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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65D |
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管理番号 | 1183598 |
審判番号 | 不服2007-17093 |
総通号数 | 106 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2008-10-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2007-06-19 |
確定日 | 2008-08-27 |
事件の表示 | 平成9年特許願第269876号「バッグインボックス用内袋」拒絶査定不服審判事件〔平成11年5月18日出願公開、特開平11-130088〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成9年10月2日(国内優先権主張日 平成9年8月25日)の出願であって、平成18年10月10日付け(発送日)拒絶理由通知に応答して、平成18年12月8日付けで明細書を対象とする手続補正がなされたが、平成19年5月21日付け(発送日)で拒絶査定され、平成19年6月19日にこれを不服として審判請求がなされるとともに平成19年7月9日に明細書を対象とする手続補正がなされたものである。 第2 平成19年7月9日付け手続補正についての補正却下の決定 [補正却下の決定の結論] 平成19年7月9日付け手続補正(以下、「本件補正」という)を却下する。 [理由] 1.本件補正の内容 本件補正は、平成18年12月8日付けで補正された明細書をさらに補正するものであり、補正前の【特許請求の範囲】の請求項1において「バッグインボックス用内袋1」と記載されていた内袋を「ホット充填用のバッグインボックス用内袋1」とするものである。 2.新規事項追加の有無、補正の目的の適否 この補正は、本願の願書に最初に添付した明細書及び図面の実施例に関する記載を参照すれば、新規事項を追加するものではない。 また、この補正により、バッグインボックス用内袋1について特に限定がなかったものを「ホット充填用の」として用途限定するものであり、それにより、産業上の利用分野や解決しようとする課題が変更されるものでもない。 したがって、本件補正は、補正前の請求項1に記載された「バッグインボックス用内袋1」の構成を限定して特定する補正を含むものであり、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで、本件補正後の請求項1に記載された事項により特定される発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)について以下に検討する。 3.本願補正発明 補正後の本願の請求項1に係る発明(以下、「本願補正発明」という。)は、上記「本件補正」において、補正後の請求項1に記載された事項により特定されるとおりのものである。 4.刊行物 (1)刊行物1に記載された発明 原査定の拒絶理由に引用された本願優先権主張日前に頒布された刊行物である特開平8-282680号公報(以下「刊行物1」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。 (a)「バッグインボックス用包装袋は、基本的には、ポリエチレンのフィルムを使用して二重袋あるいは三重袋となっているために、ホットフィルにより、包装袋の層間で、いわゆるブロッキング現象を起こし、更には、ピンホ-ル等が発生し、その包装適性が著しく低下するという問題点がある。そこで、本発明の目的は、たれ、ス-プ、つゆ等の業務用の調味料を90ないし95℃位に加熱してバッグインボックス用包装袋にホットフィルしても、該バッグインボックス用包装袋の層間で、いわゆるブロッキング現象、更にはピンホ-ル等を起こすことのないホットフィルに適したバッグインボックス用包装袋を提供することである。」(段落【0003】) (b)「【課題を解決するための手段】 本発明者は、上記のような問題点を解決すべく鋭意研究した結果、バッグインボックス用包装袋を構成する樹脂のフィルムとして、ホモポリプロピレンとゴム成分とをブレンドしてなる熱可塑性エラストマ-を製膜したポリプロピレンフィルムに着目し、該フィルムを単体で、またはこれと他の樹脂のフィルムを併用して多重体としてバッグインボックス用包装袋を構成し、これを使用して、たれ、ス-プ、つゆ等の業務用の調味料を90℃ないし95℃位に加熱してホットフィルしたところ、該包装袋の層間で、いわゆるブロッキング現象、更にはピンホ-ル等を起こすことのないホットフィルに適したバッグインボックス用包装袋を見出して、本発明を完成したものである。」(段落【0004】) (c)「本発明では、上記の多重体を折り曲げるか、あるいは多重体の二つを重ね合わせてその外周端部をヒ-トシ-ルして、バッグインボックス用包装袋袋体を構成するものである。」(段落【0015】) (d)「本発明においては、各樹脂のフィルムは、そのシ-ル部を除いて各層間は、単に重ね合わされた状態であって、各層間はシ-ルされていないものであり、これによって、輸送時あるいは流通時等に一層に擦れ等による破袋等が生じても他の層のフィルムで破袋等を防止して、バッグインボックス用包装袋の全体としての破袋等を防止するものである。」(段落【0021】) (e)「次に、上記で製造したバッグインボックス用包装袋を使用してホットフィルする方法について説明すると、まず、上記で得たバッグインボックス用包装袋の注出口の蓋を取り外し、これより90ないし95℃に加熱した液体調味料を計量して充填し、しかる後上記の注出口に蓋を被せ密閉して、袋体の殺菌を兼ねた調味料の充填包装体を製造することができる。」(段落【0023】) (f)「共押し出し法にて、直鎖状低密度ポリエチレン層/接着性樹脂層/エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物層/接着性樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン層からなる総厚90μmの3種5層の積層体を製造した。 次に、ポリプロピレン100重量部にエチレン-プロピレン共重合体ラバ-を約50重量部添加して微分散してなる熱可塑性エラストマ-を製膜して、厚さ40μmのポリプロピレンフィルムを製造した。 次に該ポリプロピレンフィルムに厚さ40μmの直鎖状低密度ポリエチレンフィルムをポリエチレンサンドイッチラミネ-ションにて貼り合わせて、下記の構成からなる積層体を製造した。 ポリプロピレン層40μm/ポリエチレン層15μm/直鎖状低密度ポリエチレン層40μm 上記で製造した積層体、直鎖状低密度ポリエチレン層/接着性樹脂層/エチレン-酢酸ビニル共重合体ケン化物層/接着性樹脂層/直鎖状低密度ポリエチレン層と、ポリプロピレン層40μm/ポリエチレン層15μm/直鎖状低密度ポリエチレン層40μmとを使用して、その順序で重ね合わせて多重体とし、次いで該多重体に開口部を設け、更に該開口部にポリエチレン製の注出口を図示したようにヒ-トシ-ルして取り付けた。 この多重体に、上記と同様にして製造した別の多重体を、その直鎖状低密度ポリエチレン層面が対向するように重ね合わせ、更にその外周端部をヒ-トシ-ルしてバッグインボックス用包装袋を製造した。 上記で得たバッグインボックス用包装袋の注出口の蓋を取り外し、これより90ないし95℃に加熱したたれを計量して充填し、しかる後上記の注出口に蓋を被せ密閉して、袋体の殺菌を兼ねた調味料の充填包装体を製造することができた。このものは、層間でフィルムどうしのブロッキング等は見当たらなかった。」(段落【0024】) (下線は当審において付与したものである。) したがって、刊行物1には次の発明が記載されているものと認められる。 「少なくとも二枚以上のフィルムからなる多重体を重ね合わせ、周囲をヒートシールした充填包装体であって、多重体の最内に位置するフィルムは積層体であり、該積層体が他のフィルムと接するポリプロピレン層と、直鎖状低密度ポリエチレンの最内層とを有するものであり、多重体のうち最内に位置するフィルム以外のフィルムにおいて、他のフィルムと接する層が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなるホット充填用のバックインボックス用包装袋。」(以下、この発明を「引用発明」という。) (2)刊行物2に記載された技術的事項 原査定の拒絶理由に引用された本願優先権主張日前に頒布された刊行物である特開平4-163041号公報(以下「刊行物2」という。)には、以下の事項が図面とともに記載されている。 (ア)「本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、低温耐ピンホール性、耐ブロッキング性、ヒートシール性及びヘイズのいずれにも優れ、従って食品包装袋製造用積層材料の最内層フィルム、バッグインボックスの内袋用フィルム等として好適に使用できる多層フィルムを提供することを目的とする。」(第2頁左上欄第10?16行) (イ)「[課題を解決するための手段及び作用]本発明は、上記目的を達成するため、下記(A)成分80?5重量%と下記(B)成分20?95重量%とを含む中間層と、下記(A)成分100重量部と下記(C)成分0.05?2.0重量部とを含む両表面層とを有し、かつ上記中間層の(B)成分の重量が全体の重量の10?60%であると共に、該中間層の厚みが全層の厚みの30?80%である多層フィルムを提供する。 (A)低温融解成分率(HL/HT)が0.6?0.9である直鎖状低密 度ポリエチレン。 ここで、低温融解成分率(HL/HT)とは、全融解成分量(HT )中におけるある一定温度以下の低温で融解する低温融解成分量( HL)の割合であり、後述するように示差走査熱量分析によって測 定することができる。 (B)エチレン・α-オレフィン系共重合体ゴム。 (C)抗ブロツキング剤。」(第2頁左上欄第17行?右上欄第16行) (ウ)「(A)直鎖状低密度ポリエチレン ---中略--- 密度は0.900?0.930g/cm^(3)であることか好ましい。0.900g/cm^(3)未満では耐ブロツキング性が悪くなることがあり、0.930g/cm^(3)を超えると低温耐ピンホール性が悪くなることがある。」(第2頁右下欄第3行?第3頁第左上欄第4行) したがって、刊行物2には次の技術的事項が記載されているものと認められる。 「バックインボックスの内袋用フィルムにおいて、隣接するフィルムのブロッキングを防止するためにフィルムの両表面層を密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂に抗ブロッキング剤を0.05?2.0重量部添加した層とする技術」 5.対比 本願補正発明と引用発明とを対比すると、その文言上の意義、構造及び機能等からみて、引用発明における「多重体」は、本願発明の「フィルム群」に相当し、以下同様に、「充填包装体」は「袋」に、「積層体」は「多層フィルム」に、「バックインボックス用包装袋」は「バッグインボックス用内袋」にそれぞれ相当する。 したがって、両者の一致点及び相違点は次のとおりである。 〈一致点〉 「少なくとも二枚以上のフィルムからなるフィルム群を重ね合わせ、周囲をヒートシールした袋であって、フィルム群の最内に位置するフィルムは多層フィルムであり、該多層フィルムが他のフィルムと接する樹脂層と、直鎖状低密度ポリエチレンの最内層とを有するものであり、フィルム群のうち最内に位置するフィルム以外のフィルムにおいて、他のフィルムと接する層が直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなるホット充填用のバックインボックス用内袋。」 〈相違点1〉 高温液体を充填する際に、隣接するフィルム同士が熱融着すること(ブロッキング現象)を防止するために、本願補正発明においては、高温液体を充填するときに隣接するフィルムの表面層をそれぞれ「密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂にアンチブロッキング剤を0.4?10.0重量%添加した」層としたのに対して、引用発明においては、高温液体を充填するときに隣接するフィルムの一方の表面層をポリプロピレン層とした点。 〈相違点2〉 内容物に添加物が混入しないように、本願補正発明においては、内容物と接する最内層におけるアンチブロッキング剤の添加を0.3重量%以下としたのに対して、引用発明においては、内容物と接する最内層にアンチブロッキング剤が添加されているか否か不明な点。 6.判断 (1)相違点1について 本願補正発明の相違点1に係る構成の技術的意義について検討する。 本願の明細書の段落【0003】、【0004】、【0006】、【0009】には、本願補正発明の技術的課題として次のように記載されている。 「ところでソースや調味液は、内容物がまだ80?98℃といった高温の状態で包装資材に充填する“ホット充填”と呼ばれる充填法が用いられているが、前述した多重内袋は常温では液漏れを防止できるが、ホット充填に不向きであった。なぜならば、多重内袋に高温の液体を充填すると内容物の熱によってフィルム表面が溶融し、隣接するフィルム同士が熱融着し、該熱融着部分からピンホールが発生したり、破袋することがあるからである。尚、熱融着は樹脂密度を高くすることによってある程度は防止できるが、この場合基材フィルムが硬くなり、耐ピンホール性が悪化する。一方、直鎖状低密度ポリエチレン樹脂のように耐ピンホール性に優れた樹脂は、融点が低いために熱融着の問題が特に深刻であった。」(段落【0003】) 「【発明が解決しようとする課題】 本発明が解決しようとする課題は、多重構造のバッグイッンボックス用内体において、例え高温の液体を充填しても隣接するフィルム同士が熱融着することのない内袋を提供することである。」(段落【0004】) 「【作用】 図1は、図2に示す本発明によるバッグインボックス用内袋の、フィルム群2におけるフィルム3、4が接する部分の断面を示した拡大図である。本発明によると、他のフィルムと隣接する層33及び層41はアンチブロッキング剤Aが0.4?10.0重量%添加されているため、フィルム表面にはアンチブロッキング剤Aによる凸部分が生じ、フィルム同士が熱融着することが防止される。」(段落【0006】) 「更に、本発明の目的を損なわない範囲で、通常のポリオレフィン系フィルムに添加される各種添加剤を添加しても良い。更にまた、アンチブロッキング剤が添加された層は熱融着の問題が改善されているので、耐衝撃性、耐寒性、耐ピンホール性に優れた密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂を用いることが好ましい。」(段落【0009】) これらの記載からみて、本願補正発明の相違点1に係る構成の技術的意義は、耐ピンホール性に優れているが、融点が低い密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレンのフィルムにより構成された多重内袋において、高温の液体を充填しても隣接するフィルム同士が熱融着することのないように、隣接するフィルムのそれぞれの表面層にアンチブロッキング剤を0.4?10.0重量%添加することにより、フィルム表面にアンチブロッキング剤による凸部分を形成することにあると解することができる。 これに対して、刊行物2には、耐ピンホール性に優れた密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂で構成される表面層に、ブロッキングを防止するために抗ブロッキング剤、すなわちアンチブロッキング剤を0.05?2.0重量部添加する技術が記載されている。 そして、刊行物2に記載されたアンチブロッキング剤の添加量の範囲は、本願補正発明におけるアンチブロッキング剤の添加量の範囲に一部含まれており、またアンチブロッキング剤の添加量の範囲については、耐ブロッキング性の程度や成形性、経済性などを踏まえて当業者が適宜定めるものである。 したがって、引用発明において、ブロッキングを防止する具体化手段として、高温液体を充填するときに隣接するフィルムの一方の表面層をポリプロピレン層とした構成に代えて、隣接するフィルムのそれぞれの表面層をアンチブロッキング剤が0.4?10.0重量%含有された密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂層とすることは、当業者が容易に想到し得ることである。 (2)相違点2について 一般にブロッキング現象とは、フィルム同士が密着して滑りにくくなったり、剥がれにくくなったりすることであるから、内容物が未だ充填されていない多重包装袋においては、内側の袋の外表面層とこれに隣接する外側の袋の内表面層との間だけでなく、最内に位置する袋の内表面層同士においてもブロッキング現象が生じ得る。 しかしながら、引用発明の課題は、高温液体を充填する際に多重包装袋の層間(内側の袋の外表面層とこれに隣接する外側の袋の内表面層との間)で加熱のために生じるブロッキング現象を防止することであり、高温液体充填前に引用発明の最内に位置する袋の内表面層同士におけるブロッキング現象を防止することは課題として認識されていないから、引用発明の最内層には、ブロッキング現象を防止するためのアンチブロッキング剤はなんら添加されていないと解するべきである。 また、仮にそうでないとしても、一般に、食品や飲料用の袋においては、安全性や品質維持の観点から内容物に接する層は、他の層に比べ表面改質に利用する添加物の量を減らしたり、或いは添加物を使わないようにすることは技術常識であるから、最内層においてアンチブロッキング剤の添加を0.3重量%以下とすることは当業者が容易になし得ることである。 また、アンチブロッキング剤の添加量を0.3重量%以下に設定することによる効果も当業者の予測の範囲を超えるものではない。 (3)相違点についてのまとめ 本願補正発明を全体構成でみても、引用発明及び刊行物2に記載された技術から予測できる作用効果以上の顕著な作用効果を奏するものではない。 したがって、本願補正発明は、引用発明及び刊行物2に記載された技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものである。 7.補正却下についてのむすび 以上のとおり、本願補正発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものであるから、本件補正は、平成18年改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであり、特許法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。 第3 本願発明 本件補正は、上記のとおり却下されたので、本願の請求項1及び2に係る発明は、平成18年12月8日付けで補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された事項により特定されるとおりのものであるところ、請求項1は以下のとおりのものである。 「少なくとも二枚以上のフィルムからなるフィルム群2を重ね合わせ、周囲をヒートシールした袋であって、 フィルム群2の最内に位置するフィルムは多層フィルムであり、該多層フィルムが、密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂にアンチブロッキング剤を0.4?10.0重量%添加した他のフィルムと接する層と、アンチブロッキング剤の添加が0.3重量%以下である最内層とを有するものであり、 フィルム群2のうち最内に位置するフィルム以外のフィルムにおいて、他のフィルムと接する層がアンチブロッキング剤を0.4?10.0重量%含有する密度0.930g/cm^(3)以下の直鎖状低密度ポリエチレン樹脂からなることを特徴とするバッグインボックス用内袋1。」(以下、この発明を「本願発明」という) 第4 刊行物の記載事項 原査定の拒絶の理由に引用された刊行物、及びその記載事項は、前記第2、「4.刊行物」に記載したとおりである。 第5 対比・判断 上記第2、「1.本件補正の内容」での検討によれば、本願発明は、前記第2、「3.本願補正発明」から、「バッグインボックス用内袋1」の用途を限定する事項である「ホット充填用の」との構成を省いたものである。 そうすると、本願発明の発明特定事項をすべて含み、さらに、他の発明特定事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記第2、「5.対比」及び「6.判断」で検討したように、引用発明及び刊行物2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様に、引用発明及び刊行物2に記載された技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 第6 むすび 以上のとおり、本願発明は、本願優先権主張日前に頒布された刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、他の請求項に係る発明を検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 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審理終結日 | 2008-06-27 |
結審通知日 | 2008-07-01 |
審決日 | 2008-07-14 |
出願番号 | 特願平9-269876 |
審決分類 |
P
1
8・
121-
Z
(B65D)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 渡邊 真、柳田 利夫 |
特許庁審判長 |
寺本 光生 |
特許庁審判官 |
遠藤 秀明 佐野 健治 |
発明の名称 | バッグインボックス用内袋 |