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審決分類 審判 判定 同一 属さない(申立て不成立) G06F
管理番号 1180851
判定請求番号 判定2008-600017  
総通号数 104 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許判定公報 
発行日 2008-08-29 
種別 判定 
判定請求日 2008-03-21 
確定日 2008-07-17 
事件の表示 上記当事者間の特許第3128276号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 
結論 イ号物件説明書に示す携帯電話装置「W53K」は、特許第3128276号の請求項1ないし4に係る発明の技術的範囲に属しない。 
理由 1.請求の趣旨
本件判定の請求の趣旨は、イ号物件説明書に示す携帯電話装置「W53K」が特許第3128276号の請求項1ないし4に係る発明の技術的範囲に属する、との判定を求めたものである。

2.本件特許発明
本件特許発明は、明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載されたとおりの次のものと認める。(以下、それぞれ、「本件特許発明1ないし4」という。)
「【請求項1】 各種の文書データを対応する日付データと共に登録するファイルメモリと、該ファイルメモリから前記日付データに基づいて所要の文書データを検索する手段とを備えた情報検索装置において、
カレンダを表形式で表示するカレンダ表示手段と、前記ファイルメモリに登録されている各文書データを1文書ごとに1つのアイコンとして、前記カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各文書データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示する文書アイコン表示手段とを設けたことを特徴とする情報検索装置。
【請求項2】 請求項1記載の情報検索装置において、文書データをファイルメモリに登録する際に各文書のユーザ名あるいは用途を設定する手段を設け、前記文書アイコン表示手段が前記ファイルメモリに登録されている各文書を前記カレンダ中の対応する日付欄に表示する際に、前記設定されたユーザ名あるいは用途によって異なるアイコンでそれぞれ表示するようにしたことを特徴とする情報検索装置。
【請求項3】 請求項1又は2記載の情報検索装置において、表示されたカレンダ中の日付が指定されたとき、その日付欄にアイコンで表示している文書のデータを前記ファイルメモリから読み出してその内容を画像表示する文書呼出し手段を設けたことを特徴とする情報検索装置。
【請求項4】 請求項3記載の情報検索装置において、表示されたカレンダ中の指定された日付欄に複数のアイコンを表示している場合に、その複数のアイコンに対応する各文書のタイトルを一覧表で表示し、そのタイトルの指定により呼出す文書の絞り込みを可能にする絞り込み手段を設けたことを特徴とする情報検索装置。」

3.本件特許発明1について
上記本件特許発明1ないし4のうち本件特許発明1を構成要件ごとに分説すると次のとおりである。
「A1:各種の文書データを対応する日付データと共に登録するファイルメモリと、
A2:該ファイルメモリから前記日付データに基づいて所要の文書データを検索する手段と
A3:を備えた情報検索装置において、
B:カレンダを表形式で表示するカレンダ表示手段と、
C:前記ファイルメモリに登録されている各文書データを1文書ごとに1つのアイコンとして、前記カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各文書データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示する文書アイコン表示手段と
D:を設けたことを特徴とする情報検索装置。」

4.イ号物件
イ号物件説明書及び甲第1号証(W53K取扱説明書)の記載事項からみて、イ号物件の携帯電話装置「W53K」の構成を本件特許発明1の分説と対応するように分説して認定すると、次のとおりである。
「a1:スケジュールデータあるいはタスクリストデータを、対応する開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データと共に登録する手段と、
a2:登録されている開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データに対応する日付データに基づいて所要のスケジュールデータあるいはタスクリストデータを検索する手段と
a3:を備えた携帯電話装置において、
b:カレンダの日付を一覧表示する手段と、
c:前記登録されている各スケジュールデータあるいはタスクリストデータを1スケジュールあるいは1タスクリストごとに1つのアイコンとして、前記一覧表示する手段によって表示されるカレンダの各スケジュールデータあるいはタスクリストデータに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示するアイコン表示手段と
d:を設けたことを特徴とする携帯電話装置。」

5.対比
本件特許発明1とイ号物件とを対比すると、次のことがいえる。

(あ)イ号物件における「スケジュールデータあるいはタスクリストデータ」と本件特許発明1における「各種の文書データ」とは、「データ」である点で共通する。
また、イ号物件における「開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データ」には「日付データ」が含まれるから、その点で本件特許発明1における「日付データ」と対応する。
そして、イ号物件において、「スケジュールデータあるいはタスクリストデータ」と「対応する開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データ」とは、何らかの記憶手段に登録されると解される。
一方、本件特許発明1における「ファイルメモリ」は、「記憶手段」であることには変わりない。
よって、本件特許発明1とイ号物件とは、「データを対応する日付データと共に登録する記憶手段」を備えている点で共通する。

(い)上記(あ)で述べたように、イ号物件において、「開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データ」は「日付データ」を含むものであり、かつ、何らかの記憶手段に登録されるものである。
また、イ号物件における「スケジュールデータあるいはタスクリストデータ」と本件特許発明1における「各種の文書データ」とは、「データ」である点で共通する。
よって、本件特許発明1とイ号物件とは、「記憶手段から日付データに基づいて所要のデータを検索する手段」を備えている点で共通する。

(う)イ号物件の「携帯電話装置」は、スケジュールデータあるいはタスクリストデータという情報を検索する機能を有しているので、「情報検索装置」としての機能を有しているということができる。

(え)イ号物件におけるカレンダの日付の一覧表示は、日付の右側の空いているスペースに日付に対応させてアイコンを表示させることができるようになっており、「表形式」での表示であるということができる。
よって、イ号物件における「カレンダの日付を一覧表示する手段」は、本件特許発明1における「カレンダを表形式で表示するカレンダ表示手段」に相当する。

(お)上記(あ)で述べたように、イ号物件における「スケジュールデータあるいはタスクリストデータ」と本件特許発明1における「各種の文書データ」とは、「データ」である点で共通し、また、イ号物件においても、何らかの記憶手段が存在すると解されるから、本件特許発明1とイ号物件とは、「記憶手段に登録されている各データを1データごとに1つのアイコンとして、カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示するアイコン表示手段」が設けられている点で共通する。

上記(あ)?(お)の事項を踏まえると、本件特許発明1とイ号物件とは、次の点で一致し、また相違する。

(一致点)
本件特許発明1とイ号物件とは、ともに、
「Aa1:データを対応する日付データと共に登録する記憶手段と、
Aa2:該記憶手段から前記日付データに基づいて所要のデータを検索する手段と
Aa3:を備えた情報検索装置において、
Bb:カレンダを表形式で表示するカレンダ表示手段と、
Cc:前記記憶手段に登録されている各データを1データごとに1つのアイコンとして、前記カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示するアイコン表示手段と
Dd:を設けたことを特徴とする情報検索装置。」
である点。

(相違点)
相違点1:「Aa1:データを対応する日付データと共に登録する記憶手段」が、本件特許発明1においては「A1:各種の文書データを対応する日付データと共に登録するファイルメモリ」であるのに対し、イ号物件においては「a1:スケジュールデータあるいはタスクリストデータを、対応する開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データと共に登録する手段」である点。

相違点2:「Aa2:該記憶手段から前記日付データに基づいて所要のデータを検索する手段」が、本件特許発明1においては「A2:該ファイルメモリから前記日付データに基づいて所要の文書データを検索する手段」であるのに対し、イ号物件においては「a2:登録されている開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データに対応する日付データに基づいて所要のスケジュールデータあるいはタスクリストデータを検索する手段」である点。

相違点3:「Cc:前記記憶手段に登録されている各データを1データごとに1つのアイコンとして、前記カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示するアイコン表示手段」が、本件特許発明1においては「C:前記ファイルメモリに登録されている各文書データを1文書ごとに1つのアイコンとして、前記カレンダ表示手段によって表示されるカレンダ中の各文書データに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示する文書アイコン表示手段」であるのに対し、イ号物件においては「c:前記登録されている各スケジュールデータあるいはタスクリストデータを1スケジュールあるいは1タスクリストごとに1つのアイコンとして、前記一覧表示する手段によって表示されるカレンダの各スケジュールデータあるいはタスクリストデータに対応する日付データの日付欄にそれぞれ表示するアイコン表示手段」である点。

6.相違点についての検討
そこで、上記相違点1?3について検討する。

(相違点1について)
本件特許発明1における「A1:各種の文書データを対応する日付データと共に登録するファイルメモリ」に関し、本件明細書の段落【0014】には、次の記載がなされている。
「【0014】5は入力制御部で、これらのキーボード1とマウス2によるデータ入力を制御する。6は文書データファイルで、作成された各文書データを1文書ごとにファイル形式で登録する。7は検索用データファイルで、文書データファイル6の各文書データの登録日付(作成日,登録日,更新日,使用予定日等)データ、ユーザ名、用途などの検索用データをファイル形式で登録する。これらの両フアイル6,7には、ハードディスク等の大容量のフアイルメモリが用いられる。」
上記記載によれば、本件明細書に記載された実施例における「文書データ」は、「ファイルメモリ」に「ファイル形式」で登録されるものである。そして、本件明細書においては、上記のように「ファイル形式」で登録された「文書データ」を、「日付データ」を検索キーとして検索する実施例しか記載されておらず、また、本件特許発明1における記憶手段を「ファイルメモリ」と特定していることからしても、本件特許発明1における「文書データ」は、実質的に、「ファイルメモリ」に「ファイル形式」で登録されるものであると解するのが相当である。
一方、イ号物件における「a1:スケジュールデータあるいはタスクリストデータを、対応する開始日時データ及び終了日時データあるいは期限日時データと共に登録する手段」に関し、実際にどのようなデータの登録が行われるかというと、甲第1号証(W53K取扱説明書)の第245頁の「スケジュールを登録/編集する」の項目、及び第247頁の「タスクリストを登録/編集する」の項目に見られるようなものである。
甲第1号証の第245頁の「スケジュールを登録/編集する」の項目において、本件特許発明1における「日付データ」に対応するデータであるところの「開始日時データ及び終了日時データ」と共に登録するデータのうち、本件特許発明1における「文書データ」に対応すると考えられるデータは、「用件」データ、「場所」データ、「詳細」データ、「URL」データであるが、それらのデータは、「ファイルメモリ」に「ファイル形式」で登録される「文書データ」であるとは考えられないものである。
このことは、甲第1号証の第247頁の「タスクリストを登録/編集する」の項目においても同様であって、本件特許発明1における「日付データ」に対応するデータであるところの「期限日時データ」と共に登録するデータとして「用件」データが記載されているが、このデータは、同様に、「ファイルメモリ」に「ファイル形式」で登録される「文書データ」であるとは考えられないものである。
そして、イ号物件における「スケジュールデータ」あるいは「タスクリストデータ」は、個々の「用件」データ、「場所」データ、「詳細」データ、「URL」データ等のみで有意な情報を形成しているわけではなく、「開始日時データ及び終了日時データ」あるいは「期限日時データ」をも含めた全体のデータとして有意な情報を形成しているのに対し、本件特許発明1における「各種の文書データ」は、それ自体で有意な情報を形成しているものであって、その有意な情報に対して検索キーとして「日付データ」を付加して登録し、該「日付データ」を用いて検索を行うことにより、有意な情報として「各種の文書データ」をファイルメモリから引き出すようなものである。
よって、イ号物件における「スケジュールデータ」あるいは「タスクリストデータ」は、本件特許発明1における「各種の文書データ」とは本質的に異なるものであるというべきであり、イ号物件の構成要件a1は、本件特許発明1の構成要件A1を充足しない。

(相違点2について)
上記相違点1についての検討で述べたように、イ号物件における「スケジュールデータ」あるいは「タスクリストデータ」は、本件特許発明1における「各種の文書データ」とは本質的に異なるものであるというべきであるから、同様にして、イ号物件の構成要件a2は、本件特許発明1の構成要件A2を充足しない。

(相違点3について)
上記相違点1についての検討で述べたように、イ号物件における「スケジュールデータ」あるいは「タスクリストデータ」は、本件特許発明1における「各種の文書データ」とは本質的に異なるものであるというべきであるから、同様にして、イ号物件の構成要件cは、本件特許発明1の構成要件Cを充足しない。

以上のとおり、イ号物件の構成要件a1,a2,cは、本件特許発明1の構成要件A1,A2,Cを充足しないから、イ号物件は、本件特許発明1の技術的範囲に属しないというべきである。

7.本件特許発明2ないし4について
本件特許発明2ないし4は、いずれも本件特許発明1を直接的あるいは間接的に引用するものであり、本件特許発明1における構成要件A1,A2,Cを含むものである。
よって、イ号物件は、同様にして、本件特許発明2ないし4の技術的範囲に属しないというべきである。

8.むすび
以上のとおり、イ号物件の構成要件は、本件特許発明1ないし4の構成要件を充足しないから、イ号物件は、本件特許発明1ないし4の技術的範囲に属しない。
よって、結論のとおり判定する。
 
判定日 2008-07-07 
出願番号 特願平3-188943
審決分類 P 1 2・ 1- ZB (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 篠原 功一  
特許庁審判長 長島 孝志
特許庁審判官 菅原 浩二
立川 功
登録日 2000-11-10 
登録番号 特許第3128276号(P3128276)
発明の名称 情報検索装置  
代理人 古城 春実  
代理人 稲元 富保  
代理人 玉城 光博  
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