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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1197427
審判番号 不服2007-6749  
総通号数 115 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2009-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2007-03-07 
確定日 2009-05-15 
事件の表示 特願2000-313271「スロットマシン」拒絶査定不服審判事件〔平成14年 4月23日出願公開、特開2002-119638〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は平成12年10月13日の出願であって、平成19年1月30日付けで拒絶の査定がされた(同日付けで平成18年11月27日付け手続補正が却下された。)ため、これを不服として同年3月7日付けで本件審判請求がされるとともに、同月27日付けで明細書についての手続補正(以下「本件補正」という。)がされたものである。

第2 補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
平成19年3月27日付け手続補正を却下する。

[理由]
1.補正事項及び補正目的
本件補正は特許請求の範囲の補正を含んでおり、「光源」及び「特定の図柄」を、「LED光源」及び「特別入賞の抽選当たりがあったことを告知するための特定の図柄」とそれぞれ補正すること等を補正事項としており。これらは特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認める。
そこで、本件補正後の請求項1に係る発明(以下「補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるかどうか検討する。

2.補正発明の認定
補正発明は、本件補正により補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。
「透明な帯状シートの裏面に複数個の図柄が印刷されて成る帯状テープにより外周の図柄表示部が形成されているリールと、前記リールの図柄表示部に背後より照明を施すための多色発光のLED光源と、前記多色発光のLED光源の色彩の発光動作を告知の有無に応じて制御する制御装置とを備え、前記帯状テープの複数個の図柄のうち、特別入賞の抽選当たりがあったことを告知するための特定の図柄は、帯状シートの裏面に印刷された第1の図柄上に白地を印刷しかつその上に第2の図柄を印刷して形成されており、前記制御装置は、告知しないときは前記多色発光のLED光源を第2の図柄と同じ色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第1の図柄のみを表示させ、告知するときは前記多色発光のLED光源を第2の図柄と異なる色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第2の図柄を出現させて前記第1の図柄との合成図柄を表示させるようにしたスロットマシン。」

3.引用刊行物の記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-61027号公報(以下「引用例1」という。)には、以下のア?シの記載が図示とともにある。
ア.「複数種類の絵柄がおもてに配置された回転可能なリールを複数個備え、前記絵柄をリール表示窓上で停止させ、前記リールの停止時における前記リール表示窓上の絵柄の組み合わせから入賞を定め、所定数のメダルまたは玉を払い戻す遊技台であって、
バックライトの照明により背後より付加的絵柄を映し出し、おもてに配置されている絵柄と合成して表示する機能を含むことを特徴とする遊戯台。」(【請求項1】)
イ.「以下、本発明の実施の形態を、スロットマシンを実施例として、その添付図面に従い詳細に説明する。」(段落【0009】)
ウ.「発光素子としては、通常のランプ、半導体発光素子、エレクトロルミネッセンス、冷陰極管、蛍光燈、等々がある。」(段落【0017】)
エ.「リール部材525は、バックライトを照射しない場合は、遊戯者にリールのおもての絵柄のみが見え、バックライトを照明がある場合には、付加的絵柄が映し出され、おもての絵柄と合成されて遊戯者に見えるように構成されている。ここで、バックライトの照明で映し出される付加的絵柄は、リール部材おもての絵柄の下側、あるいはリール部材の裏側に配置(印刷)され、付加的絵柄とリールのおもての絵柄との間には、バックライトによる照明がない場合には前記おもての絵柄のみが遊戯者に見え、バックライトの照明がある場合には付加的絵柄とおもての絵柄が合成されて遊戯者に見える処理が施してある。」(段落【0022】)
オ.「例えば、透明のリール部材の上に、最初に付加的絵柄を印刷し、その上に薄い乳白色を印刷し、次におもての絵柄を印刷することによりバックライトの照射がないときは、おもての絵柄が遊戯者に見え(この時、おもてからの光の照射があると、おもての絵柄のみが見える効果が大きくなる)、バックライトの照射がある時はおもての絵柄と合成された絵柄が遊戯者に見える。」(段落【0023】)
カ.「この効果は、裏側に付加的絵柄を印刷し、おもてに乳白色を印刷し、その上におもての絵柄を印刷しても同じである。または、裏側に乳白色を印刷し、この上に付加的絵柄を印刷し、おもてにおもての絵柄を印刷しても同じである。」(段落【0024】)
キ.「図7の(a)で示すように、一つのリール部材上(表面)に同じ絵柄P1とP2を配置されている。しかし、これらの絵柄の裏側には、図7(b)で示すように、絵柄P1の裏側には、点線で示してあるB1(内部当たりに成っていることを示す剣の絵柄)が配置(印刷)されてあり、絵柄P2の裏側には、同じく点線でしめしてあるB2(内部当たりでなく外れている「スカ」の絵柄)が配置されている。」(段落【0035】)
ク.「遊戯者にとっては、図8の(a)で示すように外から見ただけでは、両方とも同じ絵柄に見える。そこで、リールの回転をスタートの後、リールをストップさせた所で、次内部抽選に当選していた場合と、当選していない場合では、次のようになる。
当選時:内部抽選に当選していた場合であって、入賞ラインに、例えばビッグボーナスの「7」などの絵柄を引き込めない範囲にあった場合で、かつ内部当たりを示す絵柄(図7のP1側)が、リール表示窓内に引き込める場合は、図7のP1の絵柄をリール表示窓内に引き込み停止させ、バックライトを照明することにより、図8の(b)に示すように、表側の絵柄と裏側の絵柄が合成され合成絵柄として表示される。
外れ時:内部抽選に当選していない場合、内部当たりでないことを示す絵柄(図7のP2側)が、リール表示窓内に引き込める場合は、同様にして、図7のP2側の絵柄をリール表示窓内に引き込み停止させ、バックライトを照明することにより、図8の(c)に示すように、外れを示す「スカ」の絵柄が合成され合成絵柄として表示される。」(段落【0036】)
ケ.「ステップS60:このステップでは、内部抽選に当選しているか否かを判断している。当選していればステップS61へ進み、当選していなければステップS66へすすむ。
ステップS61:内部の抽選に当選していて、ストップボタン121?123が押された所で、該当するリール上の特定絵柄(例えば「7」)を入賞ラインへ引き込み停止させることができるか否かを判断する。入賞ラインへ入賞の特定絵柄を引き込み停止させることができる場合は、ステップS62へ進む。特定絵柄を入賞ラインへ引き込めない場合は、ステップS63へ進む。」(段落【0037】)
コ.「ステップS63:リール表示窓内に「当選表示絵柄」(本実施例の場合、図7のP1の絵柄)を引き込めるか否かを検査し、引き込めない場合はステップS64へ進む。引き込める場合は、ステップS65へ進む。」(段落【0038】)
サ.「ステップS65:リール表示窓内に「当選表示絵柄」停止させ、バックライトを照明し、内部抽選で当選していることを合成表示(図8の(b)の表示)し、リールの停止制御を終了する。」(段落【0039】)
シ.「以上説明したように、バックライトの消灯、点灯により同じ絵柄でありながらあたかも別な絵柄が表現でき、多様な絵柄演出を行うことができる。例えば、内部抽選の結果内部当たりの状態になったときに、遊戯者がストップボタン121?123を押してリールを止めようとた時に、絵柄を入賞ライン上に揃える制御のできる範囲外であった場合、リールを例えば図10(a)のように特殊な絵柄部分が所定の停止位置にくるように停止させ、バックライト照射することにより、その時の入賞絵柄(図10の場合は、ビッグボーナスの7に入賞していることを示している)をリール窓104に表示し遊戯者に内部の状態を告知することができる。」(段落【0048】)

4.引用例1記載の発明の認定
引用例1記載クの「当選時」とは、「ビッグボーナスの「7」などの絵柄を引き込めない範囲にあった場合」との表現があることからみて、「ビッグボーナス当選時」であり、記載ア?シを含む引用例1の全記載及び図示によれば、引用例1には次のような発明が記載されていると認めることができる。
「複数種類の絵柄がおもてに配置された回転可能なリールを複数個備え、前記絵柄をリール表示窓上で停止させ、前記リールの停止時における前記リール表示窓上の絵柄の組み合わせから入賞を定め、所定数のメダルまたは玉を払い戻す遊技台であって、
一つのリール部材には、付加的絵柄を印刷し、その上に薄い乳白色を印刷し、次に当選表示絵柄を印刷してあり、
ビッグボーナスに当選し、ビッグボーナス絵柄を引き込めず、前記当選表示絵柄を引き込める場合には、同絵柄を引き込み、バックライトの照明により背後より付加的絵柄を映し出し、おもてに配置されている当選表示絵柄と合成して表示するスロットマシン。」(以下「引用発明1」という。)

5.補正発明と引用発明1の一致点及び相違点の認定
引用発明1の「複数種類の絵柄」、「当選表示絵柄」及び「付加的絵柄」は、補正発明の「複数個の図柄」、「第1の図柄」及び「第2の図柄」にそれぞれ相当し、「薄い乳白色を印刷」(引用発明1)と「白地を印刷」には表現上の相違しかない。そして、遊技者側から見て、「第1の図柄」、「白地」及び「第2の図柄」がこの順に並ぶように印刷して形成されていることは、補正発明と引用発明1の一致点であり、引用発明1の「当選表示絵柄」、「薄い乳白色」及び「付加的絵柄」の全体が、補正発明の「特別入賞の抽選当たりがあったことを告知するための特定の図柄」に相当する。
引用発明1の「バックライト」と補正発明の「多色発光のLED光源」は、「前記リールの図柄表示部に背後より照明を施すための光源」の限度で一致する。
引用発明1の「ビッグボーナスに当選し、ビッグボーナス絵柄を引き込めず、前記当選表示絵柄を引き込める場合」は、補正発明の「告知するとき」に相当し、「第2の図柄と異なる色彩で発光動作」かどうかはともかくとして、「光源を発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第2の図柄を出現させて前記第1の図柄との合成図柄を表示させる」点では、補正発明と引用発明1に相違はない。
また、引用発明1において、告知しないにもかかわらず、当選表示絵柄が停止するかどうかは明らかでないものの、当選表示絵柄が停止しない場合は当然あり、その場合には告知がないから、「光源の発光動作を告知の有無に応じて制御する制御装置」は引用発明1にも存し、この点は補正発明との一致点である。
したがって、補正発明と引用発明1の一致点及び相違点は次のとおりである。
〈一致点〉
「複数個の図柄が印刷され外周の図柄表示部が形成されているリールと、前記リールの図柄表示部に背後より照明を施すための光源と、前記光源の発光動作を告知の有無に応じて制御する制御装置とを備え、前記複数個の図柄のうち、特別入賞の抽選当たりがあったことを告知するための特定の図柄は、遊技者側から見て、第1の図柄、白地及び第2の図柄がこの順に並ぶように印刷して形成されており、前記制御装置は、告知するときは前記光源を発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第2の図柄を出現させて前記第1の図柄との合成図柄を表示させるようにしたスロットマシン。」
〈相違点1〉補正発明では、複数個の図柄、第1の図柄、白地及び第2の図柄のすべてが、透明な帯状シートの裏面に印刷されているのに対し、引用発明1ではリール部材のおもてに印刷されている点。
〈相違点2〉補正発明の「光源」が「多色発光のLED光源」であるのに対し、引用発明1にはその限定がない点。
〈相違点3〉補正発明が「前記制御装置は、告知しないときは前記多色発光のLED光源を第2の図柄と同じ色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第1の図柄のみを表示させ」と限定しているのに対し、引用発明1ではそもそも、告知しないときに、特定の図柄又は第1の図柄が停止するかどうかも明らかでない上に、停止したとしても第2の図柄と同じ色彩で発光動作させてはいない点。
〈相違点4〉補正発明が「告知するときは・・・第2の図柄と異なる色彩で発光動作」としているのに対し、引用発明1では発光動作するものの、「第2の図柄と異なる色彩」かどうか明らかでない点。

6.相違点の判断及び補正発明の独立特許要件の判断
(1)相違点1について
原査定の拒絶の理由に引用された特開平6-98964号公報(以下「引用例2」という。)には、「各回転リール12?14は、図5に示すように、リールドラム80と、このリールドラム80の外周部に巻かれたリールテープ90とからそれぞれ構成されている。」(段落【0020】)、「前記リールテープ90は、図7に示すように、透明なベーステープ91から構成され、ベーステープ91に絵柄92が印刷されている。すなわち、リールテープ90の裏面には、図7に示すように、まず、絵柄92の輪郭や内部の模様等を示す黒枠93が印刷される。つぎに、絵柄92の黒枠93の内側には、例えば赤色や黄色、緑色等の透光性の有る着色面94が印刷される。」(段落【0023】)及び「その後、リールテープ90の裏面の全面に、例えば白色等の透光性の有る塗装面95が印刷される。」(段落【0024】)との各記載があり、相違点1に係る補正発明の構成のうち、複数個の図柄及び白地を透明な帯状シートの裏面に印刷することが記載されている。
他方、引用例1の記載カには「裏側に乳白色を印刷し、この上に付加的絵柄を印刷」することが記載されており、当選表示絵柄は複数の絵柄の1つである。
そうであれば、複数個の図柄(第1の図柄を含む。)及び白地印刷について、引用例2記載の技術を適用し、白地印刷の上に付加的絵柄を印刷、すなわち、相違点1に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易である。

(2)相違点2?4について
相違点2?4は関連するので、まとめて判断する。
引用例1には「バックライトの消灯、点灯により同じ絵柄でありながらあたかも別な絵柄が表現でき、多様な絵柄演出を行うことができる。」(記載シ)とあり、ビッグボーナス非当選時に当選表示絵柄が停止しないのであれば、上記のような多様な絵柄演出を行えないから、ビッグボーナス非当選時であっても当選表示絵柄が停止しうると解するべきである。
さらに、原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-217963号公報(以下「引用例3」という。)には「シンボル表示窓の視野内に告知用シンボルS5が停止すると、ST11の判定が「YES」となり、特別入賞または通常の入賞のフラグがセットされていれば、つぎのST12の判定も「YES」となり、CPU41は、告知用シンボルS5の背後位置の発光体を抽選当たりの種類に応じた発光態様で作動させる(ST13)。もし、シンボル表示窓の視野内に告知用シンボルS5が停止しなければ、ST11の判定が「NO」、告知用シンボルS5が停止しても、フラグがセットされていなければ、ST12の判定が「NO」であり、ST13はスキップされる。」(段落【0037】)との記載があり、告知用シンボルが停止しても、告知しない場合(フラグがセットされていない場合)があることが記載されている。
そうであれば、引用発明1においても、告知しないときであって、特定の図柄又は第1の図柄を停止させることには何の困難性もない。
ここで、補正発明では「告知しないときは前記多色発光のLED光源を第2の図柄と同じ色彩で発光動作」するのであるが、第2の図柄と同じ色彩で発光動作すれば、白地は第2の図柄と同じ色に見え、これが「特定の図柄の位置に第1の図柄のみを表示」する原因であるが、照明色が対象となるものと一致すれば、その対象物を視認できないことは技術常識に属する。そのことは、例えば、一部を赤字で印刷等した学習用シートに赤色フィルタを重ねて、赤字部分を読み取れなくすることが、従来から行われていることによって裏付けられる。
そして、引用発明1においては、付加的図柄により告知するのだから、告知しない場合には付加的図柄を視認できなければ十分である。加えて、原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-140193号公報(以下「引用例4」という。)には、「緑色のシンボルS_(G)については、1個のシンボルのみに同色の緑色の背後照明が施され、他方のシンボルには、シンボルとは異なる色彩(黄色)による背後照明が施されている。したがってこの場合、赤色のシンボルS_(R)にかかる特別入賞に当選している可能性の方が高いことが示唆されていることになる。」(段落【0051】)との記載があり、当選の可能性の低いシンボルS_(G)を適宜の色彩で照明することが記載されているのだから、告知しない場合に、第1の図柄及びその背景部を着色照明することを妨げる理由は何もなく、付加的図柄を視認できないようにするために、バックライトを付加的図柄と同じ色彩で照明することに困難性があると認めることはできない。
請求人は、前置審尋に対する回答書において「告知しない場合においても第2の図柄と同じ色彩で背後からLED光源により照明がなされるため、・・・遊技者には第1の図柄のみがバックライト照明光により浮き出して明確に表示されることになり、第1の図柄が視認し易くなる効果を有する。」(2頁15?19行)と主張するが、添付図面の【図16】等によれば、多色発光のLED光源を用いて告知をするのは全リール停止後であり、リール回転中はバックライト照明光なしに、遊技者は第1の図柄を十分視認できると解すべきである。そのように、バックライト照明光なしに視認できる状態で、第2の図柄と同じ色彩で背後から照明すれば、第1の図柄及びその背景部が第2の図柄と同じ色彩に着色されることは避けられず、バックライト照明をすることにより、第1の図柄の視認性が向上するとは認めることができない。請求人が主張する上記の作用効果は、本願の明細書にも記載されていない。
そうすると、引用発明1を出発点として、告知する場合には付加的図柄の色彩以外の波長成分を照明色に含むという、引用発明1の構成をそのまま維持し、告知しない場合には「第2の図柄と同じ色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第1の図柄のみを表示させ」ることは当業者にとって想到容易といわざるを得ない。また、そのためには、バックライトは照明色を変更できる光源でなければならないところ、照明色を変更できる光源として「多色発光のLED光源」は周知である(引用例4にも記載されている。)から、これを採用することは設計事項に属する。
以上のとおりであるから、相違点2?4に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易である。

(3)補正発明の独立特許要件の判断
相違点1?4に係る補正発明の構成を採用することは当業者にとって想到容易であり、これら構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって、補正発明は、引用発明1、引用例2?4記載の技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができない。

[補正の却下の決定のむすび]
補正発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないから、本件補正は、平成18年法律55号による改正前の特許法17条の2第5項において準用する同法126条5項の規定に違反するので、同法159条1項において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下されなければならない。
よって、補正の却下の決定の結論のとおり決定する。

第3 本件審判請求についての判断
1.本願発明の認定
平成18年11月27日付け手続補正は原審において、本件補正は当審においてそれぞれ却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、平成18年6月27日付けで補正された明細書の特許請求の範囲【請求項1】に記載された事項によって特定される次のとおりのものと認める。
「透明な帯状シートの裏面に複数個の図柄が印刷されて成る帯状テープにより外周の図柄表示部が形成されているリールと、前記リールの図柄表示部に背後より照明を施すための多色発光の光源と、前記光源の動作を制御する制御装置とを備え、前記帯状テープの複数個の図柄のうち、特定の図柄は、帯状シートの裏面に印刷された第1の図柄上に白地を印刷しかつその上に第2の図柄を印刷して形成されており、
前記制御装置は、前記光源を第2の図柄と同じ色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第1の図柄を表示させ、前記光源を第2の図柄と異なる色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第2の図柄を出現させて前記第1の図柄との合成図柄を表示させるようにしたスロットマシン。」

2.本願発明と引用発明1の一致点及び相違点の認定
「第2[理由]5」で述べたことを踏まえると、本願発明と引用発明1の一致点及び相違点は以下のとおりである。
〈一致点〉
「複数個の図柄が印刷され外周の図柄表示部が形成されているリールと、前記リールの図柄表示部に背後より照明を施すための光源と、前記光源の発光動作を制御する制御装置とを備え、前記複数個の図柄のうち、特定の図柄は、遊技者側から見て、第1の図柄、白地及び第2の図柄がこの順に並ぶように印刷して形成されており、
前記制御装置は、前記光源を発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第2の図柄を出現させて前記第1の図柄との合成図柄を表示させるようにしたスロットマシン。」
〈相違点1’〉本願発明では、複数個の図柄、第1の図柄、白地及び第2の図柄のすべてが、透明な帯状シートの裏面に印刷されているのに対し、引用発明1ではリール部材のおもてに印刷されている点。
〈相違点3’〉本願発明が「前記制御装置は、前記光源を第2の図柄と同じ色彩で発光動作させることにより前記特定の図柄の位置に第1の図柄を表示させ」と限定しているのに対し、引用発明1では、第2の図柄と同じ色彩で発光動作させてはいない点。
〈相違点4’〉本願発明が、合成図柄を表示させるに際して「第2の図柄と異なる色彩で発光動作」としているのに対し、引用発明1では発光動作するものの、「第2の図柄と異なる色彩」かどうか明らかでない点。

3.相違点の判断及び本願発明の進歩性の判断
相違点1’は、補正発明と引用発明1の相違点1と実質的に同じであるから、相違点1についての判断がそのまま当てはまる。相違点3’及び相違点4’については、補正発明と引用発明1の相違点2?4の判断と同様の理由により、当業者にとって想到容易である。相違点1’,3’及び4’に係る本願発明の構成を採用したことによる格別の作用効果を認めることもできない。
したがって、本願発明は引用発明1、引用例2?4記載の技術及び周知技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

第4 むすび
本件補正は却下されなければならず、本願発明が特許を受けることができない以上、本願は拒絶を免れない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2009-02-27 
結審通知日 2009-03-10 
審決日 2009-03-24 
出願番号 特願2000-313271(P2000-313271)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
P 1 8・ 575- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鉄 豊郎  
特許庁審判長 津田 俊明
特許庁審判官 有家 秀郎
森 雅之
発明の名称 スロットマシン  
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