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点6について)
縦方向に長い形態を有する回転部材を回転可能に軸支承する際に、その上下端位置のみならず中央部分でも支承するように構成することは、例を示すまでもなく、従来より周知の技術であるといえる。
そうすると、相違点6に係る本件発明5の構成は、引用発明に上記周知の技術を適用することにより当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-6)本件発明6について
(イ)対比
同様に、本件発明3を引用する発明であるところの本件発明6と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-2)」の相違点1?3及び上記「(6-3)」の相違点4に加えて、次の相違点7で相違するといえる。

(相違点7)
本件発明6が「前記回転竪柱及び前記ドアパネルの互いの対向する側面同士がドア閉時につくる隙き間を、前記縦方向にわたって前記前後方向に非直線状になる形状又は前記幅方向に対して非直交する形状に形成した」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?4について)
相違点1?4については、上記「(6-3)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点7について)
例えば、両開きドアの対向面側の間隙部分を、当該ドアの前後両側からの見通しを防止する等の目的で相互に折り重なる部分を有するように構成することは、例を示すまでもなく、従来より周知の技術であるといえる。
そうすると、相違点7に係る本件発明6の構成は、引用発明における「扉21」(ドアパネル)と「回転支柱11」(竪柱)との間隙部を、(ドアの前後両側からの見通しを防止する等の目的で)両者がドアの前後方向で相互に折り重なる部分を有するように構成することにより、当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-7)本件発明7について
(イ)対比
同様に、本件発明3を引用する発明であるところの本件発明7と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-2)」の相違点1?3及び上記「(6-3)」の相違点4に加えて、次の相違点8で相違するといえる。

(相違点8)
本件発明7が「前記ドアパネルと前記回転竪柱との間、および、そのパネルと前記枠体の回転竪柱とは反対側の縦枠との間を同時にロックおよびアンロック可能なマグネット構造の双頭の鍵を設けた」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?4について)
相違点1?4については、上記「(6-3)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点8について)
例えば、甲第5号証や甲第4号証に従来技術として例示された文献である甲第6号証(実開昭55-70564号公報)にも示されているように、開閉扉の両端に設けられた一対のロック手段を連動式のものとして構成することは、従来より周知の技術であり、また同様に、甲第7号証にも示されるように、開閉扉のロック手段にマグネット構造のものを用いることも従来より周知の技術であるといえる。
そうすると、相違点8に係る本件発明7の構成は、引用発明に上記周知の技術を適用することにより、当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-8)本件発明8について
(イ)対比
同様に、本件発明3を引用する発明であるところの本件発明8と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記「(6-2)」の相違点1?3及び上記「(6-3)」の相違点4に加えて、次の相違点9で相違するといえる。

(相違点9)
本件発明8が「前記回転竪柱の上下端に前記回転吊りアーム及び前記回転下部アームを夫々固設した状態で当該回転竪柱を前記枠体及び床面に着脱自在に取り付けるピボット手段を備えた」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?4について)
相違点1?4については、上記「(6-3)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点9について)
甲第4号証には、
「【0022】…(中略)…一方、上方の保持ピン34は、ベアリング13とともにプラグ11aに組み込まれており、ワッシャ14aを介し、プラグ11aに内蔵する圧縮ばね14によって上方に付勢されている。すなわち、上方の保持ピン34は、圧縮ばね14を介し、軸方向に進退自在となっている。
【0023】そこで、回転支柱11は、下方の保持ピン34を下方のベアリング13に挿入し、上方の保持ピン34を軸方向に押し下げ、上方のピン受け34aに対向させることにより、竪枠31に対して一挙動で装着することができる。…(中略)…
【0024】なお、上方の保持ピン34は、図示しない操作レバーを介して外部から押下げ操作可能にすることができ、このときの回転支柱11は、竪枠31に対して着脱自在に装着することができる。」(「4.」(2)の(ハ)参照)との記載がある。
すなわち、甲第4号証には、回転竪柱を枠体及び床面に着脱自在に取り付けるピボット手段を採用することが、併せて記載されているといえる。
そして、本件発明8と引用発明とが、共に「回転竪柱の上端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの上端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転吊りアームと、前記回転竪柱の下端部に一端が剛結され且つ前記ドアパネルの下端面の所定位置に他端を回転自在に取り付けた回転下部アームと」を備えること、言い換えれば、「前記回転竪柱の上下端に前記回転吊りアーム及び前記回転下部アームを夫々固設した状態」のものであることは、上記「一致点」として認定したとおりである。
そうすると、相違点9に係る本件発明8の構成は、引用発明に上記した着脱自在なピボット手段を採用することにより、当業者が適宜採用し得た設計的事項であるといえる。

(6-9)本件発明9について
(イ)対比
同様に、本件発明8を引用する発明であるところの本件発明9と引用発明とを対比すると、両者は、上記「(6-1)」の一致点で一致し、上記相違点1?4及び相違点9に加えて、次の相違点10で相違するといえる。

(相違点10)
本件発明9が「前記回転吊りアームと前記回転下部アームの各々両端の前記回転竪柱及び前記ドアパネルへの取り付け位置は、この回転竪柱及びドアパネルそれぞれの前記前後方向の中心位置に一致している」のに対して、引用発明が、そのような構成を備えていない点。

(ロ)各相違点の検討
(相違点1?4及び9について)
相違点1?4については、上記「(6-3)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。
また、相違点9については、上記「(6-8)」の「(ロ)各相違点の検討」において説示したとおりである。

(相違点10について)
引用発明における上下一対の回転アームの各々両端の(「回転支柱11」及び「扉21」への)取り付け位置を具体的に如何なる箇所と選択するかは、例えば、両アームの取付部分を含む形態や両アームが配置される空間の形態等を考慮して、当業者が適宜選択し得る設計的事項であるといえる。
そして、本件発明9の(回転竪柱及びドアパネルそれぞれの前後方向の中心位置という)取り付け位置を採用した場合に、扉の全体的な体裁を良好なものにするという作用・効果においても、引用発明のものと比較して格別な相違があるということもできない。
そうすると、相違点10に係る本件発明9の構成は、引用発明における上記取り付け位置を適宜選択することにより、当業者が容易に想到し得たものといわざるを得ない。

(6-10)まとめ
そして、本件発明1?9の奏する効果も、甲第4号証の記載事項並びに従来より周知の技術から当業者が予測し得るものであって、格別なものということができない。
したがって、本件発明1?9は、甲第4号証の記載事項並びに従来より周知の技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものといえる。

7.むすび
以上のとおりであるから、他の理由及び証拠について検討するまでもなく、本件発明1?9の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであるから、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2007-01-30 
結審通知日 2007-02-05 
審決日 2007-02-16 
出願番号 特願平11-152848
審決分類 P 1 113・ 121- Z (E05D)
最終処分 成立  
特許庁審判長 大元 修二
特許庁審判官 宮川 哲伸
柴田 和雄
登録日 2005-04-28 
登録番号 特許第3673115号(P3673115)
発明の名称 スライド・スイング式ドア装置  
代理人 日野 修男  
代理人 波多野 久  
代理人 関口 俊三  
代理人 古川 潤一  

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