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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F
管理番号 1190195
審判番号 不服2006-18735  
総通号数 110 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2006-08-27 
確定日 2009-01-09 
事件の表示 特願2002-293298「カレンダー印刷サービス装置、プログラム及び記録媒体」拒絶査定不服審判事件〔平成16年 4月22日出願公開、特開2004-127148〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯
本願は、平成14年10月7日の出願であって、平成17年11月2日付け拒絶理由通知に対し同年12月20日付けで手続補正がなされたが、平成18年7月26日付け(7月28日発送)で拒絶査定され、これに対し、同年8月27日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に、同日付けで手続補正がなされたものである。


2.平成18年8月27日付けの手続補正についての補正却下の決定
[補正却下の決定の結論]
平成18年8月27日付けの手続補正を却下する。

[理由]
(1)補正の内容
平成18年8月27日付けの手続補正(以下「本件補正」という。)により、特許請求の範囲は、
「【請求項1】 インターネットを介して会員の端末から送信された画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された画像データを含むカレンダーを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記会員宅または前記会員によって指定された宛先に配送するための準備処理を実行する配送準備手段と
を備えたことを特徴とするカレンダー印刷サービス装置。
【請求項2】 あらかじめ登録された前記会員の氏名及び配送先を含む個人情報を記憶する記憶手段をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のカレンダー印刷サービス装置。
【請求項3】 前記会員に対して個人情報の二次利用可否を問い合わせ、その応答が可であった場合に、当該会員の個人情報からマーケティング調査や販売活動に有益な情報を抽出する二次利用情報抽出手段をさらに備えることを特徴とする請求項2記載のカレンダー印刷サービス装置。
【請求項4】 コンピュータに所定の処理機能を実行させるためのプログラムであって、
前記処理機能は、インターネットを介して会員の端末から送信された画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された画像データを含むカレンダーを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記会員宅または前記会員によって指定された宛先に配送するための準備処理を実行する配送準備手段と
を実現することを特徴とするプログラム。
【請求項5】 前記処理機能は、あらかじめ登録された前記会員の氏名及び配送先を含む個人情報を記憶する記憶手段をさらに実現することを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項6】 前記処理機能は、前記会員に対して個人情報の二次利用可否を問い合わせ、その応答が可であった場合に、当該会員の個人情報からマーケティング調査や販売活動に有益な情報を抽出する二次利用情報抽出手段をさらに実現することを特徴とする請求項4記載のプログラム。
【請求項7】 請求項4乃至請求項6いずれかに記載のプログラムを格納した記録媒体。」

から

「【請求項1】 インターネットを介して、会員の端末である携帯電話機から送信された画像データを受信する受信手段と、
あらかじめ登録された前記会員の氏名、家族の記念日及びカレンダーの送付先住所を記憶すると共に必要であれば前記カレンダーのコピー送付先住所も記憶する記憶手段と、
前記受信手段によって受信された前記会員からの画像データと該会員の家族の記念日とを月ごとのカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷する印刷手段と、
前記記憶手段に前記カレンダーのコピー送付先住所が記憶されている場合に前記印刷手段によって印刷された印刷物のコピーを生成するコピー生成手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記送付先住所に配送するための準備処理を実行すると共に、前記コピー生成手段によって前記印刷物のコピーが生成されていた場合はそのコピー生成物を前記コピー送付先住所に配送するための準備処理を実行する配送準備手段と、
前記会員の登録情報の中から日次処理または月次処理により二次利用可能な情報を抽出して該抽出情報を商品情報案内システムまたはダイレクトメール発送システムの一方またはその双方に転送する転送手段と
を備えたことを特徴とするカレンダー印刷サービス装置。
【請求項2】 コンピュータに所定の処理機能を実行させるためのプログラムであって、
前記処理機能は、インターネットを介して、会員の端末である携帯電話機から送信された画像データを受信する受信手段と、
あらかじめ登録された前記会員の氏名、家族の記念日及びカレンダーの送付先住所を記憶すると共に必要であれば前記カレンダーのコピー送付先住所も記憶する記憶手段と、
前記受信手段によって受信された前記会員からの画像データと該会員の家族の記念日とを月ごとのカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷する印刷手段と、
前記記憶手段に前記カレンダーのコピー送付先住所が記憶されている場合に前記印刷手段によって印刷された印刷物のコピーを生成するコピー生成手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記送付先住所に配送するための準備処理を実行すると共に、前記コピー生成手段によって前記印刷物のコピーが生成されていた場合はそのコピー生成物を前記コピー送付先住所に配送するための準備処理を実行する配送準備手段と、
前記会員の登録情報の中から日次処理または月次処理により二次利用可能な情報を抽出して該抽出情報を商品情報案内システムまたはダイレクトメール発送システムの一方またはその双方に転送する転送手段と
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項3】 請求項2記載のプログラムを格納した記録媒体。」
に補正された。

本件補正について検討すると、
補正後の請求項1は、補正前の請求項1について、会員の端末を「携帯電話機」に限定し、画像データを含むカレンダーの印刷については「会員からの画像データと該会員の家族の記念日とを月ごとのカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷する」ものに限定し、そして、「あらかじめ登録された前記会員の氏名、家族の記念日及びカレンダーの送付先住所を記憶すると共に必要であれば前記カレンダーのコピー送付先住所も記憶する記憶手段」、「前記記憶手段に前記カレンダーのコピー送付先住所が記憶されている場合に前記印刷手段によって印刷された印刷物のコピーを生成するコピー生成手段」、「前記コピー生成手段によって前記印刷物のコピーが生成されていた場合はそのコピー生成物を前記コピー送付先住所に配送するための準備処理を実行する配送準備手段」、「前記会員の登録情報の中から日次処理または月次処理により二次利用可能な情報を抽出して該抽出情報を商品情報案内システムまたはダイレクトメール発送システムの一方またはその双方に転送する転送手段」等を付加するものである。
また、補正後の請求項2は、補正前の請求項4について、補正後の請求項1と同様の構成の限定ないし付加を行ったものである。
当該補正に関して、発明を特定するための事項を限定したものに該当するか否か些か疑問が残るところではあるが、一応、本件補正が特許請求の範囲の減縮に該当するものであり、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第4項の規定に違反していないものとして、以下、本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「補正請求項1発明」という。)が、特許出願の際に独立して特許を受けることができるものであるかどうか(前記法律第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するか否か)について検討を続ける。

(2)引用文献に記載された事項
原査定の拒絶の理由において引用文献1として引用された特開2001-339595号公報(以下、「引用例」という。)には、図面とともに、以下の事項が記載されている。

(ア)「【0011】
【作用】
第1の本発明のネットワークフォトサービスシステムは、テンプレート画像に関する情報を取得し、取得した前記テンプレート画像に関する情報に基づいて注文情報を作成し、作成された前記注文情報をネットワークを介して転送することによって注文を行えるネットワークフォトサービスシステムであって、前記テンプレート画像に関する情報にはオブジェクトが含まれており、注文作成時に、前記オブジェクトの編集処理可能であるので、前記オブジェクトの編集処理によって、オリジナリティの高いプリントを得ることができる。また、処理用の端末を操作する例えば顧客は、元になるテンプレート画像に対して、前記オブジェクトの編集処理を行うだけで足り、複雑な操作を必要としないため、容易に合成画像にかかる注文を行うことが出来る。尚、テンプレート画像に関する情報は、ネットワークを介して取得できるし、CD-ROMなどの記憶媒体に格納された上で、かかるCDの配布を受けることでも取得できる。ここでいう「テンプレート画像」とは、背景画像とオブジェクトにより構成され、目的とする被写体画像やイラスト画像、文字など任意な画像をはめ込み可能であるものをいう。広義の意味においては、背景画像もオブジェクトに含まれる。ここでいう「オブジェクト」とは、被写体画像、文字などをはめ込み又は入力することが可能な部分のことを指し、好ましくは、マスク画像や画像枠などにより構成される。又、テンプレート画像に関する情報は、オブジェクトを編集処理可能とするために必要な設定ファイルなどによりコントロールすることが好ましい。
【0012】
更に、前記テンプレート画像情報を、ネットワークを介して取得することにより、かかる取得を容易に行える。ただし、本発明はこれに限られず、テンプレート画像に関する情報は、ネットワークを介して取得できるし、CD-ROMなどの記憶媒体に格納された上で、かかるCDの配布を受けることでも取得できる。」

(イ)「【0020】
ここでいうネットワークとは、コンピュータ・システム、端未、データ通信設備を相互に接続したものをいう。接続は専用回線、公衆回線のような有線で接続されていても良いし、通信衛星などを通じて無線で接続されていてもよいし、それらの複合形態で接続されていても良い。いわゆるインターネットなどもネットワークに含まれる。
【0021】
本発明により作成された注文は、最終的にはラボなどの店舗に転送されて、ここでプリントが行われる。すなわち店舗とは、注文に基づき画像をプリント出来る画像形成装置を備えた、例えばラボのようなものを言うがこれに限られない。プリントは、顧客が撮影した、現像済み又は未現像のフィルムなどの画像をデジタル画像データに変換した上で、係る画像データに基づき行われる。また、テジタルカメラ(以下単にデジカメと呼ぶこともある)により撮影された画像データや、顧客が作成したオリジナル画像データなどに基づいても行われる。」

(ウ)「【0026】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を参照して本発明を説明する。
図1は、本実施の形態のネットワークフォトサービスシステムを表す図である。図1において、注文作成手段としての顧客の端末11と、提供手段としての店舗の管理サーバ21とは、ネットワークNを介して通信可能となっている。管理サーバ21は、画像形成装置であるプリンタ22に接続されている。尚、端末11には、本発明の注文作成方法を実行するために必要なプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としてハードディスクを備えている。
【0027】
顧客は、プリント注文を作成する場合、端末11から管理サーバ21にアクセスし、プリント注文を作成するために必要な情報を読み込む。かかる情報には、被写体画像と組み合わせるべきテンプレート画像の情報(例えばサムネイル画像)や、プリント注文の所定のフォーマットなどが含まれる。尚、テンプレート画像に係る情報を含むプリント注文を作成するために必要な情報は、CD-ROMなどの記憶媒体に格納されて、ラボ等から配布されても良い。
【0028】
顧客は、かかるプリントの注文を作成するために必要な情報に基づき作成したプリント注文情報と、予め取得してあった画像データとを、対応づける形でネットワークNを介して管理サーバ21に送信し、これらに基づき店舗側では、プリント22により画像のプリントを行えるようになっている。
【0029】
図2は、被写体画像と組み合わされるテンプレート画像の例を示す図である。図2(d)では、ネットワーク経由或いは配布されたCD-ROMから取得した画像編集前のテンプレート画像である。図2(d)は、背景画像であるG2(本来は様々なデザインや色などで作成されたデザインであるがここでは省略する)と被写体画像を填め込み可能な画像オブジェクト枠G0と文字オブジェクトであるC1、C2により構成されている。
【0030】
ここで、通常定型のテンプレートの場合、C1やC2で示されるような文字データは固定されており、全く変更できない。この場合、画像オブジェクト枠G0に被写体画像G1を填め込むことで画像編集作業は終了するが、オブジェクトに画像を填め込むだけのもとなるため、非常にオリジナリティの低いものととなってしまう。顧客は、定型テンプレート画像で足りれば、テンプレート画像を変更しない旨の情報と共に、プリント注文を作成して、管理サーバ21に転送することにより、図2(a)に示されるような合成画像のプリントを得ることが出来る。
【0031】
これに対し、本発明のテンプレート画像の場合、顧客がテンプレート画像の変更を所望することができ、端末11を操作することによって、テンプレート画像を編集することが出来る。例えば、図2(b)に示す例では、画像オブジェクトG0に被写体画像G1を填め込んだ後、「子供が産まれました」という文字画像C1を花のイラスト画像G3と置換し、更に嵌め込まれる被写体画像G1との相対位置を変えている。文字画像G2は変更していない。
【0032】
一方、図2(c)に示す例では、「子供が産まれました」という文字画像C1の内、「子供」の部分を「男の子」に置換し、更にフォントを変更した上で、嵌め込まれる被写体画像G1との相対位置を変えている。尚、被写体画像G1’は拡大されている。更に文字画像G2’のフォントも変更されている。なお、上述より明らかであるが、被写体画像G1,文字画像C1、文字画像G2はいずれも本発明のオブジェクトである。
【0033】
以上の編集作業については、例えばテンプレート画像の内編集可能な領域に仮想的な編集枠を設定し、かかる編集枠内のオブジェクトとしての画像を、編集ボタンの操作やマウスのドラッグで、拡大、縮小、移動、変形などを行えばよい。また、置換に関しては、例えば端末11のディスプレイ12に、置換できる選択肢を表示した上で、顧客に選択肢のいずれかを選ばせるようにすると、編集作業が簡便となって好ましい。ただし、あまりに選択肢が多すぎると、却って作業に手間取るため、「子供が産まれました」という文字画像C1のうち、「が生まれました」については置換を禁止し、「子供」のみを、「男の子」もしくは「女の子」などに変更する出来るようにすると好ましい。」

(エ)「【0038】
以上の例では、誕生通知のポストカードを例にとり説明したが、これ以外にも年賀状とか暑中見舞いなどのポストカードや、カレンダー、名刺など様々な合成画像のプリント注文に、本発明は適用可能である。又、例えばインターネットなどを通じて一斉に配信する電子グリーティングカードなどの注文作成を行う際に、本発明を適用することも可能である。」

以上、(ア)ないし(エ)の記載、および図面を総合すると、引用例には、
「1.顧客の端末11から、予め取得してあった画像データ(被写体画像)や被写体画像と組み合わせるべきテンプレート画像の情報、プリント注文情報等をインターネットを介して管理サーバ21に送信し、
2.管理サーバ21は、上記情報を受信し、これらの情報に基づきテンプレート画像に被写体画像をはめ込んで、画像形成装置22により合成画像のプリントを行うものであって、
3.ポストカードやカレンダーなどの合成画像のプリント注文に適用できるネットワークフォトサービスシステム」
の発明(以下、引用発明という。)が開示されていると認めることができる。

(3)対比
引用発明と補正請求項1発明とを対比する。
引用発明の「端末」、「画像形成装置」は、それぞれ補正請求項1発明の「端末」、「印刷手段」に相当し、そして、引用発明の「被写体画像(画像データ)」は、補正請求項1発明の「画像データ」に相当する。
補正請求項1発明の「会員」とは、サービス業者に予め登録された顧客の意味に解されるから、引用発明の「顧客」は、予め登録されているか否かは別にして、補正請求項1発明の「会員」に対応している。
そして、引用発明の「管理サーバ」は、端末から画像データを受信する受信手段、および、受信したデータや印刷に必要なデータを記憶する記憶手段を備えていることは明らかである。
また、引用例には、画像データを所定のフォーマットに埋め込んで印刷する画像形成装置を備えること、および、ポストカード以外にカレンダーなどのプリント注文に適用可能であることが記載されているから、引用例には、実質的に「画像データをカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷する印刷手段を備えたカレンダー印刷サービス装置」が記載されているということができる。
さらに、ポストカードは複数の対象者に送ることを前提としたものであるから、印刷物が複数プリントされることは自明であり、また、カレンダーについても1つだけでなく複数作成されることは普通なのであるから、引用例には、画像形成装置によって印刷物のコピーを生成(複数の印刷物を作成)することもまた記載されているということができる。

以上のことから、両者は、
<一致点>
「インターネットを介して、顧客の端末から送信された画像データを受信する受信手段と、
印刷に必要な情報を記憶する記憶手段と、
前記受信手段によって受信された前記顧客からの画像データをカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物のコピーを生成するコピー生成手段と、
を備えたカレンダー印刷サービス装置。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
補正請求項1発明は、「会員」に対する印刷サービスを行うものであり、「会員」とは「予め登録された顧客」を意味していると解釈できるのに対し、
引用発明は、顧客に対する印刷サービスを行うものであるが、引用例には当該顧客が予め登録されているか否か記載されていない点。
<相違点2>
補正請求項1発明は、端末が「携帯電話機」であるのに対し、
引用例には、端末を携帯電話機とすることは記載されていない点。
<相違点3>
補正請求項1発明は、「あらかじめ登録された前記会員の氏名、家族の記念日及びカレンダーの送付先住所を記憶すると共に必要であれば前記カレンダーのコピー送付先住所も記憶する記憶手段」を備えているのに対し、
引用例には、印刷に必要なデータを記憶する記憶手段を備えていることは明らかであるものの、記憶手段に上記のようなデータを記憶することは記載されていない点
<相違点4>
補正請求項1発明は、「会員の家族の記念日」を「月ごとの」カレンダーフォーマットに埋め込んで印刷するものであるのに対し、
引用例には、上記のような印刷をすることは記載されていない点
<相違点5>
補正請求項1発明は、「前記記憶手段に前記カレンダーのコピー送付先住所が記憶されている場合に前記印刷手段によって印刷された印刷物のコピーを生成するコピー生成手段」を備えているのに対し、
引用例には、コピー生成手段は記載されているものの、コピーの生成をコピー送付先住所が記憶されている場合に行うことは記載されていない点
<相違点6>
補正請求項1発明は、「前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記送付先住所に配送するための準備処理を実行すると共に、前記コピー生成手段によって前記印刷物のコピーが生成されていた場合はそのコピー生成物を前記コピー送付先住所に配送するための準備処理を実行する配送準備手段」を備えているのに対し、
引用例には、印刷物の配送に関することは記載されていない点
<相違点7>
補正請求項1発明は、「前記会員の登録情報の中から日次処理または月次処理により二次利用可能な情報を抽出して該抽出情報を商品情報案内システムまたはダイレクトメール発送システムの一方またはその双方に転送する転送手段」を備えているのに対し、
引用例には、上記のような手段については記載されていない点

(4)判断
<相違点1>について
インターネットや通信回線を用いてユーザ(顧客)の端末から印刷サービス業者にカレンダー印刷に必要な情報(氏名や住所、注文数等を含む)を送り、印刷サービス業者がユーザオリジナルなカレンダーの印刷をユーザから請け負うシステムは、引用例に記載されているだけでなく一般に周知(例えば、特開2002-15143号公報や、特開平10-236017号公報等に記載されている)である。
しかして、引用発明は、ネットワークフォトサービスシステムに接続すれば該サービスを利用することができるものであって、予め業者に顧客登録しておく必要がないものであるが、特開平10-236017号公報に記載されている(図2,段落【0013】?【0014】参照)ように、予めカレンダー印刷サービス業者に顧客情報を登録しておくことは周知であり、そして、予め業者に顧客登録(予め個人情報を登録)しておかなければサービスを受けられないようにするか、あるいは、顧客登録しておかなくてもサービスを受けられるようにするかは適宜選択し得ることにすぎないから、相違点1に係る事項に格別のものは認められない。
<相違点2>について
カメラ付き携帯電話機で撮影した画像を他の端末に送信するものは、本願出願前から周知(撮影した画像を送信できるカメラ付き携帯電話機は2000年11月に市場投入されている)であるから、引用発明における端末を携帯電話機とすることは当業者が容易に想到し得たものと認められる。
<相違点3>,<相違点5>および<相違点6>について
カレンダー印刷サービス業者のデータベースに、予め顧客情報として顧客の住所や氏名、誕生日や記念日等を登録して記憶しておくことは、特開平10-236017号公報(図2,段落【0013】?【0014】参照)に記載されているように周知である。
また、カレンダー印刷サービス業者が、顧客の住所氏名やカレンダーの注文数、送付先(自宅に限らない)等を顧客情報として記憶し、印刷したカレンダーを記憶した送付先に配送するように宅配業者に依頼することは、特開2002-15143号公報(図1ないし図3,段落【0040】?【0046】参照)に記載されているように周知である。
これらのことからみて、カレンダー印刷サービス業者が、顧客情報として顧客の氏名や家族の記念日、および印刷したカレンダーの送付先を記憶しておくこと、および、印刷したカレンダーを記憶しておいた送付先に配布するように宅配業者に依頼すること(カレンダー印刷サービス業者が宅配業者に宅配を依頼することは、実質的に、カレンダー印刷サービス業者が配送するための準備処理を実行することと同じである)は、周知技術といえるものである。
ところで、引用例に記載された画像(写真)付きカレンダーの注文作成を考えると、当該カレンダーを自宅でのみ用いるためにただ一つだけ作成するようなことは特別な場合であり、常識的には自宅用以外に知人等に渡したい分を作成(複製)することが普通であるし、それを知人等にも配ることも社会常識である。
してみると、引用例に記載された印刷サービスシステムにおいて、カレンダーの印刷を注文した場合、自宅で用いるカレンダーのほか、カレンダーを配りたい知人等がいれば知人等に渡すためのカレンダーも印刷(複製)すること、そして、自宅の住所および配りたい知人宅等の住所を送付先として業者に登録(記憶)し、自宅用のカレンダーおよび複製されたカレンダーを記憶されたそれぞれの送付先に配送するように宅配業者に依頼することは、上記周知技術および一般社会常識からすれば当業者が容易に想到し得たといわざるを得ない。
よって、相違点3,相違点5および相違点6に係る事項は、周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものと認められる。
<相違点4>について
カレンダーフォーマット中に顧客の個人情報(誕生日や記念日)を埋め込んで印刷することは、特開平10-236017号公報(図1,図2,段落【0008】?【0009】参照)や、特開2002-15143号公報(図6,【請求項4】,【請求項5】,段落【0068】?【0070】参照)に記載されているように周知であり、そのカレンダーフォーマットを月ごとにすることは適宜であるから、引用発明においてカレンダーを印刷する際、会員の家族の記念日を月ごとのカレンダーフォーマットに埋め込んで印刷することは、周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たと認められる。
<相違点7>について
商品の販売やサービスの提供を行う事業者が、販売システムやサービス提供システムを運用していることは一般常識であるが、それ以外に同じ事業者が商品情報案内システムやダイレクトメール発送システム等、該当事業に付随した複数のシステムを運用していることもまた一般常識である。
しかして、複数のシステムを運用している事業者が、一つのシステムで得られた情報を他のシステムでも利用することはごく普通のことであり、一つのシステムで得られた(記憶された)情報から利用できる情報を定期的に抽出して他のシステムに転送することは常套手段ともいえるものであるから、相違点7に係る構成は周知技術から当業者が適宜なし得るものと認められる。
さらに、補正請求項1発明の作用効果を総合的に勘案しても、補正請求項1発明に格別の点を認めることはできない。

以上のように、補正請求項1発明は、引用例に記載された発明、および周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。
したがって、補正請求項1発明は、特許法第29条第2項の規定により、その特許出願の際に独立して特許を受けることができない。

(5)本件補正についてのまとめ
以上のとおり本件補正は、平成18年法律第55号改正附則第3条第1項によりなお従前の例によるとされる同法による改正前の特許法第17条の2第5項において準用する同法第126条第5項の規定に違反するものであるから、特許法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。


3.本願発明について
(1)請求項1発明
平成18年8月27日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願発明は、平成17年12月20日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲により特定されるとおりのものである。
そして、その請求項1に係る発明(以下、請求項1発明という。)は、次のとおりである。

「インターネットを介して会員の端末から送信された画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された画像データを含むカレンダーを印刷する印刷手段と、
前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記会員宅または前記会員によって指定された宛先に配送するための準備処理を実行する配送準備手段と
を備えたことを特徴とするカレンダー印刷サービス装置。」

(2)引用例に記載された事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2001-339595号公報(引用例)に記載された事項は、前記「2.(2)」に摘記したとおりである。

(3)対比・判断
請求項1発明と引用例に記載された発明(引用発明)を対比すると、
引用発明の「端末」、「画像形成装置」は、それぞれ請求項1発明の「端末」、「印刷手段」に相当し、そして、引用発明の「被写体画像(画像データ)」は、請求項1発明の「画像データ」に相当する。
請求項1発明の「会員」とは、サービス業者に予め登録された顧客の意味に解されるから、引用発明の「顧客」は、予め登録されているか否かは別にして、請求項1発明の「会員」に対応している。
そして、引用発明の「管理サーバ」は、端末から画像データを受信する受信手段を備えていることは明らかである。
また、引用例には、画像データを所定のフォーマットに埋め込んで印刷する画像形成装置を備えること、および、ポストカード以外にカレンダーなどのプリント注文に適用可能であることが記載されているから、引用例には、実質的に「画像データを含むカレンダーを印刷する印刷手段を備えたカレンダー印刷サービス装置」が記載されているということができる。

したがって、請求項1発明と引用発明は、
<一致点>
「インターネットを介して顧客の端末から送信された画像データを受信する受信手段と、
前記受信手段によって受信された画像データを含むカレンダーを印刷する印刷手段と、
を備えたことを特徴とするカレンダー印刷サービス装置。」
で一致し、以下の点で相違する。

<相違点1>
請求項1発明は、「会員」に対する印刷サービスを行うものであり、「会員」とは「予め登録された顧客」を意味していると解釈できるのに対し、
引用発明は、顧客に対する印刷サービスを行うものであるが、当該顧客が予め登録されているか否かは明示されていない点。
<相違点2>
請求項1発明は、「前記印刷手段によって印刷された印刷物を前記会員宅または前記会員によって指定された宛先に配送するための準備処理を実行する配送準備手段」を備えているのに対し、引用例には、配送に関する事項は記載されていない点。

<相違点1>について
インターネットや通信回線を用いてユーザの端末から印刷サービス業者にカレンダー印刷に必要な情報を送り、印刷サービス業者がユーザオリジナルなカレンダーの印刷を請け負うシステムは周知(例えば、特開2002-15143号公報や、特開平10-236017号公報等にも記載されている)である。
そして、この種の印刷サービスを受けるために、顧客として予め業者に登録しておくことは、特開平10-236017号公報に記載されている(図2,段落【0013】?【0014】参照)し、そもそもサービスを受けるために業者に会員登録しておく程度のことは適宜なし得ることにすぎない。
<相違点2>について
カレンダーの受注印刷業者において、印刷物(カレンダー)を、顧客によって指定された宛先(顧客の自宅あるいは指定した先)に配送するように宅配業者に依頼することは、特開2002-15143号公報に記載されているように周知であるから、相違点2に係る構成は、上記周知技術に基づいて当業者が容易に想到し得たものと認められる。

(4)むすび
以上の通りであるから、請求項1発明は、引用例に記載された発明および周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
したがって、本願は、他の請求項について検討するまでもなく、拒絶されるべきものである。
よって、結論の通り審決する。
 
審理終結日 2008-11-14 
結審通知日 2008-11-17 
審決日 2008-11-28 
出願番号 特願2002-293298(P2002-293298)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小太刀 慶明山下 達也  
特許庁審判長 立川 功
特許庁審判官 手島 聖治
真木 健彦
発明の名称 カレンダー印刷サービス装置、プログラム及び記録媒体  
代理人 鹿嶋 英實  
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