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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 E04F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 E04F
管理番号 1187345
審判番号 不服2006-23228  
総通号数 108 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2008-12-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-10-12 
確定日 2008-11-06 
事件の表示 特願2002-9169「化粧パネル」拒絶査定不服審判事件〔平成15年7月30日出願公開、特開2003-213893〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 【1】手続の経緯
本願は、平成14年1月17日の出願であって、平成18年9月5日付けで拒絶査定がなされ、これに対し、同年10月12日に拒絶査定に対する審判請求がなされるとともに、同年11月13日付けで手続補正がなされたものである。


【2】平成18年11月13日付けの手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成18年11月13日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
[1]補正後の本願発明
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1は、特許請求の範囲の減縮を目的として、次のように補正された。
「パネル本体の一方の端部に嵌合凸部を設けると共にパネル本体の他方の端部に嵌合凹部を設け、パネル本体の表面に一定の大きさの完成柄を多数形成した化粧パネルであって、複数の完成柄のみを並べて形成され、両端の完成柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された完成柄行と、両端の分割柄の間に複数の完成柄を設けて形成され、両端の分割柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された分割柄行とを、交互に複数列パネル本体の表面に設け、嵌合凸部側の端部表面に形成された分割柄に連続させて連続用分割柄を嵌合凸部の表面に設け、隣合う完成柄間、隣合う完成柄と分割柄の間、完成柄行と分割柄行の間にそれぞれ目地柄を形成し、完成柄行と分割柄行の間の目地柄と連続すると共に完成柄行の嵌合凸部側の端部の完成柄と連続する連続用目地柄を嵌合凸部の表面に形成し、隣接する化粧パネルを目地間隙を置いて凹凸嵌合させた状態で嵌合凸部側の分割柄と嵌合凹部側の分割柄と目地間隙部分に露出する連続用分割柄とで完成柄を完成させると共に目地間隙部分に露出する連続用目地柄により目地柄と同じ外観の柄を形成するようにして成ることを特徴とする化粧パネル。」
そこで、本件補正後の上記請求項1に係る発明(以下、「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(平成18年改正前特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第5項の規定に適合するか)否かについて、以下に検討する。


[2]引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用され、本願出願前に頒布された刊行物である、実願昭54-45144号(実開昭55-143318号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献1」という。)には、以下の事項が記載されている。
(イ)「従来より羽目板化粧板は種々提案されているがそのほとんどが第1図に示す様に化粧層が連続しておらず、意匠的にも性能的にも不満足なものであった。
すなわち、第1図に示す様に化粧シート(1)は基材(2)の上面部(3)のみに貼着されており、目透かし底部(4)は塗装が施されているだけであった。従って第2図に示す様に複数枚の羽目板を接続して実際に施工してみると、上面部(3)の模様は目透かし部分(6)で途切れてしまい、しかも目透かし側面部(5)は基材(2)が露出してしまっていた。この様な欠点を解消する為には、上面部と目透かし底部及び目透かし側面部の全部を化粧シートで覆ってしまえば良いわけであるが、模様を連続させ、しかも耐水性等を考慮して継目を最小にするには、1枚の化粧シートで上面部と目透かし底部と目透かし側面部とを連続して被覆する必要がある。・・・」(明細書1頁19行?2頁16行)
(ロ)「まず第3図に示す様に、合成樹脂混抄紙(7)に所望の模様(8)を施し、その上に熱可塑性樹脂の層(9)を形成した化粧シート(10)を作成する。
次いでこの化粧シートを接着剤(11)を介して基材(2)に貼り合わせて第4図に示す様に羽目板化粧板(12)を構成する。
・・・第5図(a)に示す様にまず基材(2)に目透かし部の加工を施し、次いで(b)に示す様に化粧シート(10)を三方巻き込み方式で貼り合わせるか又は(c)に示す様に四方巻き込み方式で貼り合わせ、次いでサネ加工を施して雄ザネ(13)と雌ザネ(14)を形成する。」(同、3頁16行?4頁8行)
(ハ)「所望の模様は木目模様、抽象柄模様、その他任意で良い。」(同、4頁19?20行)
(ニ)「以上の様に構成された本考案の羽目板化粧板は同一の化粧シートで上面部と目透かし底部及び目透かし側面部が被覆されているので、その複数枚を接続して用いる際に模様が連続しており、しかも基材が露出している部分がない・・・」(同、5頁12?16行)
そして、本考案の羽目板化粧板同士は、第2図に示される従来例のものと同様に、目透かし部分を設けた態様で凹凸嵌合させて接続されるものであることは明らかであるから、上記(イ)?(ニ)の記載事項及び第4,5図の記載、更には従来例を示す第1,2図の記載を含む引用文献1全体の記載並びに当業者の技術常識によれば、引用文献1には、次の発明が記載されているものと認められる。
「基材(2)の一方の端部に雄ザネ(13)を設けると共に基材(2)の他方の端部に雌ザネ(14)を設け、基材(2)の表面に所望の模様を施した同一の化粧シート(10)をその上面部、目透かし底部及び目透かし側面部を被覆するように巻き込み方式で貼り合わせた羽目板化粧板(12)であって、隣接する羽目板化粧板(12)同士を目透かし部分を設けた態様で凹凸嵌合させて接続して用いる際において、基材(2)が露出している部分がなく、しかも上記所望の模様が連続するようにして成る羽目板化粧板(12)。」(以下、「引用文献1記載の発明」という。)


[3]対比
補正発明と引用文献1記載の発明とを比較すると、引用文献1記載の発明の「基材(2)」,「雄ザネ(13)」,「雌ザネ(14)」,「羽目板化粧板(12)」,「隣接する羽目板化粧板(12)同士を目透かし部分を設けた態様で凹凸嵌合させて接続して用いる際において」が、補正発明の「パネル本体」,「嵌合凸部」,「嵌合凹部」,「化粧パネル」,「隣接する化粧パネルを目地間隙を置いて凹凸嵌合させた状態で」にそれぞれ相当し、
引用文献1記載の発明の「基材(2)の表面に所望の模様を施した同一の化粧シート(10)をその上面部、目透かし底部及び目透かし側面部を被覆するように巻き込み方式で貼り合わせた」と、補正発明の「パネル本体の表面に一定の大きさの完成柄を多数形成した」とは、「パネル本体の表面に所望の模様を施した」ことで共通し、補正発明の「嵌合凸部側の分割柄と嵌合凹部側の分割柄と目地間隙部分に露出する連続用分割柄とで完成柄を完成させると共に目地間隙部分に露出する連続用目地柄により目地柄と同じ外観の柄を形成する」とは、「所望の模様が連続するようにしている」ことであるといえる。
そうすると、両者は、
「パネル本体の一方の端部に嵌合凸部を設けると共にパネル本体の他方の端部に嵌合凹部を設け、パネル本体の表面に所望の模様を施した化粧パネルであって、隣接する化粧パネルを目地間隙を置いて凹凸嵌合させた状態で所望の模様が連続するようにして成る化粧パネル。」の点で一致し、次の点で相違している。
<相違点>
補正発明では、「複数の完成柄のみを並べて形成され、両端の完成柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された完成柄行と、両端の分割柄の間に複数の完成柄を設けて形成され、両端の分割柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された分割柄行とを、交互に複数列パネル本体の表面に設け、嵌合凸部側の端部表面に形成された分割柄に連続させて連続用分割柄を嵌合凸部の表面に設け、隣合う完成柄間、隣合う完成柄と分割柄の間、完成柄行と分割柄行の間にそれぞれ目地柄を形成し、完成柄行と分割柄行の間の目地柄と連続すると共に完成柄行の嵌合凸部側の端部の完成柄と連続する連続用目地柄を嵌合凸部の表面に形成し」てパネル本体に模様を設け、「嵌合凸部側の分割柄と嵌合凹部側の分割柄と目地間隙部分に露出する連続用分割柄とで完成柄を完成させると共に目地間隙部分に露出する連続用目地柄により目地柄と同じ外観の柄を形成する」ようにして、模様が連続するようにしているのに対して、引用文献1記載の発明では、模様が連続するようにしているものの、模様がそのようなものであるのか定かでない点。


[4]判断
上記相違点について検討する。
化粧パネルの技術分野において、複数の完成柄のみを並べて形成され、両端の完成柄が端部に沿って形成された完成柄行と、両端の分割柄の間に複数の完成柄を設けて形成され、両端の分割柄が端部に沿って形成された分割柄行とを、交互に複数列パネル本体の表面に設け、隣合う完成柄間、隣合う完成柄と分割柄の間に縦目地を、完成柄行と分割柄行の間に横目地をそれぞれ形成し、完成柄行と分割柄行の間の横目地と連続すると共に完成柄行の端部の完成柄と連続する縦目地を一端部に沿って形成し、隣接する化粧パネルを突き合わせ接合した状態で、一端側の分割柄と他端側の分割柄とで完成柄を完成させると共に、完成柄に連続し一端部に沿って形成された縦目地により隣接する化粧パネル同士間の縦目地部分を形成するようにして、模様を連続させて外観意匠性等に優れた壁面等を構成するようにした化粧パネルは、例えば、原査定の拒絶理由に周知例として提示された、特開平9-144268号公報(図4を参照。)、特開2000-129886号公報(図2を参照。)等に示されているように、従来から周知のものといえる。
尚、上記周知の化粧パネルは、目地間隙部分を形成しない突き合わせ接合で連続させるものであるから、補正発明のような連続用分割柄や連続用目地柄といった連続用柄を必要としないものの、完成柄と分割柄との目地を介した配置態様の点において補正発明と実質的な差異はないものである。

ところで、引用文献1記載の発明は、上記「[3]対比」(一致点の認定)で説示したように、隣接する化粧パネルを目地間隙を置いて凹凸嵌合させた状態で所望の模様が連続するようにして成るものであり、そして、上記「所望の模様が連続する」との作用効果は、「所望の模様を施した同一の化粧シート(10)」を、「基材(2)」の表面に、「上面部、目透かし底部及び目透かし側面部を被覆するように巻き込み方式で貼り合わせ」ることにより達成されるものである。

そうすると、引用文献1記載の発明において、上記「所望の模様」として上記周知の化粧パネルのような完成柄行と分割柄行とを交互に複数列設けてなる模様を採用することについての技術的困難性はないものであることはいうまでもないところ、そのような模様を採用するに際して、「隣接する化粧パネル」間の上記「目地間隙」部分に露出する「目透かし底部及び目透かし側面部」に、模様が連続するようにするため、連続用分割柄や連続用目地柄といった連続用柄を設けることは、当業者が容易に想到する程度のことといわざるをえない。

そして、補正発明全体の効果も、引用文献1記載の発明及び周知の技術から当業者が予測し得る範囲内のものであって格別のものということができないから、補正発明は、引用文献1記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。


[5]むすび
以上のとおり、本件補正は、平成18年改正前特許法第17条の2第5項の規定において準用する同法第126条第5項の規定に適合しないものであるから、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記[補正の却下の決定の結論]のとおり、決定する。


【3】本願発明について
平成18年11月13日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1、2に係る発明は、平成18年7月31日付けの手続補正書により補正された明細書の特許請求の範囲の請求項1、2に記載された事項により特定される、次のとおりのものである。
「【請求項1】パネル本体の一方の端部に嵌合凸部を設けると共にパネル本体の他方の端部に嵌合凹部を設け、パネル本体の表面に一定の大きさの完成柄を多数形成した化粧パネルであって、パネル本体の嵌合凸部側の端部表面に形成された分割柄に連続させて連続用分割柄を嵌合凸部の表面に設け、連続用分割柄に対応させてパネル本体の嵌合凹部側の端部表面に他の分割柄を形成し、隣合う完成柄間及び隣合う完成柄と分割柄の間に目地柄を形成すると共に目地柄に連続させて連続用目地柄を嵌合凸部の表面に形成し、隣接する化粧パネルを目地間隙を置いて凹凸嵌合させた状態で嵌合凸部側の分割柄と嵌合凹部側の分割柄と目地間隙部分に露出する連続用分割柄とで完成柄を完成させると共に目地間隙部分に露出する連続用目地柄により目地柄と同じ外観の柄を形成するようにして成ることを特徴とする化粧パネル。
【請求項2】(記載を省略する。)」(以下、請求項1に係る発明を、「本願発明」という。)


[1]引用刊行物
原査定の拒絶の理由に引用された引用刊行物とそれの記載事項は、上記【2】[2]のとおりである。


[2]対比・判断
本願発明は、実質的に、上記【2】で検討した補正発明を特定するために必要な事項である「複数の完成柄のみを並べて形成され、両端の完成柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された完成柄行と、両端の分割柄の間に複数の完成柄を設けて形成され、両端の分割柄が嵌合凸部側と嵌合凹部側の端部に沿って形成された分割柄行とを、交互に複数列パネル本体の表面に設け」との限定事項を省略したものであって、本願発明を特定するために必要な事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する補正発明が、上記【2】[4]で述べたとおり、引用文献1記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるといえるから、本願発明も、同様の理由により、引用文献1記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。


[3]むすび
以上のとおり、本願発明は、引用文献1記載の発明及び周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2008-08-27 
結審通知日 2008-09-02 
審決日 2008-09-19 
出願番号 特願2002-9169(P2002-9169)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (E04F)
P 1 8・ 121- Z (E04F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 油原 博  
特許庁審判長 伊波 猛
特許庁審判官 宮崎 恭
五十幡 直子
発明の名称 化粧パネル  
代理人 森 厚夫  
代理人 西川 惠清  
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