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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200680247 審決 特許
無効2007800032 審決 特許
無効2007800176 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮  B63J
審判 全部無効 2項進歩性  B63J
管理番号 1174616
審判番号 無効2007-800044  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-03-02 
確定日 2008-02-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3902157号発明「船舶推進装置_」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 特許第3902157号の請求項1,2に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1 手続の経緯
(1)本件特許第3902157号は、平成15年6月4日の出願であって、平成19年1月12日にその発明について特許権の設定登録(請求項の数:3)がされたものである。
(2)これに対して、請求人は、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出し、本件特許第3902157号の全請求項に係る発明(以下「本件特許発明」という。)は、甲第1号証ないし甲第5号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたものであるから、本件特許発明は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたと主張している。
(3)被請求人は、平成19年9月10日付けで訂正請求書を提出して訂正を請求した。
当該訂正の内容は、本件特許発明の明細書を訂正請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものである。
そして、その内容は、以下の訂正事項1ないし3のとおりである。
ア 訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1を以下のとおりに訂正する。
「【請求項1】 主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及び可変ピッチプロペラを有し、
前記出力軸の途中には、この出力軸に直線的に直結される回転子を備えて、発電又は空転或いは動力補助を行う軸駆動同期発電機を設け、
前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続したことを特徴とする船舶推進装置。」
イ 訂正事項2
特許請求の範囲の請求項3を削除する。
ウ 訂正事項3
発明の詳細な説明の【0011】段落を以下のとおりに訂正する。
「【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することができる本発明の船舶推進装置は、主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及び可変ピッチプロペラを有し、前記出力軸の途中には、この出力軸に直線的に直結される回転子を備えて、発電又は空転或いは動力補助を行う軸駆動同期発電機を設け、前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続したことを特徴とする。」

2 訂正の可否に対する判断
(1)訂正事項1について
上記訂正事項1は、訂正前の請求項1に係る発明の発明を特定するために必要な事項である「プロペラ」を「可変ピッチプロペラ」とし、「軸駆動発電機」を「軸駆動同期発電機」とするとともに、「回転子」に関して「出力軸に直線的に直結される」としたものであるから、発明を特定するために必要な事項を限定するものである。そして、「可変ピッチプロペラ」は本件特許発明の特許請求の範囲の請求項3および本件特許明細書に記載されたものである。また、回転子が出力軸に直結されている点は、本件特許明細書の図1から見てとることができる。したがって、上記各訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とし、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項2について
上記訂正事項2は、請求項の削除であるから、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項を追加するものではなく、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでもない。
(3)訂正事項3について
上記訂正事項3は、明細書の発明の詳細な説明を訂正後の特許請求の範囲の記載と整合させるものであるので、明りようでない記載の釈明である。
なお、請求人は平成19年10月19日付けの弁駁書において、「直結」と訂正するとは訂正要件違反である旨主張しているが、該訂正は回転子とクラッチの出力軸の間に他の装置が存在しない程度のことを指すものと解するのが妥当であり、回転子の位置に関する限定的減縮であるといえる。
(4)したがって、平成19年9月10日付けの訂正は、特許法第134条の2ただし書き、及び、同条第5項において準用する同法第126条第3項、4項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3 請求人の主張
請求人は、本件特許発明の特許を無効とする、との審決を求め、その理由として、本件特許発明は、本件出願前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は無効とされるべきであると主張し、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証刊行物を提出している。

4 被請求人の主張
被請求人は、以下のとおり主張している。
(1)本件特許発明における「軸駆動発電機」は、モータとして「低速駆動」されるものでなければならないのに対し、甲第1号証記載の軸発電機は、開示全体に亘り、モータとして動作するものとして開示されているとはいえない。
(2)本件特許発明においては、「クラッチ」と「可変ピッチプロペラ」とが直結され、さらに軸駆動発電機とクラッチとの間も「直結」される構成を備えるものであるから、甲第1号証記載の軸発電機とプロペラとの間にクラッチが設けられている態様を除外するものである。
(3)甲第5号証に記載の油タンカー推進システムにおける電気推進モータ2は、発電機の機能を兼ね備えるものではないから、本件発明における「軸駆動発電機」に相当するものではない。
(4)甲第5号証に記載の油タンカー推進システムにおいて可変ピッチプロペラを採用したのは、所定速度で船舶が通常航行中に、ディーゼル主機関1、電気推進モータ2のいずれかが停止した場合にあっても他の一方で運転を継続できるようにするために過ぎないものと解すべきである。
このように甲第5号証には、主機関なしで発電機を推進用モータとして駆動して船舶停止状態(0速)からの始動を実現するために可変ピッチプロペラを採用するとの技術思想はない。
したがって、仮に甲第5号証に記載された技術を甲第1号証に適用することができたとしても、プロペラ側クラッチを省略して零回転から始動する電気推進を可能にするものになるとはいえないから、甲第1号証において、ギア等の変速機構やプロペラ側クラッチを省略できるとはいえない。
また、可変ピッチプロペラを採用すると、ギア等の変速機構プロペラ側クラッチを省略しても、主機関なしで同期発電機を推進用モータとして駆動して船舶停止状態(0速)からの始動を実現できるとの技術思想はいずれの証拠にも示されていない
(5)本件特許発明は、甲第2号証記載の軸発電動機と固定ピッチプロペラとの間にクラッチ及び増速歯車が設けられている態様を除外するものである。
甲第2号証には可変ピッチプロペラに関する記載や示唆もないから、敢えて可変ピッチプロペラを採用する動機付けはないこと、仮に甲第5号証に記載された技術を甲第2号証に適用することができたとしても、クラッチ及び増速歯車を省略できるとはいえない。
請求人は、甲第2号証206頁の図は、208頁の詳細図の略図でなく独立した説明図である可能性があると理由なく主張するが、略図と解することが合理的解釈である。

5 本件特許発明
本件特許第3902157号の請求項1及び2に係る発明(以下「本件特許発明1及び2」という。)は、平成19年9月10日付け訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項によって特定される前記「1(3)」に記載されたとおりのものと認める。

6 甲第1号証ないし甲第5号証
請求人の提出した、本件特許出願前に頒布された刊行物である甲第1号証ないし甲第5号証には、以下の事項が記載されている。
(1)甲第2号証(日本船舶機関学会誌、1984年2月、第19巻、第2号、第136頁?同第144頁)
ア 「図1(a)において、・・・電力はSGより系統側に伝達されることになり、これを発電モードと称する・・・。(b)図では・・・電力は系統側よりSM側に伝達される。これを電動モードと称する・・・。 」(第136頁右欄第6行?第137頁左欄第1行)
イ 「SG(SM)は同期機が採用されるが、その周波数(回転数に比例する)はSG(SM)に出入する電力のバランスにより決定される。」(第137頁左欄第6行?同第8行)
ウ 「電気推進運転;SGMと主機間のクラッチを切り、ディーゼル発電機によりSGMを無整流子電動機運転する。RCは始動方式に工夫が必要なためDSにて断路しておく。」(表1 機能向上システム 項番3.の「機能及び動作内容」欄 )
エ 「主機故障時の危急帰港用に。・・・港湾内微速航行用に使用可能。」(表1機能向上システム 項番3.の「長所」欄 )
オ 「船内電源システムは図5に示すように2台のディーゼル発電機及び1台の軸発電動装置より構成されている。発電機の運転状況は、船の運行状態及び負荷状態に応じて・・・計画されており、・・・非常航走時は2台のディーゼル発電機にて給電される。」(第140頁右欄第7行?第141頁左欄第2行)
カ 「電気推進モード 主機の故障時にこのモードが採用されるため、図6のクラッチCL_(1)は脱、CL_(2)は嵌の状態にて運転される。」(第141頁左欄第22行?同第24行)
また、表1 項番3.の「回路構成」欄に記載された図より、主機と直接結合されたクラッチと、クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸と、クラッチの出力軸の途中に設けられたSGMが見て取れる。
また、図5中には「SGM:軸発電動機 560kw(発電機)/390kw(電動機)」との記載が見て取れる。さらに、同図から、軸発電動機とディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置が接続された主配電盤が見て取れる。
ここで、上記「港湾内微速航行用」(記載事項エ)および「非常航走時」(記載事項オ)等の記載から見て一般的にこのような運転を高速で行うことはないといえるので、ディーゼル発電機による軸発電動機の運転は低速で行うものであるといえる。
また、図5の記載より、「SGM」なる略語が「軸発電動機」を意味することが明白なので、表1 項番3.の「回路構成」欄に記載された図における「SGM」も「軸発電動機」であるといえる。
さらに、表1 項番3.の「回路構成」欄に記載された図における「ACB」(気中遮断機)、「MCB」(埋込遮断機)は、図5を参酌すれば主配電盤に設けられたものといえるので、表1 項番3.の「回路構成」欄に記載された図には実質的に主配電盤が記載されているといえる。
よって、上記の表1 項番3.に記載されたシステムおよびその他の各記載事項を総合すると、甲第2号証には、
「主機と、該主機と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及びプロペラを有し、
前記出力軸の途中には、この出力軸に接続され、発電或いは電気推進を行う同期機を採用した軸発電動機を設け、
前記軸発電動機を主配電盤に接続すると共に、この主配電盤に前記クラッチを断とした上で前記軸発電動機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続した船舶推進装置」
の発明(以下「甲第2号証発明」という。)が記載されていると認められる。
(2)甲第1号証(カタログ「Shaft Generating System,軸発電装置」、西芝電機株式会社、1999年12月)
キ 「電動モード
排ガスタービン発電機などで船内へ給電中に排ガスボイラのエネルギーが余剰になった時、軸発電装置を電動モードで運転し余剰エネルギーを主軸にトルク還元する省エネルギーが出来ます。」(第7頁右欄第1行?同第5行)
また、FIG.bには「SGS+TG(USE AS SC)(INLINE TYPE)」として、MAIN ENGINEの出力軸の途中に、この出力軸に直線的に接続されるSHAFT GENERATORが見て取れる。
(3)甲第3号証(平凡社大百科事典、平凡社、1991年、13巻、298?300頁)
ク 「1930年代に入ってアメリカのハミルトン・スタンダード社が、油圧を利用して離陸上昇と巡航高速の両飛行状態に対応する2段可変ピッチプロペラを開発した。」(第300頁左欄第36行?同第40行)
(4)甲第4号証(新版マリン・プロペラ、ナカシマプロペラ株式会社、1971年6月20日、表紙、356頁?358頁)
ケ 「最近では、数千馬力に達する可変ピッチ・プロペラも製作されるようになりましたので、かなり大型の船にも、必要に応じて可変ピッチ・プロペラが装備されるようになってきました。」(第358頁第11行?同第12行)
(5)甲第5号証(特開平7-132885号公報)
コ 「このような構成によれば、・・・推進プラントとしてディーゼル主機関1に電気推進モーター2を接続し、ディーゼル発電機からの電力を電気推進モーター2に供給し、併用することで推進を行う。非常時にはディーゼル発電機関のみでも周波数変換サイリスタ5を介して推進可能である。そのためにプロペラーは機関に対してのトルクが過大にならないように可変ピッチプロペラーとする。なお、ディーゼル発電機関の出力が十分な場合は、従来の固定ピッチプロペラーでもよい。・・・」(【0006】段落)

7 本件特許発明1について
(1)対比
ア 本件特許発明1と甲第2号証発明とを対比すると、甲第2号証発明の「主機」は本件特許発明1の「主機関」に相当し、以下同様に、「同期機を採用した軸発電動機」、「主配電盤」は、それぞれ「軸駆動同期発電機」、「電力中央配電盤」に相当する。
イ 以上の対比から、本件特許発明1と甲第2号証発明との一致点及び相違点を次のとおりに認定できる。
[一致点]「主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及びプロペラを有し、
前記出力軸の途中には、発電を行う軸駆動同期発電機を設け、
前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続した船舶推進装置。」である点。
[相違点1]本件特許発明1のプロペラは可変ピッチプロペラであるのに対して、甲第2号証発明のプロペラは可変ピッチプロペラではない点。
[相違点2]本件特許発明1は軸駆動同期発電機の回転子がクラッチの出力軸に直線的に直結されているのに対して、甲第2号証発明は回転子の接続に関する構造が不明である点。
[相違点3]本件特許発明1は軸駆動同期発電機は空転或いは動力補助するものであるのに対して、甲第2号証発明は軸発電動機が空転或いは動力補助するか否か明らかでない点。

(2)当審の判断
ア 相違点1について
可変ピッチプロペラを船舶の推進機関に採用すること自体は、甲第4号証、甲第5号証等に見られるように周知の事項であるといえる。
また、被請求人は可変ピッチプロペラを採用することと、軸駆動同期発電機とプロペラとの間に設けられたクラッチ及び増速歯車を省略することを同時に行った場合の効果につき上記被請求人の主張4の(4)の如く主張する。ここで、上記甲第5号証の記載事項コによれば、可変ピッチプロペラは、「機関に対してのトルクが過大にならない」ことを考慮して設けられるものであり、「機関の出力が十分な場合は」必ずしも設けなくともよいものであることがわかる。そして、一般的に動力伝達系にクラッチ及び増速歯車を設けるか否かは機関の始動性つまり動力発生源のトルク特性、負荷特性等の諸条件を考慮して適宜選択される事項でもある。また、甲第2号証の記載事項カには主機関のクラッチを切るとともに軸発電動機とプロペラをクラッチを繋ぐことで結合した上で運転することが記載され、さらに甲第5号証の記載事項コには電気推進モータ2と可変ピッチプロペラ間にクラッチが見られない状態でディーゼル発電機関つまり電気推進モータのみで推進することが記載されているように、軸発電動機をプロペラシャフトに結合した状態で軸発電動機を運転することも当業者によく知られた運転形態である。したがって、船舶に可変ピッチプロペラを採用して初期トルクを減少させるとともに軸発電動機の発生するトルク特性を考慮してクラッチを設けないことを選択することは単なる設計的事項である。また、軸発電動機の機械設計において不要なものを省いて構造を単純化することはごく自然に行われる事項であるので、増速歯車についても特段必要がない場合に省くことは一般的になされる設計変更であるといえる。したがって、上記「4(4)」の主張は採用できない。
以上の事項を総合的に勘案して甲第2号証発明において適宜可変ピッチプロペラを採用し、この相違点1に係る本件特許発明1の構成とすることに、格別の困難性は要しない。
なお、「請求人は、甲第2号証206頁の図は、208頁の詳細図の略図でなく独立した説明図である可能性があると理由なく主張するが、略図と解すべきことが合理的解釈である」(被請求人の主張4の(5))との主張について付言すると、甲第2号証の表1、項番3.「回路構成」欄に記載された図と、甲第2号証の図5とは完全に一対一対応する関係にあるとまでは言えず、図5に記載された構成が全て表1、項番3.「回路構成」欄に記載された図にも内包されているとまではいえない。したがって、上記「4(5)」の主張も採用できない。
イ 相違点2について
軸発電動機の回転子が軸に設けられることは技術常識である。また、軸発電動機を主機関の出力軸に直線的に接続することは甲第1号証に記載されている。そして、甲第2号証発明においても軸発電動機が主機関により駆動されるプロペラ軸に直接接続されるものであるから、前記甲第1号証に記載された事項を適用することにより、軸発電動機の回転子をクラッチの出力軸に直線的に直結して、この相違点2に係る本件特許発明1の構成とすることに、格別の困難性は要しない。
ウ 相違点3について
甲第5号証に見られるような可変ピッチプロペラを備えた船舶において、プロペラのピッチを前進力も後進力も生じない中立の状態に保つことでプロペラ軸が空転する状態を取り得ることは技術常識である。また、その際に該プロペラ軸に設けられた軸発電動機を他の電気的負荷と断続することは適宜なしうる事項である。また、軸発電動機を主機関の動力補助として使用することは、甲第1号証の記載事項キおよび甲第5号証の記載事項コに記載されているように周知の事項であるといえる。
そして、甲第2号証発明に前記技術常識および前記周知の事項を適宜付加することに特段の創意は要しないので、この相違点3に係る本件特許発明1の構成とすることに、格別の困難性はない。
エ 作用効果等について
上記の相違点1ないし3に係る構成を併せ備える本件特許発明1の作用効果についてみても、上記甲第2号証発明及び甲第1号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された事項から、当業者が容易に予測しうる域を超えるものがあるとは認められない。
したがって、本件特許発明1は、上記甲第2号証発明及び甲第1号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。
なお、上記以外の被請求人の主張につき、「4(1)」の主張については前記「6(1)」において示したとおり、甲第2号証に記載されている。また、「4(2)」の主張については前記「7(2)イ」に示したとおり甲第1号証に記載されている。また、「4(3)」の主張については前記「6(1)」において示したとおり、甲第2号証に記載されている。したがって、これらの主張も採用できない。

8 本件特許発明2について
(1)対比
本件特許発明2と甲第2号証発明とを対比する。請求項2は請求項1を引用するものであるから、本件特許発明2は、本件特許発明1の発明特定事項を全て含み、さらに別の発明特定事項を付加したものである。したがって、両者の一致点及び相違点は、次のとおりであると認められる。
[一致点]「主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及びプロペラを有し、
前記出力軸の途中には、発電を行う軸駆動同期発電機を設け、
前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続した船舶推進装置。」である点。
[相違点1]本件特許発明2のプロペラは可変ピッチプロペラであるのに対して、甲第2号証発明のプロペラは可変ピッチプロペラではない点。
[相違点2]本件特許発明2は軸駆動同期発電機の回転子がクラッチの出力軸に直線的に直結されているのに対して、甲第2号証発明は回転子の接続に関して明らかでない点。
[相違点3]本件特許発明2は軸駆動同期発電機は空転或いは動力補助する場合があることが明示されているのに対して、甲第2号証発明は軸発電動機が空転或いは動力補助する場合について明らかでない点。
[相違点4]本件特許発明2のディーゼル駆動による小型発電機は2基であるのに対して、甲第2号証発明は小型発電機の基数が特定されていない点。

(2)当審の判断
ア 上記相違点1ないし3は、本件特許発明1と甲第2号証発明の対比における各相違点と実質的に同じであるから、該相違点1ないし3に係る本件特許発明2の発明特定事項は、本件特許発明1と甲第2号証発明の対比における各相違点に係る本件特許発明1の発明特定事項と同様の理由により、当業者が容易に想到できたものである。
イ 相違点4について
上記相違点について検討すると、ディーゼル駆動による小型発電機を2基設けることは、甲第2号証の図5に開示されており、甲第2号証発明において小型発電機の基数を2基とすることに何ら格別の創意を要しない。
ウ 作用効果等について
上記の相違点1ないし4に係る構成を併せ備える本件特許発明2の作用効果についてみても、上記甲第2号証発明及び甲第1号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された事項から、当業者が容易に予測しうる域を超えるものがあるとは認められない。
したがって、本件特許発明2は、上記甲第2号証発明及び甲第1号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証の記載事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、被請求人の提示した乙第2号証は、本件特許発明1及び2の前提となる技術を開示するものに過ぎないので、本件特許発明1及び2の進歩性を推認する証拠とはいえない。

9 むすび
以上のとおりであるから、本件特許発明1及び2は、甲第2号証発明及び甲第1号証、甲第3号証、甲第4号証、甲第5号証に記載された事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件特許発明1及び2に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法第123条第1項第2号に該当する。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
船舶推進装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及び可変ピッチプロペラを有し、
前記出力軸の途中には、この出力軸に直線的に直結される回転子を備えて、発電又は空転或いは動力補助を行う軸駆動同期発電機を設け、
前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続したことを特徴とする船舶推進装置。
【請求項2】
前記ディーゼル駆動による小型発電機は2基に分けられていることを特徴とする請求項1記載の船舶推進装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主機関とプロペラ軸との間に発電及び駆動を行うことができる駆動発電機を介在させることにより、主機関なしで低速又は一時的な推進を可能とすると共に省エネ航行できるようにした船舶推進装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より主機関を備えた船舶に、船舶推進用の補助エンジンを備えれば、主機関なしで一時的な推進が可能であることは当然知られている。
【0003】
しかし、通常船舶に使用されている船用エンジンは、相当頑丈で、定期的な保守点検をしていれば、ほとんど故障することは考えられず、船舶推進用の補助エンジンは不要であると考えられるところである。仮に補助エンジンを設ける場合には、動力伝達軸の切換え装置が必要で、相当大掛りで、かつ高価な装置となる。
【0004】
ところが、国際的なテロ活動が散見されるような時代において、船舶主機関のオーバホールのとき、寄港先で突然の港湾事故が生じ得ることを想定しなければならない場合がある。この場合、主機関は停止しているので、タグボートで航行するしかなく、タグボートが来るまでに炎上してしまう可能性がある。特に、船舶が石油又はガスのような燃焼物或いは爆発物を搭載しているような場合、被害が益々拡大する可能性がある。
【0005】
そこで、重要船舶にあっては緊急避難等を目的として、前述補助エンジンを搭載することが考えられる。しかしながら、補助エンジンは前記の理由で、その設置が困難である。しかも、敢えて通常の補助エンジンを搭載した場合には、他に利用できず、もしもの事故が起こらない限り宝のもちぐされである。しかも、この補助エンジンは、使用しなくても、定期的な保守点検が必要で、それに要する費用も必要となる。
【0006】
一方、近年、自動車をはじめ、エネルギー効率上昇を目的としてハイブリッド自動車が提案され、また船舶の分野でもハイブリッド式電源装置が提案されている。従来のハイブリッド式電源装置としては、例えば特許公開平10-144327号公報に示されるものの例がある。これは、燃料電池と二次電池(鉛電池)とを併設して、燃料電池に対する負荷要求の平準化をはかろうとするものである。
【0007】
このように、船舶では、エネルギー効率を高めようとする指向も強く、前記の緊急避難の必要性に加えて、これら目的に沿った船舶推進装置の必要性を伺うことができる。
【0008】
【特許文献1】
特許公開平10-144327号公報、第1頁
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑みて、構成簡易にして安価に製造でき、他の電源装置と連系させて多機能に利用できる軸駆動発電機を採用することにより、主機関が作動不能な状態であっても、自ら緊急避難も可能な船舶推進装置を提供することを目的とする。
【0010】
また、前記軸駆動発電機を他の電源装置と連系することにより、主機関利用可能なときでも、より効率的な運用を行うことができる船舶推進装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することができる本発明の船舶推進装置は、主機関と、該主機関と直接結合されて動力断接を行うクラッチと、該クラッチの出力軸に直結されるプロペラ軸及び可変ピッチプロペラを有し、前記出力軸の途中には、この出力軸に直線的に直結される回転子を備えて、発電又は空転或いは動力補助を行う軸駆動同期発電機を設け、前記軸駆動同期発電機を電力中央連系盤に接続すると共に、この電力中央連系盤に前記クラッチを断とした上で前記軸駆動同期発電機を低速駆動するディーゼル駆動による複数の小型発電機を備えた電源装置を接続したことを特徴とする。
【0012】
本発明の船舶推進装置では、主機関に対しクラッチを介して接続される軸駆動発電機が介在され、これは、他の電源装置、例えば小型発電機や蓄電装置とも接続される電力中央連係盤と接続される。
【0013】
電力中央連系盤は、指令のモードに従って、接続機器、即ち他の電源装置や船内電力負荷、そして軸駆動発電機を連系制御する。この連系制御の方式は、通常の電力連系方式に寄るもので、例えば交直変換や電力交換を行うものであり、交直又は電圧変換のインバータを中心として、接続機器間で電力交換を行うものである。
【0014】
電力中央連系盤を介しての一制御例を示すと、軸駆動発電機を発電機として作用させ、主機関のプロペラ駆動の回転力で発電し、発電電力を蓄電し、或いは船内負荷に利用することができる。また、クラッチを断として主機関を切り離し、主機関なしでプロペラを回転駆動できる。ただし、通常、蓄電或いは小型発電機の出力は、主機関の出力の数分の1であるので、その範囲で低速航行するとき利用できる。
【0015】
前記プロペラを回転させて船舶推進するとき、該プロペラの軸回転数は一定値以上必要である。このため、低速航行では、プロペラ軸の回転速度を調節するために変速機構を設ける必要がある。変速機構は、ギヤに代えて、プロペラのピッチ可変で対処するのが好ましい。構成容易で制御容易だからである。ピッチ可変のプロペラでは、低出力のとき、回転数はそのままでピッチ小として対応できる。
【0016】
ピッチ可変のプロペラを用い、他の電源装置として小型発電機や蓄電装置を共に備え、前記電力中央連系盤に、これら全ての機器を接続連系して制御するとき、各種モードに応じて多様な制御を行うことができる。燃料電池を用いてのハイブリッド化も可能である。
【0017】
多種モードとしては、例えば、通常モード、ハイブリッドモード、緊急モードの例がある。
【0018】
通常モードでは、主機関を回転させて、発電を行うことができる。発電時期及び発電量は、他の電源装置と負荷の量に応じて適宜連係制御すれば良い。十分な量の発電を行うことができるので、船内負荷用の小型発電機の容量を極力小さくすることも可能であり、その保守、点検を船舶航行中に行うこと等も可能である。
【0019】
固定ピッチプロペラでは、ハーバースピードテーブルにおけるデッドスロー未満での主機関の運転は、トルク不足で運転できず、主機関の起動及び停止を繰り返すか、タグボートで曳航するしかない。これに対し、本発明では、固定ピッチプロペラでも、軸駆動発電機をモータとして作用させ、本来デッドスロー未満で主機関の運転できない低速での航行が可能である。
【0020】
ハイブリッドモードでは、通常航海中に発電して、そのエネルギーを蓄電しておき、港に入ってから5ノット程度の低速航行中に蓄電電力を用いてピッチ小とされたプロペラを回転し、低速航行し、省エネ運転できる。さらには、船に小型の風力発電機を備え、その発電電力でプロペラ回転し、推進することもできる。
【0021】
緊急モードでは、故障やオーバホール等の理由で主機関が利用不能のとき、他の電源装置の電力を用いて低速航行することができる。主機関故障の場合には、自力で港に戻ることができ、位置を適切に保ちながら救助を求めることができる。また港で火災が発生したようなときは、自力で避難することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1、図2、図3は、本発明の一実施の形態に係る船舶推進装置の構成部材の配置を示す側面図及び平面図並びに断面図である。ただし、図2は、主機関及び小型発電機のみを示している。また図3の断面図は、図1のF3-F3に沿った方向から、主機関を含めた適宜の位置の断面で示している。
【0023】
図示のように、船底BDの船尾には、主機関1が配置され、油圧駆動の摩擦クラッチ2が配置されている。
【0024】
前記摩擦クラッチ2の後段には、軸駆動発電機3が配置され、その出力端は、プロペラ軸4と直結され、プロペラ軸4の軸端には、可変ピッチプロペラ5が固定されている。
【0025】
前記軸駆動発電機3は、その軸を回転子として軸発電機又は推進用モータとして駆動可能とされており、電力中央連系盤6を介して、その他の電源、即ちディーゼル駆動による第1、第2の小型発電機7、8及び蓄電設備9と接続されている。蓄電設備9は、本発明の必須要件ではないが、その設置により、より高度のハイブリッド化が可能となる。その高度性を示すため、本実施の形態では、これを含めた例で示す。
【0026】
前記電力中央連系盤6は、力率改善用の軸駆動発電機用同期調相機10と、軸駆動発電機用周波数変換器盤11、主機関監視盤12、主配電盤13を含み、主配電盤13には、船内負荷が接続されている。本発明では、前記軸駆動発電機3が制御主体となるので、ここでは、これらを総称して電力中央連系盤6と称するものとする。
【0027】
前記第1及び第2の小型発電機7、8と、蓄電設備9と、周波数変換器盤11は、フラットデッキFDに配置されている。前記主機関監視盤12と主配電盤13とは、アパーデッキUDに配置されている。蓄電設備9は、鉛バッテリで構成した例とするが、将来的には、より効率よいバッテリに変換する可能性がある。
【0028】
図2には、フラットデッキFDから、その下方の船底BDを覗き込んで主機関1を見た状態が示されている。図3に示すように、甲板PD直下にエンジンコントロールルーム14が配置されている。主機関1及び小型発電機7、8の煙は、煙道15を介してエコノマイザ16を通り、熱回収される。
【0029】
本船舶には、さらに、より高度のハイブリッド化を目的として、燃料電池や廃熱発電装置、或いはその他の省エネ機器を付属させることができる。この他、補助ボイラ、空気圧縮機、海水ポンプ、冷却ポンプ、潤滑油ポンプ、燃料油供給ポンプ、工作機械、その他の多数のポンプ類、タンク類、その他多数の設備を備えているが、本発明の推進装置に直接的には関係しないので、全て割愛して示している。
【0030】
図4は、前記軸駆動発電機3がモータとして駆動されるときの回転数及び出力の関係を示すグラフである。図示のように、軸駆動発電機3は、クラッチ2を断としてプロペラ5を回転することができる。ただし、回転数には制限があり、モータ出力17として推進負荷18を得るには、所定の回転数N1?N2の範囲でなければならない。
【0031】
そこで、本実施の形態では、軸駆動発電機3をモータとして駆動するとき、同時に可変ピッチのプロペラ5のピッチ調節をして、推力調節し、低速航行する。ピッチ調節は、手動であっても自動であっても良い。
【0032】
図5は、各装置を機能化して示す制御系のブロック図である。軸駆動発電機3は、機能的には、軸発電機3Gと、推進モータ3Mとに分けて示すことができる。前記電力中央連系盤6には、船内負荷19が接続される。既に示したように、電力中央連系盤6は、同期調相機10、周波数変換器盤11、主機関監視盤12、主配電盤13を含む。またこれらの盤は、電力連系に必要な各種電力制御部材、部品、付属品類を含むものとする。
【0033】
以上の構成において、本発明の船舶推進装置の制御方法を3種のモードに分けて説明する。モード種別は、通常モードと、ハイブリッドモードと、緊急モードとする。
【0034】
通常モードでは、主機関1を回転させて、軸発電機3Gで発電を行うことができる。発電時期及び発電量は、他の電源装置7、8と負荷19の量に応じて適宜連係制御すれば良い。十分な量の発電を行うことができるので、船内負荷用の小型発電機7、8の容量を極力小さくすることも可能であり、その保守、点検を船舶航行中に行うこと等も可能である。船舶を低速航行するには、主機関の27分の1の出力が必要であるとされている。従って、小型発電機7、8の容量は、この値を参照して定めれば良い。
【0035】
ハイブリッドモードでは、通常航海中に発電して、そのエネルギーを蓄電しておき、港に入ってから5ノット程度の低速航行中に蓄電電力を用いてピッチ小とされたプロペラを回転し、低速航行し、省エネ運転することができる。さらには、船に小型の風力発電機を備え、その発電電力でプロペラ回転し、推進すること等もできる。
【0036】
緊急モードでは、故障やオーバホール等の理由で主機関が利用不能のとき、他の電源装置、即ち2基の小型発電機7、8又は蓄電設備の電力を用いて低速航行する。主機関故障の場合には、自力で港に戻ることができ、位置を適切に保ちながら救助を求めることができる。また港で火災が発生したようなときは、自力で避難することができる。タグボートで曳航するときでも、自力で加勢し中速でより素速く航行できる。
【0037】
以上のように、本発明の船舶推進装置は、構成簡易にして格別大きな効果を得ることができる。即ち、特別の補助エンジン及びその動力伝達機構を設けることなく、主機関1なくして低速航行できる。また、軸駆動発電機3を軸発電機3Gとして利用する場合には、所要の電力を発生できるので、小型発電機7、8の容量を最小量とすることができ、設備コストを低く抑えることができる。さらに、主機関1の故障やオーバホールのときであっても主機関なしで航行可能であるので、例え港で火災が発生しても即避難することができ、難を逃れて2次災害を発生することもない。また、さらに、電力中央連系盤6を介して省エネ効果の高いハイブリッド化ができるので、時代に即して省エネ航行ができる。
【0038】
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜設計的変更を行うことができ、各種態様で実施できる。
【0039】
【発明の効果】
以上の通り、本発明は、特許請求の範囲に記載の通りの船舶推進装置であるので、補助エンジン及びその動力伝達機構を設けることなく、主機関1なくして低速航行できる。また、軸駆動発電機3を軸発電機3Gとして利用する場合には、所要の電力を発生できるので、小型発電機7、8の容量を最小量とすることができ、設備コストを低く抑えることができる。
【0040】
さらに、主機関1の故障やオーバホールのときであっても主機関なしで航行可能であるので、例え港で火災が発生しても即避難することができ、難を逃れて2次災害を発生することもない。
【0041】
また、さらに、電力中央連系盤6を介して電力ハイブリッド化できるので、時代に即して省エネ航行ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る船舶推進装置の主要部構成を示す側面配置図である。
【図2】図1に示す船舶推進装置の主機構及び小型発電機の配置を示す平面配置図である。
【図3】図1のF3-F3線に沿って示す主機関及び小型発電機並びに付属設備の配置を示す配置図である。
【図4】モータ制御の可能領域を示す回転数及び出力の線図である。
【図5】本発明の船舶推進装置の制御系を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 主機関
2 摩擦クラッチ
3 軸駆動発電機
4 プロペラ軸
5 可変ピッチプロペラ
6 電力中央連系盤
7、8 第1、第2の小型発電機
9 蓄電設備
10 軸駆動発電機用同期調相機
11 軸駆動発電機用周波数変換器盤
12 主機関監視盤
13 主配電盤
14 エンジンコントロールルーム
15 煙道
16 エコノマイザ
17 モータ出力
18 推進負荷
19 船内負荷
BD 船底
UD アッパーデッキ
PD 甲板
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2007-12-12 
結審通知日 2007-12-17 
審決日 2007-12-28 
出願番号 特願2003-160029(P2003-160029)
審決分類 P 1 113・ 851- ZA (B63J)
P 1 113・ 121- ZA (B63J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 出口 昌哉三宅 達  
特許庁審判長 藤井 俊明
特許庁審判官 佐藤 正浩
平上 悦司
登録日 2007-01-12 
登録番号 特許第3902157号(P3902157)
発明の名称 船舶推進装置_  
代理人 三好 秀和  
代理人 中井 博  
代理人 豊岡 静男  
代理人 豊岡 静男  
代理人 山内 康伸  
代理人 三好 秀和  
代理人 小西 恵  
代理人 小西 恵  

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