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審決分類 審判 判定 同一 属する(申立て成立) B62J
管理番号 1180846
判定請求番号 判定2008-600016  
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2008-08-29 
種別 判定 
判定請求日 2008-03-10 
確定日 2008-06-30 
事件の表示 上記当事者間の特許第4028657号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号図面及びその説明書に示す「自動二輪車のタンクカバー取付構造」は、特許第4028657号発明の技術的範囲に属する。 
理由 1.請求の趣旨・手続の経緯
(1)本件判定請求は、平成20年3月10日になされ、平成20年5月1日に判定請求書の補正を行ったものである。その請求の趣旨は、イ号図面及びイ号図面説明書に示す自動二輪車のタンクカバーの取付構造を有する自動二輪車(以下「イ号物件」という。)は、特許第4028657号の発明(以下「本件特許発明」という。)の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。
(2)本件判定請求の対象となるイ号物件は、中華人民共和国広州市番禺飛翔摩托車製造に係るXTREMEとして発見され、対象自動二輪車の内、請求人の保有する対象機種名は公道用FYM125EY-5A、レース用FY125EY-2であって、日本に輸入されている事実が判明しており、判定請求人は、イ号物件が本件特許発明に係る特許権を侵害する貨物であると判断し、税関長に対して輸入差止申立てを行っているところ、その申立書の添付資料とするに当たり、イ号物件の属否について特許庁の判断を求めている。かかる事由により、被請求人不在として判定請求を行っているものである。
(3)イ号図面の図1?図15は、公道用FYM125EY-5Aについてであるが、図16に示されたレース用FY125EY-2は、図1?図15に示した公道用FYM125EY-5Aとは、本件特許発明の特許請求の範囲とは関係のない燃料タンクの給油キャップの構造、ヘッドライト、テイルランプ、ナンバープレート支持用ステイを備えないこと、ゼッケンプレートを前面に取り付けていること等の構造が異なるだけで、それ以外の構造は全て一致していると認められる。このため、公道用FYM125EY-5Aとレース用FY125EY-2とを併せて、イ号物件とする。

2.本件特許発明
本件特許発明は、本件特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものにあって(以下、請求項1に係る発明を「本件特許発明」という。)、その構成要件を符号a?dを付して分説すると次のとおりである。

「【請求項1】
a ヘッドパイプの後方に燃料タンク及びシートをこの順で連続して配置し、燃料タンクの左右の側部をタンクカバーで覆った自動二輪車において、
b 前記タンクカバーを取付ける支持部を、前記シート及び燃料タンクに設けてなり、
c 前記シートは、前記ヘッドパイプから後方に延ばされた車体フレーム側に取付けられるものであり、
d タンクカバーは、前記燃料タンクの支持部から取外すとともに前記シートを前記車体フレームから取外したときに、前記シートに連れて取外し可能に構成されたことを特徴とする自動二輪車のタンクカバー取付構造。」

3.イ号物件の構成の特定
判定請求書、判定請求書に添付されたイ号図面説明書及びイ号図面(図1?図16)を参照してイ号物件の構成の特定を以下に行う。なお、部材名(部材番号を含む。)は、自動二輪車としての通常の技術用語であるので、判定請求書において請求人が用いているものを採用した。

(A)図1、図2で示されている通り、車体フレーム(105)の前端部に設けたへッドパイプ(106)の後方に、燃料タンク(107)、シート(108)を前から後方に順に配置した構成である。 また、図3,図4には燃料タンク(106)の左右の側部を、タンクカバー(109L),(109R)で覆っていることが示されている。

(B)図3,図4,図12?14並びにイ号図面説明書の2.(2),(5)の説明の通り、燃料タンク(107)の左右の側部にタンクカバー(109L),(109R)が取り付けられており、燃料タンク(107)の両側部を覆っており、タンクカバー(109L),(109R)の前部(109a)の頂部に取付部(109b)を設け、この取付部(109b)を燃料タンク(107)の前部の上部側部の左右に設けた取付孔(107aL,107aR)に合わせ、ネジ(111)によりネジ止めされている。タンクカバー(109L),(109R)の前部(109a),(109b)には、取付片(109c),(109c)が突出していて、この取付片(109c),(109c)を燃料タンク(107)の前部下部の左右の取付片(107b),(107b)の左右の取付孔(107cL,107cR)にネジ止めされている。また、図7に示したとおり、左右のタンクカバー(109L),(109R)の後部に、対向するようにL形折曲部(109f),(109f)を設け、この前後に取付部(109d),(109e)を夫々設け、シート(108)の底板(108c)の左右側縁部にネジ(111),(111)でネジ止めすることで、左右タンクカバー(109L),(109R)は、シート(108)に取り付けられている。

(C)図5、図9?図11並びにイ号図面説明書の2.(3)の説明の通り、シート(108)の底板(108c)の後部に取付片(108a)が設けられ、この取付片(108a)は、車体フレームである左右のシートレール(105a),(105a)間に横架するクロスメンバ(105b)の後面に設けた取付片(105c)(図5,図11参照)に前後に重ね合わされ、ボルト(112)で取り付けられている。

(D)図6?8並びにイ号図面説明書の2.(4)の通り、左右のタンクカバー(109L),(109R)は、燃料タンク(107)から取り外すことができる。また、シート(108)はボルト(112)を取り外すことで、シート側である取付片(108a)を、車体フレーム側である取付片(105c)から取り外すことができ、左右のタンクカバー(109L),(109R)をシート(108)に取り付けたまま、シート(108)を車体から取り外すことができる。左右のタンクカバー(109L),(109R)を燃料タンク(107)から取り外した際、シート(108)を車体から取り外し状態で、シートに取り付けられたままで、シートと一緒に、左右のタンクカバー(109L),(109R)を取り外すことができる。(図6,図7参照)

以上のことから、判定請求書、判定請求書に添付されたイ号図面説明書及びイ号図面(図1?15)を参照すると、イ号物件の構成は、次のとおり特定されるものである(その構成を符号A?Dを付して分説した)。

「A.車体フレーム(105)の前端部に設けたへッドパイプ(106)の後方に、燃料タンク(107),シート(108)を前から後方に順に配置した構成で、燃料タンク(106)の左右の側部を、タンクカバー(109L),(109R)で覆っている自動二輪車において、
B.燃料タンク(107)の左右の側部のタンクカバー(109L),(109R)の前部(109a)の取付部(109b)を燃料タンク(107)の取付孔(107aL,107aR)にまた、左右のタンクカバー(109L),(109R)の後部の取付部(109d),(109e)をシート(108)の底板(108c)の左右側縁部に、それぞれネジ止め(111),(111)され、
C.シート(108)の底板(108c)の後部の取付片(108a)は、車体フレームである左右のシートレール(105a),(105a)間に横架するクロスメンバ(105b)の後面に設けた取付片(105c)にボルト(112)付けされ、
D.左右のタンクカバー(109L),(109R)は、燃料タンク(107)から取り外すとともにシート側取付片(108a)を、車体フレーム側取付片(105c)から取り外すことができ、左右のタンクカバー(109L),(109R)を燃料タンク(107)から取り外す際、シート(108)を車体から取り外し状態で、シートに取り付けたままシートと一緒に、左右のタンクカバー(109L),(109R)を取り外すことができる自動二輪車のタンクカバー取付構造。」

4.対比・判断
(1)構成要件aの充足性について
イ号物件の自動二輪車において、車体フレームに設けたヘッドパイプ(106)の後方に燃料タンク(107)及びシート(108)とが「この順で配置した」構成は、本件特許発明の「この順で連続して配置し」に相当するものといえる。
そして、タンクカバー(109L),(109R)は燃料タンク(107)の側部を覆っている。
したがって、イ号物件の構成Aは、本件特許発明の構成要件aを充足する。

(2)構成要件bの充足性について
イ号物件は、タンクカバー(109L),(109R)の前部(109a)の取付部(109b)を燃料タンク(107)の取付孔(107aL,107aR)に、またタンクカバー(109L),(109R)の後部の取付部(109d),(109e)をシート(108)の底板(108c)の左右側縁部に、それぞれネジ止め(111),(111)するものである。
燃料タンク(107)の取付孔(107aL,107aR)とシート(108)の底板(108c)の左右側縁部は、本件特許発明にいう「支持部」に相当することは明らかである。
そうすると、イ号物件は、タンクカバー(109L),(109R)を取り付ける支持部をシート(108)及び燃料タンク(107)に設けているといえる。
したがって、イ号物件の構成Bは、本件特許発明の構成要件bを充足する。

(3)構成要件cの充足性について
イ号物件のへッドパイプ(106)は車体フレーム(105)の前端部に設けられており、車体フレーム(105)はへッドパイプ(106)の後方に延ばされていることは明らかであり、その車体フレーム(106)の左右のシートレール(105a),(105a)間のクロスメンバ(105b)の後面の取付片(105c)にシート(108)の底板(108c)の後部の取付片(108a)がボルト(112)付けされている。
このことは、シート(108)は、ヘッドパイプ(106)から後方に延ばされた車体フレーム(105)側に取付けられるものといえる。
したがって、イ号物件の構成Cは、本件特許発明の構成要件cを充足する。

(4)構成要件dの充足性について
イ号物件のタンクカバー(109L),(109R)は、燃料タンク(107)から取り外すとともにシート側取付片(108a)を、車体フレーム側取付片(105c)から取り外すことができるものである。そして、シート(108)を車体から取り外したとき、シートに取り付けたままシートと一緒に、タンクカバー(109L),(109R)を取り外すことができるものであり、このことは、本件特許発明の「タンクカバー」が「車体フレームから取外したときに、シートに連れて取外し可能に構成されたこと」に相当する。
したがって、イ号物件の構成Dは、本件特許発明の構成要件dを充足する。
以上のことから、イ号物件の構成A?Dは、本件特許発明の構成要件a?dの全てを充足する。

5.むすび
以上のとおりであるから、イ号物件は、本件特許発明の技術的範囲に属する。
よって、結論のとおり判定する。
 
別掲
 
判定日 2008-06-23 
出願番号 特願平11-93387
審決分類 P 1 2・ 1- YA (B62J)
最終処分 成立  
前審関与審査官 加藤 友也  
特許庁審判長 川向 和実
特許庁審判官 高木 進
柴沼 雅樹
登録日 2007-10-19 
登録番号 特許第4028657号(P4028657)
発明の名称 自動二輪車のタンクカバー取付構造  
代理人 下田 容一郎  
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