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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200680001 審決 特許
無効200580195 審決 特許
無効200680073 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 1項3号刊行物記載  F16L
審判 全部無効 2項進歩性  F16L
管理番号 1191757
審判番号 無効2007-800253  
総通号数 111 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-03-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2007-11-12 
確定日 2009-02-12 
事件の表示 上記当事者間の特許第3906462号発明「接合金具」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3906462号の請求項1及び2に係る発明についての特許を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯・本件発明
本件特許第3906462号の請求項1及び2に係る発明(平成13年11月6日出願、平成19年1月26日設定登録。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び2に記載された次の事項により特定されるとおりのものと認める。

【請求項1】
ホース端に結合され、互いに連結される接合金具で、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する2本の係合爪を備えたものにおいて、係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して1度乃至5度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させたことを特徴とする接合金具。(以下「本件発明1」という。)

【請求項2】
係合爪の傾斜角度を2度としたことを特徴とする請求項1に記載された接合金具。(以下「本件発明2」という。)

2.請求人の主張
これに対して、請求人は、本件発明1及び2の特許を無効とする、との審決を求め、概略以下の(1)及び(2)の理由を挙げると共に、証拠方法として甲第1号証1ないし甲第1号証3並びに甲第2号証ないし甲第7号証を提出している。
(1)本件発明1及び2は、甲第1号証1に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当するものであるから、本件発明1及び2の特許は、同法123条第1項第2号に該当し無効とすべきである(以下「無効理由1」という。)。
(2)本件発明1及び2は、甲第2号証の発明に甲第1号証1の発明を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本件発明1及び2の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してなされたものであり、同法123条第1項第2号に該当し無効とすべきである(以下「無効理由2」という。)。

(証拠方法)
甲第1号証1:海上自衛隊仕様書(写し)平成13年2月1日改正版
甲第1号証1の1:海上自衛隊仕様書の付図1の説明用参考図面
甲第1号証1の2:海上自衛隊仕様書の付図2の説明用参考図面
甲第1号証1の3:海上自衛隊仕様書の付図3の説明用参考図面
甲第1号証2:海上自衛隊仕様書(写し)平成11年7月15日改正版
甲第1号証3:海上自衛隊仕様書(写し)平成6年6月16日
甲第2号証:特開2000-304185号公報
甲第3号証:請書(契約番号224-2334)(写し)
甲第4号証:「防衛庁調達仕様情報」(防衛省ホームページ
http://www.mod.go.jp/j/info/nds/siyousyo/dsp_j_main.htm
2008年2月27日)(原本)
甲第5号証:「海上自衛隊仕様書調達情報」(海上自衛隊ホームページ
http://www.mod.go.jp/msdf/formal/supply/spec.html
2008年2月27日)(原本)
甲第6号証:「防衛調達研究会アーカイブ」(内外出版社株式会社ホームペ ージ http://www.naigai-group.co.jp/cat3/
2008年2月27日)(原本)
甲第7号証:「防衛省における情報公開制度」(防衛省ホームページ
http://www.mod.go.jp/j/info/joho/01kokai.htm
2008年2月27日)(原本)

3.被請求人の主張
一方、被請求人は、概略以下の(1)及び(2)の主張をすると共に、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。
(1)甲第1号証1は特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物であるとはいえないから、本件発明1及び2は、特許法第29条第1項第3号の規定に該当するものであるとする請求人の主張は理由がない。
(2)甲第1号証1は特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された刊行物であるとはいえないから、本件発明1及び2は、甲第2号証の発明に甲第1号証1の発明を適用することにより、当業者が容易に発明をすることができたものであるとする請求人の主張は理由がない。

(証拠方法)
乙第1号証:「防衛省装備施設本部 入札及び契約心得 平成19年8月」 第1、2、12、24及び29頁、内外出版株式会社、
平成19年9月26日発行
乙第2号証:防衛省における行政機関の保有する情報の公開に関する法律に 基づく処分に係る審査基準(防衛省ホームページ
http://www.mod.go.jp/j/info/joho/05kijun.htm)

4.無効理由1について
そこでまず、無効理由1について検討する。

(1)甲第1号証1
(1-1)甲第1号証1に係る仕様書が「頒布された刊行物」であるか否かの検討
甲第1号証1は、「海上自衛隊仕様書」と題し、仕様書番号が「M4P-G-00827-2」、物品の名称が「消防用ホース,艦船用」、作成年月日が「6.6.16」、改正年月日が「13.2.1」とされている印刷文書であり、「1.総則」の「1.4 引用文書」の項の「この仕様書に引用する次の文書は,この仕様書に規定する範囲内において,この仕様書の一部をなすものであり,入札書又は見積書の提出時における最新版とする。」なる記載等からみて、この「海上自衛隊仕様書」と題した印刷文書は、入札用の書類であると認められるところ、この点については、両当事者も争っていない(平成20年3月12日に実施した口頭審理の第1回口頭審理調書(以下単に「口頭審理調書」という。)の「2.(1)」参照)。
なお、甲第1号証1の「海上自衛隊仕様書」は、1頁の上側余白に、「19.3.1」なる日付が手書きされ、さらに、「海上自衛隊補給本部需品整備課 仕様係長 脇本 剛」なるゴム印と共に「脇本」なる押印が付されているところから、請求人が平成19年3月1日に海上自衛隊の担当部署から入手したものであると認められるが、請求人が頒布された刊行物であると主張するのは、甲第1号証1そのものではなく、甲第1号証1に開示されている仕様内容と同一の「海上自衛隊仕様書」(以下単に「甲1仕様書」という。)であることは明らかである。

ところで、特許法第29条第1項第3号に規定する「頒布された刊行物」とは如何なるものが該当するかについて、「特許法逐条解説」には次のように説明されている。
「刊行物とは、公衆に対し頒布により公開することを目的として複製された文書、図面その他これに類する情報伝達媒体をいう。また、公開的なものであるから印刷物の内容を秘密にしているものあるいは私文書を多数の友人に配布するために印刷した物はここにいう刊行物ではない。次に頒布とは、上記のような刊行物が不特定多数の者が見得るような状態におかれることをいう。現実に誰かがその刊行物を見たという事実を必要としない。」

そして、上記のとおり、甲1仕様書は、入札用の書類と認められるところ、両当事者の主張によれば、甲1仕様書に係る海上自衛隊の入札に際しては、最初に、海上自衛隊側から有資格者名簿に記載された業者に対して打診があり、入札情報が提供されるので、打診された者であれば誰でも、海上自衛隊の担当部署を介して甲1仕様書を入手することが可能であったものといえる(口頭審理調書「2.(2)」参照)と共に、上記有資格者名簿には、複数の業者が登録されていたものと解されるところであり、海上自衛隊としては、厳正かつ公平な競争入札を担保すべく、有資格者名簿に登録された業者の中からできるだけ安い見積額を提示した業者を選定するために、相当数の業者に対して打診を試みることが通常の運用であったといえる。
また、海上自衛隊から打診のあった業者のうち入札参加予定者は、見積書の作成に際し、消防用ホースの結合金具に関する鋳物、金型、パッキン等の各業者に甲1仕様書を見せて(口頭審理調書「2.(2)」参照)見積額を算出したものと推定されるため、甲1仕様書は入札参加予定者以外の多数の業者にも開示されるに至ったものと認められるから、甲1仕様書が「公衆に対し頒布により公開することを目的として複製された文書、図面その他これに類する情報伝達媒体」に該当するものであると認められる。
さらに、甲1仕様書と全く同一内容の「海上自衛隊仕様書」が添付されている甲第3号証の「請書」は、該甲1仕様書に係る入札の結果、請求人が平成13年3月27日に受注契約したことを示すものであり、その日付によれば、遅くとも平成13年3月27日までには、不特定多数の者が見得るような状態におかれていたと認められる。

上述したところによれば、甲1仕様書は、海上自衛隊から入札を目的として提供された印刷文書であり、かつ、相当数の業者がそれを入手していたものといえることから、特許法逐条解説の上記説明における、「公衆に対し頒布により公開することを目的として複製された文書」であり、かつ、「不特定多数の者が見得るような状態におかれ」ていたものに該当するため、結局、「頒布された刊行物」であると認められる。
加えて、甲第3号証の「請書」の日付を考慮すれば、甲1仕様書は、本件特許出願の日である平成13年11月6日よりも前に国内において頒布されたものであると解するのが相当である。

なお、被請求人は、甲1仕様書は、守秘義務が課せられた文書である旨主張すると共に、その根拠として乙第1号証(「防衛省装備施設本部 入札及び契約心得 平成19年8月」)の「5.14(秘密の保全)」の項を挙げ、さらに、乙第1号証の内容は甲1仕様書に係る入札の当時から運用されていたものであると主張している(口頭審理調書「2.(3)」参照)ので、この点について検討する。
上記乙第1号証の「入札及び契約心得」は、平成19年8月に制定されたものであって、甲1仕様書に係る入札が行われた平成13年当時のものではないが、仮に、被請求人の主張のとおり、該「入札及び契約心得」に規定された内容が甲1仕様書に係る入札の当時から運用されていたものであるとしても、その「5.14(秘密の保全)」の項には、
「5.14.1 相手方は、契約条項に定める場合のほか、次に掲げる特約条項その他の秘密の保護等に関する特約条項が添付されている場合には、当該特約条項の定めるところにより秘密の保全に万全を期さなけらばならない。
(1)特別防衛秘密の保護に関する特約条項
(2)秘密保全に関する特約条項
(3)防衛秘密の保護に関する特約条項」
と規定されているところ、甲1仕様書には、かかる特約条項その他の秘密の保護等に関する特約条項が何等添付されていないのは明らかである。
また、甲1仕様書に係る物品である消防用ホースは、艦船に特有の形状・構造を有するとはいえないごく一般的なものであり、特段の軍事機密に属するものということもできない。
そうすると、被請求人の上記主張は、根拠のないものとして到底採用できない。

(1-2)甲1仕様書に記載された発明
次に、甲1仕様書に記載された発明について検討する。
甲1仕様書には付図1ないし4と共に次の事項が記載されている。

・「a)消防用ホースは,ジャケットの両端に保護布及び結合金具を取り付けるものとし,付図1による。」(2頁18?19行)

・付図1(5頁)には、ジャケットの両端に結合され、互いに連結される接合金具が示されている。

・付図2(6頁)及び付図3(7頁)には、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する2本の係合爪を備えたものにおいて、係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して2度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させた接合金具が示されている。

これらの記載事項及び図示内容を総合すると、甲1仕様書には次の発明が記載されていると認められる。

「ジャケットの両端に結合され、互いに連結される接合金具で、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する2本の係合爪を備えたものにおいて、係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して2度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させた接合金具。」(以下「甲1発明」という。)

(2)本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明の「ジャケットの両端」は、本件発明1の「ホース端」に相当する。また、係合爪の傾斜角度に関して甲1発明の「2度」は、本件発明1の「1度乃至5度」の条件を満たしている。
そうすると、本件発明1と甲1発明とは、
「ホース端に結合され、互いに連結される接合金具で、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する2本の係合爪を備えたものにおいて、係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して1度乃至5度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させた接合金具。」
である点で一致し、両者の間に構成上の差異は存在しない。
したがって、本件発明1は、甲1仕様書に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し特許を受けることができないものである。

(3)本件発明2について
本件発明2は、本件発明1において、「係合爪の傾斜角度を2度とした」点を限定したものであるが、甲1発明における係合爪の傾斜角度は2度であるから、結局、本件発明2と甲1発明との間にもに構成上の差異は存在しない。
したがって、本件発明2は、甲1仕様書に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し特許を受けることができないものである。

(4)まとめ
以上のとおりであるので、本件発明1及び2は、いずれも甲1仕様書に記載された発明であり、特許法第29条第1項第3号の規定に該当し、特許を受けることができないものであるから、無効理由1には理由があるというべきである。

5.無効理由2について
次に無効理由2について検討する

(1)甲号証
(1-1)甲第2号証
甲第2号証には、図面と共に次の事項が記載されている。

・「【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、消火ホースなどの送水ホース接手、特に高圧水の流動により軸方向に大きな引き抜き圧力が作用する送水ホース接手に関するものである。」

・「【0007】
【実施例】以下この考案を図面に示す実施例について説明すると、精密鋳造などにより円筒状に鋳造成形した接手筒1の外周に、同様に環状に鋳造成形した締結作動環2が旋回自在に嵌合されている。
【0008】締結作動環2の外周には、それぞれ鉤形に屈曲形成された一対の鉤止爪3,3がそれらの鉤形内側凹部4を互いに径方向に相対向して接手筒1の先端の接合端面前方に向けて突設され、各鉤止爪3,3の付根間の両半周部の外周には締結作動環2の締め込み回転方向(右回転)に沿つて延出する楔突条5,5が形成されている。」

・「【0023】そして、接手筒1,1の接合後において送水ホース13に高圧で送水を開始すると、相対する接手筒1,1同士は相互に相反方向に引っ張られるため、接手筒1の同溝幅に形成されたリング溝8の水平な側縁にベアリングボール10が係合して締結作動環2を上記傾斜前の位置に引き戻して鉤止爪3の摺接面4bを楔突条5の後面5aに圧接するため、接手筒1,1同士は強固な締結状態を維持することになる。
【0024】
【発明の効果】以上の通りこの発明によれば、接手筒同士の接合締結に際して締結作動環をそのリング溝の傾斜変化する溝幅(ガタ)を利用して若干傾けながら回転締結することにより、締結操作を軽微な力で軽快に行うことが可能となる。」

・図6には送水ホース端に結合され、互いに連結される接手、及び、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する鉤止爪が示されている。

これらの記載事項及び図示内容を総合すると、甲第2号証には次の発明が記載されていると認められる。

「送水ホース端に結合され、互いに連結される接手で、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する一対の鉤止爪を備えた送水ホース接手。」(以下「甲2発明」という。)

(1-2)甲1仕様書
上記「4.(1)(1-2)」で検討したとおり、甲1仕様書には甲1発明が記載されている。

(2)本件発明1について
(2-1)対比
本件発明1と甲2発明とを対比すると、その機能・作用からみて、後者における「送水ホース」が前者における「ホース」に相当し、以下同様に、「接手」及び「送水ホース接手」が「接合金具」に、「一対の鉤止爪」が「2本の係合爪」に、それぞれ相当している。
したがって、両者は
「ホース端に結合され、互いに連結される接合金具で、略L字形の係合溝と、係合溝に係合する2本の係合爪を備えた接合金具。」である点で一致し、次の点で相違する。
[相違点1]
本件発明1では、「係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して1度乃至5度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させた」のに対して、甲2発明ではかかる特定がなされていない点。

(2-2)判断
上記相違点1について以下検討する。
上記「4.(1)(1-2)」で検討したとおり、甲1発明は、接合金具において「係合時に回動させる方向に対して逆方向に係合爪を、それぞれ垂直方向に対して2度の傾斜角度で傾斜させて、2本の係合爪を同じ回動方向に傾斜させた」構成を有するものである。
甲2発明及び甲1発明は共に、消防ホースという共通の技術分野に属しており、かつ、消防ホースにおいて、接合金具同士が強固な締結状態を維持するという課題は当業者であれば当然想起し得るものであるから、かかる課題の下に、甲2発明に甲1発明の構成を適用して上記相違点1に係る本件発明1の構成とすることは、当業者にとって容易である。

そして、本件発明1の全体構成により奏される効果も、甲2発明及び甲1発明から当業者が予測し得る範囲内のものである。

よって、本件発明1は、甲2発明及び甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものというべきである。

(3)本件発明2について
(3-1)対比
本件発明2と甲2発明とを対比すると、上記「(2)(2-1)」での検討内容を踏まえれば、両者は、上記相違点1に加え、次の点でも相違する。
[相違点2]
本件発明2では「係合爪の傾斜角度を2度とした」のに対し、甲2発明ではかかる特定がなされていない点。

(3-2)判断
上記の各相違点について検討する。
上記「4.(1)(1-2)」で検討したとおり、甲1発明は、上記相違点1及び相違点2に係る構成を有するものである。
したがって、上記「(2)」での検討内容を踏まえれば、甲2発明に甲1発明の構成を適用して相違点1及び2に係る本件発明2の構成とすることは、当業者にとって容易である。

そして、本件発明2の全体構成により奏される効果も、甲2発明及び甲1発明から当業者が予測し得る範囲内のものである。

よって、本件発明2は、甲2発明及び甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものというべきである。

(4)まとめ
以上のとおりであるので、本件発明1及び2は、いずれも甲第2号証記載の発明及び甲1仕様書記載の発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであり、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、無効理由2には理由があるというべきである。

6.むすび
したがって、無効理由1及び2は、いずれも理由があるといえるから、本件発明1及び2の特許は、いずれも無効とすべきものである。
審判に関する費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規程により、被請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2008-04-11 
出願番号 特願2001-340822(P2001-340822)
審決分類 P 1 113・ 121- Z (F16L)
P 1 113・ 113- Z (F16L)
最終処分 成立  
前審関与審査官 谷口 耕之助  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 米山 毅
仁木 浩
登録日 2007-01-26 
登録番号 特許第3906462号(P3906462)
発明の名称 接合金具  
代理人 村重 慶一  
代理人 村重 慶一  
代理人 伊藤 文彦  
代理人 井ノ口 壽  
代理人 井ノ口 壽  
代理人 斉藤 侑  

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