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審決分類 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する C08F
審判 訂正 2項進歩性 訂正する C08F
管理番号 1178039
審判番号 訂正2005-39193  
総通号数 103 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-07-25 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2005-10-21 
確定日 2008-03-31 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3421328号に関する訂正審判事件についてした平成18年6月19日付けの審決に対し、知的財産高等裁判所において、上記審決を取り消す旨の判決(平成18年(行ケ)第10346号、平成20年1月31日判決言渡)があったので、更に審理の上、次のとおり審決する。 
結論 特許第3421328号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 第1.手続の経緯
本件特許第3421328号の発明は、平成9年9月30日に特許出願された特願平9-282664号の一部を分割して平成13年10月15日に特許出願され、平成15年4月18日に特許権の設定登録がなされたものであり、その後、石川 増和及び渋谷 朋美より請求項1?5に係る特許について特許異議の申立てがあり、取消理由が通知され、その指定期間内である平成16年11月12日に特許異議意見書が提出された。そして、平成17年6月14日付けで請求項1?5に係る特許を取り消す特許異議の決定がなされ、これを不服として平成17年7月26日付けで知的財産高等裁判所に特許取消決定取消請求の裁判が申し立てられ、平成17年(行ケ)第10586号事件として審理されていたところ、平成17年10月21日付けで本件訂正審判が請求され、平成17年12月20日付けで訂正拒絶理由が通知され、平成18年1月25日付けで意見書が提出され、さらに、平成18年3月7日付けで再度訂正拒絶理由が通知され、平成18年4月7日付けで意見書が提出され、平成18年6月19日付けで本件審判の請求は成り立たない旨の審決がなされた。
これを不服として平成18年7月24日に知的財産高等裁判所に審決取消請求の裁判が提起され、平成18年(行ケ)第10346号事件として審理されたところ、平成20年1月31日付けで、「特許庁が訂正2005-39193号事件について平成18年6月19日にした審決を取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。」との判決がなされ、その後、請求人から平成20年3月13日に上申書が提出されたものである。

第2.訂正事項
本件審判の請求の要旨は、特許第3421328号の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正しようとするものであり、該訂正の内容は次のとおりである。
訂正事項a:特許請求の範囲の
「【請求項1】 加熱された溶媒中に、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及び重合開始剤又は重合触媒を添加し、共重合させることを特徴とする極性基含有脂環式官能基及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する放射線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項2】 モノマー(C)の極性基が、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、カルボン酸、酸無水化合物、又はこれらの構造の一部の原子が硫黄、窒素、若しくはハロゲンで置換された構造の基であることを特徴とする請求項1に記載の放射線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項3】 モノマー(C)の脂環式官能基が、ノルボニル基、シクロヘキシル基、トリシクロデカニル基又はアダマンチル基であることを特徴とする請求項1に記載の放射線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項4】 モノマー(C)の極性基が、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、カルボン酸、酸無水化合物、又はこれらの構造の一部の原子が硫黄、窒素、若しくはハロゲンで置換された構造の基であり、モノマー(C)の脂環式官能基が、ノルボニル基、シクロヘキシル基、トリシクロデカニル基又はアダマンチル基であることを特徴とする請求項1に記載の放射線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項5】 樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1?4のいずれかに記載の放射線感光材料用樹脂(A)の製造方法。」を
「【請求項1】 加熱された溶媒中に、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)であるヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及びラジカル重合開始剤を添加し、共重合させることを特徴とするヒドロキシアダマンチル基及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項2】 樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法。」と訂正する。

訂正事項b:特許明細書の段落【0009】を次のとおり訂正する。
「【0009】すなわち、本発明の第1は、 加熱された溶媒中に、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)であるヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及びラジカル重合開始剤を添加し、共重合させることを特徴とするヒドロキシアダマンチル基及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法を提供する。本発明の第2は、樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とする本発明の第1に記載の半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法を提供する。」

第3.訂正の可否
1.訂正要件の有無
訂正事項aは、請求項1に係る発明について、「極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)」を「極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)であるヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート」と訂正(以下、「訂正a-1」という。)し、「重合開始剤又は重合触媒」を「ラジカル重合開始剤」と訂正(以下、「訂正a-2」という。)し、「放射線感光材料用樹脂(A)」を「半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)」と訂正(以下、「訂正a-3」という。)し、更に、請求項2?4を削除し請求項5を請求項2に繰り上げる訂正(以下、「訂正a-4」という。)をするものである。
訂正a-1は、特許明細書段落【0008】、【0011】、【0035】、【0036】、【0041】、【0042】、【0045】、【0046】、【0050】、【0051】に記載された事項に基づいて限定したものである。
訂正a-2は、特許明細書段落【0015】、【0035】、【0041】、【0045】に記載された事項に基づいて限定したものである。
訂正a-3は、特許明細書段落【0002】、【0007】、【0013】、【0040】に記載された事項に基づいて限定したものである。
訂正a-4は、請求項を削除し、それに伴って請求項の項番を整理するものである。
したがって、この訂正事項aは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであるから、特許法第126条第1項ただし書第1号に該当する。
訂正事項bは、上記訂正事項aによる特許請求の範囲を減縮する訂正による訂正後の特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るためのものである。
したがって、この訂正事項bは、願書に添付した明細書に記載した事項の範囲内の訂正であり、また、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであるから、特許法第126条第1号ただし書第3号に該当する。
そして、いずれの訂正事項も実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号及び第3号、第3項並びに第4項の規定に適合する。

上記訂正は、特許法第126条第1項ただし書第1号に掲げる事項を目的とする訂正を含むので、訂正後における請求項1?2に記載されている事項により特定された発明(以下、それぞれ、「訂正後の発明1」?「訂正後の発明2」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものか否かについて、次に検討する。

2.独立特許要件の判断
2-1.刊行物およびその記載事項
平成17年12月20日付けの訂正拒絶理由通知において示した刊行物およびその記載事項は以下のとおりである。
<刊行物>
刊行物1:特開平7-252324号公報 (訂正審判請求書の証拠の甲第1号証)
刊行物2:特開平6-3826号公報 (訂正審判請求書の証拠の甲第2号証)
参考資料1:「14102の化学商品」,化学工業日報社,2002.1.29,p.616

<刊行物の記載事項>
A.刊行物1
(A-1) 「【請求項1】一般式(1)で示されるビニル基含有単量体。


(上式において、R_(1)は水素原子、ターシャル-ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラン-2-イル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、4-メトキシテトラヒドロピラニル基、1-エトキシエチル基、1-ブトキシエチル基、あるいは1-プロポキシエチル基、R_(2)は有橋環式炭化水素基を有する炭素数7ないし12の炭化水素残基、R_(3)は水素原子あるいはメチル基を表す)
【請求項2】一般式(2)で示されるビニル基含有重合体。


(上式において、R_(1)およびR_(6)は水素原子、ターシャル-ブトキシカルボニル基、テトラヒドロピラン-2-イル基、テトラヒドロフラン-2-イル基、4-メトキシテトラヒドロピラニル基、1-エトキシエチル基、1-ブトキシエチル基、あるいは1-プロポキシメチル基、R_(2)およびR_(4)は有橋環式炭化水素基を有する炭素数7ないし12の炭化水素残基、R_(3) 、R_(5) 、R_(7)およびR_(8)は水素原子あるいはメチル基、a+b+c+d=1、aとbは同時に0であることはなく、aは0ないし0.9、bは0ないし0.9、cは0ないし0.7、dは0ないし0.5、nは10?500の整数を表す)
【請求項3】少なくとも請求項2に記載の樹脂と、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物であって、組成物中の含有率は、樹脂が75ないし99.8重量部であり、光酸発生剤が0.2ないし25重量部であることを特徴とする感光性樹脂組成物。」〔特許請求の範囲〕
(A-2) 「【0020】R_(2 )およびR_(4 )は有橋環式炭化水素基を有する炭素数7ないし12の炭化水素残基であり、より好ましくは有橋環式炭化水素基を有する炭素数7ないし12の脂肪族炭化水素残基である。また、一般式(2)においてR_(2) とR_(4) 、およびR_(3) 、R_(5) 、R_(7 )とR_(8 )は同一であっても良いし、異なっていても構わない。より具体的には、R_(2) とR_(4) は例えばトリシクロ[5.2.1.0^(2.6)]デカン-4,8-ジメチレン、ノルボルナン-2,6-ジメチレン基、トリシクロ[5.2.1.0^(2.6) ]デカンジイル基、アダマンタンジイル基、ノルボルナン-2,3-ジイル基、ノルボルネン-2,2-ジメチレン基、ノルボルナン-2,3-ジメチレン基、ノルボルナン-2,5-ジメチレン基、ビシクロ[2.2.2]オクテン-2,3-ジメチレン基、などである。
【0021】
【表1】

」〔段落【0020】?【0021】〕
(なお、【0020】の下線部は当審で付したものであり、「R_(3 )、R_(5) 、R_(7) とR_(8) 」ではなく、「R_(2) とR_(4) 」の誤記であることが明らかであるから上記のように認定した。)
(A-3) 「【0028】一般式(1)で表される単量体の重合反応は、例えばテトラヒドロフラン溶剤中、不活性ガス(アルゴン、窒素など)雰囲気下、適当なラジカル開始剤(例えばアゾビスイソブチロニトリル、単量体/開始剤の仕込みモル比=10?200)を加えて50?70℃で0.5?10時間加熱攪拌することにより実施される。」〔段落【0028】〕
(A-4) 「【0044】【作用】本発明の新規な単量体を重合することにより得られる新規な重合体を利用することにより、新規な水酸基含有単量体及び重合体を提供できる。これらの重合体の利用により220nm以下の光の透明性が高く、ドライエッチング耐性が高く、且つ露光前後の溶解度差を発揮しうる官能基を有し、基板密着性の向上した新しいレジスト用樹脂材料が提供され、これらと感光剤(光酸発生剤)からなる感光性組成物により、220nm以下の短波長光露光により発生したプロトン酸を触媒とした水酸基保護基の分解によりレジストの溶解性の著しい変化が誘起される。その結果、微細パターンが形成可能となる。」〔段落【0044】〕
(A-5) 「【0088】・・・
(実施例18)(2-テトラヒドロピラニル)メタクリレートとトリシクロデカンジメタノールモノメタクリレートの共重合体の合成
【0089】


【0090】(但し、Z_(1 )はトリシクロデカン-4,8-ジイル基、Z_(2) はテトラヒドロピラン-2-イル基、mは正の整数、xは0?1を表す。)実施例13と同様にして、但し、(2-テトラヒドロピラニル)オキシメチルトリシクロデカンメタノール メタクリレート2.0g(5.7mmol)に代えて、テトラヒドロピラニルメタクリレート(公知の方法[G.N.テイラー(G.N.Taylor)ら、ケミストリー・マテリアル(ChemistryMaterial)第3(6)巻、1031?1040頁(1991).]により合成)0.52g(3.1mmol)を用いて合成し、目的とするコポリマー粉末1.2gを得た。共重合比は1 H-NMR測定により求めたところ、xは35であり、共重合比は原料の仕込み比と同じであった。ポリスチレン換算の重量平均分子量は22300であった。
【0091】(実施例19)下記の組成からなるレジスト材料を調製した。以下の実験はイエローランプ下にておこなった。
(a)樹脂(実施例18) 0.995g
(b)シクロヘキシルメチル(2-オキソシクロヘキシル)スルホニウム トリフルオロメタンスルホナート(光酸発生剤:一般式(4)の化合物)
0.005g
(c)エチレングリコールモノメチルエーテル(溶媒)
4.000g
上記混合物を0.2μm のテフロンフィルターを用いてろ過し、レジストを調製した。3インチシリコン基板上に上記レジスト材料をスピンコート塗布し、80℃、60秒間ホットプレート上でベーキングをおこない、膜厚が0.7μm の薄膜を形成した。得られた膜の透過率の波長依存性を紫外可視分光光度計を用いて測定した結果、この薄膜の193.4nmにおける透過率は68%であり、単層レジストとして充分な透明性を示すことを確認した。」〔段落【0088】?【0091】〕
(A-6) 「【0107】(実施例24)実施例19のレジストを用い、窒素で充分パージされた密着型露光実験機中に成膜したウェハーを静置した(図2)。石英板上にクロムでパターンを描いたマスクをレジスト膜上に密着させ、そのマスクを通してArFエキシマレーザ光を照射した[図1(b)]。その後すぐさま80℃、60秒間ホットプレート上でベークし、液温23℃のアルカリ現像液(2.3重量部のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイドを含有する水溶液)で60秒間浸漬法による現像をおこない、続けて60秒間純水でリンス処理をそれぞれおこなった。この結果、レジスト膜の露光部分のみが現像液に溶解除去され、ポジ型のパターンが得られた[図1(c)]。この実験において露光エネルギーが約43mJ/cm^(2) のとき0.25μm ラインアンドスペースの解像性が得られた。このとき走査電子顕微鏡(SEM、日立製作所製、SE-4100)にて解像したパターンを観察したが、現像残り、パターン剥がれなどの現象はみられなかった。同様にして、実施例23で示したレジストを用いてパターン解像実験をおこなった。その結果露光エネルギーが約30mJ/cm^(2) のとき0.3μm ラインアンドスペースの解像性が得られた。」〔段落【0107】〕
(A-7) 「【0108】
【発明の効果】以上に説明したことから明らかなように、本発明の新規な単量体を重合することにより得られる新規な重合体を含有成分とする感光性樹脂組成物は、220nm以下の遠紫外領域に対し高い透明性を有し、かつ遠紫外線の露光光に対し高い感度、解像度を示し、220nm以下の遠紫外線とくにArFエキシマレーザを露光光とするフォトレジストに最適なものである。さらに、本発明の感光性樹脂組成物を用いることで、半導体素子製造に必要な微細パターン形成が可能である。」〔段落【0108】〕

B.刊行物2
(B-1) 「(a)α,β-エチレン性不飽和カルボン酸のt-ブチルエステル20?94重量%と、式
CH_(2)=C(R_(1))-COO-(R_(2)-O)_(n)-R_(3) I
[式中、R_(1)は水素またはメチル基であり、R_(2)は炭素数1?6のアルキレン基であり、R_(3)は炭素数1?6のアルキル基、アリール基またはアラルキル基であり、nは1?10の整数である]で示される(メタ)アクリル酸エステル5?79重量%と、他のα,β-エチレン性不飽和化合物1?75重量%と、からなる酸価2?200の重合体;および(b)露光により酸を生じさせる光活性剤;を含有するポジ型レジスト組成物。」〔特許請求の範囲〕
(B-2) 「【0001】本発明は印刷板、集積回路用フォトレジストおよびカラーフィルター用フォトレジスト材料などに有用なポジ型レジスト組成物に関し、特に、複数回の露光現像が可能なポジ型レジスト組成物に関する。」〔段落【0001】〕
(B-3) 「【0033】
【調製例1】メチルイソブチルケトン149部を反応容器に仕込み85℃に昇温した後に、t-ブチルメタクリレート80部、メタクリル酸10部、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアクリレート10部およびt-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート1部を混合溶解したモノマー溶液を反応容器に2時間かけて滴下し、更に、4時間反応させて重合体を得た。反応溶液を冷却後、メチルイソブチルケトン250部およびトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート15部を加えてポジ型レジスト組成物を得た。重合体の酸価は68であった。」〔段落【0033】〕

C.参考資料1
(参-1)「t-ブチルパーオキシオクトエート」の項に、「別名・・・;t-ブチルパーオキシ2-エチルヘキサノエート」及び「用途 ビニル化合物、低密度ポリエチレン、スチレン、アクリレートなどの重合開始剤、・・・」と記載されている。〔第616頁〕

2-2.刊行物1に記載された発明
刊行物1の特許請求の範囲には、一般式(1)で示されるビニル単量体を重合成分として含む一般式(2)で示されるビニル共重合体と、露光により酸を発生する光酸発生剤を含有する感光性樹脂組成物が記載され〔摘示記載(A-1)〕、該感光性樹脂組成物は、220nm以下の遠紫外領域に対し高い透明性を有し、とくに220nm以下の遠紫外線であるArFエキシマレーザを露光光とするフォトレジストに最適なものであり、該感光性樹脂組成物を用いることで、半導体素子製造に必要な微細パターン形成が可能であること〔摘示記載(A-4)、(A-7)〕も記載されている。さらに、単量体の重合反応は、例えばテトラヒドロフラン溶剤中、不活性ガス雰囲気下、適当なラジカル開始剤を加えて50?70℃で0.5?10時間加熱攪拌することにより実施されること〔摘示記載(A-3)〕も開示されている。そして、前記ビニル共重合体として、実施例18には(2-テトラヒドロピラニル)メタクリレートとトリシクロ[5.2.1.0^(2.6) ]デカン-4,8-ジメタノールモノメタクリレートの共重合体が開示されている〔摘示記載(A-5)?(A-6)〕
そうすると、刊行物1には、「遠紫外線で露光させる半導体素子用感光性樹脂組成物に用いられる共重合体(2)を製造する方法であって、一般式(1)で示されるビニル基含有単量体において、R_(1)が水素原子でR_(2)がトリシクロ[5.2.1.0^(2.6) ]デカン-4,8-ジメチレン基〔以下、「トリシクロデカンジメチレン基」という。〕のメタクリレート〔以下、「トリシクロデカンジメタノールモノメタクリレート」という場合がある。〕と、共重合単量体として(2-テトラヒドロピラニル)メタクリレートとを、テトラヒドロフラン溶剤中、ラジカル開始剤を加えて50?70℃で共重合反応させる方法」の発明(以下、「刊行物1発明」という。)が記載されているということができる。

2-3.対比・判断
(1)訂正後の発明1について
訂正後の発明1と刊行物1発明とを以下に対比する。
刊行物1発明の「一般式(1)で示されるビニル基含有単量体においてR_(1)が水素原子でR_(2)がトリシクロデカンジメチレン基のメタクリレート」、「(2-テトラヒドロピラニル)メタクリレート」、「テトラヒドロフラン溶剤」、「ラジカル開始剤」、「遠紫外線で露光させる半導体素子用感光性樹脂組成物に用いられる共重合体(2)」は、それぞれ、訂正後の発明1の「極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)」、「酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)」、「溶媒」、「ラジカル重合開始剤」、「半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)」に相当するので、両発明は、
「極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及びラジカル重合開始剤を溶媒に添加し、共重合させることからなる酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法。」 である点で一致しているが、以下の2点で相違している。
相違点1:訂正後の発明1では、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)として「ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート」を用いるのに対し、刊行物1発明では、「一般式(1)で示されるビニル基含有単量体においてR_(1)が水素原子でR_(2)がトリシクロデカンジメチレン基のメタクリレート」つまり、「トリシクロデカンジメタノールモノメタクリレート」を用いる点。
相違点2:訂正後の発明1における、モノマー(C)、モノマー(D)及びラジカル重合開始剤を「加熱された」溶媒中に添加して共重合させる点が刊行物1発明では特定されていない点。

上記相違点について検討する。
相違点1について
刊行物1には、共重合体に用いる一般式(1)で示されるビニル基含有単量体のR_(2)として、トリシクロデカンジメチレン基に相当するトリシクロ[5.2.1.0^(2.6) ]デカン-4,8-ジメチレン基やアダマンタンジイル基などが選択可能なものとして例示はあるものの〔摘示記載(A-2)〕、R_(2)がアダマンタンジイル基であるビニル基含有単量体を重合した共重合体についての具体的な記載はない。
一方、平成20年3月13日に提出された上申書に添付された実験成績証明書には、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)として、刊行物1発明の実施例18に用いた「トリシクロデカンジメタノールモノメタクリレート」と、訂正後の発明1に係る「ヒドロキシアダマンチルメタクリレート」を比較すると、後者の方がポリマーとした際のドライエッチング耐性に著しく優れることが開示されている〔実験成績証明書表1 樹脂1と3〕。
してみると、訂正後の発明1は、アダマンタンジイル基の採用によってドライエッチング耐性に優れるという顕著な効果を奏するものであるが、このような効果は刊行物1の記載から自明なものではない。
そうであれば、刊行物1に、共重合体の一般式(1)で示されるビニル基含有単量体のR_(2)としてトリシクロデカンジメチレン基とアダマンタンジイル基がともに選択可能な基として例示されていたとしても、刊行物1発明のR_(2)のトリシクロデカンジメチレン基に代えて具体的にアダマンタンジイル基を選択して、相違点1に係る訂正後の発明1の構成とすることによって奏される効果は、予測できるものではない。
そして、刊行物2、参考資料1にも上記相違点1に関する記載や示唆はなく、技術常識を参酌してもそのような示唆ないし動機付けは見当たらない。
したがって、相違点2について検討するまでもなく、訂正後の発明1は、刊行物1,2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、訂正後の発明1について、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとすべき理由は見当たらない。

(2)訂正後の発明2について
訂正後の発明2は、訂正後の発明1を引用し、樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とするものであるから、訂正後の発明1と同様に、刊行物1,2に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないし、他に特許出願の際独立して特許を受けることができないとすべき理由も見当たらない。

3.むすび
以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第126条第1項第1号及び第3号に掲げる事項を目的とし、かつ、同条第3項ないし第5項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
放射線感光材料用樹脂の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】加熱された溶媒中に、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)であるヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及びラジカル重合開始剤を添加し、共重合させることを特徴とするヒドロキシアダマンチル基及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【請求項2】樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学増幅型の放射線感光材料(レジスト)用樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、極性基含有脂環式官能基、及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有する放射線感光材料用樹脂の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路は集積化が進んで、LSIやVLSIが実用化されており、これと共に、集積回路のパターンの最小線幅はサブミクロン領域に及び、更に微細化する傾向にある。集積回路を作成するには、絶縁材料上の半導体薄膜(以下、被処理基板という)に微細なパターンを形成する必要があり、このためには、リソグラフィ(写真食刻)技術の使用が必須である。リソグラフィ技術では、被処理基板の半導体薄膜表面をレジストで被覆し、レジスト層に所定の原パターンを通過した光を照射(選択露光)した後に現像して、残存レジスト層とレジスト層が溶解して露出した半導体薄膜部分が生じ、残存レジスト層をマスキング層として半導体薄膜をプラズマによりドライエッチングした上で、残存レジスト層を除去することにより、所望のパターンを形成した半導体薄膜を得ることができる。リソグラフィ技術に使用する露光光源として、当初は紫外線が使用されていたが、パターンの微細化に伴い、波長の短い遠紫外線や、電子線、X線などが光源として使用されるようになってきた。現在では、特に遠紫外線を発生するエキシマレーザ(波長248nmのKrFレーザ、波長193nmのArFレーザ)又はYAGレーザと波長変換結晶等(波長248nm、193nm、157nm)を用いたリソグラフィ技術に対応して、高解像性、高感度、優れた耐ドライエッチング性を有するレジスト材料が要求されている。なお、本発明で放射線感光材料という場合の放射線とは、半導体回路加工用の上記紫外線、遠紫外線、電子線、X線、特に遠紫外領域レーザ光を言う。
【0003】従来のレジストは、フェノール樹脂又はノボラック樹脂をベースとするものが数多く開発されてきたが、これらの材料は、芳香族環を含んでおり、耐ドライエッチング性は優れているものの、KrFレーザの波長に対して透明性が低い。特にArFレーザの波長に対しては、全く不透明である。このため、微細化に対応できるパターン精度を得ることができなかった。他方、エキシマレーザに対して透明なレジストとして、メタクリル酸t-ブチル重合体が提案されている。しかしながら、このレジストは耐ドライエッチング性に欠ける。そのため、特開平4-39665号に、芳香族環並の耐ドライエッチング性を有し、かつKrFレーザ及びArFレーザの波長に対して透明性をもつものとして、脂環族を用いた化学増幅型レジストに関する報告がある。なお、化学増幅型レジストとは、露光によりレジスト材料中で酸の発生する反応が生じ、露光後ベークして、上記酸を触媒にしてレジスト材料中でパターン形成のための反応(硬化又は分解)が多数回生じることにより、露光部の現像液に対する溶解性を変えたレジストである。後述するように、本発明の製造方法により得られる放射線感光材料用樹脂と放射線照射により酸を発生する物質とを組みあわせて使用する場合、露光により酸触媒が発生し、レジスト材料を構成する樹脂中の官能基が酸触媒によりアルカリ可溶基に分解することにより、アルカリ液を使用する現像処理により樹脂が溶解する。この結果、露光後ベークして、現像により溶解した部分は半導体薄膜層が露出し、非露光部で溶解しなかった部分はレジスト層が残存してレジストパターンが形成される。これをプラズマ処理によりドライエッチングした後、残存するレジスト層を除去して、所定のパターンを有する半導体回路が得られる。
【0004】脂環族を用いた化学増幅型レジストにおいて、脂環族としては、ノルボルネン、パーヒドロアントラセン、シクロヘキサン、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン、アダマンタン等が使用されており、脂環共重合体が開示されている。しかしながら、上記の脂環共重合体を用いた化学増幅型レジストにおいては、耐ドライエッチング性を付与する脂環族が、その組成比を増すにつれて、重合体の疎水性が高まると共に、剛直性も増していく。このため、フェノール樹脂又はノボラック樹脂をベースにしたレジスト並のドライエッチング耐性が得られる組成比では脂環族の組成比が大きくなりすぎて、例えば、脂環族を有する単位構造が50mol%以上になると、高い疎水性に加え、硬くなりすぎるために、露光により発生したプロトン酸触媒の拡散力が妨げられ、化学増幅率が低下し、レジスト材料であるポリマー中のカルボン酸の生成量が減少し、現像液であるアルカリ水溶液に対する溶解性が低下する。また、これらのレジストは脂環族の導入により、密着性に乏しく、レジスト膜が硬くなるため、レジスト膜にかかる歪みが大きくなって、剥がれ易くなる。このため、安定したレジストパターン特性を得ることができないという問題があった。
【0005】また、化学増幅型レジストに特有な問題として、露光から露光後ベーク(PEB)までの間に、露光によって発生した酸触媒が、大気中の汚染物質(アミン成分等)により、中和、失活するため、所望のパターンが形成できないという現象が生じる。その改善方法としては、レジスト層上に、保護膜を塗布するパターン形成方法が有効であることが知られている。この方法は、従来のレジストの大部分を占める、フェノールをベースポリマーとするレジストに対しては、非常に効果的であった。しかし、非フエノール系で極性の低いポリマー、特に脂環族を含む疎水性のポリマをベースとするレジストに保護膜を適用する場合、保護膜とレジストの両者の極性が類似しているため、保護膜の塗布溶媒として、従来使用されてきた芳香族炭化水素系の溶媒を用いると、レジスト膜そのものが溶解してしまい、保護膜の塗布が困難であるといった問題があった。このため、汚染物質の影響を受けて、パターンが解像できなかったり、所望のパターンサイズから大きくはずれるといった問題があった。
【0006】特開平7-234511号に上記問題点を解決すべく、エキシマレーザを露光源とするリソグラフィにおいて使用する、優れた透明性及びエッチング耐性のみならず、高感度で、密着性に優れた放射線感光材料に関する報告がある。しかしながら、十分な耐ドライエッチング性を付与すると現像性が劣ると言った欠点があると同時に、密着性は未だ十分とは言えない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、レジストパターン形成用放射線、特に遠紫外レーザー光に対して透明性を有し、現像性に優れ、ドライエッチング耐性を有し、且つ密着性に優れた、高感度で微細加工が可能な放射線感光材料の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、優れた透明性及びエッチング耐性のみならず、高感度な放射線感光材料で、密着性を向上させる事を目的として、鋭意研究を重ねた結果、例えば置換基数が1以上のヒドロキシアダマンチル基を導入することにより、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】すなわち、本発明の第1は、加熱された溶媒中に、極性基含有脂環式官能基を有するモノマー(C)であるヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)及びラジカル重合開始剤を添加し、共重合させることを特徴とするヒドロキシアダマンチル基及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を1分子中にそれぞれ少なくとも1つ以上有する半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法を提供する。本発明の第2は、樹脂(A)がアクリル樹脂であることを特徴とする本発明の第1に記載の半導体集積回路用遠紫外線感光材料用樹脂(A)の製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】初めに、上記樹脂(A)について説明する。樹脂(A)は、極性基を含む脂環式官能基を有するモノマー(C)及び酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)を共重合して得られる。
【0011】極性基を含む脂環式官能基を有するモノマー(C)としては、置換基数が1以上のヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート、置換基数が1以上のヒドロキシノルボルニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0012】酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基を有するモノマー(D)としては、不飽和結合を有するモノマーであって酸基を有し、酸基に式(1)又は式(2)の基が結合したモノマーである。
【化1】

酸基としてはカルボキシル基、フェノール性水酸基、スルフォン酸基等が挙げられる。具体的には、以下の官能基を有するアクリル酸類又はスチレン類が挙げられる。アクリル酸類としてはアクリル酸、メタクリル酸、エチルのようなアルキル置換(メタ)アクリル酸等が挙げられる。スチレン類としてはパラヒドロキシスチレン、パラカルボキシスチレン等が挙げられる。官能基はカルボキシル基又はフェノール基(パラヒドロキシスチレンの場合)に結合する。フェノール基の場合には置換基と炭酸エステル結合したものが好ましい。上記において、酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基としては、t-ブチル基、テトラヒドロピラニル基、α,α-ジメチルベンジル基、3-オキソシクロヘキシル基等であり、プロトン酸により解離するものであれば何でも使用できる。
【0013】樹脂(A)としては、上記モノマー(C)及びモノマー(D)の中でも、(メタ)アクリル酸をベースにしたアクリル共重合体が、遠紫外線(エキシマ光)に吸収を持たない点及び合成の簡便さからも有効である。
【0014】更に、上記モノマー(C)及びモノマー(D)には、反応性不飽和結合を有するモノマー、その他(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの付加物、変性不飽和モノカルボン酸なども併用することができる。上記の反応性不飽和結合を有するモノマーとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリカプロラクトンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリル酸、カルボキシエチルアクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、上記変性不飽和モノカルボン酸としては、不飽和基とカルボキシル基を有し、不飽和基とカルボン酸の間に鎖延長された変性不飽和モノカルボン酸であれば特に制限はなく、例えば末端水酸基を酸無水物により酸変性された、ラクトン変性等エステル結合を有する不飽和モノカルボン酸、エーテル結合を有する変性不飽和モノカルボン酸などのカルボキシル基含有モノマー;更に必要に応じてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、i-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロニトリル、アクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、i-プロピルビニルエーテル、n-ブチルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどラジカル重合性不飽和基含有モノマーが挙げられる。
【0015】上記モノマー(C)、モノマー(D)及び反応性不飽和結合を有するモノマー、その他(メタ)アクリル酸とε-カプロラクトンとの付加物、変性不飽和モノカルボン酸などは、重合触媒の存在下に溶媒中で加熱重合される。モノマー(D)/モノマー(C)のモル比は0.3?100である。重合触媒としてはパーオキサイド系あるいはジアゾニウム系のラジカル開始剤、又は2,2,6,6-テトラメチルピペリジニル-1-オキシ(TEMPO)と過酸化ベンゾイル等の分子量分布を制御できるラジカル開始剤等が使用される。分子量分布を更に制御するためには、アルキルリチウム等を用いたアニオン重合、チーグラー・ナッタ触媒又は希土類金属触媒系を用いたアニオン重合等によっても重合することができる。反応温度としては、反応系によっても異なるが-78?200℃である。得られた樹脂(A)は必要により再沈殿等により精製される。
【0016】次に、参考のために、本発明の製造方法で製造された放射線感光材料用樹脂(A)と組みあわせて使用される放射線照射により酸を発生する物質(B)について説明する。放射線照射により酸を発生する物質、すなわち酸発生剤としては、下記に挙げる式(3)で示されるオキサゾール誘導体、式(4)で示されるs-トリアジン誘導体、式(5)で示されるで示されるヨードニウム塩、式(6)で示されるスルホニウム塩、式(7)で示されるジスルホン誘導体、式(8)で示されるイミドスルホネート誘導体、又は式(9)で示されるジアゾニウム塩を使用することが可能である。ただし、これらに限定されるものではない。
【0017】
【化2】

【0018】
【化3】

【0019】
【化4】

【0020】
【化5】

【0021】
【化6】

【0022】
【化7】

【0023】
【化8】

【0024】次に、参考のために、上記の樹脂(A)及び酸発生物質(B)を用いた放射線感光材料(レジスト)の製造、得られたレジストを用いて、被処理基板上へのレジスト層の形成、露光、現像、ドライエッチング及びレジスト除去を行う工程について説明する。
【0025】樹脂(A)及び酸発生物質(B)を用いた放射線感光材料(レジスト)の製造は、樹脂(A)100重量部に対して酸発生物質(B)0.01?30重量部を混合し、混合物100重量部に対して溶媒を50?10000重量部添加して撹拌し、均一なレジスト溶液を製造する。樹脂(A)、酸発生物質(B)、溶媒の添加順序は適宜選択することができる。上記溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ミネラルスピリッツ等の炭化水素;酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のエステル系溶媒;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、n-ブチルエーテル、ジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶媒等が使用される。上記溶媒は適宜組み合わせて使用することができる。
【0026】被処理基板上へのレジスト層の形成は、被処理基板を回転させながら、上記で得たレジスト溶液を半導体薄膜上へ供給し、スピン・コーティング法により所定の厚さに塗布して行われる。レジスト層の厚さは0.1?10μmである。レジストが塗布された基板(以下レジスト基板という)は、必要によりプリベークされて、エキシマレーザー等により選択露光される。露光によりレジスト層内の酸発生物質(B)から酸が発生する。レーザーの出力は0.01?100W程度、好ましくは1?10Wのものが使用できる。露光後のレジスト基板は、必要により、50?200℃、0?60分間ポストベークを行って、発生した酸を触媒として、樹脂(A)中の酸によりアルカリ可溶基を生じる官能基からアルカリ可溶基を生じる反応を多数回引き起こし、レジスト層をアルカリ可溶性にする。ポストベーク後のレジスト基板は、アルカリ溶液により現像を行うことにより、微細パターンを安定して形成することができる。
【0027】更に、より安定したパターニング特性を得るには、現像液を改善することも必要である。化学増幅レジストには、環境中のアミン等の汚染により、プロトン酸が表層部で失活し、現像液に対して樹脂(A)が難溶化するという特有の問題がある。このため、表層部と内部との溶解度差を生じ、安定したパターンができない大きな要因になっている。特に炭化水素であるアダマンチル基やt-ブチル基等の疎水性の強い基は、現像液への溶解を阻害する効果があり、表面不溶化への影響が大きいことが知られている。この為、アダマンチル基等に極性基を導入した本発明では、上記点を大幅に改善されるが、更に優れたパターニング特性を得る為には現像液を改善することも必要である。従って、現像液に有機アルカリ水溶液とイソプロピルアルコール又は前記エーテル系溶媒、特にエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶媒の混合液を用いることにより、溶解性が著しく増大し、表層部と内部との溶解度差が小さくなるため、安定したパターニングが可能となる。なお、添加するアルコールとしては、イソプロピルアルコールが最も効果があり、メタノールやエタノールでは、クラックを生じ、剥がれが目立った。また、この混合現像液を用いることにより、感度は1桁以上上昇し、現像時にかかる歪みも小さくなった。また、この現像液が、イソプロピルアルコール又は上記エーテル系溶媒を5?95vol%含むことが望ましい。5vol%未満では、感度が向上せず、95vol%を越えると、クラックやひび割れを生じ易い。
【0028】また、脂環族を含むアクリル酸エステル構造もしくはメタクリル酸エステル構造を有する材料と、エステル部に極性の高いユニットを含むアクリル酸エステル構造もしくはエステル部に極性の高いユニットを含むメタクリル酸エステル構造を有する材料とからなる重合体では、ベースポリマーの極性が高くなるので、脂環族による非常に強い疎水性を和らげることができる。その結果、炭化水素系の保護膜との間に極性の差が生じるので、レジスト膜を溶解させることなく、保護膜を塗布することができる。従って、これにより所望のサイズのパターンを形成することができる。ベースポリマーの極性を高くするために、樹脂(A)に導入する極性の高い構造としては、ケトン、アルコール、エーテル、エステル、カルボン酸、酸無水化合物、又はこれらの構造の一部の原子が硫黄、窒素、若しくはハロゲンで置換された構造等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。極性構造を有する材料を導入する割合は、少なくとも1?50mol%程度必要であり、好ましくは20mol%以上必要である。なお、脂環族としては、シクロヘキサン、ノルボルナン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカン骨格をもつ構造が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0029】また、ベースポリマーの極性を高くするために、無水イタコン酸を含むレジストでは、無水イタコン酸の強い極性のため、疎水性の強い炭化水素基を含むにも係わらず、保護膜として従来不可能であった炭化水素系ポリマーをレジスト上に塗布することが可能である。こうした保護膜をレジスト上に形成することにより、化学増幅型レジスト特有の問題である、PED(Post Exposure Delay)を防止することが可能となる。
【0030】また、保護膜の塗布溶媒としては、分子量の大きな炭化水素系の溶媒を用いることにより、より確実に保護膜を塗布することが可能となった。塗布溶媒としては、沸点が100℃以上のものか好ましい。あまり沸点の低いものでは、保護膜をSiウェーハ上に均一に塗布することが困難である。このため、塗布溶媒としては、具体的には、リモネン、1,5-シクロオクタジエン、1-デセン、t-ブチルシクロヘキサン、p-シメン、ドデシルベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0031】また、レジスト基板上に保護膜を形成するための炭化水素ポリマーとしては、ポリオレフィン類、ポリジエン類等が挙げられるが、露光波長に対して透明で、前述の塗布溶媒に溶けるものであれば、これらに限定されるものではない。
【0032】現像後のレジスト基板は、ドライエッチングされる。ドライエッチングの方法は、プラズマエッチング、反応性イオンエッチング、イオンミリング等が挙げられる。
【0033】ドライエッチング後のレジスト基板は、溶剤により残存レジスト層及び保護層の除去が行われる。残存レジスト層及び保護層の除去方法には、種々の湿式方式及び乾式方式がある。乾式方式としては酸素プラズマエッチング等が挙げられる。湿式方式としては、フェノールとハロゲン系溶剤を主成分とする有機溶液系、硫酸/過酸化水素、フッ酸、塩酸/過酸化水素等の無機系溶液を使用する方法が挙げられる。
【0034】このようにしてパターンが形成された半導体は、例えば、容量数M?数Gビットのメモリ用に使用することができる。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、得られた樹脂(A)のモノマー(C)とモノマー(D)の組成比はモル比である。
実施例1
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、トルエンを0.25リットル導入し、100℃に昇温後、モノヒドロキシアダマンチルアクリレート222gとt-ブチルメタクリレート142gと2,2’-アゾビス(2-メチルブチルニトリル)(日本ヒドラジン工業社製ABN-E)30.3gとトルエン120gを、共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、メタノールで沈澱精製を行った。その結果、下記式(10)の構造の樹脂を得ることができた。
【0036】
【化9】

【0037】モノヒドロキシアダマンチルアクリレートとt-ブチルメタクリレートの組成比50:50、重量平均分子量5,400、分子量分散度1.9の共重合体が得られた。
【0038】
参考例1
合成したポリマーに、下記式(11)の構造の酸発生剤トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモンを15wt%添加して、シクロヘキサノン溶液とした。
【0039】
【化10】

【0040】この溶液をスピンコート法により、ハードベークしたノボラック樹脂で被覆されたSiウェーハ上に、0.7μm膜厚に塗布し、ホットプレート上で60℃、100秒間プリベークを行った。こうして得られたウェーハ上のレジスト膜を、KrFエキシマステッパで、照射量100mJ/cm2で露光した後、温度100℃、60秒間PEBを行った。続いてアルカリ水溶液であるNMD-3(東京応化社製)を用いて60秒間現像し、純水で30秒間リンスした。この結果、0.50μm幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示す半導体が得られた。
【0041】
実施例2
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、トルエンを0.25リットル導入し、100℃に昇温後、トリヒドロキシアダマンチルアクリレート254gとt-ブチルメタクリレート142gと2,2’-アゾビス(2-メチルブチルニトリル)(日本ヒドラジン工業社製ABN-E)30.3gとトルエン120gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、メタノールで沈澱精製を行った。その結果、下記式(12)の構造の樹脂を得ることができた。
【0042】
【化11】

【0043】トリヒドロキシアダマンチルアクリレートとt-ブチルメタクリレートの組成比50:50、重量平均分子量5,200、分子量分散度1.9の共重合体が得られた。
【0044】
参考例2
合成したポリマーに、前記トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモンを15wt%添加して、シクロヘキサンノン溶液とした。この溶液をスピンコート法によりハードベークした、ノボラック樹脂で被覆されたSiウェーハ上に、0.7μm膜厚に塗布し、ホットプレート上で60℃、100秒間プリベークを行った。こうして得られたウェーハ上のレジスト膜を、KrFエキシマステッパで、照射量100mJ/cm2で露光した後、温度100℃、60秒間PEBを行った。続いてアルカリ水溶液であるNMD-3(東京応化社製)を用いて60秒間現像し、純水で30秒間リンスした。この結果、0.52μm幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示す半導体が得られた。
【0045】
実施例3
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、トルエンを0.25リットル導入し、100℃に昇温後、トリヒドロキシアダマンチルメタクリレート316gとt-ブチルメタクリレート116.4gと2,2’-アゾビス(2-メチルブチルニトリル)(日本ヒドラジン工業社製ABN-E)30.3gとトルエン120gを共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、メタノールで沈澱精製を行った。その結果、下記式(13)の構造の樹脂を得ることができた。
【0046】
【化12】

【0047】トリヒドロキシアダマンチルメタクリレートとt-ブチルメタクリレートの組成比59:41、重量平均分子量5,500、分子量分散度1.9の共重合体が得られた。
【0048】
参考例3
合成したポリマーに、前記酸発生剤トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモンを15wt%添加してシクロヘキサンノン溶液とした。この溶液をスピンコート法によりハードベークした、ノボラック樹脂で被覆されたSiウェーハ上に、0.7μm膜厚に塗布し、ホットプレート上で60℃、100秒間プリベークを行った。こうして得られたウェーハ上のレジスト膜を、KrFエキシマステッパで、照射量100mJ/cm2で露光した後、温度100℃、60秒間PEBを行った。続いてアルカリ水溶液であるNMD-3(東京応化社製)を用いて60秒間現像し、純水で30秒間リンスした。この結果、0.55μm幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示す半導体が得られた。
【0049】
参考例4
現像液を、上記参考例3のNMD-3に代えて、NMD-3とイソプロピルアルコールを1:1(重量比、以下同様)の混合系にすると、0.45μm幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示す半導体が得られた。
【0050】
実施例4
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、トルエンを0.25リットル導入し、100℃に昇温後、トリヒドロキシアダマンチルメタクリレート214.4gとフマル酸ジt-ブチル273.6gと2,2’-アゾビス(2-メチルブチルニトリル)(日本ヒドラジン工業社製ABN-E)30.3gとトルエン120gを、共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、メタノールで沈澱精製を行った。その結果、下記式(14)の構造の樹脂を得ることができた。
【0051】
【化13】

【0052】トリヒドロキシアダマンチルメタクリレートとフマル酸ジt-ブチルの組成比40:60、重量平均分子量8,500、分子量分散度2.3の共重合体が得られた。
【0053】
参考例5
合成したポリマーに、前記酸発生剤トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモンを15wt%添加してシクロヘキサンノン溶液とした。この溶液をスピンコート法によりハードベークしたノボラック樹脂で被覆された、Siウェーハ上に、0.7μm膜厚に塗布し、ホットプレート上で60℃、100秒間プリベークを行った。こうして得られたウェーハ上のレジスト膜を、KrFエキシマステッパで、照射量100mJ/cm2で露光した後、温度100℃、60秒間PEBを行った。続いてアルカリ水溶液であるNMD-3(東京応化社製)を用いて60秒間現像し、純水で30秒間リンスした。この結果、0.60μm幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示す半導体が得られた。
【0054】
参考比較例1
攪拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたセパラブルフラスコに、トルエンを0.25リットル導入し、100℃に昇温後、アダマンチルメタクリレート260gとt-ブチルメタクリレート116.4gと2,2’-アゾビス(2-メチルブチルニトリル)(日本ヒドラジン工業社製ABN-E)30.3gとトルエン120gを、共に3時間かけて滴下した。滴下後4時間熟成した後、メタノールで沈澱精製を行った。その結果、下記の構造式(15)の樹脂を得ることができた。
【0055】
【化14】

【0056】アダマンチルメタクリレートとt-ブチルメタクリレートの組成比59:41、重量平均分子量5,500、分子量分散度1.9の共重合体が得られた。
【0057】
参考比較例2
合成したポリマーに、前記酸発生剤トリフェニルスルフォニウムヘキサフルオロアンチモンを15wt%添加してシクロヘキサンノン溶液とした。この溶液をスピンコート法により、ハードベークしたノボラック樹脂で被覆された、Siウェーハ上に、0.7μm膜厚に塗布し、ホットプレート上で60℃、100秒間プリベークを行った。こうして得られたウェーハ上のレジスト膜を、KrFエキシマステッパで、照射量100mJ/cm2で露光した後、温度100℃、60秒間PEBを行った。続いてアルカリ水溶液であるNMD-3(東京応化社製)を用いて60秒間現像したが、現像が進まず全くパターンを得ることができなかった。
【0058】
参考比較例3
現像液を上記参考例3のNMD-3に代えて、NMD-3とイソプロピルアルコールを1:1の混合系にすると、照射量100mJ/cm2により、0.50μ幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示したが、再現性がなかった。
【0059】
参考例6
実施例3の感光材料用樹脂を用いて、シリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレート上で温度60℃、20分ベークを行い、厚さ0.6μmのレジスト膜を形成した。参考例3と同様にして露光、PEB、現像を行い、0.55μ幅のL&S(ライン&スペース)パターンを示を示す半導体が得られた。
【0060】
参考比較例4
参考比較例2の溶液を用いて、シリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレート上で温度60℃、20分ベークを行ったが、均一な膜厚のレジスト膜を形成することができなかった。焼成だけの処理では、シリコンウェハ上に水酸基が残るので、密着性の悪いレジストでははじきや塗布むらが生じる。シリコンウェハ上に残る水酸を基HMDS(ヘキサメチルジシラザン)処理を行うことにより、所定の膜厚のレジスト膜を形成することができた。このように、密着性の悪い樹脂では後処理が必要になる。
【0061】以上から、極性基を含有したアダマンチル基を導入することにより、アダマンチル含有ユニットを増やし、耐ドライエッチング性を向上させた系においても、密着性が飛躍的に改善され、安定したパターニング特性を得ることができた。
【0062】
【発明の効果】本発明の製造方法で製造される感光材料用樹脂によって、優れた透明性及びエッチング耐性のみならず、高感度で、且つ優れた密着性を有する安定したパターニング特性を得ることができたので、半導体を超微細加工することができるようになった。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2006-06-02 
結審通知日 2006-06-06 
審決日 2006-06-19 
出願番号 特願2001-317290(P2001-317290)
審決分類 P 1 41・ 121- Y (C08F)
P 1 41・ 856- Y (C08F)
最終処分 成立  
特許庁審判長 宮坂 初男
特許庁審判官 野村 康秀
山本 昌広
福井 美穂
一色 由美子
登録日 2003-04-18 
登録番号 特許第3421328号(P3421328)
発明の名称 放射線感光材料用樹脂の製造方法  
代理人 吉澤 敬夫  
代理人 新井 全  
代理人 新井 力  
代理人 牧野 知彦  
代理人 新井 力  
代理人 牧野 知彦  
代理人 新井 全  
代理人 吉澤 敬夫  
代理人 岡▲崎▼ 信太郎  
代理人 岡▲崎▼ 信太郎  

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