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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  C11B
管理番号 1174942
審判番号 無効2007-800069  
総通号数 101 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-05-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-04-05 
確定日 2008-03-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第3720460号発明「わさび風味香料組成物」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3720460号の請求項1?3に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第3720460号に係る発明は、平成8年6月3日に特許出願され、平成17年9月16日に特許権の設定登録がされたところ、平成19年4月5日に請求項1?3に係る特許について高砂香料株式会社(以下、「請求人」という。)より無効審判請求がされ、同年7月7日に被請求人稲畑香料株式会社(以下、「被請求人」という。)より答弁書が提出され、同年9月13日に請求人より口頭審理陳述要領書が、同日に被請求人より口頭審理陳述要領書及び口頭審理陳述要領書2がそれぞれ提出され、同日特許庁審判廷において口頭審理が実施され、その後、書面審理への移行が宣言された。
そして、書面審理への移行後の同年9月28日に請求人より上申書が提出され、同年10月12日に被請求人より上申書が提出され、その後、当審より同年11月22日付けで被請求人に無効理由が、請求人に職権審理結果がそれぞれ通知されたが、その応答期間内に両当事者のいずれからも応答がなかったものである。

第2 本件発明
本件特許に係る発明は、特許された明細書の請求項1?3に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】セイヨウカラシナ(又は、カラシナ)(Brassicajuncea L.)から得られる抽出物中の精油成分3-butenylisothiocyanateの含有量が8%以上である抽出物を必須成分としてなることを特徴とするわさび風味香料組成物。
【請求項2】クロガラシ(Brassica nigra KOCH)から得られる抽出物と前記請求項1の抽出物の併用したものを必須成分としてなることを特徴とするわさび風味香料組成物。
【請求項3】シロガラシ(Brassica alba BOISS)から得られる抽出物と前記請求項1の抽出物の併用したものを必須成分としてなることを特徴とするわさび風味香料組成物。」
(以下、請求項1?3に係る発明をそれぞれ「本件発明1」、「本件発明2」、「本件発明3」といい、まとめて「本件発明」ということもある。)

第3 当事者の主張
3-1 請求人の主張の概要
請求人は、「特許第3720460号の特許請求の範囲の請求項1?3に係る発明についての特許を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、甲第1?17号証を提出して、本件発明1?3に係る発明の特許は、下記(1)?(3)の理由により、特許法第123条第1項第2号又は同項第4号に該当するので、無効とされるべきであると主張している。
なお、上記甲号証のうち、甲第10?15号証は植物の学名に係る周知の技術的事項に関する文献として、甲第16、17号証は甲第7号証の発行日を照明する証拠として、いずれも口頭審理後に提出されたものである。


(1)特許法第29条第2項違反(その1)
本件発明1?3は、その出願前に頒布された刊行物である甲第1?6号証に記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(2)特許法第29条第2項違反(その2)
本件発明1?3は、その出願前に頒布された刊行物である甲第3、5?9号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。
(3)特許法第36条第6項第1号及び第2号違反
本件発明1?3は、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する記載要件を満たしていないので、特許を受けることができないものである。

3-2 被請求人の主張(答弁)の概要
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求め、乙第1?12号証を提出して、請求人が主張する上記(1)?(3)の理由に対して、本件発明1?3は、甲第1?6号証、又は甲第3、5?9号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではなく、又、特許法第36条第6項第1号及び第2号に規定する記載要件を満たしていると主張している。
なお、上記乙号証のうち、乙第3?12号証は植物の学名に係る周知の技術的事項に関する文献として口頭審理後に提出されたものである。

第4 当審の職権による無効理由の概要
4-1 当審は、職権により本件発明1?3について審理をした結果を、無効理由通知書として平成19年1月22日付けで被請求人に送付し、又、職権審理結果通知書として同日付けで請求人にも送付した。
そして、その無効理由の概要は、下記の引用例A?G、及び植物の学名に係る周知の技術事項に関する文献1?7を示し、「本件発明1?3は、当業者が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である下記の引用例A?Gに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、その発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第123条第1項第2号に該当する。」というものである。

( 引用例、及び、周知の技術的事項に関する文献 )
(1) 引用例
引用例A: 特開平2-219896号公報(甲第9号証)
引用例B: 亀岡弘他「世界各地に産するBrassica属植物の種子の水蒸気揮発性成分について」、日本農芸化学会誌 Vol.54、No.7(1980年)、p.535-539(甲第5号証)
引用例C: 小嶋操他「ワサビ、カラシおよびセイヨウワサビ揮発性成分のガスクロマトグラフと直結した質量分析計(GC-MS)による研究(第1報)低質量揮発性成分の検索」、薬学雑誌93(4)、(1973年)、p.453-459(甲第4号証)
引用例D: 増田秀樹他「沢わさびの香りの研究:イソチアン酸ω-アルケニル類の合成」、日本農芸化学会誌 Vol.63、No.3(1989年)、p.555(甲第8号証)
引用例E: Hideki Masuda et. al“Characteristic Odorants of Wasabi (Wasabia japonica matum),Japanese Horseradish ,in Comparison with Those of Horseradish (Armoracia rusticana)”,Biotechnology for Improved Foods and Flavors,1966,p.67-78 (甲第7号証)(注:引用例Eは、発行日が1996年と記載されるのみであるが、American Chemical SocietyのACS Books Home Page(甲第16号証)及びOxford University PressのHome Page(甲第17号証)から、その発行日は1996年1月1日であると認められる。)
引用例F: 特開昭50-88270号公報(甲第1号証)
引用例G: 奥田治著「香料化学総覧〔I〕」、廣川書店、昭和47年3月1日2版、表紙、p.194-196(甲第6号証)

(2) 周知の技術的事項に関する文献
文献1: 「週刊 朝日百科世界の植物」通巻120号、昭和53年3月19日、p.3333?3337(甲第10号証)
文献2: 平嶋義宏著「生物学名命名法辞典」、平凡社、1994年11月1日、P.1?19(甲第11号証)
文献3: 堀田満他 編「世界有用植物事典」、平凡社、1989年8月25日、p.986(甲第14号証)
文献4: 牧野富太郎著「牧野 新日本植物図鑑」株式会社図鑑の北陸館、昭和49年11月10日二十八版、p.206,207,1030,1031(乙第4号証)
文献5: 牧野富太郎著「原色牧野植物大図鑑 離弁花・単子葉植物 編」株式会社北隆館、平成13年1月20日重版、p.270,275,911(乙第6号証)
文献6: 大場秀章責任編集「植物の世界67 7/30ワサビ アブラナ ダイコン」(週間朝日百科 通巻1023号)朝日新聞社、1995年7月30日、6-198?6-204(乙第7号証)
文献7: 最新園芸大辞典編集委員会編「最新園芸大辞典.第6巻 I .J.K」株式会社誠文堂新光社、昭和58年3月17日第1版、p.178-181(乙第8号証)

第5 当審の判断
5-1 無効理由に示された引用例、及び、周知の技術的事項に関する文献に記載された事項。
(1)引用例に記載された事項
引用例A :
A1 「式(I)

(式中、R1およびR2は各々独立して水素原子または低級アルキル基を示し、Yは幹部分の炭素数が1?10である直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基を示す。但し、R1およびR2がともに水素原子である場合は、Yはメチレン基以外の上記アルキレン基を示す。)
で表わされるイソチオシアン酸アルケニルの1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物。」(第1頁左下欄 特許請求の範囲)
A2 「[従来の技術およびその問題点]沢わさびなどの野菜に含まれるイソチオシアン酸アリル(アリル芥子油)は、わさび特有の刺激臭を有しているため従来より主として食品香料として広く使用されている。しかし、わさび香料の調合に際し、イソチオシアン酸アリルを添加しただけでは天然のわさびの独特な香りを呈することができない。そこで本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、イソチオシアン酸アリルに沢わさび中に含まれる上記化合物以外の数種のイソチオシアン酸アルケニルをさらに加えると天然のわさびにより近づいた香りやグリーン感を呈することを見い出だし、大発明を完成した。」(第1頁右下欄6?19行)
A3 「本発明において使用される式(I)のイソチオシアン酸アルケニルの具体例としては、イソチオシアン酸3-ブテニル、イソチオシアン酸4-ペンテニル、イソチオシアン酸5-ヘキセニル・・・などが示される。式(1)のイソチオシアン酸アルケニルは沢わさびの成分として得られるが以下のようにして製造することもできる。」(第2頁右上欄1?9行)
A4 「実施例 2
イソチオシアン酸4-ペンテニルを人工ワサビ香料に添加することにより、一層グリーン感が強くなり、フレッシュな軽い広がりが増大し天然の沢わさびの香味を強く想起きせた。この香味評価は下記第2表の吸着型粉末香料を焼米菓子に0.1%添加することによって行なった。
第 2 表
(成 分) (重量部)
アリル芥子油 9
β-フェニルエチル芥子油 0.5
植 物 油 10
デキストリン 80
イソチオシアン酸4‐ペンテニル 0.5
計 100 」(第4頁左下欄 実施例2)

引用例B :
B1 「アブラナ科、とくにBrassica属植物の成分研究の一環として、先に野生カラシナ(Brassica juncea Czern.et Coss.)の種子を除く食用部の各部位の水蒸気揮発性成分について報告を行い・・・34の構成成分を明らかにした(1)。Brassica junceaの種子はoriental mustard,brown mustard,indian mustard・・・と呼ばれ、日本ではカラシとして芥子漬,または洋食の香辛料に供されている。」(第535頁左欄下から18行?下から8行)
B2 「実験材料および実験方法
1.試料Brassica属植物の種子とその水蒸気揮発性油 試料 Brassica属植物の種子の産地,収穫年度,属名,通称名をTable Iに示す.試料No.1は前報(1)カラシナの種子からエーテルおよびメタノールで,試料No.2?14はn-ヘキサンで,それぞれ油脂成分を除去したものを水蒸気蒸留し,留出液をエーテル抽出し無水硫酸ナトリウムで乾燥した後,窒素気流中エーテルを留去して水蒸気揮発性油を得た。」(第535頁右欄下から13行?下から5行)
B3 「

」(第536頁 Table I.)
B4 「

」(第538頁 Table III.)

引用例C:
C1 「ワサビ(Wasabia japonica MATUSM),カラシ(Brassica juncea (L.) Coss.)およびセイヨウワサビ3)(Cocholearia armoracia L.)の加水分解により生ずる揮発性成分の主体をなすものは芥油子4)である。」(第453頁下から9行?下から8行)
C2 「ワサビ,カラシおよびセイヨウワサビ揮発性成分の比較研究については,それぞれの含有成分を同定した後に比較検討を行なう必要がある。従来の分析においては,GCの保持時間による推定の段階にあるため,今回はGC-MSを用いて,これら3者の低質量揮発性成分を中心に系統的分析を行なった。
実験材料および方法
1.原料および試料調製 原料?ワサビ根茎は静岡県伊豆産,だるま種で,静岡県農業試験場わさび分場より分譲,カラシはカナダ産オリエンタル種で,油圧機で常法により圧搾脱脂後,粉砕,50メッシュのふるいで分けたもの。セイヨウワサビは長野県産で、輪切りし,低温(70°以下)通風乾燥後,粉砕,100メッシュのふるいで分けたものを使用した。後2者はいずれも粉わさび原料として使用されたもので,オーケー食品より分譲された。
揮発性成分試料-ワサビ:細断し,2倍量の精製水加ミキサー中で微細にし,す早くフラスコ中に移して密栓し,室温1時間放置,加水分解後,常法により15ml/minで水蒸気蒸留し,留液よりつぎの方法により得た。留液は原料50gに対し,1literとし,食塩飽和後,精製エーテル700mlにて3回抽出した。エーテル層を合し,無水芒硝で乾燥後,エーテルを留去し,残った無色淡黄色油状液を試料とした。
カラシおよびセイヨウワサビ-粉末15gをフラスコに入れ、これに精製水100mlを加えて密栓し,ときどきふり混ぜながら1時間室温放置,加水分解する。のち,ワサビと同様に処理し,それぞれを試料した。」(第454頁10行?下から16行)
C3 「4.ワサビ,カラシおよびセイヨウワサビの揮発性成分
GC-MSにより,β-フェニルエチル芥子油より前に検出推定または同定された,低質量揮発性成分を,Tabte Iにまとめて示した。
ワサビ揮発性成分は10種,カラシは11種およびセイヨウワサビは8種であった。これらのうち,iso-プロピル芥子油,アリル芥子油,3-ブテニル芥子油,4‐ぺンテニル芥子油およびβ-フェニルエチル芥子油の5種はワサビ,カラシおよびセイヨウワサビの3者に共存した。・・・既報5)のごとく,ワサビおよびカラシ中のβ-フェニルエチル芥子油含量はアリル芥子油に比べて少なく,セイヨウワサビ中の含量は多い。この事実より,カラシおよびセイヨウワサビ粉末の混合物よりなる,“粉わさび”中の両者の混合割合が計算でき,“粉わさび”の品質鑑定が可能になった。」(第459頁1?11行)
C4 「

」(第459頁 TABLE I.)

引用例D:
D1 「3Aa12 沢わさびの香りの研究:イソチアン酸ω-アルケニル類の合成
(小川香料)○増田秀樹、立場秀樹、津田 徹、三原 智、亀田 弥
1.目的 沢わさびはすりおろすと、程良い辛みと 独得なグリーン感を発現することが知られている。沢わさぴの香気成分をヘッドスペース法により同定し、それらを別途合成することにより、このグリーン感に寄与する化合物を見い出したので報告する。
2.方法 おろし金ですりおうした市販の沢わさび(根茎0.5g)を当社で間発したヘッドスペース用注射器を用いてGC-MS分析を行った。これにより見い出されたイソチアン酸ω-アルケニル類を次のようにして合成した(溶媒:DMF)。


3.結果 イソチアン酸ω-アルケニル類のにおいの表現を下の表に示す。 n においの表現
2 刺激臭、わさび様、少しグリーン臭、天然感
3 わさび様、グリーン臭、天然感
4 刺激臭、わさび様、かいわれ大根様
n=3の4-ペンテニル イソチオシアナートが沢わさびのグリーンおよび天然感を最も強く有していた。」(第555頁右下欄)

引用例E:
(摘記事項は和訳文で示す。)
E1 「結果と考察
ワサビとセイヨウワサビとの顕著な違いは、ω-アルケニルイソチオシアネート類(5-8)(表 I)、アリールイソチオシアネート類(10)および(11)(表 I)、ならびにω-メチルチオアルキルイソチオシアネート類(12-14)(表 I)の濃度であった。・・・香気閾値で除した濃度、すなわちC/Tは、芳香値と呼ばれる(22)。高い芳香値を有する香気物質は、特徴的な香りに対する重要な寄与因子である。一般的に、刺激に対し予測される感覚量は、客観的に測定された刺激量に対数的に比例する(23)。従って、本研究において、我々は、従来の芳香値の代わりに芳香値の対数log(C/T)を算出した。・・・ω-アルケニルイソチオシアネート類(5-8)に関し、ワサビにおけるlog(C/T)の値は、セイヨウワサビよりも高かった。特に、(5)と(6)は、(2)に次いで最も高い値を示した。一方、セイヨウワサビ中のアリールイソチオシアネート類(10および11)は、ワサビよりも高い値であった。イソチオシアネート(11)は、(2)以外で最も高い値であった。従って、ワサビとセイヨウワサビの香気における顕著な違いは、(5-8)と(10および11)に起因するものと思われる。」(第69頁1?25行)
E2 「

」(第70頁)
E3 「結論
ω-アルケニルイソチオシアネート類(5-8)は、ワサビの最初に感じるグリーン臭に顕著に寄与することが見出された。」(第77頁22?24行)

引用例F:
F1 「西洋ワサビ粉に食塩その他の調味料および有機酸を加えて混和し、これを多価アルコール(ソルビット、マンニット、アラピット、グリセリンなど)と共にペースト状とし、少量の水を加えて混捜したものに、辛昧成分の抽出物と溜田物との混合物を油脂に溶解したものを添加分散させることを特徴とする辛味の長期保存に耐える練ワサビの製造法。」(第1頁左下欄 特許請求の範囲)
F2 「辛味成分であるアリールイソチオシアネートの量は」(第3頁左上欄1?2行)
F3 「製造時の辛味の不足分を補うためには、辛昧成分の抽出物および溜出物をサラダオイルのような油脂に溶解して添加することによって、長期間に亘つて辛味が均一に保持される製品が得られる。」(第3頁左上欄5?9行)

引用例G:
G1 「香料化学総覧 薬学博士 奥田治著 総論 天然香料」(表紙)
G2 「Brassica nigra(L.)Koch(Sinapis nigraL.)(クロカラシ,black mustard)・・・の精油:・・・両者とも種子はほとんど同じであるため,ともに黒芥子 black mustard と呼ばれる。この黒芥子を圧搾して脂肪油を除いた後,温湯に浸したものを水蒸気蒸留すると0.5?1%の芥子油(volatile oil of mustard)が得られる。精油は配糖体シニグリン(sinigrin すなわちミロン酸カリ)が温浸中に酵素 myrosinase により加水分解されて生成したものである・・・〔成分〕1) allyl isothiocyanate(allyl mustard oil)(特有主成分,94%以上)・・・〔用途〕:種子は食用,薬用に供し,精油は香辛料として重要である。」(第194頁下から5行?第195頁12行)
G3 B.alba Boiss.(Sinapis alba L.,B.hirta Moench)(シロカラシ,white mustard,yellow mustard)の精油・・・種子を圧搾して脱脂した後,粉砕して熱湯に浸し、水蒸気蒸留して白芥子油(white mustard oil,sinalbin mustard oil)を得る。ただし欧州産白芥子油は水蒸気蒸留では留出しにくいから溶剤で抽出する。すなわち日本産芥子油は黒芥子と同様、揮発性のallyl isothiocyanateを含有するが、欧州産精油は難揮発性のp-hydroxybenzyl isothiocyanate からなり、配糖体 sinalbin の酵素による分解生成物である。」(第195頁13?19行)

(2) 周知の技術的事項に関する文献に記載された事項
文献1:
1a 「植物群の基本単位、種の学名は、二名法という構成法によって表記される。それは属名と種小名の二つを列記し、これに命名者の名を付記したものである。」(第3335頁右端欄下から11行?下から8行)
1b 「同じ植物に対して2人も3人もの学者が、それぞれ別々に学名をつけることもある。こうした場合は先取権の規約によって、1年でも早く発表されたものが正名とされ、他はいくつあっても異名とされる。さらに学者によって、ある植物群の階級や範囲に対する考え方が異なることもある。種とするか変種とするか、また属の所属の変更などによって学名の組み合わせがいくつもできる。しかし正式な学名はただひとつだから、ひとつをのぞいて他はすべて異名である。」(第3337頁左端欄21?31行)

文献2:
2a 「学名のすべては、命名規約によって規定されている。国際動物命名規約・・・国際植物命名規約・・・国際細菌命名規約・・・がそれであって・・・学名について詳細な規約が設けられている。また,ウイルスには別の命名規約が適用されるが、これだけが二名式の学名を用いていない。」(第5頁2?8行(§12.))
2b 「[植物]では種の下に亜種(subspecies),変種(variety),型(forma)などのランクが認められていて、変種は更に亜変種(subvariety),型は更に亜型(subforma)に分けることができる。このような場合,学名には必ずそのランクを示さねばならない。そのためには、例えばsubsp.(亜種),var.(変種),f.(型)などと略記して表示する。」(第6頁下から13行?下から9行(§16.))
2c 「著者(命名者)名は学名を構成するものではない。従って、学名には著者名をつけても、つけなくてもよい。・・・著者名は略記してもよい。例えばLinnaeusをL.とし、FabriciusをFab.とする。」(第11頁16?21行(§28.))
2d 「二名式による種の学名の表示を原則とする現行の命名規約では」(第19頁10行(§35.))

文献3:
3a 「S.cernua→Brassica juncea セイヨウカラシナ・・・S.juncea→Brassica juncea セイヨウカラシナ・・・S.nigra→Brassica nigra クロガラシ」(第986頁右欄6?13行)

文献4:
4a 「827. からしな(ながらし)(あぶらな科) Brassica juncea Czern.et Coss.・・・種子は黄色で径1.5mmの球形,辛味があり粉末にして芥子といって・・・〔漢名〕芥。
828. たかな(おおばがらし,おおな)(あぶらな科) Brassica juncea Czern.et Coss.var.integrifolia Sinsk.」(第207頁の827.828.)

文献5:
5a 「818. カラシナ(ナガラシ)(アブラナ属) Brassica juncea(L.)Czern.var.juncea・・・種子は球形,辛味があり粉末にしたものが芥子で・・・漢名芥。
819. タカナ(オオバガラシ,オオナ)(アブラナ科) Brassica juncea(L.)Czern.var.integrifolia Sinskaya」(第273頁の818.819.)

文献6:
6a 「広義のカラシ B.junceaは、・・・中国では、芥子をとる狭義のカラシ var.juncea 以外に・・・セリフォン(雪裡紅)var.foliosaなどもつくられた。日本では、・・・今も芥子粉をとるカラシのほか、タカナ、セイサイ(どちらも var.integrifolia)などの葉菜がある。・・・クロガラシ B.nigraは、」(6-203)

文献7:
7a 「Karasina-rui カラシナ類 B.juncea Coss.・・・菜類と同様に変異に富み、その分布が広いだけに生態型の変異も著しい。カラシナ類はナガラシを基本種として,他を変種として次のように分けられる。
ナガラシ(ハガラシ,キガラシ)B.juncea Coss.
ネガラシ var.napiformis(Bailey)Kiamura
セリフォン(雪裡紅)var.foliosa Bailey
・・・
タカナ var.integlifolia(Stockes)Kiamura」(第178頁右欄下から21行?下から6行)

5-2 本件発明で用いる植物と各引用例に記載された植物との異同について
(1)本件発明1でのセイヨウカラシナ(又は、カラシナ)(Brassicajuncea L.)に関して
ア 学名に関する周知の技術的事項
学名のすべては、命名規約によって規定されており、植物は、二名式(二名法)による種の学名の表示を原則とすること(摘記1a、2a、2d)、及び、二名式(二名法)による種の学名の表示は、通常、属名と種小名の二つを列記し、これに命名者の名を付記したものであるが(摘記1a)、著者(命名者)名は学名を構成するものではなく、学名には著者名をつけても、つけなくてもよく、略記してもよいとされ(摘記2c)、また、同じ植物に対して2人も3人もの学者が、それぞれ別々に学名をつけることもあり、加えて、学者によって、ある植物群の階級や範囲に対する考え方が異なることもあるので、正式な学名の表示形式の違いや、異名を含めて、一つの植物に、複数の学名が付けられていることが多いことは周知の技術的事項である(摘記1b、3a)。
さらに、植物では、学名として、種の下に亜種(subspecies),変種(variety),型(forma)などのランクが認められていて、このような場合,学名には必ずそのランクを示して表示する(例えばsubsp.(亜種),var.(変種),f.(型)などと略記)とされていることも周知の技術的事項である(摘記2b)。
そして、カラシナ類は変異に富み、ナガラシ(カラシナ)を基本種とし、他を変種として、通常、var.(変種)を付けて表示され、区別されることも周知の技術的事項技術である(摘記7a)。

イ 引用例Bに記載された植物について
上記アの学名に関する周知の技術的事項をふまえて、引用例Bの記載をみると、引用例BのTable 1(摘記B3)に記載されている試料No.1の(属名)Brassica juncea、(通称名)Indian mustardは、カラシナの種子と記載されている(摘記B1、B2)から、その基となる植物(以下、「基源植物」という。)は、本件発明1でのカラシナ(Brassicajuncea L.(注:Brassica juncea L.の誤記と認められる。なお、L.は著者(命名者)名であるLinnaeusの略記と認められる。))に該当するものと認められ、同様に、試料No.2?8のBrassica junceaの種子(通称名として、Oriental mustardやBrown mustardと記載されている)も、それらの基源植物は、摘記B1、B2からみて、本件発明1でのカラシナ(Brassicajuncea L.)に該当するものと認められる。

ウ 引用例Cに記載された植物について
引用例Cには、カラシ(Brassica juncea (L.) Coss.)が記載され(摘記C1)、具体的には、カラシはカナダ産オリエンタル種が用いられた旨記載されている(摘記C2)。
ここで、周知の技術的事項を示す文献(文献6)において、「カラシ」について、「広義のカラシ B.junceaは、・・・中国では、芥子をとる狭義のカラシ var.juncea 以外に・・・セリフォン(雪裡紅)var.foliosaなどもつくられた。」(摘記6a)との記載があり、この、「var.juncea」について、別の文献(文献5)には、「カラシナ(ナガラシ)(アブラナ属) Brassica juncea(L.)Czern.var.juncea・・・種子は球形,辛味があり粉末にしたものが芥子で」(摘記5a)と記載されていること、また、文献7には、「カラシナ類 B.juncea Coss.・・・菜類と同様に変異に富み、その分布が広いだけに生態型の変異も著しい。カラシナ類はナガラシを基本種として,他を変種として次のように分けられる。
ナガラシ(ハガラシ,キガラシ)B.juncea Coss.
ネガラシ var.napiformis(Bailey)Kiamura
セリフォン(雪裡紅)var.foliosa Bailey」(摘記7a)の記載もあるので、これらから、「カラシ」は「カラシナ」の別名として用いられること、狭義のカラシ var.juncea は、カラシナ類の基本種であるカラシナ(ナガラシ)を示すものと認められ、さらに、基本種は、変種名(var.juncea)を付けないで表示されることがある(摘記7a、4a参照)と認められる。
したがって、具体的に、カナダ産オリエンタル種が記載されている引用例Cのカラシ(Brassica juncea (L.) Coss.)は、本件発明1でのカラシナ(Brassicajuncea L.)に該当するものと認められる。

(2)本件発明2でのクロガラシ(Brassica nigra KOCH)、及び、本件発明3でのシロガラシ(Brassica alba BOISS)に関して
ア 引用例Gに記載された植物について
引用例Gには、一つの植物の学名に対し、括弧を付して、それと異なる他の学名、和名、通称名などが併記されている。そこで、上記「5-2、(1)、ア」に示した学名に関する周知の技術的事項をふまえて、引用例Gの記載をみると、引用例Gに記載されている、Brassica nigra(L.)Koch(Sinapis nigra L.)(クロカラシ,black mustard)(摘記G2)は、本件発明2でのクロガラシ(Brassica nigra KOCH)に該当するものと認められ、また、引用例Gに記載されている、B.alba Boiss.(Sinapis alba L.,B.hirta Moench)(シロカラシ,white mustard,yellow mustard)(摘記G3)は、本件発明3でのシロガラシ(Brassica alba BOISS)に該当するものと認められる。

5-3 本件発明1について
(1)本件発明1と引用例に記載された発明との対比
引用例Aには、式(I)

(式中、R1およびR2は各々独立して水素原子または低級アルキル基を示し、Yは幹部分の炭素数が1?10である直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基を示す。但し、R1およびR2がともに水素原子である場合は、Yはメチレン基以外の上記アルキレン基を示す。)
で表わされるイソチオシアン酸アルケニル(以下、「式(I)のイソチオシアン酸アルケニル」という。)の1種または2種以上を含有することを特徴とする香料組成物が記載されており(摘記A1)、該香料組成物として、ワサビ香料が例示され(摘記A4)、さらに、わさび香料の調合に際し、イソチオシアン酸アリルに沢わさび中に含まれる該化合物以外の数種のイソチオシナン酸アルケニルをさらに加えると天然のわさびにより近づいた香りやグリーン感を呈することを見い出だした旨記載されている(摘記A2)。そして、使用される式(I)のイソチオシアン酸アルケニルの具体例として、イソチオシアン酸3-ブテニル、イソチオシアン酸4-ペンテニル、イソチオシアン酸5-ヘキセニルなどが示され、そのような式(I)のイソチオシアン酸アルケニルは沢わさびの成分として得られることも記載されている(摘記A3)。
したがって、引用例Aには、
「沢わさびの成分として得られる式(I)のイソチオシアン酸アルケニルの1種または2種以上を含有するものを必須成分としてなることを特徴とするわさび風味香料組成物。」
なる発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
そこで、本件発明1と引用発明を対比すると、本件発明1での3-butenylisothiocyanate(3-ブテニルイソチオシアネートすなわちイソチオシアン酸3-ブテニル)は、引用発明の式(I)のイソチオシアン酸アルケニルに該当するものであるから、両者は、
「植物の成分として得られる式(I)のイソチオシアン酸アルケニルを含有するものを必須成分としてなることを特徴とするわさび風味香料組成物。」
で一致し、該植物の成分として得られる式(I)のイソチオシアン酸アルケニルを含有するものが、本件発明1では、「セイヨウカラシナ(又は、カラシナ)(Brassicajuncea L.)から得られる抽出物中の精油成分3-butenylisothiocyanateの含有量が8%以上である抽出物」であるのに対し、引用発明では「沢わさびの成分として得られる式(I)のイソチオシアン酸アルケニルの1種または2種以上を含有するもの」である点で両者は相違する。

(2)相違点に関する検討
引用例Eには、ω-アルケニルイソチオシアネート類(5-8)に関し、ワサビにおけるlog(C/T)の値は、セイヨウワサビよりも高く、特に、(5)と(6)は、(2)に次いで最も高い値を示したこと(摘記E1、E2(注):摘記E2の表Iにおいて、(5)は3-ブテニルイソチオシアネート、(6)は4-ベンテニルイソチオシアネートを示す)、及び、ω-アルケニルイソチオシアネート類(5-8)は、ワサビの最初に感じるグリーン臭に顕著に寄与する旨記載されており(摘記E2、E3)、また、引用例Dには、沢わさびの香気成分のグリーン感に寄与する化合物として、イソチアン酸ω-アルケニル類のうち、n=2(3-ブテニルイソチオシアネート)が、刺激臭、わさび様、少しグリーン臭、天然感を、n=3(4-ベンテニルイソチオシアネート)が、わさび様、グリーン臭、天然感を示す事が記載されている(摘記D1)。したがって、沢わさびのグリーン感に寄与する化合物として3-ブテニルイソチオシアネート、4-ベンテニルイソチオシアネートは公知であり、それらが、ワサビの精油成分に存在することも公知である。
さらに、3-ブテニルイソチオシアネートが、沢わさびだけではなく、カラシナ(Brassica juncea L.)から得られる抽出物中の精油成分に存在することも、刊行物B、Cに記載されている(摘記B2?B4、摘記C2?C4)ように当業者に知られているところであり、3-ブテニルイソチオシアネートの含有量が8%以上である抽出物自体も公知である(摘記B4)。(なお、刊行物Bの試料No.1?8の基源植物および、引用例Cのカラシ(Brassica juncea (L.) Coss.)は、いずれも、本件発明1でのカラシナ(Brassicajuncea L.)に該当するものと認められることは、上記「5-2、(1)」で述べたとおりである。)
しかも、該カラシナ(Brassica juncea L.)に該当するものと認められるカラシの種子が粉わさび原料として使用されていること(摘記C2)、及び、その抽出物中の揮発性成分(精油成分)が、同じく粉わさび原料として使用されるセイヨウワサビの成分に比べて、よりワサビの成分に近いことも、引用例Cに記載されており(摘記C3、C4)公知であるから、わさび風味香料組成物の成分としての3-ブテニルイソチオシアネートなどの式(I)のイソチオシアン酸アルケニルを得るに、引用発明での高価な沢わさびに換え、カラシナ(Brassica juncea L.)を用い抽出物として得ることは当業者の容易に想到し得るところであり、それによる効果も当業者の予想するところである。
さらに、本件発明1は、抽出物中の精油成分3-butenylisothiocyanateの含有量が8%以上であると規定しているが、上記のようにグリーン感に寄与する化合物として公知である3-ブテニルイソチオシアネートの抽出物中の含有量をどの程度にするかは、抽出物の取り扱いや組成物への配合量を考慮して、当業者が実施に際し適宜選定し得るところであり、しかも、本件の明細書の記載からみて、8%以上としたことによる臨界的効果も認められないので、該含有量の規定にも格別の意義を認められない。
よって、本件発明1は、上記の引用例A?Eに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5-4 本件発明2、3について
わさび風味香料組成物として、本件発明2は、本件発明1規定の抽出物とクロガラシ(Brassica nigra KOCH)から得られる抽出物を併用したものを必須成分とするものであり、本件発明3は、本件発明1規定の抽出物とシロガラシ(Brassica alba BOISS)から得られる抽出物を併用したものを必須成分とするものである。
ここで、引用例Aには、わさび香料の調合に際し、従来から用いられていたイソチオシアン酸アリルを添加しただけでは天然のわさびの独特な香りを呈することができないが、鋭意研究を重ねた結果、イソチオシアン酸アリルに沢わさび中に含まれる上記化合物以外の数種のイソチオシアン酸アルケニルをさらに加えると天然のわさびにより近づいた香りやグリーン感を呈することを見い出だした旨記載されており(摘記A2)、3-ブテニルイソチオシアネートなどのイソチオシアン酸アルケニルとイソチオシアン酸アリル(アリールイソチオシアネート)の併用の効果が記載されている。
しかも、上記イソチオシアン酸アリル(アリールイソチオシアネート)が、本件発明2に記載のクロガラシから得られる抽出物や、本件発明3に記載のシロガラシから得られる抽出物に含まれていることは、引用例Gに記載されている(摘記G2、G3)ように当業者に公知であり、該抽出物(精油)が香辛料として重要であることも知られている(摘記G2)うえ、引用例Fに記載されているように、ワサビ製品に、アリールイソチオシアネートを、それを含む抽出物や溜出物のかたちで添加する(摘記F1?F3)ことも当業者に公知の技術的事項である。
したがって、わさび風味香料組成物として、本件発明1規定の抽出物と、クロガラシ(Brassica nigra KOCH)から得られる抽出物またはシロガラシ(Brassica alba BOISS)から得られる抽出物を併用したものものをその必須成分とすることは、当業者の容易に想到し得るところであり、それによる効果も当業者の予想するところである。
また、本件発明2、3の構成における本件発明1と共通する点については、上記「5-3」で述べたのと同様の理由により、当業者が容易に発明をすることができたものと認められる。
よって、本件発明2、3は、いずれも、上記の引用例A?Gに記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第6 むすび
以上のとおり、本件発明は、当業者が、その出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物である上記の引用例A?Gに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるから、その発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり、特許法第123条第1項第2号に該当し、無効にすべきものである。

審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、被請求人の負担とすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-01-21 
結審通知日 2008-01-23 
審決日 2008-02-06 
出願番号 特願平8-163802
審決分類 P 1 113・ 121- Z (C11B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 近藤 政克  
特許庁審判長 原 健司
特許庁審判官 井上 彌一
岩瀬 眞紀子
登録日 2005-09-16 
登録番号 特許第3720460号(P3720460)
発明の名称 わさび風味香料組成物  
代理人 田村 恭子  
代理人 清原 義博  
代理人 加藤 志麻子  
代理人 小林 浩  
代理人 北原 潤一  
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