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審決分類 審判 全部無効 2項進歩性  D04B
審判 全部無効 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  D04B
審判 全部無効 特17条の2、3項新規事項追加の補正  D04B
審判 全部無効 特126 条1 項  D04B
管理番号 1181370
審判番号 無効2005-80146  
総通号数 105 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-09-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2005-05-16 
確定日 2008-06-06 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第3650796号「編み機およびヤーン切替え装置」の特許無効審判事件についてされた平成18年11月13日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において、「本件審決中特許第3650796号の請求項1,3,4,7ないし10,14,17,18および20に係る発明についての特許を無効とする。」との部分を取り消す審決取消の決定(平成19年(行ケ)第10099号平成19年7月23日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
(a)本件特許第3650796号に係る発明についての出願は、平成8年4月1日(パリ条約による優先権主張1995年3月31日、ドイツ連邦共和国)に特許出願(特願平8-79185号)されたものであり、平成17年3月4日にその発明について特許の設定登録がなされた。

(b)これに対して、平成17年5月16日に請求人の株式会社福原精機製作所より無効審判の請求がなされ、平成17年10月11日に被請求人のジプラ パテントエントビクルングス-ウント ベタイリグングスゲゼルシャフト エムベーハーより答弁書が提出されると共に、同日に明細書の訂正を求めて訂正請求がなされ、その後、平成18年7月6日に口頭審理が行われると共に双方より口頭審理陳述要領書が提出され、平成18年11月13日に以下の結論の審決がなされた。
「結論
訂正を認める。
特許第3650796号の請求項1、3、4、7ないし10、14、17、18および20に係る発明についての特許を無効とする。
特許第3650796号の請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23に係る発明についての審判請求は、成り立たない。」

(c)これに対して、被請求人(原告)は、審決中の「特許第3650796号請求項1、3、4、7ないし10、14、17、18及び20に係る発明についての特許を無効とする。」との部分の取消を求める訴えを知的財産高等裁判所に提起した。
一方、請求人(被告)は、審決中の「特許第3650796号請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23に係る発明についての審判請求は、成り立たない。」との部分の取消を求める訴えは提起していない。

(d)原告(被請求人)は、平成19年6月11日に特許法第126条第2項の規定に基づく訂正審判第2007-390074号を請求した。

(e)平成19年7月23日に知的財産高等裁判所による審決取消の決定がなされ、この決定において、以下の「第2 当裁判所の判断1」及び「第2 当裁判所の判断2」(補足)が示された。
1.当裁判所は,当事者の意見を聴いた上,本件特許に係る各発明の関連性,本件訂正の内容,本件審決が判断した無効理由の内容,訂正審判における訂正内容,その他本件に関する諸事情を検討した結果,本件特許の新請求項1,3,4,7ないし10,14,17,18及び20に係る発明についての特許を無効にすることについて,特許無効審判においてさらに審理させることが相当であると考える。
したがって,事件を審判官に差し戻すため,特許法181条2項の規定により,本件審決中「特許第3650796号の請求項1,3,4,7ないし10,14,17,18及び20に係る発明についての特許を無効とする。」との部分を取り消すこととする。

2.本決定により差し戻された事件について,今後行われる審判における審理に資するため,本件審決中「訂正を認める。」との部分の確定効の範囲等に関し,以下のとおり補足して述べる(以下では,審決の結論の一部を「審決部分」ということがある。)。
(1) 訂正を認めた審決と形式的確定等について
ア.まず,特許が2以上の請求項に係るものであるときには,その無効審判は請求項ごとに請求することができるものとされていること(特許法123条1項柱書)に照らすならば,2以上の請求項に係る特許無効審判の請求に対してされた審決は,各請求項に係る審決部分ごとに取消訴訟の対象となり,各請求項に係る審決部分ごとに形式的に確定するというべきである。そして,審決の形式的な確定は,当該審決に対する審決取消訴訟の原告適格を有するすべての者について,出訴期間が経過し,当該審決を争うことができなくなることによって生ずる(特許法178条3項。)そうすると,2以上の請求項に係る特許についての無効審判において,一部の請求項に係る特許について無効とし,残余の請求項に係る特許について審判請求を不成立とする審決がされた場合にはそれぞれ原告適格を有する者(審決によって不利益を受けた者)が異なるため,各請求項に係る審決部分ごとに,形式的確定の有無及び確定の日等が異なる場合が生じ得る。
イ.次に特許無効審判の手続において,訂正請求がされ,「訂正を認める。」とした上で,審判請求を不成立とする審決がされた場合,「訂正を認める。」とした審決部分のみについて独立して取消訴訟を提起することはできないというべきである。けだし,特許無効審判における訂正請求の制度は,無効審判が請求された場合等において,特許権者側の対抗手段としてなされることが多い当該特許に係る特許請求の範囲,明細書及び図面の訂正(以下「特許の訂正」という。)について無効審判が係属している場合であっても,別途訂正審判を請求しなければならないという従来の制度の下で,無効審判と訂正審判がともに係属した場合に,訂正審判の審決が確定するまで無効審判の審理が中止されるなどして審理が遅延するという問題が生じていたことに鑑み,無効審判が係属している場合は独立して訂正審判を請求することはできないものとする一方,当該無効審判の手続において特許の訂正を行うことを認めたものであって,無効審判の審理の迅速性及び的確性を確保する観点から,平成5年法律第26号による特許法の改正により設けられた制度にすぎないからである。
したがって,「訂正を認める。」との審決部分は,「本件審判の請求は成り立たない。」との審決部分が形式的に確定することに伴って,形式的に確定することになる。そして,無効審判請求を不成立とした審決は,請求人側のみが取消訴訟を提起する原告適格を有するのであるから,請求人側に係る出訴期間の経過によって,「訂正を認める。」との審決部分もまた形式的に確定することになる(なお,「訂正を認める。」との審決部分について独立して取消訴訟を提起することはできない結果,無効審判における訂正請求が特定の請求項の削除を伴うものである場合に,無効審判の請求人に不利益があるか否かについて,念のため検討すると,「訂正を認める。」との審決部分が形式的に確定すると,当該請求項が削除された特許請求の範囲に基づいて,特許出願,出願公開,特許をすべき旨の査定又は特許権の設定の登録がされたものとみなされるため,請求人に対し,固有の不利益,不都合を及ぼすことはないと解される。)。
ウ.さらに,2以上の請求項に係る特許無効審判において,訂正請求を認めた上で,一部の請求項に係る特許を無効とし,残余の請求項に係る無効審判請求を不成立とする審決がされた場合に,審決取消の判決又は決定により,審判手続が再開され,特許法134条の3第1項若しくは2項の規定により指定された期間内に訂正請求がされ又は同条5項の規定により同期間の末日に訂正請求がされたものとみなされたときは,特許法134条の2第4項の規定によるみなし取下げの効果もまた,請求項ごとに生じることになる(知的財産高等裁判所平成19年6月20日決定・平成19年( 行ケ)第10081号審決取消請求事件参照)。そして審判請求を不成立とした請求項に係る審決部分について取消訴訟が提起されず,特許を無効とした請求項に係る審決部分について取消訴訟が提起された場合に,特許法181条2項の規定による審決の取消しの決定により,特許を無効とした請求項に係る審決部分が取り消されて,審判手続が再開され,特許法134条の3第2項の規定により指定された期間内に訂正請求がされ又は同条5項の規定により同期間の末日に訂正請求がされたものとみなされたときには,同法134条の2第4項の規定により訂正請求が取下げられたものとみなされるが,当該審決において認められた訂正のうち無効不成立とされた請求項に関する部分(当該審決において認められた訂正が請求項の削除を伴う場合は,無効不成立とされた請求項及び削除された請求項に関する部分)については,「訂正を認める。」との審決部分は形式的に確定しているので,確定したことを前提として手続を進めるべきことといえる。
(2) 本件について
ア.本件についてこれを見ると,本件審決中「特許第3650796号の請求項2,5,6,11ないし13,15,16,19,21ないし23に係る発明についての審判請求は,成り立たない。」との部分については,被告(審判請求人)において取消訴訟を提起することなく出訴期間が経過し,同審決部分は形式的に確定したのであるから,これに伴って,本件審決中「訂正を認める。」との部分も,新請求項2 ,5, 6, 11ないし13, 15,16,19,21ないし23との関係では,形式的に確定した(特許法134条の2第5項において準用される同法128条参照)。なお本件訂正により,旧請求項2,3,19及び21が削除されているが,これら削除された請求項との関係でも,本件審決中「訂正を認める。」との部分は確定した。
イ.本決定の後,本件審判の手続が,新請求項1,3,4,7ないし10,14,17,18及び20に関する部分について再開され,特許法134条の3第2項の規定により指定された期間内に訂正請求がされ又は同条5項の規定により同期間の末日に訂正請求がされたものとみなされた場合,新請求項2,5,6,11ないし13,15,16,19,21ないし23並びに旧請求項2,3,19及び21との関係では,同法134条の2第4項の規定によるみなし取下げの効果は生じない。上記訂正請求中に,新請求項2,5,6,11ないし13,15,16,19,21ないし23に係る訂正を含むものがある場合には(なお,訂正審判における訂正明細書は,同請求項に係る訂正を含むものとなっている。),同請求項に係る発明についての特許に関しては,無効審判請求を不成立とする審決が確定していること(同請求項については特許無効審判の請求がされていないこと)を前提として,訂正請求の可否が審理されるべきである。
ウ.本件審決は,本件訂正における訂正事項(エ), (オ), (カ), (ク),
(ケ),(コ),(サ),(シ),(ス),(ソ),(タ),(テ),(ト),(ニ),(ネ),
(ノ),(ハ), (ヒ), (フ), (ヘ)について,「請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に,これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものであるので,明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。」(審決書13頁30行?33行)と判断しているが,ある請求項について特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正がされている場合,これを引用する請求項は,その文言自体には変更がない場合であっても,特許請求の範囲が結果として減縮されている点に留意を払うべきであるといえる。
エ.また,新請求項3に係る発明は,新請求項1を引用する発明と新請求項2を引用する発明とを含むものであるが,このうち前者の発明は,旧請求項5が引用する旧請求項4が規定する発明特定事項のうち,「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され,セレクタ・レバー(45) は,・・・上方に・・・スプリング(43,46,129)によって付勢されている」との構成を欠くものである。したがって,新請求項3及びこれを引用する新請求項に関する訂正事項は,当該構成に関する限りにおいて,実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものといわなければならない(もっとも,訂正審判における訂正明細書の請求項1では,「前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され,当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」との記載が付加されている。)。
オ.本決定により差し戻された事件について今後行われる審判においては,上記の点を考慮した審理がされるべきである。

(f)被請求人は、平成19年10月12日に特許法第134条の3第4項の規定に基づく訂正請求を行った。

3.訂正請求
(3-1)訂正の経緯及び訂正の内容
被請求人は、無効審判請求後の平成17年10月11日に訂正請求を行い、提訴後の平成19年6月11日に特許法第126条第2項の規定に基づく訂正審判第2007-390074号を請求し、審決取消の決定後の平成19年10月12日に特許法第134条の3第4項の規定に基づく訂正請求(以下「本件訂正請求」という。)を行い、特許法第134条の3第4項の規定により、平成19年6月11日に請求された訂正審判第2007-390074号は取り下げられたものとみなされた。
また、審決取消の決定で示されているとおり、平成17年10月11日に行われた訂正請求のうちの「新請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23とする訂正、及び、旧請求項2、3、19及び21を削除する訂正」は確定したので、本件訂正請求は、本件特許明細書の記載を、本件訂正請求により訂正された訂正明細書及び上記確定した訂正の内容に訂正するものであって、訂正事項は、以下(3-2)のとおりである。
以下、特許明細書の請求項を「訂正前の請求項」といい、平成17年10月11日に行われた訂正請求のうちの知的財産高等裁判所による審決取消の決定により既に訂正が確定している「新請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23とする訂正、及び、旧請求項2、3、19及び21を削除する訂正」を「確定部分」といい、本件訂正請求により訂正された訂正明細書の請求項を「訂正後の請求項」という。

(3-2)訂正事項
(ア)訂正前の請求項1において「サポート手段(1、134)」とあるのを「回転するサポート手段(1、134)」と訂正する。

(ア‐1)訂正前の請求項1において「ヤーン切替え装置(21、111)」とあるのを「ヤーン切替え装置(111)」と訂正し、「クローザ(57、122)」とあるのを「クローザ(122)」と訂正し、「オープナ(61、121)」とあるのを「オープナ(121)」と訂正する。

(イ)訂正前の請求項1において「オープナ(61、121)とクローザ(57、122)は、共通のカム・トラック(102)によって制御される逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)によって一体に結合されている」とあるのを、
(イ‐a)「各ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、 この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、 その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、 クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、」
(イ‐b)「前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、 前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、 前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、 」
(イ‐c)「カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用しているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用していないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、」
(イ‐d)「前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」と訂正する。

(ウ)訂正前の請求項2、請求項3を削除する。

(エ)訂正前の請求項4を削除して訂正後の請求項2とし、訂正後の請求項2を、
(エ‐a)「編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(21、111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(57、122)とオープナ(61、121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(61、121)とクローザ(57、122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、各ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、 この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(51、114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用しているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用していないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されている編み機であって、 」
(エ‐b)「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、セレクタ・レバー(45)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング(43、46、129)によって付勢されていることを特徴とする編み機。」と訂正する。

(オ)訂正前の請求項5を訂正後の請求項3とし、訂正前の請求項5において「請求項4に記載」とあるのを、訂正後の請求項3の「請求項1または2に記載」と訂正する。

(カ)訂正前の請求項6を訂正後の請求項4とし、訂正前の請求項6において「請求項5に記載」とあるのを、訂正後の請求項4の「請求項3に記載」と訂正する。

(キ)訂正前の請求項6において「サポート・リング(16)上に装着されている」とあるのを、訂正後の請求項4の「サポート・リング(16)上に回転可能に装着されている」と訂正する。

(ク)訂正前の請求項7を確定部分の請求項5とし、訂正前の請求項7において「請求項4乃至6のいずれか一項に記載」とあるのを、確定部分の請求項5の「請求項2乃至4のいずれか一項に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項5を訂正後の請求項5にする。

(ケ)訂正前の請求項8を確定部分の請求項6とし、訂正前の請求項8において「請求項7に記載」とあるのを、確定部分の請求項6の「請求項5に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項6を訂正後の請求項6にする。

(コ)訂正前の請求項9を訂正後の請求項7とし、訂正前の請求項9において「請求項1乃至8のいずれか一項に記載」とあるのを、訂正後の請求項7の「請求項1乃至6のいずれか一項に記載」と訂正する。

(サ)訂正前の請求項10を訂正後の請求項8とし、訂正前の請求項10において「請求項9に記載」とあるのを、訂正後の請求項8の「請求項7に記載」と訂正する。

(シ)訂正前の請求項11を訂正後の請求項9とし、訂正前の請求項11において「請求項9または10に記載」とあるのを、訂正後の請求項9の「請求項7または8に記載」と訂正する

(ス)訂正前の請求項12を訂正後の請求項10とし、訂正前の請求項12において「請求項11に記載」とあるのを、訂正後の請求項10の「請求項9に記載」と訂正する。

(セ)訂正前の請求項13を確定部分の請求項11とするとともに、確定部分の請求項11を訂正後の請求項11とする。

(ソ)訂正前の請求項14を確定部分の請求項12とし、訂正前の請求項14において「請求項13に記載」とあるのを、確定部分の請求項12の「請求項11に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項12を訂正後の請求項12にする。

(タ)訂正前の請求項15を確定部分の請求項13とし、訂正前の請求項15において「請求項13または14に記載」とあるのを、確定部分の請求項13の「請求項11または12に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項12を訂正後の請求項12にする。

(チ)訂正前の請求項16を訂正後の請求項14とする。

(ツ)訂正前の請求項16において「オープナ(61、121)とクローザ(57、122)は逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)によって連動するように一体に結合されている」とあるのを、訂正後の請求項14の
(ツ‐a)「各ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、 この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、 その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、 クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、 」
(ツ‐b)「前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、 前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、 前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、 」
(ツ‐c)「カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用しているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用していないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、 」
(ツ‐d)「前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている 」と訂正する。

(テ)訂正前の請求項17を訂正後の請求項15とし、訂正後の請求項15を、
(テ‐a)「編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(57、122)とオープナ(61、121)とを備えたものにおいて、 当該ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、 この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、 その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、 クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、 制御部材(51、114)が作用を受けているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材(51、114)が作用を受けていないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されていて、 」
(テ‐b)「ヤーン・フィンガ(22)は一アーム・レバー(39、112)上に固定され、該レバー(39、112)は長軸(37、118)にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー(45)の下端に連接されていることを特徴とするヤーン切替え装置。」と訂正する。

(ト)訂正前の請求項18を確定部分の請求項16とし、訂正前の請求項18において「請求項17に記載」とあるのを、確定部分の請求項16の「請求項15に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項16を訂正後の請求項16にする。

(ナ)訂正前の請求項19を削除する。

(ニ)訂正前の請求項20を訂正後の請求項17とし、訂正後の請求項17を、
(ニ‐a)「オープナ(61)とクローザ(57)の運動を制御する制御部材(51)は、スプリング(58)によって基準位置に付勢されており、基準位置では、制御部材(51)の上端はハウジングから上方に突出しており、そして作業位置に置かれ、 」
(ニ‐b)「逆連結メカニズム(48-54)は、制御部材(51)上のラック(49)と、およびそれと平行であってスライダ(52)上のラック(50)とかみ合うギヤホイール(48)を備え、制御部材(51)はクローザ(57)に連接され、スライダ(52)はオープナ(61)に結合されていることを特徴とする請求項15又は16記載のヤーン切替え装置。」と訂正する。

(ヌ)訂正前の請求項21を削除する。

(ネ)訂正前の請求項22を訂正後の請求項18とし、訂正前の請求項22において「請求項16乃至18あるいは請求項21のいずれか一項に記載」とあるのを、訂正後の請求項18の「請求項15又は16記載」と訂正する。

(ノ)訂正前の請求項23を確定部分の請求項19とし、訂正前の請求項23において「請求項21または22に記載」とあるのを、確定部分の請求項19の「請求項18に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項19を訂正後の請求項19にする。

(ハ)訂正前の請求項24を訂正後の請求項20とし、訂正前の請求項24において「請求項22または23に記載」とあるのを、訂正後の請求項20の「請求項18または19に記載」と訂正する。

(ヒ)訂正前の請求項25を確定部分の請求項21とし、訂正前の請求項25において「請求項18乃至24のいずれか一項に記載」とあるのを、確定部分の請求項21の「請求項16乃至20のいずれか一項に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項21において「請求項16乃至20のいずれか一項に記載」とあるのを、訂正後の請求項21の「請求項16記載」と訂正する。

(フ)訂正前の請求項26を確定部分の請求項22とし、訂正前の請求項26において「請求項16乃至25のいずれか一項に記載」とあるのを、確定部分の請求項22の「請求項14乃至21のいずれか一項に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項22を訂正後の請求項22にする。

(ヘ)訂正前の請求項27を確定部分の請求項23とし、訂正前の請求項27において「請求項26に記載」とあるのを、確定部分の請求項23の「請求項22に記載」と訂正するとともに、確定部分の請求項23を訂正後の請求項23とする。

(ホ)訂正前の発明の詳細な説明の段落番号0001で「サポート手段(1、134)」とあるのを、訂正後の段落番号0001の「回転するサポート手段(1、134)」と訂正する。

(マ)訂正前の発明の詳細な説明の段落番号0007で「サポート手段(1、134)」とあるのを、訂正後の段落番号0007の「回転するサポート手段(1、134)」と訂正する。

(ミ)訂正前の発明の詳細な説明の段落番号0007を、
「すなわち、編みツール2をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段1、134と、編みツール2を制御するためのカム・ボックス5、141と、少なくとも一つの選択されたヤーン23を編みツール2に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置111であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体65とガイド本体66をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ22を備えていて、各ガイド本体はカット要素69とクランプ要素71をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66の往復運動を実行するためのクローザ122とオープナ121を備え、前記ヤーン・フィンガ22およびオープナ121とクローザ122に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、各ヤーン切替え装置111は逆連結メカニズム114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置111から上方に突出する位置になるようにスプリング130によって付勢されヤーン切替え装置111から上方に突出している制御部材114を有し、サポート手段1と共に回転する、共通のカム・トラック102によって、当該カム・トラック102と共同作用する前記制御部材114の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック102によって制御され、クローザ122に接続されている第一の要素119と、オープナ121に接続されている第二の要素120を備えていて、オープナ121とクローザ122とを互いに連結しており、前記第一の要素119とクローザ122との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー116の一端に前記第一の要素であるピン119が取り付けられ、当該ピン119にクローザ122がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、前記第二の要素120とオープナ121との接続は、前記二アームレバー116の他端に前記第二の要素であるピン120が取り付けられ、当該ピン120にオープナ120が回転可能に装着されることによって行われ、前記制御部材114が、前記二アームレバー116にピボット運動可能に接続されていて、カム・トラック102が制御部材114に作用しているときには、制御部材114がスプリング130の張力に抗してクローザ122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック102が制御部材114に作用していないときには、スプリング130の張力によって、クローザ122と、オープナ121とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン119、第二の要素であるピン120、制御部材114と接続されており、前記ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー45はスプリング129によって上方に向けて付勢されていることを特徴とする編み機である。
また、編みツール2をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段1、134と、編みツール2を制御するためのカム・ボックス5、141と、少なくとも一つの選択されたヤーン23を編みツール2に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置21、111であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体65とガイド本体66をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ22を備えていて、各ガイド本体はカット要素69とクランプ要素71をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66の往復運動を実行するためのクローザ57、122とオープナ61、121を備え、前記ヤーン・フィンガ22およびオープナ61、121とクローザ57、122に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、各ヤーン切替え装置21、111は逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置になるようにスプリング58、130によって付勢されヤーン切替え装置21、111から上方に突出している制御部材51、114を有し、サポート手段1と共に回転する、共通のカム・トラック102によって、当該カム・トラック102と共同作用する前記制御部材51、114の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック102によって制御され、クローザ57、122に接続されている第一の要素55、119と、オープナ61、121に接続されている第二の要素52、120を備えていて、オープナ61、121とクローザ57、122とを互いに連結しており、カム・トラック102が制御部材51、114に作用しているときには、制御部材51、114がスプリング58、130の張力に抗してクローザ57、122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ61、121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック102が制御部材51、114に作用していないときには、スプリング58、130の張力によって、クローザ57、122と、オープナ61、121とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素55、119、第二の要素52、120、制御部材51、114と接続されている編み機であって、ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、セレクタ・レバー45は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング43、46、129によって付勢されていることを特徴とする編み機である。 」と訂正する。

(ム)訂正前の発明の詳細な説明の段落番号0009を、
「更に、本発明は、編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体65と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素69とクランプ要素71をもつガイド本体66とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ22と、共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66を往復動させるクローザ122とオープナ121)とを備えたものにおいて、当該ヤーン切替え装置111は逆連結メカニズム114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置111から上方に突出する位置になるようにスプリング130によって付勢されヤーン切替え装置111から上方に突出している制御部材114を有し、クローザ122に接続されている第一の要素119と、オープナ121に接続されている第二の要素120を備えていて、オープナ121とクローザ122とを互いに連結しており、前記第一の要素119とクローザ122との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー116の一端に前記第一の要素であるピン199が取り付けられ、当該ピン119にクローザ122がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、前記第二の要素120とオープナ121との接続は、前記二アームレバー116の他端に前記第二の要素であるピン120が取り付けられ、当該ピン120にオープナ121が回転可能に装着されることによって行われ、前記制御部材114が、前記二アームレバー116にピボット運動可能に接続されていて、制御部材114が作用を受けているときには、制御部材114がスプリング130の張力に抗してクローザ122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材114が作用を受けていないときには、スプリング130の張力によって、クローザ122と、オープナ121とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン119、第二の要素であるピン120、制御部材114と接続されており、前記ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー45はスプリング129によって上方に向けて付勢されていることを特徴とする編み機用のヤーン切替え装置である。
また、本発明は、編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体65と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素69とクランプ要素71をもつガイド本体66とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ22と、共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66を往復動させるクローザ57、122とオープナ61、121とを備えたものにおいて、当該ヤーン切替え装置21、111は逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置になるようにスプリング58、130によって付勢されヤーン切替え装置21、111から上方に突出している制御部材51、114を有し、クローザ57、122に接続されている第一の要素55、119と、オープナ61、121に接続されている第二の要素52、120を備えていて、オープナ61、121とクローザ57、122とを互いに連結しており、制御部材51、114が作用を受けているときには、制御部材51、114がスプリング58、130の張力に抗してクローザ57、122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ61、121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材51、114が作用を受けていないときには、スプリング58、130の張力によって、クローザ57、122と、オープナ61、121とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素55、119、第二の要素52、120、制御部材51、114と接続されていて、ヤーン・フィンガ22は一アーム・レバー39、112上に固定され、該レバー39、112は長軸37、118にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー45の下端に連接されていることを特徴とするヤーン切替え装置である。 」と訂正する。

(3-3)訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の拡張・変更の有無について以下に検討する。
訂正の目的の適否等を検討するに当たり、訂正の基準となる明細書は、特許明細書、及び、平成17年10月11日に行われた訂正請求のうちの知的財産高等裁判所による審決取消の決定により既に訂正が確定している「新請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23とする訂正、及び、旧請求項2、3、19及び21を削除する訂正」(確定部分)である。

○訂正後の請求項1ないし10、14ないし23における「第一の要素」及び「第二の要素」との記載が新規事項の追加に該当するかどうかについて検討する。
上記請求項の記載においては、「第一の要素」に(55、119)が付され、「第二の要素」に(52、120)が付されていることから、これは、この図面番号が示すものであると見るのが妥当であり、この(55、119)、(52、120)は、特許明細書(段落【0024】、【0040】、【0047】、【0053】)及び確定部分において、レバー(55)、ピン(119)、スライダ(52)、ピン(120)として記載されているので、「第一の要素(55、119)」及び「第二の要素(52、120)」は、「レバー(55)、ピン(119)」及び「スライダ(52)、ピン(120)」を、機械関係の構造部品を表現する一般的用語である「要素」に、更にいうと、これらを区別する「第一の要素(55、119)」及び「第二の要素(52、120)」に単に言い換えたにすぎない。
したがって、「第一の要素」及び「第二の要素」との記載は、新規事項の追加に該当しない。

○訂正事項(ア)について
訂正後の「回転するサポート手段(1、134)」は、特許明細書の段落番号0013、0014に記載されているので、新規事項の追加に該当せず、「回転する」との限定事項を付すものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(ア‐1)について
実施例2に対応する参照符号を残して、実施例1に対応する参照符号を削除し、実施例2に限定するものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(イ)及び(イ‐a)ないし(イ‐d)について
訂正前の請求項1、請求項2(訂正により削除)、請求項3(訂正により削除)、請求項4(訂正により削除)及び、段落番号0037ないし0053、図11ないし図18の記載及び確定部分に基いて限定的に減縮するものであるので、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(ウ)、(ナ)、(ヌ)について
確定部分における請求項の削除にあたる。

○訂正事項(エ)及び(エ‐a)ないし(エ‐b)について
訂正前の請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に、これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものである。
そして、訂正前の請求項1、請求項2(訂正により削除)、請求項3(訂正により削除)、請求項4(訂正により削除)及び、段落番号0037ないし0053、図11ないし図18の記載及び確定部分に基いて限定的に減縮するものであるので、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(オ)、(カ)、(コ)、(サ)、(シ)、(ス)、(ネ)、 (ハ)について
訂正前の請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に、これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものである。
そして、訂正後の請求項が引用する請求項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、上記訂正事項も同じく、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

○訂正事項(ク)、(ケ)、(ト)、(ノ)、(ヒ)、(フ)、(へ)について
確定部分の請求項5、6、16、19、21、22、23を訂正後の請求項5、6、16、19、21、22、23にするものである。
そして、訂正後の請求項5、6、16、19、21、22、23が引用する請求項は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、上記訂正事項も同じく、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

○訂正事項(セ)、(ソ)、(タ)について
確定部分の請求項11ないし13を訂正後の請求項11ないし13にするものである。
そして、訂正前後における技術事項が同一であるので、該訂正事項は、訂正にあたらない。

○訂正事項(キ)について
訂正後の「サポート・リング(16)上に回転可能に装着されている」は、特許明細書の段落番号0015に記載されているので、新規事項の追加に該当せず、「回転する」との限定事項を付すものであるので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(チ)及び(ツ‐a)ないし(ツ‐d)について
訂正前の請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に、これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものである。
そして、訂正前の請求項16、請求項2(訂正により削除)、請求項3(訂正により削除)、請求項4(訂正により削除)及び、段落番号0037ないし0053、図11ないし図18の記載及び確定部分に基いて限定的に減縮するものであるので、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(テ)及び(テ‐a)ないし(テ‐d)について
訂正前の請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に、これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものである。
そして、訂正前の請求項16、請求項2(訂正により削除)、請求項3(訂正により削除)、請求項17(訂正により削除)及び、段落番号0037ないし0053、図11ないし図18の記載及び確定部分に基いて限定的に減縮するものであるので、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(ニ)及び(ニ‐a)ないし(ニ‐d)について
訂正前の請求項の削除に対応して請求項の番号を訂正(繰り上げ)すると共に、これに対応して引用する請求項の番号を訂正するものである。
そして、訂正前の請求項20、請求項19(訂正により削除)の記載及び確定部分に基いて限定的に減縮するものであるので、新規事項の追加に該当せず、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではない。

○訂正事項(ホ)、(マ)、(ミ)、(ム)について
特許請求の範囲の記載の訂正に対応して、発明の詳細な説明の欄の記載を同様に訂正するものであるので、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当する。

上記からして、
・本件訂正請求により訂正された訂正明細書の請求項1ないし10、14ないし23(訂正後の請求項の請求項1ないし10、14ないし23)にする訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、実質上特許請求の範囲を拡張・変更するものではなく、
・訂正後の請求項11ないし13にする訂正は、訂正にあたらず、
・訂正明細書の発明の詳細な説明の欄における訂正は、明瞭でない記載の釈明を目的とするものに該当することから、
本件訂正事項は、特許法第134条の2第1項ただし書きに適合し、同条第5項の規定によって準用する特許法第126条第3、4項の規定に適合する。

(3-4)独立特許要件について
上記(3-3)で示したように、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23における訂正は、減縮を目的とするものに該当するので、特許法第134条の2第5項で準用する同法第126条第5項の規定により、これら訂正後における請求項に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際、独立して特許を受けることができるかであるものであるか否か、すなわち、独立特許要件について検討する。

訂正後の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明を特定する特許請求の範囲の記載は、以下のとおりである。
【請求項1】
編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(122)とオープナ(121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(121)とクローザ(122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、
各ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、
クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、
前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、
前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、
前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、
カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用しているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用していないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、
前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている
ことを特徴とする編み機。

【請求項2】 編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(21、111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(57、122)とオープナ(61、121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(61、121)とクローザ(57、122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、
各ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(51、114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、
クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、
カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用しているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用していないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されている編み機であって、
ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、セレクタ・レバー(45)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング(43、46、129)によって付勢されていることを特徴とする編み機。

【請求項3】 セレクタ・レバー(45)を選択するセレクタ装置(91)と、作業位置に置かれている選択されたセレクタ・レバー(45)に作用するカム・トラック(101、103)とを更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の編み機。

【請求項4】 編み機はニードル・シリンダ(1)を装備した丸編み機であり、セレクタ装置(91)とカム・トラック(101、102、103)はニードル・シリンダ(1)の上方に配置されたサポート・リング(16)上に回転可能に装着されていることを特徴とする請求項3に記載の編み機。

【請求項5】 ヤーン切替え装置(21、111)はその上端に、セレクタ・レバー(45)の数と同数のプリセレクタ・レバー(80)と、プリセレクタ・レバー(80)に支持されていて、選択されたセレクタ・レバー(45)をプリセレクトするためのスライド可能に装着された制御ピン(79)とを備え、プリセレクタ・レバー(80)は、制御ピン(79)の上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(82)によって付勢されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の編み機。

【請求項6】 制御ピン(79)は、制御カム(95)によってプリセレクタ・レバー(80)の方向に移動可能であり、セレクタ装置(91)は制御カム(95)に作用する制御ピン(79)の数と同数の制御マグネット(92)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の編み機。

【請求項7】 少なくとも一つのヤーンガイド(25)と共同作用するヤーン・キャッチャ(104、142)はヤーンをヤーン切替え装置に送り込む操作を制御するために設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の編み機。

【請求項8】 ヤーンガイド(25)はバー(25a)とスロット(105)をもち、ヤーン・キャッチャ(104、142)は、ヤーン(23)をバー(25a)の上方からスロット(105)に送り込むための傾斜面(107、148)を備えていることを特徴とする請求項7に記載の編み機。

【請求項9】 編み機は円形ゴム編み機であり、ニードル・シリンダ(1)と、編みツールを受け入れる溝(145)をもつダイヤル(134)とを備えており、ヤーン・キャッチャ(142)は溝(145)の一つに挿入された少なくとも一つの取付けバー(144)に固定されていることを特徴とする請求項7または8に記載の編み機。

【請求項10】 各取付けバー(144)はバット(146)を備え、該バットはダイヤル(134)の円周方向に設けられた溝内に取り付けられ、取付けバー(144)が半径方向に移動するのを防止することを特徴とする
請求項9に記載の編み機。

【請求項14】 編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(122)とオープナ(121)とを備えたものにおいて、
当該ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、
クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、
前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、
前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、
前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、
制御部材(114)が作用を受けているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材(114)が作用を受けていないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、
前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている
ことを特徴とする編み機用のヤーン切替え装置。

【請求項15】 編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(57、122)とオープナ(61、121)とを備えたものにおいて、
当該ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、
クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、
制御部材(51、114)が作用を受けているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材(51、114)が作用を受けていないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されていて、
ヤーン・フィンガ(22)は一アーム・レバー(39、112)上に固定され、該レバー(39、112)は長軸(37、118)にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー(45)の下端に連接されていることを特徴とするヤーン切替え装置。

【請求項16】 セレクタ・レバー(45)は、スプリング(46)の作用に抗してプリセレクタ・レバー(80)によって基準位置に付勢されており、プリセレクタ・レバー(80)によって解放されると、作業位置になるようにスイングされ、作業位置ではその上端がハウジングから上方に突出していることを特徴とする請求項15に記載のヤーン切替え装置。

【請求項17】 オープナ(61)とクローザ(57)の運動を制御する制御部材(51)は、スプリング(58)によって基準位置に付勢されており、基準位置では、制御部材(51)の上端はハウジングから上方に突出しており、そして作業位置に置かれ、逆連結メカニズム(48-54)は、制御部材(51)上のラック(49)と、およびそれと平行であってスライダ(52)上のラック(50)とかみ合うギヤホイール(48)を備え、制御部材(51)はクローザ(57)に連接され、スライダ(52)はオープナ(61)に結合されていることを特徴とする請求項15又は16記載のヤーン切替え装置。

【請求項18】 逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は二アーム・レバー(116)を備え、一方のアームに制御部材(114)とクローザ(122)が連接され、他方のアームにオープナ(121)が連接されていることを特徴とする請求項15又は16記載のヤーン切替え装置。

【請求項19】 制御部材(114)は横断方向に延びた駆動アーム(126)をその上端に備え、駆動アーム(126)がその基準位置においてセレクタ・レバー(45)に突き当たるようにヘリカル・スプリング(127)によって付勢されていると共に、いずれかのセレクタ・レバー(45)をその作業位置までスイングさせるとヘリカル・スプリング(127)の作用に抗して作業位置までスイングされることを特徴とする請求項18記載のヤーン切替え装置。

【請求項20】 クローザ(122)および/またはオープナ(121)は調節可能にレバー(116)に結合されていることを特徴とする請求項18または19に記載のヤーン切替え装置。

【請求項21】 プリセレクタ・レバー(80)は長軸(37、118)に直交するように配置され、前端(83)でセレクタ・レバー(45)を基準位置に保持しており、制御ピン(79)はプリセレクタ・レバー(80)に関連づけられ、その上端はハウジングから突出し、その下端はスプリングによって基準位置に付勢されたプリセレクタ・レバー(80)に当接していることを特徴とする請求項16記載のヤーン切替え装置。

【請求項22】 ヤーン・フィンガ(22)は各々が二ガイド片(86)間を横方向に案内されることを特徴とする請求項14乃至21のいずれか一項に記載のヤーン切替え装置。

【請求項23】 ガイド片(86)は各々がヤーン(23)を案内する凹部(90)を備えていることを特徴とする請求項22に記載のヤーン切替え装置。

(3-4-1)記載要件について
(a)訂正後の請求項1ないし10、14ないし23における「第一の要素」及び「第二の要素」との記載が不明確であるかどうかについて検討する。
特許明細書には、段落【0024】の「ギヤホイール48はサイド・プレート27、28を連結する別のスタッド上に回転可能に取り付けられ、2つの並列ラック49、50とかみ合っている。ラック49は、スライダの形体になった制御部材51の左側の縁に形成されており(図4)、ラック50は、スライダ52の右側の縁に形成されている(図4)。制御部材51の上端は、基準位置においてヤーン切替え装置21のハウジングから外側に上方に突出している。制御部材51、スライダ52は長軸37にほぼ平行になって移動可能になっており、このために、スタッド53、54上に適当に配置されたスロットによって案内されるようになっている。レバー55の一端は制御部材51の下端に連接され、スライダ52はその下端がアーム56に連結され、好ましくは固定されている(図4)。クローザ57はレバー55の他端に取り付けられており、レバー55とかみ合うスプリング58によって常時半径方向に外側に付勢されてストッパ59と突き当たっているが、ストッパ60に突き当たるまでスプリング58の作用に抗して半径方向に内側に時計回り方向にスイングさせることが可能である。他方、オープナ61はアーム56の下端に取り付けられ、常時長軸37にほぼ平行になっている。スプリング58は基準位置において制御部材51を最上位置(図4)に保持し、その一方、スライダ52を最下位置(図4)に保持している。さらに、部品48?54は、クローザ57とオープナ61を共通に作用させる働きをする逆連結メカニズムを構成している。」
同【0040】の「サポート・リング16がさらに回転すると、カム・トラック102は徐々に制御部材51の上端の領域に入っていくので、これはカム・トラック102の下降セクションによってクローザ57と一緒に図14に示すように押し下げられ、これと同時に、スライダ52はオープナ61と共に、逆連結メカニズム48?54を通して引き上げられる。これにより、一方では、ヤーン・フィンガ22bのガイド本体66bは、突起77bに作用するクローザ57によってフィンガ本体65bの自由端の方向に移動されるので、ヤーン23bはカットされ、クランプされる(図10も参照)。他方、ヤーン・フィンガ22aのガイド本体66aは、オープナ61のバー63がガイド本体66aの突起76aの下に突き当たることにより押し上げられるので、ヤーン23aのクランプ端は解放されることになる。ヤーン切替えはこれで終了し、ヤーン23aが編成されることになる。図12に示す位置においてクローザ57およびバー63と関連突起77b、77aとの間の間隔を適当に決めることにより、問題のヤーンをクランプし、解放するときのそれぞれの正確な時点を決定することができる。」との記載があり、これらからして、 特許明細書には、
「制御部材51にラック49が形成され、スライダ52にラック50が形成され、ギヤホイール48は2つの並列ラック49、50とかみ合い、制御部材51の下端はレバー55の一端に連接され、レバー55の他端はクローザ57に取り付けられ、スライダ52の下端はアーム56に連結され、アーム56の下端はオープナ61に取り付けられており、
カム・トラック102の下降セクションによって制御部材51がスプリング58に抗して押し下げられることで、制御部材51に連接されているレバー55およびこれに取り付けられているクローザ57も押し下げられ、
ギヤホイール48は2つの並列ラック49、50とかみ合っていることから、ラック49が形成されている制御部材51の押し下げに応じて、ラック50が形成されているスライダ52は、ギヤホイール48介して、制御部材51とは逆方向に押し上げられ、このように押し上げられることで、スライダ52に連結されているアーム56およびこれに取り付けられているオープナ61も押し上げられ、
スプリング58は基準位置において制御部材51を最上位置に保持し、その一方、スライダ52を最下位置に保持する機構」が示されており、これを「逆連結メカニズム」ということができる。
ここで、上記より、「逆連結メカニズム」における「レバー55」及び「スライダ52」の具体的構成は明確であり、そして、この「レバー55」及び「スライダ52」を、機械関係の構造部品を表現する一般的用語である「要素」、及び、2つの「要素」を区別する「第一の要素」及び「第二の要素」という表現を用いて、「第一の要素(レバー55)」及び「第二の要素(スライダ52)」にいい換えることができ、そうである以上、「第一の要素55」及び「第二の要素52」は、特許明細書に明確に記載されているといえる。
よって、「第一の要素」及び「第二の要素」との記載が不明確であるとはいえないので、これが特許法第36条第6項1号、2号の規定に違反しているとはいえない。

(b)訂正後の請求項1ないし10、14ないし23における「逆連結メカニズム」との記載が不明確であるかどうかについて検討する。
口頭審理において、被請求人は、「逆連結メカニズムは、複数、二つのものが互いに、物理的に逆方向に作動するように機械的に連結された機構を意味することが当然である」と陳述したが、これは、特許明細書の記載全体からすると、「逆連結メカニズムは、クローザ57とオープナ61が互いに、物理的に逆方向に作動するように機械的に連結された機構」であると見るのが妥当である。
そして、上記(a)で検討したように、特許明細書には、
「制御部材51にラック49が形成され、スライダ52にラック50が形成され、ギヤホイール48は2つの並列ラック49、50とかみ合い、制御部材51の下端はレバー55の一端に連接され、レバー55の他端はクローザ57に取り付けられ、スライダ52の下端はアーム56に連結され、アーム56の下端はオープナ61に取り付けられており、
カム・トラック102の下降セクションによって制御部材51がスプリング58に抗して押し下げられることで、制御部材51に連接されているレバー55およびこれに取り付けられているクローザ57も押し下げられ、
ギヤホイール48は2つの並列ラック49、50とかみ合っていることから、ラック49が形成されている制御部材51の押し下げに応じて、ラック50が形成されているスライダ52は、ギヤホイール48介して、制御部材51とは逆方向に押し上げられ、このように押し上げられることで、スライダ52に連結されているアーム56およびこれに取り付けられているオープナ61も押し上げられ、
スプリング58は基準位置において制御部材51を最上位置に保持し、その一方、スライダ52を最下位置に保持する機構」が示されており、これを「逆連結メカニズム」ということできる。
ここで、上記より、「クローザ57とオープナ61が互いに、物理的に逆方向に作動するように機械的に連結された逆連結メカニズム」の具体的構成は明確であり、そうである以上、「逆連結メカニズム」は、特許明細書に明確に記載されているといえる。

なお、口頭審理において、請求人は、「逆連結メカニズムが被請求人の陳述する機構以外のものまで包含するというのであれば、それは、記載がいわゆる外延不明であり、サポート要件を欠くので、記載は不備である」、つまり、「逆連結メカニズムが被請求人の陳述する機構に限定されるのであれば、記載不備はない」旨の主張を行っていることから、「逆連結メカニズム」が被請求人の陳述する機構に限定される以上、記載不備があるとはいえない。
さらに、「逆連結メカニズム」が被請求人の陳述する機構に限定されるならば、これは、「逆連結メカニズム」を構成する各単語(「逆」、「連結」、「メカニズム」)それぞれの一般的な意味を組み合わせた「一般的な意味」、つまり、この用語だけで意味が想起されるものでしかないことから、特許明細書及び図面にこれの「意味」が明記されているかどうかに関わらず明らかであって、記載不備があるとはいえない。

よって、「逆連結メカニズム」との記載が不明確であるとはいえないので、特許法第36条第6項1号、2号の規定に違反しているとはいえない。

(c)さらに別の記載不備を発見しない。

上記(a)ないし(c)より、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23の記載は、記載要件を満たすものであり、特許法第36条第6項1号、2号の規定に違反しているとはいえない。

(3-4-2)進歩性について
訂正後の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明が進歩性を有しているかどうかについて検討する。
(3-4-2-1)各甲号証の記載事項
甲第1号証 特開昭54-160846
甲第2号証 特開平1-207447
甲第3号証 特公昭52-14780
甲第4号証 イギリス公開特許第2188336号

○甲第1号証
(a)公報第3頁左下欄第5行から同右下欄第1行の「しかし第2レバー33は本体19との間に張設された第3引張ばね37により常に下向きに付勢されていて、そのため前記L形の第1レバー26と前記回転板28との係止が解除されたときには第2レバー33が下降し、それに伴なって回転板28が反時計方向に旋回する。このときの旋回角度は第2レバー33の長穴36の長さにより60°に設定されている。38は前記第2レバー33の真下の位置にあって垂直方向に摺動可能に前記枠体9に取付けられた作動棒で、4組に共通であり、前記シリンダ5の回転に伴なって回わるカム装置(図示せず)によりシリンダと同期して一定時間間隔にて上下動させられる。そして4組のうち指令によりソレゾイドが働らいて下降している第2レバー33のみを上昇させて給糸切換を行なわせる。」
(b)公報第6頁右上欄第1から19行の「本実施形態では4組の給糸切換機構を併置して少なくとも一組の給糸切換機構はフィンガを上昇端位置に置いて編成に加わっていない糸を把持させた状態となし、他の少なくとも1組の給糸切換機構はフィンガを下降端位置に待機させた状態となす。そして指令により上昇端位置のフィンガを下降させて、今まで編成に加わっていなかった新しい糸をダイヤル針に供給し、タイミングをもたせて今まで下降端位置に待機していたフィンガを上昇させて編成中の旧い糸を切断把持することにより新旧糸の供給の切換を行なはせるものである。
以上詳述したように本発明ではフィンガをフィーダ及びダイヤル針と干渉しないうかいした経路を通って昇降させる動作と糸の把持・切断の動作をカム溝を有するレバー及び作動用のレバー回動機構を組合わせて一連の動作として行なはせるようになしたので機構が簡単で確実に給糸切換を行なうことができる。」

○甲第2号証
(c)公報第4頁左上欄末行から同左下欄9行の「第1図の全般図において、縞付機構2が丸編機に装着されているのが分かる。糸切換システムを形成する部材の大部分はこの縞付機構2内に含まれ、かつこれら部材に関する詳細については後述する。
針シリンダ4は第1図の下方部に示され、図から針6を収容している溝および他の部品が見られ、これらについては本発明を理解する上では不必要であるからその説明は行わない、シンカ8は前記針と係合し、さらに針用のカム部10とカム12、およびシンカ8用のカム部14とカム16も見られる。
カム部14は支持部18上に支持され、該支持部18はブラケット20上に取りつけられている。カム部10は支持部22によって保持され、支持部22は前記ブラケット20を支持している柱体24用の基台として使用される。
柱体24はその上端においてリング26を支持し、このリングには縞付機構2がリング26および縞付機構の適切な形態を利用してボルト28によって取りつけられている。リング26上には針シリンダ4と同一速度で回転軸線(不図示で第1図の左方に配置されている)まわりに回転するため機械の運動チエン(不図示)によって駆動される回転リング30が取りつけられている。
以下選択ボックス32(第8図)と称するボックスがリング30上に取りつけられている。リング30は、3つの軸方向カム38、40、42と同時に第1半径方向カム34および第2半径方向カム36を支持する。第2半径方向カム36は中間支持リング37によって支持されている。」
(d)公報第4頁右下欄第10行から同第5頁右上欄第16行の「少くとも2つが必要である糸道ロッド64はこのシステムにおいて極めて重要である。各糸道ロッド64(第2図および第3図)は一般に鉤形の切込み66を有しかつこれらのロッドは機械の回転軸線から離れた第1位置64aと前記軸線に向った位置64b間で回転可能であり(第1図)、対応するロッド64を前記第1位置に押動する第1ばね68(第4図および第5図)が配設されている。各ロッド64は2つの案内板56間に配置されている。
各糸道64は支持部材70と組合わされ、該支持部材は、糸を保持する把持部材72および糸を切断する剪断部材74に取りつけられている。この取付は、たとえば支持部材70の窓78を貫通する各前記部材が有するタブ76によって実施される。
支持部材70は部材72および74とともに第1の下方位置(第4図の70a)と第2の上方位置(第5図の70b)との間でロッド(このロッドにしっくり取りつけられている)に沿って滑動される。前記第1の位置において把持部材72はロッド本体64に糸を保持し、第2の上方位置においては糸は把持部材から自由は離れている。
切込み66が切込み刃80に設けられ、この刃は支持部材70が剪断部材74とともに前記第2位置から前記第1位置に動くとき糸を切断する。
各支持部材70は、前記第1位置に向って下方へ押動される第1装置および前記第2位置に向って上方へ押動される第2装置を具備している。簡単な一実施例において、これらの第1および第2装置は、上方横断表面88および下方横断表面90をそれぞれもつ各フィン84および86によって形成されている。
各糸道ロッド64は別のレバー94に回転自在に結合されたレバー92に取りつけられかつ別のレバー94はさらに端部98をもつ最後の回転レバー96に取りつけられている。
縞付機構2の頂部には各糸道ロッド64に対してスライド部材100が配設されている。各スライド部材100は、押ボタン105およびばね107が存在するためスライド部材100と底部104との間に通常空所を含んで溝穴102内に収容されている。別のボタンとスライド部材の前下方部分と係合する別のばね(不図示)が配設されることが好適で、それによりスライド部材は後述するセレクタおよびカムに対して適切に可動される。
スライド部材100は引込位置(第4図)および伸延位置(第5図)間で滑動される。第3または初期位置については後述する。」
(e)公報第5頁左下欄第17行から同第6頁左上欄第18行の「スライド部材100は、第2ばね107の力に抗して溝穴102の底部104に押入れられる後尾部分108をさらに有していることが分かる(第6.7および8図)、同様に、後方係合表面110、上方保合表面112および前方係合表面114が設けられている。さらに、各スライド部材100は上方当接部116を有し、ここにおいて種々のスライド部材の各当接部116は互いに偏位されている。さらに、設けられたセレクタと同数の当接部116を有し、すなわちスライド部材100およびセレクタは対応して当接部116と偏位されている。
他の特許および出願人の特許出願に既述したように、前記セレクタ118は不作用引込位置または作用伸延位置をとることができる。セレクタはセレクタが作用位置にあるとき対応する当接部116と係合する傾斜表面を有しかつ僅かの作動力を用いて当接部116は端部98と凹所106との間の間隙に相当する第1距離(初期位置110と第6図の引込位置間の部分)にわたって進行される。セレクタ118の継続前進運動は当接部116をセレクタの頭部122の前方に位置させ、これによってその不作用位置にもたらされ、この位置において、プログラム可能な磁気要素が付勢されるか除勢されるかによってその位置を保つか保たない。
上述の説明から、糸道ロッド64の回転運動の選択は容易に理解できる。 選択が起こると、すなわち糸道ロッドが回転されるとき、対応するセレクタ118はその作用位置に移動してスライド部材100の上方当接部116と係合する。これにより、スライド部材100はその初期位置から離れ動き前記第1距離にわたって滑動し、よって上方係合表面112は第1軸方向カム38の到達範囲から外れる。
したがって後尾部分108は溝穴内には押下げられず、その結果、後方表面(位置110aにおいて)第1半径方向カム34と係合されかつスライド部材はその伸延位置に向けて押され、これによりその凹所106は最後の回転レバー96の端部98と係合し、レバー92および94は動かされて糸道ロッド64は回転する。そののち、第2半径方向カム36は前方係合表面114と係合してスライド部材100を後方表面が第9図の位置110にあるその初期位置に戻す。」
(f)公報第6頁右上欄第12行から同第7頁左上欄第17行の「このシステムはまた、前記支持部材70を前記第1の下方位置にとらせる閉じ機構を具備している。
前記閉じ位置は、閉じレバー126に回転可能に結合された第1回転アーム124を含む、レバー126は2つの方法で移動し、第1には第10図に示された第1引込位置から第9図に示された第2伸延位置に滑動される。
第3ばね128がアーム124と係合して閉じレバーを第1引込位置に押動する。
第2には、閉じレバー126は作用位置と不図示の不作用位置間で回転する。第4ばね130がこのレバーを前記不作用位置に押動し、この位置においてレバーは滑動しても支持部材70と係合しない。
この状態は第15図に示されており、ここにおいてレバー126の下方端は支持部材70のフィンを含まない平面内に配向されているのが見られる。レバー126は何れかの糸道ロッドが回転軸線に向ってその第2位置に回転されるとき作用位置に動かされる。この運動はレバー94の尖端131によって起こされる。糸道ロッド64が軸線から離れたその第1位置にあるとき(第4図)、対応する尖端131は揺動アーム133から離されている。これに反し、ロッド64の1つが軸線に向ったその第1位置にあるとき(第9図および第10図)、レバー94の対応する尖端131は揺動アーム133と係合し、この揺動アームはさらに閉じレバー126をその作用位置に押動する。
閉じレバー126は、刃134をもち、この刃はレバー126が前記作用位置にありかつその第2伸延位置に向って滑動されるとき、支持部材70の前記第1装置、すなわち上方横断表面と係合する。よって前記支持部材はその下方位置(第9図)に動かされ、それにより、明らかに把持部材および剪断部材も下降され;既述のように、把持部材は任意の糸をロッドロ4上に保持しかつ剪断部材はこの糸を切断する。閉じレバー126は第1押動部材136によって第2の伸延位置から動かされ第1押動部材136はさらに第2軸方向カム40によって動かされる。
開き機構について述べる。この機構は確動内側縁部144をもつ窓142を有する開きレバー140に回転可能に結合された第2回転アーム138を具備している。
レバー140は高位置(第9図)と、第2回転アーム138と係合している第5ばね146によって押動された低位置(第10図)間で移動できる。
糸路ロフト64が回転軸線に向けられるとき、開きレバー140のその高位置への滑り運動は確動内側縁144をフィン86の下方横断表面90と係合させ、これにより支持部材70は把持部材72とともに上昇し、これによって保持されている糸を解放する。
開きレバー140の滑り運動は第3軸方向カムと係合された第2押動部材148によって制御される。
糸50の送出について、その作用はつぎのとおりである。編まれる糸50aを含む糸道ロッド64は、回転軸線に向かったその第2位置(第11図)に回転される。よって、糸50aは移動カム48の到達範囲内に占位され、糸50aはカム48の輪郭150上を滑動し、そこから凹所60内に挿入されるまで対応する案内板56の下方輪郭58に滑動する。移動カム48は共通糸道52に挿入されて共通糸道と給送糸道62間に延ばされ、それによって糸が糸道ロッド64から外されてしまうまで糸を引き続ける。この位置において、糸は針6の頭部の運動範囲内に占位するので、針が糸50aを把捉し、既に編成されている糸50bとともに編み始める。糸50aと糸50bは第13図においては部分的に重されている。」
上記(c)から(f)および各図面より、甲第2号証には、
「針6をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転する針シリンダ4と、針6を制御するためのカム部10と、少なくとも一つの選択された糸を針6に供給するための少なくとも一つの縞付機構であって、各縞付機構は第1位置と第2位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着された糸路ロッド64と支持部材70をもつ少なくとも二つの『支持部材70と糸路ロッド64をもつもの』を備えていて、各支持部材70は剪断部材74と把持部材72をもち、さらに、各縞付機構は共にすべての『支持部材70とロッド64をもつもの』に共通して支持部材70の往復運動を実行するための閉じレバー126と開きレバー140を備え、前記『支持部材70と糸路ロッド64をもつもの』及び開きレバー140と閉じレバー126に作用して糸切替えを行うための手段とを備えた編み機において、
各縞付機構は駆動機構を備えており、
この駆動する駆動機構は、その上端が縞付機構から上方に突出する位置になるように『閉じレバー126を第1位置に付勢する第3バネ128、開きレバー140を第1位置に付勢する第5バネ146』によって付勢され縞付機構から上方に突出している『第1押動部材136、第2押動部材148』を有し、針シリンダ4と共に回転する、『第2軸方向カム40、第3軸方向カム42』よって、当該『第2軸方向カム40、第3軸方向カム42』と共同作用する前記『第1押動部材136、第2押動部材148』の制御下に置かれていることによって前記『第2軸方向カム40、第3軸方向カム42』によって制御され、
閉じレバー126に接続されている第1回転アーム124と、開きレバー140に接続されている第2回転アーム138を備えていて、開きレバー140と閉じレバー126とを互いに連結しており、
『第2軸方向カム40、第3軸方向カム42』が『第1押動部材136、第2押動部材148』に作用しているときには、『第1押動部材136、第2押動部材148』が『閉じレバー126を第1位置に付勢する第3バネ128、開きレバー140を第1位置に付勢する第5バネ146』の伸力に抗して閉じレバー126を、糸をカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、開きレバー140を、糸を解放する位置に移動させ、『第2軸方向カム40、第3軸方向カム42』が『第1押動部材136、第2押動部材148』に作用していないときには、『閉じレバー126を第1位置に付勢する第3バネ128、開きレバー140を第1位置に付勢する第5バネ146』の力によって、閉じレバー126と、開きレバー140とがそれぞれの第1位置に移動するように、前記の第1回転アーム124、第2回転アーム138、『第1押動部材136、第2押動部材148』と接続されていることを特徴とする編み機。」が開示されているものと認める。

○甲第3号証
(g)公報第2頁 段落4第38から40行の「糸案内板2には、第2図に示す如く、糸ガイド1の後側の隅で終る傾いた糸案内用みぞ3が形成されている。」
(h)公報第3頁 段落6第12から14行の「セグメント28の案内面29とダイヤル6の外周とで機械の回転の反対方向に漸減するジヨウゴ形の空間30が形成されている。」
(i)公報第3頁 段落6第41行から同第4頁 段落7第13行の「給糸装置27には、セグメント28と大略直角に下方に延びるベース35又は35’が形成されており、このベースで針筒10に固定されるようになっている。 ...... 給糸装置27をダイヤル6に固定して、セグメント28が上針編成曲線のすぐそばにのぞむようにしてもよいことはもちろんである。上記給糸装置27をダイヤル6に固定した構造は第2図に示されているとおりである。」

○甲第4号証
(j)公報P.2 L.2-9の「Movement of each of the rods 12 between its restraining and release positions is brought about by a rack-and-pinion arrangement provided for each rod, in which a toothed portion 28 of the rod 12 engages with one of four pinions 30, 32. The pinions are each driven by engagement by toothed portions of separate pins 34, 36, 38, 40 also arranged for sliding movement in the housing.」 (拘束位置と解放位置の間における各ロッド12の移動は、各ロッドに設けられたラック・アンド・ピニオン配置によってもたらされる。この配置では、ロッド12の歯部分28が4個のピニオン30、32の一つと係合する。各ピニオンは、ハウジング内を摺動する異なったピン34,36,38,40の歯部分との係合によって駆動される。)
(k)公報P.2 L.2-9の「Movement of each of the rods 12 between its restraining and release positions is brought about by a rack-and-pinion arrangement provided for each rod, in which a toothed portion 28 of the rod 12 engages with one of four pinions 30, 32. The pinions are each driven by engagement by toothed portions of separate pins 34, 36, 38, 40 also arranged for sliding movement in the housing. 」(拘束位置と解放位置の間における各ロッド12の移動は、各ロッドに設けられたラック・アンド・ピニオン配置によってもたらされる。この配置では、ロッド12の歯部分28が4個のピニオン30、32の一つと係合する。各ピニオンは、ハウジング内を摺動する異なったピン34,36,38,40の歯部分との係合によって駆動される。)

(3-4-2-2)対比・判断
○訂正後の請求項1に係る発明について
訂正後の請求項1に係る発明は、「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」を発明特定事項として包含するものである。
ここで、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると認められるが、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」は、上方に付勢されるものであるのに対して、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、FIG.4において示されている第1の位置(基準位置)とFIG5において示されている第2の位置(作業位置)のいずれにおいても、横方向に付勢されていて、上方に付勢されるものではない、つまり、甲第2号証には、請求後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)は上方に向けて付勢されている」が開示されているとはいい難い。
また、甲第1号証記載の発明における「レバー33」は、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると見ることもできるものの、訂正後の請求項1に係る発明の「編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(122)とオープナ(121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(121)とクローザ(122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機」を前提に構成されたものではない、つまり、甲第1号証には、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
さらに、甲第3、4号証記載の発明において、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応するものを見出すことが困難である、つまり、甲第3、4号証には、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
つまり、訂正後の請求項1の発明特定事項である「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」は、甲第1乃至4号証に開示されておらず、また、本件出願前周知の事項であるとも認められない。
したがって、訂正後の請求項1に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

○訂正後の請求項2に係る発明について
訂正後の請求項2に係る発明は、「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、セレクタ・レバー(45)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング(43、46、129)によって付勢されている」を発明特定事項として包含するものである。
ここで、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、訂正後の請求項1に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると認められるが、訂正後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」は、上方に突出する位置である作業位置になるように上方に付勢されるものであるのに対して、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、FIG.4において示されている第1の位置(基準位置)とFIG5において示されている第2の位置(作業位置)のいずれにおいても、横方向に付勢されていて、上方に突出する位置である作業位置になるように上方に付勢されるものではない、つまり、甲第2号証には、請求後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)は上方に突出する位置である作業位置になるように上方に向けて付勢されている」が開示されているとはいい難い。
また、甲第1号証記載の発明における「レバー33」は、訂正後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると見ることもできるものの、訂正後の請求項2に係る発明の「編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(21、111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(57、122)とオープナ(61、121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(61、121)とクローザ(57、122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機」を前提に構成されたものではない、つまり、甲第1号証には、訂正後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
さらに、甲第3、4号証記載の発明において、訂正後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応するものを見出すことが困難である、つまり、甲第3、4号証には、訂正後の請求項2に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
つまり、訂正後の請求項2の発明特定事項である「ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、セレクタ・レバー(45)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング(43、46、129)によって付勢されている」は、甲第1乃至4号証に開示されておらず、また、本件出願前周知の事項であるとも認められない。
したがって、訂正後の請求項2に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

○訂正後の請求項3ないし10に係る発明について
訂正後の請求項3ないし10は、訂正後の請求項1または請求項2を直接的・間接的に引用するものであることから、訂正後の請求項3ないし10に係る発明は、訂正後の請求項1、2に係る発明と同様に、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

○訂正後の請求項14に係る発明について
訂正後の請求項14に係る発明は、「前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」を発明特定事項として包含するものである。
ここで、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると認められるが、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」は、上方に付勢されるものであるのに対して、甲第2号証記載の発明の「回転レバー96」は、FIG.4において示されている第1の位置(基準位置)とFIG5において示されている第2の位置(作業位置)のいずれにおいても、横方向に付勢されていて、上方に付勢されるものではない、つまり、甲第2号証には、請求後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)は上方に向けて付勢されている」が開示されているとはいい難い。
また、甲第1号証記載の発明における「レバー33」は、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応していると見ることもできるものの、訂正後の請求項14に係る発明の「編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(122)とオープナ(121)とを備えた編み機」を前提に構成されたものではない、つまり、甲第1号証には、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
さらに、甲第3、4号証記載の発明において、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」に対応するものを見出すことが困難である、つまり、甲第3、4号証には、訂正後の請求項14に係る発明の「セレクタ・レバー(45)」が開示されているとはいい難い。
つまり、訂正後の請求項14の発明特定事項である「前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている」は、甲第1乃至4号証に開示されておらず、また、本件出願前周知の事項であるとも認められない。
したがって、訂正後の請求項14に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

○訂正後の請求項15に係る発明について
訂正後の請求項15に係る発明は、「ヤーン・フィンガ(22)は一アーム・レバー(39、112)上に固定され、該レバー(39、112)は長軸(37、118)にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー(45)の下端に連接されている」を発明特定事項として包含するものである。
そして、該事項は、甲第1乃至4号証に開示されておらず、また、本件出願前周知の事項であるとも認められない。
したがって、訂正後の請求項15に係る発明は、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

○訂正後の請求項16ないし23に係る発明について
訂正後の請求項16ないし23は、訂正後の請求項14または請求項15を直接的・間接的に引用するものであることから、訂正後の請求項16ないし23に係る発明は、訂正後の請求項14、15に係る発明と同様に、甲第1ないし4号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできない。

上記より、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明とすることはできない。

(3-4-3)まとめ
上記「3.(3-4-1」及び「3.(3-4-2)」より、本件訂正請求により訂正された訂正明細書の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであることから、本件訂正事項は、特許法第134条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合する。

(3-5)訂正の可否
上記「3.(3-3)」及び「3.(3-4)」より、本件訂正事項は、適法なものであるので、本件訂正を認める。

4.請求人の主張(概要)
請求人は、平成17年5月16日付け審判請求書及び平成18年7月6日付け口頭審理陳述要領書において、以下の主張を行っている。
(4-1)記載不備について
(a)「第一の要素」及び「第二の要素」について
平成17年10月11日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の請求項1、14に記載された「第一の要素」及び「第二の要素」は、特許明細書及び図面において明確に記載されていないので、特許法第36条第6項第1、2号の規定に違反する。
(b)「逆連結メカニズム」について
平成17年10月11日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の請求項1?23に直接的又は間接的に記載された「逆連結メカニズム」は、明細書及び図面において明確に記載されていないので、特許法第36条第6項第1、2号の規定に違反する。

(4-2)進歩性について
平成17年10月11日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の請求項1?4、7?10、14、17、18及び20に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明できたものであるので、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができないものである。

5.被請求人の主張(概要)
被請求人は、明細書及び図面に記載不備はなく、さらに、各請求項に係る発明は進歩性を有するものであって、無効とされるものではないとの主張を行っている。

6.当審による検討・判断
(6-1)検討の前提
知的財産高等裁判所による審決取消の決定により、平成17年10月11日に行われた訂正請求のうちの「新請求項2、5、6、11ないし13、15、16、19、21ないし23とする訂正、及び、旧請求項2、3、19及び21を削除する訂正」は確定した。
そして、上記の新請求項1ないし23のうちの新請求項11ないし13については、確定した上で訂正がなされることなく、本件訂正請求により訂正された訂正明細書の請求項11ないし13(訂正後の請求項11ないし13)になっていることから、これらの請求項については、無効理由についての検討を行う必要はない。
ところで、請求人は、本件訂正請求により訂正された訂正明細書に対して何らの主張を行っていないことから、平成17年5月16日付け審判請求書及び平成18年7月6日付け口頭審理陳述要領書における請求人の主張を、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23にあてはめて、無効理由についての検討を行うこととする。
ただし、平成17年10月11日付け訂正請求書に添付した訂正明細書の請求項1ないし10、14ないし23と、訂正後の請求項1ないし10、13ないし23との対応関係が複雑であることから、上記独立特許要件についての検討を踏まえて、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23のすべてについて、無効理由の検討を行うこととする。

(6-2)記載要件について
上記「3.(3-4-1)」での検討と同様に、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23の記載は、記載要件を満たすものであり、特許法第36条第6項1号、2号の規定に違反しているとはいえないので、請求人の主張を採用することはできない。

(6-3)進歩性について
上記「3.(3-4-2)」での検討と同様に、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明は、甲第1号証ないし甲第4号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることはできず、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない発明とすることはできないので、請求人の主張を採用することはできない。

(6-4)まとめ
上記「6.(6-2)」及び「6.(6-3)」より、請求人の主張する理由及び提出した証拠方法によっては、訂正後の請求項1ないし10、14ないし23に係る発明についての特許を無効にすることはできないし、さらにそれら特許を無効とすべき理由を発見しない。

7.むすび
以上のとおりであるので、本件請求項1ないし23に係る発明についての特許を無効にすることはできない。
さらに、それら特許を無効とすべき理由を発見しない。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する
民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
編み機及びヤーン切り替え装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(122)とオープナ(121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(121)とクローザ(122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、
各ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、
クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、
前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、
前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、
前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、
カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用しているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(114)に作用していないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、
前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている
ことを特徴とする編み機。
【請求項2】
編みツール(2)をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段(1、134)と、編みツール(2)を制御するためのカム・ボックス(5、141)と、少なくとも一つの選択されたヤーン(23)を編みツール(2)に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置(21、111)であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体(65)とガイド本体(66)をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)を備えていて、各ガイド本体はカット要素(69)とクランプ要素(71)をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)の往復運動を実行するためのクローザ(57、122)とオープナ(61、121)を備え、前記ヤーン・フィンガ(22)およびオープナ(61、121)とクローザ(57、122)に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、
各ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、サポート手段(1)と共に回転する、共通のカム・トラック(102)によって、当該カム・トラック(102)と共同作用する前記制御部材(51、114)の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック(102)によって制御され、
クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、
カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用しているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック(102)が制御部材(51、114)に作用していないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されている編み機であって、
ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、セレクタ・レバー(45)は、その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング(43、46、129)によって付勢されていることを特徴とする編み機。
【請求項3】
セレクタ・レバー(45)を選択するセレクタ装置(91)と、作業位置に置かれている選択されたセレクタ・レバー(45)に作用するカム・トラック(101、103)とを更に備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の編み機。
【請求項4】
編み機はニードル・シリンダ(1)を装備した丸編み機であり、セレクタ装置(91)とカム・トラック(101、102、103)はニードル・シリンダ(1)の上方に配置されたサポート・リング(16)上に回転可能に装着されていることを特徴とする請求項3に記載の編み機。
【請求項5】
ヤーン切替え装置(21、111)はその上端に、セレクタ・レバー(45)の数と同数のプリセレクタ・レバー(80)と、プリセレクタ・レバー(80)に支持されていて、選択されたセレクタ・レバー(45)をプリセレクトするためのスライド可能に装着された制御ピン(79)とを備え、プリセレクタ・レバー(80)は、制御ピン(79)の上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(82)によって付勢されていることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の編み機。
【請求項6】
制御ピン(79)は、制御カム(95)によってプリセレクタ・レバー(80)の方向に移動可能であり、セレクタ装置(91)は制御カム(95)に作用する制御ピン(79)の数と同数の制御マグネット(92)を備えていることを特徴とする請求項5に記載の編み機。
【請求項7】
少なくとも一つのヤーンガイド(25)と共同作用するヤーン・キャッチャ(104、142)はヤーンをヤーン切替え装置に送り込む操作を制御するために設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の編み機。
【請求項8】
ヤーンガイド(25)はバー(25a)とスロット(105)をもち、ヤーン・キャッチャ(104、142)は、ヤーン(23)をバー(25a)の上方からスロット(105)に送り込むための傾斜面(107、148)を備えていることを特徴とする請求項7に記載の編み機。
【請求項9】
編み機は円形ゴム編み機であり、ニードル・シリンダ(1)と、編みツールを受け入れる溝(145)をもつダイヤル(134)とを備えており、ヤーン・キャッチャ(142)は溝(145)の一つに挿入された少なくとも一つの取付けバー(144)に固定されていることを特徴とする請求項7または8に記載の編み機。
【請求項10】
各取付けバー(144)はバット(146)を備え、該バットはダイヤル(134)の円周方向に設けられた溝内に取り付けられ、取付けバー(144)が半径方向に移動するのを防止することを特徴とする請求項9に記載の編み機。
【請求項11】
ニードル・シリンダ(1)と編みツール(2)を移動可能に受け入れるダイヤル(134)と、ダイヤル(134)の上方に配置されたダイヤル・カム・ボックス(141)のサポート(135)と、該サポート(135)の上方に配置されたダイヤル・ドライバ(136、137、138)と、少なくとも一つのヤーン切替え装置(21、111)と、ヤーン切替え装置(21、111)のセレクタ装置(91)と、ヤーン切替え装置(21、111)の制御部材(45、51、114)に作用するカム・トラック(101、102、103)とを備えた丸編み機において、ヤーン切替え装置(21、111)を取り付けるための別のサポート(14)と、その上方には、それに対して相対的に回転可能でセレクタ装置(91)を取り付けるためのサポート・リング(16)が、サポート(135)とダイヤル・カム・ボックス(141)との間に、配置されていることを特徴とする丸編み機。
【請求項12】
ヤーン・キャッチャ(104、142)はヤーン切替え装置(21、111)と関連づけられていて、少なくとも1つの取付けバー(144)に固定され、該取付けバーは編みツールにではなく、そのために用意されたダイヤル(134)の溝(145)内に取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の丸編み機。
【請求項13】
カム・トラック(101、102、103)はサポート・リング(16)に取り付けられていることを特徴とする請求項11または12に記載の丸編み機。
【請求項14】
編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(122)とオープナ(121)とを備えたものにおいて、
当該ヤーン切替え装置(111)は逆連結メカニズム(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(130)によって付勢されヤーン切替え装置(111)から上方に突出している制御部材(114)を有し、
クローザ(122)に接続されている第一の要素(119)と、オープナ(121)に接続されている第二の要素(120)を備えていて、オープナ(121)とクローザ(122)とを互いに連結しており、
前記第一の要素(119)とクローザ(122)との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー(116)の一端に前記第一の要素であるピン(119)が取り付けられ、当該ピン(119)にクローザ(122)がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、
前記第二の要素(120)とオープナ(121)との接続は、前記二アームレバー(116)の他端に前記第二の要素であるピン(120)が取り付けられ、当該ピン(120)にオープナ(121)が回転可能に装着されることによって行われ、
前記制御部材(114)が、前記二アームレバー(116)にピボット運動可能に接続されていて、
制御部材(114)が作用を受けているときには、制御部材(114)がスプリング(130)の張力に抗してクローザ(122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材(114)が作用を受けていないときには、スプリング(130)の張力によって、クローザ(122)と、オープナ(121)とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン(119)、第二の要素であるピン(120)、制御部材(114)と接続されており、
前記ヤーン・フィンガ(22)は各々がセレクタ・レバー(45)と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー(45)はスプリング(129)によって上方に向けて付勢されている
ことを特徴とする編み機用のヤーン切替え装置。
【請求項15】
編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体(65)と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素(69)とクランプ要素(71)をもつガイド本体(66)とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ(22)と、共にすべてのヤーン・フィンガ(22)に共通してガイド本体(66)を往復動させるクローザ(57、122)とオープナ(61、121)とを備えたものにおいて、
当該ヤーン切替え装置(21、111)は逆連結メカニズム(48-54)、(114-117及び119-120)を備えており、
この逆連結メカニズム(48-54、114-117及び119-120)は、
その上端がヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出する位置になるようにスプリング(58、130)によって付勢されヤーン切替え装置(21、111)から上方に突出している制御部材(51、114)を有し、
クローザ(57、122)に接続されている第一の要素(55、119)と、オープナ(61、121)に接続されている第二の要素(52、120)を備えていて、オープナ(61、121)とクローザ(57、122)とを互いに連結しており、
制御部材(51、114)が作用を受けているときには、制御部材(51、114)がスプリング(58、130)の張力に抗してクローザ(57、122)を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ(61、121)を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材(51、114)が作用を受けていないときには、スプリング(58、130)の張力によって、クローザ(57、122)と、オープナ(61、121)とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素(55、119)、第二の要素(52、120)、制御部材(51、114)と接続されていて、
ヤーン・フィンガ(22)は一アーム・レバー(39、112)上に固定され、該レバー(39、112)は長軸(37、118)にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー(45)の下端に連接されていることを特徴とするヤーン切替え装置。
【請求項16】
セレクタ・レバー(45)は、スプリング(46)の作用に抗してプリセレクタ・レバー(80)によって基準位置に付勢されており、プリセレクタ・レバー(80)によって解放されると、作業位置になるようにスイングされ、作業位置ではその上端がハウジングから上方に突出していることを特徴とする請求項15に記載のヤーン切替え装置。
【請求項17】
オープナ(61)とクローザ(57)の運動を制御する制御部材(51)は、スプリング(58)によって基準位置に付勢されており、基準位置では、制御部材(51)の上端はハウジングから上方に突出しており、そして作業位置に置かれ、逆連結メカニズム(48-54)は、制御部材(51)上のラック(49)と、およびそれと平行であってスライダ(52)上のラック(50)とかみ合うギヤホイール(48)を備え、制御部材(51)はクローザ(57)に連接され、スライダ(52)はオープナ(61)に結合されていることを特徴とする請求項15又は16記載のヤーン切替え装置。
【請求項18】
逆連結メカニズム(114-117及び119-120)は二アーム・レバー(116)を備え、一方のアームに制御部材(114)とクローザ(122)が連接され、他方のアームにオープナ(121)が連接されていることを特徴とする請求項15又は16記載のヤーン切替え装置。
【請求項19】
制御部材(114)は横断方向に延びた駆動アーム(126)をその上端に備え、駆動アーム(126)がその基準位置においてセレクタ・レバー(45)に突き当たるようにヘリカル・スプリング(127)によって付勢されていると共に、いずれかのセレクタ・レバー(45)をその作業位置までスイングさせるとヘリカル・スプリング(127)の作用に抗して作業位置までスイングされることを特徴とする請求項18記載のヤーン切替え装置。
【請求項20】
クローザ(122)および/またはオープナ(121)は調節可能にレバー(116)に結合されていることを特徴とする請求項18または19に記載のヤーン切替え装置。
【請求項21】
プリセレクタ・レバー(80)は長軸(37、118)に直交するように配置され、前端(83)でセレクタ・レバー(45)を基準位置に保持しており、制御ピン(79)はプリセレクタ・レバー(80)に関連づけられ、その上端はハウジングから突出し、その下端はスプリングによって基準位置に付勢されたプリセレクタ・レバー(80)に当接していることを特徴とする請求項16記載のヤーン切替え装置。
【請求項22】
ヤーン・フィンガ(22)は各々が二ガイド片(86)間を横方向に案内されることを特徴とする請求項14乃至21のいずれか一項に記載のヤーン切替え装置。
【請求項23】
ガイド片(86)は各々がヤーン(23)を案内する凹部(90)を備えていることを特徴とする請求項22に記載のヤーン切替え装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、編みツール2をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段1、134と、編みツール2を制御するためのカム・ボックス5、141と、少なくとも一つの選択されたヤーン23を編みツール2に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置21、111であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、そこにスライド可能に装着されたフィンガ本体65とガイド本体66を持つ少なくとも二つのヤーン・フィンガ22を備えていて、各ガイド本体はカット要素69とクランプ要素71を持ち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66の往復運動を実行するためのクローザ57、122とオープナ61、121を備え、前記ヤーン・フィンガ22およびオープナ61、121とクローザ57、122に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機に関する。
【0002】
また本発明は、ニードル・シリンダ1と編みツール2を移動可能に受け入れるダイヤル134と、ダイヤル134の上方に配置されたダイヤル・カム・ボックス141のサポート135と、該サポート135の上方に配置されたダイヤル・ドライバ136、137、138と、少なくとも一つのヤーン切替え装置21、111と、ヤーン切替え装置21、111のセレクタ装置91と、ヤーン切替え装置21、111の機能部品45、51、114に作用するカム・トラック101、102、103とを備えた丸編み機に関する。
【0003】
更に本発明は、編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体65と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素69とクランプ要素71を持つガイド本体66とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ22と、共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66を往復動させるクローザ57、122とオープナ61、121とを備えた編み機用のヤーン切替え装置に関する。
【0004】
【従来の技術】
この種の編み機およびヤーン切替え装置は公知である(EP 0 319 444 A2)。これらおよびその他の公知編み機およびヤーン切替え装置(DE-PS 958 237、DE 2 024 241 C3、DE 2 710044 A1、DE 2 805 779 1、DE 3 129 724 A1、DE 3 325102 C2)は多数の個別部品からなることを特徴とし、これらの部品は摩耗しやすく動作時に障害を引き起こしやすくなっている。さらに、ストライパ(striper)とも呼ばれる公知のヤーン切替え装置は、切替え運動が絶えず行われるため、また実際にヤーン切替えが行われていない期間でも多数の部品が切替え運動に関係するために、よく知られている「かちかち」という音や「がたがた」という音の形で、音の大きい、耳障りな騒音を発生する傾向があるという問題があり、この問題は未解決のままである。最後に、ヤーン切替え装置を装備した丸編み機は、多くの場合、機械の作業エリアの大部分がヤーン切替え装置によって覆われている構造になっているため、そこで行われる通常の作業の邪魔になっているか、作業の妨げになっている。このことが特に問題となるのは、ニードル・シリンダ(編み針円筒)およびダイヤルを備えた丸編み機が関係するときである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、上述した種類の編み機とヤーン切替え装置において、可動部品を少なくし、スペースをとらないセレクタ機構の装着を容易にし、騒音発生に関して最適化することを可能にする構成の編み機とヤーン切替え装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は以下の特徴を備えている。
【0007】
すなわち、編みツール2をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段1、134と、編みツール2を制御するためのカム・ボックス5、141と、少なくとも一つの選択されたヤーン23を編みツール2に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置111であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体65とガイド本体66をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ22を備えていて、各ガイド本体はカット要素69とクランプ要素71をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66の往復運動を実行するためのクローザ122とオープナ121を備え、前記ヤーン・フィンガ22およびオープナ121とクローザ122に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、各ヤーン切替え装置111は逆連結メカニズム114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置111から上方に突出する位置になるようにスプリング130によって付勢されヤーン切替え装置111から上方に突出している制御部材114を有し、サポート手段1と共に回転する、共通のカム・トラック102によって、当該カム・トラック102と共同作用する前記制御部材114の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック102によって制御され、クローザ122に接続されている第一の要素119と、オープナ121に接続されている第二の要素120を備えていて、オープナ121とクローザ122とを互いに連結しており、前記第一の要素119とクローザ122との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー116の一端に前記第一の要素であるピン119が取り付けられ、当該ピン119にクローザ122がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、前記第二の要素120とオープナ121との接続は、前記二アームレバー116の他端に前記第二の要素であるピン120が取り付けられ、当該ピン120にオープナ120が回転可能に装着されることによって行われ、前記制御部材114が、前記二アームレバー116にピボット運動可能に接続されていて、カム・トラック102が制御部材114に作用しているときには、制御部材114がスプリング130の張力に抗してクローザ122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック102が制御部材114に作用していないときには、スプリング130の張力によって、クローザ122と、オープナ121とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン119、第二の要素であるピン120、制御部材114と接続されており、前記ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー45はスプリング129によって上方に向けて付勢されていることを特徴とする編み機である。
また、編みツール2をスライド可能に装着するための少なくとも一つの回転するサポート手段1、134と、編みツール2を制御するためのカム・ボックス5、141と、少なくとも一つの選択されたヤーン23を編みツール2に供給するための少なくとも一つのヤーン切替え装置21、111であって、各ヤーン切替え装置は基準位置と作業位置との間で前後にスイング可能であり、スライド可能に装着されたフィンガ本体65とガイド本体66をもつ少なくとも二つのヤーン・フィンガ22を備えていて、各ガイド本体はカット要素69とクランプ要素71をもち、さらに、各ヤーン切替え装置は共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66の往復運動を実行するためのクローザ57、122とオープナ61、121を備え、前記ヤーン・フィンガ22およびオープナ61、121とクローザ57、122に作用してヤーン切替えを行うための手段とを備えた編み機において、各ヤーン切替え装置21、111は逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置になるようにスプリング58、130によって付勢されヤーン切替え装置21、111から上方に突出している制御部材51、114を有し、サポート手段1と共に回転する、共通のカム・トラック102によって、当該カム・トラック102と共同作用する前記制御部材51、114の制御下に置かれていることによって前記共通のカム・トラック102によって制御され、クローザ57、122に接続されている第一の要素55、119と、オープナ61、121に接続されている第二の要素52、120を備えていて、オープナ61、121とクローザ57、122とを互いに連結しており、カム・トラック102が制御部材51、114に作用しているときには、制御部材51、114がスプリング58、130の張力に抗してクローザ57、122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ61、121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、カム・トラック102が制御部材51、114に作用していないときには、スプリング58、130の張力によって、クローザ57、122と、オープナ61、121とがそれぞれの基準位置に移動するように、前記の第一の要素55、119、第二の要素52、120、制御部材51、114と接続されている編み機であって、ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、セレクタ・レバー45は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置である作業位置になるようにスプリング43、46、129によって付勢されていることを特徴とする編み機である。
【0008】
また、本発明は、ニードル・シリンダ1と編みツール2を移動可能に受け入れるダイヤル134と、ダイヤル134の上方に配置されたダイヤル・カム・ボックス141のサポート135と、該サポート135の上方に配置されたダイヤル・ドライバ136、137、138と、少なくとも一つのヤーン切替え装置21、111と、ヤーン切替え装置21、111のセレクタ装置91と、ヤーン切替え装置21、111の制御部材45、51、114に作用するカム・トラック101、102、103とを備えた丸編み機において、ヤーン切替え装置21、111を取り付けるための別のサポート14と、その上方には、それに対して相対的に回転可能でセレクタ装置91を取り付けるためのサポート・リング16が、サポート135とダイヤル・カム・ボックス141との間に、配置されていることを特徴とする丸編み機である。
【0009】
更に、本発明は、編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体65と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素69とクランプ要素71をもつガイド本体66とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ22と、共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66を往復動させるクローザ122とオープナ121)とを備えたものにおいて、当該ヤーン切替え装置111は逆連結メカニズム114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置111から上方に突出する位置になるようにスプリング130によって付勢されヤーン切替え装置111から上方に突出している制御部材114を有し、クローザ122に接続されている第一の要素119と、オープナ121に接続されている第二の要素120を備えていて、オープナ121とクローザ122とを互いに連結しており、前記第一の要素119とクローザ122との接続は、中間部分でピボット運動可能に支持されている二アームレバー116の一端に前記第一の要素であるピン199が取り付けられ、当該ピン119にクローザ122がピボット運動可能に装着されることによって行われると共に、前記第二の要素120とオープナ121との接続は、前記二アームレバー116の他端に前記第二の要素であるピン120が取り付けられ、当該ピン120にオープナ121が回転可能に装着されることによって行われ、前記制御部材114が、前記二アームレバー116にピボット運動可能に接続されていて、制御部材114が作用を受けているときには、制御部材114がスプリング130の張力に抗してクローザ122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材114が作用を受けていないときには、スプリング130の張力によって、クローザ122と、オープナ121とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素であるピン119、第二の要素であるピン120、制御部材114と接続されており、前記ヤーン・フィンガ22は各々がセレクタ・レバー45と連動するように連結され、当該セレクタ・レバー45はスプリング129によって上方に向けて付勢されていることを特徴とする編み機用のヤーン切替え装置である。
また、本発明は、編み機用のヤーン切替え装置であって、基準位置と作業位置の間でスイング可能であり、各々がフィンガ本体65と該フィンガ本体上にスライド可能に装着されてカット要素69とクランプ要素71をもつガイド本体66とを備えた少なくとも二つのヤーン・フィンガ22と、共にすべてのヤーン・フィンガ22に共通してガイド本体66を往復動させるクローザ57、122とオープナ61、121とを備えたものにおいて、当該ヤーン切替え装置21、111は逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120を備えており、この逆連結メカニズム48-54、114-117及び119-120は、その上端がヤーン切替え装置21、111から上方に突出する位置になるようにスプリング58、130によって付勢されヤーン切替え装置21、111から上方に突出している制御部材51、114を有し、クローザ57、122に接続されている第一の要素55、119と、オープナ61、121に接続されている第二の要素52、120を備えていて、オープナ61、121とクローザ57、122とを互いに連結しており、制御部材51、114が作用を受けているときには、制御部材51、114がスプリング58、130の張力に抗してクローザ57、122を、ヤーンをカットし、クランプする位置に移動させ、同時に、オープナ61、121を、ヤーンを解放する位置に移動させ、制御部材51、114が作用を受けていないときには、スプリング58、130の張力によって、クローザ57、122と、オープナ61、121とが基準位置に移動するように、前記の第一の要素55、119、第二の要素52、120、制御部材51、114と接続されていて、ヤーン・フィンガ22は一アーム・レバー39、112上に固定され、該レバー39、112は長軸37、118にほぼ平行に配置されたセレクタ・レバー45の下端に連接されていることを特徴とするヤーン切替え装置である。
【0010】
本発明によると、単一の制御カム・トラック102だけでオープナ(opener)61、121とクローザ(closer)57、122を制御できるという利点がある。従って、部品数が大幅に減少しているので、摩耗と障害発生の機会がそれだけ減少している。さらに、セレクタ装置によって制御される部品は、介在するレバー機構によるのではなく、関連の機能部品上で直接的に動作させることができる。さらに、本発明によれば、ヤーン切替えが実際に必要なときだけ機能部品を移動させるようにヤーン切替え装置を設計できるので、通常に起こる騒音が大幅に減少することになる。
【0011】
本発明のその他の利点と特徴は、以下の実施例と、特許請求の範囲に記載した通りである。
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0013】
【実施例1】
図1に示す丸編み機は、シリンダ内で軸方向に移動するように編みツール2が装着された、垂直回転軸をもつニードル・シリンダ1と、そこで半径方向に移動するようにシンカ4が装着された同軸シンカ・リング3とを備えている。ニードル・シリンダ1は、編みツール2をスライド可能に装着するためのサポート手段としての役割を果たしている。編みツール2の上下運動およびシンカ4の半径方向の前後運動を制御するために、これらは公知のようにバット(図示せず)を備え、カム部品がこれらに作用するようになっている。カム部品はニードル・シリンダ1を取り巻くカム・ボックス・リング5内と、シンカ・リング3の上に取り付けられたカム・リング6内に装着されている。
【0014】
ニードル・シリンダ1はサポート・リング9上に同軸に支持され、サポート・リング9はフレーム(図示せず)のベース・プレート10に回転可能に取り付けられており、その外周面に歯を備えている。これらの歯は、フレームに回転可能に架設されたドライブ・シャフト12に装着されたギヤホイール11とかみ合っている。これに対して、カム・ボックス・リング5とカム・リング6は、フレームに不動に固定され、ニードル・シリンダ1と同軸に配置されたカム・ボックス・プレート13上に装着されている。ドライブ・シャフト12は編み機の駆動源(図示せず)に連結されている。この構成は、当然のことながら、ニードル・シリンダ1とシンカ・リング3を不動にし、カム・ボックス・リング5とカム・リング6をフレームに回転可能に装着し、ドライブ・シャフト12に連結するようにすることも可能である。
【0015】
環状サポート14はニードル・シリンダ1の上方に位置するフレーム部分の定位置に固定され、サポート・リング16は、ベアリング15を介してニードル・シリンダ1と同軸になるように環状サポート14上に回転可能に装着されている。サポート・リング16はその周囲に歯を備え、この歯はドライブ・シャフト12に取り付けられたピニオン17とかみ合うようになっている。ドライブ・シャフト12は環状サポート14に固着されたフレームの支柱18を通り抜け、シリンダの回転速度に一致する回転速度でサポート・リング16を駆動する働きもする。不動カバー・リング19はサポート・リング16の上方でフレームに取り付けられている。ニードル・シリンダ1が不動である場合には、サポート・リング16は不動であり、環状サポート14は回転可能になっている。
【0016】
ヤーン切替え装置は少なくとも1つが、好ましくは複数が、環状サポート14上に取り付けられており、各々は少なくとも2つの、好ましくは4つの、ヤーン・フィンガ22をもち、その各々から少なくとも一本のヤーン23が供給スプール(図示せず)から糸口(eye)24を通ってヤーンガイド25に送り込まれ、そこから編みツール2のフックに供給されるようになっている。
【0017】
この種の編み機は一般に公知であるので(例えば、EP 0 319 444 A2)、これ以上詳しく説明することは省略する。
【0018】
図2は、サポート・リング16と、一部を破切したカバー・リング19と、ドライブ・ピニオン17を示す図であり、サポート・リング16とニードル・シリンダ1の回転軸(目に見えない)は参照符号26で示されている。図2に破線で示す部品は、図1に示すようにサポート・リング16の下に配置されている。簡略化のために、2つのヤーン切替え装置21だけが示されているが、これらは回転軸26を中心に小間隔を置いて配置されており、各々はそれ自体公知であるように編成システム(knitting system)と関連づけられているが、ヤーン切替え装置21の数は、編成システムの数よりも少なくすることができることは勿論である。
【0019】
図3乃至図5に示すように、各ヤーン切替え装置21は長方形で、ほぼ直線のハウジングからなり、ハウジングは実質的に2つの平行サイド・プレート27、28から形成されている。サイド・プレート27は図4には示されていないが、これはハウジングの内部を見せるためである。サイド・プレート27、28はほぼ直線形状になっているが、下方の前部に切欠き29を備え(図4)、上方の前部に延長部分30、31を備えている(図1、図4)。延長部分31は取付けブロック32によって接続されており、取付けブロック32に取付けねじ33が通されている(図3、図4)。これは、環状サポート14上に設けられた、対応する周囲の突出部34上に延長部分30を吊したあとでヤーン切替え装置21をサポート14に取り付けるためのものである(図3、図4)。ハウジングの長軸37(図3)は垂直になっている。つまり、編みツール2の移動方向に平行に、好ましくは、ニードル・シリンダ1の回転軸に平行になっている。さらに、サイド・プレート27、28は1つに連結されているが、複数のスタッドなどによって間隔が保たれている。スタッドは、スタッド上にはめ込まれたスペーサ35、36を介して、相互に平行に配置され、リベットなどによってプレートに固定されている。スタッドは、以下で詳しく説明するように、他の部品をピボット装着するためにも使用される。
【0020】
図5に示すように、サイドプレート27、28は、切り欠き27a、27b、28a、28bを有している。当該切り欠きには、プレート42の両側に設けられているタブ42a、42bが嵌め込まれている。プレート42は、格子状のプレートであり、スロット41を有している。
【0021】
スタッド38の1つは、ヤーン・フィンガ22のプレート形状の一アーム・ピボット・レバー39をピボット装着するために使用される。ピボット・レバー39はその前端にそれぞれのノーズ40を備え、ノーズ40は長軸37に平行に設けられたスロット41内に入り込んでおり、スロット41はサイド・プレート27、28にまたがるように配置されたプレート42に形成され、一アーム・ピボット・レバー39のガイドの働きもする。一アーム・ピボット・レバー39は各々がスプリング43によって付勢され、そのノーズ40が基準位置においてスロット41の上部境界縁に突き当たるようになっている。
【0022】
図4は、サイドプレート27の側からサイドプレート28方向を見て、スリット41の位置で断面した状態を現す図である。ノーズ40がスロット41内に入り込んでおり、プレート42のタブ42a、42bの位置は断面で現される。
【0023】
各一アーム・ピボット・レバー39は関連のセレクタ・レバー45に連接され、セレクタ・レバー45は長軸37にほぼ平行で、一アーム・ピボット・レバー39の上方に配置され、その上端は、基準位置にあるとき、特に以下で説明する作業位置にあるとき、ヤーン切替え装置21のハウジングの上方で外側に突出している。各セレクタ・レバー45はスプリング46によって付勢され、スプリングは図4に示すように、セレクタ・レバー45を長軸37方向に直交するように、丸編み機に対して半径方向に内側にピボット回転するように作用している。スプリング46は圧縮スプリングになっており、有底穴47aに装着されている。有底穴47aはサイド・プレート27、28の前部上端を接続するブロック47に形成され、セレクタ・レバー45側に向いている。ブロック47には、セレクタ・レバー45の上端用のガイド・スロットも設けられている。
【0024】
ギヤホイール48はサイド・プレート27、28を連結する別のスタッド上に回転可能に取り付けられ、2つの並列ラック49、50とかみ合っている。ラック49は、スライダの形体になった制御部材51の左側の縁に形成されており(図4)、ラック50は、スライダ52の右側の縁に形成されている(図4)。制御部材51の上端は、基準位置においてヤーン切替え装置21のハウジングから外側に上方に突出している。制御部材51、スライダ52は長軸37にほぼ平行になって移動可能になっており、このために、スタッド53、54上に適当に配置されたスロットによって案内されるようになっている。レバー55の一端は制御部材51の下端に連接され、スライダ52はその下端がアーム56に連結され、好ましくは固定されている(図4)。クローザ57はレバー55の他端に取り付けられており、レバー55とかみ合うスプリング58によって常時半径方向に外側に付勢されてストッパ59と突き当たっているが、ストッパ60に突き当たるまでスプリング58の作用に抗して半径方向に内側に時計回り方向にスイングさせることが可能である。他方、オープナ61はアーム56の下端に取り付けられ、常時長軸37にほぼ平行になっている。スプリング58は基準位置において制御部材51を最上位置(図4)に保持し、その一方、スライダ52を最下位置(図4)に保持している。さらに、部品48?54は、クローザ57とオープナ61を共通に作用させる働きをする逆連結メカニズムを構成している。
【0025】
ギヤホイール48、制御部材51、スライダ52、レバー55、およびアーム56を平坦形状にして、サイド・プレート28に直接に圧接するように取り付けると、これらが他の部品の移動を妨げないという利点が得られる。しかし、レバー55に交差するように配置され、ハウジングの全幅にまたがるプレートでクローザ57を構成し、そのプレートに一アーム・ピボット・レバー39が通過する開口62を設け、その一端をレバー55に固着するようにすると利点がある。同じように、オープナ61をアーム56上に固定されたアングル・ブラケットで構成し、一方の脚をアーム56の延長部に設け、他方の脚をアームとサイド・プレート28に直交するように配置して、すべてのセレクタ・レバー45上にわたるバー63として形成すると利点が得られる。
【0026】
図6?図10に示すように、各ヤーン・フィンガ22は直線のロッド形状フィンガ本体65を含み、これはその上端が図4に示すように関連の一アーム・ピボット・レバー39に取り付けられている。ガイド本体66は各フィンガ本体65上をスライド可能に案内される。フィンガ本体65はその下端にU形状の凹部67をもち、そこを通してヤーン23(図1、7および図10)が走行し、その下縁はカット縁68に形成されている(図6)。ガイド本体66はカット要素69をもち、これはフィンガ本体65の一方の側ではカット縁68と共同作用し、他方の側では圧力スプリング70によってフィンガ本体65に押しつけられたクランプ要素71と共同作用する。ガイド本体66は、例えば、すべりばめでフィンガ本体65を受け入れる中空ブロックからなり、その前壁と後壁に窓に似た開口72があり、これは突起73、74、75をインターロック方式で受け入れるようになっている。これらの突起はカット要素69とクランプ要素71および圧力スプリング70の上端から垂直に突出している。このようにすると、種々部品の組立てが単純化し、カット要素69とクランプ要素71を確実に駆動することが可能になる。さらに、ガイド本体66はカット要素69に関連する側に突起76をもち、この突起はオープナ61のバー63と共同作用する(図4)。クランプ要素71に関連する側には突起77があり、この突起77はクローザ57と共同作用する(図4)。
【0027】
さらに、図3?図10に示すヤーン切替え装置21には、供給される異種ヤーン23の数と同数のヤーン・フィンガ22とセレクタ・レバー45が並列に配置されている。図示の実施例では、ヤーン・フィンガ22とセレクタ・レバー45はそれぞれ4個が設けられているが(図3)、ヤーン・フィンガ22とセレクタ・レバー45はこれより多くすることも、少なくすることも可能である。
【0028】
ガイド本体78(図4)は、2つのサイド・プレート27、28の間で、ヤーン切替え装置のハウジングの上端に取り付けられ、4つの制御ピン79が長軸37に平行してすべりばめで案内されるようになっている。さらに、ガイド本体78は、制御部材51の上部をスライド可能に支持する働きもする。制御ピン79はそれぞれが4つの関連プリセレクタ・レバー80に突き当たっており、これらのレバーは、サイド・プレート27、28間にまたがった別のスタッド81上にピボット可能に装着され、図4に示すようにほぼ水平に、つまり、セレクタ・レバー45に直交するように延びている。プリセレクタ・レバー80は、その後端とかみ合うスプリング82によって基準位置になるように、時計回り方向に付勢されており(図4)、ガイド本体78から突出した関連の制御ピン79の下端に突き当たるように保持され、制御ピン79の上端はガイド本体78から上方に突出している。
【0029】
プリセレクタ・レバー80の前端83は、その基準位置においてストップ・ピン84に当接し、ストップ・ピン84は関連セレクタ・レバー45に取り付けられ、レバーの側面まで突出し、スプリング46の作用に抗して図4に示す基準位置に保持されている。
【0030】
図3および図4に示すように、ヤーン切替え装置21の上述した部品は、好ましくは、比較的薄いシート・メタルからの打ち抜き部品から構成されている。レバー39、45、80その他と、制御部材51、スライダ52の幅広側はサイド・プレート27、28と平行になっており、各ヤーン・フィンガ22に関連するすべての部品は相互のすぐ近くか、相互の上に位置し、ヤーン23の選択に役立つサブアセンブリを構成している。これに対して、部品48、51、52、55、57、61は1つだけ設けられ、すべてのサブアセンブリと共通に関連づけられている。従って、スペース節約形で、コンパクトなヤーン切替え装置21を作ることが可能であるので、従来の30インチ丸編み機の周囲に例えば48個のヤーン切替え装置21を取り付けることが可能になる。
【0031】
複数のガイド片86は、図3と図4に示すようにハウジングの下部に、サイド・プレート27、28間でこれらと平行に配置されており、そこに挿通されたスタッド87、88、89によって固定され、スタッドに取り付けられたスペーサ36を介して相互に対して間隔が保たれている。これらのガイド片86は、ピボット運動するとき、動揺することなく、また広い許容範囲でヤーン・フィンガ22を左右に案内することができ、また、必要ならば、下部に凹部90を設けて、そこに、丸編み機によって処理される編成中のヤーン23を置くことが可能である(図4)。
【0032】
特に図1と図2に示すように、セレクタ装置91はサポート・リング16上に装着されている。このセレクタ装置91は、ヤーン・フィンガ22および制御ピン79の数と同数の制御マグネット92をもち、制御ピン79に対応するように半径方向にオフセットして配置されている。制御マグネット92はソレノイドの形になっており、各々は水平方向および半径方向に往復動するプランジャ93を備え、プランジャはレバー94に連接され、レバーは凹部(図示せず)を通ってサポート・リング16の下方に位置する領域に入り込んでおり、そこに制御カム95があり、サポート・リング16に固定されたピン96を介して中間部分にピボット可能に取り付けられている(図1)。制御カム95は、例えば、プランジャ93が突出したときは、関連制御ピン79の作業範囲の上方でその範囲内の半径方向に位置し、プランジャ93が後退したときは、関連制御ピン79の作業範囲の外側に位置している。なお、この構成は、後退したプランジャ93だけが制御ピン79に作用するように逆にすることも可能である。従って、サポート・リング16がニードル・シリンダ1と一緒に矢印vの方向(図2)に回転すると、これらの制御カム95だけが、制御マグネット92の適当な制御によって選択された関連制御ピン79の作業範囲に入り込むようになっている。制御マグネットへの電流供給はコンダクタ97を通して行われ、コンダクタはそれ自体公知のように、スリップ・リング98を介してパターン・デバイス(図示せず)から供給される。スリップ・リング98は、丸編み機の中心を通る回転軸26の周囲に同軸に配置され、コンダクタ97に接続されたスライド・ブラシ99によって感知される。さらに、個々のマグネット92は、図2に示すように周囲方向に交互に配置することも可能であり、その場合には、時間的にずらして制御信号を与える必要がある。
【0033】
さらに、図2は3つのカム・トラック101、102、103を示し、これらはサポート・リング16の下側に取り付けられている。回転方向(矢印v)から見たとき(図2)、セレクタ装置91の背後に位置しているカム・トラック101の先端はセレクタ・レバー45と関連づけられ(図4)、そのあとに続くカム・トラック102は制御部材51と関連づけられ、最後のカム・トラック103もセレクタ・レバー45と関連づけられている。
【0034】
最後に、サポート・リング16上に取り付けられたヤーン・キャッチャ104が図2に概略図で示されているが、これは、それ自体公知であるように、バー25aの上方で選択されたヤーン・フィンガ22から供給されたヤーン23をつかんで、バー25aの背後に形成されたヤーン・ガイド25のスロット105(図3)内に無事に置くためのものである。特に図1に示すように、ヤーン・キャッチャ104はサポート・リング16に連結されたアーム106上に取り付けられて、編みツール2のフックの上方と背後に密接に保持されている。
【0035】
次に、図1?図10を参照して説明してきた丸編み機とヤーン切替え装置の動作方法について図11?図15を参照して詳しく説明するが、以下の説明で、”a”の英字が付記されている部品は新たに置かれるヤーン23aに関連し、”b”の英字が付記されている部品はまだ作業中の旧ヤーン23bに関連するものである。
【0036】
図3と図4において、全部で4本のヤーン23a、23b、23c、23dのうちヤーン23bが編成され、編みツール2のフックに置かれようとしているものと想定されている。従って、ヤーン23bは、図4(図7も参照)に示すように、隠れたヤーン・フィンガ22の開いた凹部67と関連ガイド片86の凹部90に置かれている。他のヤーンはすべて、図4(図10も参照)に示すようにヤーン23aと同じクランプ位置に置かれている。
【0037】
例えば、ヤーン23aへのヤーン切替えを行うときは、関連の制御マグネット92aがサポート・リング16の回転中に最初に制御されるので、そこに結合された制御カム95aは関連制御ピン79aの上方に位置することになる(図11)。その結果、サポート・リング16がさらに回転すると、制御ピン79aは制御カム95aの下降面によって徐々に下に押されるので、関連プリセレクタ・レバー80aは反時計回り方向にスイングしてプリセレクション位置になり、その端83aは関連セレクタ・レバー45aのストップ・ピン84aからもち上げられる。これによりスプリング46aが作用して、セレクタ・レバー45aを動作位置になるまで反時計回り方向にスイングするので、その上端は他のセレクタ・レバー45bなどの上端から半径方向に内側にオフセットされ、カム・トラック101(図2)の領域においてハウジングの上方に位置することになる。以上でヤーン23aが選択される準備状態になり、関連制御マグネット92aはその信号を切り替えて、矢印v(図2)の方向から見た次のヤーン切替え装置を動作状態にする。プリセレクション位置は更にスプリング46aによって保持される。
【0038】
図12に示すように、サポート・リング16がさらに回転すると、カム・トラック101の下方に隆起するセクションは、作業位置に置かれたセレクタ・レバー45aに作用してレバーを押し下げる。実際のヤーン切替えはこれによって開始されるが、これは、一方では関連のヤーン・フィンガ22aがピボット・レバー39aによって時計回り方向にスイングされ、他方ではプリセレクタ・レバー80aおよびそれと共に制御ピン79aがスプリング82aによって基準位置に復元されるからである。ヤーン・フィンガ22aがスイングすると、関連のフィンガ本体65aの下端は編みツール2に対して半径方向に外側に位置する基準位置からスイングして,編みツール2の裏側の背後の半径方向に位置し、フックのすぐ上にある作業位置になる。旧ヤーン23bを案内する旧フィンガ本体65bも図12に示されている。ピボット・レバー39aがスイングすると、それと同時にそのノーズ40aがクローザ57の下部横断ウェブに押し付けられるので、これはストッパ59から離れるようにリフトされ、ストッパ60に押し付けられる。この位置では、クローザ57の下部自由端はガイド本体66bの突起77bに直接に向き合う位置にある。同時に、ヤーン・フィンガ22aはほぼ垂直になり、オープナ61のバー63がその突起76aのすぐ下に位置するような位置になっている。ヤーン・キャッチャ104はすでにヤーン23aのすぐ前に位置している(図12)。
【0039】
図2および図13に示すように、サポート・リング16が矢印w(図13)の方向にさらに回転すると、ヤーン・キャッチャ104は、ヤーン・フィンガ22aによって保持されて供給されたヤーン23aをつかむ位置までさらに移り、下降カーブ107と共に、ヤーン23aをヤーン・ガイド25のV形状スロット105の奥まで押し込むので、ヤーン23aはヤーン23bと同じように、上昇した編みツール2のフックに引っ掛かることになる。従って、ヤーン23aと23bは、いわゆる切替え点の領域で一緒に編成されることになる。ヤーン・フィンガ22aは図12および図13に示す位置にカム・トラック101によって保持されたままになっている。
【0040】
サポート・リング16がさらに回転すると、カム・トラック102は徐々に制御部材51の上端の領域に入っていくので、これはカム・トラック102の下降セクションによってクローザ57と一緒に図14に示すように押し下げられ、これと同時に、スライダ52はオープナ61と共に、逆連結メカニズム48?54を通して引き上げられる。これにより、一方では、ヤーン・フィンガ22bのガイド本体66bは、突起77bに作用するクローザ57によってフィンガ本体65bの自由端の方向に移動されるので、ヤーン23bはカットされ、クランプされる(図10も参照)。他方、ヤーン・フィンガ22aのガイド本体66aは、オープナ61のバー63がガイド本体66aの突起76aの下に突き当たることにより押し上げられるので、ヤーン23aのクランプ端は解放されることになる。ヤーン切替えはこれで終了し、ヤーン23aが編成されることになる。図12に示す位置においてクローザ57およびバー63と関連突起77b、77aとの間の間隔を適当に決めることにより、問題のヤーンをクランプし、解放するときのそれぞれの正確な時点を決定することができる。
【0041】
サポート・リング16がさらに回転すると、次に図2に示すようにカム・トラック102の終端まで到達するので、制御部材51とスライダ52はスプリング58の作用を受けて図4または図15に示す基準位置まで戻るように移動し、これと同時に、クローザ57はスイングしてストッパ60からストッパ59に戻ることになる。そのあと、カム・トラック101の終端にも到達するので(図2)、一アーム・ピボット・レバー39aとセレクタ・レバー45aはスプリング43aの作用を受けてスイングして、図11に示す基準位置に戻ることになる。
【0042】
最後に、カム・トラック103はセレクタ・レバー45aの上端の領域に入り、セレクタ・レバー45aに半径方向に外側に作用する(図15)。これにより、セレクタ・レバー45aはスプリング46aの作用に抗してスイングして基準位置に戻るので、そのストップ・ピン84aは端部83aの背後でラッチするのですべての開始状態が再び得られることになる。
【0043】
図2に示すように、セレクタ装置91によって開始され、カム・トラック102とヤーン・キャッチャ104の作用セクションによって行われるヤーン切替えはいくつかの編みツール2にわたる領域内で、つまり、切替え点で行うことが可能になり、他方、セレクタ装置91の先頭からカム・トラック103の終端までの全制御領域は、例えば、ニードル・シリンダの半回転の比較的広い領域にわたることになる。
【0044】
好ましくは、ヤーン・キャッチャ104(図13、14、15)の作用を受けて、新しく置かれたヤーン23aはヤーン・ガイド25のスロット105の奥まで押し込まれるので、ヤーン・ガイド25とヤーン糸口24の間に位置するヤーン・セクションは関連ガイド片86aの凹部90aに入ることになる。図15においては、ヤーン・キャッチャ104は図示されていない。図15においては、ヤーン・キャッチャ104は、ヤーン・ガイド25を既に通過し、これによって、ヤーン23aがガイド片86aの凹部90aに入っているのである。この結果、ヤーン23aは、ヤーン・フィンガ22a(図15)がスイング・バックしたときそのフィンガ本体65aの開いた凹部67aに入るように案内されるので、次のヤーン切替えで確実にクランプされ、カットされることになる。
【0045】
【実施例2】
図16乃至図18は、現時点で最良と考えられる本発明によるヤーン切替え装置111の第2実施例を示し、その構造と機能は図1乃至図15に示すヤーン切替え装置21とほぼ同じであるので、類似部品は図16と図18に同じ参照符号を付けて示されている。以下では、異なる部品だけについて説明する。
【0046】
図16と図17に示す部品の基準位置において、セレクタ・レバー45は一アーム・ピボット・レバー112に連接されている。一アーム・ピボット・レバー112はノーズ40を除けばピボット・レバー39と同じであり、ヤーン・フィンガ22に固定され、サイド・プレート27、28間を横断方向に設けられたスタッド113に装着されている(図17R>7)。図1?図15に示す逆連結メカニズム48乃至54の代わりに、逆連結メカニズム114乃至117及び119、120が設けられ、このメカニズムは制御部材114を含み、これは、例えば、湾曲したワイヤ(bent wire)またはピボット湾曲部(pivoted bow)からなり、ガイド本体78に取り付けられた2つのスタッド115(図17)間の上部の中間ハウジング部分内にピボット可能に装着され、他の部品の運動を妨げないようになっている。二アーム・レバー116は制御部材114をピボット運動させるもので(図16、図17)、スタッド117上の中間部分にピボット可能に装着されている。スタッド117は、ハウジングの長軸118に交差し、サイド・プレート27、28に直交するように設けられ、サイド・プレートに固定されている。二アーム・レバー116はその一端にピン119が取り付けられ、そのピン119には、制御部材114の下端に形成された糸口が回転可能に取り付けられ、その他端にはピン120が取り付けられ、そのピン120には、オープナ121が回転可能に装着されている。さらに、クローザ122はピン119にピボット可能に装着されている。
【0047】
以上のようにして、逆連結メカニズムは本実施例では部品114乃至117及び119、120によって形成されている。オープナ121とクローザ122の各々は、本実施例では矩形に湾曲したワイヤから構成され、その二端の各々はピン119または120に回転可能に設けられた糸口状に屈曲され、その長いアームはサイド・プレート27、28と長軸118に平行に設けられている。オープナ121とクローザ122のそれぞれの下部横断ウェブ123、124はハウジングのほぼ全幅にわたっており、それぞれ実施例1のバー63とクローザ57の下部境界縁(図4)とに対応している。
【0048】
制御部材114の上端はフック形状に屈曲して、駆動アーム126を形成している。この駆動アームは、図17に示すように、ハウジングの幅全体にわたっており、基準位置にあるすべてのセレクタ・レバー45の上縁に当接している。この操作を容易にするために、ヘリカル・スプリング127がピン119上に取り付けられ、その一端がピン128に、他端が制御部材114に当接してその駆動アームがセレクタ・レバー45の上端に押し付けられるようになっている。
【0049】
図16と図17に示す部品の基準位置は、図4に示すように、スプリング129、130によって保持され、スプリングはピボット・レバー112をプレート42の上縁に、二アーム・レバー116をストッパ131に押し付けるように引っ張っているので、オープナ121は最低位置に、クローザ122は最高位置になっている。
【0050】
その他の構成は図1?図15に示すものとほぼ同じである。
【0051】
図16と図17に示すヤーン切替え装置の動作方法を図18を参照して説明する。図18において、旧編成ヤーン23cは新ヤーン23dで置き換えられ、ヤーン23cに関連する部品は英字の”c”を付記して示され、ヤーン23dに関連する部品は英字の”d”を付記して示されている。
【0052】
図1?図15と同じように、制御ピン79dと、それと共にプリセレクタ・レバー80dはセレクタ装置によって作動する。セレクタ装置は図示されていないが、セレクタ装置91(図1)と同じにすることが好ましい。この作動により、関連のセレクタ・レバー45dはスプリング46dによってストッパ132に押し付けられる。セレクタ・レバー45dは駆動アーム126を支持しているのでスプリング127の作用に抗して制御部材114を動作位置まで反時計回り方向にスイングしているので、その上端はハウジングから上方に突出し、カム・トラック102の領域に入り込んでいる(図14も参照)。
【0053】
セレクタ・レバー45d、ピボット・レバー112dおよび関連ヤーン・フィンガ22dが図12と図13に示すようにカム・トラック101によってスイングすると、カム・トラック102は制御部材114に作用して、これをほぼ垂直方向に押し下げることになる。これにより、二アーム・レバー116は、その他方の側がストッパ131に再び突き当たるまで約90°だけ時計回り方向にスイングされる(図16と図18を参照)。これにより、一方ではオープナ121がガイド本体66dと一緒にもち上げられ、他方では、クローザ122がガイド本体66cと一緒に下げられ、ヤーン23dと23cは、図6?図1515を参照して説明したように、それぞれ解放され、カットされ、クランプされる。トラック103を通過したあと(図15)、すべての部品はスプリング129d、130、127によってスイングされ、図16に示す基準位置に戻される。
【0054】
図16?図18を参照して説明した実施例によれば、セレクタ・レバー45が基準位置(図16)にあるとき、制御部材114も基準位置にあり、その位置では上端がカム・トラック102の領域の外にあるという利点がある。そのために存在するすべてのヤーン切替え装置のオープナ121とクローザ122はヤーン切替えが行われていない限り、その影響を受けないままになっている。これに反して、トラック102は、図1?図15に示す実施例では、ニードル・シリンダ1が回転するたびに制御部材51に作用するので、オープナ61とクローザ57は、ヤーン切替えを必要としないニードル・シリンダの回転ごとにデッド・ストロークを行うことになる。この結果、摩耗が増加し、特に騒音発生が増加することになる。図16?図18に示す実施例を使用すると、ヤーン切替えが行われないときは、すべての部品は新しいヤーン切替えが開始されるまで静止したままになっているので、騒音発生は最小になる。
【0055】
ヤーン切替え装置21と111の別の重要な利点は、それぞれがカム・トラック101、102および103によって作動するセレクタ・レバー45と制御部材51、114が関連の機能部品(ヤーン・フィンガ22、クローザ57または122、オープナ61または121)に直接的に作用し、追加のレバーや類似物を介さない点にある。セレクタ・レバー45、制御部材51および114の作用方向は長軸37または118に平行していることが好ましい。このようにすると、存在する部品の総数が大幅に削減されることになる。さらに、動作信頼性が向上することになる。最後に、ヤーン切替え装置全体をコンパクト化し、狭幅にすることができるので、従来の通常の丸編み機の周囲により多くのヤーン切替え装置を配置することが可能になる。
【0056】
【実施例3】
本発明によるヤーン切替え装置のもう1つの重要な利点は、一方では、ヤーン切替え装置が編みツール2のサークルのほぼ上方に配置され、他方では、ヤーン切替え装置21のハウジングの上方を走行するカム・トラック101、102および103によって制御される点にある。従って、ヤーン切替え装置用のスペースが十分に丸編み機に残っているので、丸編み機の作業領域を十分に空きのまま残しておくことができるだけでなく、シンカ・リング3ではなく、図19?図21に図示するように、ニードル・シリンダ1と一緒に回転するダイヤル134をもつ丸編み機でもヤーン切替え装置を直接に使用することができる。ここで、ダイヤル134は、編みツール2をスライド可能に装着するサポート手段としての役割を果たしている。
【0057】
ドライブ・シャフト12は固定サポート・ディスク135によってピニオン17上を案内され、ドライブ・ギヤホイール137とかみ合う別のピニオン136を備えており、ドライブ・ギヤホイール137は回転軸26と同軸になるように、丸編み機の中心に回転可能に装着された別のドライブ・シャフト138上に取り付けられている。このドライブ・シャフト138はその下端に通常のようにサポート・リング139をもち、サポート・リング139にはダイヤル134が装着され、他方、サポート・ディスク135は従来のダイヤル・カム・ボックス141用のキャリヤ140を支持している。
【0058】
これらのピニオン136、ドライブ・ギヤホイール137、ドライブ・シャフト138は、ダイヤル・ドライバを構成している。
【0059】
図1?図18とは対照的に、図19?図21に示す実施例では、ヤーン・キャッチャ142がダイヤル134に組み込まれているが、これは、半径方向に内側に配置されたアーム106が他の実施例では走行する空間(図1)の少なくとも一部が、この実施例では、ダイヤル・カム・ボックス141によって占有されるので、編みツール2の背後で邪魔されないようにヤーン・キャッチャ142を通過できるようにするために、編み機がどのタイプであるかに応じてアーム106を特殊な形状にする必要があるためである。本発明の変形実施例によれば、このようなアーム106(図1)がなくてもヤーン・キャッチャ142を取り付けることが可能である。図21に示すように、ヤーン・キャッチャ142は後方の保持プレート143上に取り付けられ、その後ろ側に少なくとも1つの取付けバー144が固定されている。この種の取付けバー144は複数にすることが好ましい。これらは、ニードルのシャンクまたはジャック・セレクタのような、長いフラット・プレートからなり、同数のダイヤル・ニードルの個所で、これらを受け入れるダイヤル134のラジアル溝145内に取り付けられている。さらに、取付けバー144の各々は内側に突出したバット146をもっている。これらのバット146は円周方向に走行する溝147内に配置され、取付けバー144が半径方向に移動するのを防止している。溝147は、切替え点の個所にだけ形成され、そこに取付けバー144が置かれている。このようにすると、旧ヤーンと新ヤーンが切替え点の個所に置かれるニードル・シリンダ1の編みツール2のフックの背後に密接してヤーン・キャッチャ142に配置することが可能になる。
【0060】
図20は、相互に隣接する3つの編成システムを示す正面図であり、各々はスロット105をもつヤーン・ガイド25を備えている。そこでは、ヤーン・キャッチャは最も右側の編成システムだけのものが図示されている。そこから太線で示したヤーン23eが供給され、このヤーンは関連ヤーン・ガイド25のスロット105に置かれている。さらに、ヤーン・フィンガ22f(図21)は作業位置までスイングされ、そこで、図20中、同じく太線で示す新しいヤーン23fが上述したように供給される。このヤーン23fは、図2020に示すように中間編成システムに直接に設けられたダイヤルまたはその斜めに延びたカーブ148(図20)上に装着され、矢印xの方向(図20)に移動するヤーン・キャッチャ142に捕まれたあと、図21にヤーン23e、23f間に破線で示すように、また図6?図15を参照して詳しく説明したように、ヤーン・ガイド25のスロット105内に徐々に入り込んでいく。
【0061】
図19は、図2にも示されているスリップ・リング98を示す図であり、これは、ドライブ・シャフト138を取り囲むスリーブ149の外壁に取り付けられ支持ディスク135に接続されている。同図には、ブラシ99と制御マグネット92につながるコンダクタ97も示されている。
【0062】
本発明は上述してきた実施例に限定されるものではなく、種々態様に変更することが可能である。このことは、特にヤーン切替え装置21と111の種々部品に該当する。例えば、クローザ57は、クローザ122と同じようにLまたはU形状の湾曲部にすることが可能である。また、部品51、52を両方のサイド・プレート27、28に取り付けることも、これらをスタッド53、54に取り付け、両側に取り付けられたギヤホイール48によってこれらを結合することも可能である。さらに、異種形状の逆連結メカニズムを設けることも可能であり、また制御部材51を、ヤーン切替えの必要時にだけカム・トラック102の作業範囲に位置するように設計し、配置することも可能である。さらに、オープナおよび/またはクローザを、例えば、スロット、調節ねじ、偏心おもりなどによって調節可能に部品52、55または116に取り付けるようにすると、これらが作用状態になる時点を調整することが可能になる。また、明らかであるように、他の、特に機械的パターン・デバイスを制御マグネット92の個所に設けることも可能である。さらに、上述した部品は図示のものとは異なる組合せで設けることも可能である。最後に、本発明は丸編み機に限定されるものではなく、適当な変更を加えることにより、平形横編み機で使用することも可能である。
【0063】
【発明の効果】
本発明によれば、カム・トラック101、102および103によって作動するセレクタ・レバー45と制御部材51、114が関連する機能部品(ヤーン・フィンガ22、クローザ57、122、オープナ61、121)に直接的に作用し、追加のレバーや類似物が必要とされない。すなわち、本発明によれば、単一の制御カム・トラック102だけでオープナ61、121とクローザ57、122を制御できる。したがって、部品点数の大幅な削減を図ることができ、摩耗と障害発生の機会をそれだけ減少させ、動作信頼性を向上させると共に、ヤーン切り換え装置全体をコンパクト化し、狭幅にすることができる。
【0064】
また、本発明によれば、セレクタ・レバー45が基準位置にあるとき(図16)、制御部材114も基準位置にあり、その位置では、上端がカム・トラック102の領域外にあるという利点がある。そのため、存在する全てのヤーン切り換え装置のオープナ121とクローザ122は、ヤーン切り替えが行われていない限り、その影響を受けず、ヤーン切り替えが行われていない時には、全ての部品は、新しいヤーン切り替えが開始されるまで静止したままになっている。これによって、騒音発生を最小に抑えることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による丸編み機の一部を破切して示す側面図。
【図2】図1に示す丸編み機の一部を省略した平面図。
【図3】本発明によるヤーン切替え装置を示す正面図。
【図4】図3に示すヤーン切替え装置の内部を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図5】図3に示すヤーン切替え装置におけるサイドプレート27、28とプレート42との取り付け状態を現す一部を省略した縦断面図。
【図6】図3に示すヤーン切替え装置のヤーン・フィンガのヤーン・クランプが開いている状態を現す拡大正面図。
【図7】図6のヤーン・フィンガの側面図。
【図8】図6のヤーン・フィンガの背面図。
【図9】図6のヤーン・フィンガの横断面図。
【図10】図3に示すヤーン切替え装置のヤーン・フィンガのヤーン・クランプが閉じている状態を現す拡大側面図。
【図11】本発明によるヤーン切替え装置の作動中の内部を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図12】図11の動作の次の段階の動作を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図13】本発明によるヤーン切替え装置の図12に示す動作段階に対応する正面図。
【図14】図12の動作の次の段階の動作を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図15】図14の動作の次の段階の動作を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図16】本発明による他のヤーン切替え装置の作動中の内部を現す図で、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図17】図16中のA-A断面を現す断面図。
【図18】図16のヤーン切替え装置の作動中の内部を現す図で、図16とは異なる段階の、サイドプレート27側から見た一部を省略した縦断面図。
【図19】本発明による円形ゴム編み機の一部を破切して示す側面図。
【図20】図19に示す円形ゴム編み機のダイヤルの領域における概略正面図。
【図21】図19に示す円形ゴム編み機をダイヤルの領域において半径方向に断面して示した一部断面図。
【符号の説明】
1 ニードル・シリンダ
2 編みツール
5 カム・ボックス
14 サポート
16 サポート・リング
21、111 ヤーン切替え装置
22 ヤーン・フィンガ
23 ヤーン
25 ヤーンガイド
25a バー
37、118 長軸
39、112 一アーム・レバー
43、46、58、82 スプリング
45 セレクタ・レバー
48 ギアホイール
51 制御部材
52 スライダ
57、122 クローザ
61、121 オープナ
65 フィンガ本体
66 ガイド本体
69 カット要素
71 クランプ要素
79 制御ピン
80 プリセレクタ・レバー
86 ガイド片
90 凹部
91 セレクタ装置
92 制御マグネット
95 制御カム
101、102、103 カム・トラック
104、142 ヤーン・キャッチャ
105 スロット
107 傾斜面
114 制御部材
116 二アーム・レバー
126 駆動アーム
127 ヘリカル・スプリング
129、130 スプリング
134 ダイヤル
135 サポート
136 ピニオン(ダイヤル・ドライバ)
137 ドライブ・ギアホイール(ダイヤル・ドライバ)
138 ドライブ・シャフト(ダイヤル・ドライバ)
141 ダイヤル・カム・ボックス
142 ヤーン・キャッチャ
144 取付けバー
145 溝
146 バット
148 傾斜面
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2006-09-26 
結審通知日 2008-04-10 
審決日 2006-11-13 
出願番号 特願平8-79185
審決分類 P 1 113・ 561- YA (D04B)
P 1 113・ 121- YA (D04B)
P 1 113・ 85- YA (D04B)
P 1 113・ 537- YA (D04B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 西山 真二  
特許庁審判長 石原 正博
特許庁審判官 寺本 光生
豊永 茂弘
登録日 2005-03-04 
登録番号 特許第3650796号(P3650796)
発明の名称 編み機およびヤーン切替え装置  
代理人 鈴木 正次  
代理人 涌井 謙一  
代理人 竹内 卓  
代理人 岡本 昭二  
代理人 山本 典弘  
代理人 涌井 謙一  
代理人 鈴木 正次  
代理人 山本 典弘  

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